JP6179230B2 - エチレン系重合体製造触媒及びそれを用いてなるエチレン系重合体の製造方法 - Google Patents

エチレン系重合体製造触媒及びそれを用いてなるエチレン系重合体の製造方法 Download PDF

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本発明は、特定の構造を有する遷移金属化合物、特定の構造を有する脂肪族塩で変性された有機変性粘土及び有機アルミニウム化合物より得られるメタロセン系触媒からなるエチレン系重合体製造触媒及びそれを用いてなるエチレン系重合体の製造方法に関するものであり、さらに詳細には、スラリー法プロセスに適用可能であり、固有粘度(dL/g)が19.0以上もしくは粘度換算分子量(Mv)が400万以上である超高分子量エチレン系重合体を効率よく製造することが可能となる(超高分子量)エチレン系重合体製造触媒及びそれを用いてなる(超高分子量)エチレン系重合体の製造方法に関するものである。
従来、超高分子量エチレン系重合体は、その粘度平均分子量(Mv)が100万〜700万に達するため、通常のエチレン系重合体にはない耐衝撃性、自己潤滑性、耐薬品性、寸法安定性、軽量性、食品安定性等に優れるという効果を有することから、エンジニアリングプラスチックに匹敵する物性を有するものとして、射出成形、押出成形、圧縮成形等の各種成形法によって成形され、ライニング材、食品工業のライン部品、機械部品、スポーツ用品等の用途に用いられている。
しかし、通常のチーグラー触媒によって製造された超高分子量エチレン系重合体は、超高分子量成分と低分子量成分が混在した分子量分布の非常に大きいものであった。そして、超高分子量成分は成形体とする際の成形加工性を低下させるという悪影響を有していた。また、その一方で低分子量成分は、耐摩耗性等の機械物性を低下させたり、繊維にした場合に分子鎖末端数が増え、結晶化を阻害することにより、繊維の強度を下げる要因となり、超高分子量エチレン系重合体の特性を低下させる要因となっていた。
これらを解決する手段として、メタロセン系触媒を用いることにより分子量分布が、3.0以下である超高分子量エチレン系(共)重合体が提案されている(例えば特許文献1参照。)。
特開平09−291112号公報(例えば特許請求の範囲参照。)
しかし、特許文献1に提案の超高分子量エチレン系(共)重合体は、チーグラー触媒によって製造されるものに比較して、分子量にばらつきがないことから加工性が低下する反面、強度が下がる等の課題を緩和するものであるが、超高分子量エチレン系(共)重合体、特に固有粘度(dL/g)が19.0以上又は粘度換算分子量(Mv)が400万以上という超高分子量エチレン系(共)重合体を効率良く製造するという点ではまだまだ課題を有するものであった。
そこで、本発明は、エンジニアリングプラスチックに匹敵する成形加工性と物性を兼ね備える固有粘度(dL/g)が19.0以上又は粘度換算分子量(Mv)が400万以上である超高分子量エチレン系重合体を効率良く製造することが可能となるエチレン系重合体製造触媒及びそれを用いたエチレン系重合体の製造方法を提供するものである。
本発明者等は、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、少なくとも特定の構造を有する遷移金属化合物、特定の構造を有する脂肪族塩で変性した有機変性粘土及び有機アルミニウム化合物より得られるメタロセン系触媒からなる新規のエチレン系重合体製造触媒をスラリー法プロセス等に適用した際に、固有粘度(dL/g)が19.0以上又はMvが400万以上である超高分子量エチレン系重合体を効率良く製造することが可能となることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は、少なくとも下記一般式(1)で表される遷移金属化合物(A)、
Figure 0006179230
[式中、Mはチタン原子またはジルコニウム原子であり、Xは各々独立して水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜30の炭化水素基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数1〜20のアルキルアミノ基、炭素数1〜20のアルキルシリル基、炭素数1〜20の炭化水素基の炭素と炭素の結合間に酸素を導入した置換基、炭素数1〜20の炭化水素基の一部を炭素数1〜20のアルキルアミノ基に置換した置換基、炭素数1〜20の炭化水素基の一部の炭素をケイ素に置換した置換基であり、R1は下記一般式(2)で示されるシクロペンタジエニル基であり、
Figure 0006179230
(式中、R4は各々独立して水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜30の炭化水素基、炭素数1〜20のアルキルアミノ基、炭素数1〜20のアルキルシリル基、炭素数1〜20の炭化水素基の炭素と炭素の結合間に酸素を導入した置換基、炭素数1〜20の炭化水素基の一部を炭素数1〜20のアルキルアミノ基に置換した置換基、炭素数1〜20の炭化水素基の一部の炭素をケイ素に置換した置換基である。)
は下記一般式(3)で示されるアミノ基を2つ有するフルオレニル基であり、
Figure 0006179230
(式中、RおよびRは各々独立して水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜30の炭化水素基、炭素数1〜20のアルキルアミノ基、炭素数6〜30のアリールアミノ基、炭素数7〜30のアリールアルキルアミノ基、炭素数1〜20のアルキルシリル基、炭素数1〜20の炭化水素基の炭素と炭素の結合間に酸素を導入した置換基、炭素数1〜20の炭化水素基の一部を炭素数1〜20のアルキルアミノ基に置換した置換基、炭素数1〜20の炭化水素基の一部の炭素をケイ素に置換した置換基であり、Rのいずれか1つ及びRのいずれか1つが炭素数1〜20のアルキルアミノ基、炭素数6〜30のアリールアミノ基又は炭素数7〜30のアリールアルキルアミノ基である。)
は、下記一般式(4)または下記一般式(5)で示されるRとRの架橋単位であり、
Figure 0006179230
Figure 0006179230
(式中、Rは各々独立して水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜30の炭化水素基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数1〜20のアルキルアミノ基、炭素数1〜20のアルキルシリル基、炭素数1〜20の炭化水素基の炭素と炭素の結合間に酸素を導入した置換基、炭素数1〜20の炭化水素基の一部を炭素数1〜20のアルキルアミノ基に置換した置換基、炭素数1〜20の炭化水素基の一部の炭素をケイ素に置換した置換基であり、Mはケイ素原子、ゲルマニウム原子または錫原子である。)
nは1〜5の整数である。]
下記一般式(6)で表され、
Figure 0006179230
(式中、R〜R10は各々独立して炭素数1〜30のアルキル基、炭素数1〜30のアルキルアルコキシ基、炭素数1〜30のアルキルアミノ基、炭素数1〜30のアルキルシリル基、上記炭素数1〜30のアルキル基の炭素と炭素の結合間に酸素を導入した置換基、上記炭素数1〜30のアルキル基の一部を炭素数1〜30のアルキルアミノ基に置換した置換基、上記炭素数1〜30のアルキル基の一部の炭素をケイ素に置換した置換基であり、かつR〜R10のうち少なくとも1つが炭素数10以上のアルキル基であり、Mは周期表第15族の原子であり、[A]はアニオンである。)
N,N−ジメチル−ベヘニルアミン塩酸塩、N−メチル−N−エチル−ベヘニルアミン塩酸塩、N−メチル−N−n−プロピル−ベヘニルアミン塩酸塩、N,N−ジオレイル−メチルアミン塩酸塩、N,N−ジメチル−ベヘニルアミンフッ化水素酸塩、N−メチル−N−エチル−ベヘニルアミンフッ化水素酸塩、N−メチル−N−n−プロピル−ベヘニルアミンフッ化水素酸塩、N,N−ジオレイル−メチルアミンフッ化水素酸塩、N,N−ジメチル−ベヘニルアミン臭化水素酸塩、N−メチル−N−エチル−ベヘニルアミン臭化水素酸塩、N−メチル−N−n−プロピル−ベヘニルアミン臭化水素酸塩、N,N−ジオレイル−メチルアミン臭化水素酸塩、N,N−ジメチル−ベヘニルアミンヨウ化水素酸塩、N−メチル−N−エチル−ベヘニルアミンヨウ化水素酸塩、N−メチル−N−n−プロピル−ベヘニルアミンヨウ化水素酸塩、N,N−ジオレイル−メチルアミンヨウ化水素酸塩、N,N−ジメチル−ベヘニルアミン硫酸塩、N−メチル−N−エチル−ベヘニルアミン硫酸塩、N−メチル−N−n−プロピル−ベヘニルアミン硫酸塩、N,N−ジオレイル−メチルアミン硫酸塩、P,P−ジメチル−ベヘニルホスフィン塩酸塩、P,P−ジエチル−ベヘニルホスフィン塩酸塩、P,P−ジプロピル−ベヘニルホスフィン塩酸塩、P,P−ジメチル−ベヘニルホスフィンフッ化水素酸塩、P,P−ジエチル−ベヘニルホスフィンフッ化水素酸塩、P,P−ジプロピル−ベヘニルホスフィンフッ化水素酸塩、P,P−ジメチル−ベヘニルホスフィン臭化水素酸塩、P,P−ジエチル−ベヘニルホスフィン臭化水素酸塩、P,P−ジプロピル−ベヘニルホスフィン臭化水素酸塩、P,P−ジメチル−ベヘニルホスフィンヨウ化水素酸塩、P,P−ジエチル−ベヘニルホスフィンヨウ化水素酸塩、P,P−ジプロピル−ベヘニルホスフィンヨウ化水素酸塩、P,P−ジメチル−ベヘニルホスフィン硫酸塩、P,P−ジエチル−ベヘニルホスフィン硫酸塩、P,P−ジプロピル−ベヘニルホスフィン硫酸塩からなる群より選択される脂肪族塩にて変性した有機変性粘土(B)、
及び、有機アルミニウム化合物(C)より得られるメタロセン系触媒からなることを特徴とする超高分子量エチレン系重合体製造触媒、それを用いてなる超高分子量エチレン系重合体の製造方法に関するものである。
以下に、本発明を詳細に説明する。
本発明のエチレン系重合体製造触媒は、少なくとも上記一般式(1)で示される遷移金属化合物(A)、上記一般式(6)で表される脂肪族塩にて変性した有機変性粘土(B)及び有機アルミニウム化合物(C)より得られるメタロセン系触媒からなるものである。
本発明のエチレン系重合体製造触媒を構成する該遷移金属化合物(A)は、上記一般式(1)で示される遷移金属化合物であり、Rであるシクロペンタジエニル基とRであるアミノ基を2つ有するフルオレニル基でMをサンドイッチする構造をとると共に、RによりRとRとを架橋した構造を有するものである。
ここで、Mは、チタン原子またはジルコニウム原子であり、これら特定の金属原子であることにより分子量の非常に高いエチレン系重合体を効率よく製造することが可能となり、特に超高分子量エチレン系重合体を生産効率よく製造することが可能なエチレン系重合体製造触媒となることからジルコニウム原子であることが好ましい。
Xは、各々独立して水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜30の炭化水素基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数1〜20のアルキルアミノ基、炭素数1〜20のアルキルシリル基、炭素数1〜20の炭化水素基の炭素と炭素の結合間に酸素を導入した置換基、炭素数1〜20の炭化水素基の一部を炭素数1〜20のアルキルアミノ基に置換した置換基、炭素数1〜20の炭化水素基の一部の炭素をケイ素に置換した置換基であり、これら特定の置換基であることにより分子量の非常に高いエチレン系重合体を製造することが可能となる。そして、Xの具体的例示として、例えば水素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基やそれらの異性体置換基などの炭素数1〜30のアルキル基、フェニル基、インデニル基、ナフチル基、フルオレニル基、ビフェニレニル基などの炭素数6〜30のアリール基、ベンジル基、フェニルエチル基、ジフェニルメチル基、ジフェニルエチル基などの炭素数7〜30のアリールアルキル基、またはメチルフェニル基、エチルフェニル基、メチルナフチル基などの炭素数7〜30のアルキルアリール基、トリメチルシリル基などのアルキルシリル基などが挙げられる。
は、上記一般式(2)で示されるシクロペンタジエニル基であり、R4は各々独立して水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜30の炭化水素基、炭素数1〜20のアルキルアミノ基、炭素数1〜20のアルキルシリル基、炭素数1〜20の炭化水素基の炭素と炭素の結合間に酸素を導入した置換基、炭素数1〜20の炭化水素基の一部を炭素数1〜20のアルキルアミノ基に置換した置換基、炭素数1〜20の炭化水素基の一部の炭素をケイ素に置換した置換基であり、これら特定の置換基であることにより分子量の非常に高いエチレン系重合体を製造することが可能となる。そして、Rの具体的例示としては、上記したXの例示と同様のものを挙げることができ、Rの具体的例示としては、例えばシクロペンタジエニル基、メチルシクロペンタジエニル基、エチルシクロペンタジエニル基、n−ブチル−シクロペンタジエニル基、ジメチルシクロペンタジエニル基、ジエチルシクロペンタジエニル基、メトキシシクロペンタジエニル基、ジメチルアミノ−シクロペンタジエニル基、トリメチルシリル−シクロペンタジエニル基などが挙げられる。
は、上記一般式(3)で示されるアミノ基を2つ有するフルオレニル基であり、RおよびRは各々独立して水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜30の炭化水素基、炭素数1〜20のアルキルアミノ基、炭素数6〜30のアリールアミノ基、炭素数7〜30のアリールアルキルアミノ基、炭素数1〜20のアルキルシリル基、炭素数1〜20の炭化水素基の炭素と炭素の結合間に酸素を導入した置換基、炭素数1〜20の炭化水素基の一部を炭素数1〜20のアルキルアミノ基に置換した置換基、炭素数1〜20の炭化水素基の一部の炭素をケイ素に置換した置換基であり、Rのいずれか1つ及びRのいずれか1つは、炭素数1〜20のアルキルアミノ基、炭素数6〜30のアリールアミノ基又は炭素数7〜30のアリールアルキルアミノ基であり、特に炭素数1〜20のジアルキルアミノ基、炭素数6〜30のジアリールアミノ基又は炭素数7〜30のジアリールアルキルアミノ基であることが好ましい。これら特定の置換基であることにより分子量の非常に高いエチレン系重合体を製造することが可能となる。そして、RおよびRの具体的例示としては、上記したXの例示と同様のもの、更にはジフェニルアミノ基、ジベンジルアミノ基等を挙げることができ、Rの具体的例示としては、2,7−ビス(ジメチルアミノ)−フルオレニル基、2,7−ビス(ジエチルアミノ)−フルオレニル基、2、7−ビス(ジイソプロピルアミノ)−フルオレニル基、2,7−ビス(ジ−n−プロピルアミノ)−フルオレニル基、2,7−ビス(ジ−n−ブチルアミノ)−フルオレニル基、2,7−ビス(ジベンジルアミノ)−フルオレニル基、3,6−ビス(ジメチルアミノ)−フルオレニル基、3,6−ビス(ジエチルアミノ)−フルオレニル基、3,6−ビス(ジイソプロピルアミノ)−フルオレニル基、3,6−ビス(ジ−n−プロピルアミノ)−フルオレニル基、3、6−ビス(ジ−n−ブチルアミノ)−フルオレニル基、3,6−ビス(ジベンジルアミノ)−フルオレニル基、2,5−ビス(ジメチルアミノ)−フルオレニル基、2,5−ビス(ジエチルアミノ)−フルオレニル基、2,5−ビス(ジイソプロピルアミノ)−フルオレニル基、2,5−ビス(ジ−n−プロピルアミノ)−フルオレニル基、2,5−ビス(ジ−n−ブチルアミノ)−フルオレニル基、2,5−ビス(ジベンジルアミノ)−フルオレニル基などが挙げられる。ここで、RおよびRのいずれもが、炭素数1〜20のアルキルアミノ基、炭素数6〜30のアリールアミノ基又は炭素数7〜30のアリールアルキルアミノ基でない場合、得られる触媒をエチレン系重合体の製造に用いても分子量の非常に高いエチレン系重合体を効率的に製造することができない。また、Rおよび/またはRの2つ以上が、炭素数1〜20のアルキルアミノ基、炭素数6〜30のアリールアミノ基又は炭素数7〜30のアリールアルキルアミノ基である場合、得られる触媒をエチレン系重合体の製造に用いた際にはエチレン系重合体の効率的な製造が困難となり、得られるエチレン系重合体は取り扱い性に劣るものとなる場合がある。
は、該Rと該Rの架橋単位であり、上記一般式(4)又は上記一般式(5)で表される架橋単位であり、Rは各々独立して水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜30の炭化水素基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数1〜20のアルキルアミノ基、炭素数1〜20のアルキルシリル基、炭素数1〜20の炭化水素基の炭素と炭素の結合間に酸素を導入した置換基、炭素数1〜20の炭化水素基の一部を炭素数1〜20のアルキルアミノ基に置換した置換基、炭素数1〜20の炭化水素基の一部の炭素をケイ素に置換した置換基であり、これら特定の置換基であることにより分子量の高いエチレン系重合体を製造することが可能となる。そして、Rの具体的例示として、上記したXの例示と同様のものを挙げることができる。また、Mはケイ素原子、ゲルマニウム原子または錫原子である。
そして、nは1〜5の整数である。
該遷移金属化合物(A)は、シクロペンタジエニル基(または置換シクロペンタジエニル基)とアミノ基を2つ有するフルオレニル基を組み合わせた構造の配位子を有する遷移金属化合物であり、その具体例として、例えばジフェニルシランジイル(シクロペンタジエニル)(2、7−ビス(ジメチルアミノ)−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロライド、ジフェニルシランジイル(シクロペンタジエニル)(2、7−ビス(ジエチルアミノ)−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロライド、ジフェニルシランジイル(シクロペンタジエニル)(2、7−ビス(ジイソプロピルアミノ)−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロライド、ジフェニルシランジイル(シクロペンタジエニル)(2、7−ビス(ジ−n−プロピル−アミノ)−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロライド、ジフェニルシランジイル(シクロペンタジエニル)(2、7−ビス(ジ−n−ブチル−アミノ)−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロライド、ジフェニルシランジイル(シクロペンタジエニル)(2、7−ビス(ジベンジルアミノ)−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロライド、ジフェニルシランジイル(シクロペンタジエニル)(3、6−ビス(ジメチルアミノ)−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロライド、ジフェニルシランジイル(シクロペンタジエニル)(3、6−ビス(ジエチルアミノ)−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロライド、ジフェニルシランジイル(シクロペンタジエニル)(3、6−ビス(ジイソプロピルアミノ)−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロライド、ジフェニルシランジイル(シクロペンタジエニル)(3、6−ビス(ジ−n−プロピル−アミノ)−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロライド、ジフェニルシランジイル(シクロペンタジエニル)(3、6−ビス(ジ−n−ブチル−アミノ)−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロライド、ジフェニルシランジイル(シクロペンタジエニル)(3、6−ビス(ジベンジルアミノ)−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロライド、ジフェニルシランジイル(シクロペンタジエニル)(2、5−ビス(ジメチルアミノ)−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロライド、ジフェニルシランジイル(シクロペンタジエニル)(2、5−ビス(ジエチルアミノ)−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロライド、ジフェニルシランジイル(シクロペンタジエニル)(2、5−ビス(ジイソプロピルアミノ)−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロライド、ジフェニルシランジイル(シクロペンタジエニル)(2、5−ビス(ジ−n−プロピル−アミノ)−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロライド、ジフェニルシランジイル(シクロペンタジエニル)(2、5−ビス(ジ−n−ブチル−アミノ)−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロライド、ジフェニルシランジイル(シクロペンタジエニル)(2、5−ビス(ジベンジルアミノ)−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロライド、ジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル)(2、7−ビス(ジメチルアミノ)−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロライド、ジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル)(2、7−ビス(ジエチルアミノ)−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロライド、ジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル)(2、7−ビス(ジイソプロピルアミノ)−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロライド、ジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル)(2、7−ビス(ジ−n−プロピル−アミノ)−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロライド、ジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル)(2、7−ビス(ジ−n−ブチル−アミノ)−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロライド、ジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル)(2、7−ビス(ジベンジルアミノ)−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロライド、ジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル)(3、6−ビス(ジメチルアミノ)−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロライド、ジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル)(3、6−ビス(ジエチルアミノ)−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロライド、ジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル)(3、6−ビス(ジイソプロピルアミノ)−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロライド、ジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル)(3、6−ビス(ジ−n−プロピル−アミノ)−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロライド、ジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル)(3、6−ビス(ジ−n−ブチル−アミノ)−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロライド、ジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル)(3、6−ビス(ジベンジルアミノ)−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロライド、ジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル)(2、5−ビス(ジメチルアミノ)−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロライド、ジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル)(2、5−ビス(ジエチルアミノ)−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロライド、ジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル)(2、5−ビス(ジイソプロピルアミノ)−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロライド、ジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル)(2、5−ビス(ジ−n−プロピル−アミノ)−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロライド、ジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル)(2、5−ビス(ジ−n−ブチル−アミノ)−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロライド、ジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル)(2、5−ビス(ジベンジルアミノ)−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロライドなどのジルコニウム化合物、ジルコニウム原子をチタン原子に変えた化合物や上記遷移金属化合物のジクロロ体をジメチル体、ジエチル体、ジヒドロ体、ジフェニル体、ジベンジル体に変えた化合物などを例示することができ、その中でも、超高分子量エチレン系重合体を生産効率よく製造することが可能なエチレン系重合体製造触媒となることからジルコニウム系化合物であることが好ましい。
本発明のエチレン系重合体製造触媒を構成する有機変性粘土(B)は、上記一般式(6)で表される脂肪族塩にて変性された有機変性粘土である。
ここで、R〜R10は、各々独立して炭素数1〜30のアルキル基、炭素数1〜30のアルキルアルコキシ基、炭素数1〜30のアルキルアミノ基、炭素数1〜30のアルキルシリル基、上記炭素数1〜30のアルキル基の炭素と炭素の結合間に酸素を導入した置換基、上記炭素数1〜30のアルキル基の一部を炭素数1〜30のアルキルアミノ基に置換した置換基、上記炭素数1〜30のアルキル基の一部の炭素をケイ素に置換した置換基であり、かつ、R〜R10のうち少なくとも1つが炭素数10以上のアルキル基である。R〜R10のいずれもが、炭素数10未満のアルキル基又はアルキル基以外の置換基である場合、得られる触媒は、分子量の高いエチレン系重合体を効率的に製造することが困難となる。
そして、R〜R10の具体的例示としては、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、アリル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、2−メチルブチル基、1−メチルブチル基、1−エチルプロピル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基、n−ヘキシル基、デシル基、ドデシル基、テトラデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基、オレイル基、ベヘニル基等の炭素数1〜30のアルキル基;メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、イソプロポキシ基等の炭素数1〜30のアルキルアルコキシ基;ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジプロピルアミノ基、ジブチルアミノ基、ジイソプロピルアミノ基等の炭素数1〜30のアルキルアミノ基;トリメチルシリル基、トリtert−ブチルシリル基、ジtert−ブチルメチルシリル基、tert−ブチルジメチルシリル基等炭素数1〜30のアルキルシリル基;メトキシメチレン基、エトキシメチレン基等の炭素数1〜30のアルキル基の炭素と炭素の結合間に酸素を導入した置換基;ジメチルアミノメチレン基、ジエチルアミノメチレン基等の炭素数1〜30のアルキル基の一部を炭素数1〜30のアルキルアミノ基に置換した置換基;トリメチルシリルメチレン基、tert−ブチルジメチルシリルメチレン基等の炭素数1〜30のアルキル基の一部の炭素をケイ素に置換した置換基、等を挙げることができる。
該R〜R10のうち少なくとも1つの置換基は、炭素数10以上のアルキル基であり、例えばデシル基、ドデシル基、テトラデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基、オレイル基、ベヘニル基等を例示することができる。
該Mは、周期律表第15族の原子であり、周期律表第15族以外の原子である場合、得られる触媒は、分子量の高いエチレン系重合体を効率的に製造することが困難となる。そして、該Mとしては、例えば窒素原子、リン原子等を挙げることができる。
該[A]はアニオンであり、アニオンの範疇に属するものであれば如何なるものでもよく、例えばフッ素イオン、塩素イオン、臭素イオン、ヨウ素イオン、硫酸イオン、硝酸イオン、リン酸イオン、過塩素酸イオン、シュウ酸イオン、クエン酸イオン、コハク酸イオン、テトラフルオロホウ酸イオンまたはヘキサフルオロリン酸イオン等を挙げることがきる。
そして、該脂肪族塩の具体例としては、例えばN,N−ジメチル−ベヘニルアミン塩酸塩、N−メチル−N−エチル−ベヘニルアミン塩酸塩、N−メチル−N−n−プロピル−ベヘニルアミン塩酸塩、N,N−ジオレイル−メチルアミン塩酸塩、N,N−ジメチル−ベヘニルアミンフッ化水素酸塩、N−メチル−N−エチル−ベヘニルアミンフッ化水素酸塩、N−メチル−N−n−プロピル−ベヘニルアミンフッ化水素酸塩、N,N−ジオレイル−メチルアミンフッ化水素酸塩、N,N−ジメチル−ベヘニルアミン臭化水素酸塩、N−メチル−N−エチル−ベヘニルアミン臭化水素酸塩、N−メチル−N−n−プロピル−ベヘニルアミン臭化水素酸塩、N,N−ジオレイル−メチルアミン臭化水素酸塩、N,N−ジメチル−ベヘニルアミンヨウ化水素酸塩、N−メチル−N−エチル−ベヘニルアミンヨウ化水素酸塩、N−メチル−N−n−プロピル−ベヘニルアミンヨウ化水素酸塩、N,N−ジオレイル−メチルアミンヨウ化水素酸塩、N,N−ジメチル−ベヘニルアミン硫酸塩、N−メチル−N−エチル−ベヘニルアミン硫酸塩、N−メチル−N−n−プロピル−ベヘニルアミン硫酸塩、N,N−ジオレイル−メチルアミン硫酸塩等の脂肪族アミン塩;P,P−ジメチル−ベヘニルホスフィン塩酸塩、P,P−ジエチル−ベヘニルホスフィン塩酸塩、P,P−ジプロピル−ベヘニルホスフィン塩酸塩、P,P−ジメチル−ベヘニルホスフィンフッ化水素酸塩、P,P−ジエチル−ベヘニルホスフィンフッ化水素酸塩、P,P−ジプロピル−ベヘニルホスフィンフッ化水素酸塩、P,P−ジメチル−ベヘニルホスフィン臭化水素酸塩、P,P−ジエチル−ベヘニルホスフィン臭化水素酸塩、P,P−ジプロピル−ベヘニルホスフィン臭化水素酸塩、P,P−ジメチル−ベヘニルホスフィンヨウ化水素酸塩、P,P−ジエチル−ベヘニルホスフィンヨウ化水素酸塩、P,P−ジプロピル−ベヘニルホスフィンヨウ化水素酸塩、P,P−ジメチル−ベヘニルホスフィン硫酸塩、P,P−ジエチル−ベヘニルホスフィン硫酸塩、P,P−ジプロピル−ベヘニルホスフィン硫酸塩等の脂肪族ホスフォニウム塩;等を挙げることができる。
また、該有機変性粘土(B)を構成する粘土化合物としては、粘土化合物の範疇に属するものであれば如何なるものであってもよく、一般的にシリカ四面体が二次元上に連続した四面体シートと、アルミナ八面体やマグネシア八面体等が二次元上に連続した八面体シートが1:1又は2:1で組合わさって構成されるシリケート層と呼ばれる層が何枚にも重なって形成され、一部のシリカ四面体のSiがAl、アルミナ八面体のAlがMg、マグネシア八面体のMgがLi等に同型置換されることにより層内部の正電荷が不足し、層全体として負電荷を帯びており、この負電荷を補償するために層間にはNaやCa2+等の陽イオンが存在しているものとして知られているものである。そして、該粘土化合物としては天然品、または合成品としてのカオリナイト、タルク、スメクタイト、バーミキュライト、雲母、脆雲母、縁泥石等が存在し、これらを用いることが可能であり、その中でも入手のしやすさと有機変性の容易さからスメクタイトが好ましく、特にスメクタイトのなかでもヘクトライトまたはモンモリロナイトがさらに好ましい。
該有機変性粘土(B)は、該粘土化合物の層間に該脂肪族塩を導入し、イオン複合体を形成することにより得る事が可能である。該有機変性粘土(B)を調製する際には、粘土化合物の濃度0.1〜30重量%、処理温度0〜150℃の条件を選択して処理を行うことが好ましい。また、該脂肪族塩は固体として調製して溶媒に溶解させて使用しても良いし、溶媒中での化学反応により該脂肪族塩の溶液を調製してそのまま使用しても良い。該粘土化合物と該脂肪族塩の反応量比については、粘土化合物の交換可能なカチオンに対して当量以上の脂肪族塩を用いることが好ましい。処理溶媒としては、例えばペンタン、ヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素類;ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素類;エチルアルコール、メチルアルコール等のアルコール類;エチルエーテル、n−ブチルエーテル等のエーテル類;塩化メチレン、クロロホルム等のハロゲン化炭化水素類;アセトン;1,4−ジオキサン;テトラヒドロフラン;水、等を用いることができる。そして、好ましくは、アルコール類または水を単独もしくは溶媒の一成分として用いることである。
また、本発明のエチレン系重合体製造触媒を構成する有機変性粘土(B)の粒径に制限はなく、その中でも触媒調製時の効率、エチレン系重合体製造時の効率に優れるものとなることから1〜100μmであることが好ましい。その際の粒径を調節する方法にも制限はなく、大きな粒子を粉砕して適切な粒径にしても、小さな粒子を造粒して適切な粒径にしても良く、あるいは粉砕と造粒を組み合わせても良い。また、粒径の調節は有機変性前の粘土に行っても、変性後の有機変性粘土に行っても良い。
有機変性粘土(B)の粒径制御を行う際の粉砕や造粒の方法に制限はなく、粉砕としては、例えばインパクトミル、回転ミル、カスケードミル、カッターミル、ケージミル、衝撃式粉砕機、コニカルミル、コロイドミル、コンパウンドミル、ジェットミル、振動ミル、スタンプミル、チューブミル、ディスクミル、タワーミル、媒体攪拌ミル、ハンマーミル、ピンミル、フレットミル、ペブルミル、ボールミル、摩砕機、遊星ミル、リングボールミル、リングロールミル、ロッドミル、ローラーミル、ロールクラッシャー等の機器による粉砕を挙げることができ、造粒としては、例えば転動造粒、流動層造粒、攪拌造粒、圧縮造粒、押出造粒、破砕造粒、溶融造粒、噴霧造粒等の方法を挙げることができる。
本発明のエチレン系重合体製造触媒を構成する有機アルミニウム化合物(C)は、有機アルミニウム化合物と称される範疇に属するものであれば如何なるものも用いることができ、その中でも、特に超高分子量エチレン系重合体を生産効率よく製造することが可能なエチレン系重合体製造触媒となることから、下記一般式(7)で表される有機アルミニウム化合物であることが好ましい。ここで、有機アルミニウム化合物以外の化合物、例えばホウ素系化合物、メチルアルモキサン系化合物を用いた場合、触媒により得られるエチレン系重合体は、分子量が低いものとなったり、成形加工性に劣るなどの課題を有するものとなる。
Figure 0006179230
(式中、R11は炭素数1〜20の炭化水素基であり、R12は各々独立して炭素数1〜20の炭化水素基、水素原子または塩素原子である。)
該有機アルミニウム化合物としては、特に遷移金属化合物(A)を容易にアルキル化することが可能となることから、例えばトリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウムなどのアルキルアルミニウムなどを挙げることができる。
本発明のエチレン系重合体製造触媒を構成する該遷移金属化合物(A)(以下(A)成分ということもある。)、該有機変性粘土(B)(以下、(B)成分ということもある。)、および該有機アルミニウム化合物(C)(以下、(C)成分ということもある。)の使用割合に関しては、エチレン系重合体製造触媒としての使用が可能であれば如何なる制限を受けるものでなく、その中でも、特に超高分子量エチレン系重合体を生産効率よく製造することが可能なエチレン系重合体製造触媒となることから、(A)成分と(C)成分の金属原子当たりのモル比は(A成分):(C成分)=100:1〜1:100000の範囲にあることが好ましく、特に1:1〜1:10000の範囲であることが好ましい。また、(A)成分と(B)成分の重量比が(A成分):(B成分)=10:1〜1:10000にあることが好ましく、特に3:1〜1:1000の範囲であることが好ましい。
本発明のエチレン系重合体製造触媒の調製方法に関しては、少なくとも該(A)成分、該(B)成分および該(C)成分より得られるエチレン系重合体製造触媒を調製することが可能であれば如何なる方法を用いてもよく、例えば各(A)、(B)、(C)成分に関して不活性な溶媒中あるいは重合を行うモノマーを溶媒として用い、混合する方法などを挙げることができる。また、これらの成分を反応させる順番に関しても制限はなく、この処理を行う温度、処理時間も制限はない。また、(A)成分、(B)成分、(C)成分のそれぞれを2種類以上用いてエチレン系重合体製造触媒を調製することも可能である。
本発明のエチレン系重合体製造触媒を用いて得られるエチレン系重合体としては、エチレンの単独重合のみならず他のオレフィンとの共重合であってもよく、これら重合により得られるエチレン系重合体は、単独重合体のみならず共重合体も含む意味で用いられる。
本発明のエチレン系重合体製造触媒を用いエチレン系重合体を製造する際の製造方法としては、例えば溶液重合法、塊状重合法、気相重合法、スラリー重合法等の方法を挙げることができ、その中でも、特に粒子形状の整ったエチレン系重合体を効率よく安定的に製造することが可能となることからスラリー重合法であることが好ましい。また、スラリー重合法に用いる溶媒としては、一般に用いられている有機溶媒であればいずれでもよく、例えばベンゼン、トルエン、キシレン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン等が挙げられ、プロピレン、1−ブテン、1−オクテン、1−ヘキセンなどのオレフィンを溶媒として用いることもできる。
また、エチレン系重合体を共重合体とする際にエチレンとの共重合に用いる他のオレフィンとしては、例えばプロピレン、1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン等のα−オレフィン;スチレン、スチレン誘導体;ブタジエン、1,4−ヘキサジエン、5−エチリデン−2−ノルボルネン、ジシクロペンタジエン、4−メチル−1,4−ヘキサジエン、7−メチル−1,6−オクタジエン等の共役および非共役ジエン;シクロブテン等の環状オレフィン;等が挙げられる。さらに、エチレンとプロピレンとスチレン、エチレンと1−ヘキセンとスチレン、エチレンとプロピレンとエチリデンノルボルネンのように、3種以上の成分を用いた共重合体とすることもできる。
本発明のエチレン系重合体製造触媒によりエチレン系重合体を製造する際の重合温度、重合時間、重合圧力、モノマー濃度などの重合条件については任意に選択可能であり、その中でも、重合温度30〜90℃、重合時間10秒〜20時間、重合圧力常圧〜100MPaの範囲で行うことが好ましい。また、重合時に水素などを用いて分子量の調節を行うことも可能である。重合はバッチ式、半連続式、連続式のいずれの方法でも行うことが可能であり、重合条件を変えて、2段以上に分けて行うことも可能である。また、重合終了後に得られるエチレン系重合体は、従来既知の方法により重合溶媒から分離回収され、乾燥して得ることができる。
本発明のエチレン系重合体製造触媒は特に超高分子量のエチレン系重合体を製造するのに適したものであり、得られるエチレン系重合体としては、耐摩耗性等の機械物性に優れるエチレン系重合体となることから固有粘度(dL/g)19.0以上又はMvが400万以上であることが好ましく、さらには固有粘度(dL/g)19.0以上28.0未満又はMvが400万以上700万未満であることが好ましい。
本発明の特定の構造を有する遷移金属化合物(A)、特定の構造を有する脂肪族塩で変性された有機変性粘土(B)及び有機アルミニウム化合物(C)より得られるメタロセン系触媒からなるエチレン系重合体製造触媒は、特に機械的特性、耐摩耗性、成形性に優れる(超高分子量)エチレン系重合体を効率よく安定的に製造することが可能となる。
以下に、実施例を示して本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれら実施例により制限されるものではない。なお、断りのない限り、用いた試薬等は市販品、あるいは既知の方法に従って合成したものを用いた。
有機変性粘土の粉砕にはジェットミル(セイシン企業社製、(商品名)CO−JET SYSTEM α MARK III)を用い、粉砕後の粒径はマイクロトラック粒度分布測定装置(日機装株式会社製、(商品名)MT3000)を用いてエタノールを分散剤として測定した。
エチレン系重合体製造触媒の調製、エチレン系重合体の製造および溶媒精製は全て不活性ガス雰囲気下で行った。トリイソブチルアルミニウムのヘキサン溶液(20wt%)は東ソーファインケム(株)製を用いた。
さらに、実施例におけるエチレン系重合体の諸物性は、以下に示す方法により測定した。
〜固有粘度の測定〜
ウベローデ型粘度計を用い、ODCB(オルトジクロルベンゼン)を溶媒として、135℃において、超高分子量エチレン系重合体濃度0.005wt%〜0.01wt%で測定した。
〜粘度換算分子量〜
固有粘度([η](dL/g))と粘度換算分子量(Mv)の下記関係式に基づき算出した。
[η]=5.05×10−4×(Mv)0.693
実施例1
(1)有機変性粘土の調製
1リットルのフラスコに工業用アルコール(日本アルコール販売社製、(商品名)エキネンF−3)300ml及び蒸留水300mlを入れ、濃塩酸15.0g及びジオレイルメチルアミン(ライオン株式会社製、(商品名)アーミンM20)64.2g(120mmol)を添加し、45℃に加熱して合成ヘクトライト(Rockwood Additives社製、(商品名)ラポナイトRDS)を100g分散させた後、60℃に昇温させてその温度を保持したまま1時間攪拌した。このスラリーを濾別後、60℃の水600mlで2回洗浄し、85℃の乾燥機内で12時間乾燥させることにより160gの有機変性粘土を得た。この有機変性粘土はジェットミル粉砕して、メジアン径を15μmとした。
(2)エチレン系重合体製造触媒の懸濁液の調製
温度計と還流管が装着された300mlのフラスコを窒素置換した後に(1)で得られた有機変性粘土25.0gとヘキサンを108ml入れ、次いでジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル)(2、7−ビス(ジメチルアミノ)−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロライドを0.671g、及び20%トリイソブチルアルミニウム142mlを添加して60℃で3時間攪拌した。45℃まで冷却した後に上澄み液を抜き取り、200mlのヘキサンにて2回洗浄後、ヘキサンを200ml加えてエチレン系重合体製造触媒の懸濁液を得た(固形重量分:12wt%)。
(3)エチレン系重合体の製造
2リットルのオートクレーブにヘキサンを1.2リットル、20%トリイソブチルアルミニウムを1.0ml、(2)で得られたエチレン系重合体製造触媒の懸濁液を275mg(固形分33.0mg相当)加え、60℃に昇温後、分圧が0.87MPaになるようにエチレンを連続的に供給し、エチレンのスラリー重合を行った。90分経過後に脱圧し、スラリーを濾別後、乾燥することで150gのエチレン単独重合体を得た(活性:4550g/g触媒)。得られたエチレン単独重合体の物性は表1に示す。
実施例2
(1)有機変性粘土の調製及び(2)エチレン系重合体製造触媒の懸濁液の調製は、実施例1と同様に実施した。
(3)エチレン系重合体の製造
2リットルのオートクレーブにヘキサンを1.2リットル、20%トリイソブチルアルミニウムを1.0ml、(2)で得られたエチレン系重合体製造触媒の懸濁液を180mg(固形分21.6mg相当)加え、70℃に昇温後、分圧が1.0MPaになるようにエチレンを連続的に供給し、エチレンのスラリー重合を行った。90分経過後に脱圧し、スラリーを濾別後、乾燥することで130gのエチレン単独重合体を得た(活性:6020g/g触媒)。得られたエチレン単独重合体の物性は表1に示す。
実施例3
(1)有機変性粘土の調製
1リットルのフラスコに工業用アルコール(日本アルコール販売社製、(商品名)エキネンF−3)300ml及び蒸留水300mlを入れ、濃塩酸15.0g及びジメチルベヘニルアミン(ライオン株式会社製、(商品名)アーミンDM22D)42.4g(120mmol)を添加し、45℃に加熱して合成ヘクトライト(Rockwood Additives社製、(商品名)ラポナイトRDS)を100g分散させた後、60℃に昇温させてその温度を保持したまま1時間攪拌した。このスラリーを濾別後、60℃の水600mlで2回洗浄し、85℃の乾燥機内で12時間乾燥させることにより125gの有機変性粘土を得た。この有機変性粘土はジェットミル粉砕して、メジアン径を15μmとした。
(2)エチレン系重合体製造触媒の懸濁液の調製
温度計と還流管が装着された300mlのフラスコを窒素置換した後に(1)で得られた有機変性粘土25.0gとヘキサンを108ml入れ、次いでジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル)(2、7−ビス(ジメチルアミノ)−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロライドを0.671g、及び20%トリイソブチルアルミニウム142mlを添加して60℃で3時間攪拌した。45℃まで冷却した後に上澄み液を抜き取り、200mlのヘキサンにて2回洗浄後、ヘキサンを200ml加えてエチレン系重合体製造触媒の懸濁液を得た(固形重量分:12wt%)。
(3)エチレン系重合体の製造
2リットルのオートクレーブにヘキサンを1.2リットル、20%トリイソブチルアルミニウムを1.0ml、(2)で得られたエチレン系重合体製造触媒の懸濁液を150mg(固形分18.0mg相当)加え、60℃に昇温後、分圧が0.87MPaになるようにエチレンを連続的に供給しエチレンのスラリー重合を行った。90分経過後に脱圧し、スラリーを濾別後、乾燥することで170gのエチレン単独重合体を得た(活性:9440g/g触媒)。得られたエチレン単独重合体の物性は表1に示す。
実施例4
(1)有機変性粘土の調製及び(2)エチレン系重合体製造触媒の懸濁液の調製は、実施例3と同様に実施した。
(3)重合
2リットルのオートクレーブにヘキサンを1.2リットル、20%トリイソブチルアルミニウムを1.0ml、(2)で得られたエチレン系重合体製造触媒の懸濁液を120mg(固形分14.4mg相当)加え、70℃に昇温後、分圧が1.0MPaになるようにエチレンを連続的に供給し、エチレンのスラリー重合を行った。90分経過後に脱圧し、スラリーを濾別後、乾燥することで175gのエチレン単独重合体を得た(活性:12150g/g触媒)。得られたエチレン単独重合体の物性は表1に示す。
実施例5
(1)有機変性粘土の調製
1リットルのフラスコに工業用アルコール(日本アルコール販売社製、(商品名)エキネンF−3)300ml及び蒸留水300mlを入れ、濃塩酸15.0g及びジオレイルメチルアミン(ライオン株式会社製、(商品名)アーミンM20)64.2g(120mmol)を添加し、45℃に加熱して合成ヘクトライト(Rockwood Additives社製、(商品名)ラポナイトRDS)を100g分散させた後、60℃に昇温させてその温度を保持したまま1時間攪拌した。このスラリーを濾別後、60℃の水600mlで2回洗浄し、85℃の乾燥機内で12時間乾燥させることにより160gの有機変性粘土を得た。この有機変性粘土はジェットミル粉砕して、メジアン径を15μmとした。
(2)エチレン系重合体製造触媒の懸濁液の調製
温度計と還流管が装着された300mlのフラスコを窒素置換した後に(1)で得られた有機変性粘土25.0gとヘキサンを108ml入れ、次いでジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル)(2、7−ビス(ジエチルアミノ)−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロライドを0.699g、及び20%トリイソブチルアルミニウム142mlを添加して60℃で3時間攪拌した。45℃まで冷却した後に上澄み液を抜き取り、200mlのヘキサンにて2回洗浄後、ヘキサンを200ml加えてエチレン系重合体製造触媒の懸濁液を得た(固形重量分:12wt%)。
(3)エチレン系重合体の製造
2リットルのオートクレーブにヘキサンを1.2リットル、20%トリイソブチルアルミニウムを1.0ml、(2)で得られたエチレン系重合体製造触媒の懸濁液を250mg(固形分30.0mg相当)加え、60℃に昇温後、分圧が0.87MPaになるようにエチレンを連続的に供給し、エチレンのスラリー重合を行った。90分経過後に脱圧し、スラリーを濾別後、乾燥することで165gのエチレン単独重合体を得た(活性:5500g/g触媒)。得られたエチレン単独重合体の物性は表1に示す。
実施例6
(1)有機変性粘土の調製及び(2)エチレン系重合体製造触媒の懸濁液の調製は、実施例5と同様に実施した。
(3)エチレン系重合体の製造
2リットルのオートクレーブにヘキサンを1.2リットル、20%トリイソブチルアルミニウムを1.0ml、(2)で得られたエチレン系重合体製造触媒の懸濁液を175mg(固形分21.0mg相当)加え、70℃に昇温後、分圧が1.0MPaになるようにエチレンを連続的に供給し、エチレンのスラリー重合を行った。90分経過後に脱圧し、スラリーを濾別後、乾燥することで170gのエチレン単独重合体を得た(活性:8100g/g触媒)。得られたエチレン単独重合体の物性は表1に示す。
実施例7
(1)有機変性粘土の調製
1リットルのフラスコに工業用アルコール(日本アルコール販売社製、(商品名)エキネンF−3)300ml及び蒸留水300mlを入れ、濃塩酸15.0g及びジメチルベヘニルアミン(ライオン株式会社製、(商品名)アーミンDM22D)42.4g(120mmol)を添加し、45℃に加熱して合成ヘクトライト(Rockwood Additives社製、(商品名)ラポナイトRDS)を100g分散させた後、60℃に昇温させてその温度を保持したまま1時間攪拌した。このスラリーを濾別後、60℃の水600mlで2回洗浄し、85℃の乾燥機内で12時間乾燥させることにより125gの有機変性粘土を得た。この有機変性粘土はジェットミル粉砕して、メジアン径を15μmとした。
(2)エチレン系重合体製造触媒の懸濁液の調製
温度計と還流管が装着された300mlのフラスコを窒素置換した後に(1)で得られた有機変性粘土25.0gとヘキサンを108ml入れ、次いでジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル)(2、7−ビス(ジエチルアミノ)−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロライドを0.699g、及び20%トリイソブチルアルミニウム142mlを添加して60℃で3時間攪拌した。45℃まで冷却した後に上澄み液を抜き取り、200mlのヘキサンにて2回洗浄後、ヘキサンを200ml加えてエチレン系重合体製造触媒の懸濁液を得た(固形重量分:12wt%)。
(3)エチレン系重合体の製造
2リットルのオートクレーブにヘキサンを1.2リットル、20%トリイソブチルアルミニウムを1.0ml、(2)で得られたエチレン系重合体製造触媒の懸濁液を125mg(固形分15.0mg相当)加え、60℃に昇温後、分圧が0.87MPaになるようにエチレンを連続的に供給しエチレンのスラリー重合を行った。90分経過後に脱圧し、スラリーを濾別後、乾燥することで180gのエチレン単独重合体を得た(活性:12000g/g触媒)。得られたエチレン単独重合体の物性は表1に示す。
実施例8
(1)有機変性粘土の調製及び(2)エチレン系重合体製造触媒の懸濁液の調製は、実施例7と同様に実施した。
(3)重合
2リットルのオートクレーブにヘキサンを1.2リットル、20%トリイソブチルアルミニウムを1.0ml、(2)で得られたエチレン系重合体製造触媒の懸濁液を90mg(固形分10.8mg相当)加え、70℃に昇温後、分圧が1.0MPaになるようにエチレンを連続的に供給し、エチレンのスラリー重合を行った。90分経過後に脱圧し、スラリーを濾別後、乾燥することで175gのエチレン単独重合体を得た(活性:16200g/g触媒)。得られたエチレン単独重合体の物性は表1に示す。
比較例1
(1)有機変性粘土の調製
実施例1と同様に行った。
(2)触媒懸濁液の調製
温度計と還流管が装着された300mlのフラスコを窒素置換した後に(1)で得られた有機変性粘土25.0gとヘキサンを108ml入れ、次いでジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロライドを0.557g、及び20%トリイソブチルアルミニウム142mlを添加して60℃で3時間攪拌した。45℃まで冷却した後に上澄み液を抜き取り、200mlのヘキサンにて2回洗浄後、ヘキサンを200ml加えて触媒懸濁液を得た(固形重量分:11.0wt%)。
(3)エチレン系重合体の製造
2リットルのオートクレーブにヘキサンを1.2リットル、20%トリイソブチルアルミニウムを1.0ml、(2)で得られた触媒懸濁液を368.1mg(固形分40.5mg相当)加え、60℃に昇温後、分圧が0.87MPaになるようにエチレンを連続的に供給した。90分経過後に脱圧し、スラリーを濾別後、乾燥することで22.3gのポリマーを得た(活性:550g/g触媒)。得られたポリマーの物性は表1に示す。
得られた触媒は、エチレンの重合活性が低く、ポリマーの分子量も低いものであった。
比較例2
(1)有機変性粘土の調製及び(2)触媒懸濁液の調製は、比較例1と同様に実施した。
(3)エチレン系重合体の製造
2リットルのオートクレーブにヘキサンを1.2リットル、20%トリイソブチルアルミニウムを1.0ml、(2)で得られた触媒懸濁液を277.3mg(固形分30.5mg相当)加え、70℃に昇温後、分圧が1.0MPaになるようにエチレンを連続的に供給した。90分経過後に脱圧し、スラリーを濾別後、乾燥することで37.2gのポリマーを得た(活性:1220g/g触媒)。得られたポリマーの物性は表1に示す。
得られたポリマーは分子量の低いものであった。
比較例3
(1)有機変性粘土の調製
実施例3と同様に行った。
(2)触媒懸濁液の調製
温度計と還流管が装着された300mlのフラスコを窒素置換した後に(1)で得られた有機変性粘土25.0gとヘキサンを108ml入れ、次いでジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロライドを0.557g、及び20%トリイソブチルアルミニウム142mlを添加して60℃で3時間攪拌した。45℃まで冷却した後に上澄み液を抜き取り、200mlのヘキサンにて2回洗浄後、ヘキサンを200ml加えて触媒懸濁液を得た(固形重量分:11.5wt%)。
(3)エチレン系重合体の製造
2リットルのオートクレーブにヘキサンを1.2リットル、20%トリイソブチルアルミニウムを1.0ml、(2)で得られた触媒懸濁液を356.5mg(固形分41.0mg相当)加え、60℃に昇温後、分圧が0.87MPaになるようにエチレンを連続的に供給した。90分経過後に脱圧し、スラリーを濾別後、乾燥することで32.8gのポリマーを得た(活性:800g/g触媒)。得られたポリマーの物性は表1に示す。
得られた触媒は、エチレンの重合活性が低く、ポリマーの分子量も低いものであった。
比較例4
(1)有機変性粘土の調製及び(2)触媒懸濁液の調製は、比較例3と同様に実施した。
(3)重合
2リットルのオートクレーブにヘキサンを1.2リットル、20%トリイソブチルアルミニウムを1.0ml、(2)で得られた触媒懸濁液を260.9mg(固形分30.0mg相当)加え、70℃に昇温後、分圧が1.0MPaになるようにエチレンを連続的に供給した。90分経過後に脱圧し、スラリーを濾別後、乾燥することで46.2gのポリマーを得た(活性:1540g/g触媒)。得られたポリマーの物性は表1に示す。
得られたポリマーは分子量の低いものであった。
比較例5
(1)有機変性粘土の調製
実施例1と同様に行った。
(2)触媒懸濁液の調製
温度計と還流管が装着された300mlのフラスコを窒素置換した後に(1)で得られた有機変性粘土25.0gとヘキサンを108ml入れ、次いでジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロライドを0.669g、及び20%トリイソブチルアルミニウム142mlを添加して60℃で3時間攪拌した。45℃まで冷却した後に上澄み液を抜き取り、200mlのヘキサンにて2回洗浄後、ヘキサンを200ml加えて触媒懸濁液を得た(固形重量分:12.0wt%)。
(3)エチレン系重合体の製造
2リットルのオートクレーブにヘキサンを1.2リットル、20%トリイソブチルアルミニウムを1.0ml、(2)で得られた触媒懸濁液を333.3mg(固形分40.0mg相当)加え、60℃に昇温後、分圧が0.87MPaになるようにエチレンを連続的に供給した。90分経過後に脱圧し、スラリーを濾別後、乾燥することで40.0gのポリマーを得た(活性:970g/g触媒)。得られたポリマーの物性は表1に示す。
得られた触媒は、エチレンの重合活性が低く、得られたポリマーの分子量も比較的低いものであった。
比較例6
(1)有機変性粘土の調製
1リットルのフラスコに工業用アルコール(日本アルコール販売社製、(商品名)エキネンF−3)300ml及び蒸留水300mlを入れ、濃塩酸15.0g及びトリオクチルアミン(和光純薬工業株式会社製)42.4g(120mmol)を添加し、45℃に加熱して合成ヘクトライト(Rockwood Additives社製、(商品名)ラポナイトRDS)を100g分散させた後、60℃に昇温させてその温度を保持したまま1時間攪拌した。このスラリーを濾別後、60℃の水600mlで2回洗浄し、85℃の乾燥機内で12時間乾燥させることにより160gの有機変性粘土を得た。この有機変性粘土はジェットミル粉砕して、メジアン径を15μmとした。
(2)エチレン系重合体製造用触媒の懸濁液の調製
温度計と還流管が装着された300mlのフラスコを窒素置換した後に(1)で得られた有機変性粘土25.0gとヘキサンを108ml入れ、次いでジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル)(2−(ジメチルアミノ)−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロライドを0.600g、及び20%トリイソブチルアルミニウム142mlを添加して60℃で3時間攪拌した。45℃まで冷却した後に上澄み液を抜き取り、200mlのヘキサンにて2回洗浄後、ヘキサンを200ml加えてエチレン系重合体製造用触媒の懸濁液を得た(固形重量分:12.0wt%)。
(3)エチレン系重合体の製造
2リットルのオートクレーブにヘキサンを1.2リットル、20%トリイソブチルアルミニウムを1.0ml、(2)で得られたエチレン系重合体製造用触媒の懸濁液を500mg(固形分60mg相当)加え、60℃に昇温後、分圧が0.87MPaになるようにエチレンを連続的に供給し、エチレンのスラリー重合を行った。90分経過後に脱圧し、ろ過を行ったが、エチレン単独重合体はほとんど得られなかった。
Figure 0006179230
本発明のエチレン系重合体製造触媒は、ライニング材、食品工業のライン部品、機械部品、スポーツ用品等の用途に有用な機械的特性、耐摩耗性、成形性に優れる(超高分子量)エチレン系重合体を効率よく安定的に製造することが可能となることから、その産業上の利用可能性は極めて高いものである。

Claims (5)

  1. 少なくとも下記一般式(1)で表される遷移金属化合物(A)、
    Figure 0006179230
    [式中、Mはチタン原子またはジルコニウム原子であり、Xは各々独立して水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜30の炭化水素基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数1〜20のアルキルアミノ基、炭素数1〜20のアルキルシリル基、炭素数1〜20の炭化水素基の炭素と炭素の結合間に酸素を導入した置換基、炭素数1〜20の炭化水素基の一部を炭素数1〜20のアルキルアミノ基に置換した置換基、炭素数1〜20の炭化水素基の一部の炭素をケイ素に置換した置換基であり、R1は下記一般式(2)で示されるシクロペンタジエニル基であり、
    Figure 0006179230
    (式中、R4は各々独立して水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜30の炭化水素基、炭素数1〜20のアルキルアミノ基、炭素数1〜20のアルキルシリル基、炭素数1〜20の炭化水素基の炭素と炭素の結合間に酸素を導入した置換基、炭素数1〜20の炭化水素基の一部を炭素数1〜20のアルキルアミノ基に置換した置換基、炭素数1〜20の炭化水素基の一部の炭素をケイ素に置換した置換基である。)
    は下記一般式(3)で示されるアミノ基を2つ有するフルオレニル基であり、
    Figure 0006179230
    (式中、RおよびRは各々独立して水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜30の炭化水素基、炭素数1〜20のアルキルアミノ基、炭素数6〜30のアリールアミノ基、炭素数7〜30のアリールアルキルアミノ基、炭素数1〜20のアルキルシリル基、炭素数1〜20の炭化水素基の炭素と炭素の結合間に酸素を導入した置換基、炭素数1〜20の炭化水素基の一部を炭素数1〜20のアルキルアミノ基に置換した置換基、炭素数1〜20の炭化水素基の一部の炭素をケイ素に置換した置換基であり、Rのいずれか1つ及びRのいずれか1つが炭素数1〜20のアルキルアミノ基、炭素数6〜30のアリールアミノ基又は炭素数7〜30のアリールアルキルアミノ基である。)
    は、下記一般式(4)または下記一般式(5)で示されるRとRの架橋単位であり、
    Figure 0006179230
    Figure 0006179230
    (式中、Rは各々独立して水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜30の炭化水素基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数1〜20のアルキルアミノ基、炭素数1〜20のアルキルシリル基、炭素数1〜20の炭化水素基の炭素と炭素の結合間に酸素を導入した置換基、炭素数1〜20の炭化水素基の一部を炭素数1〜20のアルキルアミノ基に置換した置換基、炭素数1〜20の炭化水素基の一部の炭素をケイ素に置換した置換基であり、Mはケイ素原子、ゲルマニウム原子または錫原子である。)
    nは1〜5の整数である。]
    下記一般式(6)で表され、
    Figure 0006179230
    (式中、R〜R10は各々独立して炭素数1〜30のアルキル基、炭素数1〜30のアルキルアルコキシ基、炭素数1〜30のアルキルアミノ基、炭素数1〜30のアルキルシリル基、上記炭素数1〜30のアルキル基の炭素と炭素の結合間に酸素を導入した置換基、上記炭素数1〜30のアルキル基の一部を炭素数1〜30のアルキルアミノ基に置換した置換基、上記炭素数1〜30のアルキル基の一部の炭素をケイ素に置換した置換基であり、かつR〜R10のうち少なくとも1つが炭素数10以上のアルキル基であり、Mは周期表第15族の原子であり、[A]はアニオンである。)
    N,N−ジメチル−ベヘニルアミン塩酸塩、N−メチル−N−エチル−ベヘニルアミン塩酸塩、N−メチル−N−n−プロピル−ベヘニルアミン塩酸塩、N,N−ジオレイル−メチルアミン塩酸塩、N,N−ジメチル−ベヘニルアミンフッ化水素酸塩、N−メチル−N−エチル−ベヘニルアミンフッ化水素酸塩、N−メチル−N−n−プロピル−ベヘニルアミンフッ化水素酸塩、N,N−ジオレイル−メチルアミンフッ化水素酸塩、N,N−ジメチル−ベヘニルアミン臭化水素酸塩、N−メチル−N−エチル−ベヘニルアミン臭化水素酸塩、N−メチル−N−n−プロピル−ベヘニルアミン臭化水素酸塩、N,N−ジオレイル−メチルアミン臭化水素酸塩、N,N−ジメチル−ベヘニルアミンヨウ化水素酸塩、N−メチル−N−エチル−ベヘニルアミンヨウ化水素酸塩、N−メチル−N−n−プロピル−ベヘニルアミンヨウ化水素酸塩、N,N−ジオレイル−メチルアミンヨウ化水素酸塩、N,N−ジメチル−ベヘニルアミン硫酸塩、N−メチル−N−エチル−ベヘニルアミン硫酸塩、N−メチル−N−n−プロピル−ベヘニルアミン硫酸塩、N,N−ジオレイル−メチルアミン硫酸塩、P,P−ジメチル−ベヘニルホスフィン塩酸塩、P,P−ジエチル−ベヘニルホスフィン塩酸塩、P,P−ジプロピル−ベヘニルホスフィン塩酸塩、P,P−ジメチル−ベヘニルホスフィンフッ化水素酸塩、P,P−ジエチル−ベヘニルホスフィンフッ化水素酸塩、P,P−ジプロピル−ベヘニルホスフィンフッ化水素酸塩、P,P−ジメチル−ベヘニルホスフィン臭化水素酸塩、P,P−ジエチル−ベヘニルホスフィン臭化水素酸塩、P,P−ジプロピル−ベヘニルホスフィン臭化水素酸塩、P,P−ジメチル−ベヘニルホスフィンヨウ化水素酸塩、P,P−ジエチル−ベヘニルホスフィンヨウ化水素酸塩、P,P−ジプロピル−ベヘニルホスフィンヨウ化水素酸塩、P,P−ジメチル−ベヘニルホスフィン硫酸塩、P,P−ジエチル−ベヘニルホスフィン硫酸塩、P,P−ジプロピル−ベヘニルホスフィン硫酸塩からなる群より選択される脂肪族塩にて変性した有機変性粘土(B)
    及び、有機アルミニウム化合物(C)より得られるメタロセン系触媒からなることを特徴とする超高分子量エチレン系重合体製造触媒。
  2. 遷移金属化合物(A)が、Mとしてジルコニウム原子である遷移金属化合物であることを特徴とする請求項1に記載の超高分子量エチレン系重合体製造触媒。
  3. 有機アルミニウム化合物(C)が、下記一般式(7)で表される有機アルミニウムであることを特徴とする請求項1又は2に記載の超高分子量エチレン系重合体製造触媒。
    Figure 0006179230
    (式中、R11は炭素数1〜20の炭化水素基であり、R12は各々独立して炭素数1〜20の炭化水素基、水素原子または塩素原子である。)
  4. 粘度換算分子量(Mv)400万以上の超高分子量エチレン系重合体の製造用触媒であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の超高分子量エチレン系重合体製造触媒
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の超高分子量エチレン系重合体製造触媒を用いて、スラリー法プロセスによりエチレン系単量体の重合を行い、固有粘度(dL/g)が19.0以上又は粘度換算分子量(Mv)が400万以上である超高分子量エチレン系重合体を製造することを特徴とする超高分子量エチレン系重合体の製造方法
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