JP6987630B2 - ハードディスク用基板用の洗浄剤組成物 - Google Patents

ハードディスク用基板用の洗浄剤組成物 Download PDF

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本開示は、ハードディスク用基板用の洗浄剤組成物、基板の洗浄方法、及びハードディスク用基板の製造方法に関する。
近年、パーソナルコンピュータや各種電子デバイスにおいては動画や音声等の大きなデータが扱われるようになり、大容量の情報記録装置が必要となっている。その結果、情報記録媒体に対する高記録密度化の要求が年々高まっている。これに対応するべく、ハードディスクでは、垂直磁気記録方式の採用、量産化が進められている。垂直磁気記録方式において、情報記録媒体用基板(以下、「ハードディスク用基板」ともいう)には、現在の基板と比較して基板の耐熱性及び表面の平滑性がより高いレベルで求められている。さらに、ハードディスク用基板表面に要求される清浄度も高くなってきている。
ハードディスク用基板に用いられる材料としては、表面にニッケル−リンメッキを施したアルミニウム、ガラス等がある。最近では、基板の材質は異なるものの半導体用基板分野においても、基板表面の高い清浄度が求められ、様々な洗浄剤が開発されている。
特許文献1には、研磨液中の研磨剤粒子、それらの凝集物、被研磨物の研磨屑等の固形汚れによって汚染された、研磨に使用される研磨パッド等のパッドの洗浄に有効な洗浄剤組成物として、分子中に−COOR及び−SO3R(Rは水素原子、無機塩基または有機塩基を示す)から選ばれた基を1種以上有するアニオン性界面活性剤を含有する洗浄剤組成物が開示されている。
特許文献2には、シリコンウエハ等の半導体用基板上に半導体素子を形成する際に使用される、有機あるいは無機の微細な異物及び油分の除去に有効な、発泡性の少ない洗浄剤組成物として、アクリル酸、メタクリル酸及びマレイン酸から選ばれる少なくとも1種をモノマー成分とし、該モノマー成分を全モノマー成分の使用量の20モル%以上用いて得られる、重量平均分子量が500〜15万のポリカルボン酸化合物を含有してなる、半導体基板用又は半導体素子用洗浄剤組成物が開示されている。
特許文献3には、環境への負荷が少なく、かつ、化学的機械研磨(CMP)前後に、半導体用基板等の半導体部品上に残った、シリカ、アルミナ等のCMP研磨砥粒、CMP中に含まれる金属不純物あるいは金属配線等に基づくFe,Mn,Al,Ce,Cu,W,Ti等の不純物に対して洗浄効果の高い洗浄剤として、少なくともイタコン酸(塩)を含む単量体成分を(共)重合してなる(共)重合体を主成分とする半導体部品用洗浄剤が開示されている。
特開2000−309796号公報 特開平11−181494号公報 特開2001−64680号公報
一般的に、ハードディスク用基板の製造工程には、研磨液組成物を用いた研磨工程が含まれている。研磨工程を経た基板表面に研磨くずや砥粒等のパーティクルが残留していると、磁気ディスクの性能や歩留まりに悪影響が及ぶ。特に、微細なパーティクルは一旦基板から剥離しても、基板表面へ再付着しやすく、洗浄剤組成物にはパーティクルの高い分散性を有することも求められる。
そこで、本開示は、基板表面に残留するパーティクルの除去性に優れる洗浄剤組成物、並びにそれを用いた基板の洗浄方法及びハードディスク用基板の製造方法を提供する。
本開示は、一態様において、下記一般式(I)で表されるモノマーa1又はその無水物由来の構成単位(a1)、並びに、下記一般式(II)で表されるモノマーa2由来の構成単位(a2)を含むポリマー(成分A)を含有し、
pHが8以上である、ハードディスク用基板用の洗浄剤組成物に関する。
Figure 0006987630
〔式(I)中、R1〜R4はそれぞれ独立に、水素原子、メチル基、-(CH2pCOO(AO)m-X、又は-(CH2qO(AO)n-Yを示し、Xは水素原子、アルカリ金属、アルカリ土類金属(1/2原子)、有機アンモニウム、アンモニウム、又は炭素数1以上5以下のアルキル基を示し、Yは水素原子、又は炭素数1以上5以下のアルキル基を示し、p及びqはそれぞれ独立に、0以上2以下の整数を示し、AOは炭素数2又は3のアルキレンオキシ基を示し、m及びnはそれぞれ独立に、AOの平均付加モル数であって、0以上300以下の数を示し、R1〜R4のうち少なくとも一つは、-(CH2pCOO(AO)m-X、又は-(CH2qO(AO)n-Yである。〕
Figure 0006987630
〔式(II)中、R5及びR7はそれぞれ独立に、水素原子又はメチル基を示し、R6は水素原子、メチル基、又はフェニル基を示し、R8は、1−ナフチル基、2−ナフチル基、又は下記一般式(III)で表される基を示す。〕
Figure 0006987630
〔式(III)中、R9〜R13はそれぞれ独立に、水素原子、炭素数1以上4以下のアルキル基、又は-COOMを示し、Mは、水素原子、アルカリ金属、アルカリ土類金属(1/2原子)、有機アンモニウム、又はアンモニウムを示す。*は、結合手を示す。〕
本開示は、他の態様において、本開示に係る洗浄剤組成物を用いて被洗浄基板を洗浄する洗浄工程を含み、前記被洗浄基板は、研磨液組成物で研磨された基板、又は、パーティクルが付着した基板である、基板の洗浄方法に関する。
本開示は、他の態様において、本開示に係る洗浄剤組成物を用いて被洗浄基板を洗浄する洗浄工程を含み、前記被洗浄基板は、研磨液組成物で研磨された基板、又は、パーティクルが付着した基板である、ハードディスク用基板の製造方法に関する。
本開示によれば、基板表面に残留するパーティクルの除去性に優れる洗浄剤組成物を提供できる。そして、本開示の洗浄剤組成物を用いた洗浄方法及び製造方法によれば、洗浄後の基板表面の清浄度に優れたハードディスク用基板を得ることができる。さらに、本開示の洗浄剤組成物を用いた洗浄方法及び製造方法によれば、高記録密度のハードディスク記録装置が得られる。
本開示は、所定のポリマー(成分A)を含み、pH8以上の洗浄剤組成物を用いて、研磨液組成物で研磨された基板を洗浄すると、基板表面に残留するパーティクルの除去性を向上できるという知見に基づく。
すなわち、本開示は、一態様において、前記一般式(I)で表されるモノマーa1由来の構成単位(a1)及び前記一般式(II)で表されるモノマーa2由来の構成単位(a2)を含むポリマー(成分A)を含有し、pHが8以上である、ハードディスク用基板用の洗浄剤組成物(以下、「本開示に係る洗浄剤組成物」ともいう)に関する。
本開示の効果が発現するメカニズムの詳細は明らかではないが以下のように推定される。
洗浄剤組成物中のポリマー(成分A)の芳香環を有する基(式(II)中のR8)が基板表面及びパーティクル表面に吸着することで、基板表面及びパーティクル表面に極性を有する基に起因する電荷障壁が形成され、基板表面−パーティクル間やパーティクル−パーティクル間で電荷反発が生じ、その結果、基板表面からのパーティクルの除去が促進され、また基板表面へのパーティクルの再付着、及びパーティクル同士の凝集が抑制され、基板表面からパーティクルを効率よく除去でき、洗浄性を向上できると推測される。
さらに、ポリマー(成分A)が所定の重量平均分子量を有することで、上述した電荷反発の作用がより効果的に生じ、基板表面へのパーティクルの再付着やパーティクル同士の凝集をより効果的に抑制できると考えられる。通常、研磨くず由来のパーティクルは、砥粒由来のパーティクルに比べて粒径が小さく除去が難しいが、本開示の洗浄剤組成物では、所定のポリマー(成分A)を含有することで、除去が難しい研磨くず由来のパーティクルも効率よく除去できると考えられる。
但し、本開示は、これらのメカニズムに限定して解釈されなくてよい。
従って、本開示に係る洗浄剤組成物によれば、一又は複数の実施形態において、洗浄剤組成物中のパーティクルの分散性に優れ、基板表面に残留するパーティクルを効果的に除去できる。そして、本開示に係る洗浄剤組成物を用いた洗浄方法及び製造方法によれば、一又は複数の実施形態において、清浄度に優れるハードディスク用基板が得られうる。さらに、本開示に係る洗浄剤組成物を用いて洗浄したハードディスク用基板を使用することで、高記録密度のハードディスク記録装置を実現できる。
本開示において「パーティクル」とは、基板表面に残留又は付着する異物をいう。本開示における「パーティクル」は、酸化ニッケル、酸化珪素等の研磨くず由来の異物;酸化珪素(シリカ)、酸化アルミニウム(アルミナ)、酸化セリウム(セリア)等の研磨砥粒由来の異物;等を含む。
以下、本開示に係る洗浄剤組成物に含まれる各成分について説明する。
[成分A:ポリマー]
本開示に係る洗浄剤組成物に含まれる成分Aは、下記一般式(I)で表されるモノマーa1由来の構成単位(a1)及び下記一般式(II)で表されるモノマーa2由来の構成単位(a2)を含有するポリマーである。成分Aは、単独で用いてもよいし、二種以上を混合して用いてもよい。
(モノマーa1)
Figure 0006987630
式(I)中、R1〜R4はそれぞれ独立に、水素原子、メチル基、-(CH2pCOO(AO)m-X、又は-(CH2qO(AO)n-Yを示し、Xは水素原子、アルカリ金属、アルカリ土類金属(1/2原子)、有機アンモニウム、アンモニウム、又は炭素数1以上5以下のアルキル基を示し、Yは水素原子、又は炭素数1以上5以下のアルキル基を示し、p及びqはそれぞれ独立に、0以上2以下の整数を示し、AOは炭素数2又は3のアルキレンオキシ基を示し、m及びnはそれぞれ独立に、AOの平均付加モル数であって、0以上300以下の数を示し、R1〜R4のうち少なくとも一つは、-(CH2pCOO(AO)m-X、又は-(CH2qO(AO)n-Yである。
式(I)中、R1〜R4はそれぞれ独立に、水素原子、メチル基、-(CH2pCOO(AO)m-X、又は-(CH2qO(AO)n-Yから選ばれる少なくとも1種であって、洗浄性向上の観点から、R1及びR2は水素原子、R3は水素原子または-(CH2pCOO(AO)m-X、R4は-(CH2pCOO(AO)m-Xが好ましく、R1及びR2は水素原子、R3及びR4は-(CH2pCOO(AO)m-Xがより好ましい。
式(I)中、p及びqは、0以上2以下の整数であって、入手性及び洗浄性向上の観点から、1以下が好ましく、0がより好ましい。
式(I)中、AOは、炭素数2又は3のアルキレンオキシ基を示し、該アルキレンオキシ基は直鎖状及び分岐状のいずれの形態であってもよい。AOは1種であっても2種以上であってもよい。AOが2種以上のとき、その付加形式はランダム状であってもブロック状であってもよい。AOとしては、例えば、オキシエチレン(EO)基、オキシプロピレン(PO)基が挙げられ、洗浄性の観点から、オキシエチレン(EO)基が好ましい。
式(I)中、m及びnは、AOの平均付加モル数であって、0以上300以下の数であって、洗浄性向上の観点から、200以下が好ましく、150以下がより好ましく、130以下がさらに好ましい。
式(I)中、Xは、水素原子、アルカリ金属、アルカリ土類金属(1/2原子)、有機アンモニウム、アンモニウム、又は炭素数1以上5以下のアルキル基を示す。Xが、水素原子の場合、モノマーa1はカルボン酸である。Xが、アルカリ金属、アルカリ土類金属(1/2原子)、有機アンモニウム、又はアンモニウムの場合は、モノマーa1はカルボン酸の塩である。Xは、洗浄性向上の観点から、炭素数1以上4以下のアルキル基が好ましい。該アルキル基は、直鎖状及び分岐状のいずれの形態であってもよい。炭素数1以上4以下のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、ブチル基が挙げられ、同様の観点から、ブチル基が好ましい。また、R1〜R4のうちの少なくとも2つ以上が-(CH2pCOO(AO)m-Xである場合、洗浄性向上の観点から、少なくとも1つの-(CH2pCOO(AO)m-Xはカルボン酸又はその塩であることが好ましく、アルカリ金属塩が好ましく、ナトリウム塩及びカリウム塩がより好ましい。
式(I)中、Yは、水素原子、又は炭素数1以上5以下のアルキル基を示す。Yは、洗浄性向上の観点から、水素原子及び炭素数1以上3以下のアルキル基が好ましい。該アルキル基は、直鎖状及び分岐状のいずれの形態であってもよい。炭素数1以上3以下のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、又はイソプロピル基が挙げられる。
モノマーa1の一実施形態としては、式(I)中、R1〜R4がそれぞれ独立に、水素原子、メチル基、及び-(CH2pCOO(AO)m-Xから選ばれる少なくとも1種である場合、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、マレイン酸ブトキシエチルエステル、マレイン酸ブチルエステル及びそれらの塩から選ばれる少なくとも1種が挙げられ、洗浄性向上の観点から、アクリル酸、メタクリル酸及びマレイン酸から選ばれる少なくとも1種が好ましく、アクリル酸及びマレイン酸の少なくとも一方がより好ましく、マレイン酸がさらに好ましい。塩としては、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩、有機アンモニウム塩等が挙げられ、洗浄性向上の観点から、アルカリ金属塩が好ましく、ナトリウム塩及びカリウム塩がより好ましい。
モノマーa1のその他の実施形態としては、式(I)中のR1及びR3が水素原子で、R2が水素原子又はメチル基で、R4が-(CH2pCOO(AO)m-Xであって、pが0の場合、例えば、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリル酸エステル、エトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリル酸エステル、プロポキシポリエチレングリコール(メタ)アクリル酸エステル、メトキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリル酸エステル、エトキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリル酸エステル、及びプロポキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリル酸エステル等から選ばれる少なくとも1種が挙げられ、洗浄性向上の観点から、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリル酸エステル、エトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリル酸エステル、及びプロポキシポリエチレングリコール(メタ)アクリル酸エステルから選ばれる少なくとも1種が好ましく、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリル酸エステルがより好ましく、メトキシポリエチレングリコールメタクリル酸エステルがよりさらに好ましい。「(メタ)アクリル酸エステル」とは、アクリル酸エステル及びメタクリル酸エステルの少なくとも1種を意味する。
モノマーa1のその他の実施形態としては、式(I)中のR1〜R3が水素原子で、R4が-(CH2pCOO(AO)m-Xであって、pが1の場合、例えば、メトキシポリエチレングリコール−3−ブテン酸エステル、エトキシポリエチレングリコール−3−ブテン酸エステル、プロポキシポリエチレングリコール−3−ブテン酸エステル、メトキシポリプロピレングリコール−3−ブテン酸エステル、エトキシポリプロピレングリコール−3−ブテン酸エステル、及びプロポキシポリプロピレングリコール−3−ブテン酸エステル等から選ばれる少なくとも1種が挙げられる。
モノマーa1のその他の実施形態としては、式(I)中のR1〜R3が水素原子で、R4が-(CH2pCOO(AO)m-Xであって、pが2の場合、例えば、メトキシポリエチレングリコール−4−ペンテン酸エステル、エトキシポリエチレングリコール−4−ペンテン酸エステル、プロポキシポリエチレングリコール−4−ペンテン酸エステル、メトキシポリプロピレングリコール−4−ペンテン酸エステル、エトキシポリプロピレングリコール−4−ペンテン酸エステル、及びプロポキシポリプロピレングリコール−4−ペンテン酸エステル等から選ばれる少なくとも1種が挙げられる。
モノマーa1のその他の実施形態としては、式(I)中のR1〜R3が水素原子で、R4が-(CH2qO(AO)n-Yであって、qが0の場合、例えば、ポリエチレングリコールビニルエーテル、メトキシポリエチレングリコールビニルエーテル、エトキシポリエチレングリコールビニルエーテル、プロポキシポリエチレングリコールビニルエーテル、ポリプロピレングリコールビニルエーテル、メトキシポリプロピレングリコールビニルエーテル、エトキシポリプロピレングリコールビニルエーテル、プロポキシポリプロピレングリコールビニルエーテル、ポリエチレングリコールイソプロペニルエーテル、及びポリプロレングリコールイソプロペニルエーテル等から選ばれる少なくとも1種が挙げられる。
モノマーa1のその他の実施形態としては、式(I)中のR1〜R3が水素原子で、R4が-(CH2qO(AO)n-Yであって、qが1の場合、例えば、ポリエチレングリコールアリルエーテル、メトキシポリエチレングリコールアリルエーテル、エトキシポリエチレングリコールアリルエーテル、プロポキシポリエチレングリコールアリルエーテル、ポリプロピレングリコールアリルエーテル、メトキシポリプロピレングリコールアリルエーテル、エトキシポリプロピレングリコールアリルエーテル、プロポキシポリプロピレングリコールアリルエーテル、ポリエチレングリコール−2−メチルアリルエーテル、ポリプロレングリコール−2−メチルアリルエーテル、ポリエチレングリコール−2−ブテニルエーテル、及びポリプロレングリコール−2−ブテニルエーテル等から選ばれる少なくとも1種が挙げられる。
モノマーa1のその他の実施形態としては、式(I)中のR1〜R3が水素原子で、R4が-(CH2qO(AO)n-Yであって、qが2の場合、例えば、ポリエチレングリコール−3−ブテニルエーテル、メトキシポリエチレングリコール−3−ブテニルエーテル、エトキシポリエチレングリコール−3−ブテニルエーテル、プロポキシポリエチレングリコール−3−ブテニルエーテル、ポリプロピレングリコール−3−ブテニルエーテル、メトキシポリプロピレングリコール−3−ブテニルエーテル、エトキシポリプロピレングリコール−3−ブテニルエーテル、プロポキシポリプロピレングリコール−3−ブテニルエーテル、ポリエチレングリコール−3−メチル−3−ブテニルエーテル、メトキシポリエチレングリコール−3−メチル−3−ブテニルエーテル、エトキシポリエチレングリコール−3−メチル−3−ブテニルエーテル、プロポキシポリエチレングリコール−3−メチル−3−ブテニルエーテル、ポリプロレングリコール−3−メチル−3−ブテニルエーテル、メトキシポリプロレングリコール−3−メチル−3−ブテニルエーテル、エトキシポリプロレングリコール−3−メチル−3−ブテニルエーテル、及びプロポキシポリプロレングリコール−3−メチル−3−ブテニルエーテル等から選ばれる少なくとも1種が挙げられる。
(モノマーa2)
Figure 0006987630
式(II)中、R5及びR7はそれぞれ独立に、水素原子又はメチル基、を示し、R6は水素原子、メチル基、又はフェニル基を示し、R8は、1−ナフチル基、2−ナフチル基、又は下記一般式(III)で表される基を示す。
Figure 0006987630
式(III)中、R9〜R13はそれぞれ独立に、水素原子、炭素数1以上4以下のアルキル基、又は-COOMを示し、Mは、水素原子、アルカリ金属、アルカリ土類金属(1/2原子)、有機アンモニウム、又はアンモニウムを示す。*は、結合手を示す。*は、結合位置、結合部位、又は結合点と呼ばれることもある。
式(II)中、R5及びR7はそれぞれ独立に、水素原子又はメチル基を示し、R6は水素原子、メチル基、又はフェニル基から選ばれる少なくとも1種であって、洗浄性向上の観点から、R5、R6及びR7は水素原子、R8は1−ナフチル基、2−ナフチル基、又は前記一般式(III)で表される基が好ましく、R5、R6及びR7は水素原子、R8は前記一般式(III)で表される基がより好ましい。
式(III)中、R9〜R13はそれぞれ独立に、水素原子、炭素数1以上4以下のアルキル基、又は-COOMから選ばれる少なくとも1種であって、入手性及び洗浄性向上の観点から、R9〜R13すべてが水素原子、又はR9〜R13のうちいずれか一つが炭素数1以上4以下のアルキル基又は-COOMであって残りのすべてが水素原子であることが好ましく、R9〜R13すべてが水素原子であることがより好ましい。
式(III)中、-COOMは、Mが水素原子の場合、モノマーa2はカルボン酸であり、Mがアルカリ金属、アルカリ土類金属(1/2原子)、有機アンモニウム、又はアンモニウムの場合、モノマーa2はカルボン酸の塩であって、洗浄性向上の観点から、アルカリ金属が好ましく、ナトリウム及びカリウムの少なくとも一方がより好ましい。
モノマーa2としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、2−メチルスチレン、3−メチルスチレン、4−メチルスチレン、4−メチル−α−メチルスチレン、4−ビニル安息香酸、4−t−ブチルスチレン、2,4,6−トリメチルスチレン、1−ビニルナフタレン、及び2−ビニルナフタレン等から選ばれる少なくとも1種が挙げられる。
本開示における成分Aの全構成単位中の構成単位(a2)に対する構成単位(a1)のモル比a1/a2は、洗浄性向上の観点から、0.1以上が好ましく、0.12以上がより好ましく、0.2以上がさらに好ましく、0.3以上がよりさらに好ましく、そして、水への溶解度の観点から、10以下が好ましく、5以下がより好ましく、3以下がさらに好ましく、2以下がよりさらに好ましい。成分Aの全構成単位中のモル比a1/a2は、洗浄性向上及び水への溶解度の観点から、0.1以上10以下が好ましく、0.12以上5以下がより好ましく、0.2以上3以下がさらに好ましく、0.3以上2以下がよりさらに好ましい。
本開示における成分Aは、構成単位(a1)及び構成単位(a2)以外の他の構成単位をさらに含有することができる。他の構成単位としては、例えば、アクリルアミド類、酢酸ビニル、オレフィン等が挙げられる。
本開示における成分Aは、モノマー(a1)及びモノマー(a2)を含むモノマー混合物を溶液重合法で重合させる等、公知の方法で得ることができる。溶液重合に用いられる溶媒としては、水;トルエン、キシレン等の芳香族系炭化水素;エタノール、2−プロパノール等のアルコール;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン;テトラヒドロフラン、ジエチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル;等が挙げられる。重合に用いられる重合開始剤としては、公知のラジカル開始剤を用いることができ、例えば、過硫酸アンモニウム塩が挙げられる。重合の際、連鎖移動剤をさらに用いることができ、例えば、2−メルカプトエタノール、β−メルカプトプロピオン酸等のチオール系連鎖移動剤が挙げられる。本開示において、成分Aの全構成単位中の各構成単位の含有量は、重合に用いるモノマー全量に対する各モノマーの使用量の割合とみなすことができる。
成分Aを構成する各構成単位の配列は、ランダム、ブロック、又はグラフトのいずれでもよい。
成分Aの重量平均分子量は、洗浄性の観点から、1,000以上が好ましく、2,000以上がより好ましく、2,500以上がさらに好ましく、3,000以上がよりさらに好ましく、5,000以上がよりさらに好ましく、そして、同様の観点から、200,000以下が好ましく、100,000以下がより好ましく、50,000以下がさらに好ましく、20,000以下がよりさらに好ましい。成分Aの重量平均分子量は、洗浄性の観点から、1,000以上200,000以下が好ましく、2,000以上100,000以下がより好ましく、2,500以上50,000以下がさらに好ましく、3,000以上20,000以下がよりさらに好ましく、5,000以上20,000以下がよりさらに好ましい。本開示において重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー法(ポリエチレングリコール換算)によるものであり、具体的には、実施例に記載の方法により測定できる。
本開示に係る洗浄剤組成物の洗浄時における成分Aの含有量は、洗浄性の観点から、0.001質量%以上が好ましく、0.005質量%以上がより好ましく、0.01質量%以上がさらに好ましく、そして、同様の観点から、10質量%以下が好ましく、5質量%以下がより好ましく、2質量%以下がさらに好ましく、1質量%以下がよりさらに好ましく、0.5質量%以下がよりさらに好ましく、0.2質量%以下がよりさらに好ましい。さらに、洗浄剤組成物中の洗浄時における成分Aの含有量は、同様の観点から、0.001質量%以上10質量%以下が好ましく、0.005質量%以上5質量%以下がより好ましく、0.01質量%以上2質量%以下がさらに好ましく、0.01質量%以上1質量%以下がよりさらに好ましく、0.01質量%以上0.5質量%以下がよりさらに好ましく、0.01質量%以上0.2質量%以下がよりさらに好ましい。
本開示に係る洗浄剤組成物は、後述するように、濃縮物として製造され、洗浄する際に希釈して使用してもよいことから、本開示において「洗浄剤組成物の洗浄時における各成分の含有量」とは、一又は複数の実施形態において、洗浄工程に使用される洗浄剤組成物の各成分の含有量、すなわち、洗浄剤組成物の洗浄への使用を開始する時点での各成分の含有量をいう。よって、本開示において洗浄時の洗浄剤組成物、つまり、洗浄工程に使用される洗浄剤組成物とは、一又は複数の実施形態において、希釈された状態での洗浄剤組成物をいう。
[成分B:アルカリ剤]
本開示に係る洗浄剤組成物は、アルカリ剤(成分B)をさらに含有してもよい。アルカリ剤としては、洗浄剤組成物にアルカリ性を付与できる化合物や洗浄剤組成物のpHを後述の範囲内に調整できる化合物が挙げられ、例えば、無機アルカリ剤及び有機アルカリ剤等が挙げられる。無機アルカリ剤としては、例えば、アンモニア;水酸化カリウム及び水酸化ナトリウム等のアルカリ金属水酸化物;等が挙げられる。有機アルカリ剤としては、例えば、ヒドロキシアルキルアミン、第四級アンモニウム塩等が挙げられる。ヒドロキシアルキルアミンとしては、例えば、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、メチルエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、モノプロパノールアミン、ジプロパノールアミン、トリプロパノールアミン、メチルプロパノールアミン、メチルジプロパノールアミン、及びアミノエチルエタノールアミン等が挙げられる。第四級アンモニウム塩としては、例えば、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド、及びコリン等が挙げられる。成分Bは、単独で用いてもよいし、二種以上を混合して用いてもよい。
成分Bとしては、洗浄性向上の観点から、アルカリ金属水酸化物、ヒドロキシアルキルアミン及び第四級アンモニウム塩から選ばれる少なくとも1種が好ましく、排水処理負荷低減の観点から、アルカリ金属水酸化物がより好ましく、水酸化カリウム及び水酸化ナトリウムの少なくとも1種がさらに好ましい。
本開示に係る洗浄剤組成物の洗浄時における成分Bの含有量は、洗浄性の観点から、0.000005質量%以上(0.05ppm以上)が好ましく、0.00005質量%以上がより好ましく、0.0001質量%以上がさらに好ましく、0.001質量%以上がさらにより好ましく、そして、同様の観点から、10質量%以下が好ましく、5質量%以下がより好ましく、1質量%以下がさらに好ましく、0.5質量%以下がさらにより好ましく、0.1質量%以下がさらにより好ましい。さらに、洗浄剤組成物の洗浄時における成分Bの含有量は、同様の観点から、0.000005質量%以上10質量%以下が好ましく、0.00005質量%以上10質量%以下がより好ましく、0.0001質量%以上5質量%以下がさらに好ましく、0.0001質量%以上1質量%以下がさらにより好ましく、0.0001質量%以上0.5質量%以下がさらにより好ましく、0.001質量%以上0.1質量%以下がさらにより好ましい。成分Bを2種以上混合して用いる場合、成分Bの含有量はそれらの合計含有量をいう。
本開示に係る洗浄剤組成物中の成分Bの含有量に対する成分Aの含有量の比A/Bは、洗浄性向上の観点から、0.001以上が好ましく、0.01以上がより好ましく、0.1以上がさらに好ましく、そして、同様の観点から、5000以下が好ましく、1000以下がより好ましく、100以下がさらに好ましく、50以下がさらにより好ましい。洗浄剤組成物中の含有量の比A/Bは、洗浄性向上の観点から、0.001以上5000以下が好ましく、0.001以上1000以下がより好ましく、0.01以上100以下がさらに好ましく、0.1以上50以下がさらにより好ましい。
[成分C:水]
本開示に係る洗浄剤組成物は、さらに水(成分C)を含有してもよい。前記水は、溶媒としての役割を果たすことができるものであれば特に制限はなく、例えば、超純水、純水、イオン交換水、又は蒸留水等を挙げることができるが、超純水、純水、又はイオン交換水が好ましく、超純水がより好ましい。純水及び超純水は、例えば、水道水を活性炭に通し、イオン交換処理し、さらに蒸留したものを、必要に応じて所定の紫外線殺菌灯を照射、又はフィルターに通すことにより得ることができる。
本開示に係る洗浄剤組成物の洗浄時における成分Cの含有量は、洗浄性向上及び洗浄剤組成物の安定化の観点から、90質量%以上が好ましく、95質量%以上がより好ましく、99質量%以上がさらに好ましく、そして、同様の観点から、99.99質量%以下が好ましく、99.98質量%以下がより好ましく、99.97質量%以下がさらに好ましい。
[任意成分]
本開示に係る洗浄剤組成物は、上記成分A〜C以外に、キレート剤、アニオンポリマー、ノニオン性界面活性剤、可溶化剤、酸化防止剤、防腐剤、消泡剤、及び抗菌剤等から選ばれる少なくとも1種の任意成分をさらに含有することができる。任意成分は、本開示の効果を損なわない範囲で洗浄剤組成物中に含有されることが好ましく、洗浄剤組成物の洗浄時における任意成分の含有量は、0質量%以上2.0質量%以下が好ましく、0質量%以上1.5質量%以下がより好ましく、0質量%以上1.3質量%以下がさらに好ましく、0質量%以上1.0質量%以下がよりさらに好ましい。
(キレート剤)
本開示に係る洗浄剤組成物は、洗浄性の向上の観点から、キレート剤を含有してもよい。キレート剤としては、例えば、グルコン酸、グルコヘプトン酸等のアルドン酸類;エチレンジアミン四酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸等のアミノカルボン酸類;クエン酸、リンゴ酸等のヒドロキシカルボン酸類;1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸等のホスホン酸類;及びこれらの塩からなる群より選ばれる少なくとも1種が挙げられる。
(アニオンポリマー)
本開示に係る洗浄剤組成物は、洗浄性の向上の観点から、本願の成分A以外のカルボン酸系重合体等のアニオンポリマーを含有してもよい。カルボン酸系重合体としては、例えば、アクリル酸重合体、メタクリル酸重合体、マレイン酸重合体、アクリル酸/メタクリル酸の共重合体、アクリル酸/マレイン酸の共重合体、及びメタクリル酸/アクリル酸メチルエステルの共重合体等のメタクリル酸又はアクリル酸を構成単位に含むアニオンポリマーから選ばれる少なくとも1種が挙げられる。
(ノニオン性界面活性剤)
本開示に係る洗浄剤組成物は、洗浄性の向上の観点から、ノニオン性界面活性剤を含有してもよい。ノニオン性界面活性剤としては、例えば、ポリアルキレングリコールアルキルエーテル等が挙げられる。
(可溶化剤)
本開示に係る洗浄剤組成物は、保存安定性向上の観点から、可溶化剤を含有してもよい。可溶化剤としては、例えば、p−トルエンスルホン酸、ジメチルベンゼンスルホン酸、2−エチルヘキサン酸、及びこれらの塩から選ばれる少なくとも1種が挙げられる。
本開示に係る洗浄剤組成物は、溶媒として上記水に加えて水系溶媒(例えば、エタノール等のアルコール)をさらに含有してもよいが、本開示に係る洗浄剤組成物に含まれる溶媒は水のみからなることが好ましい。
[洗浄剤組成物のpH]
本開示に係る洗浄剤組成物の洗浄時のpHは、8以上であって、洗浄性の観点から、9以上が好ましく、9.5以上がより好ましく、10以上がさらに好ましく、10.5以上がよりさらに好ましく、そして、同様の観点から、14以下が好ましく、13以下がより好ましく、12.5以下がさらに好ましく、12以下がよりさらに好ましく、11.5以下がよりさらに好ましい。より具体的には、本開示に係る洗浄剤組成物の洗浄時のpHは、8以上14以下が好ましく、9以上13以下がより好ましく、9.5以上12.5以下がさらに好ましく、10以上12以下がさらに好ましく、10.5以上11.5以下がさらに好ましい。本開示に係る洗浄剤組成物のpH調整は、例えば、洗浄性の向上の観点から、酸や成分Bのアルカリ剤を用いて行うことができる。酸としては、例えば、硝酸、硫酸、塩酸等の無機酸;オキシカルボン酸、アミノ酸等の有機酸;等が挙げられる。本開示において「洗浄時のpH」とは、25℃における洗浄剤組成物の使用時(希釈後)のpHであり、pHメータを用いて測定でき、好ましくはpHメータの電極を洗浄剤組成物に浸漬して3分後の数値である。
[洗浄剤組成物の製造方法]
本開示に係る洗浄剤組成物は、成分A、並びに必要に応じて成分B、成分C及び任意成分を公知の方法で配合することにより製造できる。例えば、本開示に係る洗浄剤組成物は、少なくとも成分Aを配合してなるものとすることができる。したがって、本開示は、少なくとも成分Aを配合する工程を含む、洗浄剤組成物の製造方法に関する。本開示において「配合」とは、成分A並びに必要に応じて成分B、成分C及び任意成分を同時又は任意の順に混合することを含む。本開示に係る洗浄剤組成物の製造方法において、各成分の配合量は、上述した本開示に係る洗浄剤組成物の各成分の含有量と同じとすることができる。
本開示に係る洗浄剤組成物は、貯蔵及び輸送の観点から、濃縮物として製造され、使用時に希釈されてもよい。洗浄剤組成物の濃縮物は、貯蔵及び輸送の観点から、希釈倍率3倍以上の濃縮物とすることが好ましく、保管安定性の観点から、希釈倍率200倍以下の濃縮物とすることが好ましい。洗浄剤組成物の濃縮物は、使用時に各成分の含有量が、上述した含有量(すなわち、洗浄時の含有量)となるように水で希釈して使用することができる。さらに洗浄剤組成物の濃縮物は、使用時に各成分を別々に添加して使用することもできる。本開示において洗浄剤組成物の濃縮物の「使用時」又は「洗浄時」とは、洗浄剤組成物の濃縮物が希釈された状態をいう。
本開示に係る洗浄剤組成物の濃縮物のpHは、希釈後の洗浄性向上の観点から、8以上が好ましく、9以上がより好ましく、9.5以上がさらに好ましく、10以上がよりさらに好ましく、そして、同様の観点から、14以下が好ましく、13以下がより好ましく、12以下がさらに好ましい。より具体的には、本開示に係る洗浄剤組成物の濃縮物のpHは、8以上14以下が好ましく、9以上13以下がより好ましく、9.5以上13以下がさらに好ましく、10以上12以下がよりさらに好ましい。本開示に係る洗浄剤組成物の濃縮物のpHは、前記本開示に係る洗浄剤組成物のpHと同様の方法で測定することができる。
[被洗浄基板]
本開示に係る洗浄剤組成物を用いて洗浄される被洗浄基板は、一又は複数の実施形態において、研磨液組成物で研磨された基板、又は、パーティクルが残留又は付着している基板が挙げられる。基板としては、例えば、Ni−Pメッキされたアルミニウム合金基板、ガラス基板等が挙げられる。ガラス基板としては、結晶化ガラス基板でもよいし、非結晶化ガラス基板でもよい。
被洗浄基板に残留又は付着するパーティクルとしては、一又は複数の実施形態において、酸化ニッケル、シリカ等の研磨くず由来のパーティクル;シリカ、アルミナ、セリア等の研磨砥粒由来のパーティクル;等が挙げられる。
本開示に係る洗浄剤組成物は、一又は複数の実施形態において、研磨液組成物で研磨された基板、又は、パーティクルが残留又は付着している基板の洗浄に使用されうる。本開示に係る洗浄剤組成物は、一又は複数の実施形態において、洗浄効果の点から、酸化ニッケル、シリカ等の研磨くず由来のパーティクル、好ましくは酸化ニッケルの研磨くず由来のパーティクルが付着した基板の洗浄に好適に用いられうる。さらに、本開示に係る洗浄剤組成物は、一又は複数の実施形態において、洗浄効果の点から、Ni−Pメッキされたアルミニウム合金基板、好ましくは研磨液組成物で研磨された後のNi−Pメッキされたアルミニウム合金基板の洗浄、より好ましくはシリカ砥粒を含有する研磨液組成物で研磨された後のNi−Pメッキされたアルミニウム合金基板の洗浄に好適に用いられうる。
[基板の洗浄方法]
本開示は、一態様において、本開示に係る洗浄剤組成物を用いて、被洗浄基板を洗浄する洗浄工程を含み、前記被洗浄基板が、研磨液組成物で研磨された基板である、基板の洗浄方法(以下、「本開示に係る洗浄方法」ともいう)に関する。本開示に係る洗浄方法は、前記本開示に係る洗浄剤組成物の濃縮液を希釈する希釈工程をさらに含むことができる。被洗浄基板としては、上述した基板を用いることができる。前記洗浄工程は、一又は複数の実施形態において、被洗浄基板に本開示に係る洗浄剤組成物を接触させる工程を含むことができる。前記洗浄工程は、一又は複数の実施形態において、浸漬洗浄及び/又はスクラブ洗浄を行うことを含むことができる。本開示に係る洗浄方法であれば、基板表面に付着したパーティクル、好ましくは酸化ニッケル、酸化珪素等の研磨くず由来のパーティクル、より好ましくは酸化ニッケルの研磨くず由来のパーティクルを効率よく除去できる。
(浸漬洗浄)
被洗浄基板の洗浄剤組成物への浸漬条件としては、特に制限はない。例えば、洗浄剤組成物の温度は、作業性及び操業性の観点から、20〜100℃が好ましい。例えば、浸漬時間は、洗浄剤組成物による洗浄性の向上の観点から、5秒以上が好ましく、10秒以上がより好ましく、100秒以上がさらに好ましく、そして、洗浄された基板の生産効率の向上の観点から、30分以下が好ましく、10分以下がより好ましく、5分以下がさらに好ましい。残留物の除去性及び残留物の分散性を高める観点から、洗浄剤組成物には超音波振動が付与されていると好ましい。超音波の周波数としては、例えば、20〜2000kHzが好ましく、40〜2000kHzがより好ましく、40〜1500kHzがさらに好ましい。
(スクラブ洗浄)
スクラブ洗浄の方法としては、研磨粒子等の残留物の除去性や油分の溶解性を促進させる観点から、超音波振動が与えられている洗浄剤組成物を射出して、被洗浄基板の表面に洗浄剤組成物を接触させて当該表面を洗浄すること、又は、洗浄剤組成物を被洗浄基板の表面上に射出により供給し、洗浄剤組成物が供給された当該表面を洗浄用ブラシでこすることにより洗浄することが好ましい。さらに、スクラブ洗浄の方法は、同様の観点から、超音波振動が与えられている洗浄剤組成物を射出により洗浄対象の表面に供給し、かつ、洗浄剤組成物が供給された当該表面を洗浄用ブラシでこすることにより洗浄することが好ましい。
洗浄剤組成物を被洗浄基板の表面上に供給する手段としては、例えば、スプレーノズル等の手段を用いることができる。洗浄用ブラシとしては、特に制限はなく、例えばナイロンブラシやポリビニルアルコール(PVA)スポンジブラシ等を使用することができる。超音波の周波数としては、例えば、上述の浸漬洗浄で好ましく採用される値と同様とすることができる。
本開示に係る洗浄方法は、前記浸漬洗浄及び/又は前記スクラブ洗浄に加えて、揺動洗浄、スピンナー等の回転を利用した洗浄、パドル洗浄等の公知の洗浄を用いる工程を1つ以上含んでもよい。
本開示に係る洗浄方法では、被洗浄基板を一枚ずつ洗浄してもよいが、複数枚の洗浄すべき被洗浄基板を一度にまとめて洗浄してもよい。洗浄の際に用いる洗浄槽の数は1つでも複数でもよい。
[ハードディスク用基板の製造方法]
本開示は、一態様において、本開示に係る洗浄剤組成物を用いて、被洗浄基板を洗浄する工程を含む、ハードディスク用基板の製造方法(以下、「本開示に係る製造方法」ともいう)に関する。被洗浄基板としては上述した基板を用いることができる。
一般に、ハードディスク用基板の基となる基材が、形状加工工程、粗研削工程、精研削工程、粗研磨工程、仕上げ研磨工程等を経ることにより、ハードディスク用基板が製造されうる。そして、前記各工程の間には洗浄工程が含まれることがある。ハードディスク用基板は、例えば、最終の洗浄工程の後に記録部形成工程を経ることで磁気ハードディスクとなりうる。
記録部形成工程は、例えば、スパッタ等の方法により、磁気記録領域を有し金属薄膜を含む磁性層をハードディスク用基板上に形成することにより行うことができる。前記金属薄膜を構成する金属材料としては、例えば、クロム、タンタル、白金等とコバルトとの合金、鉄と白金等との合金等が挙げられる。磁性層は、ハードディスク用基板の両主面側に形成されてもよいし、一方の主面側にのみ形成されてもよい。
前記粗研磨工程と前記仕上げ研磨工程は、例えば、この順で行われる。粗研磨工程の際に用いられる研磨剤組成物に含まれる無機微粒子としては、例えば、高速研磨が可能であるという理由から、酸化セリウム粒子又はアルミナ粒子が好ましい。仕上げ研磨工程の際に用いられる研磨剤組成物に含まれる無機微粒子は、表面の平滑性(表面粗さ)を向上させるという理由から、シリカ粒子が好ましい。
一又は複数の実施形態において、粗研磨工程の後、洗浄剤組成物を用いた洗浄工程(第1洗浄工程)、すすぎ工程(第1すすぎ工程)、乾燥工程(第1乾燥工程)、仕上げ研磨工程、洗浄剤組成物を用いた洗浄工程(第2洗浄工程)、すすぎ工程(第2すすぎ工程)、及び乾燥工程(第2乾燥工程)をこの順で行うことができる。本開示に係る洗浄方法は、前記第1洗浄工程及び/又は前記第2洗浄工程に適用することができる。本開示に係る洗浄方法は、洗浄性の向上の観点から、第2洗浄工程に用いることが好ましい。
したがって、本開示は、一態様において、以下の工程(1)及び工程(2)を含むハードディスク用基板の製造方法に関する。
(1)研磨液組成物を用いて被研磨基板を研磨する研磨工程。
(2)工程(1)で得られた基板(被洗浄基板)を、本開示に係る洗浄剤組成物を用いて洗浄する洗浄工程。
前記工程(1)における被研磨基板は、一般に精研削工程を経た後の基板であり、粗研磨工程を経た後の基板であることが好ましい。被研磨基板については、上述の被洗浄基板と同様の基板を用いることができる。工程(1)は、被研磨基板の研磨対象面に研磨液組成物を供給し、前記研磨対象面に研磨パッドを接触させ、所定の圧力(荷重)をかけながら、研磨パッドや被研磨基板を動かすこと等によって行うことができる。工程(1)は、最終の基板の品質を向上させる観点から、シリカ粒子を含む研磨液組成物を用いた仕上げ研磨工程であることが好ましい。仕上げ研磨工程においては、研磨液組成物を繰り返し使用することが好ましい。
前記工程(2)の洗浄工程は、上述した本開示に係る洗浄方法と同様に行うことができる。
[キット]
本開示は、一態様において、洗浄剤組成物を製造するためのキットであって、成分Aを含む溶液が容器に収容された成分A溶液を含む、キット(以下、「本開示に係るキット」ともいう)に関する。本開示に係るキットは、前記成分A溶液とは別の容器に収納された、成分B、成分C及び任意成分から選ばれる少なくとも1種をさらに含むことができる。例えば、本開示に係るキットとしては、成分Aを含む溶液(第一液)と、成分Bを含む溶液(第二液)とが、相互に混合されない状態で保管されており、これらが使用時に混合されるキット(2液型洗浄剤組成物)が挙げられる。第一液及び第二液の各々には、必要に応じて上述した成分C及び任意成分が混合されていてもよい。第一液と第二液との混合時に、例えば、第二液の使用量を調整することにより、洗浄剤組成物中の各成分の濃度を調整することができる。
本開示によれば、基板表面に残留するパーティクルの除去性に優れるハードディスク用基板用の洗浄剤組成物が得られうるキットを提供できる。
[ハードディスク記録装置]
本開示は、一態様において、本開示に係る洗浄剤組成物を用いて洗浄したハードディスク用基板を使用したハードディスク記録装置(以下、「本開示に係るハードディスク記録装置」ともいう)に関する。本開示に係る洗浄剤組成物を用いて洗浄したハードディスク用基板を使用することで、高記録密度のハードディスク記録装置を提供できる。
以下に、実施例により本開示を具体的に説明するが、本開示はこれらの実施例によってなんら限定されるものではない。
1.ポリマー(成分A及び非成分A)の調製
表1に示すポリマーA4〜A7の調製には、下記原料を用いた。
MA:マレイン酸[式(I)で表現すると、R1:水素原子、R2:水素原子、R3:-COOH(p:0、m:0、X:水素原子)、R4:-COOH(p:0、m:0、X:水素原子)に相当する]の無水物(無水マレイン酸)
AA:アクリル酸[式(I)で表現すると、R1:水素原子、R2:水素原子、R3:水素原子、R4:-COOH(p:0、m:0、X:水素原子)に相当する]
エチレングリコールモノブチルエーテル
ブタノール
St:スチレン[式(II)で表現すると、R5:水素原子、R6:水素原子、R7:水素原子、R8:式(III)であって、R9〜R13すべて水素原子)に相当する]
[ポリマーA4の製造例]
St(モノマーa2)とMA(モノマーa1)を76/24モル比で縮合し、MA1モルに対してエチレングリコールモノブチルエーテル1モルをエステル化し、ポリマーA4を得た。式(I)及び式(II)で表現すると、モノマーa1が式(I)のR1:水素原子、R2:水素原子、R3:-COOH(p:0、m:0、X:水素原子)、R4:-COO(AO)1-X(p:0、AO:炭素数2のアルキレンオキシ基、m:1、X:炭素数4のアルキル基)に相当し、モノマーa2が式(II)のR5:水素原子、R6:水素原子、R7:水素原子、R8:式(III)で表される基であって、R9〜R13すべてが水素原子に相当する。重量平均分子量は6500であった。
[ポリマーA5の製造例]
St(モノマーa2)とMA(モノマーa2)を72/28モル比で縮合し、MA1モルに対してブタノール1モルをエステル化し、ポリマーA5を得た。式(I)及び式(II)で表現すると、モノマーa1が式(I)のR1:水素原子、R2:水素原子、R3:-COOH(p:0、m:0、X:水素原子)、R4:-COOX(p:0、m:0、X:炭素数4のアルキル基)に相当し、モノマーa2が式(II)のR5:水素原子、R6:水素原子、R7:水素原子、R8:式(III)であって、R9〜R13すべて水素原子に相当する。重量平均分子量は12000であった。
[ポリマーA6の製造例]
St(モノマーa2)とMA(モノマーa1)を4/1モル比で縮合し、MA1モルに対してブタノール1モルをエステル化し、ポリマーA6を得た。式(I)及び式(II)で表現すると、モノマーa1が式(I)のR1:水素原子、R2:水素原子、R3:-COOH(p:0、m:0、X:水素原子)、R4:-COOX(p:0、m:0、X:炭素数4のアルキル基)に相当し、モノマーa2が式(II)のR5:水素原子、R6:水素原子、R7:水素原子、R8:式(III)であって、R9〜R13すべて水素原子に相当する。重量平均分子量は17000であった。
[ポリマーA7の製造例]
St(モノマーa2)とAA(モノマーa1)を76/24モル比で縮合してポリマーA7を得た。式(I)及び式(II)で表現すると、モノマーa1が式(I)のR1:水素原子、R2:水素原子、R3:水素原子、R4:-COOH(p:0、m:0、X:水素原子)に相当し、モノマーa2が式(II)のR5:水素原子、R6:水素原子、R7:水素原子、R8:式(III)であって、R9〜R13すべて水素原子に相当する。重量平均分子量は17000であった。
表1に示すポリマーA1〜A3及びA8には、下記のポリマーを用いた。
[ポリマーA1]
スチレン/無水マレイン酸コポリマー[モル比:St/MA=1/1、重量平均分子量5500、Cray Valley社製、「SMA1000」]
[ポリマーA2]
スチレン/無水マレイン酸コポリマー[モル比:St/MA=2/1、重量平均分子量7500、Cray Valley社製、「SMA2000」]
[ポリマーA3]
スチレン/無水マレイン酸コポリマー[モル比:St/MA=3/1、重量平均分子量9500、Cray Valley社製、「SMA EF−30P」]
[ポリマーA8]
ポリアクリル酸ナトリウム[43質量%水溶液、重量平均分子量3000、東亞合成株式会社製、「アロンA−210」]
[重量平均分子量の測定]
ポリマーA1〜A8の重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(以下「GPC」ともいう)法を用いて下記条件で測定した。測定結果を表1に示した。
[GPC条件]
カラム:G4000PWXL+G2500PWXL(東ソー株式会社製)
溶離液:0.2Mリン酸バッファー/CH3CN=9/1(体積比)
流量:1.0mL/min
カラム温度:40℃
検出:RI
サンプルサイズ:0.5mg/mL
標準物質:ポリエチレングリコール換算
Figure 0006987630
2.洗浄剤組成物の調製(実施例1〜18及び比較例1〜4)
表2に示す各成分を配合し混合することにより実施例1〜18及び比較例1〜4の洗浄剤組成物を調製した。各洗浄剤組成物における各成分の含有量(質量%、有効分)は、表2に示すとおりである。pHは、25℃における洗浄剤組成物のpHであり、pHメータ(東亜電波工業株式会社、HM−30G)の電極を洗浄剤組成物に浸漬して3分後の数値を測定した。pH調整には、水酸化カリウム及び硫酸を用いた。成分B及び成分Cには以下のものを用いた。
<成分B:アルカリ剤>
KOH:水酸化カリウム(関東化学株式会社製、鹿特級、固形分48質量%)
MEA:モノエタノールアミン(株式会社日本触媒製)
MDA:N−メチルジエタノールアミン(日本乳化剤株式会社製、アミノアルコール MDA)
EA:N−(β−アミノエチル)エタノールアミン(日本乳化剤株式会社製、アミノアルコール EA)
<成分C:水>
水:栗田工業株式会社製の連続純水製造装置(ピュアコンティ PC-2000VRL型)とサブシステム(マクエース KC-05H型)を用いて製造した超純水
<その他の成分>
硫酸:和光純薬工業株式会社製、試薬特級、純度95.0質量%
3.評価方法
[分散性試験方法]
洗浄剤組成物30.0gを50mLポリプロピレンボトルに入れ、酸化ニッケル粒子(平均粒径50nm未満)0.15gを添加し、超音波洗浄機UT−105HS(シャープマニファクチャリングシステム株式会社製、100W、35kHz、30分間)にて攪拌し、攪拌直後及び静置1時間後の上澄みの吸光度を紫外可視分光光度計UV−2700(株式会社島津製作所製、測定波長660nm)で測定する。攪拌直後の吸光度を100とし、その相対値を分散性として表2に示す。数値が大きいほど分散性に優れる。
[洗浄性試験方法]
Ni−Pメッキされたアルミニウム合金基板(外径:95mmφ、内径:25mmφ、厚さ:1.75mm)を、研磨くずに相当する酸化ニッケル粒子(平均粒径50nm未満)を含有する分散液(濃度:0.0025質量%)に2分間浸漬することにより、汚染された被洗浄基板、すなわち、パーティクルが付着した被洗浄基板を用意した。そして、各洗浄剤組成物を用いて前記被洗浄基板の洗浄を行い、各洗浄剤組成物の洗浄性を評価した。洗浄は以下のようにして行った。
(洗浄)
被洗浄基板5枚を、洗浄装置を用いて以下の条件で洗浄した。すすぎ槽は2セット用意した。
(1)洗浄−1:洗浄に使用する洗浄剤組成物を4000g調製した。調製した洗浄剤組成物を洗浄槽(a)に入れ、洗浄槽(a)内の液温が25℃になるように設定した。そして、洗浄槽(a)内の洗浄剤組成物に被洗浄基板を浸漬し、超音波(200kHz)を照射しながら120秒間洗浄した。
(2)すすぎ−1:超純水をすすぎ槽(b)に入れ、すすぎ槽(b)内の液温が25℃になるように設定した。そして、洗浄槽(a)内の被洗浄基板をすすぎ槽(b)に移してすすぎ槽(b)内の超純水に浸漬し、超音波(600kHz)を照射しながら120秒間すすいだ。
(3)すすぎ槽(b)と同様の条件で準備した超純水を入れたすすぎ槽(c)を使用して、再度(2)を繰り返した。
(4)洗浄−2:すすぎ槽(c)内の被洗浄基板を、洗浄ブラシがセットされたスクラブ洗浄ユニット(A)に移した。そして、洗浄ブラシに25℃の洗浄剤組成物を射出し、該洗浄剤組成物の存在下で洗浄ブラシを被洗浄基板の両面に400rpmで回転させながら押し当てることにより、洗浄を25℃で5秒間行った。洗浄剤組成物には、「(1)洗浄−1」で用いた洗浄剤組成物と同組成のものを用いた。
(5)すすぎ−2:スクラブ洗浄ユニット(A)と同様の条件で準備したスクラブ洗浄ユニット(B)に被洗浄基板を移し、25℃の超純水を射出し、洗浄ブラシを被洗浄基板の両面に(4)と同様に400rpmで回転させながら押し当てることにより、すすぎを25℃で5秒間行った。
(6)スクラブ洗浄ユニット(A)と同様の条件で準備したスクラブ洗浄ユニット(C)、スクラブ洗浄ユニット(B)と同様の条件で準備したスクラブ洗浄ユニット(D)を使用して再度(4)と(5)を繰り返した。
(7)すすぎ−3:超純水をすすぎ槽(e)に入れ、すすぎ槽(e)内の液温が25℃になるように設定した。そして、被洗浄基板をすすぎ槽(e)に移してすすぎ槽(e)内の超純水に浸漬し、超音波(170kHz)を照射しながら600秒間すすいだ。
(8)乾燥:被洗浄基板をスピンドライヤーに移し、回転数700rpmで60秒間かけて完全に基板表面を乾燥させた。
[洗浄性の評価方法]
10,000rpmで回転している洗浄された基板に、光学式微細欠陥検査装置(Candela7100、KLA−Tencor社製)のMODE Q−Scatterでレーザーを照射して、欠陥数(基板上の異物数)の測定を実施した。各洗浄剤組成物について5枚ずつの基板の表裏合計10点について前記測定を行い、平均値を算出した。比較例1の値を100として相対値を表2に示す。値が小さいほど、欠陥数が少なく、パーティクルの除去性に優れる、すなわち、洗浄性に優れると評価できる。
Figure 0006987630
表2に示すとおり、実施例1〜18の洗浄剤組成物は、比較例1〜4の洗浄剤組成物に比べて、優れた分散性及び洗浄性を示した。

Claims (7)

  1. 下記一般式(I)で表されるモノマーa1又はその無水物由来の構成単位(a1)、並びに、下記一般式(II)で表されるモノマーa2由来の構成単位(a2)を含むポリマー(成分A)と、アルカリ剤(成分B)と、水(成分C)とからなり
    成分Bが、アルカリ金属水酸化物であり、
    洗浄剤組成物の洗浄時における成分Cの含有量は99質量%以上であり、
    pHが8以上である、ハードディスク用基板用の洗浄剤組成物。
    Figure 0006987630
    〔式(I)中、R1〜R4はそれぞれ独立に、水素原子、メチル基、-(CH2pCOO(AO)m-X、又は-(CH2qO(AO)n-Yを示し、Xは水素原子、アルカリ金属、アルカリ土類金属(1/2原子)、有機アンモニウム、アンモニウム、又は炭素数1以上5以下のアルキル基を示し、Yは水素原子、又は炭素数1以上5以下のアルキル基を示し、p及びqはそれぞれ独立に、0以上2以下の整数を示し、AOは炭素数2又は3のアルキレンオキシ基を示し、m及びnはそれぞれ独立に、AOの平均付加モル数であって、0以上300以下の数を示し、R1〜R4のうち少なくとも一つは、-(CH2pCOO(AO)m-X、又は-(CH2qO(AO)n-Yである。〕
    Figure 0006987630
    〔式(II)中、R5及びR7はそれぞれ独立に、水素原子又はメチル基を示し、R6は水素原子、メチル基、又はフェニル基を示し、R8は、1−ナフチル基、2−ナフチル基、又は下記一般式(III)で表される基を示す。〕
    Figure 0006987630
    〔式(III)中、R9〜R13はそれぞれ独立に、水素原子、炭素数1以上4以下のアルキル基、又は-COOMを示し、Mは、水素原子、アルカリ金属、アルカリ土類金属(1/2原子)、有機アンモニウム、又はアンモニウムを示す。*は、結合手を示す。〕
  2. 成分Aの重量平均分子量が、1,000以上200,000以下である、請求項1に記載の洗浄剤組成物。
  3. 洗浄剤組成物の洗浄時における成分Aの含有量は、0.001質量%以上10質量%以下である、請求項1又は2に記載の洗浄剤組成物。
  4. 請求項1からのいずれかに記載の洗浄剤組成物を用いて被洗浄基板を洗浄する洗浄工程を含み、
    前記被洗浄基板は、研磨液組成物で研磨された基板、又は、パーティクルが付着した基板である、基板の洗浄方法。
  5. 前記基板が、Ni−Pメッキされたアルミニウム合金基板である、請求項に記載の洗浄方法。
  6. 前記研磨液組成物が、シリカ砥粒を含有する研磨液組成物である、請求項又はに記載の洗浄方法。
  7. 請求項1からのいずれかに記載の洗浄剤組成物を用いて被洗浄基板を洗浄する洗浄工程を含み、
    前記被洗浄基板は、研磨液組成物で研磨された基板、又は、パーティクルが付着した基板である、ハードディスク用基板の製造方法。
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