JP2012219186A - ハードディスク基板用洗浄剤 - Google Patents

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道子 宇賀
Masahiro Arai
正博 荒井
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Abstract

【課題】コロイダルシリカや酸化セリウム等の研磨材に由来する微粒子汚れを良好に除去できるハードディスク基板用洗浄剤を提供する。
【解決手段】(A)成分:ホスホン酸系キレート剤と、(B)成分:アニオン界面活性剤と、(C)成分:ノニオン界面活性剤とを含有し、(B)成分/(C)成分で表される質量比が0.05〜15、(A)成分/[(A)成分+(B)成分+(C)成分]で表される質量比が0.35〜0.95であり、純水で2質量%に希釈した希釈液の25℃におけるpHが5.0以下であることよりなる。
【選択図】なし

Description

本発明は、ハードディスク基板用洗浄剤に関する。
電子デバイスにおいては、微細な汚れが動作不良や性能低下を招きやすい。このため、半導体基板、ハードディスク基板、液晶パネル等に用いられるディスプレイ基板等の電子デバイス用基板に付着した汚れをほぼ完全に除去することが求められる。
洗浄対象とする電子デバイス用基板やこれに付着した汚れの種類に応じて、要求される清浄度を達成するため多様な精密洗浄技術が提案されている。
例えば、ハードディスク基板は、酸化セリウムやアルミナ等の研磨材で粗研磨した後、さらにコロイダルシリカ等の研磨材で仕上げ研磨を行うのが一般的である。
粗研磨後や仕上げ研磨後のハードディスク基板の表面には、研磨で生じた砥粒や研磨カスが残留するため、各研磨の後にこれらを除去する必要がある。
近年、研磨時間を短縮するため、ハードディスク基板の研磨には酸性の研磨スラリーが用いられる傾向にあり、この酸性の研磨スラリーを洗浄するためには酸性の洗浄剤が用いられる。酸性の洗浄剤は、ガラス製のハードディスク基板に対しては低エッチング性であり、アルミニウム製のハードディスク基板に対してはNiを高度に除去できるという利点がある。
従来、ハードディスク基板の洗浄に用いる酸性の洗浄剤として、様々な提案がされている。
例えば、粗研磨や仕上げ研磨で生じた砥粒や研磨カスを除去する洗浄剤として、リンゴ酸やクエン酸等の有機酸とキレート剤とを含有する水溶液が提案されている(例えば、特許文献1)。
また、1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸(HEDP)と非イオン性界面活性剤とを、両者の質量比がHEDP/界面活性剤=1/20〜1/5となるように含有する洗浄剤組成物が提案されている(例えば、特許文献2)。
あるいは、キレート剤としてヒドロキシカルボン酸又はホスホン酸と、界面活性剤とを含有し、洗浄液として使用される場合の有効成分濃度における25℃でのpHが5未満である磁気ディスク用ガラス基板洗浄剤が提案されている(例えば、特許文献3)。
特開2005−174442号公報 特開2007−291328号公報 特開2009−87523号公報
ところで、ハードディスクは、小型化や高容量化を図るために、ハードディスク基板の研磨工程において、基板の表面粗さや基板表面の微少うねりを低減したり、スクラッチ・ピットとよばれる傷等の表面欠陥を軽減したりすることが求められる。そして、ハードディスク基板に付着した砥粒や研磨カスを除去することがさらに重要となっている。
ガラス製ハードディスク基板を粗研磨する際には、研磨材として酸化セリウムが好適に用いられ、仕上げ研磨する際には、研磨材としてコロイダルシリカが好適に用いられる。この酸化セリウムやコロイダルシリカは、パーティクル(微粒子汚れ)として基板表面に付着しやすいため、基板上に残留しやすい。
加えて、酸性条件下では、コロイダルシリカや酸化セリウムの分散性が低下するために、ハードディスク基板にコロイダルシリカや酸化セリウムが付着しやすく、付着したコロイダルシリカや酸化セリウムを除去しにくいという問題があった。
また、特許文献1〜3に記載の洗浄剤組成物は、コロイダルシリカや酸化セリウムに対する洗浄力が満足できるものではなかった。
本発明は前記事情に鑑みてなされたもので、コロイダルシリカや酸化セリウム等の研磨材に由来する微粒子汚れを良好に除去できるハードディスク基板用洗浄剤を目的とする。
本発明者らは、鋭意検討した結果、ホスホン酸系キレート剤とアニオン界面活性剤とノニオン界面活性剤とを特定の比率で配合することで、コロイダルシリカや酸化セリウムに対して優れた洗浄力を発揮することを見出し、本発明に至った。
即ち、本発明のハードディスク基板用洗浄剤は、(A)成分:ホスホン酸系キレート剤と、(B)成分:アニオン界面活性剤と、(C)成分:ノニオン界面活性剤とを含有し、(B)成分/(C)成分で表される質量比が0.05〜15、(A)成分/[(A)成分+(B)成分+(C)成分]で表される質量比が0.35〜0.95であり、純水で2質量%に希釈した希釈液の25℃におけるpHが5.0以下であることを特徴とする。
さらに、(D)成分:ヒドロキシカルボン酸及び/又はその塩を含有することが好ましい。
本発明によれば、コロイダルシリカや酸化セリウム等の研磨材に由来する微粒子汚れを良好に除去できるハードディスク基板用洗浄剤を目的とする。
(ハードディスク基板用洗浄剤)
本発明のハードディスク基板用洗浄剤は、(A)成分:ホスホン酸系キレート剤と、(B)成分:アニオン界面活性剤と、(C)成分:ノニオン界面活性剤とを含有するものである。
<(A)成分:ホスホン酸系キレート剤>
(A)成分はホスホン酸系キレート剤である。本発明のハードディスク基板用洗浄剤は、(A)成分を含有することで、コロイダルシリカ、酸化セリウム等の研磨材に由来する微粒子汚れに対する洗浄力が高まる。
(A)成分としては、1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸(HEDP)、ニトリロトリスメチレンホスホン酸(NTMP)、エチレンジアミンテトラメチレンホスホン酸(EDTMP)及びこれらの塩等が挙げられる。これらホスホン酸の塩としては、ナトリウム、カリウム、アンモニウム、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン又は水酸化テトラメチルアンモニウム等が挙げられる。
(A)成分としては、コロイダルシリカや酸化セリウムに対する洗浄力を高める観点からHEDP又はその塩が好ましく、HEDPがより好ましい。
ハードディスク基板用洗浄剤中の(A)成分の含有量は、0.5〜20質量%が好ましく、2〜10質量%がより好ましい。
上記下限値未満では、コロイダルシリカ及び酸化セリウムに対する洗浄力が不十分になるおそれがあり、上記上限値超としてもさらなる洗浄力の向上が図れないおそれがある。
<(B)成分:アニオン界面活性剤>
(B)成分は、アニオン界面活性剤である。ハードディスク基板用洗浄剤は、(B)成分を含有することで、後述する(C)成分との相互作用により、微粒子汚れ、特にコロイダルシリカに対する洗浄力を高められる。
(B)成分としては、従来公知のアニオン界面活性剤を用いることができ、例えば、アルカンスルホン酸又はその塩(アルカンスルホン酸(塩))、アルキルベンゼンスルホン酸又はその塩(アルキルベンゼンスルホン酸(塩))、α−オレフィンスルホン酸又はその塩(α−オレフィンスルホン酸(塩))、α−スルホ脂肪酸エステル又はその塩(α−スルホ脂肪酸エステル(塩))等のスルホン酸系界面活性剤、アルキル硫酸又はその塩(アルキル硫酸(塩))、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸又はその塩(ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸(塩))等の硫酸エステル系界面活性剤、石鹸、ポリ2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、ポリアクリル酸とポリ2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸の共重合体等のスルホン酸系高分子界面活性剤、ポリアクリル酸、ポリマレイン酸、ポリアクリル酸とポリマレイン酸の共重合体等のカルボン酸系高分子界面活性剤等が挙げられる。これら(B)成分を構成する塩としては、ナトリウム、カリウム、アンモニウム、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン又は水酸化テトラメチルアンモニウム等が挙げられる。
(B)成分としては、アルカンスルホン酸(塩)、アルキルベンゼンスルホン酸(塩)、α−オレフィンスルホン酸(塩)等のスルホン酸系界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸(塩)が好ましく、アルカンスルホン酸(塩)、アルキルベンゼンスルホン酸(塩)がより好ましい。アルカンスルホン酸(塩)としては、例えば、下記(1)式で表されるSAS30A(商品名、ライオン株式会社製)が挙げられ、アルキルベンゼンスルホン酸(塩)としては、例えば、ライポンLH−200(商品名、ライオン株式会社製)等が挙げられる。
CH−(CH−CHSONa−(CH−CH ・・・(1)
((1)式中、m、nはそれぞれ独立に1以上の数であり、m+n=10〜14である。)
ハードディスク基板用洗浄剤中の(B)成分の含有量は、例えば、0.01〜5質量%が好ましく、0.2〜2質量%がより好ましい。上記下限値未満では、微粒子汚れ、特にコロイダルシリカに対する洗浄力が低下するおそれがあり、上記上限値超としてもさらなる洗浄力の向上が図れないおそれがある。
<(C)成分:ノニオン界面活性剤>
(C)成分は、ノニオン界面活性剤である。ハードディスク基板用洗浄剤は、(C)成分を含有することで、(B)成分との相互作用により、微粒子汚れ、特にコロイダルシリカに対する洗浄力を高められる。
(C)成分としては、従来公知のノニオン界面活性剤を用いることができ、例えば、炭素数8〜22のアルコールのアルキレンオキシド付加型ノニオン界面活性剤、炭素数8〜22のアルキルアミンエチレンオキシド付加型ノニオン界面活性剤、ソルビタン系ノニオン界面活性剤等が挙げられ、中でも、アルキレンオキシド付加型ノニオン界面活性剤、アルキルアミンエチレンオキシド付加型ノニオン界面活性剤が好ましく、アルキル鎖長8〜12、アルキレンオキシド付加モル数が1〜10、オキシアルキレン基の炭素数が2〜3のアルキレンオキシド付加型ノニオン界面活性剤がより好ましい。
アルキルアミンエチレンオキシド付加型ノニオン界面活性剤としては、例えば、エソミンC/15(商品名、ライオン株式会社製)等が挙げられる。アルキレンオキシド付加型ノニオン界面活性剤としては、ノイゲンXL60、ノイゲンXL100(いずれも商品名、第一工業製薬株式会社製)等が挙げられる。
ハードディスク基板用洗浄剤中の(C)成分の含有量は、例えば、0.1〜10質量%が好ましく、0.5〜5質量%がより好ましい。上記下限値未満では、微粒子汚れ、特にコロイダルシリカに対する洗浄力が低下するおそれがあり、上記上限値超としてもさらなる洗浄力の向上が図れないおそれがある。
ハードディスク基板用洗浄剤中、(B)成分/(C)成分で表される質量比(以下、B/C比ということがある)は、0.05〜15であり、0.3〜2.4が好ましい。上記下限値未満では、洗浄液中での微粒子汚れ(特にコロイダルシリカ)の分散を維持できず、コロイダルシリカが再付着しやすい。上記上限値超であると、ハードディスク基板から微粒子汚れ(特にコロイダルシリカ)を十分に除去できない。
また、ハードディスク基板用洗浄剤中、(A)/[(A)+(B)+(C)]で表される質量比(以下、A/(A+B+C)比ということがある)は、0.35〜0.95であり、0.5〜0.8が好ましい。上記範囲内であれば、微粒子汚れ、特にコロイダルシリカに対する洗浄力と酸化セリウムに対する洗浄力とを共に高められる。
<(D)成分:ヒドロキシカルボン酸及び/又はその塩>
本発明のハードディスク基板用洗浄剤は、(D)成分:ヒドロキシカルボン酸及び/又はその塩を含有できる。ハードディスク基板用洗浄剤は、(D)成分を含有することで、特に酸化セリウムに対する洗浄力をより高められる。
(D)成分としては、クエン酸、サリチル酸、グルコン酸、グリコール酸、乳酸、ヒドロキシ酪酸、リンゴ酸、酒石酸、サリチル酸、没食子酸、ヒドロキシイミノジ酢酸(HIDA)、ヒドロキシイミノジ琥珀酸(HIDS)、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸(HEDTA)、ジヒドロキシエチルグリシン(DHEG)、1,3−ジアミノ−2−ヒドロキシプロパン四酢酸(DTPA−OH)、ヘプトグルコン酸及びこれらの塩等が挙げられ、中でも、グリコール酸、クエン酸、グルコン酸及びこれらの塩が好ましく、グリコール酸がより好ましい。
これら(D)成分を構成する塩としては、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属、マグネシウム、カルシウム等のアルカリ土類金属が挙げられる。
ハードディスク基板用洗浄剤中の(D)成分の含有量は、例えば、0.5〜15質量%が好ましく、1〜10質量%がより好ましい。上記下限値未満では、(D)成分の添加効果が得られないおそれがあり、上記上限値超としてもさらなる洗浄力の向上が図れないおそれがある。
<任意成分>
ハードディスク基板用洗浄剤は、本発明の効果を損なわない範囲で、必要に応じて任意成分を含有できる。任意成分としては、(B)成分及び(C)成分以外の界面活性剤(任意界面活性剤)、分散媒、pH調整剤、消泡剤、防腐剤、酸化防止剤、無機塩、分散剤等が挙げられる。
分散媒としては、例えば、純水、エタノールやイソプロパノール等の1価の低級(炭素数1〜6)アルコール、及び1価の低級アルコールと水の混合物等が挙げられる。
ハードディスク基板用洗浄剤中の溶媒の含有量は、50〜99.5質量%が好ましく、60〜98質量%がより好ましい。
<物性>
本発明のハードディスク基板用洗浄剤の剤形は、液体であり、上述した(A)〜(C)成分、必要に応じて(D)成分及び任意成分を分散媒に分散又は溶解させたものである。
ハードディスク基板用洗浄剤は、純水で2質量%に希釈した希釈液の25℃におけるpH(以下、2質量%pHということがある)が5.0以下であり、4.0以下が好ましく、3.0以下がより好ましい。pHが上記上限値以下であれば、研磨材に由来する微粒子汚れ、特に酸化セリウムを短時間で効果的に洗浄できる。下限値は特に限定されないが、1.0以上が好ましい。
なお、pHは、pHメーター(HM−20S、東亜ディ−ケーケー株式会社製)とpH電極(GST−5211C、東亜ディ−ケーケー株式会社製)を用いて、25℃でpH電極を被測定物に浸漬し15秒後に読み取られた値である。
<製造方法>
ハードディスク基板用洗浄剤の製造方法は、特に限定されず、例えば、分散媒に各成分を順次添加し、攪拌する方法が挙げられる。
<使用方法>
本発明のハードディスク基板用洗浄剤を用いたハードディスク基板の洗浄方法について、ガラス製のハードディスク基板を例に挙げて説明する。
まず、ハードディスク基板の表面を酸化セリウムで粗研磨する(粗研磨工程)。ハードディスク基板を粗研磨する方法としては特に限定されず、例えば、研磨機を用いて研磨材を含む研磨スラリーを供給しながら基板を加圧して表面を研磨する方法等が挙げられる。
次いで、ハードディスク基板用洗浄剤を任意の濃度になるように純水で希釈して洗浄液とし、この洗浄液でハードディスク基板を洗浄する(洗浄操作)。洗浄液中のハードディスク基板用洗浄剤の濃度は、例えば、0.1〜20質量%とされる。0.1質量%以上であれば、酸化セリウム等の研磨材に由来する微粒子汚れに対して優れた洗浄力を十分に発揮できる。20質量%以下であれば、酸化セリウム等の研磨材に由来する微粒子汚れに対して優れた洗浄力を維持しつつ、後述する濯ぎ操作において、洗浄液を容易に除去できる。
洗浄方法としては特に限定されず、例えば、洗浄対象(粗研磨した後のハードディスク基板)に、洗浄液をスプレーで吹き付け、その後に拭き取る方法、洗浄対象を洗浄液に浸漬する方法、洗浄対象に洗浄液を吹き付けながらブラシで擦る方法、洗浄対象を洗浄液に浸漬し又は洗浄対象に洗浄液を吹き付けながら超音波を印加する方法等が挙げられる。
洗浄操作後、純水を洗浄対象にスプレー等で吹き付けて濯ぎ、基板に残存するハードディスク基板用洗浄剤等を除去する(濯ぎ操作)。
濯ぎ操作後、公知の方法で乾燥して、ハードディスク基板に残存する純水を除去する(乾燥操作)(以上、第一の洗浄工程)。
第一の洗浄工程で処理したハードディスク基板について、コロイダルシリカ等の研磨材を用いて仕上げ研磨をする(仕上研磨工程)。
ハードディスク基板を仕上げ研磨する方法は、特に限定されず、粗研磨する方法と同様の方法が挙げられる。
次いで、仕上げ研磨後のハードディスク基板を上述した第一の洗浄工程と同様にして洗浄する(第二の洗浄工程)。
なお、ハードディスク基板の洗浄方法は上述した方法に限定されず、例えば、第一の洗浄工程に本発明のハードディスク基板用洗浄剤を用い、第二の洗浄工程に公知の洗浄剤を用いてもよいし、第一の洗浄工程に公知の洗浄剤を用い、第二の洗浄工程に本発明のハードディスク基板用洗浄剤を用いてもよいし、第一及び第二の洗浄工程の両方に本発明のハードディスク基板用洗浄剤を用いてもよい。
上述の通り、ハードディスク基板用洗浄剤は、(A)〜(C)成分を特定の比率で含有することで、コロイダルシリカや酸化セリウム等の研磨材に由来する微粒子汚れを良好に除去できる。
かかる効果が得られる理由としては、以下のように推測される。
コロイダルシリカや酸化セリウムは、酸性条件下で表面電荷がゼロに近くなり、液体(例えば、洗浄液)中での分散性が低下し、ハードディスク基板に付着しやすくなる。
本発明においては、(A)〜(C)成分の相互作用によって、ハードディスク基板及び粒子汚れのゼータ電位が低下し、ハードディスク基板と粒子汚れとの静電的反発が強まる。これにより、ハードディスク基板から粒子汚れを剥離し、かつ剥離した粒子汚れの再付着を防止して、粒子汚れに対する洗浄力を高めていると考えられる。
さらに、粒子汚れの剥離と粒子汚れの再付着防止とは、B/C比及びA/(A+B+C)比とが特定の範囲であることで、良好なものになると考えられる。
本発明のハードディスク基板用洗浄剤は、アルミニウム製等の金属製のハードディスク基板、ガラス製のハードディスク基板の洗浄に好適に用いられる。特に、酸化セリウムで研磨する工程とコロイダルシリカで研磨する工程を有するガラス製のハードディスク基板の洗浄に好適である。
以下、実施例を示して本発明を詳細に説明するが、本発明は以下の記載によって限定されるものではない。
(使用原料)
各例に用いた原料は、以下の通りである。
なお、表1〜2に示す「バランス」とは、ハードディスク基板用洗浄剤の総量が100質量%となるように配合された量を意味する。また、表1〜2中、各成分の組成は、純分換算量である。
<(A)成分:ホスホン酸系キレート剤>
A−1:1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸(HEDP)、フェリオックス115−A(商品名)、ライオン株式会社製
A−2:ニトリロトリスメチレンホスホン酸(NTMP)、キレストPH−320(商品名)、キレスト株式会社製
A−3:エチレンジアミンテトラメチレンホスホン酸(EDTMP)、キレストPH−540(商品名)、キレスト株式会社製
<(B)成分:アニオン界面活性剤>
B−1:アルカンスルホン酸Na、SAS30A(商品名)、ライオン株式会社製
B−2:アルキルベンゼンスルホン酸、ライポンLH−200(商品名)、ライオン株式会社製
<(C)成分:ノニオン界面活性剤>
C−1:ポリオキシアルキレン分岐デシルエーテル(AO6)、ノイゲンXL−60(商品名)、第一工業製薬株式会社製
C−2:ポリオキシアルキレン分岐デシルエーテル(AO10)、ノイゲンXL−100(商品名)、第一工業製薬株式会社製
C−3:ポリオキシアルキレンアルキルエーテル(C13EO15)、レオコールTD−150(商品名)、ライオン株式会社製
C−4:アルキル(ヤシ)アミンEO付加物、エソミンC/15(商品名)、ライオン株式会社製
<(D)成分:ヒドロキシカルボン酸及び/又はその塩>
D−1:グリコール酸、丸和物産株式会社
D−2:クエン酸1水和物、クエン酸(鹿特級)、関東化学株式会社製
(評価方法)
<分散性>
ビーカーに各例で調製した2質量%希釈液100mLとコロイダルシリカ分散液(50質量%分散液、平均粒子径80nm)0.2gとを入れ、マグネチックスターラーで攪拌した。攪拌停止1時間後に2質量%希釈液の外観を観察し、下記評価基準に従い分散性を評価した。
≪評価基準≫
◎:コロイダルシリカが均一に分散している。
○:コロイダルシリカが僅かに沈殿しているが、全体としてコロイダルシリカが分散している。
△:コロイダルシリカが少し沈殿している。
×:全てのコロイダルシリカが沈殿し、上澄みが透明である。
<洗浄力>
≪対コロイダルシリカ≫
2.5インチのガラス製のハードディスク基板を下記条件にて研磨した。
[研磨条件]
研磨機:片面研磨機、スピードファム株式会社製
研磨材:コロイダルシリカスラリー(compol20、フジミ株式会社製)
研磨時間:10分
研磨後、該基板表面を純水で濯いだ後、100kHzの超音波が印加された2質量%希釈液中に浸漬させ、10分間洗浄した。次いで、該基板を純水で満たした水槽に浸漬させた状態で純水をオーバーフローさせることで10分間濯いだ。濯いだ基板をスピン乾燥にて乾燥した。
乾燥後の基板について、表面検査装置(CS−10、ケーエルエー・テンコール株式会社製)で基板上の粒子数を測定し、下記基準に従って評価した。
[評価基準]
◎:100個未満/枚
○:100個以上1000個未満/枚
△:1000個以上10000個未満/枚
×:10000個以上/枚
≪対酸化セリウム≫
2.5インチのガラス製のハードディスク基板を、酸化セリウムを研磨粒子として含む研磨スラリー(平均粒子径:500nm)に5分間浸漬した。ハードディスク基板の表面を純水で濯いだ後、各例の洗浄液(常温)を基板に噴射しながら、洗浄ブラシを基板の両面に押し当て、回転させて10分間洗浄した。次いで、該基板を純水で満たした水槽に浸漬し、純水をオーバーフローさせて10分間濯いだ。濯いだ基板をドライエアーで乾燥した。
乾燥後の基板にハロゲンランプ光を照射し、目視観察で基板を観察し、下記評価基準に従って評価した。
[評価基準]
◎:汚れの付着が認められない。
○:少し汚れが残存しているが、概ね良好。
△:少し汚れが落ちているが、全体的に汚れが多く残存。
×:汚れが殆ど落ちていない。
(実施例1〜22、比較例1〜7)
表1〜2の組成に従い、各成分を混合してハードディスク基板用洗浄剤を調製した。純水98質量部と、各例のハードディスク基板用洗浄剤2質量部とをマグネチックスターラーで攪拌混合し、2質量%希釈液を調製した。2質量%希釈液について、pHを測定し、分散性及び洗浄力を評価し、その結果を表中に示す。
Figure 2012219186
Figure 2012219186
表1〜2に示すように、本発明を適用した実施例1〜22は、分散性の評価が「○」又は「◎」、洗浄力(対コロイダルシリカ)及び洗浄力(対酸化セリウム)の評価が「○」又は「◎」であった。
一方、(A)成分を含有しない比較例1は、分散性の評価が「△」、洗浄力(対コロイダルシリカ)及び洗浄力(対酸化セリウム)の評価が「×」であった。
(B)成分を含有しない比較例2は、分散性の評価及び洗浄力(対コロイダルシリカ)の評価が「×」、洗浄力(対酸化セリウム)の評価が「△」であった。
(C)成分を含有しない比較例3は、分散性の評価、洗浄力(対コロイダルシリカ)の評価及び洗浄力(対酸化セリウム)の評価が「△」であった。
A/(A+B+C)比を0.30又は0.97とした比較例4及び6、ならびにB/C比を20とした比較例7は、分散性の評価、洗浄力(対コロイダルシリカ)の評価及び洗浄力(対酸化セリウム)の評価が「△」であった。
B/C比を0.02とした比較例5は、分散性の評価、洗浄力(対コロイダルシリカ)の評価が「×」、洗浄力(対酸化セリウム)の評価が「△」であった。
以上の結果から、本発明を適用することで、微粒子汚れを良好に除去できることが判った。

Claims (2)

  1. (A)成分:ホスホン酸系キレート剤と、(B)成分:アニオン界面活性剤と、(C)成分:ノニオン界面活性剤とを含有し、
    (B)成分/(C)成分で表される質量比が0.05〜15、(A)成分/[(A)成分+(B)成分+(C)成分]で表される質量比が0.35〜0.95であり、
    純水で2質量%に希釈した希釈液の25℃におけるpHが5.0以下であることを特徴とするハードディスク基板用洗浄剤。
  2. (D)成分:ヒドロキシカルボン酸及び/又はその塩を含有する、請求項1に記載のハードディスク基板用洗浄剤。
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WO2014080917A1 (ja) * 2012-11-22 2014-05-30 旭硝子株式会社 ガラス基板の洗浄方法
WO2014087995A1 (ja) * 2012-12-05 2014-06-12 花王株式会社 ガラス基板の洗浄方法

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