JP2021138870A - 射出延伸ブロー成形体、容器および射出延伸ブロー成形用組成物 - Google Patents

射出延伸ブロー成形体、容器および射出延伸ブロー成形用組成物 Download PDF

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憲吾 柳田
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美喜雄 根本
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Takeshi Karino
武志 狩野
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Abstract

【課題】本発明の課題は、成形性に優れるエチレン系重合体を含む組成物および該組成物からなる射出延伸ブロー成形体を提供することにある。【解決手段】本発明の射出延伸ブロー成形用組成物は、下記要件(a1)を満たすエチレン系重合体(A)と、下記要件(b1)を満たすエチレン系共重合体(B)とを含む。また、本発明の射出延伸ブロー成形体は、前記組成物からなる。要件(a1):密度が950kg/m3以上である。要件(b1):密度が901〜938kg/m3である。【選択図】なし

Description

本発明は、射出延伸ブロー成形体、容器および射出延伸ブロー成形用組成物に関する。
エチレン系重合体は、容器、包装用フィルム等の様々な用途で、従来から広く利用されている。
ところで、射出延伸ブロー成形は、ポリエチレンテレフタレートやポリスチレンから成る容器の製造の際に、広く使用されている成形方法であるが、該成形方法によって、エチレン系重合体を成形することは実用化が困難であった。しかしながら、エチレン系重合体は、耐熱性および耐薬品性等に優れるため、エチレン系重合体を射出延伸ブロー成形することにより、容器等を製造することが可能な技術が確立できれば、その有用性は極めて高い。このため、従来から、様々な検討が行われていた(例えば、特許文献1および2参照)。
例えば、密度0.940〜0.968g/cm3、MFR0.3〜10g/10min、流動比15以上30未満のエチレン単独重合体、エチレン・α‐オレフィン共重合体またはこれらのブレンド物を含む、射出延伸ブロー成形用ポリエチレン系樹脂が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
別の例としては、密度が0.945g/cm3以上、F/E値(F:21.6kg荷重、190℃で測定したMFR、E:2.16kg荷重、190℃で測定したMFR)が60以上を示すエチレン(コ)ポリマーを含むポリエチレン物質を、射出延伸ブロー成形に用いることが提案されている(例えば、特許文献2参照)。
特開平9−194534号公報 特表2012−506329号公報
本発明者らが、鋭意検討を行ったところ、従来から提案されているポリエチレン系樹脂を用いた射出延伸ブロー成形は、いまだ成形性が不充分であることを見出した。例えば従来から提案されているポリエチレン系樹脂でも、延伸倍率の低い条件であれば、容器等を成形することは可能であったが、射出延伸ブロー成形や、高延伸倍率での延伸が困難であり、延伸ができる場合であっても容器等の成形品の肉厚を均一にすることが困難であった。また、従来から提案されているポリエチレン系樹脂は、許容可能な成形条件の幅が狭いものであった。
本発明の課題は、成形性に優れるエチレン系重合体を含む組成物および該組成物からなる射出延伸ブロー成形体を提供することにある。
本発明者らは、鋭意検討を重ねた結果、以下に記載の射出延伸ブロー成形体および組成物を見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、例えば以下の[1]〜[7]に関する。
[1] 下記要件(a1)を満たすエチレン系重合体(A)と、下記要件(b1)を満たすエチレン系共重合体(B)とを含む組成物からなる射出延伸ブロー成形体。
要件(a1):密度が950kg/m3以上である。
要件(b1):密度が901〜938kg/m3である。
[2] 前記エチレン系重合体(A)が、下記要件(a2)を満たす、[1]に記載の射出延伸ブロー成形体。
要件(a2):JIS K 7210に準拠して得られた190℃、2.16kg荷重でのメルトフローレート(MFR)が0.1〜50g/10分である。
[3] 前記エチレン系重合体(A)が、エチレン単独重合体またはエチレン・α‐オレフィン共重合体である、[1]または[2]に記載の射出延伸ブロー成形体。
[4] 前記エチレン系共重合体(B)が、下記要件(b2)を満たす、[1]〜[3]のいずれかに記載の射出延伸ブロー成形体。
要件(b2)JIS K 7210に準拠して得られた190℃、2.16kg荷重でのメルトフローレート(MFR)が1〜40g/10分である。
[5] 前記組成物100質量部中に、前記エチレン系共重合体(B)を、1〜40質量部含む、[1]〜[4]のいずれかに記載の射出延伸ブロー成形体。
[6] [1]〜[5]のいずれかに記載の射出延伸ブロー成形体からなる容器。
[7] 下記要件(a1)を満たすエチレン系重合体(A)と、下記要件(b1)を満たすエチレン系共重合体(B)とを含む、射出延伸ブロー成形用組成物。
要件(a1):密度が950kg/m3以上である。
要件(b1):密度が901〜938kg/m3である。
本発明によれば、成形性に優れるエチレン系重合体を含む組成物および該組成物からなる射出延伸ブロー成形体を提供することができる。
次に本発明について具体的に説明する。
本発明の射出延伸ブロー成形体は、下記要件(a1)を満たすエチレン系重合体(A)と、下記要件(b1)を満たすエチレン系共重合体(B)とを含む組成物からなる。
また、前記組成物は、本発明の射出延伸ブロー成形用組成物でもある。
以下、射出延伸ブロー成形用組成物および、射出延伸ブロー成形体について、詳細に説明する。
[射出延伸ブロー成形用組成物]
本発明の射出延伸ブロー成形用組成物は、下記要件(a1)を満たすエチレン系重合体(A)と、下記要件(b1)を満たすエチレン系共重合体(B)とを含む。
要件(a1):密度が950kg/m3以上である。
要件(b1):密度が901〜938kg/m3である。
なお、本発明の射出延伸ブロー成形用組成物は、後述の射出延伸ブロー成形体を製造する際に用いられる組成物である。前記射出延伸ブロー成形用組成物を、単に「組成物」とも記す。
前記組成物100質量部中に、前記エチレン系共重合体(B)を、1〜40質量部含むことが好ましく、5〜39質量部含むことが好ましく、10〜38質量部含むことがより好ましい。また、前記組成物100質量部中に、前記エチレン系重合体(A)を、99〜60質量部含むことが好ましく、95〜61質量部含むことが好ましく、90〜62質量部含むことがより好ましい。
(エチレン系重合体(A))
前記エチレン系重合体(A)は、少なくともエチレンをモノマーとして用いて得られる重合体であり、下記要件(a1)を満たす。
要件(a1):密度が950kg/m3以上である。密度は、951〜970kg/m3であることが好ましく、955〜965kg/m3であることがより好ましい。前記密度は、JIS K7112(密度勾配管法)に準拠して測定することができる。
前記エチレン系重合体(A)としては、下記要件(a2)を満たすことが好ましい。
要件(a2):JIS K 7210に準拠して得られた190℃、2.16kg荷重でのメルトフローレート(MFR)が0.1〜50g/10分である。MFRは、1〜30g/10分であることが好ましく、1〜15g/10分であることがより好ましい。MFRが前記範囲内であると、射出成形性に優れているため好ましい。
前記エチレン系重合体(A)は、エチレン単独重合体またはエチレン・α‐オレフィン共重合体であることが好ましい。
前記α‐オレフィンとしては、炭素数3以上20以下のα‐オレフィンが好ましく、炭素数3以上10以下のα‐オレフィンがより好ましく、炭素数3以上5以下のα‐オレフィンが特に好ましい。前記炭素数3以上20以下のα‐オレフィンとしては、プロピレン、1‐ブテン、1‐ヘキセン、4‐メチル‐1‐ペンテン、1‐オクテン、1‐デセンなどが挙げられ、前記炭素数3以上20以下のα‐オレフィンとしては、一種単独で用いても、二種以上を用いてもよい。
前記エチレン系重合体(A)が、エチレン・α‐オレフィン共重合体である場合の組成としては、エチレン系重合体(A)100wt%中の、エチレン由来の構成単位の量(エチレン含有量)が、90wt%以上100wt%未満であることが好ましく92wt%以上100wt%未満であることがより好ましく、94wt%以上100wt%未満であることが特に好ましい。また、α‐オレフィン由来の構成単位の量(α‐オレフィン含有量)が、0wt%を超えて10wt%以下であることが好ましく、0wt%を超えて8wt%以下であることがより好ましく、0wt%を超えて6wt%以下であることが特に好ましい。
前記エチレン系重合体(A)は、公知のオレフィン重合用触媒の存在下で、エチレンを単独で重合または、エチレンとα‐オレフィンとを共重合することによって製造することができる。オレフィン重合用触媒としては、具体的には、例えば、固体状チタン触媒成分と有機金属化合物触媒成分とを含む所謂チーグラーナッタ触媒や、メタロセン触媒を用いることができる。また、オレフィン重合用触媒の種類に応じた、各種助触媒を用いてもよい。
本発明で使用されるエチレン系重合体(A)は、特に限定されない。前記エチレン系重合体(A)としては、一般に販売されているものが使用可能である。例えば、日本ポリエチ株式会社「ノバテック」、東ソー株式会社「ニポロンハード」、旭化成株式会社「サンテック」、株式会社プライムポリマー「ハイゼックス」などが挙げられる。
(エチレン系共重合体(B))
前記エチレン系共重合体(B)は、少なくともエチレンをモノマーとして用いて得られる共重合体であり、下記要件(b1)を満たす。
要件(b1):密度が901〜940kg/m3である。密度は、901〜939g/m3であることが好ましく、902〜938kg/m3であることがより好ましい。前記密度は、JIS K7112(密度勾配管法)に準拠して測定することができる。
前記エチレン系共重合体(B)としては、下記要件(b2)を満たすことが好ましい。
要件(b2):JIS K 7210に準拠して得られた190℃、2.16kg荷重でのメルトフローレート(MFR)が1〜40g/10分である。MFRは、1〜30g/10分であることが好ましく、1〜15g/10分であることがより好ましい。MFRが前記範囲内であると、前記エチレン系重合体(A)に対する分散性に優れるため好ましい。
前記エチレン系共重合体(B)は、エチレンと、炭素数4以上20以下のα‐オレフィンとの共重合体であることが好ましい。炭素数4以上20以下のα‐オレフィンとしては、炭素数4以上10以下のα‐オレフィンが好ましく、炭素数6以上10以下のα‐オレフィンがより好ましい。
前記炭素数4以上20以下のα‐オレフィンとしては、1‐ブテン、1‐ヘキセン、4‐メチル‐1‐ペンテン、1‐オクテン、1‐デセンなどが挙げられ、1‐ヘキセンが好ましい。前記炭素数4以上20以下のα‐オレフィンとしては、一種単独で用いても、二種以上を用いてもよい。なお、前記炭素数4以上20以下のα‐オレフィンとして、1‐ブテンを用いる場合には、炭素数6以上10以下のα‐オレフィンと併用することが好ましい。
前記エチレン系共重合体(B)は、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)であることが好ましい。
前記エチレン系共重合体(B)の組成としては、エチレン系共重合体(B)100wt%中の、エチレン由来の構成単位の量(エチレン含有量)が、80〜99wt%であることが好ましく81〜95wt%であることがより好ましく、82〜92wt%であることが特に好ましい。また、炭素数4以上20以下のα‐オレフィン由来の構成単位の量(α‐オレフィン含有量)が、1〜20wt%であることが好ましく、5〜19wt%であることがより好ましく、8〜18wt%であることが特に好ましい。
前記エチレン系共重合体(B)の製造方法は特に限定はされないが、シングルサイト触媒を用いて重合することがエチレン主鎖中にα‐オレフィンが均一に入る観点から好ましい。前記シングルサイト触媒としては、メタロセン触媒が好ましい。
前記シングルサイト触媒とは、活性点が均一のものであり、前記メタロセン触媒が代表的な例として挙げられる。前記メタロセン触媒は、Ti、Zr、Hf、Ru、V、Cr等の遷移金属に、シクロペンタジエニル等の不飽和環状化合物が配位した構造を有する化合物である。また、シングルサイト触媒の種類に応じた、各種助触媒を用いてもよい。例えば前記メタロセン触媒の助触媒として、トリメチルアルミニウムと水との化合物であるメチルアルモキサンを用いてもよい。
本発明で使用されるエチレン系共重合体(B)は、特に限定されない。前記エチレン系共重合体(B)としては、一般に販売されているものが使用可能である。例えば、日本ポリエチ株式会社「ノバテック」、東ソー株式会社「ニポロン」、住友化学株式会社「スミカセン」、株式会社プライムポリマー「エボリュー」などが挙げられる。
本発明に用いられる組成物は、前述のエチレン系重合体(A)と、エチレン系共重合体(B)とを、好ましくは前述の範囲で含む。
前記組成物は、前述のエチレン系重合体(A)および、エチレン系共重合体(B)以外の成分を含んでいてもよく、例えば、下記添加剤を含んでいてもよい。
(添加剤)
前記組成物は、本発明の目的を損なわない範囲で、酸化防止剤、中和剤、核剤、熱安定剤、耐候剤、滑剤、帯電防止剤、アンチブロッキング剤、防曇剤、気泡防止剤、分散剤、難燃剤、抗菌剤、蛍光増白剤、架橋剤、架橋助剤、着色剤(例えば染料、顔料)等の添加剤を含んでいてもよい。添加剤は1種または2種以上用いることができる。添加剤の割合は特に制限されず、用途に応じて、適宜調節することが可能である。添加剤の量は、組成物100質量部中に、好ましくは0〜50質量部、より好ましくは0〜10質量部である。
(組成物の製造方法)
前記組成物の製造方法としては、特に制限はないが、例えば、以下の方法で製造することができる。
前記組成物の製造方法としては、例えば、前述のエチレン系重合体(A)およびエチレン系共重合体(B)、並びに適宜用いられる添加剤とを、前述の範囲の量で溶融混練することによって製造することができる。
前記組成物の製造方法の別の例としては、前記エチレン系重合体(A)を造粒したペレットと、前記エチレン系共重合体(B)を造粒したペレットと、適宜用いられる添加剤とをドライブレンドすることによって製造することができる。
組成物の均一性に優れる観点から、前記組成物の製造方法としては、溶融混練によって製造することが好ましい。ただし、前記組成物は、ドライブレンドによって製造されたものであっても良好な成形体を得ることが可能である。
前記組成物を製造する際には、例えば連続式押出機や密閉式混練機を用いることができる。例えば、一軸押出機、二軸押出機、ミキシングロール、バンバリーミキサー、ニーダー等の装置を用いることができる。これらのうち、経済性、処理効率等の観点から一軸押出機、および二軸押出機の少なくとも一方を用いることが好ましい。
[射出延伸ブロー成形体]
本発明の射出延伸ブロー成形体は、前記組成物からなる。前記組成物は、エチレン系共重合体(B)を含むため成形性に優れる。このため、前記組成物を用いることにより、射出延伸ブロー成形体を容易に製造することができる。本発明の射出延伸ブロー成形体は、前記エチレン系重合体(A)および、前記エチレン系共重合体(B)を含む組成物から形成されるため、ポリエチレンが有する優れた性質(例えば、耐熱性、耐薬品性、耐衝撃性)を有する。前記射出延伸ブロー成形体としては、例えば容器が挙げられる。
前記射出延伸ブロー成形体は、例えば、前記組成物を射出成形して得られたプリフォームを作製後に、延伸ブロー成形(2ステージ法)することにより得られる成形体や、射出成形後に延伸ブロー成形(1ステージ法)することにより得られる成形体である。2ステージ法のプリフォームの形状としては、特に制限はないが、例えば、試験管型、円錐型等が挙げられる。
前記組成物は、一般に使用されている射出延伸ブロー成形機で成形することが可能である。射出延伸ブローは、一般的に、射出成形されたパリソンの状態からホットパリソン法とコールドパリソン法に分けられる。ホットパリソン法は、パリソンが完全に冷却しない状態でブロー成形する方法である。この成形法は、パリソン製造とブロー成形とが連続的に同一成形機で行われるために1ステージ法と呼ばれている。それに対して、コールドパリソン法は、パリソンを完全に冷却してプリフォームと呼ばれる成形体を製造後に、再加熱してブロー成形する方法であり、2つの工程からなるために2ステージ法と呼ばれている。
射出成形は、一般的なポリオレフィン系樹脂と同様の条件で行うことができる。1ステージ法の場合には、パリソンの予熱を使用してブロー成形を行うために、ブロー成形条件および成形体のサイズに応じて、適時条件を設定することが可能である。2ステージの場合には、プリフォームの加熱に使用する外部加熱部は、赤外線ランプヒーターなどを使用して行い加熱後に延伸ブローが可能である。ヒーターは、外面だけではなく内面から加熱してもよい。延伸ブローする際の樹脂温度(プリフォームの加熱温度)は、使用する樹脂材料の最適温度によって異なるため特に限定されないが、ポリオレフィン系樹脂の場合は、融点以下〜結晶化温度以上とすることが好ましく、通常80〜150℃である。ブロー成形における延伸倍率は、特に限定されないが、最終成形体のサイズが、縦方向についてプリフォームの1.1〜5倍、横方向についてもプリフォームの1.5〜5倍になるようにするのが好ましい。
本発明の容器は、射出延伸ブロー成形体からなる。本発明の容器は、前述の方法で製造することが可能であり、その形状およびサイズとしては、特に制限がなく、製法に応じた所望の形状、サイズとすることができる。前記容器は、食品、日用品、医薬品等のための容器として、好適に使用することができる。射出ブロー成形法を用いることにより、口部の寸法精度が高い成形体を得ることが可能性である。また、収縮率も低いことが特徴である。
次に本発明について実施例を示してさらに詳細に説明するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。
実施例および比較例で用いたエチレン系重合体、エチレン系共重合体、および高圧法低密度ポリエチレンを以下に示す。
[エチレン系重合体]
HD−1:チーグラーナッタ触媒を用いて製造されたエチレン単独重合体、MFR(190℃、2.16kg荷重)5.2g/10分、密度964kg/m3
HD−2:チーグラーナッタ触媒を用いて製造されたエチレン・プロピレン共重合体、MFR(190℃、2.16kg荷重)13g/10分、密度960kg/m3、プロピレン含有量は、0.7wt%
HD−3:チーグラーナッタ触媒を用いて製造されたエチレン・プロピレン共重合体、MFR(190℃、2.16kg荷重)0.82g/10分、密度949kg/m3、プロピレン含有量は、1.2wt%
HD−4:チーグラーナッタ触媒を用いて製造されたエチレン・プロピレン共重合体、MFR(190℃、2.16kg荷重)5.7g/10分、密度952kg/m3、プロピレン含有量は、1.9wt%
HD−5:チーグラーナッタ触媒を用いて製造されたエチレン・1−ブテン共重合体、MFR(190℃、2.16kg荷重)9.1g/10分、密度951kg/m3、1−ブテン含有量は、5.0wt%
[エチレン系共重合体]
LLD−1:メタロセン触媒を用いて製造された直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、エチレン・1−ヘキセン共重合体、MFR(190℃、2.16kg荷重)1.9g/10分、密度925kg/m3、1−ヘキセン含有量は、7.0wt%
LLD−2:メタロセン触媒を用いて製造された直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、エチレン・1−ヘキセン共重合体、MFR(190℃、2.16kg荷重)3.8g/10分、密度903kg/m3、1−ヘキセン含有量は、18wt%
LLD−3:メタロセン触媒を用いて製造された直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、エチレン・1−ヘキセン共重合体、MFR(190℃、2.16kg荷重)1.3g/10分、密度904kg/m3、1−ヘキセン含有量は、17wt%
LLD−4:メタロセン触媒を用いて製造された直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、エチレン・1−ヘキセン共重合体、MFR(190℃、2.16kg荷重)1.8g/10分、密度937kg/m3、1−ヘキセン含有量は、4wt%
LLD−5:メタロセン触媒を用いて製造された直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、エチレン・1−ヘキセン共重合体、MFR(190℃、2.16kg荷重)2.0g/10分、密度916kg/m3、1−ヘキセン含有量は、11wt%
[高圧法低密度ポリエチレン]
LD−1:高圧法低密度ポリエチレン(エチレン単独重合体)、MFR(190℃、2.16kg荷重)2.0g/10分、密度921kg/m3
エチレン系重合体、エチレン系共重合体、および高圧法低密度ポリエチレンの物性は以下の方法で測定した。
<MFR>
各重合体のMFRは、JIS K 7210に準拠して、190℃、2.16kg荷重下で測定した。
<密度>
各重合体の密度は、JIS K7112(密度勾配管法)に準拠して測定した。
<重合体中のエチレン含有量測定>
前記重合体について、組成分析を行い、エチレン由来の構成単位の含有割合(エチレン含有量)と、α−オレフィン由来の構成単位の含有割合(α−オレフィン含有量)とを測定した。具体的には、13C−NMRにより重合体の分子鎖中におけるエチレン含有量およびα−オレフィン含有量を測定した。
測定は、日本電子(株)製Lambda500型核磁気共鳴装置(13C:500MHz)を用いた。積算回数1万〜3万回にて測定した。直径10mmの市販のNMR測定石英ガラス管中に、サンプル250〜400mgと和光純薬工業(株)製特級ヘキサクロロブタジエン2mlとを入れ、120℃にて加熱、均一分散させた溶液についてNMR測定を行った。NMRスペクトルにおける各吸収の帰属は、化学の領域増刊141号NMR−総説と実験ガイド[I]、132頁〜133頁に準じて行った。なお、測定温度120℃、測定周波数125.7MHz、スペクトル幅250,000Hz、パルス繰返し時間4.5秒、45°パルスの測定条件下で測定を行った。
〔実施例1〕
(1−1:組成物(ペレット)の製造)
70質量部の前記HD−1と、30質量部の前記LLD−1とを、東芝機械株式会社製の二軸押出機(TEM35BS)に投入し、樹脂温度200℃で溶融混練することで、組成物のペレットを得た。
なお、ペレットのMFRおよび密度は、前述の重合体のMFRおよび密度と同様の方法で測定した。
<融点、融解熱量(ΔH)>
JIS K7121に従って、示差走査熱量計(DSC、パーキンエルマー社製(Diamond DSC))を用いて測定を行った。ここで測定した第3stepにおける吸熱ピークの頂点を結晶融点(Tm)と定義した。吸熱ピークが複数ある場合は最大吸熱ピーク頂点を結晶融点(Tm)と定義する。
(測定条件)
測定環境:窒素ガス雰囲気
サンプル量: 5mg
サンプル形状: プレスフィルム(230℃成形、厚み200〜400μm)
第1step: 30℃より10℃/minで200℃まで昇温し、10min間保持する。
第2step: 10℃/minで30℃まで降温する。
第3step: 10℃/minで200℃まで昇温する。
一方、吸熱曲線のピーク面積より融解熱量(J/g)を求めた。融解後の温度における吸熱曲線が水平になるように調整し、融解ピークが始まった点と、無くなった点とを結んだ線をベースラインとした。
(1−2:射出成形体の製造)
前記ペレットを、東洋機械金属社製SI−80III射出成形機を用いて射出成形し、試験片(射出成形体)を製造した。成形条件は、JIS K 6922−2に準じて設定した。
<シャルピー衝撃強さ>
前記試験片のシャルピー衝撃強度は、JIS K 7111−1に準拠して、23℃の条件下で測定した。測定では、ノッチ付き試験片を使用した。
<収縮率>
前記試験片の収縮率を、JIS K 7152−4に準じて求めた。収縮率は、流動方向の収縮率を収縮率MD、流動方向に直角な収縮率を収縮率TDと定義した。
(1−3:射出延伸ブロー成形体の製造)
前記ペレットを、青木固研究所二軸延伸ブロー装置を使用して、射出延伸ブロー成形体(容器)を作製した。射出成形は200℃、射出時間は5秒とし、冷却時間は1.0秒で実施した。ブローは5秒と、冷却時間は、5秒とした。金型温度は、30℃と設定した。
容器のサイズは、口部内径φ32.2mm、胴部外径φ60±0.5mm、高さ130±1mm、内容量296±3mlとした。縦延伸倍率は1.6倍、横延伸倍率は1.67倍である。
<成形性>
容器を製造する際の成形性を以下の基準に従って評価した。
(金型賦形性)
成形した容器が、金型サイズと同サイズの容器であるか否かを、次の判定基準で評価した。
AA:金型賦形性が良好
BB:金型賦形性が不良
(偏肉性)
成形した容器を手で触りながら周方向の偏肉度合い(肉厚分布)を次の判定基準で評価した。
AA:非常に均一
BB:肉厚分布が不均一
実施例1の組成物の処方および、各物性を表1に示す。
〔実施例2〜6〕
前記エチレン系重合体の種類および量、並びに、前記エチレン系共重合体の種類および量を表1に記載のように変更した以外は、実施例1と同様の方法で、組成物(ペレット)の製造、射出成形体の製造および射出延伸ブロー成形体の製造を行い、実施例1と同様に各物性の評価を行った。
実施例2〜6の組成物の処方および、各物性を表1に示す。
〔比較例1〜7〕
前記エチレン系重合体の種類および量、前記エチレン系共重合体の種類および量、並びに前記LD−1の量を表1に記載のように変更した以外は、実施例1と同様の方法で、組成物(ペレット)の製造、射出成形体の製造および射出延伸ブロー成形体の製造を行い、実施例1と同様に各物性の評価を行った。
比較例1〜7の組成物の処方および、各物性を表2に示す。
Figure 2021138870
Figure 2021138870

Claims (7)

  1. 下記要件(a1)を満たすエチレン系重合体(A)と、下記要件(b1)を満たすエチレン系共重合体(B)とを含む組成物からなる射出延伸ブロー成形体。
    要件(a1):密度が950kg/m3以上である。
    要件(b1):密度が901〜938kg/m3である。
  2. 前記エチレン系重合体(A)が、下記要件(a2)を満たす、請求項1に記載の射出延伸ブロー成形体。
    要件(a2):JIS K 7210に準拠して得られた190℃、2.16kg荷重でのメルトフローレート(MFR)が0.1〜50g/10分である。
  3. 前記エチレン系重合体(A)が、エチレン単独重合体またはエチレン・α‐オレフィン共重合体である、請求項1または2に記載の射出延伸ブロー成形体。
  4. 前記エチレン系共重合体(B)が、下記要件(b2)を満たす、請求項1〜3のいずれか一項に記載の射出延伸ブロー成形体。
    要件(b2):JIS K 7210に準拠して得られた190℃、2.16kg荷重でのメルトフローレート(MFR)が1〜40g/10分である。
  5. 前記組成物100質量部中に、前記エチレン系共重合体(B)を、1〜40質量部含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載の射出延伸ブロー成形体。
  6. 請求項1〜5のいずれか一項に記載の射出延伸ブロー成形体からなる容器。
  7. 下記要件(a1)を満たすエチレン系重合体(A)と、下記要件(b1)を満たすエチレン系共重合体(B)とを含む、射出延伸ブロー成形用組成物。
    要件(a1):密度が950kg/m3以上である。
    要件(b1):密度が901〜938kg/m3である。
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