JP2017122141A - ポリエチレン樹脂組成物およびそれよりなる医療容器 - Google Patents

ポリエチレン樹脂組成物およびそれよりなる医療容器 Download PDF

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Abstract

【課題】 加工性、耐熱性、透明性に優れ、滅菌処理後も変形せず、高い透明性が保持されるポリエチレン製医療容器を提供する。【解決手段】 密度が920〜950kg/m3、MFRが0.1〜15g/10分、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィーによる分子量測定において2つのピークを示し、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比(Mw/Mn)が2.0〜7.0の範囲であり、分子量分別した際のMnが10万以上のフラクション中に長鎖分岐を主鎖1000炭素数あたり0.15個以上有するエチレン−α−オレフィン共重合体を5重量%以上30重量%未満に、特定の物性を有する高圧法低密度ポリエチレンを70重量%を超えて95重量%未満配合したポリエチレン樹脂組成物を用いて医療容器を製造する。【選択図】 なし

Description

本発明は、ポリエチレン樹脂及びポリエチレン製医療容器に関する。さらに詳しくは、プラスチックアンプルのような薬液等の充填に好適なポリエチレン製医療容器に関するものである。
薬液、血液等を充填する医療容器には、滅菌処理等に耐えられる耐熱性、異物の混入や薬剤配合による変化を確認するために透明性や肌荒れが少ないことなどが要求される。
従来、このような性能を満たす医療容器としてガラス製容器が使用されていたが、衝撃や落下による容器の破損、薬液投与時の容器内への外気の浸入による汚染等の問題があるため、耐衝撃性に優れ、柔軟で内容液の排出が容易で廃棄処分も容易なプラスチック製容器が用いられるようになった。プラスチック製容器としては、軟質塩化ビニル樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂、ポリプロピレン樹脂および高圧法低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン等のポリエチレン系樹脂が用いられている。しかし、軟質塩化ビニル樹脂は可塑剤が薬液中に溶出するなど衛生面で問題があり、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂は耐熱性に劣り、ポリプロピレン樹脂は柔軟性やクリーン性(低微粒子性)が課題となっている。また、ポリエチレン系樹脂においても、透明性を満足するために密度を低くすると耐熱性等が低下するなどの問題がある。
医療用のプラスチックアンプルにおいては、優れた加工性のために、高圧法低密度ポリエチレン等のポリエチレン系樹脂が広く用いられ、ブロー成型により生産されている。しかしながら、無菌状態を保つために110℃以上の温度での滅菌処理を行う場合、高圧法低密度ポリエチレンを用いると耐熱性が不足して滅菌処理時に変形しやすい問題点があった。比較的密度が高い高圧法低密度ポリエチレンを選定して用いた場合には、耐熱性が良好である一方で、透明性が不十分で内溶液の視認性が悪かった。
近年、いわゆるメタロセン触媒に代表されるシングルサイト系触媒で製造されたエチレン−α−オレフィン共重合体が開発され、それらをブロー成型することで、耐熱性、透明性及びクリーン性を向上した容器(例えば特許文献1〜2参照)が提案されている。しかしながら、高圧法低密度ポリエチレン同等の加工性が得られないため、高圧法低密度ポリエチレン仕様の現行設備での使用が困難である。特に、小口径かつ肉厚が厚い医療用アンプルを生産した場合、肌荒れが生じて内溶液の視認性が劣る場合や、ドローダウンにより厚みが不均一になるなど、成型自体が困難である問題があった。
特開2010−150522号公報 特開平11−19183号公報
本発明の目的は、従来両立が困難であった透明性、耐熱性及び加工性に優れ、かつ滅菌処理後も高い透明性が保持されるポリエチレン製医療容器を提供することにある。
本発明者らは、鋭意検討を行なった結果、特定の物性を有するエチレン−α−オレフィン共重合体に高圧法低密度ポリエチレンを特定量配合した樹脂組成物を用いて医療容器とすることで、上記課題が解決できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は、下記特性(a)〜(d)を満足するエチレン−α−オレフィン共重合体(A)が5重量%以上30重量%未満、下記特性(e)〜(f)を満足する高圧法低密度ポリエチレン(B)が70重量%を超えて95重量%未満を含むポリエチレン樹脂組成物およびそれよりなる医療容器に関するものである。
(a)密度が920〜950kg/mである。
(b)メルトフローレート(以下MFRという)が0.1〜15g/10分である。
(c)ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィーによる分子量測定において2つのピークを示し、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比(Mw/Mn)が2.0〜7.0の範囲である。
(d)分子量分別した際のMnが10万以上のフラクション中に長鎖分岐を主鎖1000炭素数あたり0.15個以上有する。
(e)密度が915〜940kg/mである。
(f)MFRが0.1〜15g/10分である。
以下に、本発明のポリエチレン樹脂組成物およびそれよりなる医療容器について説明する。
[1]エチレン−α−オレフィン共重合体(A)
本発明に関わるエチレン−α−オレフィン共重合体(A)は、エチレンとα−オレフィンを共重合したものであればよい。α−オレフィンとしては、例えばプロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、3−メチル−1−ブテン等が挙げられ、これらのα−オレフィンを2種類以上併用してもよい。
本発明に関わるエチレン−α−オレフィン共重合体(A)は、JIS K6922−1に準拠し、190℃、荷重2.16kgで測定したMFRが0.1〜15g/10分、好ましくは0.1〜10g/10分、より好ましくは0.1〜5g/10分である。MFRが0.1g/10分未満だと、成形加工時の押出負荷が大きくなると共に、成型時に表面荒れが発生するため好ましくない。また、MFRが15g/10分を超える場合、ドローダウンが大きくなり、成型時の加工性が低下するため好ましくない。
本発明に関わるエチレン−α−オレフィン共重合体(A)は、JIS K6922−1に準拠した密度が920〜950kg/mの範囲であり、好ましくは925〜945kg/m、特に好ましくは925〜935kg/mの範囲である。密度が920kg/m未満だと耐熱性が不足し、950kg/mを超える場合は透明性が低下するため好ましくない。
本発明に関わるエチレン−α−オレフィン共重合体(A)は、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(以下、GPCという。)による分子量測定において2つのピークを示す。ピークトップ分子量(Mp)はGPC測定によって得られた分子量分布曲線を後述の方法で2個のピークに分割し、高分子量側のピークと低分子量側のピークのトップ分子量を評価し、その差が100,000以上である場合を2つのMpを有するとした。100,000未満である場合は、実測された分子量分布曲線のトップ分子量を1つのMpとした。
分子量分布曲線の分割方法は以下のとおりに行った。GPC測定によって得られた、分子量の対数であるLogMに対して重量割合がプロットされた分子量分布曲線のLogMに対して、標準偏差が0.30であり、任意の平均値(ピークトップ位置の分子量)を有する2つの対数分布曲線を任意の割合で足し合わせることによって、合成曲線を作成する。さらに、実測された分子量分布曲線と合成曲線との同一分子量(M)値に対する重量割合の偏差平方和が最小値になるように、平均値と割合を求める。偏差平方和の最小値は、各ピークの割合がすべて0の場合の偏差平方和に対して0.5%以下にした。偏差平方和の最小値を与える平均値と割合が得られた時に、2つの対数正規分布曲線に分割して得られるそれぞれの対数分布曲線のピークトップの分子量をMpとした。
GPCによる分子量測定においてピークが1つのエチレン−α−オレフィン共重合体は、本発明のポリエチレン樹脂組成物を得るための一成分に使用しても、2つのピークを有するエチレン−α−オレフィン共重合体(C)を配合した場合のように透明性が高く、かつ滅菌処理後も透明性を維持した医療容器が得られない。
本発明に関わるエチレン−α−オレフィン共重合体(A)は、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比(Mw/Mn)が2.0〜7.0、好ましくは2.5〜6.5、さらに好ましくは3.0〜6.0である。Mw/Mnが2.0未満の場合は、成形加工時の押出負荷が大きいばかりでなく、得られた医療容器の外観(表面肌)が悪化するため好ましくない。Mw/Mnが7.0を超えると得られた医療容器の強度が低下するばかりか、成形体を医療容器として使用した際に、充填した薬液中の微粒子が増加する恐れがある。
本発明に関わるエチレン−α−オレフィン共重合体(A)は、GPCにより測定した数平均分子量(Mn)が15,000以上であることが好ましく、さらに好ましくは15,000〜100,000、特に15,000〜50,000が好ましい。Mnが15,000以上である場合、得られた医療容器の強度が高くなる。
本発明に関わるエチレン−α−オレフィン共重合体(C)は、分子量分別で得られたMnが10万以上のフラクションの長鎖分岐数が主鎖1000炭素数あたり0.15個以上である。Mnが10万以上のフラクションの長鎖分岐数が主鎖1000炭素数あたり0.15個未満である場合、本発明のポリエチレン樹脂組成物を得るための一成分に使用しても、顕著な透明性改良効果や、滅菌処理後の透明性維持効果は得られない。
また、本発明に関わるエチレン−α−オレフィン共重合体(A)は、分子量分別で得られたMnが10万以上のフラクションの割合が、ポリマー全体の40%未満であることが好ましい。分子量分別で得られたMnが10万以上のフラクションの割合が、ポリマー全体の40%未満である場合、成形加工時の押出負荷が大きくなりにくく、外観(表面肌)が平滑な医療容器が得られる。
本発明に関わるエチレン−α−オレフィン共重合体(A)は、融点が115℃以上であることが好ましい。融点が115℃以上である場合は耐熱性に優れ、110℃で滅菌をした場合にも医療容器の変形が抑制され、滅菌後においても外観が良好な医療容器が得られる。
[2]高圧法低密度ポリエチレン(B)
本発明に用いる高圧法低密度ポリエチレン(B)は、JIS K6922−1に準拠し、190℃、荷重2.16kgで測定したMFRが0.1〜15g/10分であり、0.1〜10g/10分が好ましく、0.1〜5g/10分がより好ましく、特に0.1〜2g/10分が好ましい。MFRが0.1g/10分未満だと、成形加工時の押出負荷が大きくなると共に、成型時に表面荒れが発生するため好ましくない。また、MFRが15g/10分を超える場合、ドローダウンが大きくなり、成型時の加工性が低下するため好ましくない。
本発明に関わる高圧法低密度ポリエチレン(B)は、JIS K6922−1に準拠した密度が915〜940kg/mの範囲であり、好ましくは920〜935kg/m、特に好ましくは922〜932kg/mの範囲である。密度が915kg/m未満だと耐熱性が不足し、940kg/mを超える場合は透明性が低下するため好ましくない。
本発明に関わる高圧法低密度ポリエチレン(B)は、1種類のみを用いてもよいが、密度の異なる高圧法低密度ポリエチレン(B−1)及び高圧法低密度ポリエチレン(B−2)の2種を混合して使用する方が、透明性と耐熱性のバランスが向上するために好ましい。高圧法低密度ポリエチレン(B−1)及び高圧法低密度ポリエチレン(B−2)は、下記(i)を満足する高圧法低密度ポリエチレン(B−1)と、下記(j)を満足する高圧法低密度ポリエチレン(B−2)を用いることがより好ましい。
(i)密度が915kg/m以上で925kg/m未満である。
(j)密度が925kg/m以上で940kg/m以下である。
高圧法低密度ポリエチレン(B−1)及び高圧法低密度ポリエチレン(B−2)の比率は、(B−1)/((B−1)+(B−2))が0.1〜0.6の範囲にあるのが好ましい。
本発明のポリエチレン製医療容器に関わるエチレン−α−オレフィン共重合体(A)は、例えば、特開2012−126862号公報、特開2012−126863号公報、特開2012−158654号公報、特開2012−158656号公報、特開2013−28703号公報等に記載の方法により得ることができる。
[3]ポリエチレン樹脂組成物
本発明のポリエチレン製医療容器を製造するための樹脂材料は、エチレン−α−オレフィン共重合体(A)と高圧法低密度ポリエチレン(B)を配合することにより、耐熱性と加工性を低下させることなく、透明性を高めた医療容器を製造することが可能となる。
本発明に用いるエチレン−α−オレフィン共重合体(A)および高圧法低密度ポリエチレン(B)の配合割合は、エチレン−α−オレフィン共重合体(A)が5重量%以上30重量%未満、好ましくは10〜25重量%、より好ましくは20〜25重量%、高圧法低密度ポリエチレン(B)が70重量%を超えて95重量%未満、好ましくは75〜90重量%、より好ましくは75〜80重量%である。エチレン−α−オレフィン共重合体(A)が5重量%未満だと耐熱性が不足し、30重量%を超える場合は、ドローダウンが大きくなり加工性が低下するため好ましくない。高圧法低密度ポリエチレン(B)が70重量%以下だと加工性が低下し、95重量%を超える場合は耐熱性が低下するため好ましくない。
エチレン−α−オレフィン共重合体(A)を前記範囲内で配合した場合は、該エチレン−α−オレフィン共重合体(A)を配合しない場合に比べて医療容器の耐熱性が向上すると共に、滅菌処理後も高いレベルの透明性を維持することが可能となる。
このような効果が発現する理由は、必ずしも明確ではないが、該エチレン−α−オレフィン共重合体(A)を配合することで、冷却結晶化時に形成される球晶の大きさが著しく小さくなることが確認されており、該エチレン−α−オレフィン共重合体(A)が成形過程および滅菌処理過程の球晶成長を阻害する効果を有するものと考えられる。
これにより、本発明では、滅菌処理後も高いレベルの透明性を維持した医療容器を得ることができる。
本発明のポリエチレン樹脂組成物は、エチレン−α−オレフィン共重合体(A)、高圧法低密度ポリエチレン(B)を、従来公知の方法、例えばヘンシェルミキサー、V−ブレンダー、リボンブレンダー、タンブラーブレンダー等で混合する方法、あるいはこのような方法で得られた混合物をさらに一軸押出機、二軸押出機、ニーダー、バンバリーミキサー等で溶融混練した後、造粒することによって得ることができる。
本発明のポリエチレン樹脂組成物は、密度が925〜935kg/mの範囲にあることが、滅菌処理後の医療容器の耐熱性と透明性のバランスが特に優れるため、より好ましい。
本発明のポリエチレン樹脂組成物には、本発明の効果を著しく損なわない範囲において、通常用いられる公知の添加剤、例えば酸化防止剤、帯電防止剤、滑剤、アンチブロッキング剤、防曇剤、有機系あるいは無機系の顔料、紫外線吸収剤、分散剤等を適宜必要に応じて配合することができる。本発明に関わる樹脂材料に前記の添加剤を配合する方法は特に制限されるものではないが、例えば、重合後のペレット造粒工程で直接添加する方法、また、予め高濃度のマスターバッチを作製し、これを成形時にドライブレンドする方法等が挙げられる。
また、本発明のポリエチレン樹脂組成物には、本発明の効果を損なわない程度の範囲内で、直鎖状低密度ポリエチレン、エチレン−プロピレン共重合体ゴム、ポリ−1−ブテン等の他の熱可塑性樹脂を配合して用いることもできる。
[4]医療容器
本発明のポリエチレン製医療容器は、薬液を収容する収容部を備えた医療容器であって、少なくとも収容部が前記[3]のポリエチレン樹脂組成物からなるものである。
前記樹脂組成物を、ブロー成形等によりアンプル状またはボトル状に成形して、収容部を形成させることができる。ブロー成形では、前記エチレン−α−オレフィン共重合体(A)と高圧法低密度ポリエチレン(B)の樹脂組成物からなるパリソンを押出し、金型でパリソンを挟み込んだ後、パリソン中に清浄エアーを吹き込むこと収容部を形成させることができる。また、ポート部の形成は、収容部との一体成形用金型を使用する方法、ポート部を収容部にヒートシールする方法、インサートブロー成形により収容部の成形と同時に一体化する方法等が挙げられる。
本発明のポリエチレン樹脂組成物を使用して製造される医療容器の肉厚は特に限定されず、必要に応じて適宜決定することができるが、好ましくは0.01〜1mm、より好ましくは0.1〜0.8mm、更に好ましくは0.3〜0.7mmである。
本発明の樹脂組成物を使用して製造される医療容器は、110℃での滅菌処理後において、純水中で波長450nmで測定した光線透過率が55%以上であるものが好ましい。光線透過率が55%以上であると、異物の混入がないことや、薬剤配合による変化を目視で容易に確認できる。
本発明の樹脂組成物を使用して製造される医療容器は、110℃での滅菌処理後においても変形が抑制される耐熱性を有しているものが好ましい。110℃の滅菌処理後においても変形が小さい場合は、110℃滅菌処理を行うことが可能であり、無菌状態を担保できる。
本発明の樹脂組成物を用いて医療容器を製造する方法は特に限定されないが、ブロー成形法、インジェクションブロー成形法等が挙げられる。ブロー成形法やインジェクションブロー成形法を用いた場合、透明性、耐熱性、加工性等の点で多くの利点を有する。ブロー成形の場合は、耐熱性と透明性の観点から、医療容器の肉厚が0.5mm以上が好ましく、0.5〜0.6mmがより好ましい。
本発明のポリエチレン組成物は、透明性、耐熱性、成形加工性に優れ、さらに滅菌処理後も透明性を維持できるため、高い透明性が求められる医療用のプラアンプルのような医療容器に好適に用いることができる。
以下に、実施例を示して本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれら実施例により制限されるものではない。
A.樹脂材料
実施例、比較例に用いた樹脂材料の諸性質は下記の方法により評価した。
<分子量、分子量分布>
重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)、重量平均分子量と数平均分子量の比(Mw/Mn)およびピークトップ分子量(Mp)は、GPCによって測定した。GPC装置(東ソー(株)製(商品名)HLC−8121GPC/HT)およびカラム(東ソー(株)製(商品名)TSKgel GMHhr−H(20)HT)を用い、カラム温度を140℃に設定し、溶離液として1,2,4−トリクロロベンゼンを用いて測定した。測定試料は1.0mg/mlの濃度で調製し、0.3ml注入して測定した。分子量の検量線は、分子量既知のポリスチレン試料を用いて校正した。なお、MwおよびMnは直鎖状ポリエチレン換算の値として求めた。
<分子量分別>
分子量分別は、カラムとしてガラスビーズ充填カラム(直径:21mm、長さ:60cm)を用い、カラム温度を130℃に設定して、サンプル1gをキシレン30mLに溶解させたものを注入する。次に、キシレン/2−エトキシエタノールの比率が5/5のものを展開溶媒として用い、留出物を除去する。その後、キシレンを展開溶媒として用い、カラム中に残った成分を留出させ、ポリマー溶液を得る。得られたポリマー溶液に5倍量のメタノールを添加しポリマー分を沈殿させ、ろ過および乾燥することにより、Mnが10万以上である成分を回収した。
<長鎖分岐>
長鎖分岐数は、日本電子(株)製JNM−GSX400型核磁気共鳴装置を用いて、13C−NMRによってヘキシル基以上の分岐数を測定した。溶媒はベンゼン−d6/オルトジクロロベンゼン(体積比30/70)である。主鎖メチレン炭素(化学シフト:30ppm)1,000個当たりの個数として、α−炭素(34.6ppm)およびβ−炭素(27.3ppm)のピークの平均値から求めた。
<密度>
密度は、JIS K6760(1995)に準拠して密度勾配管法で測定した。
<MFR>
MFR(メルトフローレート)は、ASTM D1238条件Eに準ずる方法にて測定を行った。
<溶融張力>
溶融張力の測定用試料は、サンプルに耐熱安定剤(チバスペシャリティケミカルズ社製、イルガノックス1010TM;1,500ppm、イルガフォス168TM;1,500ppm)を添加したものを、インターナルミキサー(東洋精機製作所製、商品名ラボプラストミル)を用いて、窒素気流下、190℃、回転数30rpmで30分間混練したものを用いた。
溶融張力の測定は、バレル直径9.55mmの毛管粘度計(東洋精機製作所、商品名キャピログラフ)に、長さが8mm,直径が2.095mmのダイスを流入角が90°になるように装着し測定した。温度を160℃に設定し、ピストン降下速度を10mm/分、延伸比を47に設定し、引き取りに必要な荷重(mN)を溶融張力とした。最大延伸比が47未満の場合、破断しない最高の延伸比での引き取りに必要な荷重(mN)を溶融張力とした。
<融点>
示差走査型熱量計、パーキンエルマー製「DSC−7」を用いて測定した。装置内で試料を220℃で5分間融解させた後に、40℃/分の冷却速度で40℃まで冷却し、再度10℃/分の昇温速度で220℃まで昇温させたときに得られる融解吸熱曲線のピーク温度を融点とした。
実施例、比較例では、下記の方法により製造した樹脂材料および市販品を用いた。
(1)エチレン−α−オレフィン共重合体(A)
A−1:
[変性粘土の調製]
1Lのフラスコに工業用アルコール(日本アルコール販売社製(商品名)エキネンF−3)300mL及び蒸留水300mLを入れ、濃塩酸17.5g及びジメチルベヘニルアミン(ライオン株式会社製(商品名)アーミンDM22D)49.4g(140mmol)を添加し、45℃に加熱して合成ヘクトライト(Rockwood Additives社製(商品名)ラポナイトRDS)を100g分散させた後、60℃に昇温させてその温度を保持したまま1時間攪拌した。このスラリーを濾別後、60℃の水600mLで2回洗浄し、85℃の乾燥機内で12時間乾燥させることにより132gの有機変性粘土を得た。この有機変性粘土はジェットミル粉砕して、メジアン径を15μmとした。
[重合触媒の調製]
温度計と還流管が装着された300mLのフラスコを窒素置換した後に(1)で得られた有機変性粘土25.0gとヘキサンを108mL入れ、次いでジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(2,4,7−トリメチルインデニル)ジルコニウムジクロリドを0.4406g、及び20%トリイソブチルアルミニウム142mLを添加して60℃で3時間攪拌した。45℃まで冷却した後に上澄み液を抜き取り、200mLのヘキサンにて5回洗浄後、ヘキサンを200ml加えて触媒懸濁液を得た(固形重量分:12.4wt%)。
[重合]
2Lのオートクレーブにヘキサンを1.2L、20%トリイソブチルアルミニウムを1.0mL、(2)で得られた触媒懸濁液を52mg(固形分6.4mg相当)加え、70℃に昇温後、1−ブテンを17.6g加え、分圧が0.80MPaになるようにエチレン/水素混合ガスを連続的に供給した(エチレン/水素混合ガス中の水素の濃度:590ppm)。90分経過後に脱圧し、スラリーを濾別後、乾燥することで61.8gのエチレン−α−オレフィン共重合体(イ)を得た(活性:9,700g/g触媒)。このエチレン−α−オレフィン共重合体(イ)のMFRは1.6g/10分、密度は930kg/mであり、融点は118.3℃であった。また、数平均分子量は17,600、重量平均分子量は86,700であり、分子量30,500および155,300の位置にピークが観測された。また、ポリマー中に含まれる長鎖分岐数は、主鎖1000炭素数あたり0.14個であり、分子量分別した際のMn10万以上のフラクション中に含まれる長鎖分岐数は、主鎖1000炭素数あたり0.27個であった。また、分子量分別した際のMn10万以上のフラクションの割合は、全ポリマーの20.1wt%であった。また、溶融張力は75mNであった。
A−2:
[変性粘土の調製]
1Lのフラスコに工業用アルコール(日本アルコール販売社製(商品名)エキネンF−3)300mL及び蒸留水300mLを入れ、濃塩酸18.8g及びジメチルヘキサコシルアミン(Me2N(C26H53)、常法によって合成)49.1g(120mmol)を添加し、45℃に加熱して合成ヘクトライト(Rockwood Additives社製(商品名)ラポナイトRDS)を100g分散させた後、60℃に昇温させてその温度を保持したまま1時間攪拌した。このスラリーを濾別後、60℃の水600mLで2回洗浄し、85℃の乾燥機内で12時間乾燥させることにより140gの有機変性粘土を得た。この有機変性粘土はジェットミル粉砕して、メジアン径を14μmとした。
[重合触媒の調製]
温度計と還流管が装着された300mLのフラスコを窒素置換した後に(1)で得られた有機変性粘土25.0gとヘキサンを108mL入れ、次いでジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(2、4,7−トリメチル−1−インデニル)ジルコニウムジクロリドを0.4406g、及び20%トリイソブチルアルミニウム142mLを添加して60℃で3時間攪拌した。45℃まで冷却した後に上澄み液を抜き取り、200mLのヘキサンにて5回洗浄後、ヘキサンを200ml加えて触媒懸濁液を得た(固形重量分:12.0wt%)
[重合]
2Lのオートクレーブにヘキサンを1.2L、20%トリイソブチルアルミニウムを1.0mL、(2)で得られた触媒懸濁液を75mg(固形分9.0mg相当)加え、80℃に昇温後、1−ブテンを8.3g加え、分圧が0.85MPaになるようにエチレン/水素混合ガスを連続的に供給した(エチレン/水素混合ガス中の水素の濃度:850ppm)。90分経過後に脱圧し、スラリーを濾別後、乾燥することで58.5gのエチレン−α−オレフィン共重合体(イ)を得た(活性:6,500g/g触媒)。このエチレン−α−オレフィン共重合体(イ)のMFRは4.0g/10分、密度は941kg/mであり、融点は124.9℃であった。また、数平均分子量は21,200、重量平均分子量は74,000であり、分子量41,500および217,100の位置にピークが観測された。また、ポリマー中に含まれる長鎖分岐数は、主鎖1000炭素数あたり0.07個であり、分子量分別した際のMn10万以上のフラクション中に含まれる長鎖分岐数は、主鎖1000炭素数あたり0.18個であった。また、分子量分別した際のMn10万以上のフラクションの割合は、全ポリマーの14.1wt%であった。また、溶融張力は49mNであった。
(2)高圧法低密度ポリエチレン(B)
LD−1:
東ソー(株)製、(商品名)ペトロセン 173K(MFR=0.3g/10分、密度=924kg/m
LD−2:
東ソー(株)製、(商品名)ペトロセン 220K(MFR=1.0g/10分、密度=931kgm
(3)高密度ポリエチレン(C)
HD−1:
[変性粘土の調製]
脱イオン水4.8L、エタノール3.2Lの混合溶媒に、ジメチルベヘニルアミン;(C2245)(CHN 354gと37%塩酸83.3mLを加え、ジメチルベヘニルアミン塩酸塩溶液を調製した。この溶液に合成ヘクトライト1,000gを加え終夜撹拌し、得られた反応液をろ過した後、固体分を水で十分洗浄した。固体分を乾燥させたところ、1,180gの有機変性粘土化合物を得た。赤外線水分計で測定した含液量は0.8%であった。次に、この有機変性粘土化合物を粉砕し、平均粒径を6.0μmに調製した。
[重合触媒の調製]
5Lのフラスコに、[変性粘土の調製]の項で得た有機変性粘土化合物450g、ヘキサン1.4kgを加え、その後トリイソブチルアルミニウムのヘキサン20重量%溶液1.78kg(1.8モル)、ビス(n−ブチル−シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド7.32g(18ミリモル)を加え、60℃に加熱して1時間撹拌した。反応溶液を45℃に冷却し、2時間静置した後に傾斜法で上澄液を除去した。次に、トリイソブチルアルミニウムのヘキサン1重量%溶液1.78kg(0.09モル)を添加し、45℃で30分間反応させた。反応溶液を45℃で2時間静置した後に傾斜法で上澄液を除去し、トリイソブチルアルミニウムのヘキサン20重量%溶液0.45kg(0.45モル)を加え、ヘキサンで再希釈して全量を4.5Lとし重合触媒を調製した。
[重合]
内容量300Lの重合器に、ヘキサンを135kg/時、エチレンを20.0kg/時、ブテン−1を0.3kg/時、水素5NL/時および[重合触媒の調製]の項で得られた重合触媒を連続的に供給した。また、助触媒として液中のトリイソブチルアルミニウムの濃度を0.93ミリモル/kgヘキサンとなるように、それぞれ連続的に供給した。重合温度は85℃に制御した。得られた高密度ポリエチレン(C−1)はMFR=1.0g/10分、密度952kg/mであった。
(4)直鎖状低密度ポリエチレン(D)
LL−1:
東ソー(株)製、(商品名)ニポロン−Z HF250K(MFR=2.0g/10分、密度=930kg/m、メタロセン触媒系)
B.医療容器
実施例、比較例に用いた医療容器は下記の方法により製造し、滅菌処理を行ない評価した。
<樹脂ペレットの製造>
上記のエチレン−α−オレフィン共重合体(A)、高圧法低密度ポリエチレン(B)、高密度ポリエチレン(C)および直鎖状低密度ポリエチレン(D)を実施例、比較例に記載の比率でドライブレンドを行い、これをプラコー社製50mm径単軸押出機にて溶融混合し、評価樹脂ペレットを作製した。バレルの温度はC1:180℃、C2:190℃、C3:200℃、C4:200℃、ダイヘッド:200℃とした。
<医療容器の製造>
評価樹脂を180℃に設定した50mmφの押出スクリューを有するダイレクトブロー成型機(タハラ社製)に投入し、スクリュー回転数8rpmでパリソンを押し出して、内容積500mLのプラスチックボトルを作製した。ダイは長径16.8mm、短径16.5mmの扁平ダイを用い、コアは16.0mm径のものを用いた。このプラスチックボトルは、胴部の肉厚が0.5mmであった。
<滅菌処理>
前記医療容器を、蒸気滅菌装置((株)日阪製作所製)を用いて、温度110℃で30分間滅菌処理を行なった。
実施例、比較例に用いた医療容器の諸性質は下記の方法により評価した。
<加工性>
ブロー成形機による、成型時の加工性を厚み計により評価した。
○:パリソンコントロールの調整により、厚みが均一なボトルが得られた。
×:パリソンコントロールを調整しても、厚みが不均一または0.5mmでの成形できなかった。
<肌>
前記成型ボトルの表面状態を目視により観察、評価した。
○:表面平滑性良好
×:表面荒れ大
<耐熱性>
前記成形ボトルの形状を目視により観察、評価した。
○:変形なしまたは変形小
×:変形大
また、示差走査型熱量計、パーキンエルマー製「DSC−7」を用いて110℃残存結晶化度を測定した。前記成型ボトルからサンプルピースを切り出し、装置内で10℃/分の昇温速度で220℃まで昇温して融解させたときに得られる融解吸熱曲線から、110℃以上の温度での吸熱量を求めた。吸熱量を288.7mJ/mgで除した値を110℃残存結晶化度として求めた。
目視評価が○で、かつ110℃残存結晶化度が21.0%以上である場合に耐熱性良好とした。
<透明性>
滅菌処理前後の前記成型ボトルから、幅10mm×長さ50mmの試験片を切り出し、紫外可視分光光度計(型式220A、日立製作所製)を用いて、純水中で波長450nmにおける光線透過率を測定した。滅菌処理前、滅菌処理後それぞれで55%以上の光線透過率が維持される場合を透明性が良好な医療容器の目安とした。
実施例1
表1に示す樹脂材料を用いて、ブロー成型機により胴部の肉厚が0.5mm、内容積500mLの角型ボトルを成型し、加工性および肌、耐熱性(110℃残存結晶化度)、透明性(滅菌前光線透過率)を評価した。次いで、得られた成型ボトルに超純水を充填して密封した医療容器を作製して、110℃で30分間高圧蒸気滅菌を行い、耐熱性(目視)、透明性(滅菌後光線透過率)を評価した。結果を表1に示す。
実施例2〜5
樹脂材料を表1に示すように変更した以外は、実施例1と同様にしてプラスチックボトルを作製し、評価を行った。結果を表1に示す。
比較例1
樹脂材料を表2に示すように変更した以外は、実施例1と同様にしてプラスチックボトルを作製し、評価を行った。結果を表2に示す。
作製した成型ボトルは、110℃残存結晶化度が11.8%と耐熱性に劣り、滅菌処理後に大きく変形してしまった。
比較例2
樹脂材料を表2に示すように変更した以外は、実施例1と同様にしてプラスチックボトルを作製し、評価を行った。結果を表2に示す。
作製した成型ボトルは、滅菌処理後に光線透過率が48.2%まで低下してしまい、透明性に劣った。
比較例3
樹脂材料を表2に示すように変更した以外は、実施例1と同様にしてプラスチックボトルを作製し、評価を行った。結果を表2に示す。
作製した成型ボトルは、110℃残存結晶化度が20.5%と耐熱性に劣り、滅菌処理後に大きく変形してしまった。
比較例4
樹脂材料を表2に示すように変更した以外は、実施例1と同様にしてプラスチックボトルを作製し、評価を行った。結果を表2に示す。
作製した成型ボトルは、滅菌処理前後に関わらず光線透過率が55%未満であり、透明性に劣った。
比較例5
樹脂材料を表2に示すように変更した以外は、実施例1と同様にしてプラスチックボトルを作製し、結果を表2に示す。
成型時のドローダウンが大きく、パリソンコントロールを調整しても、肉厚0.5mmのボトルを成型することができなかった。
比較例6
樹脂材料を表2に示すように変更した以外は、実施例1と同様にしてプラスチックボトルを作製し、評価を行った。結果を表2に示す。
作製した成型ボトルは、肌荒れが生じて、表面が平滑なボトルを作製することができなかった。
比較例7
樹脂材料を表2に示すように変更した以外は、実施例1と同様にしてプラスチックボトルを作製し、評価を行った。結果を表2に示す。
成型時のドローダウンが大きく、パリソンコントロールを調整しても、肉厚0.5mmのボトルを成型することができなかった。また、成型したボトルには肌荒れが生じていた。
Figure 2017122141
Figure 2017122141

Claims (9)

  1. 下記特性(a)〜(d)を満足するエチレン−α−オレフィン共重合体(A)5重量%以上30重量%未満、下記特性(e)〜(f)を満足する高圧法低密度ポリエチレン(B)70重量%を超えて95重量%以下からなることを特徴とするポリエチレン樹脂組成物。
    (a)密度が920〜950kg/mである。
    (b)MFRが0.1〜15g/10分である。
    (c)ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィーによる分子量測定において2つのピークを示し、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比(Mw/Mn)が2.0〜7.0の範囲である。
    (d)分子量分別した際のMnが10万以上のフラクション中に長鎖分岐を主鎖1000炭素数あたり0.15個以上有する。
    (e)密度が915〜940kg/mである。
    (f)MFRが0.1〜15g/10分である。
  2. エチレン−α−オレフィン共重合体(A)が下記(g)を満足する請求項1に記載のポリエチレン樹脂組成物。
    (g)密度が925〜945kg/mである。
  3. 高圧法低密度ポリエチレン(B)が下記(h)を満足する請求項1または請求項2に記載のポリエチレン樹脂組成物。
    (h)密度が920〜935kg/mである。
  4. 高圧法低密度ポリエチレン(B)が、下記(i)を満足する高圧法低密度ポリエチレン(B−1)、および下記(j)を満足する高圧法低密度ポリエチレン(B−2)の2種を混合してなる請求項1〜3のいずれかに記載のポリエチレン樹脂組成物。
    (i)密度が915kg/m以上で925kg/m未満である。
    (j)密度が925kg/m以上で940kg/m以下である。
  5. 高圧法低密度ポリエチレン(B−1)及び高圧法低密度ポリエチレン(B−2)の比率が下記(k)を満足する請求項1〜4のいずれかに記載のポリエチレン樹脂組成物。
    (k)(B−1)/((B−1)+(B−2))が0.1〜0.6である。
  6. 薬液を収容する収容部を備えた医療容器であって、少なくとも前記収容部は、請求項1〜5のいずれかに記載のポリエチレン樹脂組成物からなることを特徴とする医療容器。
  7. 肉厚が0.5mm以上であることを特徴とする請求項6に記載の医療容器。
  8. 110℃での滅菌処理後、純水中で波長450nmで測定した光線透過率が55%以上の請求項6〜7記載の医療用容器。
  9. ブロー成型により成型することを特徴とする請求項6〜8のいずれかに記載の医療容器の製造方法。
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