JP2021138424A - 射出延伸ブロー成形体および容器 - Google Patents

射出延伸ブロー成形体および容器 Download PDF

Info

Publication number
JP2021138424A
JP2021138424A JP2020038919A JP2020038919A JP2021138424A JP 2021138424 A JP2021138424 A JP 2021138424A JP 2020038919 A JP2020038919 A JP 2020038919A JP 2020038919 A JP2020038919 A JP 2020038919A JP 2021138424 A JP2021138424 A JP 2021138424A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ethylene
propylene
injection
composition
copolymer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2020038919A
Other languages
English (en)
Inventor
憲吾 柳田
Kengo Yanagida
憲吾 柳田
美喜雄 根本
Mikio Nemoto
美喜雄 根本
武志 狩野
Takeshi Karino
武志 狩野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Prime Polymer Co Ltd
Original Assignee
Prime Polymer Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Prime Polymer Co Ltd filed Critical Prime Polymer Co Ltd
Priority to JP2020038919A priority Critical patent/JP2021138424A/ja
Publication of JP2021138424A publication Critical patent/JP2021138424A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Containers Having Bodies Formed In One Piece (AREA)
  • Blow-Moulding Or Thermoforming Of Plastics Or The Like (AREA)

Abstract

【課題】本発明の課題は、透明性と耐衝撃性とを両立した射出延伸ブロー成形体を提供することにある。【解決手段】本発明の射出延伸ブロー成形体は、プロピレン・エチレンランダム共重合体(A)と、下記要件(b1)を満たすエチレン系共重合体(B)とを含む組成物からなる。要件(b1):密度が901〜915kg/m3である。プロピレン・エチレンランダム共重合体(A)は、好ましくは下記要件(a2)を満たす。要件(a2):JIS K 7210に準拠して得られた230℃、2.16kg荷重でのメルトフローレート(MFR)が1〜100g/10分である。【選択図】なし

Description

本発明は、射出延伸ブロー成形体および容器に関する。
プロピレン系重合体は、耐熱性および剛性に優れていることが知られており、プロピレン系重合体を含む組成物から、成形体、例えば、食品、日用品、医薬品などの容器を製造することが、従来から広く行われている。プロピレン系重合体を使用した容器の製造では、主に押出ブロー成形法が用いられている。
また、プロピレン系重合体を含む組成物から、射出延伸ブロー成形体を得る方法としては、様々なものが提案されている。
例えば、メルトフローレート(MFR)(ASTM D1238、230℃、2.16kg荷重)が20〜60g/10分、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)から求めた分子量分布(Mw/Mn)が2.2〜4.0、エチレン含有量が2〜4重量%のポリプロピレン樹脂100重量部に対して、0.05〜0.5重量部の造核剤を含むプロピレン樹脂組成物を用いて、プリフォームを成形し、延伸ブローによって容器を製造することが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
別の例としては、MFR(2.16kg荷重、230℃)が2〜50g/10分、固体粘弾性測定(DMA)により得られる温度‐損失正接(tanδ)曲線において、tanδ曲線が0℃以下に単一のピークを有する、特定組成のプロピレン‐エチレンランダム共重合体を用いて二軸延伸ブロー成形体を得ることが提案されている(例えば、特許文献2参照)。
さらに別の例としては、ポリプロピレン(プロピレン単独重合体、プロピレンと、エチレンおよびα‐オレフィンから選択されるコモノマーとのランダム共重合体)と、メタロセン触媒を用いて製造されたポリエチレンとからなる組成物を用いて、射出延伸ブロー成形を行うことが提案されている(例えば、特許文献3参照)。特許文献3に開示された発明は、実質的にポリエチレンの密度が0.920g/cm3以上であることを必須の要件とする発明であった(例えば、特許文献3:請求項5、明細書段落[0022]参照)。
特開2002−179860号公報 特開2006−307122号公報 特表2009−545470号公報
本発明者らが、鋭意検討を行ったところ、従来から提案されているプロピレン系重合体を含む組成物から得られた、射出延伸ブロー成形体は、透明性が不充分となる場合や、耐衝撃性が不充分となる場合があることを見出した。
本発明の課題は、透明性と耐衝撃性とを両立した射出延伸ブロー成形体を提供することにある。
本発明者らは、鋭意検討を重ねた結果、以下に記載の射出延伸ブロー成形体であれば、透明性と耐衝撃性とを両立できることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、例えば以下の[1]〜[5]に関する。
[1] プロピレン・エチレンランダム共重合体(A)と、下記要件(b1)を満たすエチレン系共重合体(B)とを含む組成物からなる射出延伸ブロー成形体。
要件(b1):密度が901〜915kg/m3である。
[2] 前記プロピレン・エチレンランダム共重合体(A)が、下記要件(a2)を満たす、[1]に記載の射出延伸ブロー成形体。
要件(a2):JIS K 7210に準拠して得られた230℃、2.16kg荷重でのメルトフローレート(MFR)が1〜100g/10分である。
[3] 前記エチレン系共重合体(B)が、下記要件(b2)を満たす、[1]または[2]に記載の射出延伸ブロー成形体。
要件(b2):JIS K 7210に準拠して得られた190℃、2.16kg荷重でのメルトフローレート(MFR)が1〜40g/10分である。
[4] 前記組成物100質量部中に、前記エチレン系共重合体(B)を、1〜40質量部含む、[1]〜[3]のいずれかに記載の射出延伸ブロー成形体。
[5] [1]〜[4]のいずれかに記載の射出延伸ブロー成形体からなる容器。
本発明によれば、透明性と耐衝撃性とを両立した射出延伸ブロー成形体を提供することができる。
次に本発明について具体的に説明する。
本発明の射出延伸ブロー成形体は、プロピレン・エチレンランダム共重合体(A)と、下記要件(b1)を満たすエチレン系共重合体(B)とを含む組成物からなる。以下、組成物およびその射出延伸ブロー成形体について詳細に説明する。
[組成物]
本発明に用いられる組成物は、プロピレン・エチレンランダム共重合体(A)と、下記要件(b1)を満たすエチレン系共重合体(B)とを含む。
要件(b1):密度が901〜915kg/m3である。
前記組成物100質量部中に、前記エチレン系共重合体(B)を、1〜40質量部含むことが好ましく、4〜36質量部含むことが好ましく、6〜34質量部含むことがより好ましい。また、前記組成物100質量部中に、前記プロピレン・エチレンランダム共重合体(A)を、99〜60質量部含むことが好ましく、96〜64質量部含むことが好ましく、94〜66質量部含むことがより好ましい。
(プロピレン・エチレンランダム共重合体(A))
前記プロピレン・エチレンランダム共重合体(A)は、プロピレンとエチレンとをランダム共重合することにより得られる重合体であれば特に制限はない。前記プロピレン・エチレンランダム共重合体(A)としては、下記要件(a2)を満たすことが好ましい。
要件(a2):JIS K 7210に準拠して得られた230℃、2.16kg荷重でのメルトフローレート(MFR)が1〜100g/10分である。MFRは、5〜80g/10分であることが好ましく、10〜50g/10分であることがより好ましい。MFRが前記範囲内であると、組成物は射出成形性に優れるため好ましい。
前記プロピレン・エチレンランダム共重合体(A)としては、下記要件(a1)を満たすことが好ましい。
前記プロピレン・エチレンランダム共重合体(A)の組成としては、プロピレン・エチレンランダム共重合体(A)100wt%中の、プロピレン由来の構成単位の量(プロピレン含有量)が、95.5〜97.0wt%であることが好ましく、95.7〜96.8wt%であることがより好ましく、96.1〜96.6wt%であることが特に好ましい。また、エチレン由来の構成単位の量(エチレン含有量)が、3.0〜4.5wt%であることが好ましく3.2〜4.3wt%であることがより好ましく、3.4〜3.9wt%であることが特に好ましい。
前記プロピレン・エチレンランダム共重合体(A)は、プロピレンおよびエチレン以外のモノマーに由来する構成単位、すなわち他のモノマー由来の構成単位を、本発明の効果を損なわない範囲で有していてもよい。前記他のモノマーとしては、例えば、炭素数4以上20以下のα‐オレフィンが挙げられる。前記炭素数4以上20以下のα‐オレフィンとしては、1−ブテン、1−ヘキセンが好ましい。前記プロピレン・エチレンランダム共重合体(A)は、他のモノマー由来の構成単位として、1種または2種以上の他のモノマー由来の構成単位を有していてもよい。前記プロピレン・エチレンランダム共重合体(A)が、他のモノマー由来の構成単位を有する場合には、プロピレン・エチレンランダム共重合体(A)100wt%中の、他のモノマー由来の構成単位の量は、3.0〜4.5wt%であることが好ましく、3.2〜4.3wt%であることがより好ましい。
前記プロピレン・エチレンランダム共重合体(A)は、公知のオレフィン重合用触媒の存在下で、プロピレンとエチレンとを共重合することによって製造することができる。オレフィン重合用触媒としては、具体的には、例えば、固体状チタン触媒成分と有機金属化合物触媒成分とを含む所謂チーグラーナッタ触媒や、メタロセン触媒を用いることができる。また、オレフィン重合用触媒の種類に応じた、各種助触媒を用いてもよい。
本発明で使用されるプロピレン・エチレンランダム共重合体(A)は、前記要件(a2)を満たしていればよく、特に限定されない。前記プロピレン・エチレンランダム共重合体(A)としては、一般に販売されているものが使用可能である。例えば、日本ポリプロ株式会社「ノバテック」や「ウインテック」、サンアロマー株式会社「ポリプロピレン」、株式会社プライムポリマー「プライムポリプロ」などが挙げられる。
(エチレン系共重合体(B))
前記エチレン系共重合体(B)は、少なくともエチレンをモノマーとして用いて得られる共重合体であり、下記要件(b1)を満たす。
要件(b1):密度が901〜915kg/m3である。密度は、902〜915kg/m3であることが好ましく、903〜914kg/m3であることがより好ましい。前記密度は、JIS K7112(密度勾配管法)に準拠して測定することができる。上記範囲にあるエチレン系共重合体を使用することにより、射出延伸ブロー成形体の透明性を向上させることが可能となる。
前記エチレン系共重合体(B)としては、下記要件(b2)を満たすことが好ましい。
要件(b2):JIS K 7210に準拠して得られた190℃、2.16kg荷重でのメルトフローレート(MFR)が1〜40g/10分である。MFRは、1〜30g/10分であることが好ましく、1〜15g/10分であることがより好ましい。MFRが前記範囲内であると、前記プロピレン・エチレンランダム共重合体(A)中での分散性が良好であるため好ましい。分散性が良好なことにより、成形体の透明性を向上させることが可能である。
前記エチレン系共重合体(B)は、エチレンと、炭素数4以上20以下のα‐オレフィンとの共重合体であることが好ましい。炭素数4以上20以下のα‐オレフィンとしては、炭素数4以上10以下のα‐オレフィンが好ましく、炭素数6以上10以下のα‐オレフィンがより好ましい。
前記炭素数4以上20以下のα‐オレフィンとしては、1‐ブテン、1‐ヘキセン、4‐メチル‐1‐ペンテン、1‐オクテン、1‐デセンなどが挙げられ、1‐ヘキセンが好ましい。前記炭素数4以上20以下のα‐オレフィンとしては、一種単独で用いても、二種以上を用いてもよい。なお、前記炭素数4以上20以下のα‐オレフィンとして、1‐ブテンを用いる場合には、炭素数6以上10以下のα‐オレフィンと併用することが好ましい。
前記エチレン系共重合体(B)は、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)であることが好ましい。
前記エチレン系共重合体(B)の組成としては、エチレン系共重合体(B)100wt%中の、エチレン由来の構成単位の量(エチレン含有量)が、80〜99wt%であることが好ましく81〜95wt%であることがより好ましく、82〜92wt%であることが特に好ましい。また、炭素数4以上20以下のα‐オレフィン由来の構成単位の量(α‐オレフィン含有量)が、1〜20wt%であることが好ましく、5〜19wt%であることがより好ましく、8〜18wt%であることが特に好ましい。
前記エチレン系共重合体(B)の製造方法は特に限定はされないが、シングルサイト触媒を用いて重合することが、エチレン主鎖中にα‐オレフィンが均一に入る観点から好ましい。均一に入ることにより、ポリプロピレン系重合体中での分散が均一となり好ましい。前記シングルサイト触媒としては、メタロセン触媒が好ましい。
前記シングルサイト触媒とは、活性点が均一のものであり、前記メタロセン触媒が代表的な例として挙げられる。前記メタロセン触媒は、Ti、Zr、Hf、Ru、V、Cr等の遷移金属に、シクロペンタジエニル等の不飽和環状化合物が配位した構造を有する化合物である。また、シングルサイト触媒の種類に応じた、各種助触媒を用いてもよい。例えば前記メタロセン触媒の助触媒として、トリメチルアルミニウムと水との化合物であるメチルアルモキサンを用いてもよい。
本発明で使用されるエチレン系共重合体(B)は、特に限定されない。前記エチレン系共重合体(B)としては、一般に販売されているものが使用可能である。例えば、日本ポリエチ株式会社「ノバテック」、東ソー株式会社「ニポロン」、住友化学株式会社「スミカセン」、株式会社プライムポリマー「エボリュー」などが挙げられる。
本発明に用いられる組成物は、前述のプロピレン・エチレンランダム共重合体(A)と、エチレン系共重合体(B)とを、好ましくは前述の範囲で含む。
前記組成物は、前述のプロピレン・エチレンランダム共重合体(A)および、エチレン系共重合体(B)以外の成分を含んでいてもよく、例えば、下記添加剤を含んでいてもよい。
(添加剤)
前記組成物は、本発明の目的を損なわない範囲で、酸化防止剤、中和剤、核剤、熱安定剤、耐候剤、滑剤、帯電防止剤、アンチブロッキング剤、防曇剤、気泡防止剤、分散剤、難燃剤、抗菌剤、蛍光増白剤、架橋剤、架橋助剤、着色剤(例えば染料、顔料)等の添加剤を含んでいてもよい。添加剤は1種または2種以上用いることができる。添加剤の割合は特に制限されず、用途などに応じて、適宜調節することが可能である。添加剤の量は、組成物100質量部中に、好ましくは0〜50質量部、より好ましくは0〜10質量部である。前記組成物は、核剤を含むことが透明性および剛性を向上させる点で好ましい。核剤の量としては、組成物100質量部中に、好ましくは0〜10質量部、より好ましくは0〜5質量部である。
(組成物の製造方法)
本発明に用いられる組成物の製造方法としては、特に制限はないが、例えば、以下の方法で製造することができる。
前記組成物の製造方法としては、例えば、前述のプロピレン・エチレンランダム共重合体(A)およびエチレン系共重合体(B)、並びに適宜用いられる添加剤とを、前述の範囲の量で溶融混練することによって製造することができる。
前記組成物の製造方法の別の例としては、前記プロピレン・エチレンランダム共重合体(A)を造粒したペレットと、前記エチレン系共重合体(B)を造粒したペレットと、適宜用いられる添加剤とをドライブレンドすることによって製造することができる。
組成物の均一性に優れる観点から、前記組成物の製造方法としては、溶融混練によって製造することが好ましい。ただし、前記組成物は、ドライブレンドによって製造されたものであっても良好な成形体を得ることが可能である。
前記組成物を製造する際には、例えば連続式押出機や密閉式混練機を用いることができる。例えば、一軸押出機、二軸押出機、ミキシングロール、バンバリーミキサー、ニーダー等の装置を用いることができる。これらのうち、経済性、処理効率等の観点から一軸押出機、および二軸押出機の少なくとも一方を用いることが好ましい。
[射出延伸ブロー成形体]
本発明の射出延伸ブロー成形体は、前記組成物からなる。前記射出延伸ブロー成形体は、エチレン系共重合体(B)を含む前記組成物から得られるため、透明性、耐衝撃性に優れている。前記射出延伸ブロー成形体としては、例えば容器が挙げられる。
前記射出延伸ブロー成形体は、例えば、前記組成物を射出成形して得られたプリフォームを作製後に、延伸ブロー成形(2ステージ法)することにより得られる成形体や、射出成形後に延伸ブロー成形(1ステージ法)することにより得られる成形体である。2ステージ法のプリフォームの形状としては、特に制限はないが、例えば、試験管型、円錐型等が挙げられる。
前記組成物は、一般に使用されている射出延伸ブロー成形機で成形することが可能である。射出延伸ブローは、一般的に、射出成形されたパリソンの状態からホットパリソン法とコールドパリソン法に分けられる。ホットパリソン法は、パリソンが完全に冷却しない状態でブロー成形する方法である。この成形法は、パリソン製造とブロー成形とが連続的に同一成形機で行われるために1ステージ法と呼ばれている。それに対して、コールドパリソン法は、パリソンを完全に冷却してプリフォームと呼ばれる成形体を製造後に、再加熱してブロー成形する方法であり、2つの工程からなるために2ステージ法と呼ばれている。
射出成形は、一般的なポリオレフィン系樹脂と同様の条件で行うことができる。1ステージ法の場合には、パリソンの予熱を使用してブロー成形を行うために、ブロー成形条件および成形体のサイズに応じて、適時条件を設定することが可能である。2ステージの場合には、プリフォームの加熱に使用する外部加熱部は、赤外線ランプヒーターなどを使用して行い加熱後に延伸ブローが可能である。ヒーターは、外面だけではなく内面から加熱してもよい。延伸ブローする際の樹脂温度(プリフォームの加熱温度)は、使用する樹脂材料の最適温度によって異なるため特に限定されないが、ポリオレフィン系樹脂の場合は、結晶化温度以上〜融点以下とすることが好ましく、通常80〜150℃である。ブロー成形における延伸倍率は、特に限定されないが、最終成形体のサイズが、縦方向についてプリフォームの1.1〜5倍、横方向についてもプリフォームの1.5〜5倍になるようにするのが好ましい。
本発明の容器は、射出延伸ブロー成形体からなる。本発明の容器は、前述の方法で製造することが可能であり、その形状およびサイズとしては、特に制限がなく、製法に応じた所望の形状、サイズとすることができる。前記容器は、食品、日用品、医薬品等のための容器として、好適に使用することができる。射出延伸ブロー成形法を用いることにより、口部の寸法精度が高い成形体を得ることが可能性である。
次に本発明について実施例を示してさらに詳細に説明するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。
実施例および比較例で用いたプロピレン・エチレンランダム共重合体およびエチレン系共重合体を以下に示す。
[プロピレン・エチレンランダム共重合体]
PP−1:チーグラーナッタ触媒を用いて製造されたプロピレン・エチレンランダム共重合体MFR(230℃、2.16kg荷重)30g/10分、密度900kg/m3、エチレン含有量は、3.8wt%
[エチレン系共重合体]
LLD−1:メタロセン触媒を用いて製造された直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、エチレン・1−ヘキセン共重合体、MFR(190℃、2.16kg荷重)10g/10分、密度910kg/m3、1−ヘキセン含有量は、13wt%
LLD−2:メタロセン触媒を用いて製造された直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、エチレン・1−ヘキセン共重合体、MFR(190℃、2.16kg荷重)1.2g/10分、密度903kg/m3、1−ヘキセン含有量は、18wt%
LLD−3:メタロセン触媒を用いて製造された直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、エチレン・1−ヘキセン共重合体、MFR(190℃、2.16kg荷重)3.8g/10分、密度903kg/m3、1−ヘキセン含有量は、18wt%
LLD−4:メタロセン触媒を用いて製造された直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、エチレン・1−ヘキセン共重合体、MFR(190℃、2.16kg荷重)3.8g/10分、密度918kg/m3、1−ヘキセン含有量は、9wt%
LLD−5:メタロセン触媒を用いて製造された直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、エチレン・1−ヘキセン共重合体、MFR(190℃、2.16kg荷重)1.5g/10分、密度923kg/m3、1−ヘキセン含有量は、7wt%
LLD−6:メタロセン触媒を用いて製造された直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、エチレン・1−ヘキセン共重合体、MFR(190℃、2.16kg荷重)1.9g/10分、密度925kg/m3、1−ヘキセン含有量は、7wt%
プロピレン・エチレンランダム共重合体およびエチレン系共重合体の物性は以下の方法で測定した。
<MFR>
プロピレン・エチレンランダム共重合体のMFRは、JIS K 7210に準拠して、230℃、2.16kg荷重下で測定した。
エチレン系共重合体のMFRは、JIS K 7210に準拠して、190℃、2.16kg荷重下で測定した。
<密度>
プロピレン・エチレンランダム共重合体およびエチレン系共重合体の密度は、JIS K7112(密度勾配管法)に準拠して測定した。
<プロピレン・エチレンランダム共重合体中のエチレン含有量測定>
プロピレン・エチレンランダム重合体中のエチレンに由来する骨格の含有量は13C−NMRの測定に基づき下記のようにして測定・算出し決定した。
サンプルは、下記条件にてそれぞれ13C−NMRの測定を行った。
13C-NMR測定条件
測定装置:日本電子製LA400型核磁気共鳴装置
測定モード:BCM(Bilevel Complete decoupling)
観測周波数:100.4MHz
観測範囲:17006.8Hz
パルス幅:C核45°(7.8μ秒)
パルス繰り返し時間:5秒
試料管:5mmφ
試料管回転数:12Hz
積算回数:20000回
測定温度:125℃
溶媒:1,2,4−トリクロロベンゼン:0.35ml/重ベンゼン:0.2ml
試料量:約40mg
測定で得られたスペクトルより、下記文献(1)に準じて、モノマー連鎖分布(トリアッド(3連子)分布)の比率を決定し、エチレンに由来する構成単位のモル分率(mol%)(以下E(mol%)と記す)およびプロピレンに由来する構成単位のモル分率(mol%)(以下P(mol%)と記す)を算出した。求められたE(mol%)およびP(mol%)から下記(式1)に従い質量%に換算しエチレン・プロピレン系重合体の中のエチレンに由来する構成単位の含有量(質量%)(以下E(wt%)と記す)を算出した。
文献(1):Kakugo,M.; Naito,Y.; Mizunuma,K.; Miyatake,T., Carbon-13 NMR determination of monomer sequence distribution in ethylene-propylene copolymers preparedwith delta-titanium trichloride-diethylaluminum chloride. Macromolecules 1982,15, (4), 1150-1152
E(wt%)=E(mol%)×28×100/[P(mol%)×42+E(mol%)×28](式1)
<エチレン系共重合体中のエチレン含有量測定>
エチレン系共重合体について、組成分析を行い、エチレン由来の構成単位の含有割合(エチレン含有量)と、α−オレフィン由来の構成単位の含有割合(α−オレフィン含有量)とを測定した。具体的には、13C−NMRによりエチレン系共重合体の分子鎖中におけるエチレン含有量およびα−オレフィン含有量を測定した。
測定は、日本電子(株)製Lambda500型核磁気共鳴装置(13C:500MHz)を用いた。積算回数1万〜3万回にて測定した。直径10mmの市販のNMR測定石英ガラス管中に、サンプル250〜400mgと和光純薬工業(株)製特級ヘキサクロロブタジエン2mlとを入れ、120℃にて加熱、均一分散させた溶液についてNMR測定を行った。NMRスペクトルにおける各吸収の帰属は、化学の領域増刊141号NMR−総説と実験ガイド[I]、132頁〜133頁に準じて行った。なお、測定温度120℃、測定周波数125.7MHz、スペクトル幅250,000Hz、パルス繰返し時間4.5秒、45°パルスの測定条件下で測定を行った。
〔実施例1〕
(1−1:組成物(ペレット)の製造)
90質量部の前記PP−1と、10質量部の前記LLD−1とを、東芝機械株式会社製の二軸押出機(TEM35BS)に投入し、樹脂温度220℃で溶融混練することで、組成物のペレットを得た。
得られたペレットのMFR(230℃、2.16kg荷重)は、28.5g/10分であり、密度は900kg/m3であった。
なお、ペレットのMFRおよび密度は、プロピレン・エチレンランダム共重合体のMFRおよび密度と同様の方法で測定した。
(1−2:射出成形体の製造)
前記ペレットを、東洋機械金属社製SI−80III射出成形機を用いて射出成形し、試験片(射出成形体)を製造した。射出成形条件は、JIS K 6921−2に準じて設定した。次に示す物性測定に供する試験片は、JIS K 6921−2に記載の通りに作製した。
<引張降伏応力、引張破壊応力>
前記試験片の引張降伏応力および引張破壊応力は、JIS K 7161−2に準拠して測定した。
<シャルピー衝撃強さ>
前記試験片のシャルピー衝撃強度は、JIS K 7111−1に準拠して、0℃の条件下で測定した。測定は、ノッチありの試験片で測定した。
(1−3:射出延伸ブロー成形体の製造)
前記ペレットを、青木固研究所二軸延伸ブロー装置を使用して、射出延伸ブロー成形体(容器)を作製した。射出成形は200℃、射出時間は5秒とし、冷却時間は1.0秒で実施した。ブローは5秒とし、冷却時間は5秒とした。金型温度は、30℃と設定した。
容器のサイズは、口部内径φ32.2mm、胴部外径φ60±0.5mm、高さ130±1mm、内容量296±3mlとした。縦延伸倍率は1.6倍、横延伸倍率は1.67倍である。
<内部ヘイズ平均値>
得られた容器の内部ヘイズは、JIS K 7136に準じて測定した。
実施例1の組成物の処方および、各物性を表1に示す。
〔実施例2〜5〕
前記PP−1の量、並びに、前記エチレン系共重合体の種類および量を表1に記載のように変更した以外は、実施例1と同様の方法で、組成物(ペレット)の製造、射出成形体の製造および射出延伸ブロー成形体の製造を行い、実施例1と同様に各物性の評価を行った。
実施例2〜5の組成物の処方および、各物性を表1に示す。
〔比較例1〜4〕
前記PP−1の量、並びに、前記エチレン系共重合体の種類および量を表1に記載のように変更した以外は、実施例1と同様の方法で、組成物(ペレット)の製造、射出成形体の製造および射出延伸ブロー成形体の製造を行い、実施例1と同様に各物性の評価を行った。
比較例1〜4の組成物の処方および、各物性を表1に示す。
Figure 2021138424

Claims (5)

  1. プロピレン・エチレンランダム共重合体(A)と、下記要件(b1)を満たすエチレン系共重合体(B)とを含む組成物からなる射出延伸ブロー成形体。
    要件(b1):密度が901〜915kg/m3である。
  2. 前記プロピレン・エチレンランダム共重合体(A)が、下記要件(a2)を満たす、請求項1に記載の射出延伸ブロー成形体。
    要件(a2):JIS K 7210に準拠して得られた230℃、2.16kg荷重でのメルトフローレート(MFR)が1〜100g/10分である。
  3. 前記エチレン系共重合体(B)が、下記要件(b2)を満たす、請求項1または2に記載の射出延伸ブロー成形体。
    要件(b2):JIS K 7210に準拠して得られた190℃、2.16kg荷重でのメルトフローレート(MFR)が1〜40g/10分である。
  4. 前記組成物100質量部中に、前記エチレン系共重合体(B)を、1〜40質量部含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載の射出延伸ブロー成形体。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の射出延伸ブロー成形体からなる容器。
JP2020038919A 2020-03-06 2020-03-06 射出延伸ブロー成形体および容器 Pending JP2021138424A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020038919A JP2021138424A (ja) 2020-03-06 2020-03-06 射出延伸ブロー成形体および容器

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020038919A JP2021138424A (ja) 2020-03-06 2020-03-06 射出延伸ブロー成形体および容器

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2021138424A true JP2021138424A (ja) 2021-09-16

Family

ID=77667582

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2020038919A Pending JP2021138424A (ja) 2020-03-06 2020-03-06 射出延伸ブロー成形体および容器

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2021138424A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CA2205205C (en) Polyolefin composition and molded article thereof
US20090306271A1 (en) Multimodal Polypropylene Polymer Composition
EP1923200A1 (en) Article
AU764796B2 (en) Polyethylene resin composition for rotational molding and rotational molded product using the composition
JP6369182B2 (ja) プロピレン樹脂組成物
KR101185710B1 (ko) 투명성 및 내충격 특성이 우수한 폴리프로필렌 수지 조성물
JP2014001343A (ja) プロピレン樹脂組成物
JP7410049B2 (ja) プロピレン樹脂組成物及び成形体
JP6497047B2 (ja) 樹脂組成物
JP2012229303A (ja) プロピレン系樹脂組成物及びその射出成形体
JP6948977B2 (ja) プロピレン樹脂組成物及び射出成形体
JP2021138424A (ja) 射出延伸ブロー成形体および容器
CN113767146B (zh) 具有改善的韧性的聚丙烯-聚乙烯组合物
JP2019528367A (ja) シングルサイト触媒を用いて製造したアイソタクチックポリプロピレンとポリエチレンとのブレンドとから成るポリオレフィンブレンドと、その製造方法と、このブレンドから作られた製品
JP7023164B2 (ja) プロピレン樹脂組成物及び成形体
KR101842787B1 (ko) 손잡이 일체형 중공 성형용 폴리프로필렌 수지 조성물 및 그 제조방법
JP2001114954A (ja) プロピレン系樹脂組成物、延伸ブロー成形用プロピレン系樹脂組成物、延伸ブロー成形容器および延伸ブロー成形容器の製造方法
KR101842788B1 (ko) 높은 연질 및 투명도를 갖는 블로우 성형품용 프로필렌계 조성물 및 그 제조방법
JP2021138870A (ja) 射出延伸ブロー成形体、容器および射出延伸ブロー成形用組成物
JPH07112479A (ja) ポリプロピレン製ブロー成形容器およびその製造方法
WO2022249843A1 (ja) プロピレン系重合体組成物からなる射出成形体
JP2001181455A (ja) 中空成形用樹脂組成物および中空成形容器
JPS59199740A (ja) ポリオレフイン組成物
JP5962183B2 (ja) 自動車部品用射出成形体
JP2021161268A (ja) プロピレン系樹脂組成物および成形体

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20230113

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20230912

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20230919

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20231113

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20240220