JP6123295B2 - 多層シート及びそれよりなるトレイ - Google Patents
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Description
尚、本発明におけるMFRは、ASTM 1238に準拠し、温度190℃、荷重2.16kgで測定することがきる。また、溶融張力は、(商品名)キャピログラフ(東洋精機製作所製)を用い。190℃で長さ(L)が8mm,直径(D)が2.095mmのダイから、ピストン降下速度10mm/分で降下させたストランドを10m/分で引き取り、引き取り荷重を溶融張力として測定することができる。歪硬化性は、マイスナー型一軸伸長粘度計を用いて、160℃で、ひずみ速度0.07〜0.1s−1の条件で測定した伸長粘度の最大値を、その時間の線形領域の伸長粘度で除した値を非線形パラメーターλと定義し、λが1を超えること歪硬化性があると確認できる。なお、M. Yamaguchi et al.Polymer Journal 32,164(2000).に記載のように、線形領域の伸長粘度は動的粘弾性より計算できる。λが1の場合、歪硬化性がないと判断できる。
本発明に用いられる、低密度ポリエチレン(1)、エチレン・α−オレフィン共重合体(2)、低密度ポリエチレン(3)には、耐熱安定剤、耐候安定剤、帯電防止剤、防曇剤、抗ブロッキング剤、スリップ剤、滑剤、核剤、顔料、カーボンブラック、タルク、ガラス粉、ガラス繊維等の無機充填剤または補強剤、有機充填剤または補強剤、難燃剤、中性子遮蔽剤等の公知の添加剤を配合することができる。また、他の熱可塑性樹脂と混合して用いることもできる。これらの例として、HDPE、直鎖状低密度ポリエチレン(L−LDPE)、LDPE、ポリプロピレン系樹脂、ポリ−1−ブテン、ポリ−4−メチル−1−ペンテン、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・ビニルアルコール共重合体、ポリスチレン、これらの無水マレイン酸グラフト物等を例示することができる。
本発明のトレイは、JIS K7126−1に準拠し、23℃、100kPaで測定した酸素透過係数が6×10−16(mol×m)/(m2×s×Pa)以下であれば、既存の高圧法低密度ポリエチレン容器よりも明らかに高いバリア性となり、容器として使用した際に内容物の風味変化などが実用上問題となり得ないバリア性が確保できる。
ASTM 1238に準拠し、温度190℃、荷重2.16kgで測定した。
JIS K6760(1995)に準拠して密度勾配管法で測定した。
キャピログラフ(東洋精機製作所製)を使用した。190℃で、長さ(L)が8mm,直径(D)が2.095mmのダイから、ピストン降下速度10mm/分で降下させたストランドを10m/分で引き取り、引き取り荷重を溶融張力とした。
温度160℃に設定したマイスナー型一軸伸長粘度計(東洋精機製作所製、商品名:メルテンレオメーター)を用いて測定した。非線型パラメータ(λ)は、ひずみ速度0.07〜0.1s−1の条件で測定した伸長粘度の最大値を、その時間の線形領域の伸長粘度で除した値として求めた。なお、線形領域における伸長粘度の値は、福田猛著,新高分子実験学1,高分子実験の基礎,分子特性解析,“3−4.分子形状および形態”,295(1994).に記載の方法に従い、動的粘弾性より近似式を用いて計算した。得られたλが1を越える場合は歪硬化性ありと判断した。
重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)、および重量平均分子量と数平均分子量の比(Mw/Mn)は、GPCによって測定した。GPC装置(東ソー(株)製(商品名)HLC−8121GPC/HT)およびカラム(東ソー(株)製(商品名)TSKgel GMHhr−H(20)HT)を用い、カラム温度を140℃に設定し、溶離液として1,2,4−トリクロロベンゼンを用いて測定した。測定試料は1.0mg/mlの濃度で調製し、0.3ml注入して測定した。分子量の検量線は、分子量既知のポリスチレン試料を用いて校正した。なお、MwおよびMnは直鎖状ポリエチレン換算の値として求めた。
示差走査型熱量計、パーキンエルマー製「 DSC−7」 を用いて測定した。装置内で試料を200℃で5分間溶融させた後に、10℃/分の冷却速度で30℃まで冷却したものについて、再度10℃/分の昇温速度で昇温させたときに得られる吸熱曲線の最大ピークの位置の温度を融点とした。
200メッシュパスの粉砕試料約2gを精秤し、400mlのn−ヘプタンを加えて50℃で2時間抽出を行い、抽出液から溶媒を蒸発させて、乾燥固化させて得た抽出物の重量の初期重量に対する割合を求めることによって算出した。
成形で得られたシートの内側を観察した。シャークスキン、メルトフラクチャーの発生がなく目視の透明性が良好なシートを○、外観不良により透明性が不良なシートを×とした。
成形したシートを真空成形により深絞りのトレイとした際の偏肉状況を目視観察した。
△:やや偏肉
×:顕著な偏肉や破れあり
〜ガスバリア性の評価〜
成形したトレイについて、差圧式ガス透過試験機(東洋精機製)を用い、JIS K7126−1に準拠し、23℃、100kPa、測定径70mmにより酸素透過係数を測定した。
高圧蒸気滅菌法により、オートクレーブ内に成形したトレイをセットした後、100℃の温度で30分間滅菌処理した後、容器を取り出し、容器の外観を以下の項目について観察して評価した。
変形:容器の波打ち状態を観察した。
成形トレイの引張弾性率をJIS K7127に準拠して、万能試験機((株)島津製作所製、商品名:オートグラフ AGS−H 50N)を用いて測定した。
×:引張弾性率600MPa未満
〜低密度ポリエチレン(1)、(3)〜
以下に、実施例、比較例で使用したエチレン・α−オレフィン共重合体を以下に示す。
密度922kg/m3)
PE−12:東ソー社製、(商品名)ペトロセン175(MFR0.6g/10分、
密度922kg/m3)
PE−13:東ソー社製、(商品名)ペトロセン176(MFR1g/10分、
密度924kg/m3)
〜エチレン・α−オレフィン共重合体(2)〜
以下に、実施例、比較例で使用したエチレン・α−オレフィン共重合体を以下に示す。
PE−22:東ソー社製、(商品名)東ソーHMS CK37(MFR3.3g/10分、密度935kg/m3、溶融張力57mN、Mn17,000、Mw/Mn5.6)
PE−23:東ソー社製、(商品名)東ソーHMS CK47(MFR4.0g/10分、密度940kg/m3、溶融張力72mN、Mn23,000、Mw/Mn3.7)
PE−24:東ソー社製、(商品名)東ソーHMS CK27(MFR2.5g/10分、密度927kg/m3、溶融張力67mN、Mn17,000、Mw/Mn5.3)
実施例1〜4
〜多層シートの成形〜
スクリュー径50mmφ、ダイ幅300mmの多層シート成形機(田辺プラスチック社製)を用いて、バレル温度190℃、表面温度が60℃に制御された鏡面仕上げの金属製キャストロ−ルにて挟み、冷却固化させながら1m/minの速度で連続的に引き取り、
内層、中間層、外層が、各々表1に示す低密度ポリエチレン(1)、エチレン・α−オレフィン共重合体(2)、低密度ポリエチレン(3)となるように、押出し、厚さ0.8mm(内層/中間層/外層=0.1mm/0.6mm/0.1mm)のシートを得た。
上記多層シートをそれぞれ長径100mm、深さ50mmの金型を設置した真空成形機にて成形サイクル10秒、成形ヒーター温度230℃にて成形を行ない、10ショットにて容器の偏肉の有無を調べた。これらの結果を表1に示す。
高圧法により製造された市販の低密度ポリエチレン(東ソー製、(商品名)ペトロセン180;MFR2.0g/10分、密度922kg/m3、溶融張力60mN、歪硬化性あり、Mn14、400、Mw/Mn4.8)のみを用い、トレイに成形した。結果を表2に示す。得られたトレイは、酸素バリア性、耐熱性、剛性が実施例1に比べて劣った。
比較例1において、エチレン・α−オレフィン共重合体(東ソー製、(商品名)東ソーHMS CK38;MFR0.8g/10分、密度938kg/m3、溶融張力100mN、歪硬化性あり、Mn25,000、Mw/Mn4.4)のみを用い、厚さ0.8mm、トレイに成形した。結果を表2に示す。得られた容器は、シート外観、深絞り性が実施例1に比べて劣った。
エチレン・α−オレフィン共重合体に代えて低密度ポリエチレン(東ソー製、(商品名)ペトロセン180)を用いた以外は実施例1と同様に行った。結果を表2に示す。得られたトレイは、酸素バリア性、耐熱性、剛性が実施例1に比べて劣った。
エチレン・α−オレフィン共重合体に代えてチグラー・ナッタ型触媒を用いて製造された市販の直鎖状低密度ポリエチレン(東ソー製、(商品名)ニポロン−L M50;MFR3.0g/10分、密度936kg/m3、溶融張力9mN、歪硬化性なし、Mn25,000、Mw/Mn3.5)を用いた以外は実施例1と同様に行った。結果を表2に示す。得られたトレイは、深絞り性、酸素バリア性が実施例1に比べて劣った。
Claims (3)
- ASTM 1238に準拠し、190℃、荷重2.16kgで測定したメルトフローレートが0.1g/10分以上20g/10分以下、JIS K6760に準拠した密度が890kg/m3以上940kg/m3以下である低密度ポリエチレン(1)からなる内層、ASTM 1238に準拠し、190℃、荷重2.16kgで測定したメルトフローレートが0.1g/10分以上10g/10分以下、160℃における溶融張力が20mN以上で、歪硬化性を有し、JIS K6760に準拠した密度が920kg/m3以上955kg/m3以下、DSCにより測定される融点が1つであるエチレン・α−オレフィン共重合体(2)からなる中間層、ASTM 1238に準拠し、190℃、荷重2.16kgで測定したメルトフローレートが0.1g/10分以上20g/10分以下、JIS K6760に準拠した密度が890kg/m3以上940kg/m3以下である低密度ポリエチレン(3)からなる外層から構成されることを特徴とする多層シート。
- 請求項1に記載の多層シートを熱成形して得られるトレイ。
- JIS K7126−1に準拠し、23℃、100kPaで測定した酸素透過係数が6×10−16(mol×m)/(m2×s×Pa)以下であることを特徴とする請求項2に記載のトレイ。
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