JP6155625B2 - 多層中空容器 - Google Patents

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本発明は、保香性に優れる多層中空容器に関するものである。更に詳細には、直鎖状低密度ポリエチレンからなる内層、特定のエチレン・α−オレフィン共重合体からなる中間層、低密度ポリエチレンからなる外層の三層から構成される多層中空容器に関するものである。
一般に洗剤ボトルや飲料用ボトル、食用油ボトル等の食品容器、ドラム缶、工業缶等の大型容器、灯油缶、ガソリンタンク等の燃料容器などの中空容器(ブロー容器)は中空成形法で製造されている。該中空成形法は、押出機により樹脂を溶融して筒状のパリソンに押出し、押出されたパリソンを金型で挟んでブローピンより加圧ガスを吹き込むことによりパリソンを膨張・変形させ、金型内のキャビティ形状に賦形させた後に冷却するものである。こうした中空成形法は、ボトルのような中空成形品をはじめ形状が複雑なガソリンタンク、ドラム缶、さらにはパネル状の成形品まで幅広く適用することができる上、成形が簡単で、また金型等を含めた成形費用が安価であることから広く利用されている。
このうち、化粧品容器、食用油ボトル等の食品容器、飲料容器、薬品容器等の小型容器は、軽量であること、破損による切傷の恐れが少ないこと、廃棄容器を焼却により簡便に処理できること等の利点から、ガラス容器からポリプロピレン、ポリエチレン容器への変更が進んでいる。このうち、ポリプロピレン容器は、耐熱性に優れ、高温滅菌が可能である等の特徴がある。しかし、内容液量や異物混入の確認のための透明性、微粒子等の少ないクリーン性等の観点から、近年は、エチレン−α−オレフィン共重合体や高圧ラジカル重合法による低密度ポリエチレン、あるいはこれらの混合物からなるポリエチレン系容器が提案されている。(例えば、特許文献1、2、3参照)
高圧ラジカル重合法で得られる低密度ポリエチレンは溶融張力が高く、高剪断下での流動性に優れ、肉厚が均一で表面状態の良いブロー成形体が得られることから、ブロー成形用樹脂として広く用いられている。しかし、低密度ポリエチレンは耐熱性が低く、加熱滅菌処理の際、変形する等の課題があった。これに対して、耐熱性、透明性が優れた容器として低密度ポリエチレンと直鎖状低密度ポリエチレンを混合する方法が提案されている(例えば特許文献1、特許文献2、特許文献3参照)。しかしながら、直鎖状低密度ポリエチレンは透明性が低く、上記特許文献1、2、3の方法においても、耐熱性と透明性のバランスは十分ではなく、さらなる向上が望まれていた。
また、従来の低密度ポリエチレンはガスバリアー性が十分ではなく、長期保存した際、香り成分が散逸する等の問題が発生していた。バリアー性を向上させる方法としては、ポリアミド樹脂やエチレン−ビニルアルコール共重合体(EVOH)樹脂とポリエチレンとを多層化する方法が知られている(例えば、特許文献4、5)。しかしながら、これらの方法は、ポリエチレンとポリアミド樹脂やエチレン−ビニルアルコール共重合体の接着性が低いため、接着層が必要となり、構成が複雑になり、リサイクルも難しいという問題があった。また、内容物の種類によっては、むしろポリエチレンに比べて、バリアー性が劣るという問題もあった。
特開昭59−203560号公報 特開平3−168231号公報 特開2008−307146号公報 特開平6−134947号公報 米国特許第5849376号公報
本発明の目的は、上記従来技術の欠点を克服し、保香性、クリーン性、耐熱性、透明性に優れる多層容器を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究した結果、ASTM 1238に準拠し、190℃、荷重2.16kgで測定したメルトフローレートが0.1g/10分以上20g/10分以下、JIS K6760に準拠した密度が890kg/m以上940kg/m以下である直鎖状低密度ポリエチレンからなる内層、ASTM 1238に準拠し、190℃、荷重2.16kgで測定したメルトフローレートが0.1g/10分以上10g/10分以下、160℃における溶融張力が20mN以上で、歪硬化性を有し、JIS K6760に準拠した密度が920kg/m以上955kg/m以下、DSCにより測定される融点が1つであるエチレン・α−オレフィン共重合体からなる中間層、ASTM 1238に準拠し、190℃、荷重2.16kgで測定したメルトフローレートが0.1g/10分以上20g/10分以下、JIS K6760に準拠した密度が890kg/m以上940kg/m以下である低密度ポリエチレンからなる外層から構成される多層中空容器とすることで、保香性、クリーン性、耐熱性、透明性のいずれも優れる容器となることを見出し、本発明を完成させるに到った。
本発明の多層中空容器の内層に用いる直鎖状低密度ポリエチレン(1)は、エチレンとα−オレフィンの共重合体であり、ASTM 1238に準拠し、190℃、荷重2.16kgで測定したメルトフローレート(MFR)が0.1g/10分以上20g/10分以下、JIS K6760に準拠した密度が890kg/m以上940kg/m以下である。
ここで、直鎖状低密度ポリエチレン(1)は、MFRが0.1g/10分未満だと、成形加工時に押出機の負荷が大きくなる。また、MFRが20g/10分を超える場合、溶融張力が小さくなり、成形時のドローダウンが大きくなる。
また、直鎖状低密度ポリエチレン(1)の密度が890kg/m未満だと耐熱性が低下し、940kg/mを超える場合、透明性が低下する。
α−オレフィンとしては、一般にα−オレフィンと称されているものでよく、プロピレン、ブテン−1、ヘキセン−1、オクテン−1、4−メチル−1−ペンテン等の炭素数3〜12のα−オレフィンであることが好ましい。例えばエチレン・ヘキセン−1共重合体、エチレン・ブテン−1共重合体、エチレン・オクテン−1共重合体等が挙げられ、市販品であってもよく、例えば高圧法、溶液法、気相法等の製造法により製造することが可能である。該直鎖状低密度ポリエチレン(ロ)を製造する際には、一般的にマグネシウムとチタンを含有する固体触媒成分及び有機アルミニウム化合物からなるチーグラー触媒、シクロペンタジエニル誘導体を含有する有機遷移金属化合物と、これと反応してイオン性の錯体を形成する化合物及び/又は有機金属化合物からなるメタロセン触媒、バナジウム系触媒等を用いることができ、該触媒によりエチレンとα−オレフィンを共重合することにより製造することが可能となる。
上記の直鎖状低密度ポリエチレン(1)としては、市販品として入手したものであってもよく、例えば東ソー(株)製の(商品名)ニポロンL M50、(商品名)ニポロンL M21、(商品名)ニポロンZ ZF260、(商品名)ウルトゼックス 2020SB、(株)プライムポリマー製の(商品名)エボリュー SP2030、日本ポリエチレン(株)製の(商品名)ノバテックLL UE320等を市販品として挙げることができる。
次に、中間層に用いられるエチレン・α−オレフィン共重合体(2)について説明する。エチレン・α−オレフィン共重合体(2)は、ASTM 1238に準拠し、190℃、荷重2.16kgで測定したメルトフローレートが0.1g/10分以上10g/10分以下、160℃における溶融張力が20mN以上で、歪硬化性を有し、JIS K6760に準拠した密度が920kg/m以上955kg/m以下のエチレン・α−オレフィン共重合体の範疇に属するものであれば如何なるエチレン・α−オレフィン共重合体であってもよい。密度が920kg/m未満では耐熱性が悪くなり、加熱滅菌時にブロキングや変形、肌荒れが生じる結果、容器としては不適用である。また、密度が955kg/mを越えると透明性が低下する。上記のエチレン・α−オレフィン共重合体のMFRは0.1g/10分以上10g/10分以下の範囲である。0.1g/10分未満では、流動性が悪くなるためにブロー成形性が低下する。また、10g/10分を超えると溶融張力が低下し、押出加工性が低下する。上記のエチレン・α−オレフィン共重合体の160℃における溶融張力が20mN以上である。溶融張力が20mN未満であると、ブロー成形時にドローダウン、偏肉が発生しやすく、肉厚の一定な容器が得られないため、剛性、強度が低下する。また、上記のエチレン・α−オレフィン共重合体は歪み硬化性を有する。歪硬化性を有しないと、偏肉が発生しやすく、肉厚の一定な容器が得られない。
上記のエチレン・α−オレフィン共重合体のDSCで測定される融点は1つである。融点が複数となると組成分布が広くなり耐熱性が低い低分子量成分が増加するため、耐熱性が悪化する。また、滅菌後の失透が大きくなり、透明性が低下する。
上記のエチレン・α−オレフィン共重合体の50℃におけるn−ヘプタン抽出量は、好ましくは0.5wt%以下である。0.5wt%以下であると、耐熱性が乏しい低分子量成分が少ないため、容器の変形や、内容液のこれら成分による汚染が発生しにくくなる。
また、1μm以上の微粒子が0個/10mlであることが確認された純水を充填し、115℃以上の条件下で高圧蒸気滅菌処理した後に測定される2μm以上の微粒子数が30個/10ml以下であれば日本薬局方の基準値を達成でき、使用に際して、何ら問題となり得ない衛生性が確保できる。また、115℃以上の条件下で高圧蒸気滅菌処理した後の、水を対照として測定した時の450nmの透過率が55%以上であれば、透明性が良好で、容器の内容物の確認が十分に出来、日本薬局方基準を達成できる。
本発明の多層中空容器の中間層に用いられるエチレン・α−オレフィン共重合体(2)の重量平均分子量(Mw)とMnの比(Mw/Mn)は3.0〜6.0が好ましく、更に好ましくは3.5〜5.5である。Mw/Mnがこの範囲であると、良好な製品外観と成形性が得られるため、好ましい。GPCにより測定した数平均分子量(Mn)は15,000以上であることが好ましく、さらに好ましくは15,000〜100,000、特に15,000〜50,000が好ましい。Mnが15,000以上である場合、得られる多層中空容器の機械強度が高くなる。
上記のエチレン・α−オレフィン共重合体(2)としては、市販品として入手したものであってもよく、例えば東ソー(株)製の(商品名)TOSOH−HMS CK47、(商品名)TOSOH−HMS CK27、(商品名)TOSOH−HMS CK38、(商品名)TOSOH−HMS JK46、(商品名)TOSOH−HMS JK25等を市販品として挙げることができる。
また、以下の方法により製造することができる。例えば、特開2004−346304号公報、特開2005−248013号公報、特開2006−2057号公報、特開2006−321991号公報、特開2007−169341号公報、特開2010−43152号公報、特開2011−89019号公報、特開2011−89020号公報に記載の重合触媒の存在下に、エチレンを重合する、またはエチレンと炭素数3〜8のα−オレフィンを共重合する方法を用いることができる。
より具体的には、例えばメタロセン化合物として、2つの置換または非置換シクロペンタジエニル基が架橋基で架橋されている架橋型ビス(置換または非置換シクロペンタジエニル)ジルコニウム錯体および/または架橋型(シクロペンタジエニル)(インデニル)ジルコニウム錯体(以下、成分(a)と記す。)と、架橋型(シクロペンタジエニル)(フルオレニル)ジルコニウム錯体および/または架橋型(インデニル)(フルオレニル)ジルコニウム錯体(以下、成分(b)と記す。)を用いたメタロセン触媒の存在下に、エチレンを重合する、またはエチレンと炭素数3〜8のα−オレフィンを共重合する方法を用いることができる。
成分(a)の具体例としては、ジメチルシリレンビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(インデニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(2−メチルインデニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(4,7−ジメチルインデニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(2,4,7−トリメチルインデニル)ジルコニウムジクロライド、1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン−1,3−ジイル−ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、1,1−ジメチル−1−シラエタン−1,2−ジイル−ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、プロパン−1,3−ジイル−ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、ブタン−1,4−ジイル−ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、シス−2−ブテン−1,4−ジイル−ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、1,1,2,2−テトラメチルジシラン−1,2−ジイル−ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド等のジクロライドおよび上記遷移金属化合物のジメチル体、ジエチル体、ジヒドロ体、ジフェニル体、ジベンジル体を例示することができる。また上記遷移金属化合物のシクロペンタジエニル誘導体の水素が炭化水素基で置換されたもの、中心金属のジルコニウム原子をチタン原子またはハフニウム原子に置換した化合物も例示することもできる。
成分(b)の具体例としては、ジフェニルメチレン(1−シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2−トリメチルシリル−1−シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジメチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、イソプロピリデン(1−シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、イソプロピリデン(1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルシランジイル(1−シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシランジイル(1−シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(1−インデニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2−フェニル−1−インデニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2−フェニル−1−インデニル)(2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド等のジクロライドおよび上記遷移金属化合物のジメチル体、ジエチル体、ジヒドロ体、ジフェニル体、ジベンジル体を例示することができる。また上記遷移金属化合物のシクロペンタジエニル誘導体の水素が炭化水素基で置換されたもの、中心金属のジルコニウム原子をチタン原子またはハフニウム原子に置換した化合物も例示することもできる。
また、成分(a)に対する成分(b)の量は、特に制限はなく、0.0001〜100倍モルであることが好ましく、特に好ましくは0.001〜10倍モルである。
そして、成分(a)と成分(b)を用いたメタロセン触媒としては、例えば成分(a)と成分(b)と有機アルミニウム化合物(以下、成分(c)と記す。)からなる触媒;成分(a)と成分(b)とアルミノオキサン(以下、成分(d)と記す。)からなる触媒;さらに成分(c)を含んでなる触媒;成分(a)と成分(b)とプロトン酸塩(以下、成分(e)と記す。)、ルイス酸塩(以下、成分(f)と記す。)または金属塩(以下、成分(g)と記す。)から選ばれる少なくとも1種類の塩からなる触媒;さらに成分(c)を含んでなる触媒;、成分(a)と成分(b)と成分(d)と無機酸化物(以下、成分(h)と記す。)からなる触媒;成分(a)と成分(b)と成分(h)と成分(e)、成分(f)、成分(g)から選ばれる少なくとも1種類の塩からなる触媒;さらに成分(c)を含んでなる触媒;成分(a)と成分(b)と粘土鉱物(以下、成分(i)と記す。)と成分(c)からなる触媒;成分(a)と成分(b)と有機化合物で処理された粘土鉱物(以下、成分(j)と記す。)からなる触媒を例示することができ、好ましくは成分(a)と成分(b)と成分(j)からなる触媒を用いることができる。
ここで、成分(i)および成分(j)として用いることが可能な粘土鉱物としては、微結晶状のケイ酸塩を主成分とする微粒子を挙げることができ、粘土鉱物の大部分は、その構造上の特色として層状構造を成しており、層の中に種々の大きさの負電荷を有することが挙げられる。この点で、シリカやアルミナのような三次元構造を持つ金属酸化物と大きく異なる。これらの粘土鉱物は、一般に層電荷の大きさで、パイロフィライト、カオリナイト、ディッカイトおよびタルク群(化学式当たりの負電荷がおよそ0)、スメクタイト群(化学式当たりの負電荷がおよそ0.25から0.6)、バーミキュライト群(化学式当たりの負電荷がおよそ0.6から0.9)、雲母群(化学式当たりの負電荷がおよそ1)、脆雲母群(化学式当たりの負電荷がおよそ2)に分類されている。ここで示した各群には、それぞれ種々の粘土鉱物が含まれるが、スメクタイト群に属する粘土鉱物としては、モンモリロナイト、バイデライト、サポナイト、ヘクトライト等が挙げられる。また、上記粘土鉱物は複数混合して用いることもできる。
成分(j)における有機化合物処理とは、粘土鉱物層間に有機イオンを導入し、イオン複合体を形成することをいう。有機化合物処理で用いられる有機化合物としては、N,N−ジメチル−n−オクタデシルアミン塩酸塩、N,N−ジメチル−n−エイコシルアミン塩酸塩、N,N−ジメチル−n−ドコシルアミン塩酸塩、N,N−ジメチルオレイルアミン塩酸塩、N,N−ジメチルベヘニルアミン塩酸塩、N−メチル−ビス(n−オクタデシル)アミン塩酸塩、N−メチル−ビス(n−エイコシル)アミン塩酸塩、N−メチル−ジオレイルアミン塩酸塩、N−メチル−ジベヘニルアミン塩酸塩、N,N−ジメチルアニリン塩酸塩を例示することができる。
成分(a)と成分(b)と成分(j)からなる触媒は、有機溶媒中、成分(a)と成分(b)と成分(j)を接触させることによって得ることが可能であり、成分(a)と成分(j)の接触生成物に成分(b)を添加する方法;成分(b)と成分(j)の接触生成物に成分(a)を添加する方法;成分(a)と成分(b)の接触生成物に成分(j)を添加する方法;成分(j)に成分(a)と成分(b)の接触生成物を添加する方法を例示することができる。
接触溶媒としては、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン、シクロペンタンもしくはシクロヘキサン等の脂肪族炭化水素類、ベンゼン、トルエンもしくはキシレン等の芳香族炭化水素類、エチルエーテルもしくはn−ブチルエーテル等のエーテル類;塩化メチレンもしくはクロロホルム等のハロゲン化炭化水素類、1,4−ジオキサン、アセトニトリルまたはテトラヒドロフランを例示することができる。
接触温度については、0〜200℃の間で選択して処理を行うことが好ましい。
各成分の使用量は、成分(j)1gあたり成分(a)が、0.0001〜100mmol、好ましくは0.001〜10mmolである。
このようにして調製された成分(a)と成分(b)と成分(j)の接触生成物は、洗浄せずに用いても良く、また洗浄した後に用いても良い。また、成分(a)または成分(b)がジハロゲン体の時、さらに成分(c)を添加することが好ましい。また、成分(j)、重合溶媒およびオレフィン中の不純物を除去することを目的に成分(c)を添加することができる。
該エチレン系重合体(2)を製造する際には、重合温度−100〜120℃で行うことが好ましく、特に生産性を考慮すると20〜120℃が好ましく、さらには60〜120℃の範囲で行うことが好ましい。また、重合時間は10秒〜20時間の範囲が好ましく、重合圧力は常圧〜300MPaの範囲で行うことが好ましい。重合性単量体としては、エチレン単独又はエチレンと炭素数3〜8のα−オレフィンであり、エチレンと炭素数3〜8のα−オレフィンである場合、エチレンと炭素数3〜8のα−オレフィンの供給割合として、エチレン/炭素数3〜8のα−オレフィン(モル比)が、1〜200、好ましくは3〜100、さらに好ましくは5〜50の供給割合を用いることができる。また、重合時に水素などを用いて分子量の調節を行うことも可能である。重合はバッチ式、半連続式、連続式のいずれの方法でも行うことが可能であり、重合条件を変えて2段階以上に分けて行うことも可能である。また、エチレン系共重合体(2)は、重合終了後に従来既知の方法により重合溶媒から分離回収され、乾燥して得ることができる。
重合はスラリー状態、溶液状態または気相状態で実施することができ、特に、重合をスラリー状態で行う場合にはパウダー粒子形状の整ったエチレン系共重合体を効率よく、安定的に生産することができる。また、重合に用いる溶媒は一般に用いられる有機溶媒であればいずれでもよく、具体的には例えばベンゼン、トルエン、キシレン、プロパン、イソブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、ガソリン等が挙げられ、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテン等のオレフィン自身を溶媒として用いることもできる。
尚、本発明におけるMFRは、ASTM 1238に準拠し、温度190℃、荷重2.16kgで測定することがきる。また、溶融張力は、(商品名)キャピログラフ(東洋精機製作所製)を用い。190℃で長さ(L)が8mm,直径(D)が2.095mmのダイから、ピストン降下速度10mm/分で降下させたストランドを10m/分で引き取り、引き取り荷重を溶融張力として測定することができる。歪硬化性は、マイスナー型一軸伸長粘度計を用いて、160℃で、ひずみ速度0.07〜0.1s−1の条件で測定した伸長粘度の最大値を、その時間の線形領域の伸長粘度で除した値を非線形パラメーターλと定義し、λが1を超えること歪硬化性があると確認できる。なお、M. Yamaguchi et al.Polymer Journal 32,164(2000).に記載のように、線形領域の伸長粘度は動的粘弾性より計算できる。λが1の場合、歪硬化性がないと判断できる。
本発明の多層中空容器の外層に用いる低密度ポリエチレン(3)は、高圧ラジカル法で製造され、ASTM 1238に準拠し、190℃、荷重2.16kgで測定したメルトフローレートが0.1g/10分以上20g/10分以下、JIS K6760に準拠した密度が890kg/m以上940kg/m以下である低密度ポリエチレンの範疇に属するものであれば如何なる低密度ポリエチレンであってもよく、内層に用いる低密度ポリエチレン(1)と同じであっても、異なっていても良い。
このような低密度ポリエチレン(3)のMFRが0.1g/10分未満だと、成形加工時に押出機の負荷が大きくなる。また、MFRが20g/10分を超える場合、溶融張力が小さくなり、成形時のドローダウンが大きくなる。
また、低密度ポリエチレン(3)の密度が890kg/m未満だと耐熱性が低下し、940kg/mを超える場合、透明性が低下する。
上記の低密度ポリエチレン(1)としては、市販品として入手したものであってもよく、例えば東ソー(株)製の(商品名)ペトロセン175、(商品名)ペトロセン180、(商品名)、(商品名)ペトロセン310、日本ポリエチレン(株)製の(商品名)ノバテックZE41K、日本ユニカー(株)製の(商品名)NUC8321等を市販品として挙げることができる
本発明に用いられる、直鎖状低密度ポリエチレン(1)、エチレン・α−オレフィン共重合体(2)、低密度ポリエチレン(3)には、耐熱安定剤、耐候安定剤、帯電防止剤、防曇剤、抗ブロッキング剤、スリップ剤、滑剤、核剤、顔料、カーボンブラック、タルク、ガラス粉、ガラス繊維等の無機充填剤または補強剤、有機充填剤または補強剤、難燃剤、中性子遮蔽剤等の公知の添加剤を配合することができる。また、他の熱可塑性樹脂と混合して用いることもできる。これらの例として、高密度ポリエチレン(HDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(L−LDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、ポリプロピレン系樹脂、ポリ−1−ブテン、ポリ−4−メチル−1−ペンテン、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・ビニルアルコール共重合体、ポリスチレン、これらの無水マレイン酸グラフト物等を例示することができる。
本発明の多層容器は、内層/中間層/外層が直鎖状低密度ポリエチレン(1)/エチレン・α−オレフィン共重合体(2)/低密度ポリエチレン(3)の3層の多層構成となっている。このような構成とすることで、耐薬品性、透明性、耐熱性に優れ、表面外観が良好な多層容器とすることができる。
本発明の多層中空容器の厚みは0.1〜2mm程度とすることが好ましい。層構成としては、内層が1%以上40%以下、中間層が15%以上99%以下、外層が1%以上40%以下である。内外層が1%以上だと、成形条件によらずグロス感が良好な成形体が得られ、40%を超えると、透明性、耐熱性、バリアー性の何れかが低下し、いずれも好ましくない。
本発明において、上記3層に加えて、目的に応じて、更に4層以上の多層構成にすることも可能である。具体的には、高密度ポリエチレン(HDPE)、ポリプロピレン系樹脂、ポリ−1−ブテン、ポリ−4−メチル−1−ペンテン、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・ビニルアルコール共重合体、ポリスチレン、これらの無水マレイン酸グラフト物等の層の追加の他、直鎖状低密度ポリエチレン(1)、エチレン・α−オレフィン共重合体(2)、低密度ポリエチレン(3)層を加えることが可能である。
本発明の多層容器の製造方法は、特に限定されるものではないが、アキュムレーター方式や連続押出方式の押出ブロー成形法、射出ブロー成形法、押出延伸ブロー成形法、射出延伸ブロー成形法等が挙げられる。パリソン方式についてはコールドパリソン法、ホットパリソン法等が挙げられ、特に制限されるものではない。例えば、本発明の多層容器は、シリンダ温度が180℃に設定された3種3層のブロー成形機を用いて、内層/中間層/外層が直鎖状低密度ポリエチレン(1)/エチレン・α−オレフィン共重合体(2)/低密度ポリエチレン(3)の構成で押出し、10℃に設定された金型で挟み込み、ブローピンよりエアーを吹き込むことで製品が得られる。
本多層中空容器は、内容物の滅菌処理が必要な場合は、高圧蒸気滅菌法を使用できる。本高圧蒸気滅菌法とは、加圧して温度を高めた飽和水蒸気を使用して、一定時間加熱して滅菌する方法であり、この方法は、日本薬局方において、115℃で30分間、121℃で15分間または126℃で10分間の条件が定められており、製品の材質や滅菌後の製品の安全性等によって処理条件が決定され、輸液剤等の薬剤入り容器の滅菌に、一般的に用いられる方法である。
本発明の多層中空容器は、115℃以上の条件下で高圧蒸気滅菌した後の、水を対照として測定した時の波長450nmの透過率が55%以上であることが好ましい。
また、日本薬局方では医薬用容器内の水または生理食塩水に含まれる5μm以上の微粒子数が100個/ml以下の規格を設けられているが、使用に際しては微粒子数の少ない方が衛生上好ましい。本発明の容器は、1μm以上の微粒子が0個/10mlであることが確認された純水を充填し、110℃以上の条件下で高圧蒸気滅菌処理した後に測定される2μm以上の微粒子数が30個/10ml以下であることが好ましい。
本発明の多層中空容器の使用例としては、化粧品容器、飲料容器、食用油ボトル等の食品容器、薬品容器等の容器が挙げられる。
本発明によって得られる多層中空容器は、保香性、クリーン性、耐熱性、透明性に優れることから、化粧品容器、飲料容器、食用油ボトル等の食品容器、薬品容器に好適に利用される。
以下に、実施例を示して本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれら実施例により制限されるものではない。
以下に、実施例および比較例で用いた測定方法を示す。
〜MFRの測定〜
ASTM 1238に準拠し、温度190℃、荷重2.16kgで測定した。
〜密度〜
JIS K6760(1995)に準拠して密度勾配管法で測定した。
〜溶融張力の測定〜
キャピログラフ(東洋精機製作所製)を使用した。190℃で、長さ(L)が8mm,直径(D)が2.095mmのダイから、ピストン降下速度10mm/分で降下させたストランドを10m/分で引き取り、引き取り荷重を溶融張力とした。
〜歪硬化性の測定〜
温度160℃に設定したマイスナー型一軸伸長粘度計(東洋精機製作所製、商品名:メルテンレオメーター)を用いて測定した。非線型パラメータ(λ)は、ひずみ速度0.07〜0.1s−1の条件で測定した伸長粘度の最大値を、その時間の線形領域の伸長粘度で除した値として求めた。なお、線形領域における伸長粘度の値は、福田猛著,新高分子実験学1,高分子実験の基礎,分子特性解析,“3−4.分子形状および形態”,295(1994).に記載の方法に従い、動的粘弾性より近似式を用いて計算した。得られたλが1を越える場合は歪硬化性ありと判断した。
〜重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)、重量平均分子量と数平均分子量の比
(Mw/Mn)〜
重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)、および重量平均分子量と数平均分子量の比(Mw/Mn)は、GPCによって測定した。GPC装置(東ソー(株)製(商品名)HLC−8121GPC/HT)およびカラム(東ソー(株)製(商品名)TSKgel GMHhr−H(20)HT)を用い、カラム温度を140℃に設定し、溶離液として1,2,4−トリクロロベンゼンを用いて測定した。測定試料は1.0mg/mlの濃度で調製し、0.3ml注入して測定した。分子量の検量線は、分子量既知のポリスチレン試料を用いて校正した。なお、MwおよびMnは直鎖状ポリエチレン換算の値として求めた。
〜融点(℃)〜
示差走査型熱量計、パーキンエルマー製「 DSC−7」 を用いて測定した。装置内で試料を200℃で5分間溶融させた後に、10℃/分の冷却速度で30℃まで冷却したものについて、再度10℃/分の昇温速度で昇温させたときに得られる吸熱曲線の最大ピークの位置の温度を融点とした。
〜n−ヘプタン抽出量〜
200メッシュパスの粉砕試料約2gを精秤し、400mlのn−ヘプタンを加えて50℃で2時間抽出を行い、抽出液から溶媒を蒸発させて、乾燥固化させて得た抽出物の重量の初期重量に対する割合を求めることによって算出した。
〜製品外観の評価〜
上記の成形で得られた容器の内側を観察した。シャークスキン、メルトフラクチャーの発生がないものを○、発生したものを×とした。
〜耐熱性の評価〜
日本薬局方に準拠し、高圧蒸気滅菌法により、オートクレーブ内に容器をセットした後、115℃の温度で30分間滅菌処理した後、容器を取り出し、容器の外観を以下の項目について観察して評価した。
変形:容器の波打ち状態を観察した。
○:全く容器の波打ちが見られたかったもの。
△:わずかに容器の波打ちが見られたもの。
×:容器の波打ちが大きかったもの。
肌荒れ:容器表面の荒れ状態を観察した。
○:全く容器表面に斑点状の模様が見られなかったもの。
×:極一部でも容器表面に斑点状の模様が見られたもの。
〜全光線透過率〜
日立製作所製「紫外可視分光光度計220A」を用いて、滅菌後の容器から幅9.5mm、長さ50mmのサンプル片を切り出し、純水中で波長450nmの透過率を測定した。
〜微粒子の評価〜
1μm以上の微粒子数が0個/10mlであることが確認された純水を充填した多層中空容器を、121℃で20分間または126℃で16分間の熱水滅菌処理を実施し、1日放置後、HIAC/ROYCO製微粒子カウンター「 M−3000・4100・HR−60HA」 を用いて2μm以上の微粒子数を測定した。尚、これらの操作は、すべてクラス1000のクリーンルーム中で行った。
〜保香性の評価〜
成形した容器にコーヒー 300mlを入れ、口をヒートシール後、アルミラミネート袋の中に封入し、30℃で1ヶ月保存後、袋を開封し、コーヒー臭を確認した。臭気が強いものを×、ほとんど臭気がしないものを○とした。
〜耐環境応力破壊性の評価〜
成形した容器にノニオン系界面活性剤(日本油脂製、商品名「NS210」)10wt%水溶液を400mLを入れ、50℃にて保存し、F50の破壊時間を求めた。
〜直鎖状低密度ポリエチレン(1)〜
以下に、実施例、比較例で使用した直鎖状低密度ポリエチレンを以下に示す。
PE−11:東ソー社製、(商品名)ニポロン−L M50(MFR3.0g/10分、
密度936kg/m
PE−12:東ソー社製、(商品名)ニポロン−Z TZ240(MFR1.7g/10分、密度922kg/m
〜エチレン・α−オレフィン共重合体(2)〜
以下に、実施例、比較例で使用したエチレン・α−オレフィン共重合体を以下に示す。
PE−21:東ソー社製、(商品名)東ソーHMS CK38(MFR0.8g/10分、密度938kg/m、溶融張力100mN、Mn25,000、Mw/Mn4.4)
PE−22:東ソー社製、(商品名)東ソーHMS CK37(MFR3.3g/10分、密度935kg/m、溶融張力57mN、Mn17,000、Mw/Mn5.6)
PE−23:東ソー社製、(商品名)東ソーHMS CK47(MFR4.0g/10分、密度940kg/m、溶融張力72mN、Mn23,000、Mw/Mn3.7)
PE−24:東ソー社製、(商品名)東ソーHMS CK27(MFR2.5g/10分、密度927kg/m、溶融張力67mN、Mn17,000、Mw/Mn5.3)
〜低密度ポリエチレン(3)〜
以下に、実施例、比較例で使用した低密度ポリエチレンを以下に示す。
PE−32:東ソー社製、(商品名)ペトロセン180(MFR2.0g/10分、
密度922kg/m
PE−31:東ソー社製、(商品名)ペトロセン175(MFR0.6g/10分、
密度922kg/m
PE−33:東ソー社製、(商品名)ペトロセン176(MFR1.0g/10分、
密度924kg/m
実施例1〜4
〜容器の製造〜
シリンダ温度160〜180℃に設定した3種3層ブロー成形機(プラコー社製)を用いて、内層、中間層、外層が、各々表1に示す低密度ポリエチレン(1)、エチレン・α−オレフィン共重合体(2)、低密度ポリエチレン(3)となるよう押出し、厚さ0.8mm(内層/中間層/外層=0.05mm/0.65mm/0.1mm)、容器容積500mlの容器に成形した。
〜充填容器の滅菌〜
上記の方法によって作成した容器を、日阪製作所製高温高圧調理殺菌機を用いて、115℃で30分間高圧蒸気滅菌し、室温まで冷却した。
結果を表1に示す。
Figure 0006155625
比較例1
内層、中間層、外層のいずれも直鎖状低密度ポリエチレン(東ソー製、(商品名)ニポロン−L M50;MFR3.0g/10分、密度936kg/m、溶融張力9mN、歪硬化性なし、Mn25,000、Mw/Mn3.5)を用い、厚さ0.8mm、容器容積500mlの容器に成形した。結果を表2に示す。得られた容器は、透明性が劣る他、保香性が実施例1に比べて劣った。
比較例2
エチレン・α−オレフィン共重合体(東ソー製、(商品名)東ソーHMS CK38;MFR0.8g/10分、密度938kg/m、溶融張力100mN、歪硬化性あり、Mn25,000、Mw/Mn4.4)を用いた以外、比較例1と同様に厚さ0.8mm、容器容積500mlの容器に成形した。結果を表2に示す。得られた容器は、透明性が実施例1に比べて劣った。
比較例3
低密度ポリエチレン(東ソー製、(商品名)ペトロセン180;MFR2.0g/10分、密度922kg/m、溶融張力60mN、歪硬化性あり、Mn14、400、Mw/Mn4.8)を用いた以外、比較例1と同様に厚さ0.8mm、容器容積500mlの容器に成形した。結果を表2に示す。得られた容器は、耐熱性、透明性が劣る他、保香性が実施例1に比べて劣った。
比較例4
エチレン・α−オレフィン共重合体に代えて低密度ポリエチレン(東ソー製、(商品名)ペトロセン180)を用いた以外は実施例1と同様に行った。結果を表2に示す。得られた容器は、耐熱性、透明性が劣る他、保香性が実施例1に比べて劣った。
Figure 0006155625

Claims (3)

  1. ASTM 1238に準拠し、190℃、荷重2.16kgで測定したメルトフローレートが0.1g/10分以上20g/10分以下、JIS K6760に準拠した密度が890kg/m以上940kg/m以下である直鎖状低密度ポリエチレン(1)からなる内層、ASTM 1238に準拠し、190℃、荷重2.16kgで測定したメルトフローレートが0.1g/10分以上10g/10分以下、160℃における溶融張力が20mN以上で、歪硬化性を有し、JIS K6760に準拠した密度が920kg/m以上955kg/m以下、DSCにより測定される融点が1つであるエチレン・α−オレフィン共重合体(2)からなる中間層、ASTM 1238に準拠し、190℃、荷重2.16kgで測定したメルトフローレートが0.1g/10分以上20g/10分以下、JIS K6760に準拠した密度が890kg/m以上940kg/m以下である高圧ラジカル法低密度ポリエチレン(3)からなる外層から構成されることを特徴とする多層中空容器。
  2. 1μm以上の微粒子が0個/10mlであることが確認された純水を充填し、115℃以上の条件下で高圧蒸気滅菌した後に測定される2μm以上の微粒子が30個/10ml以下であること特徴とする請求項1に記載の多層中空容器。
  3. 115℃以上の条件下で高圧蒸気滅菌した後の、水を対照として測定した時の波長450nmの透過率が55%以上であることを特徴とする請求項1に記載の多層中空容器。
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