JP5504816B2 - エチレン系重合体製造用触媒及びエチレン系重合体の製造方法 - Google Patents

エチレン系重合体製造用触媒及びエチレン系重合体の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、エチレン重合用触媒およびエチレン系重合体の製造方法に関するものである。
高圧ラジカル法で製造される低密度ポリエチレン(LDPE)は分岐型ポリオレフィンであり、その側鎖は非線状な樹状構造である。このような構造は溶融流動性、溶融張力等の成形加工性に優れ、ポリマーを溶融加工する際には利点となるが、一方では固体ポリマーの機械的強度を低下させるという欠点がある。
このため固体ポリマーの機械的強度を必要とする用途では、チーグラー触媒またはメタロセン触媒で得られる直鎖状高密度ポリエチレン(HDPE)や直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)が一般的に使用されている。しかし、LDPEの利点である良成形加工性をこれらのHDPEおよびLLDPEは有していない。
HDPEおよびLLDPEの成形加工性をポリエチレンの製造方法により改良する手法としては、例えば(イ)従来のチーグラー触媒を用いた多段重合法により分子量分布を広げる方法(例えば、特許文献1〜3参照。)、(ロ)伝統的なCr系触媒を用いて長鎖分岐を有するポリエチレンを製造する方法、(ハ)特定のメタロセン触媒を用いてエチレンを重合し長鎖分岐を有するポリエチレンを製造する方法(例えば、特許文献4参照。)、(ニ)特定のメタロセン触媒を用いてエチレンとマクロモノマーを完全に共重合し長鎖分岐を有するポリエチレンを製造する方法(例えば、特許文献5参照。)、(ホ)エチレン・マクロモノマー共重合体に線状ポリエチレンをブレンドする方法(例えば、特許文献6参照。)が提案されている。しかし、(イ)、(ロ)および(ハ)の方法で得られるポリエチレンの成型加工性は未だ十分ではない。また、(イ)および(ロ)の方法で得られるポリエチレンに関しては、分子量分布が広がることにより、機械強度が低下するという問題点がある。さらに、(ニ)および(ホ)の方法で得られるポリエチレンに関しては、粒子形状に問題があり、スラリー法プロセスで製造することはできなかった。
一方、オレフィンの重合によりポリオレフィンを製造する方法として、遷移金属化合物および有機金属化合物の組み合わせからなる触媒系を用いることはすでに知られている。また、カミンスキーらにより、メタロセンとメチルアルミノキサンを用いた触媒が、プロピレンを含むオレフィン系重合体を製造する際に、高い活性を示すことが開示されている(例えば、特許文献7参照。)。
しかしながら、特許文献7に開示されている触媒系は重合活性には優れるが、触媒系が反応系に可溶性であるために、溶液重合系を採用することが多く、製造プロセスが限定されるばかりか、工業的に有用な物性を示すポリマーを製造するためには、比較的高価なメチルアルミノキサンを大量に用いる必要がある。このため、これら触媒系を用いた場合、コスト的な問題やポリマー中に大量のアルミニウムが残存する問題等があった。
これに対して、有機カチオンでイオン交換した粘土化合物を助触媒とする触媒系が開示され(例えば、特許文献8〜12参照。)、スラリー法プロセスで、高い重合活性、モルフォロジーの良好なポリマーの製造が実現されている。特に特許文献11では2種類以上のメタロセン錯体を用いることで、広い分子量を持ち、加工性に優れたエチレン系重合体を得ているが、錯体の組み合わせついては記載されていない。さらに特許文献12では特定の錯体の組み合わせにより、成形加工性に優れるエチレン系重合体を得ているが、粘土を有機化合物で処理する際の有機化合物の量については記載されていない。
特開平2−53811号公報 特開平2−132109号公報 特開平10−182742号公報 米国特許第5,272,236号 特表平8−502303号公報 特表2001−511212号公報 特開昭58−19309号公報 特開平7−224106号公報 特開平10−324708号公報 特開平11−335408号公報 特開2005−206777号公報 特開2007−169341号公報
本発明は、上記のような従来技術の問題点を解決するためになされたものであり、スラリー重合に対するプロセス適性に優れ、モルフォロジーが良好な、LDPEの良成形加工性とHDPEおよびLLDPEの機械強度を併せ持つエチレン系重合体を製造することができる高活性な触媒およびその触媒を高収率で得る方法を提供するものである。
本発明は、上記の目的に対して鋭意検討した結果見出されたものである。すなわち、本発明は遷移金属化合物(A−1)及び(A−2)、未変性粘土100gあたり60mmol以上300mmol以下の有機化合物にて変性した有機変性粘土(B)及び有機アルミニウム化合物(C)からなるエチレン系重合体製造用触媒及びその触媒を用いて、エチレンおよび任意に炭素数3以上のオレフィンを重合し、1,000個炭素原子当たり0.01個以上3個以下の長鎖分岐を含有するエチレン系重合体の製造方法に関するものである。
以下、本発明について詳細に説明する。本発明の遷移金属化合物(A−1)としては、一般式(1)
Figure 0005504816
[式中、M1はチタン原子、ジルコニウム原子またはハフニウム原子であり、Xは各々独立して水素原子、ハロゲン原子または炭素数1〜20のアルキル基であり、R1およびR2は一般式(2)、(3)または(4)
Figure 0005504816
Figure 0005504816
Figure 0005504816
(式中、R4は各々独立して水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数1〜20のアルキルアミノ基または炭素数1〜20のアルキルシリル基である。)
で表されるM1に配位する配位子であり、R1とR2はM1と一緒にサンドイッチ構造を形成し、R3は一般式(5)または(6)
Figure 0005504816
Figure 0005504816
(式中、R5は各々独立して水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数1〜20のアルキルアミノ基または炭素数1〜20のアルキルシリル基であり、M2はケイ素原子、ゲルマニウム原子または錫原子である。)
で表され、R1とR2を架橋するように作用しており、nは1〜5の整数である。]
で示される。
また、本発明の遷移金属化合物(A−2)としては、一般式(7)
Figure 0005504816
[式中、M3はチタン原子、ジルコニウム原子またはハフニウム原子であり、Xは各々独立して水素原子、ハロゲン原子または炭素数1〜20の炭化水素基であり、R6およびR7はM3に配位する配位子であり、R6は各々独立して一般式(8)、(9)または(10)
Figure 0005504816
Figure 0005504816
Figure 0005504816
(式中、R9は各々独立して水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数1〜20のアルキルアミノ基または炭素数1〜20のアルキルシリル基である。)
で表され、R7は一般式(11)
Figure 0005504816
(式中、R9は各々独立して水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数1〜20のアルキルアミノ基または炭素数1〜20のアルキルシリル基である。)
で表され、R8は一般式(12)または(13)
Figure 0005504816
Figure 0005504816
(式中、R10は各々独立して水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数1〜20のアルキルアミノ基または炭素数1〜20のアルキルシリル基であり、M4はケイ素原子、ゲルマニウム原子または錫原子である。)
で表され、R6とR7を架橋するように作用しており、nは1〜5の整数である。]
で示される。
X、R4、R5、R9、R10の炭素数1〜20のアルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、iso−ブチル基、n−ブチル基、t−ブチル基、n−オクチル基、n−エイコシル基、フェニル基、ベンジル基、o−トルイル基、m−トルイル基、p−トルイル基を例示することができる。
R4、R5、R9、R10の炭素数1〜20のアルコキシ基としては、例えばメトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、iso−プロポキシ基、n−ブトキシ基、iso−ブトキシ基、t−ブトキシ基、n−オクトキシ基、n−エイコキシ基、n−フェノキシ基を2−メチルフェノキシ基、3−エチルフェノキシ基を例示することができる。
R4、R5、R9、R10の炭素数1〜20のアルキルアミノ基としては、例えばメチルアミノ基、ジメチルアミノ基、エチルアミノ基、メチルエチルアミノ基、n−プロピルアミノ基、ジ(n−プロピルアミノ基)、iso−プロピルアミノ基、ジ(iso−プロピルアミノ基)、n−ブチルアミノ基、ジ(n−ブチルアミノ基)、iso−ブチルアミノ基、ジ(iso−ブチルアミノ基)、t−ブチルアミノ基、ジ(t−ブチルアミノ基)、フェニルアミノ基、ジフェニルアミノ基、N,N−ジメチルアミノ−N−メチレン基を例示することができる。
R4、R5、R9、R10の炭素数1〜20のアルキルシリル基としては、例えばメチルシリル基、ジメチルシリル基、トリメチルシリル基、エチルシリル基、ジエチルシリル基、トリエチルシリル基、n−プロピルシリル基、iso−プロピルシリル基、ジ(n−プロピルシリル基)、ジ(iso−プロピルシリル基)、トリ(n−プロピルシリル基)、トリ(iso−プロピルシリル基)、n−ブチルシリル基、iso−ブチルシリル基、t−ブチルシリル基、ジ(n−ブチルシリル基)、ジ(iso−ブチルシリル基)、ジ(t−ブチルシリル基)、トリ(n−ブチルシリル基)、トリ(iso−プロピルシリル基)、トリ(t−ブチルシリル基)、フェニルシリル基、ジフェニルシリル基、トリフェニルシリル基、0−トルイルシリル基、m−トルイルシリル基、p−トルイルシリル基を例示することができる。
前記一般式(2)及び(8)で表される化合物としては、例えば、シクロペンタジエニル基、2−メチルシクロペンタジエニル基、2−エチルシクロペンタジエニル基、2,4−ジメチルシクロペンタジエニル基、2−フェニルインデニル基、2,4−ジエチルシクロペンタジエニル基、2−メトキシシクロペンタジエニル基、2−ジメチルアミノシクロペンタジエニル基、2−トリメチルシリルシクロペンタジエニル基を例示することができる。
前記一般式(3)及び(9)で表される化合物としては例えば、インデニル基、7−メチルインデニル基、7−エチルインデニル基、7−フェニルインデニル基、2,7−ジメチルインデニル基、2−メトキシ−7−メチルインデニル基、2−ジメチルアミノ−7−メチルインデニル基、2−トリメチルシリル−7−メチルインデニル基、4,7−ジメチルインデニル基、4−メトキシ−7−メチルインデニル基を例示することができる。
前記一般式(4)及び(10)で表される化合物としては、例えば、テトラヒドロインデニル基、7−メチルテトラヒドロインデニル基、7−エチルテトラヒドロインデニル基、7−フェニルテトラヒドロインデニル基、2,7−ジメチルテトラヒドロインデニル基、2−ジメチルアミノ−7−メチルテトラヒドロインデニル基、2−トリメチルシリル−7−テトラヒドロインデニル基、4,5,6,7−テトラメチルテトラヒドロインデニル基を例示することができる。
前記一般式(5)及び(12)で表される化合物としては、例えば、メチレン基、イソプロピリデン基、イソブチレン基、ジェフェニルメチレン基、ジクロロメチレン基、ジブロモメチレン基、ジヨードメチレン基を例示できる。
前記一般式(6)及び(13)で表される化合物としては、例えば、ジメチルシリレン基、ジメチルゲルマニウム、ジメチル錫、ジエチルシリレン基、ジエチルゲルマニウム、ジエチル錫、ジフェニルシリレン基、ジフェニルゲルマニウム、ジフェニル錫を例示できる。
前記一般式(1)で表される化合物としては、例えば、メチレンビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、イソプロピリデンビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、(メチル)(フェニル)メチレンビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレンビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、エチレンビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、メチレンビス(メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、イソプロピリデンビス(メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、(メチル)(フェニル)メチレンビス(メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレンビス(メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、エチレンビス(メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、メチレン(シクロペンタジエニル)(メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、イソプロピリデン(シクロペンタジエニル)(メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、(メチル)(フェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル)(メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、エチレン(シクロペンタジエニル)(メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、メチレンビス(2,4−ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、イソプロピリデンビス(2,4−ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、(メチル)(フェニル)メチレンビス(2,4−ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレンビス(2,4−ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、エチレンビス(2,4−ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、メチレン(シクロペンタジエニル)(インデニル)ジルコニウムジクロリド、イソプロピリデン(シクロペンタジエニル)(インデニル)ジルコニウムジクロリド、(メチル)(フェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(インデニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル)(インデニル)ジルコニウムジクロリド、エチレン(シクロペンタジエニル)(インデニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシランジイルビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジエチルシランジイルビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジ(n−プロピル)シランジイルビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジイソプロピルシランジイルビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジシクロヘキシルシランジイルビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルシランジイルビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジ(p−トリル)シランジイルビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジビニルシランジイルビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジアリルシランジイルビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、(メチル)(ビニル)シランジイルビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、(アリル)(メチル)シランジイルビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、(エチル)(メチル)シランジイルビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、(メチル)(n−プロピル)シランジイルビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、(メチル)(イソプロピル)シランジイルビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、(シクロヘキシル)(メチル)ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、(メチル)(フェニル)シランジイルビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシランジイルビス(メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジエチルシランジイルビス(メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジ(n−プロピル)シランジイルビス(メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジイソプロピルシランジイルビス(メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジシクロヘキシルシランジイルビス(メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルシランジイルビス(メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、(エチル)(メチル)シランジイルビス(メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、(メチル)(n−プロピル)シランジイルビス(メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、(メチル)(イソプロピル)シランジイルビス(メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、(シクロヘキシル)(メチル)ビス(メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、(メチル)(フェニル)シランジイルビス(メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシランジイル(シクロペンタジエニル)(メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジエチルシランジイル(シクロペンタジエニル)(メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジ(n−プロピル)シランジイル(シクロペンタジエニル)(メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジイソプロピルシランジイル(シクロペンタジエニル)(メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジシクロヘキシルシランジイル(シクロペンタジエニル)(メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルシランジイル(シクロペンタジエニル)(メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、(エチル)(メチル)シランジイル(シクロペンタジエニル)(メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、(メチル)(n−プロピル)シランジイル(シクロペンタジエニル)(メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、(メチル)(イソプロピル)シランジイル(シクロペンタジエニル)(メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、(シクロヘキシル)(メチル)(シクロペンタジエニル)(メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、(メチル)(フェニル)シランジイル(シクロペンタジエニル)(メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシランジイルビス(2,4−ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジエチルシランジイルビス(2,4−ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジ(n−プロピル)シランジイルビス(2,4−ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジイソプロピルシランジイルビス(2,4−ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジシクロヘキシルシランジイルビス(2,4−ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルシランジイルビス(2,4−ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、(エチル)(メチル)シランジイルビス(2,4−ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、(メチル)(n−プロピル)シランジイルビス(2,4−ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、(メチル)(イソプロピル)シランジイルビス(2,4−ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、(シクロヘキシル)(メチル)ビス(2,4−ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、(メチル)(フェニル)シランジイルビス(2,4−ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシランジイル(シクロペンタジエニル)(インデニル)ジルコニウムジクロリド、ジエチルシランジイル(シクロペンタジエニル)(インデニル)ジルコニウムジクロリド、ジ(n−プロピル)シランジイル(シクロペンタジエニル)(インデニル)ジルコニウムジクロリド、ジイソプロピルシランジイル(シクロペンタジエニル)(インデニル)ジルコニウムジクロリド、ジシクロヘキシルシランジイル(シクロペンタジエニル)(インデニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルシランジイル(シクロペンタジエニル)(インデニル)ジルコニウムジクロリド、(エチル)(メチル)シランジイル(シクロペンタジエニル)(インデニル)ジルコニウムジクロリド、(メチル)(n−プロピル)シランジイル(シクロペンタジエニル)(インデニル)ジルコニウムジクロリド、(メチル)(イソプロピル)シランジイル(シクロペンタジエニル)(インデニル)ジルコニウムジクロリド、(シクロヘキシル)(メチル)シランジイル(シクロペンタジエニル)(インデニル)ジルコニウムジクロリド、(メチル)(フェニル)シランジイル(シクロペンタジエニル)(インデニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレン(1−シクロペンタジエニル)(1−インデニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレン(1−シクロペンタジエニル)(4,7−ジメチル−1−インデニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレン(1−シクロペンタジエニル)(2,4,7−トリメチル−1−インデニル)ジルコニウムジクロリドのジクロリドおよび上記遷移金属化合物のジメチル体、ジエチル体、ジヒドロ体、ジフェニル体、ジベンジル体を例示することができる。また上記遷移金属化合物のジルコニウム原子をチタン原子またはハフニウム原子に置換した化合物も例示することもできる。
前記一般式(11)で表される化合物としては、例えば、9−フルオレニル基、2,7−ジメチル−9−フルオレニル基、2,7−t−ブチル9−フルオレニル基、2,−7−ジフェニル−9−フルオレニル基を例示することができる。
前記一般式(7)で表される化合物としては、例えば、ジフェニルメチレン(1−シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2−トリメチルシリル−1−シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジメチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、イソプロピリデン(1−シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、イソプロピリデン(1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルシランジイル(1−シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシランジイル(1−シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(1−インデニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2−フェニル−1−インデニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2−フェニル−1−インデニル)(2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド等のジクロリドおよび上記遷移金属化合物のジメチル体、ジエチル体、ジヒドロ体、ジフェニル体、ジベンジル体を例示することができる。また上記遷移金属化合物のジルコニウム原子をチタン原子またはハフニウム原子に置換した化合物も例示することもできる。
本発明において、遷移金属化合物(A−1)は主に末端にビニル基を有するポリエチレン(以下、マクロマーと呼称する)を合成し、遷移金属化合物(A−2)はエチレンとマクロマーを共重合して、長鎖分岐を有するエチレン系重合体を合成する。したがって(A−1)同士、(A−2)同士、(A−1)とその他の遷移金属化合物、(A−2)とその他の遷移金属化合物といった組み合わせでは長鎖分岐を有するエチレン系重合体を製造することができず、本発明の触媒によって得られるエチレン系重合体よりも加工性に劣る。
遷移金属化合物(A−1)と(A−2)の比率は特に限定されないが、生成したマクロマーが効率よくエチレンと共重合するために、(A−1)/(A−2)=50/50〜99.9/0.1であることが好ましい。
本発明の有機変性粘土(B)は未変性粘土100gあたり120mmol以上300mmol以下の一般式(14)
Figure 0005504816
(式中、R11〜R13は各々独立して炭素数1〜30のアルキル基、炭素数1〜30のアルコキシ基、炭素数1〜30のアルキルアミノ基、炭素数1〜30のアルキルシリル基であり、かつR11〜R13に含まれる総炭素数が21以上24以下であり、M5は周期表第15族の原子であり、[A]はアニオンである。具体的にはR11〜R13としてメチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、iso−ブチル基、t−ブチル基、n−オクチル基、n−デシル基、オレイル基、オクタデシル基、ベヘニル基を例示することができ、また、Aとしては、例えば、塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオン、硫酸イオン、硝酸イオン、酢酸イオン、炭酸イオンを例示することができる。)
または未変性粘土100gあたり60mmol以上300mmol以下の一般式(15)
Figure 0005504816
(式中、R14〜R16は各々独立して炭素数1〜30のアルキル基、炭素数1〜30のアルコキシ基、炭素数1〜30のアルキルアミノ基、炭素数1〜30のアルキルシリル基であり、かつR14〜R16に含まれる総炭素数が25以上であり、M6は周期表第15族の原子であり、[A]はアニオンである。具体的にはR14〜R16としてメチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、iso−ブチル基、t−ブチル基、n−オクチル基、n−デシル基、オレイル基、オクタデシル基、ベヘニル基を例示することができ、また、Aとしては、例えば、塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオン、硫酸イオン、硝酸イオン、酢酸イオン、炭酸イオンを例示することができる。)
で表される有機化合物にて変性した粘土である。ここで変性とは、未変性粘土中に存在するイオン交換性カチオンと有機化合物を構成する有機カチオンとのイオン交換および粘土の層間や層表面への有機化合物の吸着のことをいう。単位質量当たりの粘土の交換性イオンの量は、陽イオン交換容量(CEC)あるいは陰イオン交換容量(AEC)と呼ばれ、粘土100gあたりのミリ当量数(meq)で表される。CECは粘土の種類によって異なるが、通常3〜150meq/100gである。しかし、アルキルアンモニウム等の一部の有機化合物はCEC以上に担持されることもあり、KohらはセチルピリジニウムがスメクタイトのCECの2倍担持されることを報告している。(Clay Science 13, 167−180(2008))。
また、未変性粘土を有機化合物で変性させる際、一般式(14)で表される有機化合物の量が60mmol未満または一般式(15)で表される有機化合物の量が120mmol未満であると触媒は十分な活性を発現することができず、いずれの有機化合物とも300mmolを超えると有機変性粘土に担持されている有機化合物の一部が触媒調製の工程において溶媒中に遊離するため、触媒の収率が低下する。
一般式(14)または(15)で表される有機化合物は単独で用いても、2種類以上を混合しても良く、さらに、一般式(14)と(15)で表される有機化合物を同時に用いても良い。一般式(14)と(15)で表される有機化合物を同時に用いる場合、有機化合物の総量は、両者の特性を十分引き出すため、未変性粘土100gあたり120mmol以上300mmol未満であることが好ましい。一般式(14)または(15)で表される化合物を2種類以上用いることで分子量分布に広がりが生じ、より加工性に優れたエチレン系重合体を得ることも可能となる。
一般式(14)で表される有機化合物としては、例えば、ヘンイコシルアミン塩酸塩、ドコシルアミン塩酸塩、トリコシルアミン塩酸塩、テトラコシルアミン塩酸塩、ジメチルベヘニルアミン塩酸塩、エチルメチルヘンイコシルアミン塩酸塩等、メチルエイコシルアミン塩酸塩、メチルベヘニルアミン塩酸塩、エチルノナデシルアミン塩酸塩、エチルエイコシルアミン塩酸塩、プロピルオクタデシルアミン塩酸塩、プロピルエイコシルアミン塩酸塩、ジメチルノナデシルアミン塩酸塩、ジメチルエイコシルアミン塩酸塩、トリヘプチルアミン塩酸塩、トリオクチルアミン塩酸塩等を例示でき、一般式(15)で表される有機化合物としてはペンタコシルアミン塩酸塩、ヘキサコシル塩酸塩、トリアコンチルアミン塩酸塩、テトラコンチルアミン塩酸塩、ジオレイルメチルアミン塩酸塩、ジオクタデシルメチルアミン塩酸塩、トリデシルアミン塩酸塩等を例示することができる。また、上記塩酸塩を硫酸塩、硝酸塩、酢酸塩、炭酸塩に置換した化合物も例示することもできる。これらの有機化合物はアミンと酸を反応させておいたものを用いても、反応系中にアミンと酸を必要量加えてin−situで合成したものを用いても良い。
本発明において、未変性粘土は粘土鉱物、酸性白土及び/または活性粘土であることが好ましい。粘土鉱物にはカオリナイト、タルク、スメクタイト、バーミキュライト、雲母、脆雲母、縁泥石等があるが、入手のしやすさと変性の容易さからスメクタイトが好ましく、スメクタイトのなかでもヘクトライトまたはモンモリロナイトがさらに好ましい。また、未変性粘土は予め加熱及び/または減圧乾燥して水分を除去することが好ましい。
未変性粘土を有機化合物により変性して有機変性粘土とする際には、未変性粘土と有機化合物を溶媒中で混合させて行うことが好ましい。粘土を変性する際に用いる溶媒としては水、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、アセトン、テトラヒドロフラン、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、塩化メチレン等の極性溶媒またはこれらの混合溶媒が好ましい。また、変性反応時の温度は特に制限されないが、操作の容易性から10〜80℃が好ましい。
本発明で用いる有機変性粘土(B)の粒径は特に制限されるものではないが、小さすぎると沈降しづらく触媒調製を効率よく行えなくなり、大きすぎると触媒をスラリーで移送する際に途中の配管に詰まったりするため、1〜100μmであることが好ましい。粒径を調節する方法も特に制限されず、大きな粒子を粉砕して適切な粒径にしても、小さな粒子を造粒して適切な粒径にしても良く、あるいは粉砕と造粒を組み合わせても良い。また、粒径の調節は未変性の粘土に行っても、変性後の有機変性粘土に行っても良い。
粉砕や造粒の方法も特に制限されず、粉砕ならばインパクトミル、回転ミル、カスケードミル、カッターミル、ケージミル、衝撃式粉砕機、コニカルミル、コロイドミル、コンパウンドミル、ジェットミル、振動ミル、スタンプミル、チューブミル、ディスクミル、タワーミル、媒体攪拌ミル、ハンマーミル、ピンミル、フレットミル、ペブルミル、ボールミル、摩砕機、遊星ミル、リングボールミル、リングロールミル、ロッドミル、ローラーミル、ロールクラッシャー等を、造粒としては転動造粒、流動層造粒、攪拌造粒、圧縮造粒、押出造粒、破砕造粒、溶融造粒、噴霧造粒等いずれの方法を用いてもよい。
本発明で用いる有機アルミニウム化合物(C)は一般式(16)
Figure 0005504816
(式中、R17は炭素数1〜20の炭化水素基であり、R18は各々独立して炭素数1〜20の炭化水素基、水素原子または塩素原子である。)
で表されるものが好ましい。
一般式(16)で表される有機アルミニウムは例えば、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリ(n−オクチル)アルミニウム、ジメチルアルミニウムクロライド、ジエチルアルミニウムクロライド、ジイソブチルアルミニウムクロライドを例示することができる。
本発明において遷移金属化合物(A−1)および(A−2)、有機変性粘土(B)及び有機アルミニウム化合物(C)の接触方法は特に限定されず、任意の2成分を接触後、残りの2成分を接触させても、任意の三成分を接触後、残りの一成分を接触させても、四成分を同時に接触させても良い。さらに、本発明の触媒を構成する四成分の使用量、使用量の比も特に制限されないが、遷移金属化合物(A−1およびA−2)が反応するのに十分な有機変性粘土(B)および有機アルミニウム化合物を加えることが好ましい。これら四成分を接触させる時に用いる溶媒は各成分と反応しない溶媒であれば特に制限はなく、ペンタン、ヘキサン、n−オクタン及びn−デカン等の脂肪族炭化水素あるいはベンゼン、トルエン及びキシレン等の芳香族炭化水素等が用いられる。また、四成分接触時の温度は特に制限はないが、−50から100℃の範囲で行うことが好ましい。
本発明は前記エチレン系重合体製造用触媒を用いて、エチレンおよび任意に炭素数3以上のオレフィンを重合することができる。
本発明の重合反応に用いられる炭素数3以上のオレフィンはプロピレン、1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン等のα−オレフィン、ブタジエン、1,4−ヘキサジエン等の共役および非共役ジエン、スチレン、シクロブテン等の環状オレフィン等を例示できる。これらの成分のうち2種以上の混合成分を重合することもできる。また、本発明のオレフィン重合は液相でも気相でも行うことができる。このうち重合を液相で行う場合の溶媒としては、一般に用いられる有機溶剤であればいずれでもよく、具体的にはベンゼン、トルエン、キシレン、ペンタン、ヘキサン、塩化メチレン等、またはオレフィンそれ自身を溶媒として行うこともできる。この溶媒には不純物等の影響を低減するため、あらかじめ上述の有機アルミニウム化合物(C)の一部を加えておいても良い。さらに、重合温度は特に制限はないが、−100℃から300℃の範囲で行うことが好ましい。
本発明で製造されるポリエチレンの長鎖分岐数は、13C−NMR測定で検出されるヘキシル基以上の分岐の数であり、1,000個の炭素原子当たり0.01個以上3個以下であり、良好な加工性をたもつために好ましくは0.01個以上1個以下であり、さらに好ましくは0.01個以上0.1個以下である。
本発明で製造されるエチレン系重合体の密度、分子量およびMI(メルトインデックス)は特に限定されないが、ワックスの発生量を抑制し、製造したエチレン系重合体の粉末が反応器に付着しないようにする等、スラリー重合のプロセスで効率よく製造するため、密度は890kg/m3以上980kg/m3以下、分子量は重量平均分子量で30,000以上10,000,000以下、MIは0.001以上300以下であることが好ましい。
加工性に優れる、長鎖分岐を有するエチレン系重合体を製造できる高活性な触媒を高収率で得ることができる。
以下実施例によって本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、断りのない限り用いた試薬等は市販品を用いた。
変性粘土の粉砕にはジェットミル((株)セイシン企業製、商品名:CO−JET SYSTEM α MARK III)を用い、粉砕後の平均粒径は粒度分布測定装置(日機装株式会社製、商品名:マイクロトラックMT3000)を用いてエタノールを分散剤として測定した。
遷移金属化合物(A)の調製、エチレン系重合体製造用触媒の調製、エチレン系重合体の製造および溶媒精製は全て不活性ガス雰囲気下で行った。トリイソブチルアルミニウムのヘキサン溶液(20wt%)、トリエチルアルミニウムのヘキサン溶液(20wt%)は東ソーファインケム(株)製を用いた。ヘクトライト(Rockwood Additives社製、商品名:ラポナイトRD)は予め120℃で24時間乾燥させておいたものを用いた。
さらに、実施例におけるエチレン系重合体の諸物性は、以下に示す方法により測定した。
重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)および重量平均分子量と数平均分子量の比(Mw/Mn)は、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)(東ソー(株)製、商品名: HLC−8121GPC/HT)を用い、カラムは(東ソー(株)製、商品名:TSKgel GMHhr−H(20)HT)温度を140℃に設定し、溶離液として1,2,4−トリクロロベンゼンを用いて測定した。測定試料は1.0mg/mlの濃度で調製し、0.3ml注入して測定した。分子量の検量線は、分子量既知のポリスチレン試料を用いて校正した。なお、MwおよびMnは直鎖状ポリエチレン換算の値として求めた。
MIは、ASTM D1238条件Eに準ずる方法にて測定を行った。
密度は、JIS K6760(1995)に準拠して密度勾配管法で測定した。
溶融張力(MS160)および流動の活性化エネルギー(E)の測定に用いたエチレン系重合体は、予め2種類の耐熱安定剤(チバスペシャリティケミカルズ社製、商品名:イルガノックス1010およびイルガフォス168)1,500ppmずつ添加したものを、インターナルミキサー(東洋精機製作所製、商品名:ラボプラストミル)を用いて、窒素気流下、190℃、回転数30rpmで30分間混練したものを用いた。
長鎖分岐数は、日本電子(株)製 JNM−GSX400型核磁気共鳴装置を用いて、13C−NMRによってヘキシル基以上の分岐数を測定した。溶媒はベンゼン−d6/オルトジクロロベンゼン(体積比30/70)である。主鎖メチレン炭素(化学シフト:30ppm)1,000個当たりの個数として、α−炭素(34.6ppm)およびβ−炭素(27.3ppm)のピークの平均値から求めた。
実施例1
(1)粘土の変性
1Lのビーカーに工業用アルコール(日本アルコール販売社製・商品名:エキネンF−3)300mL及び水200mLを入れ、濃塩酸6.4mL及びメチルジオレイルアミン(ライオン株式会社製・商品名:アーミンM2O)31.9g(60mmol)を添加し、60℃に加熱してヘクトライトを100g分散させて60℃を保持したまま1時間攪拌した。このスラリーを濾別後、60℃の水300mLで2回洗浄し、85℃の乾燥機で2日乾燥させることで125.0gの有機変性粘土を得た。この有機変性粘土はジェットミル粉砕して、メジアン径を15μmとした。
(2)触媒の調製
300mLのフラスコに(1)で得られた有機変性粘土25.0gとヘキサンを121mL入れ、次いでジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(2,4,7−トリメチルインデニル)ジルコニウムジクロリドを396.5mg、ジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル)(フルオレニル)ジルコニウムジクロリド55.7mg、20%トリエチルアルミニウムを43.4mL及び20%トリイソブチルアルミニウム71.0mLを添加して60℃で3時間攪拌した。45℃まで冷却後に上澄み液を抜き取り、192mLのヘキサンにて5回洗浄後、フラスコ内を窒素流通により触媒を乾固させて重量を測定したところ、23.8g(収率95%)であった。
(3)重合
2Lのオートクレーブにヘキサンを1.2L、20%トリイソブチルアルミニウムを1.0mL、(2)で得られた触媒を28.7mg加え、70℃に昇温後、1−ブテンを17.6g加え、分圧が0.8MPaになるようにエチレンを連続的に供給した。90分経過後に脱圧し、スラリーを濾別後、乾燥することで93.4gのポリマーを得た(活性:3,250g/g触媒)。このポリマーのMIは2.52g/10分、重量平均分子量は120,000、密度は926.5kg/m3、溶融張力は69mN、長鎖分岐数は0.06個/1000Cであった。
実施例2
濃塩酸を8.0mL及びメチルジオレイルアミンを39.9g(75mmol)用いた以外の実施例1の(1)と同様にしてメジアン径15μmの有機変性粘土を133.0g得た。さらにこの有機変性粘土25.0g、ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(2,4,7−トリメチルインデニル)ジルコニウムジクロリドを418.5mg、ジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル)(フルオレニル)ジルコニウムジクロリド27.8mgを用いた以外、実施例1の(2)と同様にして触媒22.5g(収率90%)を得た。
この触媒を21.5mg用いた以外、実施例1の(3)と同様にして重合を実施したところ、103.7gのポリマーを得た(活性:4,820g/g触媒)。このポリマーのMIは20.0g/10分、重量平均分子量は58,000、密度は930.9kg/m3、溶融張力は15mN、長鎖分岐数は0.06個/1000Cであった。
実施例3
濃塩酸を10.6mL及びメチルジオレイルアミンを53.2g(100mmol)用いた以外の実施例1の(1)と同様にしてメジアン径15μmの有機変性粘土を145.5g得た。さらにこの有機変性粘土25.0gを用いた以外、実施例1の(2)と同様にして触媒22.5g(収率90%)を得た。
この触媒を17.7mg用いた以外、実施例1の(3)と同様にして重合を実施したところ、113.6gのポリマーを得た(活性:6,420g/g触媒)。このポリマーのMIは10.6g/10分、重量平均分子量は75,000、密度は930.2kg/m3、溶融張力は23mN、長鎖分岐数は0.05個/1000Cであった。
比較例1
濃塩酸を4.8mL及びメチルジオレイルアミンを23.9g(45mmol)用いた以外の実施例1の(1)と同様にしてメジアン径15μmの有機変性粘土を117.0g得た。さらにこの有機変性粘土を用いて実施例1の(2)と同様にして触媒24.3g(収率97%)を得た。
この触媒を27.3mg用いた以外、実施例1の(3)と同様にして重合を実施したところ、17.6gのポリマーを得た(活性:640g/g触媒)。このポリマーのMIは0.022g/10分、密度は920.0kg/m3、長鎖分岐数は0.05個/1000Cであった。
実施例4
(1)粘土の変性
1Lのビーカーに工業用アルコール)300mL及び水300mLを入れ、濃塩酸12.7mL及びジメチルベヘニルアミン(ライオン株式会社製・商品名:アーミンDM22D)42.4g(120mmol)を添加し、60℃に加熱してヘクトライトを100g分散させて60℃を保持したまま1時間攪拌した。このスラリーを濾別後、60℃の水300mLで2回洗浄し、85℃の乾燥機で2日乾燥させることで135.1gの有機変性粘土を得た。この有機変性粘土はジェットミル粉砕して、メジアン径を20μmとした。
(2)触媒の調製
300mLのフラスコに(1)で得られた有機変性粘土25.0gとヘキサンを99mL入れ、次いでジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(2,4,7−トリメチルインデニル)ジルコニウムジクロリドを418.5mg、ジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル)(フルオレニル)ジルコニウムジクロリド27.8mg、20%トリイソブチルアルミニウム142mLを添加して60℃で3時間攪拌した。45℃まで冷却後に上澄み液を抜き取り、192mLのヘキサンにて5回洗浄後、フラスコ内を窒素流通により触媒を乾固させて重量を測定したところ、21.3g(収率85%)であった。
(3)重合
2Lのオートクレーブにヘキサンを1.2L、20%トリイソブチルアルミニウムを1.0mL、(2)で得られた触媒を5.5mg加え、70℃に昇温後、1−ブテンを17.6g加え、分圧が0.8MPaになるように水素濃度が510ppmのエチレンを連続的に供給した。90分経過後に脱圧し、スラリーを濾別後、乾燥することで56.5gのポリマーを得た(活性:10,300g/g触媒)。このポリマーのMIは1.07g/10分、重量平均分子量は120,000、密度は924.9kg/m3、長鎖分岐数は0.05個/1000Cであった。
実施例5
濃塩酸を14.8mL及びジメチルベヘニルアミンを49.5g(140mmol)用いた以外の実施例4の(1)と同様にしてメジアン径20μmの有機変性粘土を144.2g得た。さらにこの有機変性粘土25.0gを用いて実施例4の(2)と同様にして触媒20.0g(収率80%)を得た。
この触媒を5.9mg用いたこと及びエチレン中の水素濃度が580ppmであること以外、実施例4の(3)と同様にして重合を実施したところ、73.8gのポリマーを得た(活性:12,500g/g触媒)。このポリマーのMIは5.39g/10分、重量平均分子量は96,000、密度は928.4kg/m3、溶融張力は56mN、長鎖分岐数は0.07個/1000Cであった。
実施例6
濃塩酸を19.1mL及びジメチルベヘニルアミンを63.7g(180mmol)用いた以外の実施例4の(1)と同様にしてメジアン径20μmの有機変性粘土を153.7g得た。さらにこの有機変性粘土25.0gを用いて実施例4の(2)と同様にして触媒21.0g(収率84%)を得た。
この触媒を8.7mg用いたこと及びエチレン中の水素濃度が580ppmであること以外、実施例4の(3)と同様にして重合を実施したところ、77.7gのポリマーを得た(活性:8,930g/g触媒)。このポリマーのMIは5.05g/10分、重量平均分子量は96,000、密度は927.9kg/m3、溶融張力は55mN、長鎖分岐数は0.06個/1000Cであった。
実施例7
(1)粘土の変性
濃塩酸を26.5mL及びジメチルベヘニルアミンを88.4g(250mmol)用いた以外の実施例4の(1)と同様にしてメジアン径20μmの有機変性粘土を163.9g得た。
(2)触媒の調製
300mLのフラスコに(1)で得られた有機変性粘土25.0gとヘキサンを133mL入れ、次いでジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(2,4,7−トリメチルインデニル)ジルコニウムジクロリドを418.5mg、ジメチルメチレン(シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド27.2mg、20%トリイソブチルアルミニウム142mLを添加して60℃で3時間攪拌した。45℃まで冷却後に上澄み液を抜き取り、192mLのヘキサンにて5回洗浄後、フラスコ内を窒素流通により触媒を乾固させて重量を測定したところ、19.2g(収率77%)であった。
(3)重合
2Lのオートクレーブにヘキサンを1.2L、20%トリイソブチルアルミニウムを1.0mL、(2)で得られた触媒を7.9mg加え、70℃に昇温後、1−ブテンを17.6g加え、分圧が0.8MPaになるように水素濃度が1,510ppmのエチレンを連続的に供給した。90分経過後に脱圧し、スラリーを濾別後、乾燥することで66.1gのポリマーを得た(活性:8,370g/g触媒)。このポリマーのMIは9.23g/10分、重量平均分子量は62,000、密度は932.0kg/m3、長鎖分岐数は0.05個/1000Cであった。
比較例2
濃塩酸を5.8mL及びジメチルベヘニルアミンを19.5g(55mmol)用いた以外の実施例4の(1)と同様にしてメジアン径20μmの有機変性粘土を114.7g得た。さらにこの有機変性粘土25.0gを用いて実施例4の(2)と同様にして触媒23.9g(収率96%)を得た。
この触媒を18.0mg用いたこと及びエチレン中の水素濃度が1,350ppmであること以外、実施例4の(3)と同様にして重合を実施したが、ポリマーは得られなかった。
比較例3
濃塩酸を42.4mL及びジメチルベヘニルアミンを141.5g(400mmol)用いた以外の実施例4の(1)と同様にしてメジアン径20μmの有機変性粘土を182.2g得た。さらにこの有機変性粘土25.0gを用いて実施例4の(2)と同様にして触媒16.7g(収率67%)を得た。
この触媒を12.6mg用いたこと及びエチレン中の水素濃度が1,480ppmであること以外、実施例4の(3)と同様にして重合を実施したところ、88.5gのポリマ
ーを得た(活性:7,020g/g触媒)。このポリマーのMIは18.4g/10分、重量平均分子量は74,000、密度は932.4kg/m3、長鎖分岐数は0.05個/1000Cであった。
比較例4
(1)触媒の調製
ジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル)(フルオレニル)ジルコニウムジクロリドを用いなかった以外実施例4の(2)と同様にして触媒調製を行ったところ、21.7g(収率87%)の固体触媒を得た。
(2)重合
2Lのオートクレーブにヘキサンを1.2L、20%トリイソブチルアルミニウムを1.0mL、(1)で得られた触媒を13.4mg加え、65℃に昇温後、1−ブテンを17.3g加え、分圧が0.75MPaになるように水素濃度が950ppmのエチレンを連続的に供給した。90分経過後に脱圧し、スラリーを濾別後、乾燥することで62.0gのポリマーを得た(活性:4,630g/g触媒)。このポリマーのMIは1.48g/10分、溶融張力は58mN、長鎖分岐数は0.005個/1000Cであった。
実施例8
(1)粘土の変性
1Lのビーカーに工業用アルコール300mL及び水300mLを入れ、濃塩酸12.7mL、メチルジオレイルアミン47.9g(90mmol)及びジメチルベヘニルアミン10.6g(30mmol)を添加し、60℃に加熱してヘクトライトを100g分散させて60℃を保持したまま1時間攪拌した。このスラリーを濾別後、60℃の水300mLで2回洗浄し、85℃の乾燥機で2日乾燥させることで141.7gの有機変性粘土を得た。この有機変性粘土はジェットミル粉砕して、メジアン径を20μmとした。
(2)触媒の調製
300mLのフラスコに(1)で得られた有機変性粘土25.0gとヘキサンを133mL入れ、次いでジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(2,4,7−トリメチルインデニル)ジルコニウムジクロリドを431.8mg、ジメチルメチレン(シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド10.9mg、20%トリイソブチルアルミニウム142mLを添加して60℃で3時間攪拌した。45℃まで冷却後に上澄み液を抜き取り、192mLのヘキサンにて5回洗浄後、フラスコ内を窒素流通により触媒を乾固させて重量を測定したところ、20.8g(収率83%)であった。
(3)重合
2Lのオートクレーブにヘキサンを1.2L、20%トリイソブチルアルミニウムを1.0mL、(2)で得られた触媒を12.6mg加え、70℃に昇温後、1−ブテンを17.6g加え、分圧が0.8MPaになるように水素濃度が280ppmのエチレンを連続的に供給した。90分経過後に脱圧し、スラリーを濾別後、乾燥することで53.9gのポリマーを得た(活性:4,280g/g触媒)。このポリマーのMIは12.1g/10分、重量平均分子量は61,000、長鎖分岐数は0.07個/1000Cであった。
実施例9
濃塩酸を19.1mL、メチルジオレイルアミン23.9g(45mmol)及びジメチルベヘニルアミン47.7g(135mmol)用いた以外の実施例4の(1)と同様にしてメジアン径20μmの有機変性粘土を162.7g得た。さらにこの有機変性粘土25.0gを用いて実施例4の(2)と同様にして触媒19.7g(収率79%)を得た。
この触媒を8.6mg用いたこと及びエチレン中の水素濃度が1,050ppmであること以外、実施例8の(3)と同様にして重合を実施したところ、61.1gのポリマーを得た(活性:7,100g/g触媒)。このポリマーのMIは15.4g/10分、重量平均分子量は55,000、長鎖分岐数は0.08個/1000Cであった。
実施例10
(1)粘土の変性
1Lのビーカーに工業用アルコール300mL及び水300mLを入れ、濃塩酸12.7mL及びトリオクチルアミン(花王ケミカル社製、商品名:ファーミンT−08)42.4g(120mmol)を添加し、60℃に加熱してヘクトライトを100g分散させて60℃を保持したまま1時間攪拌した。このスラリーを濾別後、60℃の水300mLで2回洗浄し、85℃の乾燥機で2日乾燥させることで140.5gの有機変性粘土を得た。この有機変性粘土はジェットミル粉砕して、メジアン径を20μmとした。
(2)触媒の調製
300mLのフラスコに(1)で得られた有機変性粘土25.0gとヘキサンを133mL入れ、次いでジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(2,4,7−トリメチルインデニル)ジルコニウムジクロリドを418.5mg、ジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル)(フルオレニル)ジルコニウムジクロリド27.8mg、20%トリイソブチルアルミニウム142mLを添加して60℃で3時間攪拌した。45℃まで冷却後に上澄み液を抜き取り、192mLのヘキサンにて5回洗浄後、フラスコ内を窒素流通により触媒を乾固させて重量を測定したところ、21.0g(収率84%)であった。
(3)重合
2Lのオートクレーブにヘキサンを1.2L、20%トリイソブチルアルミニウムを1.0mL、(2)で得られた触媒を8.7mg加え、70℃に昇温後、1−ブテンを17.6g加え、分圧が0.8MPaになるように水素濃度が1,510ppmのエチレンを連続的に供給した。90分経過後に脱圧し、スラリーを濾別後、乾燥することで42.0gのポリマーを得た(活性:4,830g/g触媒)。このポリマーのMIは0.16g/10分、長鎖分岐数は0.04個/1000Cであった。
比較例5
(1)粘土の変性
1Lのビーカーに工業用アルコール300mL及び水300mLを入れ、濃塩酸8.0mL及びジメチルオクタデシルアミン(ライオン株式会社製・商品名:アーミンDM18D)22.3g(75mmol)を添加し、60℃に加熱してヘクトライトを100g分散させて60℃を保持したまま1時間攪拌した。このスラリーを濾別後、60℃の水300mLで2回洗浄し、85℃の乾燥機で2日乾燥させることで113.8gの有機変性粘土を得た。この有機変性粘土はジェットミル粉砕して、メジアン径を20μmとした。
(2)触媒の調製
300mLのフラスコに(1)で得られた有機変性粘土25.0gとヘキサンを133mL入れ、次いでジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(2,4,7−トリメチルインデニル)ジルコニウムジクロリドを418.5mg、ジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル)(フルオレニル)ジルコニウムジクロリド27.8mg、20%トリイソブチルアルミニウム142mLを添加して60℃で3時間攪拌した。45℃まで冷却後に上澄み液を抜き取り、192mLのヘキサンにて5回洗浄後、フラスコ内を窒素流通により触媒を乾固させて重量を測定したところ、22.2g(収率89%)であった。
(3)重合
2Lのオートクレーブにヘキサンを1.2L、20%トリイソブチルアルミニウムを1.0mL、(2)で得られた触媒を20.1mg加え、70℃に昇温後、1−ブテンを17.6g加え、分圧が0.8MPaになるようにエチレンを連続的に供給したが、90分経過後にポリマーは得られなかった。
比較例6
(1)粘土の変性
1Lのビーカーに工業用アルコール300mL及び水300mLを入れ、濃塩酸10.6mL及びオクチルアミン(和光純薬社製)12.9g(100mmol)を添加し、60℃に加熱してヘクトライトを100g分散させて60℃を保持したまま1時間攪拌した。このスラリーを濾別後、60℃の水300mLで2回洗浄し、85℃の乾燥機で2日乾燥させることで104.0gの有機変性粘土を得た。この有機変性粘土はジェットミル粉砕して、メジアン径を20μmとした。
(2)触媒の調製
300mLのフラスコに(1)で得られた有機変性粘土25.0gとヘキサンを133mL入れ、次いでジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(2,4,7−トリメチルインデニル)ジルコニウムジクロリドを418.5mg、ジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル)(フルオレニル)ジルコニウムジクロリド27.8mg、20%トリイソブチルアルミニウム142mLを添加して60℃で3時間攪拌した。45℃まで冷却後に上澄み液を抜き取り、192mLのヘキサンにて5回洗浄後、フラスコ内を窒素流通により触媒を乾固させて重量を測定したところ、21.8g(収率87%)であった。
(3)重合
2Lのオートクレーブにヘキサンを1.2L、20%トリイソブチルアルミニウムを1.0mL、(2)で得られた触媒を160.8mg加え、70℃に昇温後、1−ブテンを17.6g加え、分圧が0.8MPaになるようにエチレンを連続的に供給した。90分経過後に脱圧し、スラリーを濾別後、乾燥することで10.8gのポリマーを得た(活性:67g/g触媒)。このポリマーのMIは0.63g/10分であった。
実施例11
(1)触媒の調製
300mLのフラスコに実施例5の(1)で得られた有機変性粘土25.0gとヘキサンを169mL入れ、次いでジメチルシリレン(ジシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリドを320.6mg、ジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド53.5mg、20%トリエチルアルミニウム81mLを添加して60℃で3時間攪拌した。45℃まで冷却後に上澄み液を抜き取り、225mLのヘキサンにて5回洗浄後、フラスコ内を窒素流通により触媒を乾固させて重量を測定したところ、19.0g(収率76%)であった。
(3)重合
2Lのオートクレーブにヘキサンを1.2L、20%トリイソブチルアルミニウムを1.0mL、(2)で得られた触媒を23.4mg加え、85℃に昇温後、1−ブテンを2.4g加え、分圧が0.9MPaになるように水素濃度が900ppmのエチレンを連続的に供給した。90分経過後に脱圧し、スラリーを濾別後、乾燥することで110.4gのポリマーを得た(活性:4,720g/g触媒)。このポリマーのMIは0.099g/10分、溶融張力は659mN、長鎖分岐数は0.09個/1000Cであった。
実施例12
実施例3の(1)で得られた有機変性粘土を用いて、実施例11の(1)と同様にして触媒19.9g(収率80%)を得た。
この触媒を16.8mg用いたこと及びエチレン中の水素濃度が830ppmであること以外、実施例11の(2)と同様にして重合を実施したところ、88.0gのポリマーを得た(活性:5,240g/g触媒)。このポリマーのMIは0.985g/10分、溶融張力は893mN、長鎖分岐数は0.08個/1000Cであった。
比較例7
(1)粘土の変性
1Lのビーカーに工業用アルコール300mL及び水300mLを入れ、濃塩酸17.0mL及びジメチルオクタデシルアミン47.6g(160mmol)を添加し、60℃に加熱してヘクトライトを100g分散させて60℃を保持したまま1時間攪拌した。このスラリーを濾別後、60℃の水300mLで2回洗浄し、85℃の乾燥機で2日乾燥させることで132.9gの有機変性粘土を得た。この有機変性粘土はジェットミル粉砕して、メジアン径を20μmとした。
(2)触媒の調製
(1)で得られた有機変性粘土を用いた以外、実施例11の(1)と同様にして触媒を調製したところ、19.1g(収率76%)の触媒を得た。
(3)重合
(2)で得られた触媒を23.6mg用いた以外、実施例11の(2)と同様にして重合を実施したところ、55.3gのポリマーを得た(活性:2,340g/g触媒)。このポリマーのMIは0.33g/10分、溶融張力は474mN、長鎖分岐数は0.05個/1000Cであった。
比較例8
(1)触媒の調製
実施例3の(1)で得られた変性粘土を有機変性粘土2.5gとヘキサンを16.9mL入れ、次いでイソプロピリデン(シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリドを43.3mg、ジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド2.08mg、20%トリエチルアルミニウム8.1mLを添加して60℃で3時間攪拌した。45℃まで冷却後に上澄み液を抜き取り、22.5mLのヘキサンにて5回洗浄後、フラスコ内を窒素流通により触媒を乾固させて重量を測定したところ、2.2g(収率88%)であった。
(2)重合
2Lのオートクレーブにヘキサンを1.2L、20%トリイソブチルアルミニウムを1.0mL、(2)で得られた触媒を10.0mg加え、75℃に昇温後、1−ブテンを10.8g加え、分圧が1.2MPaになるように水素濃度が1,170ppmのエチレンを連続的に供給した。90分経過後に脱圧し、スラリーを濾別後、乾燥することで40.7gのポリマーを得た(活性:4,070g/g触媒)。このポリマーのMIは5.56g/10分、溶融張力は18mN、長鎖分岐は認められなかった。
実施例1,2,3,5,6及び比較例4,8におけるMIと溶融張力の関係を示したものである。 実施例11,12及び比較例7におけるMIと溶融張力の関係を示したものである。

Claims (5)

  1. 一般式(1)
    Figure 0005504816
    [式中、M1はチタン原子、ジルコニウム原子またはハフニウム原子であり、Xは各々独立して水素原子、ハロゲン原子または炭素数1〜20のアルキル基であり、R1およびR2は一般式(2)、(3)または(4)
    Figure 0005504816
    Figure 0005504816
    Figure 0005504816
    (式中、R4は各々独立して水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数1〜20のアルキルアミノ基または炭素数1〜20のアルキルシリル基である。)
    で表されるM1に配位する配位子であり、R1とR2はM1と一緒にサンドイッチ構造を形成し、R3は一般式(5)または(6)
    Figure 0005504816
    Figure 0005504816
    (式中、R5は各々独立して水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数1〜20のアルキルアミノ基または炭素数1〜20のアルキルシリル基であり、M2はケイ素原子、ゲルマニウム原子または錫原子である。)
    で表され、R1とR2を架橋するように作用しており、nは1〜5の整数である。]
    で表される遷移金属化合物(A−1)、一般式(7)
    Figure 0005504816
    [式中、M3はチタン原子、ジルコニウム原子またはハフニウム原子であり、Xは各々独立して水素原子、ハロゲン原子または炭素数1〜20の炭化水素基であり、R6およびR7はM3に配位する配位子であり、R6は各々独立して一般式(8)、(9)または(10)
    Figure 0005504816
    Figure 0005504816
    Figure 0005504816
    (式中、R9は各々独立して水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数1〜20のアルキルアミノ基または炭素数1〜20のアルキルシリル基である。)
    で表され、R7は一般式(11)
    Figure 0005504816
    (式中、R9は各々独立して水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数1〜20のアルキルアミノ基または炭素数1〜20のアルキルシリル基である。)
    で表され、R8は一般式(12)または(13)
    Figure 0005504816
    Figure 0005504816
    (式中、R10は各々独立して水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数1〜20のアルキルアミノ基または炭素数1〜20のアルキルシリル基であり、M4はケイ素原子、ゲルマニウム原子または錫原子である。)
    で表され、R6とR7を架橋するように作用しており、nは1〜5の整数である。
    表される遷移金属化合物(A−2)、未変性粘土100gあたり120mmol以上300mmol以下の一般式(14)
    Figure 0005504816
    (式中、R11〜R13は各々独立して炭素数1〜30のアルキル基、炭素数1〜30のアルコキシ基、炭素数1〜30のアルキルアミノ基、炭素数1〜30のアルキルシリル基であり、かつR11〜R13に含まれる総炭素数が21以上24以下であり、M5は周期表第15族の原子であり、[A]はアニオンである。)
    または未変性粘土100gあたり60mmol以上300mmol以下の一般式(15)
    Figure 0005504816
    (式中、R14〜R16は各々独立して炭素数1〜30のアルキル基、炭素数1〜30のアルコキシ基、炭素数1〜30のアルキルアミノ基、炭素数1〜30のアルキルシリル基であり、かつR14〜R16に含まれる総炭素数が25以上であり、M6は周期表第15族の原子であり、[A]はアニオンである。)
    で表される有機化合物にて変性した有機変性ヘクトライト(B)及び有機アルミニウム化合物(C)からなる、エチレン系重合体製造用触媒。
  2. 長鎖分岐が13C−NMR測定で検出されるヘキシル基以上の分岐であることを特徴とする請求項1に記載のエチレン系重合体製造用触媒。
  3. 有機アルミニウム化合物(C)が一般式(16)
    Figure 0005504816
    (式中、R17は炭素数1〜20の炭化水素基であり、R18は各々独立して炭素数1〜20の炭化水素基、水素原子または塩素原子である。)
    で表されることを特徴とする請求項1又は2に記載のエチレン系重合体製造用触媒。
  4. 一般式(14)または(15)で表される化合物を少なくとも2種類以上用いることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のエチレン系重合体製造用触媒。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載のエチレン系重合体製造用触媒を用いて、エチレンおよび任意に炭素数3以上のオレフィンを重合することを特徴とする、1,000個の炭素原子当たり0.01個以上3個以下の長鎖分岐を含有するエチレン系重合体の製造方法。
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