JP6205943B2 - エチレン系重合体製造用触媒系及びそれを用いてなるエチレン系重合体の製造方法 - Google Patents
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Description
R2は下記一般式(3)で示されるアミノ基を有するフルオレニル基であり、
R3は、下記一般式(4)または下記一般式(5)で示されるR1とR2の架橋単位であり、
nは1〜5の整数である。]
下記一般式(6)で表される脂肪族塩にて変性した有機変性粘土(B)、
及び有機アルミニウム化合物(C)から得られるメタロセン系触媒と非イオン性界面活性剤(D)とを含んでなるエチレン系重合体製造用触媒系、それを用いてなるエチレン系重合体の製造方法、メジアン径が50μm以上500μm以下、粒径の標準偏差が0.4以下、嵩密度が200kg/m 3 以上600kg/m 3 以下、固有粘度(dl/g)が9.0以上、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(分子量分布:Mw/Mn)が3.0を越えて5.0未満であることを満足することを特徴とする超高分子量エチレン系重合体粒子に関するものである。
該有機アルミニウム化合物としては、特に遷移金属化合物(A)を容易にアルキル化することが可能となることから、例えばトリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウムなどのアルキルアルミニウムなどを挙げることができる。
H(OCH2CH2)a(OC3H6)b(OCH2CH2)cOH (8)
ここで上記一般式(8)における平均重合度を示すa、b、cはそれぞれ1〜300の整数であり、好ましくはaとcはそれぞれ1〜60の整数であり、bは2〜100の整数であり、全分子量としては100〜20000であることが好ましい。
GPC装置(東ソー(株)製、(商品名)HLC−8121GPC/HT)およびカラム(東ソー(株)製、(商品名)TSKgel GMHhr−H(20)HT)を用い、カラム温度を140℃に設定し、溶離液として1,2,4−トリクロロベンゼンを用いて測定した。測定試料は1.0mg/mlの濃度で調製し、0.3ml注入して測定した。分子量の検量線は、分子量既知のポリスチレン試料を用いて校正した。なお、Mw、Mnは直鎖状ポリエチレン換算の値として求めた。
ウベローデ型粘度計を用い、ODCB(オルトジクロルベンゼン)を溶媒として、135℃において、超高分子量ポリエチレン濃度0.005wt%〜0.01wt%で測定した。
固有粘度([η](dl/g))と粘度換算分子量(Mv)の下記関係式に基づき算出した。
[η]=5.05*10−4×(Mv)0.693
〜エチレン系重合体粒子のメジアン径及び標準偏差〜
エチレン系重合体粒子のメジアン径は、JIS Z 8801で規格されたふるい目の開きが100μm、850μm、710μm、500μm、355μm、250μm、180μm、150μm、106μmおよび75μmの篩と受け皿を準備し、受け皿の上に開き目の小さい順に篩を重ね、最上段の篩に100gの粒子を投入後、震盪機((株)田中化学機械社製、(商品名)ロータップフルイ震盪機 RD−2)にセットし、震盪数2900rpm、打数156打/分にて10分間浸透して分級した後、各篩に残った粒子の重量を測定して作成した積分曲線において、50%の重量になる粒子径を計算することにより得た。また、標準偏差は各篩に残った粒子の重量の百分率から計算して求めた。
JIS K−6721:1997に従い測定した。
(1)有機変性粘土の調製
1リットルのフラスコに工業用アルコール(日本アルコール販売社製、(商品名)エキネンF−3)300ml及び蒸留水300mlを入れ、濃塩酸15.0g及びジメチルベヘニルアミン;C22H45(CH3)2N(ライオン株式会社製、(商品名)アーミンDM22D)42.4g(120mmol)を添加し、45℃に加熱して合成ヘクトライト(Rockwood Additives社製、(商品名)ラポナイトRDS)を100g分散させた後、60℃に昇温させてその温度を保持したまま1時間攪拌した。このスラリーを濾別後、60℃の水600mlで2回洗浄し、85℃の乾燥機内で12時間乾燥させることにより140gの有機変性粘土を得た。この有機変性粘土はジェットミル粉砕して、メジアン径を4.2μmとした。
温度計と還流管が装着された300mlのフラスコを窒素置換した後に(1)で得られた有機変性粘土25.0gとヘキサンを108ml入れ、次いでジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル)(2−(ジメチルアミノ)−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロライドを0.600g、及び20%トリイソブチルアルミニウム142mlを添加して60℃で3時間攪拌した。45℃まで冷却した後に上澄み液を抜き取り、200mlのヘキサンにて2回洗浄後、ヘキサンを200ml加えてメタロセン系触媒の懸濁液を得た(固形重量分:11.3wt%)。
2リットルのオートクレーブにヘキサンを1.2リットル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール(第一工業製薬社製、(商品名)エパン410;ポリオキシエチレンの分子量130、ポリオキシプロピレンの分子量1200のトリブロック体)を0.95mg、20%トリイソブチルアルミニウムを1.1ml、(2)で得られたメタロセン系触媒の懸濁液を83.9mg(固形分11.0mg相当)加えエチレン系重合体製造用触媒系を調製し、60℃に昇温後、分圧が0.87MPaになるようにエチレンを連続的に供給し、エチレンのスラリー重合を行った。重合中にファウリングは見られなかった。180分経過後に脱圧し、オートクレーブを解放したところ、オートクレーブの内壁やシャフトへのポリマーの付着は認められなかった。スラリーを濾別後、乾燥することで123.3gのエチレン単独重合体粒子を得た(重合活性:11160g/g触媒)。得られたエチレン単独重合体粒子の物性を表1に示す。
(1)有機変性粘土の調製及び(2)メタロセン系触媒の懸濁液の調製は、実施例1と同様に実施した。
2リットルのオートクレーブにヘキサンを1.2リットル、20%トリイソブチルアルミニウムを1.1ml、エパン410を35.5mg、(2)で得られたメタロセン系触媒の懸濁液を87.7mg(固形分11.5mg相当)加えエチレン系重合体製造用触媒系を調製し、60℃に昇温後、分圧が0.87MPaになるようにエチレンを連続的に供給し、エチレンのスラリー重合を行った。重合中にファウリングは見られなかった。180分経過後に脱圧し、オートクレーブを解放したところ、オートクレーブの内壁やシャフトへのポリマー付着は見られなかった。スラリーを濾別後、乾燥することで78.2gのエチレン単独重合体粒子を得た(活性:6810g/g触媒)。得られたエチレン単独重合体粒子の物性を表1に示す。
(1)有機変性粘土の調製及び(2)メタロセン系触媒の懸濁液の調製は、実施例1と同様に実施した。
50mlのフラスコにエパン410を170.6mg、トルエンを35.1042g加え、十分に攪拌して0.484%の界面活性剤溶液を得た。この界面活性剤溶液を813mg、(2)で得られたメタロセン系触媒の懸濁液を77.0mg(固形分10.1mg相当)およびヘキサン10mlを窒素置換した50mlフラスコに添加し、1分攪拌してエチレン系重合体用触媒系の懸濁液を得た。
(4)エチレン系重合体粒子の製造
2リットルのオートクレーブにヘキサンを1.2リットル、20%トリイソブチルアルミニウムを1.1ml、(3)で得られたエチレン系重合体製造用触媒系を全量加え、60℃に昇温後、分圧が0.87MPaになるようにエチレンを連続的に供給し、エチレンのスラリー重合を行った。重合中にファウリングは見られなかった。180分経過後に脱圧し、オートクレーブを解放したところ、オートクレーブの内壁やシャフトへのポリマー付着は見られなかった。スラリーを濾別後、乾燥することで72.5gのエチレン単独重合体粒子を得た(活性:7180g/g触媒)。得られたエチレン単独重合体粒子の物性を表1に示す。
(1)有機変性粘土の調製は、実施例1と同様に実施した。
温度計と還流管が装着された300mlのフラスコを窒素置換した後に(1)で得られた有機変性粘土25.0gとヘキサンを108ml入れ、次いでジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル)(2,7−ビス(ジメチルアミノ)−9−フルオレニル)ハフニウムジクロライドを0.629g、及び20%トリイソブチルアルミニウム142mlを添加して60℃で3時間攪拌した。45℃まで冷却した後に上澄み液を抜き取り、200mlのヘキサンにて2回洗浄後、ヘキサンを200ml加えてメタロセン系触媒の懸濁液を得た(固形重量分:14.5wt%)。
2リットルのオートクレーブにヘキサンを1.2リットル、エパン410を3.8mg、20%トリイソブチルアルミニウムを1.1ml、(2)で得られたメタロセン系触媒の懸濁液を591mg(固形分85.7mg相当)加えエチレン系重合体製造用触媒系を調製し、60℃に昇温後、1−ブテンを19.0g加え、分圧が0.87MPaになるようにエチレンを連続的に供給し、エチレンと1−ブテンのスラリー共重合を行った。重合中にファウリングは見られなかった。240分経過後に脱圧し、オートクレーブを解放したところ、オートクレーブの内壁やシャフトへのポリマー付着は見られなかった。スラリーを濾別後、乾燥することで142.3gのエチレン−1−ブテン共重合体粒子を得た(活性:1660g/g触媒)。得られたエチレン−1−ブテン共重合体粒子の物性を表1に示す。
(1)有機変性粘土の調製及び(2)メタロセン系触媒の懸濁液の調製は、実施例4と同様に実施した。
2リットルのオートクレーブにヘキサンを1.2リットル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール(第一工業製薬社製、(商品名)エパン450;ポリオキシエチレンの分子量300、ポリオキシプロピレンの分子量1200のトリブロック体)を3.3mg、20%トリイソブチルアルミニウムを1.1ml、(2)で得られたメタロセン系触媒の懸濁液を493mg(固形分71.5mg相当)加えエチレン系重合体製造用触媒系を調製し、60℃に昇温後、1−ブテンを19.0g加え、分圧が0.87MPaになるようにエチレンを連続的に供給し、エチレンと1−ブテンのスラリー共重合を行った。重合中にファウリングは見られなかった。240分経過後に脱圧し、オートクレーブを解放したところ、オートクレーブの内壁やシャフトへのポリマー付着は見られなかった。スラリーを濾別後、乾燥することで148.3gのエチレン−1−ブテン共重合体粒子を得た(活性:2080g/g触媒)。得られたエチレン−1−ブテン共重合体粒子の物性を表1に示す。
(1)有機変性粘土の調製及び(2)メタロセン系触媒の懸濁液の調製は、実施例4と同様に実施した。
2リットルのオートクレーブにヘキサンを1.2リットル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール(第一工業製薬社製、(商品名)エパン485;ポリオキシエチレンの分子量6800、ポリオキシプロピレンの分子量1200のトリブロック体)を3.3mg、20%トリイソブチルアルミニウムを1.1ml、(2)で得られたメタロセン系触媒の懸濁液を561mg(固形分81.3mg相当)加えエチレン系重合体製造用触媒系を調製し、60℃に昇温後、1−ブテンを19.0g加え、分圧が0.87MPaになるようにエチレンを連続的に供給し、エチレンのスラリー重合を行った。重合中にファウリングは見られなかった。90分経過後に脱圧したところ、オートクレーブの内壁やシャフトへのポリマー付着は見られなかった。スラリーを濾別後、乾燥することで145.2gのエチレン−1−ブテン共重合体粒子を得た(活性:1400g/g触媒)。得られたエチレン−1−ブテン共重合体粒子の物性を表1に示す。
(1)有機変性粘土の調製及び(2)メタロセン系触媒の懸濁液の調製は、実施例4と同様に実施した。
2リットルのオートクレーブにヘキサンを1.2リットル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール(第一工業製薬社製、(商品名)エパン710;ポリオキシエチレンの分子量220、ポリオキシプロピレンの分子量2000のトリブロック体)を4.0mg、20%トリイソブチルアルミニウムを1.1ml、(2)で得られたメタロセン系触媒の懸濁液を587mg(固形分85.1mg相当)加えエチレン系重合体製造用触媒系を調製し、60℃に昇温後、1−ブテンを19.0g加え、分圧が0.87MPaになるようにエチレンを連続的に供給し、エチレンのスラリー重合を行った。重合中にファウリングは見られなかった。90分経過後に脱圧したところ、オートクレーブの内壁やシャフトへのポリマー付着は見られなかった。スラリーを濾別後、乾燥することで163.2gのエチレン−1−ブテン共重合体粒子を得た(活性:1920g/g触媒)。得られたエチレン−1−ブテン共重合体粒子の物性を表1に示す。
(1)有機変性粘土の調製
実施例1の(1)と同様に行った。
実施例1の(2)と同様に行った。
2リットルのオートクレーブにヘキサンを1.2リットル、20%トリイソブチルアルミニウムを1.1m1、(2)で得られたメタロセン系触媒の懸濁液を80.9mg(固形分10.6mg相当)加え、60℃に昇温後、分圧が0.87MPaになるようにエチレンを連続的に供給した。重合中にファウリングが見られ安定した重合の継続は困難であった。180分経過後に脱圧し、オートクレーブを解放したところ、オートクレーブの内壁やシャフト周りにポリマーがブロック状で付着していた。ブロック部以外のスラリー部を濾別後、乾燥することで87.9gのエチレン単独重合体を得た(活性:8300g/g触媒)。得られたエチレン単独重合体の物性を表1に示す。
有機変性粘土の調製
実施例1の(1)と同様に行った。
実施例4の(2)と同様に行った。
2リットルのオートクレーブにヘキサンを1.2リットル、20%トリイソブチルアルミニウムを1.1ml、(2)で得られた触媒懸濁液を506.2mg(固形分73.4mg相当)加え、60℃に昇温後、1−ブテンを19.0g加え、分圧が0.87MPaになるようにエチレンを連続的に供給した。重合中にファウリングが見られ安定した重合の継続は困難であった。90分経過後に脱圧し、オートクレーブを解放したところ、オートクレーブの内壁やシャフト周りにポリマーがブロック状で付着していた。ブロック部以外のスラリー部を濾別後、乾燥することで113.6gのエチレン−1−ブテン系共重合体を得た(活性:1550g/g触媒)が、多数の粒子が互着して塊となっており、嵩密度及び粒径測定はこの塊を取り除いて残った粒子を用いて測定した。エチレン共重合体の物性を表1に示す。
Claims (1)
- メジアン径が109μm以上188μm以下、粒径の標準偏差が0.14以上0.22以下、嵩密度が200kg/m3以上600kg/m3以下、固有粘度(dl/g)が9.0以上、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(分子量分布:Mw/Mn)が3.0を越えて5.0未満であることを満足することを特徴とする超高分子量エチレン系重合体粒子。
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