JP7110630B2 - ポリエチレン樹脂組成物及び容器 - Google Patents

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Description

本発明は、ポリエチレン樹脂組成物および容器に関するものである。更に詳細には、特定の高密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、エチレン系重合体及び高圧法低密度ポリエチレンを含む樹脂組成物、及びそれよりなる容器に関するものである。
ポリエチレンやポリプロピレンなどの熱可塑性樹脂を溶融成形することにより、食品や医療薬液等を充填する容器が生産されている。これらの容器に内容物を充填した製品には、加熱滅菌処理が行われることが一般的である。特に、直接血液中に投与される輸液製剤などは、無菌状態に保つことが厳しく求められるため、近年、121℃での高温滅菌がグローバルスタンダードとなりつつある。また、医療薬液用の容器には、薬液の視認性が確保できる程度の透明性が求められ、日本薬局方にて規定された透明性の水準を超えることが義務づけられている。上述の透明性と耐熱性を満足する容器の原料としてポリプロピレンが広く用いられているが、ポリプロピレンは三級炭素が繰り返し存在し、本質的に酸化劣化しやすいため、酸化防止剤の添加が必須となっている。近年、安全性への要求が高まっていることから、特に医療薬液用の容器では、添加剤無添加のクリーンな材料が好まれるようになりつつある。そのため、ポリプロピレンに代わる添加剤無添加材料を使用した透明性と耐熱性を併せ持つ新たな医療用容器の出現が望まれている。
一般的に、ポリエチレンは、ポリプロピレンと比較して、本質的に酸化劣化しにくいことが良く知られており、高耐熱性を要求されない医療薬液容器には、無添加のポリエチレン系樹脂が好適に使用されている。また、ポリエチレンは、結晶化度が高い、すなわち高密度なポリエチレンほど高耐熱であることも一般的に知られている。高密度ポリエチレンは融点が130℃程度あり耐熱性は高いが、光を散乱する球晶と呼ばれる高次構造が大きく発達してしまうため、不透明になることが公知である(光の散乱は、球晶体積の2乗に比例)。反対に、低密度ポリエチレンは、球晶サイズが小さいため、透明性は良好であるものの、融点が110℃程度であるため、高温加熱滅菌には対応できない。
ここで、ポリエチレンは、溶融状態から急冷することにより球晶が微細になることが知られているため、透明性を向上させる方法として、水冷インフレーション成形などの急冷プロセスを有する成形法が確立されている。しかし、ポリエチレンの球晶成長速度は非常に速いため、高密度ポリエチレン製容器を冷却条件の最適化で透明化することは難しい。また同様の理由から、ブロー成形など冷却が遅い成形方法でポリエチレンの透明性を向上させることも困難とされている。すなわち、既存のポリエチレンでは、透明性と耐熱性が相反する性質となるため、高温加熱滅菌を必要とする容器の原料として使用できなかった。
このような状況下で、透明性と耐熱性を両立するポリエチレン容器を生産するために、ポリエチレンを主成分とした樹脂組成物や多層容器、さらには特定の物性を有するポリエチレン系樹脂などの種々提案がなされている(例えば特許文献1、2、3、4参照)。更に、本発明者らは、特定の物性を有するポリエチレン系樹脂を特定量配合したポリエチレン樹脂組成物を使用することにより、透明性、耐熱性、クリーン性に優れる医療用容器を提供し得ることを見出している(例えば、特許文献5参照)。
特開2002-265705号公報 特開2005-7888号公報 特開2015-42557号公報 特開2008-18063号公報 特開2015-74744号公報
しかしながら、上記特許文献1、2、3で提案されている方法においては、透明性と耐熱性のバランス向上に更なる改良が求められていた。また、上記特許文献4で提案されている方法においては、製造にコストがかかる環状ポリオレフィンを積層するために、安価に製造可能なポリエチレンのみを使用する場合よりも材料コストが高くなることからコスト低減が求められている。さらに、上記特許文献5で提案されている方法においては、本発明者らの更なる研究により、ブロー成形時にパリソン(ダイリップから垂下する円筒状の溶融樹脂)が、容易に垂下してしまうため、パリソンのカッティング不良が生じたり、容器形状を保持できなかったりするなどの成形上の不具合が生じることが明らかとなってきた。尚、このようにパリソンが自重で垂下してしまう現象をドローダウン、パリソンが容易に垂下しないように樹脂に付与する特性を耐ドローダウン性と称する。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究した結果、特定の高密度ポリエチレンと直鎖状低密度ポリエチレンとエチレン系重合体と高圧法低密度ポリエチレンの樹脂組成物が、透明性と耐熱性に優れ、ブロー成形性、特に耐ドローダウン性が良好なため、当該樹脂組成物をブロー成形して得られる容器が高温滅菌を必要とする医薬容器用に好適に利用され得ることを見出し、本発明を完成させるに到った。
すなわち、本発明は、下記特性(a)~(b)を満足する高密度ポリエチレン(A)20~30重量%、下記特性(c)~(d)を満足する直鎖状低密度ポリエチレン(B)20~40重量%、下記特性(e)~(h)を満足するエチレン系重合体(C)25~35重量%、下記特性(i)~(j)を満足する高圧法低密度ポリエチレン(D)5~25重量%((A)、(B)、(C)、(D)の合計は100重量%)を含むことを特徴とするポリエチレン樹脂組成物、及び容器に関するものである。
(a)密度が950~970kg/mである。
(b)JIS K6924-1に準拠して温度190℃、荷重21.18Nで測定したメメルトマスフローレート(以下、MFRという)が0.1~10g/10分である。
(c)密度が890~915kg/mである。
(d)MFRが0.1~10g/10分である。
(e)密度が930~949kg/mである。
(f)MFRが0.1~10g/10分である。
(g)ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィーによる分子量測定において2つのピークを示し、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比(Mw/Mn)が2.0~7.0の範囲である。
(h)分子量分別した際のMnが10万以上のフラクション中にヘキシル基以上の長鎖分岐を主鎖1000炭素数あたり0.15個以上有する。
(i)密度が918~925kg/mである。
(j)MFRが0.1~2.0g/10分である。
高密度ポリエチレン(A)は、エチレン単独重合体、またはエチレンとα-オレフィンの共重合体であり、JIS K6922-1に準拠し測定した密度が950~970kg/mであり、好ましくは951~965kg/mである。また、190℃、荷重21.18Nで測定したMFRが、0.1g/10分~10g/10分であり、好ましくは1.0分~5.0g/10分である。密度が950kg/m未満では耐熱性が悪くなる。また、密度が970kg/mを超えると透明性が低下してしまう。MFRが0.1g/10分未満では、加工時の流動性が悪くなるために成形体の表面が荒れ、透明性が損なわれる。また、10g/10分を超えると加工時の耐ドローダウン性が低下し、容器の製造ができなくなる。
高密度ポリエチレン(A)は、後述する直鎖状低密度ポリエチレン(B)、エチレン系重合体(C)、高圧法低密度ポリエチレン(D)と配合することで、得られる成形体の透明性向上効果を発現するが、高密度ポリエチレン(A)が下記(k)~(l)の特性を有する場合は、成形体のクリーン性(低微粒子性)および滅菌処理後の透明性がさらに向上するため特に好ましい。このような(k)~(l)の特性を有する高密度ポリエチレン(A)は前記メタロセン触媒を用いることで製造することができる。
(k)ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィーにより求められる重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比(Mw/Mn)が3.0以下。
(l)日本薬局方に規定の強熱残分試験法による残分が0.02重量%以下。
高密度ポリエチレン(A)は、市販品として入手したものであってもよく、例えば、東ソー(株)製(商品名)ニポロンハード 5700、東ソー(株)製(商品名)ニポロンハード 8500、東ソー(株)製(商品名)ニポロンハード 8022等を挙げることができる。また、高密度ポリエチレン(A)は以下の方法により製造することができる。例えばスラリー法、溶液法、気相法等の製造法により製造することが可能である。該高密度ポリエチレン(A)を製造する際には、一般的にマグネシウムとチタンを含有する固体触媒成分及び有機アルミニウム化合物からなるチーグラー触媒、シクロペンタジエニル誘導体を含有する有機遷移金属化合物と、これと反応してイオン性の錯体を形成する化合物及び/又は有機金属化合物からなるメタロセン触媒、バナジウム系触媒等を用いることができ、該触媒によりエチレンを単独重合またはエチレンとα-オレフィンを共重合することにより製造可能である。α-オレフィンとしては、一般にα-オレフィンと称されているものでよく、プロピレン、ブテン-1、ヘキセン-1、オクテン-1、4-メチル-1-ペンテン等の炭素数3~12のα-オレフィンであることが好ましい。エチレンとα-オレフィンの共重合体としては、例えばエチレン・ヘキセン-1共重合体、エチレン・ブテン-1共重合体、エチレン・オクテン-1共重合体等が挙げられる。
直鎖状低密度ポリエチレン(B)は、エチレンとα-オレフィンの共重合体であり、JIS K6922-1に準拠し測定した密度が890~915kg/mであり、好ましくは895~910kg/mである。また、190℃、荷重21.18Nで測定したMFRが、0.1g/10分~10g/10分であり、好ましくは1.0分~5.0g/10分である。密度が890kg/m未満では耐熱性が悪くなる。また、密度が915kg/mを超えると熱処理後の透明性が顕著に低下してしまう。MFRが0.1g/10分未満では、加工時の流動性が悪くなるために成形体の表面が荒れ、透明性が損なわれる。また、10g/10分を超えると加工時の耐ドローダウン性が低下し、容器の製造ができなくなる。
直鎖状低密度ポリエチレン(B)は、前述の高密度ポリエチレン(A)および後述するエチレン系重合体(C)、高圧法低密度ポリエチレン(D)と配合することで、得られる成形体の透明性向上効果を発現するが、直鎖状低密度ポリエチレン(B)が下記(m)~(n)の特性を有する場合は、成形体のクリーン性(低微粒子性)および滅菌処理後の透明性がさらに向上するため特に好ましい。このような(m)~(n)の特性を有する直鎖状低密度ポリエチレン(B)は前記メタロセン触媒を用いることで製造することができる。
(m)ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィーにより求められる重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比(Mw/Mn)が3.0以下。
(n)50℃におけるn-ヘプタン抽出量が1.5wt%以下。
直鎖状低密度ポリエチレン(B)としては、市販品として入手したものであってもよく、例えば、東ソー(株)製(商品名)ニポロン-Z HF212R、東ソー(株)製(商品名)ニポロン-Z HF210K、東ソー(株)製(商品名)ニポロン-Z ZF220等を挙げることができる。
また、直鎖状低密度ポリエチレン(B)は以下の方法により製造することができる。例えば高圧法、溶液法、気相法等の製造法により製造することが可能である。該直鎖状低密度ポリエチレン(B)を製造する際には、一般的にマグネシウムとチタンを含有する固体触媒成分及び有機アルミニウム化合物からなるチーグラー触媒、シクロペンタジエニル誘導体を含有する有機遷移金属化合物と、これと反応してイオン性の錯体を形成する化合物及び/又は有機金属化合物からなるメタロセン触媒、バナジウム系触媒等を用いることができ、該触媒によりエチレンとα-オレフィンを共重合することにより製造可能である。α-オレフィンとしては、一般にα-オレフィンと称されているものでよく、プロピレン、ブテン-1、ヘキセン-1、オクテン-1、4-メチル-1-ペンテン等の炭素数3~12のα-オレフィンであることが好ましい。エチレンとα-オレフィンの共重合体としては、例えばエチレン・ヘキセン-1共重合体、エチレン・ブテン-1共重合体、エチレン・オクテン-1共重合体等が挙げられる。
エチレン系重合体(C)は、JIS K6922-1に準拠した密度が930~949kg/mの範囲であり、好ましくは935~945kg/mの範囲である。また、190℃、荷重21.18Nで測定したMFRが、0.1g/10分~10g/10分であり、好ましくは1.0分~5.0g/10分である。また、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(以下、GPCという。)による分子量測定において2つのピークを示し、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比(Mw/Mn)が2.0~7.0の範囲である。尚、ピークトップ分子量(Mp)はGPC測定によって得られた分子量分布曲線を後述の方法で2個のピークに分割し、高分子量側のピークと低分子量側のピークのトップ分子量を評価し、その差が100,000以上である場合を2つのMpを有するとした。100,000未満である場合は、実測された分子量分布曲線のトップ分子量を1つのMpとした。分子量分布曲線の分割方法は以下のとおりに行った。GPC測定によって得られた、分子量の対数であるLogMに対して重量割合がプロットされた分子量分布曲線のLogMに対して、標準偏差が0.30であり、任意の平均値(ピークトップ位置の分子量)を有する2つの対数分布曲線を任意の割合で足し合わせることによって、合成曲線を作成する。さらに、実測された分子量分布曲線と合成曲線との同一分子量(M)値に対する重量割合の偏差平方和が最小値になるように、平均値と割合を求める。偏差平方和の最小値は、各ピークの割合がすべて0の場合の偏差平方和に対して0.5%以下にした。偏差平方和の最小値を与える平均値と割合が得られた時に、2つの対数正規分布曲線に分割して得られるそれぞれの対数分布曲線のピークトップの分子量をMpとした。さらに、分子量分別で得られたMnが10万以上のフラクションの長鎖分岐数が主鎖1000炭素数あたり0.15個以上である。密度が930kg/m未満では耐熱性が悪くなる。また、密度が949kg/mを超えると透明性が顕著に低下してしまう。MFRが0.1g/10分未満では、加工時の流動性が悪くなるために成形体の表面が荒れ、透明性が損なわれる。また、10g/10分を超えると加工時の耐ドローダウン性が低下し、容器の製造ができなくなる。GPCによる分子量測定においてピークが1つのエチレン系重合体、エチレン・α-オレフィン共重合体は、本発明のポリエチレン樹脂組成物を得るための一成分に使用しても、2つのピークを有するエチレン系重合体(C)を配合した場合のように透明性が高く、かつ滅菌処理後も透明性を維持した医療容器が得られない。Mw/Mnが2.0未満では、加工時の流動性が悪くなるために成形体の表面が荒れ、透明性が損なわれる。また、Mw/Mnが7.0を超えると、低分子量成分の増加により、成形体の機械強度の低下や微粒子の増加を招く。Mnが10万以上のフラクションの長鎖分岐数が主鎖1000炭素数あたり0.15個未満である場合、本発明のポリエチレン樹脂組成物を得るための一成分に使用しても、顕著な透明性改良効果は得られない。
エチレン系重合体(C)は、メタロセン触媒を用いて製造される。用いるメタロセン触媒は、一つのメタロセン錯体、活性化助触媒、および必要に応じて有機アルミニウム化合物を構成成分として有し、マクロモノマーの合成と同時に、マクロモノマーとエチレンと炭素数3~6のオレフィンの共重合を行うことが好ましい。
マクロモノマーとは、末端にビニル基を有するオレフィン重合体であり、エチレンと炭素数3~6のオレフィンを共重合することによって得られる末端にビニル基を有するエチレン共重合体である。マクロモノマーの合成と、マクロモノマーとエチレンと炭素数3~6のオレフィンの共重合をするメタロセン触媒のメタロセン錯体として、非架橋型ビス(インデニル)ジルコニウム錯体、非架橋型ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウム錯体、架橋型ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウム錯体、架橋型ビス(インデニル)ジルコニウム錯体、架橋型(シクロペンタジエニル)(インデニル)ジルコニウム錯体、架橋型(シクロペンタジエニル)(フルオレニル)ジルコニウム錯体もしくは架橋型(インデニル)(フルオレニル)ジルコニウム錯体を用いた触媒であることが好ましい。メタロセン錯体の具体例としては、例えばビス(インデニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルシランジイルビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルシランジイル(シクロペンタジエニル)(インデニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルシランジイル(シクロペンタジエニル)(2-メチルインデニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルシランジイル(シクロペンタジエニル)(4,7-ジメチルインデニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルシランジイル(シクロペンタジエニル)(2,4,7-トリメチルインデニル)ジルコニウムジクロライド、ジフェニルメチレン(1-シクロペンタジエニル)(9-フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(1-シクロペンタジエニル)(2,7-ジ-t-ブチル-9-フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、イソプロピリデン(1-シクロペンタジエニル)(2,7-ジ-t-ブチル-9-フルオレニル)ジルコニウムジクロリド等のジクロライドおよび上記遷移金属化合物のジメチル体、ジエチル体、ジヒドロ体、ジフェニル体、ジベンジル体を例示することができる。また上記遷移金属化合物のジルコニウム原子をチタン原子またはハフニウム原子に置換した化合物も例示することもできるが、これらに限定されるものではない。これらのうち、1種または複数種を用いてもよいが、特に1種を用いることが好ましい。
メタロセン触媒の構成成分として用いる活性化助触媒は、メタロセン錯体、またはメタロセン錯体と有機アルミニウム化合物の反応物を、オレフィンの重合が可能な活性種に変換する役割を果たす化合物を示し、メタロセン錯体からカチオン性化合物を生成させる化合物であることが好ましく、生成したカチオン性化合物は、オレフィンを重合することが可能な重合活性種として作用する。活性化助触媒は、重合活性種を形成した後、生成したカチオン性化合物に対して弱く配位または相互作用するものの、該活性種と直接反応しない化合物を提供する化合物である。
活性化助触媒の具体的な例として、メチルアルミノキサンなどのアルキルアルミノキサン、シリカゲル担持アルキルアルミノキサン、トリス(ペンタフルオエオフェニル)ホウ素などのトリス(フッ素化アリール)ホウ素、N,N-ジメチルアンモニウム-テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ホウ素などのテトラキス(フッ素化アリール)ホウ素塩などのホウ素化合物、これらのシリカゲル担持物、および粘土鉱物、有機化合物で処理した粘土鉱物などを挙げることができるが、これら活性化助触媒の中で有機化合物にて処理した粘土鉱物を用いることが好ましい。
活性化助触媒として、有機化合物で処理した粘土鉱物を用いる場合、用いる粘土鉱物は、スメクタイト群に属する粘土鉱物が好ましく、具体例としてモンモリロナイト、バイデライト、サポナイト、ヘクトライトなどを挙げることができる。また、これら粘土鉱物を複数混合して用いることも可能である。
なお、有機化合物処理とは、粘土鉱物層間に有機イオンを導入し、イオン複合体を形成することを示す。有機化合物処理で用いられる有機化合物としては、N,N-ジメチル-n-オクタデシルアミン塩酸塩、N,N-ジメチル-n-エイコシルアミン塩酸塩、N,N-ジメチル-n-ドコシルアミン塩酸塩、N,N-ジメチルオレイルアミン塩酸塩、N,N-ジメチルベヘニルアミン塩酸塩、N-メチル-ビス(n-オクタデシル)アミン塩酸塩、N-メチル-ビス(n-エイコシル)アミン塩酸塩、N-メチル-ジオレイルアミン塩酸塩、N-メチル-ジベヘニルアミン塩酸塩、N,N-ジメチルアニリン塩酸塩などのアルキルアンモニウム塩を例示することができる。
メタロセン触媒は、メタロセン錯体を活性化助触媒と反応させる方法等のメタロセン触媒の調製方法に特に制限はない。
なお、メタロセン触媒は、触媒の調製時、メタロセン錯体の活性化や溶媒中の不純物の除去など、必要に応じてトリエチルアルミニウムやトリイソブチルアルミニウムなどのアルキルアルミニウムを用いてもよい。
エチレン系重合体(C)を製造する際には、重合温度-100~120℃で行うことが好ましく、特に生産性を考慮すると20~120℃が好ましく、さらには60~120℃の範囲で行うことが好ましい。また、重合時間は10秒~20時間の範囲が好ましく、重合圧力は常圧~300MPaの範囲で行うことが好ましい。重合性単量体としては、エチレンと炭素数3~6のα-オレフィンであり、エチレンと炭素数3~6のα-オレフィンの供給割合として、エチレン/炭素数3~6のα-オレフィン(モル比)が、1~200、好ましくは3~100、さらに好ましくは5~50の供給割合を用いることができる。また、重合時に水素などを用いて分子量の調節を行うことも可能である。重合はバッチ式、半連続式、連続式のいずれの方法でも行うことが可能であり、重合条件を変えて2段階以上に分けて行うことも可能である。また、エチレン・α-オレフィン共重合体は、重合終了後に従来既知の方法により重合溶媒から分離回収され、乾燥して得ることができる。
重合はスラリー状態、溶液状態または気相状態で実施することができ、特に、重合をスラリー状態で行う場合にはパウダー粒子形状の整ったポリエチレンを効率よく、安定的に生産することができる。また、エチレン系重合体(C)は、特開2011-105934号公報等の公知の方法により製造することができる。又、市販品として、東ソー(株)製(商品名)TOSOH-HMS CK37、CK47等を用いることができる。
高圧法低密度ポリエチレン(D)は、JIS K6922-1に準拠した密度が918~925kg/mであり、919~924kg/mが好ましい、また、190℃、荷重21.18Nで測定したMFRが、0.1g/10分以上2.0g/10分未満であり、好ましくは0.2分以上1.0g/10分未満である。密度が918kg/m未満では耐熱性が悪くなる。また、密度が925kg/mを超えると熱処理後の透明性が顕著に低下してしまう。MFRが0.1g/10分未満では、加工時の流動性が悪くなるために成形体の表面が荒れ、透明性が損なわれる。また、2g/10分を超えると加工時の耐ドローダウン性が低下し、容器の製造ができなくなる。
高圧法低密度ポリエチレン(D)としては、市販品として入手したものであってもよく、例えば、東ソー(株)製(商品名)ペトロセン 170K、東ソー(株)製(商品名)ペトロセン 175K、東ソー(株)製(商品名)ペトロセン 172等を挙げることができる。ここで、高圧法とは、エチレンを高温、高圧下でラジカル重合することを示す。エチレンの高圧ラジカル重合からは、樹岐状の構造(長鎖分岐、短鎖分岐の両方を併せ持つ構造)の低密度ポリエチレンが重合され、上記、直鎖状低密度ポリエチレン(B)のような直鎖状(短鎖分岐のみを持つ構造)の低密度ポリエチレン(直鎖状低密度ポリエチレン)とは、構造が異なることが一般的に知られている。
本発明のポリエチレン樹脂組成物を構成する高密度ポリエチレン(A)、直鎖状低密度ポリエチレン(B)およびエチレン系重合体(C)、高圧法低密度ポリエチレン(D)の配合割合は、高密度ポリエチレン(A)が20~30重量部、直鎖状低密度ポリエチレン(B)が20~40重量部、エチレン系重合体(C)が25~35重量部、高圧法低密度ポリエチレン(D)が5~25部((A)、(B)、(C)及び(D)の合計は100重量部)である。高密度ポリエチレン(A)が20重量部未満だと耐熱性が不足し、30重量部を超える場合は透明性が低下するため好ましくない。直鎖状低密度ポリエチレン(B)が20重量部未満だと透明性が不足し、40重量部を超える場合は耐熱性が低下するため好ましくない。エチレン系重合体(C)が25重量部未満だと透明性が低下し、35重量%を超える場合は耐熱性が不足するため好ましくない。高圧法低密度ポリエチレン(D)が5重量部未満だと耐ドローダウン性が不足し、25重量部を超える場合は透明性が低下するため好ましくない。
本発明のポリエチレン樹脂組成物は、前述の高密度ポリエチレン(A)、直鎖状低密度ポリエチレン(B)、エチレン系重合体(C)、高圧法低密度ポリエチレン(D)を、従来公知の方法、例えばヘンシェルミキサー、V-ブレンダー、リボンブレンダー、タンブラーブレンダー等で混合する方法、あるいはこのような方法で得られた混合物をさらに一軸押出機、二軸押出機、ニーダー、バンバリーミキサー等で溶融混練した後、造粒することによって得ることができる。
本発明のポリエチレン樹脂組成物には、本発明の効果を著しく損なわない範囲において、通常用いられる公知の添加剤、例えば酸化防止剤、中和剤、帯電防止剤、滑剤、アンチブロッキング剤、防曇剤、有機系あるいは無機系の顔料、紫外線吸収剤、分散剤等を適宜必要に応じて配合することができる。本発明に用いる樹脂組成物に前記の添加剤を配合する方法は特に制限されるものではないが、例えば、重合後のペレット造粒工程で直接添加する方法、また、予め高濃度のマスターバッチを作製し、これを成形時にドライブレンドする方法等が挙げられる。
また、本発明のポリエチレン樹脂組成物には、本発明の効果を損なわない程度の範囲内で、エチレン-プロピレン共重合体ゴム、ポリ-1-ブテン、等の他の熱可塑性樹脂を配合して用いることもできる。
本発明の容器の成形方法としては、水冷式または空冷式インフレーション成形、キャスト(Tダイ)成形、ブロー成形、シート成形、回転成形、射出(2軸延伸)ブロー成形、射出成形、チューブ成形、ドライラミネーション成形、押出ラミネーション成形等の成形法が用いられ、これらは単層または多層で用いられる。特に制限はないが、衛生性、経済性などの点からブロー成形が好ましい。
本発明の容器は、押出機およびブロー成形用ダイスを有するブロー・フィル・シール機を使用して製造することもできる。具体的には、筒状の溶融したパリソンを、ブロー成形用ダイスを設置した押出機を用いて成形する。次に、この筒状のパリソンを容器本体部成形用の割型で挟んで、内部に空気を圧入すると同時に、金型面に設置された真空孔よりパリソンを吸引することで容器本体部を成形し、当該容器本体部に、所定および所定量の薬液を充填する。さらに、当該容器の口部を割り型で挟んで、当該口部を封止する融着部と、融着部に連結して設置される捻じ切り部とを成形することによって、本発明の容器を製造することができる。
本発明の容器は、薬液を収容する収容部を備えた医療容器であって、例えば、収容部が高密度ポリエチレン(A)、直鎖状低密度ポリエチレン(B)、エチレン系重合体(C)、高圧法低密度ポリエチレン(D)を含む樹脂組成物からなるものである。容器の厚みは実用上0.2~1.0mmであり、好ましくは、0.3~0.9mmである。尚、ブロー成形によって容器を成形する場合には、成形の性質上、薄肉部と厚肉部ができてしまい、容器胴部の平均厚みに対して、容器底面の角などに0.1~0.5mm程度の偏肉が生じることがある。
本発明の容器は、製品の滅菌処理が必要な場合に、特に限定されないが、高圧蒸気滅菌法を使用できる。本高圧蒸気滅菌法とは、加圧して温度を高めた飽和水蒸気を使用して、一定時間加熱して滅菌する方法であり、この方法は、日本薬局方において、105℃で45分間、115℃で30分間または121℃で15分間の条件が定められており、製品の材質や滅菌後の製品の安全性等によって処理条件が決定され、血液バッグや輸液剤等の薬剤入り容器の滅菌に、一般的に用いられる方法である。特に限定されないが、安全性の観点から本発明の透明容器の滅菌温度は121℃が好ましい。また、滅菌後の容器の透明性については、水を対照として測定した時の450nmの光線透過率が55%以上であれば、容器の内容物の確認が十分にでき、日本薬局方基準を達成できる。また、121℃での滅菌処理後に、変形がないものが好ましい。ここで、変形とは、滅菌処理後の容器形状と滅菌前の容器形状の目視観察結果の差であり、変形がない場合は、滅菌前とほぼ同様の容器形状を保っているため、内容物を充填した製品として問題なく使用可能と判断される。
本発明の透明容器の用途としては、医療用容器、食品用容器、化粧品用容器等が挙げられる。医療用容器としては、輸液製剤容器、アンプル製剤容器、キット製剤容器、点眼薬容器、等が挙げられる。食品用容器としては、各種飲料容器、濃縮飲料容器、調味料容器、惣菜容器、ドレッシング容器、マヨネーズ・ケチャップ容器、各種レトルト食品容器、哺乳瓶等が挙げられる。化粧品用容器としては、整髪料、毛髪料、香水、毛染剤、アイシャドー、マニキュア、ローション、クリーム、乳液、化粧水、パーマ液等の容器が挙げられる。
本発明の樹脂組成物は、ブロー成形性、透明性、耐熱性、クリーン性に優れるため、医療用容器、食品用容器および化粧品用容器等に好適に使用できる。
また、本発明によって得られる容器は、日本薬局方に適合し、製品外観、透明性に優れ、121℃での滅菌処理にも耐え、クリーン性にも優れることから、注射用容器、点眼容器、点鼻容器、内服液容器等の医薬容器用に好適に利用される。121℃での滅菌処理後も透明性を維持できるため、特に高い透明性が求められる医療用の輸液輸液製剤容器、アンプル製剤容器、キット製剤容器、点眼薬容器のような医療容器に好適に用いることができる。
以下に、実施例を示して本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれら実施例により制限されるものではない。
~樹脂~
実施例、比較例に用いた樹脂の諸性質は下記の方法により評価した。
<MFR>
MFR(メルトマスフローレート)は、JIS K6922-1に準拠して測定を行った。
<密度>
密度は、JIS K6922-1に準拠して密度勾配管法で測定した。
<分子量、分子量分布>
重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)、重量平均分子量と数平均分子量の比(Mw/Mn)およびピークトップ分子量(Mp)は、GPCによって測定した。GPC装置(東ソー(株)製(商品名)HLC-8121GPC/HT)およびカラム(東ソー(株)製(商品名)TSKgel GMHhr-H(20)HT)を用い、カラム温度を140℃に設定し、溶離液として1,2,4-トリクロロベンゼンを用いて測定した。測定試料は1.0mg/mlの濃度で調製し、0.3ml注入して測定した。分子量の検量線は、分子量既知のポリスチレン試料を用いて校正した。なお、MwおよびMnは直鎖状ポリエチレン換算の値として求めた。
<分子量分別>
分子量分別は、カラムとしてガラスビーズ充填カラム(直径:21mm、長さ:60cm)を用い、カラム温度を130℃に設定して、サンプル1gをキシレン30mLに溶解させたものを注入する。次に、キシレン/2-エトキシエタノールの比率が50/50体積%のものを展開溶媒として用い、留出物を除去する。その後、キシレンを展開溶媒として用い、カラム中に残った成分を留出させ、ポリマー溶液を得る。得られたポリマー溶液に5倍量のメタノールを添加しポリマー分を沈殿させ、ろ過および乾燥することにより、分子量分別成分を得た。この成分について、上述のGPC装置を使用し、Mnを測定し、Mnが10万以上である成分であることを確認した。また、この成分の重量を測定し、分子量分別前の試料の重量で除することによって、分子量分別した際のMn10万以上のフラクションの割合(重量%)とした。尚、キシレン/2-エトキシエタノールの比率において、キシレン比率が50体積%未満の展開溶媒を使用すると、分子量分別品のMnが10万以下となることを確認している。
<強熱残分>
日本薬局方に規定の強熱残分試験法に準拠し、試料50gを精秤した後、白金皿に入れてガスバーナーにより燃焼させ、さらに電気炉で650℃、1時間の条件で完全灰化させたときの残留物の重量を秤量し、初期重量に対する百分率を求めることによって算出した。
<n-ヘプタン抽出量>
200メッシュパスの粉砕試料約10gを精秤し、400mlのn-ヘプタンを加えて50℃で2時間抽出を行い、抽出液から溶媒を蒸発させて、乾燥固化させて得た抽出物の重量の初期重量に対する百分率を求めることによって算出した。
<長鎖分岐>
長鎖分岐数は、日本電子(株)製JNM-GSX400型核磁気共鳴装置を用いて、13C-NMRによってヘキシル基以上の分岐数を測定した。溶媒はベンゼン-d6/オルトジクロロベンゼン(体積比30/70)である。主鎖メチレン炭素(化学シフト:30ppm)1,000個当たりの個数として、α-炭素(34.6ppm)およびβ-炭素(27.3ppm)のピークの平均値から求めた。
<溶融張力>
溶融張力の測定用試料は、サンプルに耐熱安定剤(チバスペシャリティケミカルズ社製、イルガノックス1010TM;1,500ppm、イルガフォス168TM;1,500ppm)を添加したものを、インターナルミキサー(東洋精機製作所製、商品名ラボプラストミル)を用いて、窒素気流下、190℃、回転数30rpmで30分間混練したものを用いた。
溶融張力の測定は、バレル直径9.55mmの毛管粘度計(東洋精機製作所、商品名キャピログラフ)に、長さが8mm,直径が2.095mmのダイスを流入角が90°になるように装着し測定した。温度を160℃に設定し、ピストン降下速度を10mm/分、延伸比を47に設定し、引き取りに必要な荷重(mN)を溶融張力とした。最大延伸比が47未満の場合、破断しない最高の延伸比での引き取りに必要な荷重(mN)を溶融張力とした。
実施例、比較例では、下記の製造例記載の方法により製造した樹脂および市販品を用いた。
製造例
(1)高密度ポリエチレン
(A)-1
[変性粘土の調製]
脱イオン水4.8L、エタノール3.2Lの混合溶媒に、メチルジオレイルアミン;(C1835(CH)N 531gと37%塩酸83.3mLを加え、メチルジオレイルアミン塩酸塩溶液を調製した。この溶液に合成ヘクトライト1,000gを加え終夜撹拌し、得られた反応液をろ過した後、固体分を水で十分洗浄した。固体分を乾燥させたところ、1,180gの有機変性粘土化合物を得た。赤外線水分計で測定した含液量は0.8%であった。次に、この有機変性粘土化合物を粉砕し、平均粒径を6.0μmに調製した。
[重合触媒の調製]
5Lのフラスコに、[変性粘土化合物の調製]の項で得た有機変性粘土化合物450g、ヘキサン1.4kgを加え、その後トリイソブチルアルミニウムのヘキサン20重量%溶液1.78kg(1.8モル)、ビス(インデニル)ジルコニウムジクロライド7.06g(18ミリモル)を加え、60℃に加熱して1時間撹拌した。反応溶液を45℃に冷却し、2時間静置した後に傾斜法で上澄液を除去した。次に、トリイソブチルアルミニウムのヘキサン1重量%溶液1.78kg(0.09モル)を添加し、45℃で30分間反応させた。反応溶液を45℃で2時間静置した後に傾斜法で上澄液を除去し、トリイソブチルアルミニウムのヘキサン20重量%溶液0.45kg(0.45モル)を加え、ヘキサンで再希釈して全量を4.5Lとし重合触媒を調製した。
[(A)-1の製造]
内容量300Lの重合器に、ヘキサンを135kg/時、エチレンを20.0kg/時、水素6NL/時および[重合触媒の調製]の項で得られた重合触媒を連続的に供給した。また、助触媒として液中のトリイソブチルアルミニウムの濃度を0.93ミリモル/kgヘキサンとなるように、それぞれ連続的に供給した。重合温度は85℃に制御した。得られた高密度ポリエチレン((A)-1)はMFR=1.0g/10分、密度952kg/mであった。
(A)-2
[変性粘土の調製]
(A)-1と同様の方法により変性粘土化合物を調製した。
[重合触媒の調製]
(A)-1と同様の方法により重合触媒を調製した。
[(A)-2の製造]
内容量300Lの重合器に、ヘキサンを135kg/時、エチレンを20.0kg/時、水素16NL/時および[重合触媒の調製]の項で得られた重合触媒を連続的に供給した。また、助触媒として液中のトリイソブチルアルミニウムの濃度を0.93ミリモル/kgヘキサンとなるように、それぞれ連続的に供給した。重合温度は85℃に制御した。得られた高密度ポリエチレン((A)-2)はMFR=6.0g/10分、密度960kg/mであった。
(A)-3:下記市販品を用いた。
東ソー(株)製、(商品名)ニポロンハード 5700(MFR=1.0g/10分、密度=954kg/m
(A)-4
[変性粘土の調製]
(A)-1と同様の方法により変性粘土化合物を調製した。
[重合触媒の調製]
(A)-1と同様の方法により重合触媒を調製した。
[(A)-4の製造]
内容量300Lの重合器に、ヘキサンを135kg/時、エチレンを20.0kg/時、ブテン-1を0.4kg/時、水素8NL/時および[重合触媒の調製]の項で得られた重合触媒を連続的に供給した。また、助触媒として液中のトリイソブチルアルミニウムの濃度を0.93ミリモル/kgヘキサンとなるように、それぞれ連続的に供給した。重合温度は85℃に制御した。得られた高密度ポリエチレン((A)-4)はMFR3.0g/10分、密度945kg/mであった。
(2)直鎖状低密度ポリエチレン
(B)-1
[変性粘土の調製]
1,500mlに37%塩酸30mlおよびN,N-ジメチル-ベヘニルアミンを106g加え、N,N-ジメチル-ベヘニルアンモニウム塩酸塩水溶液を調製した。平均粒径7.8μmのモンモリロナイト300g(クニミネ工業製、商品名クニピアFをジェット粉砕機で粉砕することによって調製した)を上記塩酸塩水溶液に加え、6時間反応させた。反応終了後、反応溶液を濾過し、得られたケーキを6時間減圧乾燥し、変性粘土化合物370gを得た。
[重合触媒の調製]
窒素雰囲気下の20Lステンレス容器にヘプタン3.3L、トリエチルアルミニウムのヘプタン溶液(20重量%希釈品)をアルミニウム原子当たり1.13mol(0.9L)および上記で得られた変性粘土化合物50gを加えて1時間撹拌した。そこへジフェニルメチレン(4-フェニル-インデニル)(2,7-ジ-t-ブチル-9-フルオレニル)ジルコニウムジクロライドをジルコニウム原子当たり1.25mmol加えて12時間撹拌した.得られた懸濁系に脂肪族系飽和炭化水素溶媒(出光石油化学製、商品名IPソルベント2835)5.8Lを加えることにより、触媒を調製した。(ジルコニウム濃度0.125mmol/L)
[(B)-1の製造]
高温高圧重合用に装備された槽型反応器を用い、エチレンおよび1-ヘキセンを連続的に反応器に圧入して、全圧を90MPa、1-ヘキセン濃度を18mol%、水素濃度を7mol%になるように設定した。そして反応器を1,500rpmで撹拌し、上記により得られた重合触媒を反応器の供給口より連続的に供給し、平均温度を200℃に保ち重合反応をいった。得られた直鎖状低密度ポリエチレン((B)-1)はMFR=3.5g/10分、密度910kg/mであった。
(B)-2
[変性粘土の調製]
(B)-1と同様の方法により変性粘土化合物を調製した。
[重合触媒の調製]
(B)-1と同様の方法により重合触媒を調製した。
[(B)-2の製造]
高温高圧重合用に装備された槽型反応器を用い、エチレンおよび1-ヘキセンを連続的に反応器に圧入して、全圧を90MPa、1-ヘキセン濃度を18mol%、水素濃度を5mol%になるように設定した。そして反応器を1,500rpmで撹拌し、上記により得られた重合触媒を反応器の供給口より連続的に供給し、平均温度を200℃に保ち重合反応をいった。得られた直鎖状低密度ポリエチレン((B)-2)はMFR=2.0g/10分、密度907kg/mであった。
(B)-3
[変性粘土の調製]
(B)-1と同様の方法により変性粘土化合物を調製した。
[重合触媒の調製]
(B)-1と同様の方法により重合触媒を調製した。
[(B)-3の製造]
高温高圧重合用に装備された槽型反応器を用い、エチレンおよび1-ヘキセンを連続的に反応器に圧入して、全圧を90MPa、1-ヘキセン濃度を23mol%、水素濃度を1mol%になるように設定した。そして反応器を1,500rpmで撹拌し、上記により得られた重合触媒を反応器の供給口より連続的に供給し、平均温度を200℃に保ち重合反応をいった。得られた直鎖状低密度ポリエチレン((B)-3)はMFR=0.8g/10分、密度900kg/mであった。
(B)-4
[変性粘土の調製]
(B)-1と同様の方法により変性粘土化合物を調製した。
[重合触媒の調製]
(B)-1と同様の方法により重合触媒を調製した。
[(B)-4の製造]
高温高圧重合用に装備された槽型反応器を用い、エチレンおよび1-ヘキセンを連続的に反応器に圧入して、全圧を90MPa、1-ヘキセン濃度を20mol%、水素濃度を15mol%になるように設定した。そして反応器を1,500rpmで撹拌し、上記により得られた重合触媒を反応器の供給口より連続的に供給し、平均温度を200℃に保ち重合反応をいった。得られた直鎖状低密度ポリエチレン((B)-5)はMFR=12g/10分、密度907kg/mであった。
(B)-5:下記市販品を用いた。東ソー(株)製、(商品名)ニポロン-Z ZF220(MFR=2.0g/10分、密度=913kg/m
(B)-6
[変性粘土の調製]
(B)-1と同様の方法により変性粘土化合物を調製した。
[重合触媒の調製]
窒素雰囲気下の20Lステンレス容器にヘプタン2.5L、トリエチルアルミニウムのヘプタン溶液(20重量%希釈品)をアルミニウム原子当たり4.5mol(3.6L)および上記で得られた変性粘土化合物300gを加えて1時間撹拌した。そこへジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル)(2,7-ジ-t-ブチル-9-フルオレニル)ジルコニウムジクロライドをジルコニウム原子当たり10mmol加えて12時間撹拌した.得られた懸濁系に脂肪族系飽和炭化水素溶媒(出光石油化学製、商品名IPソルベント2835)8.7Lを加えることにより、触媒を調製した。(ジルコニウム濃度0.67mmol/L)。
[(B)-6の製造]
高温高圧重合用に装備された槽型反応器を用い、エチレンおよび1-ヘキセンを連続的に反応器に圧入して、全圧を90MPa、1-ヘキセン濃度を20mol%、水素濃度を4mol%になるように設定した。そして反応器を1,500rpmで撹拌し、上記により得られた重合触媒を反応器の供給口より連続的に供給し、平均温度を200℃に保ち重合反応を行なった。得られた直鎖状低密度ポリエチレン((B)-4)はMFR=2.5g/10分、密度921kg/mであった。
(3)エチレン系重合体
(C)-1
[変性粘土の調製]
1Lのフラスコに工業用アルコール(日本アルコール販売社製(商品名)エキネンF-3)300mL及び蒸留水300mLを入れ、濃塩酸15.0g及びジメチルベヘニルアミン(ライオン株式会社製(商品名)アーミンDM22D)42.4g(120mmol)を添加し、45℃に加熱して合成ヘクトライト(Rockwood Additives社製(商品名)ラポナイトRDS)を100g分散させた後、60℃に昇温させてその温度を保持したまま1時間攪拌した。このスラリーを濾別後、60℃の水600mLで2回洗浄し、85℃の乾燥機内で12時間乾燥させることにより122gの有機変性粘土を得た。この有機変性粘土はジェットミル粉砕して、メジアン径を15μmとした。
[重合触媒の調製]
温度計と還流管が装着された300mLのフラスコを窒素置換した後に(1)で得られた有機変性粘土25.0gとヘキサンを108mL入れ、次いでジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(2,4,7-トリメチル-1-インデニル)ジルコニウムジクロリド/0.4406g、及び20%トリイソブチルアルミニウム142mLを添加して60℃で3時間攪拌した。45℃まで冷却した後に上澄み液を抜き取り、200mLのヘキサンにて5回洗浄後、ヘキサンを200ml加えて触媒懸濁液を得た(固形重量分:11.5wt%)。
[(C)-1の製造]
2Lのオートクレーブにヘキサンを1.2L、20%トリイソブチルアルミニウムを1.0mL、(2)で得られた触媒懸濁液を58mg(固形分7.0mg相当)加え、80℃に昇温後、1-ブテンを8.3g加え、分圧が0.85MPaになるようにエチレン/水素混合ガスを連続的に供給した(エチレン/水素混合ガス中の水素の濃度:850ppm)。90分経過後に脱圧し、スラリーを濾別後、乾燥することで49.0gのポリマーを得た(活性:7,000g/g触媒)。このポリマーのMFRは3.7g/10分、密度は939kg/mであり、融点は125.4℃であった。また、数平均分子量は20,304、重量平均分子量は75,200であり、分子量40,730および216,240の位置にピークが観測された。また、ポリマー中に含まれる長鎖分岐数は、主鎖1000炭素数あたり0.06個であり、分子量分別した際のMn10万以上のフラクション中に含まれる長鎖分岐数は、主鎖1000炭素数あたり0.17個であった。また、分子量分別した際のMn10万以上のフラクションの割合は、全ポリマーの14.3wt%であった。また、溶融張力は50mNであった。
(C)-2
[変性粘土の調製]
1Lのフラスコに工業用アルコール(日本アルコール販売社製(商品名)エキネンF-3)300mL及び蒸留水300mLを入れ、濃塩酸17.5g及びジメチルベヘニルアミン(ライオン株式会社製(商品名)アーミンDM22D)49.4g(140mmol)を添加し、45℃に加熱して合成ヘクトライト(Rockwood Additives社製(商品名)ラポナイトRDS)を100g分散させた後、60℃に昇温させてその温度を保持したまま1時間攪拌した。このスラリーを濾別後、60℃の水600mLで2回洗浄し、85℃の乾燥機内で12時間乾燥させることにより132gの有機変性粘土を得た。この有機変性粘土はジェットミル粉砕して、メジアン径を15μmとした。
[重合触媒の調製]
温度計と還流管が装着された300mLのフラスコを窒素置換した後に(1)で得られた有機変性粘土25.0gとヘキサンを108mL入れ、次いでジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(2,4,7-トリメチルインデニル)ジルコニウムジクロリドを0.4406g、及び20%トリイソブチルアルミニウム142mLを添加して60℃で3時間攪拌した。45℃まで冷却した後に上澄み液を抜き取り、200mLのヘキサンにて5回洗浄後、ヘキサンを200ml加えて触媒懸濁液を得た(固形重量分:12.4wt%)。
[(C)-2の製造]
2Lのオートクレーブにヘキサンを1.2L、20%トリイソブチルアルミニウムを1.0mL、(2)で得られた触媒懸濁液を52mg(固形分6.4mg相当)加え、70℃に昇温後、1-ブテンを17.6g加え、分圧が0.80MPaになるようにエチレン/水素混合ガスを連続的に供給した(エチレン/水素混合ガス中の水素の濃度:590ppm)。90分経過後に脱圧し、スラリーを濾別後、乾燥することで61.8gのポリマーを得た(活性:9,700g/g触媒)。このポリマーのMFRは1.6g/10分、密度は930kg/mであり、融点は118.3℃であった。また、数平均分子量は17,639、重量平均分子量は86,656であり、分子量30,500および155,300の位置にピークが観測された。また、ポリマー中に含まれる長鎖分岐数は、主鎖1000炭素数あたり0.14個であり、分子量分別した際のMn10万以上のフラクション中に含まれる長鎖分岐数は、主鎖1000炭素数あたり0.27個であった。また、分子量分別した際のMn10万以上のフラクションの割合は、全ポリマーの20.1wt%であった。また、溶融張力は75mNであった。
(C)-3
[変性粘土の調製]
1Lのフラスコに工業用アルコール(日本アルコール販売社製(商品名)エキネンF-3)300mL及び蒸留水300mLを入れ、濃塩酸18.8g及びジメチルベヘニルアミン(ライオン株式会社製(商品名)アーミンDM22D)53.0g(150mmol)を添加し、45℃に加熱して合成ヘクトライト(Rockwood Additives社製(商品名)ラポナイトRDS)を100g分散させた後、60℃に昇温させてその温度を保持したまま1時間攪拌した。このスラリーを濾別後、60℃の水600mLで2回洗浄し、85℃の乾燥機内で12時間乾燥させることにより135gの有機変性粘土を得た。この有機変性粘土はジェットミル粉砕して、メジアン径を15μmとした。
[重合触媒の調製]
温度計と還流管が装着された300mLのフラスコを窒素置換した後に(1)で得られた有機変性粘土25.0gとヘキサンを108mL入れ、次いでジメチルシリレンビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリドを0.3485g、及び20%トリイソブチルアルミニウム142mLを添加して60℃で3時間攪拌した。45℃まで冷却した後に上澄み液を抜き取り、200mLのヘキサンにて5回洗浄後、ヘキサンを200ml加えて触媒懸濁液を得た(固形重量分:10.7wt%)。
[(C)-3の製造]
2Lのオートクレーブにヘキサンを1.2L、20%トリイソブチルアルミニウムを1.0mL、(2)で得られた触媒懸濁液を75mg(固形分8.0mg相当)加え、85℃に昇温後、分圧が1.20MPaになるようにエチレンガスを連続的に供給した。90分経過後に脱圧し、スラリーを濾別後、乾燥することで63.2gのポリマーを得た(活性:7,900g/g触媒)。このポリマーのMFRは0.25g/10分、密度は948kg/mであり、融点は131.5℃であった。また、数平均分子量は11,431、重量平均分子量は43,000であり、分子量18,100および189,200の位置にピークが観測された。また、ポリマー中に含まれる長鎖分岐数は、主鎖1000炭素数あたり0.05個であり、分子量分別した際のMn10万以上のフラクション中に含まれる長鎖分岐数は、主鎖1000炭素数あたり0.17個であった。また、分子量分別した際のMn10万以上のフラクションの割合は、全ポリマーの9.2wt%であった。また、溶融張力は95mNであった。
(C)-4
[変性粘土の調製]
1Lのフラスコに工業用アルコール(日本アルコール販売社製(商品名)エキネンF-3)300mL及び蒸留水300mLを入れ、濃塩酸18.8g及びジメチルベヘニルアミン(ライオン株式会社製(商品名)アーミンDM22D)53.0g(150mmol)を添加し、45℃に加熱して合成ヘクトライト(Rockwood Additives社製(商品名)ラポナイトRDS)を100g分散させた後、60℃に昇温させてその温度を保持したまま1時間攪拌した。このスラリーを濾別後、60℃の水600mLで2回洗浄し、85℃の乾燥機内で12時間乾燥させることにより135gの有機変性粘土を得た。この有機変性粘土はジェットミル粉砕して、メジアン径を15μmとした。
[重合触媒の調製]
温度計と還流管が装着された300mLのフラスコを窒素置換した後に(1)で得られた有機変性粘土25.0gとヘキサンを108mL入れ、次いでジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(2,4,7-トリメチル-1-インデニル)ジルコニウムジクロリド/0.4406g、及び20%トリイソブチルアルミニウム142mLを添加して60℃で3時間攪拌した。45℃まで冷却した後に上澄み液を抜き取り、200mLのヘキサンにて5回洗浄後、ヘキサンを200ml加えて触媒懸濁液を得た(固形重量分:11.9wt%)。
[(C)-4の製造]
2Lのオートクレーブにヘキサンを1.2L、20%トリイソブチルアルミニウムを1.0mL、(2)で得られた触媒懸濁液を54mg(固形分6.4mg相当)加え、70℃に昇温後、1-ブテンを17.6g加え、分圧が0.80MPaになるようにエチレン/水素混合ガスを連続的に供給した(エチレン/水素混合ガス中の水素の濃度:580ppm)。90分経過後に脱圧し、スラリーを濾別後、乾燥することで37.6gのポリマーを得た(活性:5,900g/g触媒)。このポリマーのMFRは0.07g/10分、密度は925kg/mであり、融点は114.4℃であった。また、数平均分子量は26,313、重量平均分子量は146,261であり、分子量42,800および260,800の位置にピークが観測された。また、ポリマー中に含まれる長鎖分岐数は、主鎖1000炭素数あたり0.20個であり、分子量分別した際のMn10万以上のフラクション中に含まれる長鎖分岐数は、主鎖1000炭素数あたり0.37個であった。また、分子量分別した際のMn10万以上のフラクションの割合は、全ポリマーの32.7wt%であった。また、溶融張力は150mNであった。
(C)-5
[変性粘土の調製]
1Lのフラスコに工業用アルコール(日本アルコール販売社製(商品名)エキネンF-3)300mL及び蒸留水300mLを入れ、濃塩酸15.0g及びジメチルベヘニルアミン(ライオン株式会社製(商品名)アーミンDM22D)42.4g(120mmol)を添加し、45℃に加熱して合成ヘクトライト(Rockwood Additives社製(商品名)ラポナイトRDS)を100g分散させた後、60℃に昇温させてその温度を保持したまま1時間攪拌した。このスラリーを濾別後、60℃の水600mLで2回洗浄し、85℃の乾燥機内で12時間乾燥させることにより122gの有機変性粘土を得た。この有機変性粘土はジェットミル粉砕して、メジアン径を15μmとした。
[重合触媒の調製]
温度計と還流管が装着された300mLのフラスコを窒素置換した後に(1)で得られた有機変性粘土25.0gとヘキサンを108mL入れ、次いでジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(2,4,7-トリメチル-1-インデニル)ジルコニウムジクロリド/0.4406g、及び20%トリイソブチルアルミニウム142mLを添加して60℃で3時間攪拌した。45℃まで冷却した後に上澄み液を抜き取り、200mLのヘキサンにて5回洗浄後、ヘキサンを200ml加えて触媒懸濁液を得た(固形重量分:11.5wt%)。
[(C)-5の製造]
2Lのオートクレーブにヘキサンを1.2L、20%トリイソブチルアルミニウムを1.0mL、(2)で得られた触媒懸濁液を70mg(固形分8.4mg相当)加え、80℃に昇温後、1-ブテンを2.4g加え、分圧が0.90MPaになるようにエチレン/水素混合ガスを連続的に供給した(エチレン/水素混合ガス中の水素の濃度:750ppm)。90分経過後に脱圧し、スラリーを濾別後、乾燥することで63.0gのポリマーを得た(活性:7,500g/g触媒)。このポリマーのMFRは16g/10分、密度は954kg/mであり、融点は135.2℃であった。また、数平均分子量は15,500、重量平均分子量は52,700であり、分子量27,900および179,000の位置にピークが観測された。また、ポリマー中に含まれる長鎖分岐数は、主鎖1000炭素数あたり0.05個であり、分子量分別した際のMn10万以上のフラクション中に含まれる長鎖分岐数は、主鎖1000炭素数あたり0.16個であった。また、分子量分別した際のMn10万以上のフラクションの割合は、全ポリマーの6.5wt%であった。また、溶融張力は35mNであった。
(S)-1
[変性粘土の調製]
1Lのフラスコに工業用アルコール(日本アルコール販売社製(商品名)エキネンF-3)300mL及び蒸留水300mLを入れ、濃塩酸15.0g及びジメチルベヘニルアミン(ライオン株式会社製(商品名)アーミンDM22D)42.4g(120mmol)を添加し、45℃に加熱して合成ヘクトライト(Rockwood Additives社製(商品名)ラポナイトRDS)を100g分散させた後、60℃に昇温させてその温度を保持したまま1時間攪拌した。このスラリーを濾別後、60℃の水600mLで2回洗浄し、85℃の乾燥機内で12時間乾燥させることにより122gの有機変性粘土を得た。この有機変性粘土はジェットミル粉砕して、メジアン径を15μmとした。
[重合触媒の調製]
温度計と還流管が装着された300mLのフラスコを窒素置換した後に(1)で得られた有機変性粘土25.0gをヘキサン165mLに懸濁させ、ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(2,4,7-トリメチル-1-インデニル)ジルコニウムジクロリドを0.4406gおよびトリエチルアルミニウムのヘキサン溶液(1.18M)85mLを添加して60℃で3時間撹拌した。静置して室温まで冷却後に上澄み液を抜き取り、1%トリイソブチルアルミニウムのヘキサン溶液200mLにて2回洗浄した。洗浄後の上澄み液を抜き出し、5%トリイソブチルアルミニウムのヘキサン溶液にて全体を250mLとした。次いで、別途ジフェニルメチレン(1-シクロペンタジエニル)(9-フルオレニル)ジルコニウムジクロライド0.062gのヘキサン10mL懸濁液に20%トリイソブチルアルミニウムのヘキサン溶液(0.71M)5mlを加えることにより調製した溶液を添加して、室温で6時間撹拌した。静置して上澄み液を除去、ヘキサン200mLにて2回洗浄後、ヘキサンを200mL加えて触媒懸濁液を得た(固形重量分:12.0wt%)。
[(S)-1の製造]
2Lのオートクレーブにヘキサンを1.2L、20%トリイソブチルアルミニウムを1.0mL、(2)で得られた触媒懸濁液を92mg(固形分11.0mg相当)加え、85℃に昇温後、1-ブテンを16.6g加え、分圧が0.80MPaになるようにエチレンを連続的に供給した。90分経過後に脱圧し、スラリーを濾別後、乾燥することで59.7gのポリマーを得た(活性:5,430g/g触媒)。このポリマーのMFRは12g/10分であり、密度は932kg/mであり、融点は119.8℃であった。数平均分子量は19,567、重量平均分子量は74,304であり、分子量35,500の位置にピークが観測された。また、ポリマー中に含まれる長鎖分岐数は、主鎖1000炭素数あたり0.04個であり、分子量分別した際のMn10万以上のフラクション中に含まれる長鎖分岐数は、主鎖1000炭素数あたり0.07個であった。また、分子量分別した際のMn10万以上のフラクションの割合は、全ポリマーの12.5wt%であった。また、溶融張力は15mNであった。
(4)高圧法低密度ポリエチレン
(D)-1:下記市販品を用いた。
東ソー(株)製、(商品名)ペトロセン170K(MFR=1.0g/10分、密度=921kg/m
(D)-2:下記市販品を用いた。
東ソー(株)製、(商品名)ペトロセン173K(MFR=0.3g/10分、密度=924kg/m
(D)-3:下記市販品を用いた。
東ソー(株)製、(商品名)ペトロセン172(MFR=0.3g/10分、密度=920kg/m
(D)-4:下記市販品を用いた。
日本ユニカー(株)製、(商品名)NUC2460MD(MFR=1.0g/10分、密度=927kg/m
(D)-5:下記市販品を用いた。
東ソー(株)製、(商品名)ペトロセン219(MFR=3.0g/10分、密度=934kg/m
~成形および容器評価~
以下に、実施例および比較例で用いた成形性及び容器の評価方法を示す。
~成形性の評価~
~表面光沢性の評価~
500ml角型ボトル用金型、及び50mmφの押出スクリューを備えたブロー成形機(タハラ社製)を用いて、成形温度210℃、吐出量7kg/h、ダイギャップ1.4mmの条件で評価樹脂の500ml角型ボトルを成形した。得られたボトルの表面の光沢性を目視観察し、評価した。
○:表面が平滑であり、光沢性良好
×:表面が平滑であるが、光沢性がない
××:表面が梨地であり、光沢性がない
~耐ドローダウン性の評価~
前記ブロー成形機(タハラ社製)を用いて、成形温度210℃、吐出量7kg/h、ダイギャップ1.4mmで評価樹脂のパリソンを押し出した。パリソンがリップから250mm垂下するまでにかかる時間を垂下時間として評価した。
○:垂下時間15秒以上
×:垂下時間10秒以上15秒未満
××:垂下時間10秒未満
~容器の評価~
~透明性の評価~
実施例に記載の方法で製造した容器、及び121℃の温度で20分間滅菌処理した後の容器の胴部から平均厚さ500μm、幅9.5mm、長さ50mmのサンプル片を切り出し、日立製作所製「紫外可視分光光度計220A」を用いて、純水中で波長450nmの透過率を測定し、滅菌前後の透明性を評価した。尚、滅菌処理後に55%以上の光線透過率を維持した場合を透明性が良好と判断した。
~耐熱性の評価~
実施例に記載の方法で製造した容器に純水400mlを充填し、容器をヒートシールにて密閉し、オートクレーブ内にセットした。日本薬局方に準拠し、高圧蒸気滅菌法により、121℃の温度で20分間滅菌処理した後、容器を取り出し、容器の外観を以下の項目について観察して評価した。
変形:容器の波打ち状態を観察した。
○:容器形状がほとんど変わらないもの。
×:容器形状に変形が見られたもの。
××:容器形状が大きく変形したもの。
~クリーン性(微粒子数)~
1μm以上の微粒子数が0個/10mlであることが確認された超純水を、実施例に記載の方法で製造した容器に充填密封した後、121℃で20分間の熱水滅菌処理を実施し、1日放置後、HIAC/ROYCO社製微粒子カウンター「M-3000・4100・HR-60HA」を用いて1μm以上の微粒子数を測定した。尚、これらの操作は、すべてクラス1000のクリーンルーム中で行った。微粒子数が10個/ml以下である場合をクリーン性が良好な医療容器の目安とした。
実施例1
(1)樹脂組成物の製造
製造例で得られた高密度ポリエチレン(A-1)と直鎖状低密度ポリエチレン(B-1)とエチレン系重合体(C-1)、高圧法低密度ポリエチレン(D-1)を20:20:35:25(重量部)の比率でドライブレンドし、これをプラコー社製50mm径単軸押出機にてストランド状に溶融押出し、ペレタイザーを用いてペレット状に造粒を行った。バレルの温度はC1;180℃、C2;200℃、C3;220℃、ダイヘッド;220℃とした。
(2)容器の製造
500ml角型ボトル用金型、及び50mmφの押出スクリューを備えたブロー成形機(タハラ社製)を用いて、成形温度180℃、吐出量7.0kg/h、ダイギャップ1.4mmの条件で評価樹脂の500ml角型ボトルを成形した。このボトルの胴部の平均肉厚は500μmであった。結果を表1に示す。
実施例2~14
高密度ポリエチレン(A)と直鎖状低密度ポリエチレン(B)とエチレン系重合体(C)と高圧法低密度ポリエチレン(D)の種類及びブレンド比率を表1のように変えた以外は実施例1と同様に行った。結果を表1に示す。
Figure 0007110630000001
比較例1~1
高密度ポリエチレン(A)と直鎖状低密度ポリエチレン(B)とエチレン系重合体(C
)又は(S)と高圧法低密度ポリエチレン(D)の種類及びブレンド比率を表2のように
変えた以外は実施例1と同様に行った。結果を表2に示す。
Figure 0007110630000002

Claims (6)

  1. 下記特性(a)~(b)を満足する高密度ポリエチレン(A)20~30重量部、下記特性(c)~(d)を満足する直鎖状低密度ポリエチレン(B)20~40重量部、下記特性(e)~(h)を満足するエチレン系重合体(C)25~35重量部、下記特性(i)~(j)を満足する高圧法低密度ポリエチレン(D)5~25重量部((A)、(B)、(C)及び(D)の合計は100重量部)を含むことを特徴とするポリエチレン樹脂組成物。
    (a)密度が950~970kg/mである。
    (b)JIS K6924-1に準拠して温度190℃、荷重21.18Nで測定したメルトマスフローレート(以下、MFRという)が0.1~10g/10分である。
    (c)密度が890~915kg/mである。
    (d)MFRが0.1~10g/10分である。
    (e)密度が930~949kg/mである。
    (f)MFRが0.1~10g/10分である。
    (g)ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィーによる分子量測定において2つのピークを示し、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比(Mw/Mn)が2.0~7.0の範囲である。
    (h)分子量分別した際のMnが10万以上のフラクション中にヘキシル基以上の長鎖分岐を主鎖1000炭素数あたり0.15個以上有する。
    (i)密度が918~925kg/mである。
    (j)MFRが0.1g/10分以上2.0g/10分未満である。
  2. 請求項1に記載のポリエチレン樹脂組成物からなる容器。
  3. 121℃での滅菌処理後に、純水中、波長450nmで測定した光線透過率が55%以上となることを特徴とする請求項2に記載の容器。
  4. 容器が、少なくとも薬液を収容する収容部を備えた医療容器であることを特徴とする請求項2又は3のいずれかに記載の容器。
  5. 容器が輸液製剤容器、アンプル製剤容器、キット製剤容器及び点眼薬容器からなる群か
    ら選ばれる1種であることを特徴とする請求項2~4のいずれかに記載の容器。
  6. 請求項2~5のいずれかに記載のブロー成形容器。
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