JP6211548B2 - リチウム二次電池の正極活物質の製造方法 - Google Patents

リチウム二次電池の正極活物質の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、リチウム二次電池の正極活物質の製造方法に関する。
正極活物質を含むスラリーを正極板に塗布及び乾燥して正極を作製する際、乾燥時間を速める観点から、正極材料のタップ密度を高める試みがなされている(特許文献1)。
特開2013−191516号公報(特に段落0041)
正極材料のタップ密度を大きくするには、例えば70℃〜250℃の大気中でスラリーを噴霧及び乾燥させる、所謂スプレードライ法が用いられることがある(特許文献1の段落0050)。しかし、スプレードライ法では、スラリーの粒子をシャワーのように落として乾燥させるため、装置が大型化しやすく、また、操作も煩雑である。さらには、スプレードライ法では、乾燥対象となる正極材料に含まれる、正極活物質の一次粒子間に形成される空隙の制御が困難である。そのため、正極活物質のタップ密度の向上には、改善の余地がある。
本発明はこのような課題に鑑みて為されたものであり、本発明が解決しようとする課題は、タップ密度を従来よりも簡便に高めることができるリチウム二次電池の正極活物質の製造方法を提供することである。
本発明者は前記課題を解決するべく鋭意検討した結果、以下の知見を見出した。即ち、本発明の要旨は、リチウム原料と、鉄原料と、リン原料との混合物を焼成することで、リン酸鉄リチウムの一次粒子及び副生成物としてリン酸リチウムを生成させる一次焼成工程と、当該一次焼成工程を経て得られたリン酸鉄リチウムの一次粒子及びリン酸リチウムを含む焼成物に対してクエン酸及びポリビニルアルコールを混合することで、前記リン酸リチウムを溶解させる混合工程と、当該混合工程を経て得られた、リン酸鉄リチウムの一次粒子とクエン酸とポリビニルアルコールとを含む一次粒子混合物を、不活性雰囲気で焼成することで、炭素被覆されたリン酸鉄リチウムの二次粒子を調製する二次焼成工程と、を含むことを特徴とする、リチウム二次電池の正極活物質の製造方法に関する。
このとき、前記一次粒子混合物には、スクロースが含まれていることが好ましい。
また、前記一次粒子混合物における前記クエン酸の含有量は、前記一次粒子混合物に含まれるリン酸鉄リチウムの一次粒子の含有量に対して、5質量%以上15質量%以下であることが好ましい。
本発明によれば、タップ密度を従来よりも簡便に高めることができるリチウム二次電池の正極活物質の製造方法を提供することができる。
本実施形態のリチウム二次電池の正極活物質の製造方法を示すフローチャートである。 焼成した混合物におけるクエン酸含有量と、得られたリン酸鉄リチウムのタップ密度との関係をプロットしたグラフである。 焼成した混合物におけるクエン酸含有量と、得られたリン酸鉄リチウムの嵩密度との関係をプロットしたグラフである。
以下、図面を適宜参照しながら、本発明を実施するための形態(本実施形態)を説明する。以下の説明では、正極活物質の一例としてリン酸鉄リチウムを挙げるが、正極活物質はリン酸鉄リチウムに限られるものではなく、例えばマンガン酸リチウムやコバルト酸リチウム等の任意の正極活物質のほか、チタン酸リチウム等の負極活物質にも使用可能である。
図1は、本実施形態のリチウム二次電池の正極活物質の製造方法を示すフローチャートである。本実施形態では、図1に示すフローチャートにより、炭素被覆されたリン酸鉄リチウムの二次粒子が得られる。そして、得られたリン酸鉄リチウムの二次粒子は、リチウム二次電池の正極活物質として使用可能である。以下、炭素被覆された、リン酸鉄リチウムの製造方法を、各ステップに分けながら説明する。
まず、リン原料と鉄原料とリチウム原料とを混合することで、原料混合物が得られる(ステップS101)。これらの原料のうち、リン原料は、以下で製造されるリン酸鉄リチウムを構成するリンとなるものである。また、同様に、鉄原料は鉄に、リチウム原料はリチウムになるものである。リン原料は、例えばリン酸二水素アンモニウム等である。また、鉄原料は、例えばシュウ酸鉄二水和物等である。さらに、リチウム原料は、水酸化リチウムや炭酸リチウムである。なお、一つの化合物が2以上の原料を兼ねるようにしてもよい。
各原料の混合比は特に制限されないが、リン、鉄及びリチウムのそれぞれがモル比で等量ずつ含まれるように、各原料を混合することが好ましい。リン酸鉄リチウムは、組成式LiFePOで表され、リン、鉄及びリチウムのそれぞれが等モルずつ含まれることから、このような混合比にすることで、原料を過不足なく使用することができる。
次いで、原料混合物が一次焼成され、これにより、リン酸鉄リチウムの結晶(一次粒子)が生成する(ステップS102、一次焼成工程)。一次焼成時の焼成条件は特に制限されないが、結晶が過度に増大してリン酸鉄リチウムのBET比表面積が過度に低下することを避ける観点からは、比較的結晶成長を抑制可能な条件(温和な条件)にすることが好ましい。具体的には、例えば300℃〜500℃で4時間〜5時間程度にすることが好ましい。
そして、一次焼成して得られた結晶を冷却することで(ステップS103)、リン酸鉄リチウムの結晶が複数集合してなる一次粒子が得られる(ステップS104)。この一次粒子は、後記する二次焼成(本焼成)を施すものでもあるため、「焼成前駆体」ともいわれる。また、リン酸鉄リチウムの一次粒子の生成とともに、通常は、通常は、副生成物としてリン酸リチウム(LiPO)が生成する。この副生成物は除去することが好ましいが、本実施形態では、後記するステップS105において除去される。
次いで、得られたリン酸鉄リチウムの一次粒子は、クエン酸と混合される(ステップS105)。このときの混合は、水を含んだ状態で行うことが好ましい。このようにすることで、混合物のpHが弱酸性に傾くことになる。これにより、前記のステップS104において生成した不純物のリン酸リチウムが溶解し、リン酸リチウムが容易に除去される。ただし、クエン酸はいくらかは吸湿するため、通常、クエン酸には水分が含まれていることになる。そのため、クエン酸は、水溶液の形態でリン酸鉄リチウムの一次粒子に添加されることが好ましいものの、クエン酸(固体)の形態でリン酸鉄リチウムの一次粒子に添加されてもよい。また、混合は、一次粒子を粉砕しながら行うことも好ましい。これにより、後記する二次焼成(ステップS106)時にリン酸鉄リチウムの粒子が過度に増大することが抑制され、より大きなBET比表面積を有するリン酸鉄リチウムの二次粒子が得られる。
クエン酸の含有量(即ち、二次焼成の際のクエン酸の含有量)は、特に制限されないが、リン酸鉄リチウムの含有量に対するクエン酸の含有量として、5質量%以上15質量%以下であることが好ましい。クエン酸の含有量をこの範囲にすることで、タップ密度及び嵩密度の双方に十分優れたリン酸鉄リチウムが得られる。
また、この混合物(一次粒子混合物)には、ポリビニルアルコール(PVA)が含まれていることが好ましい。ポリビニルアルコールが含まれていることで、焼成時にリン酸鉄リチウムの一次粒子間を架橋する「架橋部」を形成することができる。そして、この架橋部が形成されることで、リン酸鉄リチウムの一次粒子同士の電気伝導性が向上し、通常は不足しがちなリン酸鉄リチウムの導電性を補うことができる。また、架橋部が形成されることでリン酸鉄リチウム同士が接近し、これにより、リン酸鉄リチウム等の一次粒子の集合体である二次粒子の密度を向上させることができる。
このような架橋部が形成される理由は、本発明者の検討によれば、ポリビニルアルコールは官能基を多く含むとともに、ポリビニルアルコールが分子鎖の長い直鎖の高分子であるためと考えられる。
ここで、説明を容易にするため、形成される「架橋」を「橋」であると考えて、形成される架橋について説明する。「橋」は、「袂部分」(橋の渡り始めの部分と、渡り終わりの部分)と、それらを繋ぐ「長さ部分」とにより構成される。そして、ポリビニルアルコールに含まれる官能基同士は相互作用し易く、この作用がなされた状態で焼成(炭化)が進むと、前記の「袂部分」が形成されると考えられる。さらには、ポリビニルアルコールは、直鎖の高分子化合物であるため、「袂部分」を起点として、「長さ部分」が形成されると考えられる。
これらのように、リン酸鉄リチウムの間の架橋部は、主に2段階の反応を経て形成されると考えられる。中でも、環状構造を有する化合物や、直鎖部分が短い化合物等、具体的には例えば糖類等では、このような反応は起きにくいと考えられ、ポリビニルアルコールに特有の反応であると考えられる。
さらには、この混合物には、スクロースが含まれていてもよい。これは、スクロースは水溶性炭素であるため分散がし易いことに加え、スクロースが非芳香族の環状構造であるためである。即ち、スクロースが炭化したときに自身の環状構造がある程度残るため、リチウムイオンが出入りし易い炭素被覆層が得られる。そして、このような炭素被覆層が得られることで、大きな放電容量有するリチウム二次電池が得られる。
ステップS105においてリン酸鉄リチウムの一次粒子とクエン酸と、必要に応じてポリビニルアルコールとが混合された後、二次焼成が行われる(ステップS106、二次焼成工程)。二次焼成は、不活性雰囲気(例えば窒素中)で行われることが好ましい。ここで、二次焼成が行われる混合物には、前記のようにクエン酸が含まれている。そのため、不活性雰囲気で焼成することで、クエン酸を構成する炭素によってリン酸鉄リチウムの一次粒子が被覆されることになる。また、二次焼成により、炭素被覆されたリン酸鉄リチウムの一次粒子が凝集してなる、リン酸鉄リチウムの二次粒子が得られる。
二次焼成の条件は特に制限されないが、例えば600℃〜800℃程度で3時間〜6時間程度にすることができる。
二次焼成後、焼成されたリン酸鉄リチウムは冷却され(ステップS107)、炭素被覆されたリン酸鉄リチウムの二次粒子が得られる(ステップS108)。このリン酸鉄リチウムの二次粒子は、例えば任意の溶媒と混合されてスラリーにした後で金属板に塗布されることができる。これにより、リチウム二次電池の正極が得られる。
また、本実施形態のように、クエン酸を含む混合物を二次焼成することで、従来行われていたスプレードライ法に依らずとも、大きなタップ密度を有するリン酸鉄リチウムを得ることができる。その理由は、二次粒子中に生じる空隙率の低下であるためと考えられる。
即ち、従来のスプレードライ法では、粒子が水滴として凝集された後、当該粒子の凝集物が乾燥される。これに対して、本実施形態では、リン酸鉄リチウム同士を架橋しているリン酸リチウムが弱酸性のクエン酸によって溶解されながら、リン酸鉄リチウムが例えば転動造粒される。そのため、架橋が切れて均一にばらばらになったリン酸鉄リチウムが凝集することになり、一次粒子の形成の際、リン酸鉄リチウムの凝集性が高められる。そして、凝集性が高められたリン酸鉄リチウムの一次粒子から、二次粒子が形成される。このようにして形成された二次粒子では、空隙が少なくなるため、タップ密度を向上させることができる。さらには、リン酸鉄リチウムのタップ密度を大きくすることで、電極密度を向上させることができる。なお、タップ密度は、JIS 2512:2012(金属粉 タップ密度測定方法)に基づいた測定装置を用いて測定することができる。
さらに、本実施形態の製造方法によれば、タップ密度に加えて、リン酸鉄リチウムの嵩密度を大きくすることもできる。これは、嵩密度についても、前記のタップ密度と同様の作用が生じるからであると考えられる。そして、リン酸鉄リチウムの嵩密度を大きくすることで、リン酸鉄リチウムを輸送する際等の取り扱い性を向上させ、リチウム二次電池の製造コストの削減を図ることができる。なお、嵩密度は、JIS 2504:2012(金属粉 見掛密度測定方法)に基づいた測定装置を用いて測定することができる。
以下、具体的な実施例を参照しながら、本実施形態をさらに詳細に説明する。本実施形態の製造方法に沿ってリン酸鉄リチウムを作製し、得られたリン酸鉄リチウムのタップ密度及び嵩密度を測定した。
参考例1>
炭酸リチウム(LiCO)と、シュウ酸鉄二水和物(FeC・2HO)と、リン酸二水素アンモニウム(NHPO)とを混合した。次いで、その混合物について405℃で一次焼成を行い、炭素被覆されていないリン酸鉄リチウムを得た。焼成時間は4時間とした。
得られたリン酸鉄リチウム(リン酸鉄リチウムの一次粒子)200gと、クエン酸(キシダ化学社製)50質量%溶液の60g(リン酸鉄リチウム200gに対するクエン酸の含有割合として15質量%)とを混合し、その混合物について720℃で6時間加熱することで二次焼成を行った。二次焼成後、冷却し、解砕及び分級(ふるいにより直径45μm以上のものを除外)することにより、炭素被覆されたリン酸鉄リチウムが得られた。
得られた炭素被覆されたリン酸鉄リチウムについて、MULTI TESTER(セイシン企業社製、MT−1001)を用いてタップ密度を測定したところ、タップ密度は1.59g/cmであった。
さらに、得られた炭素被覆されたリン酸鉄リチウムについて、MULTI TESTER(セイシン企業社製、MT−1001)を用いて嵩密度を測定したところ、嵩密度は1.14g/cmであった。
<実施例2>
「クエン酸(キシダ化学社製)50質量%溶液の60g」に代えて「ポリビニルアルコール10質量%溶液の46g(クラレ社製、PVA−205)と、クエン酸(キシダ化学社製)50質量%溶液の13.2g(リン酸鉄リチウム200gに対するクエン酸の含有割合として3.3質量%)」を用いたこと以外は参考例1と同様にして、炭素被覆されたリン酸鉄リチウムが得られた。
得られた炭素被覆されたリン酸鉄リチウムについて、参考例1と同様にしてタップ密度を測定したところ、タップ密度は1.13g/cmであった。さらに、得られた炭素被覆されたリン酸鉄リチウムについて、参考例1と同様にして嵩密度を測定したところ、嵩密度は0.82g/cmであった。
<実施例3>
「クエン酸(キシダ化学社製)50質量%溶液の60g」に代えて「ポリビニルアルコール10質量%溶液の34g(クラレ社製、PVA−205)と、クエン酸(キシダ化学社製)50質量%溶液の26.8g(リン酸鉄リチウム200gに対するクエン酸の含有割合として9.7質量%)」を用いたこと以外は参考例1と同様にして、炭素被覆されたリン酸鉄リチウムが得られた。
得られた炭素被覆されたリン酸鉄リチウムについて、参考例1と同様にしてタップ密度を測定したところ、タップ密度は1.53g/cmであった。さらに、得られた炭素被覆されたリン酸鉄リチウムについて、参考例1と同様にして嵩密度を測定したところ、嵩密度は1.28g/cmであった。
<実施例4>
「クエン酸(キシダ化学社製)50質量%溶液の60g」に代えて「ポリビニルアルコール10質量%溶液の20g(クラレ社製、PVA−205)と、クエン酸(キシダ化学社製)50質量%溶液の40g(リン酸鉄リチウム200gに対するクエン酸の含有割合として10質量%)」を用いたこと以外は参考例1と同様にして、炭素被覆されたリン酸鉄リチウムが得られた。
得られた炭素被覆されたリン酸鉄リチウムについて、参考例1と同様にしてタップ密度を測定したところ、タップ密度は1.61g/cmであった。さらに、得られた炭素被覆されたリン酸鉄リチウムについて、参考例1と同様にして嵩密度を測定したところ、嵩密度は1.25g/cmであった。
<比較例1>
「クエン酸(キシダ化学社製)50質量%溶液の60g」に代えて「石炭ピッチ(JFEケミカル社製、MCP110C)の7g(リン酸鉄リチウム200gに対するクエン酸の含有割合として0質量%;クエン酸を含まず)」を用いたこと以外は参考例1と同様にして、炭素被覆されたリン酸鉄リチウムが得られた。
得られた炭素被覆されたリン酸鉄リチウムについて、参考例1と同様にしてタップ密度を測定したところ、タップ密度は0.77g/cmであった。さらに、得られた炭素被覆されたリン酸鉄リチウムについて、参考例1と同様にして嵩密度を測定したところ、嵩密度は0.38g/cmであった。
<比較例2>
「クエン酸(キシダ化学社製)50質量%溶液の60g」に代えて「ポリビニルアルコール10質量%溶液の60g(クラレ社製、PVA−205)(リン酸鉄リチウム200gに対するクエン酸の含有割合として0質量%;クエン酸を含まず)」を用いたこと以外は参考例1と同様にして、炭素被覆されたリン酸鉄リチウムが得られた。
得られた炭素被覆されたリン酸鉄リチウムについて、参考例1と同様にしてタップ密度を測定したところ、タップ密度は0.8g/cmであった。さらに、得られた炭素被覆されたリン酸鉄リチウムについて、参考例1と同様にして嵩密度を測定したところ、嵩密度は0.51g/cmであった。
<検討>
以上の結果を以下の表1及び表2にまとめた。併せて、タップ密度及び嵩密度を、クエン酸の含有量を横軸とするグラフにプロットした(図2及び図3)。
Figure 0006211548
Figure 0006211548
図2は、焼成した混合物におけるクエン酸含有量と、得られたリン酸鉄リチウムのタップ密度との関係をプロットしたグラフである。図2に示すように、クエン酸を含む混合物を焼成した参考例1及び実施例2〜4では、クエン酸を含まない混合物を焼成した比較例1及び2と比べて、タップ密度が大きくなっていた。
特に、リン酸鉄リチウムに対するクエン酸含有量が5質量%以上15質量以下となるようにクエン酸を含有させることで、タップ密度がより十分に大きくなることがわかった。具体的には、クエン酸含有量が6.7%(実施例3)、10%(実施例4)及び15%(参考例1)の場合のタップ密度は、クエン酸を含まない比較例1や比較例2のタップ密度と比べて、1.5倍〜2倍程度も増加していた。
図3は、焼成した混合物におけるクエン酸含有量と、得られたリン酸鉄リチウムの嵩密度との関係をプロットしたグラフである。図3に示すように、クエン酸を含む混合物を焼成した参考例1及び実施例2〜4では、クエン酸を含まない混合物を焼成した比較例1及び2と比べて、嵩密度も大きくなっていた。
特に、リン酸鉄リチウムに対するクエン酸濃度が5質量%以上15質量以下となるようにクエン酸を含有させることで、嵩密度もより十分に大きくなることがわかった。具体的には、クエン酸含有量が6.7%(実施例3)、10%(実施例4)及び15%(参考例1)の場合の嵩密度は、クエン酸を含まない比較例1や比較例2の嵩密度と比べて、2倍〜3.5倍程度も増加していた。
これらの図2や図3に示すように、本実施形態の製造方法によれば、スプレードライ法に依らずとも、得られるリン酸鉄リチウムのタップ密度を大きくすることができる。そのため、本実施形態の製造方法によれば、スプレードライ法に依らずとも電極密度を制御したり、従来よりも電極密度を向上させたりすることができる。リチウム二次電池に使用できる正極材料の量(体積や空間等)は限られており、電極密度が高くなることで、その体積に充填できる正極材料の質量を増やすことでき、これにより、リチウム二次電池の高エネルギ密度化を達成することができる。
また、本実施形態の製造方法によれば、リン酸鉄リチウムの嵩密度を大きくすることもできる。これにより、取り扱い性を向上させて、リチウム二次電池の生産コスト低減を図ることができる。

Claims (3)

  1. リチウム原料と、鉄原料と、リン原料との混合物を焼成することで、リン酸鉄リチウムの一次粒子及び副生成物としてリン酸リチウムを生成させる一次焼成工程と、
    当該一次焼成工程を経て得られたリン酸鉄リチウムの一次粒子及びリン酸リチウムを含む焼成物に対してクエン酸及びポリビニルアルコールを混合することで、前記リン酸リチウムを溶解させる混合工程と、
    当該混合工程を経て得られた、リン酸鉄リチウムの一次粒子とクエン酸とポリビニルアルコールとを含む一次粒子混合物を、不活性雰囲気で焼成することで、炭素被覆されたリン酸鉄リチウムの二次粒子を調製する二次焼成工程と、を含むことを特徴とする、リチウム二次電池の正極活物質の製造方法。
  2. 前記一次粒子混合物には、スクロースが含まれていることを特徴とする、請求項1に記載のリチウム二次電池の正極活物質の製造方法。
  3. 前記一次粒子混合物における前記クエン酸の含有量は、前記一次粒子混合物に含まれるリン酸鉄リチウムの一次粒子の含有量に対して、5質量%以上15質量%以下であることを特徴とする、請求項1又は2に記載のリチウム二次電池の正極活物質の製造方法。
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