JP6208575B2 - 洗浄剤組成物 - Google Patents

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Description

本開示は、ハードディスク基板用洗浄剤組成物、ハードディスク基板の洗浄方法、及びハードディスク基板の製造方法に関する。
近年のハードディスクドライブには、高容量化を目的として、記録密度を上げるために単位記録面積を小さくすることが求められている。それに伴い、磁気ヘッドの浮上量を低下させるため、ハードディスクの製造工程においても、研磨対象物を研磨して得られる研磨面に要求される清浄度等の表面品質が高くなってきている。
特許文献1は、ガラス又はシリコン基板表面の平坦性を損ねることなく、優れたパーティクルの除去性を実現し、低起泡性かつ経時安定性に優れた電子材料用洗浄剤及び洗浄方法を開示する。同文献は、該洗浄剤として、炭素数1〜10の炭化水素基と、カルボン酸イオン、スルホン酸イオン、硫酸イオン又はリン酸イオン基とを有する特定のアニオン性界面活性剤を含有する洗浄剤を開示する。
特許文献2は、成形ガラス型の表面に付着した高屈折率の含硫黄プラスチックレンズ樹脂汚れに対して高い洗浄力を有する洗浄剤組成物として、無機系アルカリ剤と、アニオン界面活性剤及び非イオン界面活性剤から選ばれる少なくとも1種の界面活性剤と、カルシウム塩と、カルシウムイオン捕捉剤と、水溶性有機溶剤と、水とを含有する洗浄剤組成物が開示する。そして、ドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム、HEDP、及びKOHを含有する洗浄剤組成物が開示される(同文献表2、実施例4)。
特開2009−206481号公報 特開2006−124696号公報
ハードディスクの製造過程には、一般的に基板形成工程とメディア工程とが含まれる。前記基板形成工程では、被研磨基板に対して少なくとも研磨処理と洗浄処理とがこの順で複数回行われることにより、ハードディスク基板が作製される。前記メディア工程でも、磁性層を形成する前に洗浄が行われ、必要に応じて研磨によりハードディスク基板の少なくとも一方の主面に浅い凸凹をつけた後(テクスチャー工程)、洗浄がなされ(洗浄工程)、次いで、前記基板の少なくとも一方の主面側に磁性層が形成される(磁性層形成工程)。
基板形成工程において被研磨基板に対して行われる最後の研磨処理では、セリアやコロイダルシリカ等の無機粒子を研磨材として用いた研磨工程が含まれる。例えば、シリカ砥粒による研磨処理後のガラス基板上には、研磨材として使用したシリカ粒子や、ガラス基板の研磨屑としてシリカ粒子が残留する。これらのシリカ粒子が残存していると、磁気ディスクの性能や歩留まりに悪影響が及ぶ。
そこで、本開示は、一又は複数の実施形態において、基板上に残留する異物の洗浄性に優れ、基板の表面粗さの悪化が抑制されうるハードディスク基板用洗浄剤組成物を提供する。
本開示は、一又は複数の実施形態において、炭素数6〜18の直鎖アルキル基又は分岐鎖アルキル基を有するアルキルジフェニルエーテルジスルホン酸又はその塩(A)、キレート剤(B)、アルカリ金属の水酸化物(C)及び水を含有するハードディスク基板用洗浄剤組成物に関する。
本開示は、その他の一又は複数の実施形態において、本開示に係るハードディスク基板用洗浄剤組成物を用いて、被洗浄基板(洗浄対象の基板)の浸漬洗浄及び/又はスクラブ洗浄を行うことを含む、ハードディスク基板の洗浄方法並びに製造方法に関する。
本開示によれば、一又は複数の実施形態において、研磨砥粒や研磨屑などの基板上に残留する異物の洗浄性に優れ、基板の表面粗さの悪化が抑制されるハードディスク基板用洗浄剤組成物を提供できる。
本開示は、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸とキレート剤とアルカリ金属水酸化物とを組み合わせた洗浄剤組成物が、研磨後のハードディスク基板に対して優れた洗浄性と基板の平滑性をもたらすという知見に基づく。
すなわち、本開示は、一態様において、炭素数6〜18の直鎖アルキル基又は分岐鎖アルキル基を有するアルキルジフェニルエーテルジスルホン酸又はその塩(A)、キレート剤(B)、アルカリ金属の水酸化物(C)及び水を含有するハードディスク基板用洗浄剤組成物(以下、「本開示に係る洗浄剤組成物」ともいう)に関する。
本開示に係る洗浄剤組成物が、一又は複数の実施形態において、洗浄性及び平滑性の向上という効果の発現する機構は不明であるが、以下の様に推定される。
ハードディスク基板に付着した粒子の洗浄は、該粒子を該基板から剥離し、該粒子を水中へ分散させて洗浄系外への効率的な排出を促すことにより達成できる。即ち、キレート剤が付着粒子と基板の各表面を僅かにエッチングすることで付着粒子の基板からの剥離し易い状態とする。また、アルカリ金属水酸化物による高pH下では付着粒子は負電荷を帯びる。
炭素数6〜18の直鎖アルキル基又は分岐鎖アルキル基を有するアルキルジフェニルエーテルジスルホン酸は疎水部により基板に吸着し、基板表面は負電荷を帯びると考えられる。そして、負電荷を帯びた付着粒子が電荷反発により基板表面から剥離し、付着粒子は基板表面との電荷反発により再付着も防止され、水中に効果的に分散し、洗浄液のオーバーフロー等により系外に排出されると考えられる。
また、該アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸は、適度な疎水部の大きさにより基板表面への吸着力が高く、適度な分子量により優れた拡散速度が得られ、解離しやすい官能基であるスルホン酸基を分子中に複数有するため、単位吸着部位に対する電荷付与を効果的に促すものと推定される。また、該アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸の基板表面への吸着により、洗浄時におけるアルカリ剤やキレート剤による基板表面の溶解が適度に抑制され、溶解速度が低下して均一な溶解となり、基板表面の平滑性が向上するものと推定される。
但し、本開示は、これらのメカニズムに限定して解釈されなくてよい。
[成分A]
本開示に係る洗浄剤組成物の成分Aは、炭素数6〜18の直鎖アルキル基又は分岐鎖アルキル基を有するアルキルジフェニルエーテルジスルホン酸又はその塩である。成分Aは、一又は複数の実施形態において、下記式(1)で表される化合物である。
Figure 0006208575
式(1)において、Rは炭素数6〜18の直鎖アルキル基又は分岐鎖アルキル基を示し、M1及びM2はそれぞれ独立して水素原子、金属、NH4、又は有機アンモニウム示す。
式(1)のRは、一又は複数の実施形態において、基板への吸着力及び水溶性の観点から、好ましくは炭素数6〜14のアルキル基である。アルキル基の一又は複数の実施形態としては、オクチル基、デシル基、ドデシル基、テトラデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基等が挙げられる。本明細書における上記表現には直鎖アルキル基も分岐鎖アルキル基も含み、例えばオクチル基にはn-オクチル基の如き直鎖のアルキル基も2−エチルヘキシル基の如き分岐鎖アルキル基も含む。
式(1)のM1及びM2の金属は、一又は複数の実施形態において、ナトリウム、カリウム、リチウム等のアルカリ金属が挙げられるが、解離性の観点から、ナトリウム及びカリウムがより好ましい。式(1)のM1及びM2の有機アンモニウムとしては、一又は複数の実施形態において、トリエタノールアンモニウム等の炭素数2〜9のアルカノールアンモニウム;トリメチルアンモニウム等の炭素数1〜9のアルキルアンモニウムが挙げられる。洗浄性の観点から、式(1)のM1及びM2の金属は、アルカリ土類金属を含まないことが好ましい。
成分Aは、限定されない一又は複数の実施形態において、ドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸二ナトリウム、ドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸二カリウムが挙げられる。
成分Aの分子量は、限定されない一又は複数の実施形態において、好ましくは200以上である。また、成分Aの分子量は、限定されない一又は複数の実施形態において、好ましくは2000以下、又は、より好ましくは1000以下である。
本開示に係る洗浄剤組成物の成分Aの含有量は、一又は複数の実施形態において、洗浄性及び平滑性の向上の観点から、0.5質量%以上が好ましく、より好ましくは1.0質量%以上、さらに好ましくは2.0質量%以上である。また、本開示に係る洗浄剤組成物に成分Aの含有量は、一又は複数の実施形態において、同様の観点から、10.0質量%以下が好ましく、より好ましくは7.0質量%以下である。また、本開示に係る洗浄剤組成物に成分Aの含有量は、一又は複数の実施形態において、同様の観点から、0.5質量%以上10.0質量%以下が好ましく、より好ましくは1.0質量%以上7.0質量%以下、さらに好ましくは2.0質量%以上7.0質量%以下である。
本開示に係る洗浄剤組成物の成分Aの含有量は、一又は複数の実施形態において、洗浄性及び平滑性の向上の観点から、水以外の成分の合計質量に対して、10質量%以上が好ましく、より好ましくは20量%以上である。また、本開示に係る洗浄剤組成物に成分Aの含有量は、一又は複数の実施形態において、同様の観点から、水以外の成分の合計質量に対して、50質量%以下が好ましく、より好ましくは45質量%以下である。また、本開示に係る洗浄剤組成物に成分Aの含有量は、一又は複数の実施形態において、同様の観点から、水以外の成分の合計質量に対して、10質量%以上50質量%以下が好ましく、より好ましくは20質量%以上45質量%以下である。
[成分B]
本開示に係る洗浄剤組成物の成分Bは、キレート剤である。キレート剤としては、一又は複数の実施形態において、グルコン酸、グルコヘプトン酸などのアルドン酸類;エチレンジアミン四酢酸などのアミノカルボン酸類;クエン酸、リンゴ酸などのヒドロキシカルボン酸類;1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸などのホスホン酸類;及びこれらのアルカリ金属塩からなる群から選ばれる少なくとも1種が挙げられる。これらの中でも、グルコン酸ナトリウム、グルコヘプトン酸ナトリウム、エチレンジアミン四酢酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、又は1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸が好ましく、1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸(HEDP)がより好ましい。これらのキレート剤は、単独で又は2種以上を混合して用いてもよい。
本開示に係る洗浄剤組成物に成分Bの含有量は、一又は複数の実施形態において、洗浄性及び平滑性の向上の観点から、1.0質量%以上が好ましく、より好ましくは2.0質量%以上、さらに好ましくは4.0質量%以上である。また、本開示に係る洗浄剤組成物に成分Bの含有量は、一又は複数の実施形態において、同様の観点から、15.0質量%以下が好ましく、より好ましくは10.0質量%以下である。また、本開示に係る洗浄剤組成物に成分Bの含有量は、一又は複数の実施形態において、同様の観点から、1.0質量%以上15.0質量%以下が好ましく、より好ましくは2.0質量%以上10.0質量%以下、さらに好ましくは4.0質量%以上10.0質量%以下である。
本開示に係る洗浄剤組成物に成分Bの含有量は、一又は複数の実施形態において、洗浄性及び平滑性の向上の観点から、水以外の成分の合計質量に対して、15質量%以上が好ましく、より好ましくは20質量%以上である。また、本開示に係る洗浄剤組成物に成分Bの含有量は、一又は複数の実施形態において、同様の観点から、水以外の成分の合計質量に対して、65質量%以下が好ましく、より好ましくは60質量%以下である。また、本開示に係る洗浄剤組成物に成分Bの含有量は、一又は複数の実施形態において、同様の観点から、水以外の成分の合計質量に対して、15質量%以上65質量%以下が好ましく、より好ましくは20質量%以上60質量%以下である。
成分Aと成分Bの質量比(成分A/成分B)は、一又は複数の実施形態において、洗浄性及び平滑性の向上の観点から、好ましくは0.15以上、より好ましくは0.35以上である。成分Aと成分Bの質量比(成分A/成分B)は、一又は複数の実施形態において、同様の観点から、好ましくは3.5以下、より好ましくは2.0以下である。
[成分C]
本開示に係る洗浄剤組成物の成分Cは、アルカリ金属の水酸化物である。アルカリ金属の水酸化物は、一又は複数の実施形態において、洗浄性及び平滑性の向上の観点から、水酸化ナトリウム及び/又は水酸化カリウムである。
本開示に係る洗浄剤組成物に成分Cの含有量は、一又は複数の実施形態において、洗浄時のpHが後述の範囲になるような量である。本開示に係る洗浄剤組成物に成分Cの含有量は、一又は複数の実施形態において、成分Cの含有量は、0.1質量%以上が好ましく、より好ましくは0.2質量%以上である。一又は複数の実施形態において、洗浄性の観点から、pH調整は、有機アンモニウムと成分Cとを併用してもよい。また、本開示に係る洗浄剤組成物は、一又は複数の実施形態において、細かい残留物を除去する観点から、アルカリ土類金属は含まないことが好ましい。「アルカリ土類金属は含まない」とは、一又は複数の実施形態において、アルカリ土類金属を含まないこと、アルカリ土類金属を実質的に含まないこと、又は、洗浄結果に影響を与える量のアルカリ土類金属を含まないこと、を含みうるものである。
[水]
本開示に係る洗浄剤組成物は、水を含む。前記水は、溶媒としての役割を果たすことができるものであれば特に制限はなく、例えば、超純水、純水、イオン交換水、又は蒸留水等を挙げることができるが、超純水、純水、又はイオン交換水が好ましく、超純水がより好ましい。尚、純水及び超純水は、例えば、水道水を活性炭に通し、イオン交換処理し、さらに蒸留したものを、必要に応じて所定の紫外線殺菌灯を照射、又はフィルターに通すことにより得ることができる。尚、洗浄剤組成物は、溶媒として上記水に加えて水系溶媒(例えば、エタノール等のアルコール)をさらに含んでいてもよいが、洗浄剤組成物に含まれる溶媒は水のみからなることが好ましい。
本開示に係る洗浄剤組成物における水の含有量は、一又は複数の実施形態において、洗浄性及び平滑性の向上の観点から、90.0質量%以上が好ましく、そして、同様の観点から98.0質量%以下が好ましい。なお、後述する任意成分は水に置き換えて含有させてもよい。
[任意成分]
本開示に係る洗浄剤組成物には、さらに、ノニオン活性剤、可溶化剤、アニオンポリマー、酸化防止剤、防腐剤等が含まれてもよい。
[洗浄剤組成物のpH]
本開示に係る洗浄剤組成物の洗浄時のpHは、一又は複数の実施形態において、洗浄性及び平滑性の向上の観点から、好ましくは10.0以上、より好ましくは11.0以上、より好ましくは11.5以上である。また、本開示に係る洗浄剤組成物の洗浄時のpHは、同様の観点から、好ましくは14.0以下、より好ましくは13.0以下である。
本開示において「洗浄時」とは、一又は複数の実施形態において、洗浄工程を行うときをいう。また、洗浄剤組成物は、貯蔵及び輸送の観点から、濃縮液として製造され、これを使用時に希釈する場合が多い。よって、本開示において「洗浄時」とは一又は複数の実施形態において、希釈された状態をいう。なお、上記のpHは、25℃における洗浄剤組成物の使用時のpHであり、pHメータ(東亜電波工業株式会社、HM−30G)を用いて測定でき、電極の洗浄剤組成物への浸漬後3分後の数値である。
[洗浄剤組成物の調製方法]
本開示に係る洗浄剤組成物は、各成分を混合することにより、調製することができる。洗浄剤組成物は、貯蔵及び輸送の観点から、通常、濃縮液として製造され、これを使用時に希釈する場合が多い。洗浄剤組成物は、そのまま使用してもよいし、洗浄剤組成物の濃縮液を調整し希釈して使用してもよい。洗浄剤組成物の濃縮液を希釈する場合、その希釈倍率は、特に制限されず、前記濃縮液における各成分の濃度や洗浄条件等に応じて適宜決定できる。一又は複数の実施形態において、洗浄性及び平滑性の向上の観点から、洗浄剤組成物の濃縮液を10質量%以下に希釈することが好ましく、5質量%以下に希釈することがより好ましい。また、洗浄性の観点から、洗浄剤組成物の濃縮液を0.005質量%以上に希釈することが好ましく、0.3質量%以上に希釈することがより好ましい。
[洗浄剤組成物の濃縮液]
本開示に係る洗浄剤組成物の濃縮液は、各成分を混合することにより調製することができる。水以外の各成分の含有量は洗浄剤組成物と同様である。洗浄剤組成物の濃縮液の水の含有量は、貯蔵及び輸送の観点から、95.0質量%以下が好ましく、90.0質量%以下がより好ましく、そして、同様の観点から60.00質量%以上が好ましく、70.0質量%以上がより好ましい。したがって、本開示に係るガラス基板の洗浄方法は、一又は複数の実施形態において、前記洗浄剤組成物の濃縮液を希釈することを含む。
本開示に係る洗浄剤組成物の濃縮液のpHは、希釈後の洗浄性の向上の観点から、好ましくは10.0以上、より好ましくは11.0以上、より好ましくは11.5以上である。また、本開示に係る洗浄剤組成物の濃縮液のpHは、同様の観点から、好ましくは14.0以下、より好ましくは13.0以下である。洗浄剤組成物の濃縮液のpHは、洗浄剤組成物のpHと同様の方法で測定することができる。
[被洗浄基板]
本開示に係る洗浄剤組成物を用いる洗浄の対象である被洗浄基板は、一又は複数の実施形態において、ハードディスクの製造に用いられる基板(ハードディスク基板)である。また、被洗浄基板は、一又は複数の実施形態において、ハードディスクの製造に用いられる基板(ハードディスク基板)である。ハードディスク基板は、一又は複数の実施形態において、ガラスハードディスク基板、又は、Ni−Pメッキアルミニウム合金基板などが挙げられる。また、被洗浄基板は、一又は複数の実施形態において、砥粒を含有する研磨液組成物で研磨された後の基板であり、砥粒は、一又は複数の実施形態において、シリカ粒子である。本開示において、ガラスハードディスク基板は、結晶化ガラス基板であってもよく、非結晶化ガラス基板であってもよい。
[ハードディスク基板の洗浄方法]
本開示は、一態様において、本開示に係る洗浄剤組成物を用いて、被洗浄基板の浸漬洗浄及び/又はスクラブ洗浄を行うことを含む、ハードディスク基板の洗浄方法(以下、「本開示に係る洗浄方法」ともいう)に関する。被洗浄基板は上述のとおりである。
(浸漬洗浄)
被洗浄基板の洗浄剤組成物への浸漬条件としては、特に制限はないが、一又は複数の実施形態において、洗浄剤組成物の温度は、作業性及び操業性の観点から20〜100℃が好ましく、浸漬時間は、洗浄剤組成物による洗浄性の向上の観点から5秒以上が好ましく、10秒以上がより好ましく、100秒以上がさらに好ましい。洗浄された結晶化ガラス基板の生産効率の向上の観点から30分以下が好ましく、10分以下がより好ましく、5分以下がさらに好ましい。また、残留物の除去性及び残留物の分散性を高める観点から、洗浄剤組成物には超音波振動が付与されていると好ましい。超音波の周波数としては、20〜2000kHzが好ましく、40〜2000kHzがより好ましく、40〜1500kHzがさらに好ましい。
(スクラブ洗浄)
スクラブ洗浄の方法は、一又は複数の実施形態において、研磨粒子等の残留物の洗浄性や油分の溶解性を促進させる観点から、超音波振動が与えられている洗浄剤組成物を射出して、被洗浄基板の表面に洗浄剤組成物を接触させて当該表面を洗浄するか、又は、洗浄剤組成物を被洗浄基板の表面上に射出により供給し、洗浄剤組成物が供給された当該表面を洗浄用ブラシでこすることにより洗浄することが好ましい。さらには、超音波振動が与えられている洗浄剤組成物を射出により洗浄対象の表面に供給し、かつ、洗浄剤組成物が供給された当該表面を洗浄用ブラシでこすることにより洗浄することが好ましい。
洗浄剤組成物を被洗浄基板の表面上に供給する手段としては、スプレーノズル等の手段を用いることができる。また、洗浄用ブラシとしては、特に制限はなく、例えばナイロンブラシやPVA(ポリビニルアルコール)スポンジブラシ等を使用することができる。超音波の周波数としては、上述の浸漬洗浄で好ましく採用される値と同様である。
さらにその他の一又は複数の実施形態において、前記浸漬洗浄及び/又は前記スクラブ洗浄に加えて、揺動洗浄、スピンナー等の回転を利用した洗浄、パドル洗浄等の洗浄工程を1つ以上含んでもよい。
本開示に係る洗浄方法では、被洗浄基板を一枚ずつ洗浄してもよいが、複数枚の洗浄すべき被洗浄基板を一度にまとめて洗浄してもよい。また、洗浄の際に用いる洗浄槽の数は1つでも複数でも良い。
以下に、本開示に係る洗浄方法の限定されない一又は複数の実施形態を示す。
(1)洗浄-1:本開示に係る洗浄剤組成物を入れた洗浄槽(a)を所定の温度に設定し、被洗浄基板を浸漬し、超音波を照射しながら洗浄する。
(2)すすぎ-1:超純水を入れたすすぎ槽(b)を所定の温度に設定し、非洗浄基板を洗浄槽(a)からすすぎ槽(b)に移して浸漬し、超音波を照射しながらすすぎをする。
(3)本開示に係る洗浄剤組成物を入れた洗浄槽(c)、超純水を入れたすすぎ槽(d)を使用して再度(1)と(2)を繰り返す。
(4)洗浄−2:すすぎ槽内から被洗浄基板を、洗浄ブラシがセットされたスクラブ洗浄ユニット(A)に移し、洗浄ブラシに本開示に係る洗浄剤組成物を射出し、該洗浄剤組成物の存在下で洗浄ブラシを該基板の両面に回転させながら押し当てることにより、洗浄する。
(5)すすぎ−2:スクラブ洗浄ユニット(B)に被洗浄基板を移し、超純水を射出し、洗浄ブラシを該基板の両面に(4)と同様に回転させながら押し当てることにより、すすぎをする。
(6)スクラブ洗浄ユニット(A)と同様の条件で準備したスクラブ洗浄ユニット(C)、スクラブ洗浄ユニット(B)と同様の条件で準備したスクラブ洗浄ユニット(D)を使用して再度(4)と(5)を繰り返す。
(7)すすぎ−3: 被洗浄基板を、超純水を入れたすすぎ槽(e)に移し、すすぎをする。
(8)乾燥:被洗浄基板を、温純水を入れたすすぎ槽(f)に移し、浸漬した後、所定の速度で被洗浄基板を引き上げた後、完全に基板表面を乾燥させる。
[ハードディスク基板の製造方法]
本開示は、一態様において、本開示に係る洗浄剤組成物を用いて、被洗浄基板の浸漬洗浄及び/又はスクラブ洗浄を行うことを含む、ハードディスク基板の製造方法(以下、「本開示に係る製造方法」ともいう)に関する。被洗浄基板は上述のとおりである。本開示に係る製造方法は、一又は複数の実施形態において、好ましくはガラスハードディスク基板の製造方法である。
一般に、ハードディスク基板は、基材から、形状加工工程、粗研削工程、精研削工程、粗研磨工程、仕上げ研磨工程等を経て製造される。また各工程の間には洗浄工程が含まれることがある。ハードディスク基板は、最終の洗浄工程の後に記録部形成工程を経ることで磁気ハードディスクとなる。
記録部形成工程は、一又は複数の実施形態において、ハードディスク基板上にスパッタ等の方法により磁気記録領域を有し金属薄膜を含む磁性層が形成することにより行われる。前記金属薄膜を構成する金属材料としては、例えば、クロム、タンタル、又は白金等とコバルトとの合金である、コバルト合金や、鉄と白金などとの合金等が挙げられる。尚、磁性層は、ハードディスク基板の両主面側に形成されてもよいし、一方の主面側にのみ形成されてもよい。
前記粗研磨工程と前記仕上げ研磨工程は、この順で行われる。前記粗研磨工程の際に用いられる研磨剤組成物に含まれる無機微粒子は、高速研磨が可能であるという理由から、酸化セリウム粒子又はアルミナ粒子が好ましい。前記仕上げ研磨工程の際に用いられる研磨剤組成物に含まれる無機微粒子は、表面の平坦性(低粗さ)を向上させるという理由から、シリカ粒子が好ましい。
粗研磨工程の後、洗浄剤組成物を用いた洗浄工程(第1洗浄工程)、すすぎ工程(第1すすぎ工程)、乾燥工程(第1乾燥工程)、仕上げ研磨工程、洗浄剤組成物を用いた洗浄工程(第2洗浄工程)、すすぎ工程(第2すすぎ工程)、及び乾燥工程(第2乾燥工程)がこの順で行うことができる。本開示に係る洗浄方法は、前記第1洗浄工程及び/又は前記第2洗浄工程に適用することができる。限定されない一又は複数の実施形態において、本開示に係る洗浄方法は、洗浄性の観点から第2洗浄工程に用いることが好ましい。
したがって、本開示は、一態様において、以下の(1)及び(2)を含むハードディスク基板の製造方法に関する。
(1)研磨液組成物を用いて被研磨ガラス基板を研磨する工程。
(2)工程(1)で得られた基板を、本開示に係る洗浄剤組成物を用いて洗浄する工程。
前記工程(1)における被研磨基板は、一般に前記精研削工程を経た後のハードディスク基板であり、粗研磨工程を経た後のハードディスク基板であることが好ましい。ハードディスク基板については、上述のとおりである。工程(1)は、ハードディスク基板の研磨対象面に研磨液組成物を供給し、前記研磨対象面に研磨パッドを接触させ、所定の圧力(荷重)をかけながら、研磨パッドや被研磨基板を動かすこと等によって行うことができる。この工程(1)は、最終の基板の品質を向上させる観点から、シリカ粒子を含む研磨液組成物を用いた仕上げ研磨工程であることが好ましい。また、仕上げ研磨工程においては、研磨液組成物を繰り返し使用することが好ましい。
前記工程(2)の洗浄工程は、上述した本開示に係る洗浄方法と同様に行うことができる。
本開示はさらに以下の一又は複数の実施形態に関する。
<1> 炭素数6〜18の直鎖アルキル基又は分岐鎖アルキル基を有するアルキルジフェニルエーテルジスルホン酸又はその塩(成分A)、キレート剤(成分B)、アルカリ金属の水酸化物(成分C)及び水を含有する、ハードディスク基板用洗浄剤組成物。
<2> 前記成分Aが、好ましくは、下記式(1)で表される化合物である、<1>記載のハードディスク基板用洗浄剤組成物。
Figure 0006208575
[式(1)において、Rは炭素数6〜18、好ましくは炭素数6〜14の直鎖アルキル基又は分岐鎖アルキル基を示し、M1及びM2はそれぞれ独立して水素原子、金属、NH4、又は有機アンモニウム示す。]
<3> 前記成分Aの分子量が、好ましくは200以上である、<1>又は<2>に記載のハードディスク基板用洗浄剤組成物。
<4> 前記成分Aの分子量が、好ましくは2000以下、より好ましくは1000以下である、<1>から<3>のいずれかに記載のハードディスク基板用洗浄剤組成物。
<5> 洗浄剤組成物中の前記成分Aの含有量が、好ましくは0.5質量%以上、より好ましくは1.0質量%以上、さらに好ましくは2.0質量%以上である、<1>から<4>のいずれかに記載のハードディスク基板用洗浄剤組成物。
<6> 洗浄剤組成物中の前記成分Aの含有量が、好ましくは10.0質量%以下、より好ましくは7.0質量%以下である、<1>から<5>のいずれかに記載のハードディスク基板用洗浄剤組成物。
<7> 洗浄剤組成物の前記成分Aの含有量が、好ましくは0.5質量%以上10.0質量%以下、より好ましくは1.0質量%以上7.0質量%以下、さらに好ましくは2.0質量%以上7.0質量%以下である、<1>から〔6〕のいずれかに記載のハードディスク基板用洗浄剤組成物。
<8> 洗浄剤組成物中の水以外の成分の合計質量に対する前記成分Aの含有量が、好ましくは10質量%以上、より好ましくは20量%以上である、<1>から<7>のいずれかに記載のハードディスク基板用洗浄剤組成物。
<9> 洗浄剤組成物中の水以外の成分の合計質量に対する前記成分Aの含有量が、好ましくは50質量%以下、より好ましくは45質量%以下である、<1>から<8>のいずれかに記載のハードディスク基板用洗浄剤組成物。
<10> 洗浄剤組成物中の水以外の成分の合計質量に対する前記成分Aの含有量が、好ましくは10質量%以上50質量%以下、より好ましくは20質量%以上45質量%以下である、<1>から<9>のいずれかに記載のハードディスク基板用洗浄剤組成物。
<11> 前記成分Bが、アミノカルボン酸類、ヒドロキシカルボン酸類、ホスホン酸類、及びこれらのアルカリ金属塩からなる群から選ばれる少なくとも1種、好ましくはホスホン酸系キレート剤である、<1>から<10>のいずれかに記載のハードディスク基板用洗浄剤組成物。
<12> 洗浄剤組成物中の前記成分Bの含有量が、好ましくは1.0質量%以上、より好ましくは2.0質量%以上、さらに好ましくは4.0質量%以上である、<1>から<11>のいずれかに記載のハードディスク基板用洗浄剤組成物。
<13> 洗浄剤組成物中の前記成分Bの含有量が、好ましくは15.0質量%以下、より好ましくは10.0質量%以下である、<1>から<12>のいずれかに記載のハードディスク基板用洗浄剤組成物。
<14> 洗浄剤組成物中の前記成分Bの含有量が、好ましくは1.0質量%以上15.0質量%以下、より好ましくは2.0質量%以上10.0質量%以下、さらに好ましくは4.0質量%以上10.0質量%以下である、<1>から<13>のいずれかに記載のハードディスク基板用洗浄剤組成物。
<15> 洗浄剤組成物中の水以外の成分の合計質量に対する前記成分Bの含有量が、好ましくは15質量%以上、より好ましくは20質量%以上である、<1>から<14>のいずれかに記載のハードディスク基板用洗浄剤組成物。
<16> 洗浄剤組成物中の水以外の成分の合計質量に対する前記成分Bの含有量が、好ましくは65質量%以下、より好ましくは60質量%以下である、<1>から<15>のいずれかに記載のハードディスク基板用洗浄剤組成物。
<17> 洗浄剤組成物中の水以外の成分の合計質量に対する前記成分Bの含有量が、好ましくは15質量%以上65質量%以下、より好ましくは20質量%以上60質量%以下である、<1>から<16>のいずれかに記載のハードディスク基板用洗浄剤組成物。
<18> 成分Aと成分Bの質量比(成分A/成分B)が、好ましくは0.15以上、より好ましくは0.35以上である、<1>から<17>のいずれかに記載のハードディスク基板用洗浄剤組成物。
<19> 成分Aと成分Bの質量比(成分A/成分B)が、好ましくは3.5以下、より好ましくは2.0以下である、<1>から<18>のいずれかに記載のハードディスク基板用洗浄剤組成物。
<20> 洗浄剤組成物中の前記成分Cの含有量が、好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは0.2質量%以上である、<1>から<19>のいずれかに記載のハードディスク基板用洗浄剤組成物。
<21> pHが、好ましくは10.0以上、より好ましくは11.0以上、より好ましくは11.5以上である、<1>から<20>のいずれかに記載のハードディスク基板用洗浄剤組成物。
<22> pHが、好ましくは14.0以下、より好ましくは13.0以下である、<1>から<21>のいずれかに記載のハードディスク基板用洗浄剤組成物。
<23> アルカリ土類金属は含まない、<1>から<22>のいずれかに記載のハードディスク基板用洗浄剤組成物。
<24> ハードディスク基板がガラス製である、<1>から<23>のいずれかに記載のハードディスク基板用洗浄剤組成物。
<25> <1>から<24>のいずれかに記載の洗浄剤組成物を用いて、被洗浄基板の浸漬洗浄及び/又はスクラブ洗浄を行うことを含む、ハードディスク基板の洗浄方法。
<26> 被洗浄基板が、研磨剤で研磨された基板である、<25>記載のハードディスク基板の洗浄方法。
<27> ハードディスク基板がガラスハードディスク基板である、<25>又は<26>に記載のハードディスク基板の洗浄方法。
<28> <1>から<24>のいずれかに記載の洗浄剤組成物を用いて、被洗浄基板の浸漬洗浄及び/又はスクラブ洗浄を行うことを含む、ハードディスク基板の製造方法。
<29> 以下の(1)及び(2)を含むハードディスク基板の製造方法。
(1)研磨液組成物を用いて被研磨ガラス基板を研磨する工程。
(2)工程(1)で得られた基板を、<1>から<24>のいずれかに記載の洗浄剤組成物を用いて洗浄する工程。
<30> 被洗浄基板が、研磨剤で研磨された基板である、<28>又は<29>に記載のハードディスク基板の製造方法。
<31> ハードディスク基板がガラスハードディスク基板である、<28>から<30>のいずれかに記載のハードディスク基板の製造方法。
以下の実施例及び比較例に基づいて本開示を説明するが、本開示はこれに限定されるものではない。
[洗浄剤組成物の調製(実施例1、比較例1〜8)]
添加物、キレート剤、アルカリ剤及び超純水を混合し洗浄剤組成物(実施例1、比較例1〜8)を調製した(pH12.3−12.7)。添加剤は、比較例1には使用せず、その他の実施例・比較例に用いた添加剤は以下の通りである。
実施例1:ドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム塩
比較例2:ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物ナトリウム塩、重量平均分子量≒3000
比較例3:C12アルケニルコハク酸カリウム塩
比較例4:ナフタレントリスルホン酸ナトリウム塩
比較例5:アクリル酸(AA)/2−アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸(AMPS)共重合体ナトリウム塩、重量平均分子量≒2000
比較例6:パラトルエンスルホン酸ナトリウム塩
比較例7:ポリオキシエチレン(POE)オレイルエーテル硫酸ナトリウム塩
比較例8:POEノニルフェニルエーテル硫酸エステルナトリウム塩
なお、キレート剤は、1―ヒドロキシエタン−1,1―ジホスホン酸(HEDP)を使用し、アルカリ剤は、KOHを使用した。
[洗浄剤試験1]
調製した洗浄剤組成物(実施例1、比較例1〜8)を用いて洗浄性試験を下記条件で行った。
(評価用基板)
評価用基板として、アルミノシリケ−ト製のガラス基板(外径:65mmφ、内径:20mmφ、厚さ:0.635mm)を用意した。
(研磨条件)
研磨機:両面9B研磨機(浜井産業社製) 研磨パッド:FILWEL社製仕上げ研磨用スウェードパッド
研磨剤組成物:コロイダルシリカスラリ−(コロイダルシリカ粒子の個数平均粒径24nm、コロイダルシリカ粒子の濃度:8重量%、媒体:水、花王調製品)
予備研磨:荷重40g/cm2、時間60秒、研磨液流量100mL/分
本研磨:荷重100g/cm2、時間1200秒、研磨液流量100mL/分
水リンス:荷重40g/cm2、時間60秒、リンス水流量約2L/分
(洗浄方法1)
研磨後の基板(以下、被洗浄基板という)を、ディスク洗浄装置(プレテック社製)にて以下の条件で洗浄した。洗浄槽、すすぎ槽は2セットずつ用意した。
(1)洗浄−1:洗浄剤組成物(実施例1及び比較例1〜8)150gを入れた洗浄液タンクに超純水を加え、総量15Lとし、洗浄液を調整した。洗浄タンクを40℃に設定し、洗浄槽に洗浄液を供給し、洗浄槽で洗浄液をオーバーフローさせる。被洗浄基板を洗浄槽に浸漬し、超音波(40kHz)を照射しながら120秒間洗浄する。
(2)すすぎ−1:超純水が供給されるすすぎ槽(40℃)に被洗浄基板を移し、超音波(40kHz)を照射しながら120秒間すすぎを行う。
(3)未使用の洗浄剤組成物(実施例1及び比較例1〜8)が供給される洗浄槽及び未使用の超純水が供給されるすすぎ槽を使用して再度(1)と(2)を繰り返す。
(4)洗浄−2:すすぎ槽内から被洗浄基板を、洗浄ブラシがセットされたスクラブ洗浄ユニット(A)に移し、洗浄ブラシに常温(25℃)の水酸化カリウム水溶液(pH=10.5)を射出し、該洗浄液の存在下で洗浄ブラシを該基板の両面に400rpmで回転させながら押し当てることにより、洗浄を25℃で5秒間行う。
(5)すすぎ−2:未使用のスクラブ洗浄ユニット(B)に被洗浄基板を移し、25℃の超純水を射出し、洗浄ブラシを該基板の両面に(4)と同様にしてすすぎを5秒間行う。
(6)再度(4)と(5)を繰り返す。
(7)再度(3)を行う。
(8)すすぎ−3:洗浄された基板を、超純水を入れた樹脂槽に移し、600秒間25℃ですすぎを行う。
(9)乾燥:洗浄された基板を、温純水を入れた樹脂槽に移し、30秒間浸漬した後、90mm/分の速度で水滴が残らない様に静かに該基板を引き上げた後、完全に基板表面を乾燥させる。
(洗浄性評価方法)
10000rpmで回転している洗浄された基板に、光学式微細欠陥検査装置( Candela6100、KLATencor社製)のMODE Q−Scatterでレーザーを照射して、欠陥数(基板上の異物数)の測定を実施した。実施例1及び比較例1〜8の洗浄剤組成物それぞれにつき10枚ずつの基板について前記測定を行い、平均値を得た。欠陥数が少ないほど洗浄性が高いことを示す。洗浄性を比較例1の場合の欠陥数に対する比で表し、下記の基準で評価した結果を表1に示す。
A:比較例1に対して25%未満の欠陥数。
B:比較例1に対して25%以上、40%未満の欠陥数。
C:比較例1に対して40%以上、60%未満の欠陥数。
D:比較例1に対して60%以上の欠陥数。
(表面粗さの評価方法)
AFM(Digital Instrument NanoScope IIIa Multi Mode AFM)を用いて、以下に示す条件で、洗浄後の基板の内周縁と外周縁との中央部分を表裏1箇所ずつ測定し、中心線平均粗さAFM‐Raを測定した。2枚の平均値をAFM‐Raとした。AFM−Raが低いほど平滑性が高いことを示す。表面粗さを比較例1の場合のAFM−Raに対する比で表し、下記の基準で評価した結果を表1の「平滑性」に示した。
A:比較例1に対して95%未満のAFM−Ra
B:比較例1に対して95%以上のAFM−Ra
〔AFMの測定条件〕
Mode:Tapping mode
Area:1×1μm
Scan rate:1.0Hz
Cantilever:NCH−10V
Line:512×512
Figure 0006208575
表1の洗浄性に示すとおり、実施例1の洗浄剤組成物は比較例1〜8に対して高い洗浄性を示した。また、表1の平滑性に示すとおり、実施例1の洗浄剤組成物は比較例1〜8に対して良好な結果を示した。
[洗浄剤試験2:実施例2及び3]
洗浄剤試験1の洗浄方法1における工程(1)、(3)及び(7)で使用する浸漬用の洗浄剤組成物を表2の洗浄剤組成物に替え、工程(4)と(6)でスクラブ射出する液である水酸化カリウム水溶液を表2の洗浄剤組成物の0.5%水溶液に替えたほかは洗浄方法1と同様の方法を用いて洗浄し、同様に洗浄性評価を行った。その評価結果を表2に示す。
Figure 0006208575
表2の洗浄性が示すとおり、実施例2及び3の洗浄性は、比較例5よりも優れていた。また、実施例3の洗浄性は、実施例2よりも優れていた。よって、実施例1の洗浄剤組成物は、スクラブ用洗浄剤としても、浸漬用洗浄剤としても優れていることが示された。

Claims (10)

  1. 炭素数6〜18の直鎖アルキル基又は分岐鎖アルキル基を有するアルキルジフェニルエーテルジスルホン酸又はその塩(A)、キレート剤(B)、アルカリ金属の水酸化物(C)及び水を含有するハードディスク基板用洗浄剤組成物。
  2. ハードディスク基板がガラス製である、請求項1に記載のハードディスク基板用洗浄剤組成物。
  3. キレート剤(B)がホスホン酸系キレート剤である、請求項1又は2に記載のハードディスク基板用洗浄剤組成物。
  4. pHが10.0以上14.0以下である、請求項1から3のいずれかに記載のハードディスク基板用洗浄剤組成物。
  5. 前記アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸又はその塩(A)とキレート剤(B)との質量比(A/B)は、0.15以上3.5以下である、請求項1から4のいずれかに記載のハードディスク基板用洗浄剤組成物。
  6. ノニオン界面活性剤を含まない、請求項1から5のいずれかに記載のハードディスク基板用洗浄剤組成物。
  7. 請求項1からのいずれかに記載の洗浄剤組成物を用いて、被洗浄基板の浸漬洗浄及び/又はスクラブ洗浄を行うことを含む、ハードディスク基板の洗浄方法。
  8. 被洗浄基板が、研磨剤で研磨された基板である、請求項記載のハードディスク基板の洗浄方法。
  9. 請求項1からのいずれかに記載の洗浄剤組成物を用いて、被洗浄基板の浸漬洗浄及び/又はスクラブ洗浄を行うことを含む、ハードディスク基板の製造方法。
  10. 被洗浄基板が、研磨剤で研磨された基板である、請求項記載のハードディスク基板の製造方法。
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