JP5518392B2 - 電子デバイス基板用洗浄剤組成物、および電子デバイス基板の洗浄方法 - Google Patents
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Description
特に、仕上げ研磨の際に用いる研磨材として好適に使用されるコロイダルシリカは表面エネルギーが高く、基板の表面に一旦付着すると、除去するのが困難である。そのため、電子デバイスの小型化や高容量化に応じるために、洗浄剤組成物にはコロイダルシリカなどの研磨材に対して高い洗浄性を有することが求められる。
C m H 2m+1 O(C 2 H 4 O) n SO 3 M ・・・(1)
(式(1)中、Mはナトリウム、カリウム、アンモニウム、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミンまたは水酸化テトラメチルアンモニウムのいずれかであり、mは1〜6の整数であり、nは0〜12の整数である。)
さらに、(C)成分:1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸および/またはその塩を含有することが好ましい。
さらに、(D)成分:ニトリロトリスメチレンホスホン酸および/またはその塩を含有することが好ましい。
さらに、(C)成分:1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸および/またはその塩と、(D)成分:ニトリロトリスメチレンホスホン酸および/またはその塩を含有し、かつ(C)成分と(D)成分の質量比が(C)成分/(D)成分=10/90〜90/10であることが好ましい。
また、純水で1質量%に希釈した希釈液の25℃におけるpHが8〜13であることが好ましい。
[電子デバイス基板用洗浄剤組成物]
本発明の電子デバイス基板用洗浄剤組成物(以下、単に「洗浄剤組成物」という。)は、コロイダルシリカなどの研磨材で電子デバイス基板を研磨した後の洗浄用として用いる。
電子デバイス基板としては、半導体基板、ハードディスク基板、またはディスプレイ基板が挙げられる。
ハードディスク基板の材料としては、ガラス、ニッケルとリンとの混合物(Ni−P)、ニッケルと鉄との混合物(Ni−Fe)、アルミニウム、炭化ホウ素、炭素等が挙げられ、中でもガラス、ニッケルとリンとの混合物(Ni−P)、ニッケルと鉄との混合物(Ni−Fe)、またはアルミニウムであることが好ましい。
ディスプレイ基板の材料としては、ガラス、プラスチック等が挙げられ、中でもガラスであることが好ましい。
本発明における(A)成分は、アルカリ金属の水酸化物である。
アルカリ金属としては、例えば、ナトリウム、カリウム等が挙げられる。中でも、製造コストを抑えられる観点からナトリウムが好ましい。
研磨材として好適に使用されるコロイダルシリカは、通常、水中でマイナスに帯電している。(A)成分の含有量が0.01質量%以上であれば、基板と該基板の表面に付着したコロイダルシリカなどの研磨材にマイナスの電荷を付与でき、これらのマイナスゼータ電位を高めることができる。その結果、基板と研磨材の静電的反発力が強まり、研磨材が基板から離れやすくなると共に、一旦研磨材が基板から離れると再付着しにくくなることによって、研磨材に対する洗浄性が向上すると考えられる。さらに、研磨材をある程度溶解できるため、洗浄性が向上しやすくなる。一方、(A)成分の含有量が5.00質量%以下であれば、基板がガラス製の場合に基板の表面を溶解するのを抑制できる。なお、(A)成分の含有量が5.00質量%を超えても洗浄性の向上は頭打ちになる。
本発明における(B)成分は、ヒドロキシカルボン酸および/またはその塩である。
ヒドロキシカルボン酸としては、例えば、クエン酸、サリチル酸、グルコン酸、グリコール酸、乳酸、ヒドロキシ酪酸、リンゴ酸、酒石酸、サリチル酸、没食子酸、ヒドロキシイミノジ酢酸(HIDA)、ヒドロキシイミノジ琥珀酸(HIDS)、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸(HEDTA)、ジヒドロキシエチルグリシン(DHEG)、1,3−ジアミノ−2−ヒドロキシプロパン四酢酸(DTPA−OH)、ヘプトグルコン酸等が挙げられる。中でも、クエン酸は分子量当りの官能基数(ヒドロキシル基とカルボキシル基の総数)が多く、かつ水に対して高い溶解性を示す。官能基数の数が多いほどコロイダルシリカなどの研磨材が基板から剥離しやすくなる傾向にある。また、水に対する溶解性が高いほど基板に残留しにくくなるので、洗浄性が向上する傾向にある。従って、(B)成分としてはクエン酸および/またはその塩が特に好ましい。
塩としては、ナトリウム、カリウム、アンモニウム、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、または水酸化テトラメチルアンモニウムなどが挙げられる。
(B)成分の含有量が0.10質量%以上であれば、コロイダルシリカなどの研磨材を剥離できるので、研磨材に対する洗浄性が向上する。一方、(B)成分の含有量が10.00質量%を超えても洗浄性の向上は頭打ちになるばかりではなく、製造コストがかかりやすくなる。
上述したように、界面活性剤は洗浄効果に優れる物質であり、洗浄剤に一般的に用いられる成分ではあるが、特にコロイダルシリカの凝集や、基板への付着を促進しやすい。そのため、界面活性剤の含有量が増える程、研磨材に対する洗浄性は低下しやすくなる。
本発明の洗浄剤組成物には、界面活性剤を含有させてもよいが、界面活性剤を含有しないのが最も好ましい。界面活性剤を含有させる場合、その含有量は、洗浄剤組成物100質量%中、1.00質量%未満であり、0.70質量%以下が好ましく、0.50質量%以下がより好ましい。界面活性剤の含有量が1.00質量%未満であれば、研磨材に対して優れた洗浄性を発現できる。
表面張力は、界面活性剤中のアルキル基の炭素数が増えるほど、小さくなる傾向にある。従って、本発明において界面活性剤に分類される化合物は、アルキル基の炭素数が7以上の比較的長鎖の化合物である。
なお、本発明において「純水」とは、水から物理的処理または化学的処理によって不純物を除去したものである。純水としては、例えば、脱イオン水や蒸留水などが挙げられる。
イオン性界面活性剤としては、ジアルキルスルホコハク酸ナトリウム、石鹸、アルファオレフィンスルホン酸、アルキルベンゼンスルホン酸、アルキルナフタレンスルホン酸、アルキル硫酸エステル、アルキルエーテル硫酸エステル、メチルタウリン酸、アラニネート、スルホコハク酸、硫酸化油、エーテルカルボン酸、第4級アンモニウム、イミダゾリニウムベタイン系、アミドプロピルベタイン系、アミノジプロピオン酸、アルキルアミン、アルキルアミドの塩等が挙げられる。
また、ノニオン界面活性剤としては、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレングリコールエーテル、ポリオキシアルキレンポリアルキルアリールエーテル、脂肪酸エステル、アルキルアミンEO付加体、アルキルアミドEO付加体、アルキルアミンオキシド等が挙げられる。
本発明の洗浄剤組成物は、(C)成分として1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸および/またはその塩を含有することが好ましい。
塩としては、ナトリウム、カリウム、アンモニウム、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、または水酸化テトラメチルアンモニウムなどが挙げられる。
(C)成分としては、1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸−4ナトリウム塩が好ましい。
しかし、電子デバイス基板に用いられる洗浄剤はアルカリ性を示すものが多く、水溶液中でイオンの形態で存在するニッケルは、アルカリ性下において水酸化ニッケルなどのニッケル粒子として析出し、かつ該ニッケル粒子が水溶液中で分散せずに凝集して沈降することがあった。ニッケル粒子が沈降すると、電子デバイス基板の表面に付着しやすくなるので、洗浄によって除去するのが困難となる。
(C)成分の含有量が0.1質量%以上であれば、コロイダルシリカなどの研磨材に対する洗浄性が向上する。また、電子デバイス基板として表面がニッケル混合物でメッキされたハードディスク基板を用いた場合には、ニッケルに対する洗浄性にも優れる。一方、(C)成分の含有量が20.00質量%を超えてもこれら洗浄性の向上は頭打ちになるばかりではなく、製造コストがかかりやすくなる。
本発明の洗浄剤組成物は、さらに(D)成分としてニトリロトリスメチレンホスホン酸および/またはその塩を含有することが好ましい。
塩としては、ナトリウム、カリウム、アンモニウム、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、または水酸化テトラメチルアンモニウムなどが挙げられる。
(D)成分としては、ニトリロトリスメチレンホスホン酸−5ナトリウム塩が好ましい。
(D)成分の含有量が0.1質量%以上であれば、コロイダルシリカなどの研磨材に対する洗浄性が向上する。また、電子デバイス基板として表面がニッケル混合物でメッキされたハードディスク基板を用いた場合には、ニッケルに対する洗浄性にも優れる。一方、(D)成分の含有量が20.00質量%を超えてもこれら洗浄性の向上は頭打ちになるばかりではなく、製造コストがかかりやすくなる。
(C)成分と(D)成分の質量比が上記範囲内であれば、電子デバイス基板として表面がニッケル混合物でメッキされたハードディスク基板を用いた場合に、ニッケルに対する洗浄性がより向上する。
本発明の洗浄剤組成物は、(E)成分として下記一般式(1)で表されるポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩(以下、「短鎖AES」という。)を含有することが好ましい。
CmH2m+1O(C2H4O)nSO3M ・・・(1)
mは1〜6の整数であり、3〜5の整数が好ましい。mが1〜6の整数であれば、研磨材として好適に使用されるコロイダルシリカとの親和性が向上する。
nは0〜12の整数であり、0〜8の整数が好ましい。nが0〜12の整数であれば、コロイダルシリカとの親和性が向上する。
また、短鎖AESとしては市販のものを用いてもよく、例えば、泰光油脂化学工業社製の「タイポールBx−Conc」が適している。
上述した短鎖AESは、研磨材として好適に使用されるコロイダルシリカのシラノール基を攻撃しやすく、コロイダルシリカとの親和性に優れる化合物である。従って、(E)成分の含有量が0.05質量%以上であれば、特にコロイダルシリカとの親和性に優れるようになり、より高い洗浄性が得られる。一方、(E)成分の含有量が10.00質量%を超えても洗浄性の向上は頭打ちになるばかりではなく、製造コストがかかりやすくなる。
本発明の洗浄剤組成物は、(A)〜(E)成分、および界面活性剤以外のその他の成分を、本発明の効果を損なわない範囲で必要に応じて含有してもよい。
その他の成分としては、例えば、溶媒、pH調整剤、消泡剤、グリコールエーテル類、防腐剤、酸化防止剤、無機塩、分散剤等が挙げられる。
溶媒としては、例えば純水、エタノールやイソプロパノールなどのアルコール、及びアルコールと水の混合物が挙げられる。溶媒の含有量は、洗浄剤組成物100質量%中、50.00〜99.50質量%が好ましく、60.00〜98.00質量%がより好ましい。
本発明の洗浄剤組成物は、純水で1質量%に希釈した希釈液の25℃におけるpHが、8〜13であることが好ましく、9〜12であることがより好ましく、10〜12であることがさらに好ましい。pHが上記範囲内であれば、コロイダルシリカなどの研磨材に対する洗浄性がより向上する。
なお、pHの測定は、pHメータ(東亜ディーケーケー株式会社製、「HM−20S」)とpH電極(東亜ディーケーケー株式会社製、「GST−5211C」)を用いて、25℃の希釈液に対してpH電極を浸漬し15秒経過後の指示値を読み取ることにより行う。
本発明の洗浄剤組成物の調製方法は、特に限定されるものではなく、常法に準じて各成分を順次混合することにより調製できる。
かかる効果が得られる理由としては、定かではないが以下のように推測される。
本発明の洗浄剤組成物は、(A)成分としてアルカリ金属の水酸化物を0.01〜5.00質量%と、(B)成分としてヒドロキシカルボン酸および/またはその塩を0.10〜10.00質量%含有する。各成分によってコロイダルシリカなどの研磨材を溶解することで、研磨材に対する洗浄性が向上すると考えられる。また、(A)成分によって、基板と研磨材にマイナスの電荷を付与し、これらのマイナスゼータ電位が高まることで、板と研磨材の静電的反発力が強まる。その結果、研磨材が基板から離れやすくなると共に、一旦研磨材が基板から離れると再付着しにくくなることによって、研磨材に対する洗浄性が向上すると考えられる。
さらに、(A)成分と(B)成分の含有量を特定の範囲に規定することで、界面活性剤の含有量を1.00質量%未満に軽減しても優れた洗浄性を維持できる。
また、洗浄剤組成物にとして上述した短鎖AESを配合すれば、特にコロイダルシリカとの親和性に優れるようになり、より高い洗浄性が得られるようになる。
さらに、洗浄剤組成物に(C)成分および(D)成分を配合すれば、電子デバイス基板として表面がニッケル混合物でメッキされたハードディスク基板を用いた場合に、ニッケルに対する洗浄性も発揮できる。
本発明の電子デバイス基板の洗浄方法は、本発明の洗浄剤組成物を純水で0.01〜20.00質量%に希釈して用いる方法である。
洗浄剤組成物を0.01質量%以上に希釈すれば、研磨材に対して十分な洗浄性が発揮でき、砥粒や研磨カスを十分に除去できるようになる。一方、洗浄剤組成物を20.00質量%以下に希釈すれば、研磨材に対して優れた洗浄性を維持し、砥粒や研磨カスを十分に除去できる。
以下、本発明の電子デバイス基板の洗浄方法の一例について具体的に説明する。
研磨材としては、コロイダルシリカが好適である。特に、仕上げ研磨用の研磨材に適している。
また、本発明においては、コロイダルシリカ以外の研磨材、例えば金属または半金属の炭化物、窒化物、酸化物、ホウ化物、ダイヤモンド等を併用してもよい。具体的には、α−アルミナ、炭化ケイ素、ダイヤモンド、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、酸化セリウム、酸化ジルコニウム、ヒュームドシリカ等が挙げられる。これら研磨材を併用する場合、研磨材100質量%中のコロイダルシリカの割合は50〜100質量%が好ましい。また、これら研磨剤を粗研磨に使用し、コロイダルシリカを仕上げ研磨に使用するなど、研磨の目的に併せて使い分けてもよい。
さらに、純水をスプレー等で吹き付けて濯ぎ、基板に残存する洗浄剤組成物等を除去する。
純水で基板を濯いだ後は、公知の方法で乾燥して、基板に残存する純水を除去する。
従って、本発明によって洗浄した電子デバイス基板は、小型化や高容量化を目的とした電子デバイス用に最適である。
クエン酸:クエン酸3Na・2H2O(小松屋化学社製、「クエン酸ナトリウム」)、
サリチル酸:サリチル酸Na(関東化学社製、「サリチル酸Na」、鹿一級)、
グルコン酸:グルコン酸Na(ライオン社製、「グルコン酸ソーダ」)、
キレート剤A:1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸4Na(ライオン社製、「フェリオックス115−A」をNaOHで中和して調製)、
キレート剤B:ニトロトリスメチレンホスホン酸4Na(キレスト社製、「キレストPH−325」)、
キレート剤C:エチレンジアミン四酢酸4Na(EDTA)(ライオンアクゾ社製、「ディゾルビンNA−T」)、
短鎖AES:C4H9O(C2H4O)1SO3Na(オキシエチレンブチルエーテル硫酸ナトリウム)(泰光油脂化学工業社製、「タイポールBx−Conc」、表面張力:65mN/m)、
界面活性剤:ジオクチルスルホコハク酸Na(ライオン社製、「リパール870P」、表面張力:27mN/m)。
なお、表1〜5に示す「バランス」とは、洗浄剤組成物に含まれる各成分の総量が100質量%になるように調整した、洗浄剤組成物中の純水の配合量を意味する。
洗浄剤組成物を純水(イオン交換水)で1%に希釈して希釈液を調製し、25℃における希釈液の表面張力を測定した。
表面張力の測定は、全自動表面張力計(協和科学社製、「KYOWA CBVP SURFACE TENSIOMETER A3」)を使用し、25℃に設定して、Wilhelmy法に基づき、白金プレートを用いて測定した。
洗浄剤組成物を純水で1%に希釈して希釈液を調製し、25℃における希釈液のpHを測定した。
pHの測定は、pHメータ(東亜ディーケーケー株式会社製、「HM−20S」)とpH電極(東亜ディーケーケー株式会社製、「GST−5211C」)を用いて、25℃の希釈液に対してpH電極を浸漬し15秒経過後の指示値を読み取ることにより行った。
洗浄後の基板をハロゲンランプで照射して、コロイダルシリカの残存の程度を目視観察し、以下の評価基準にてコロイダルシリカに対する洗浄性を評価した。なお、汚れが落ちているほど、コロイダルシリカに対する洗浄性が高いことを意味する。
◎◎:全く汚れが認められない。
◎:少し汚れが残存しているが、非常に良好。
○:汚れが残存しているが、概ね良好。
△:少し汚れが落ちているが、全体的に見ると汚れが残存している。
×:殆ど汚れが落ちていない。
1%の塩化ニッケル水溶液に、洗浄剤組成物を全体の1%になるように添加して溶解させた。1時間放置した後の外観を目視にて観察し、以下の評価基準にてニッケルの溶解性を評価した。なお、ニッケルの溶解性が高いほど、水溶液中でイオンの形態でニッケルが存在し、電子デバイス基板の表面に付着しにくいことを意味する。
◎:析出物が全く認められない。
○:析出物が若干認められる。
△:析出物は多いが、沈降せずに良好な分散状態を保持している。
×:析出物が多く、凝集して沈降している。
洗浄後の基板をハロゲンランプで照射して、シリカ/ニッケル混合粒子の残存の程度を目視観察し、以下の評価基準にてシリカ/ニッケル混合粒子に対する洗浄性を評価した。なお、粒子汚れが落ちているほど、シリカ/ニッケル混合粒子に対する洗浄性が高いことを意味する。
◎◎:全く粒子汚れが認められない。
◎:僅かに粒子汚れが認められるが、非常に良好。
○:粒子汚れが一部残存しているが、概ね良好。
△:全体的に粒子汚れが多く残存している。
×:殆ど粒子汚れが落ちていない。
表1に示す配合(%)で、各成分を混合して洗浄剤組成物を調製した。マグネチックスターラーの入った樹脂製のビーカーに純水1980mLを入れ、マグネチックスターラーを回転させながら洗浄剤組成物を20mL添加し、1.00%に希釈した。希釈後の洗浄剤組成物のpHを表1に示す。
ついで、基板表面を純水で濯いだ後、希釈した洗浄剤組成物を25℃で射出しながら、洗浄ブラシを基板の表面に押し当てた状態で20秒間回転させ、洗浄を行った。さらに、洗浄ブラシを外した状態で基板を回転させながら純水を基板の両面に10秒間射出し、濯ぎを行った。さらに、純水の射出を停止し、基板を40秒間回転させて基板を乾燥した。
乾燥後の基板について、上記の評価方法で洗浄性の評価1を行った。結果を表1に示す。
表2に示す配合(%)で、各成分を混合して洗浄剤組成物を調製した以外は実施例1〜6、9、10、参考例7、8と同様にして基板を洗浄した。
乾燥後の基板について、上記の評価方法で洗浄性の評価1を行った。結果を表2に示す。
また、参考例8で得られた洗浄剤組成物は界面活性剤を0.5%含むが、界面活性剤を含有しない参考例7で得られた洗浄剤組成物と同程度の洗浄性を示すことができた。
従って、本発明の洗浄剤組成物は、研磨材、特にコロイダルシリカに対する洗浄性に優れ、砥粒や研磨カスを十分に除去できた。
また、(B)成分の代わりにキレート剤Cを用いた比較例3で得られた各洗浄剤組成物は、比較例2に比べてわずかに洗浄性が上がったが、実施例1〜6、9、10、参考例7、8と比べると洗浄性が劣っていた。
また、界面活性剤の含有量が2.0%である比較例4で得られた洗浄剤組成物は、実施例1で得られた洗浄剤組成物に比べて洗浄性が劣り、汚れが残存していた。
表3に示す配合(%)で、各成分を混合して洗浄剤組成物を調製した。マグネチックスターラーの入った樹脂製のビーカーに純水1980mLを入れ、マグネチックスターラーを回転させながら洗浄剤組成物を20mL添加し、1.00%に希釈した。希釈後の洗浄剤組成物のpHを表3に示す。
ついで、基板表面を純水で濯いだ後、希釈した洗浄剤組成物を25℃で射出しながら、洗浄ブラシを基板の表面に押し当てた状態で20秒間回転させ、洗浄を行った。その後、基板を純水で満たした水槽に浸漬させた状態で、純水をオーバーフローさせることで濯ぎを10分間行った。ついで、基板を水槽から取り出し、ドライエアーで乾燥した。
乾燥後の基板について、上記の評価方法で洗浄性の評価1を行った。結果を表3に示す。
表4に示す配合(%)で、各成分を混合して洗浄剤組成物を調製した以外は実施例11〜16、19、20、参考例17、18と同様にして基板を洗浄した。
乾燥後の基板について、上記の評価方法で洗浄性の評価1を行った。結果を表4に示す。
また、参考例18で得られた洗浄剤組成物は界面活性剤を0.5%含むが、界面活性剤を含有しない参考例17で得られた洗浄剤組成物と同程度の洗浄性を示すことができた。
従って、本発明の洗浄剤組成物は、研磨材、特にコロイダルシリカに対する洗浄性に優れ、砥粒や研磨カスを十分に除去できた。
また、(B)成分の代わりにキレート剤Cを用いた比較例7で得られた各洗浄剤組成物は、比較例6に比べてわずかに洗浄性が上がったが、実施例11〜16、19、20、参考例17、18と比べると洗浄性が劣っていた。
また、界面活性剤の含有量が2.0%である比較例8で得られた洗浄剤組成物は、実施例11で得られた洗浄剤組成物に比べて洗浄性が劣り、汚れが残存していた。
表5に示す配合(%)で、各成分を混合して洗浄剤組成物を調製した。マグネチックスターラーの入った樹脂製のビーカーに純水1980mLを入れ、マグネチックスターラーを回転させながら洗浄剤組成物を20mL添加し、1.00%に希釈した。希釈後の洗浄剤組成物のpHを表5に示す。
希釈した洗浄剤組成物について、Ni溶解性の評価を行った。結果を表5に示す。
3.5インチのNi−P製アルミハードディスク基板を、pH=1.5〜2.0に調整したコロイダルシリカ(平均粒子径:20nm)の研磨スラリーに5分間浸漬した。
ついで、基板表面を純水で濯いだ後、希釈した洗浄剤組成物を25℃で射出しながら、洗浄ブラシを基板の表面に押し当てた状態で20秒間回転させ、洗浄を行った。さらに、洗浄ブラシを外した状態で基板を回転させながら純水を基板の両面に10秒間射出し、濯ぎを行った。さらに、純水の射出を停止し、基板を40秒間回転させて基板を乾燥した。
乾燥後の基板について、上記の評価方法で洗浄性の評価1を行った。結果を表5に示す。
3.5インチのNi−P製アルミハードディスク基板の表面全体に、pH=2に調整したコロイダルシリカ(平均粒子径:0.02μm)とニッケル分散液(平均一次粒子径:0.2μm)を混合した、シリカ/ニッケル混合粒子の分散液を塗布し、試験片とした。
ついで、ローラーで保持された試験片に、希釈した洗浄剤組成物を25℃で射出しながら、洗浄ブラシを試験片の表面に押し当てた状態で、回転数100rpmの条件で20秒間回転させ、洗浄を行った。その後、試験片を流水(純水)で60秒間濯ぎ、エアブローで乾燥させた。
乾燥後の試験片について、上記の評価方法で洗浄性の評価2を行った。結果を表5に示す。
また、(C)成分および/または(D)成分を含有する実施例21〜34で得られた各洗浄剤組成物は、ニッケルの溶解性が良好であり、ニッケル粒子の沈降を抑制できた。特に、実施例23〜27、32で得られた各洗浄剤組成物は、基板に付着したシリカ/ニッケル混合粒子を十分に洗浄できた。なお、(D)成分のみを含有する実施例31、34や、(C)成分に対して24倍の(D)成分を含有する実施例30で得られた各洗浄剤組成物は、ニッケルの溶解性にやや劣りニッケル粒子の析出が多く認められたが、沈降はしていなかた。また、(C)成分および(D)成分のどちらか一方のみを含有する実施例21、31、33、34や、(D)成分に対して24倍の(C)成分を含有する実施例22や、(C)成分に対して4倍以上の(D)成分を含有する実施例28〜30で得られた各洗浄剤組成物は、シリカ/ニッケル混合粒子の汚れが多く残存していた。
また、本発明の洗浄剤組成物は、評価1においてコロイダルシリカの代わりにアルミナを研磨剤として用いても、基板に付着した研磨剤(アルミナ)を十分に洗浄でき、アルミナに対する洗浄性をも有していた。
Claims (7)
- (A)成分:アルカリ金属の水酸化物を0.01〜5.00質量%、(B)成分:ヒドロキシカルボン酸および/またはその塩を0.10〜10.00質量%、(E)成分:下記一般式(1)で表されるポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩を0.05〜10.00質量%、純水、エタノール、イソプロパノールからなる群より選ばれる1種以上の溶媒を50.00〜99.50質量%含有し、
前記(E)成分を除く界面活性剤の含有量が1.00質量%未満であることを特徴とする電子デバイス基板用洗浄剤組成物。
C m H 2m+1 O(C 2 H 4 O) n SO 3 M ・・・(1)
(式(1)中、Mはナトリウム、カリウム、アンモニウム、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミンまたは水酸化テトラメチルアンモニウムのいずれかであり、mは1〜6の整数であり、nは0〜12の整数である。) - さらに、(C)成分:1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸および/またはその塩を含有することを特徴とする請求項1に記載の電子デバイス基板用洗浄剤組成物。
- さらに、(D)成分:ニトリロトリスメチレンホスホン酸および/またはその塩を含有することを特徴とする請求項1または2に記載の電子デバイス基板用洗浄剤組成物。
- さらに、(C)成分:1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸および/またはその塩と、(D)成分:ニトリロトリスメチレンホスホン酸および/またはその塩を含有し、かつ(C)成分と(D)成分の質量比が(C)成分/(D)成分=10/90〜90/10であることを特徴とする請求項1に記載の電子デバイス基板用洗浄剤組成物。
- 前記(B)成分が、クエン酸および/またはその塩であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の電子デバイス基板用洗浄剤組成物。
- 純水で1質量%に希釈した希釈液の25℃におけるpHが8〜13であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の電子デバイス基板用洗浄剤組成物。
- 請求項1〜6のいずれかに記載の電子デバイス基板用洗浄剤組成物を純水で0.01〜20.00質量%に希釈して用いることを特徴とする電子デバイス基板の洗浄方法。
Priority Applications (3)
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