JP6840950B2 - ポリエチレン樹脂組成物及び容器 - Google Patents
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Description
(イ)JIS K7151に準拠し、成形温度180℃、冷却温度30℃、予熱圧力0.1MPa、予熱時間5分、加圧10MPa、加圧時間5分にて圧縮成形した、厚み100μmの圧縮成形試験片がHv光散乱測定にて得られる方位角45度での散乱強度分布曲線において、散乱強度の極大値が現れない
(ロ)JIS K6922−2に準拠し測定して得られるDSC(示差走査型熱量計)吸熱曲線より求めた121℃での残存結晶化度が20%以上
ここで、(イ)方位角45度での散乱強度分布曲線とは、JIS K7151に準拠し作製したポリエチレン樹脂組成物の圧縮成形試験片を、クロスニコル偏光条件にてHv光散乱測定して得られる光散乱像より得られる方位角45度の散乱強度の散乱角度依存性を示す曲線である。(参考文献:高分子実験学、第17巻、高分子の固体構造II、54頁(共立出版))
図1:Hv光散乱の原理図
図2:Hv光散乱像の例
図3:方位角45度での散乱強度分布の例
(ロ)残存結晶化度とは、JIS K6922−2に準拠し測定して得られるポリエチレン樹脂組成物のDSC(示差走査型熱量計)吸熱曲線より求まる121℃以上の融解熱量(Q121℃)を使用し、次式により算出した値である。
ここで、Q121℃:実測により求まる121℃以上の融解熱量(J/g)、Qall:ポリエチレンの完全結晶の融解熱量(288.7(J/g))である。
本発明のポリエチレン樹脂組成物は、(イ)JIS K7151に準拠し、成形温度180℃、冷却温度30℃、予熱圧力0.1MPa、予熱時間5分、加圧10MPa、加圧時間5分にて圧縮成形した、厚み100μmの圧縮成形試験片がHv光散乱測定にて得られる方位角45度での散乱強度分布曲線において、散乱強度の極大値が現れず、(ロ)JIS K6922−2に準拠し測定して得られるDSC(示差走査型熱量計)吸熱曲線より求めた121℃での残存結晶化度が20%以上を有するポリエチレン樹脂組成物であることが好ましい。Hv光散乱測定にて得られる方位角45度での散乱強度分布曲線において、散乱強度の極大値が現れる場合は、極大値を与えるθmaxの値を次式に代入して求められるサイズの球晶が存在することを意味し、容器とし、滅菌した後の透明性が日本薬局方に規定される水準を下回る。ここで、θmaxとは、散乱強度分布曲線を一次微分した値の符号が正から負となる散乱角のことである。また、残存結晶化度が20%未満では、121℃の滅菌処理により容器が実用上問題になるレベルまで変形してしまい、耐熱性が悪くなる。
以下に、本発明に関わるポリエチレン樹脂、ポリエチレン樹脂組成物、それよりなる容器について説明する。
(a)JIS K6922−1に準拠した密度(以下、密度という)が945〜970kg/m3である。
(b)JIS K6922−1に準拠し、190℃、荷重2.16kgで測定したメルトフローレート(以下、MFRという)が0.1〜10g/10分である。
(c)密度が890〜915kg/m3である。
(d)MFRが0.1〜10g/10分である。
(e)密度が930〜960kg/m3である。
(f)ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィーによる分子量測定により得られた分子量分布曲線において、ピークトップの分子量(Mp)が100,000〜1,000,000である。
(g)長鎖分岐を主鎖1000炭素数あたり0.15個以上有する。
(i)ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィーにより求められる重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比(Mw/Mn)が3.0以下。
(j)日本薬局方に規定の強熱残分試験法による残分が0.02重量%以下。
(k)ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィーにより求められる重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比(Mw/Mn)が3.0以下。
(l)50℃におけるn−ヘプタン抽出量が1.5wt%以下。
〜ポリエチレン樹脂組成物〜
<要件イ>散乱強度分布曲線における極大値の有無
ポリエチエレン樹脂組成物を、JIS K7151に準拠し、成形温度180℃、冷却温度30℃、予熱圧力0.1MPa、予熱時間5分、加圧10MPa、加圧時間5分にて圧縮成形して、厚み100μmの圧縮成形試験片を得た。この試験片を、光散乱測定装置を使用し、波長632.8nm、出力15mWのレーザー光、及びクロスニコル偏光条件にてHv光散乱測定して得られる方位角45度の散乱強度の散乱角度依存性を示す曲線から、極大値の有無を確認した。極大値を示さないポリエチレン樹脂組成物は、下記実施例、比較例の方法にて成形した容器の透明性が良好であった。
JIS K6922−2に準拠し測定して得られるポリエチレン樹脂組成物のDSC(示差走査型熱量計)吸熱曲線より求まる全融解熱量と121℃以上の融解熱量を使用し、次式により算出した。残存結晶化度が20%以上のポリエチレン樹脂組成物は、下記実施例、比較例の方法にて成形した容器の耐熱性が良好であった。
ここで、Q121℃:実測により求まる121℃以上の融解熱量(J/g)、Qall:ポリエチレンの完全結晶の融解熱量(288.7(J/g))である。
実施例、比較例に用いた樹脂の諸性質は下記の方法により評価した。
MFR(メルトフローレート)は、JIS K6922−1に準拠して測定を行った。
密度は、JIS K6922−1に準拠して密度勾配管法で測定した。
重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)、重量平均分子量と数平均分子量の比(Mw/Mn)およびピークトップ分子量(Mp)は、GPCによって測定した。GPC装置(東ソー(株)製(商品名)HLC−8121GPC/HT)およびカラム(東ソー(株)製(商品名)TSKgel GMHhr−H(20)HT)を用い、カラム温度を140℃に設定し、溶離液として1,2,4−トリクロロベンゼンを用いて測定した。測定試料は1.0mg/mlの濃度で調製し、0.3ml注入して測定した。分子量の検量線は、分子量既知のポリスチレン試料を用いて校正した。なお、MwおよびMnは直鎖状ポリエチレン換算の値として求めた。
分子量分別は、カラムとしてガラスビーズ充填カラム(直径:21mm、長さ:60cm)を用い、カラム温度を130℃に設定して、サンプル1gをキシレン30mLに溶解させたものを注入する。次に、キシレン/2−エトキシエタノールの比率が5/5のものを展開溶媒として用い、留出物を除去する。その後、キシレンを展開溶媒として用い、カラム中に残った成分を留出させ、ポリマー溶液を得る。得られたポリマー溶液に5倍量のメタノールを添加しポリマー分を沈殿させ、ろ過および乾燥することにより、Mnが10万以上である成分を回収した。
日本薬局方に規定の強熱残分試験法に準拠し、試料50gを精秤した後、白金皿に入れてガスバーナーにより燃焼させ、さらに電気炉で650℃、1時間の条件で完全灰化させたときの残留物の重量を秤量し、初期重量に対する百分率を求めることによって算出した。
200メッシュパスの粉砕試料約10gを精秤し、400mlのn−ヘプタンを加えて50℃で2時間抽出を行い、抽出液から溶媒を蒸発させて、乾燥固化させて得た抽出物の重量の初期重量に対する百分率を求めることによって算出した。
長鎖分岐数は、日本電子(株)製JNM−GSX400型核磁気共鳴装置を用いて、13C−NMRによってヘキシル基以上の分岐数を測定した。溶媒はベンゼン−d6/オルトジクロロベンゼン(体積比30/70)である。主鎖メチレン炭素(化学シフト:30ppm)1,000個当たりの個数として、α−炭素(34.6ppm)およびβ−炭素(27.3ppm)のピークの平均値から求めた。
(1)高密度ポリエチレン
(A)−1
[変性粘土の調製]
脱イオン水4.8L、エタノール3.2Lの混合溶媒に、ジメチルベヘニルアミン;(C22H45)(CH3)2N 354gと37%塩酸83.3mLを加え、ジメチルベヘニルアミン塩酸塩溶液を調製した。この溶液に合成ヘクトライト1,000gを加え終夜撹拌し、得られた反応液をろ過した後、固体分を水で十分洗浄した。固体分を乾燥させたところ、1,180gの有機変性粘土化合物を得た。赤外線水分計で測定した含液量は0.8%であった。次に、この有機変性粘土化合物を粉砕し、平均粒径を6.0μmに調製した。
[重合触媒の調製]
5Lのフラスコに、[変性粘土化合物の調製]の項で得た有機変性粘土化合物450g、ヘキサン1.4kgを加え、その後トリイソブチルアルミニウムのヘキサン20重量%溶液1.78kg(1.8モル)、ビス(n−ブチル−シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド7.32g(18ミリモル)を加え、60℃に加熱して1時間撹拌した。反応溶液を45℃に冷却し、2時間静置した後に傾斜法で上澄液を除去した。次に、トリイソブチルアルミニウムのヘキサン1重量%溶液1.78kg(0.09モル)を添加し、45℃で30分間反応させた。反応溶液を45℃で2時間静置した後に傾斜法で上澄液を除去し、トリイソブチルアルミニウムのヘキサン20重量%溶液0.45kg(0.45モル)を加え、ヘキサンで再希釈して全量を4.5Lとし重合触媒を調製した。
[(A)−1の製造]
内容量300Lの重合器に、ヘキサンを135kg/時、エチレンを20.0kg/時、ブテン−1を0.3kg/時、水素5NL/時および[重合触媒の調製]の項で得られた重合触媒を連続的に供給した。また、助触媒として液中のトリイソブチルアルミニウムの濃度を0.93ミリモル/kgヘキサンとなるように、それぞれ連続的に供給した。重合温度は85℃に制御した。得られた高密度ポリエチレン((A)−1)はMFR1.0g/10分、密度952kg/m3であった。
[変性粘土の調製]
(A)−1と同様の方法により変性粘土化合物を調製した。
[重合触媒の調製]
(A)−1と同様の方法により重合触媒を調製した。
[(A)−2の製造]
内容量300Lの重合器に、ヘキサンを135kg/時、エチレンを20.0kg/時、ブテン−1を0.4kg/時、水素8NL/時および[重合触媒の調製]の項で得られた重合触媒を連続的に供給した。また、助触媒として液中のトリイソブチルアルミニウムの濃度を0.93ミリモル/kgヘキサンとなるように、それぞれ連続的に供給した。重合温度は85℃に制御した。得られた高密度ポリエチレン((A)−2)はMFR3.0g/10分、密度945kg/m3であった。
(2)直鎖状低密度ポリエチレン
(B)−1
[変性粘土の調製]
1,500mlに37%塩酸30mlおよびN,N−ジメチル−ベヘニルアミンを106g加え、N,N−ジメチル−ベヘニルアンモニウム塩酸塩水溶液を調製した。平均粒径7.8μmのモンモリロナイト300g(クニミネ工業製、商品名クニピアFをジェット粉砕機で粉砕することによって調製した)を上記塩酸塩水溶液に加え、6時間反応させた。反応終了後、反応溶液を濾過し、得られたケーキを6時間減圧乾燥し、変性粘土化合物370gを得た。
[重合触媒の調製]
窒素雰囲気下の20Lステンレス容器にヘプタン3.3L、トリエチルアルミニウムのヘプタン溶液(20重量%希釈品)をアルミニウム原子当たり1.13mol(0.9L)および上記で得られた変性粘土化合物50gを加えて1時間撹拌した。そこへジフェニルメチレン(4−フェニル−インデニル)(2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロライドをジルコニウム原子当たり1.25mmol加えて12時間撹拌した.得られた懸濁系に脂肪族系飽和炭化水素溶媒(出光石油化学製、商品名IPソルベント2835)5.8Lを加えることにより、触媒を調製した。(ジルコニウム濃度0.125mmol/L)
[(B)−1の製造]
高温高圧重合用に装備された槽型反応器を用い、エチレンおよび1−ヘキセンを連続的に反応器に圧入して、全圧を90MPa、1−ヘキセン濃度を18mol%、水素濃度を7mol%になるように設定した。そして反応器を1,500rpmで撹拌し、上記により得られた重合触媒を反応器の供給口より連続的に供給し、平均温度を200℃に保ち重合反応をいった。得られた直鎖状低密度ポリエチレン((B)−1)はMFR3.5g/10分、密度910kg/m3であった。
[変性粘土の調製]
(B)−1と同様の方法により変性粘土化合物を調製した。
[重合触媒の調製]
(B)−1と同様の方法により重合触媒を調製した。
[(B)−2の製造]
高温高圧重合用に装備された槽型反応器を用い、エチレンおよび1−ヘキセンを連続的に反応器に圧入して、全圧を90MPa、1−ヘキセン濃度を18mol%、水素濃度を5mol%になるように設定した。そして反応器を1,500rpmで撹拌し、上記により得られた重合触媒を反応器の供給口より連続的に供給し、平均温度を200℃に保ち重合反応をいった。得られた直鎖状低密度ポリエチレン((B)−2)はMFR2.0g/10分、密度907kg/m3であった。
[変性粘土の調製]
(B)−1と同様の方法により変性粘土化合物を調製した。
[重合触媒の調製]
(B)−1と同様の方法により重合触媒を調製した。
[(B)−3の製造]
高温高圧重合用に装備された槽型反応器を用い、エチレンおよび1−ヘキセンを連続的に反応器に圧入して、全圧を90MPa、1−ヘキセン濃度を23mol%、水素濃度を1mol%になるように設定した。そして反応器を1,500rpmで撹拌し、上記により得られた重合触媒を反応器の供給口より連続的に供給し、平均温度を200℃に保ち重合反応をいった。得られた直鎖状低密度ポリエチレン((B)−3)はMFR0.8g/10分、密度900kg/m3であった。
[変性粘土の調製]
(B)−1と同様の方法により変性粘土化合物を調製した。
[重合触媒の調製]
(B)−1と同様の方法により重合触媒を調製した。
[(B)−4の製造]
高温高圧重合用に装備された槽型反応器を用い、エチレンおよび1−ヘキセンを連続的に反応器に圧入して、全圧を90MPa、1−ヘキセン濃度を20mol%、水素濃度を15mol%になるように設定した。そして反応器を1,500rpmで撹拌し、上記により得られた重合触媒を反応器の供給口より連続的に供給し、平均温度を200℃に保ち重合反応をいった。得られた直鎖状低密度ポリエチレン((B)−5)はMFR=12.0g/10分、密度907kg/m3であった。
(B)−5:下記市販品を用いた。東ソー(株)製、(商品名)ニポロン−Z ZF220(MFR2.0g/10分、密度913kg/m3)
(B)−6
[変性粘土の調製]
(B)−1と同様の方法により変性粘土化合物を調製した。
[重合触媒の調製]
窒素雰囲気下の20Lステンレス容器にヘプタン2.5L、トリエチルアルミニウムのヘプタン溶液(20重量%希釈品)をアルミニウム原子当たり4.5mol(3.6L)および上記で得られた変性粘土化合物300gを加えて1時間撹拌した。そこへジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロライドをジルコニウム原子当たり10mmol加えて12時間撹拌した.得られた懸濁系に脂肪族系飽和炭化水素溶媒(出光石油化学製、商品名IPソルベント2835)8.7Lを加えることにより、触媒を調製した。(ジルコニウム濃度0.67mmol/L)。
[(B)−6の製造]
高温高圧重合用に装備された槽型反応器を用い、エチレンおよび1−ヘキセンを連続的に反応器に圧入して、全圧を90MPa、1−ヘキセン濃度を20mol%、水素濃度を4mol%になるように設定した。そして反応器を1,500rpmで撹拌し、上記により得られた重合触媒を反応器の供給口より連続的に供給し、平均温度を200℃に保ち重合反応を行なった。得られた直鎖状低密度ポリエチレン((B)−4)はMFR2.5g/10分、密度921kg/m3であった。
(3)エチレン系重合体
(C)−1
[変性粘土の調製]
1Lのフラスコに工業用アルコール(日本アルコール販売社製(商品名)エキネンF−3)300mL及び蒸留水300mLを入れ、濃塩酸17.5g及びジメチルベヘニルアミン(ライオン株式会社製(商品名)アーミンDM22D)49.4g(140mmol)を添加し、45℃に加熱して合成ヘクトライト(Rockwood Additives社製(商品名)ラポナイトRDS)を100g分散させた後、60℃に昇温させてその温度を保持したまま1時間攪拌した。このスラリーを濾別後、60℃の水600mLで2回洗浄し、85℃の乾燥機内で12時間乾燥させることにより132gの有機変性粘土を得た。この有機変性粘土はジェットミル粉砕して、メジアン径を15μmとした。
[重合触媒の調製]
温度計と還流管が装着された300mLのフラスコを窒素置換した後に[変性粘土の調製]で得られた有機変性粘土25.0gとヘキサンを108mL入れ、次いでジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(2,4,7−トリメチルインデニル)ジルコニウムジクロリドを0.4406g、及び20%トリイソブチルアルミニウム142mLを添加して60℃で3時間攪拌した。45℃まで冷却した後に上澄み液を抜き取り、200mLのヘキサンにて5回洗浄後、ヘキサンを200ml加えて触媒懸濁液を得た(固形重量分:12.4重量%)。
[(C)−1の製造]
2Lのオートクレーブにヘキサンを1.2L、20%トリイソブチルアルミニウムを1.0mL、[重合触媒の調製]で得られた触媒懸濁液を52mg(固形分6.4mg相当)加え、70℃に昇温後、1−ブテンを17.6g加え、分圧が0.80MPaになるようにエチレン/水素混合ガスを連続的に供給した(エチレン/水素混合ガス中の水素の濃度:590ppm)。90分経過後に脱圧し、スラリーを濾別後、乾燥することで61.8gのポリマーを得た。得られたポリマーの密度は930kg/m3であった。また、数平均分子量は52,300、重量平均分子量は235,400であり、ピークトップの分子量(Mp)は、155,500であった。また、長鎖分岐数は、主鎖1000炭素数あたり0.40個であった。
[変性粘土の調製]
1Lのフラスコに工業用アルコール(日本アルコール販売社製(商品名)エキネンF−3)300mL及び蒸留水300mLを入れ、濃塩酸18.8g及びジメチルヘキサコシルアミン(Me2N(C26H53)、常法によって合成)49.1g(120mmol)を添加し、45℃に加熱して合成ヘクトライト(Rockwood Additives社製(商品名)ラポナイトRDS)を100g分散させた後、60℃に昇温させてその温度を保持したまま1時間攪拌した。このスラリーを濾別後、60℃の水600mLで2回洗浄し、85℃の乾燥機内で12時間乾燥させることにより140gの有機変性粘土を得た。この有機変性粘土はジェットミル粉砕して、メジアン径を14μmとした。
[重合触媒の調製]
温度計と還流管が装着された300mLのフラスコを窒素置換した後に[変性粘土の調製]で得られた有機変性粘土25.0gとヘキサンを108mL入れ、次いでジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(2、4,7−トリメチル−1−インデニル)ジルコニウムジクロリドを0.4406g、及び20%トリイソブチルアルミニウム142mLを添加して60℃で3時間攪拌した。45℃まで冷却した後に上澄み液を抜き取り、200mLのヘキサンにて5回洗浄後、ヘキサンを200ml加えて触媒懸濁液を得た(固形重量分:12.0重量%)
[(C)−2の製造]
2Lのオートクレーブにヘキサンを1.2L、20%トリイソブチルアルミニウムを1.0mL、[重合触媒の調製]で得られた触媒懸濁液を75mg(固形分9.0mg相当)加え、80℃に昇温後、1−ブテンを8.3g加え、分圧が0.85MPaになるようにエチレン/水素混合ガスを連続的に供給した(エチレン/水素混合ガス中の水素の濃度:850ppm)。90分経過後に脱圧し、スラリーを濾別後、乾燥することで58.5gのポリマーを得た。得られたポリマーの密度は941kg/m3であった。また、数平均分子量は62,500、重量平均分子量は268,800であり、ピークトップの分子量(Mp)は、223,300であった。また、長鎖分岐数は、主鎖1000炭素数あたり0.30個であった。
[変性粘土の調製]
1Lのフラスコに工業用アルコール(日本アルコール販売社製(商品名)エキネンF−3)300mL及び蒸留水300mLを入れ、濃塩酸18.8g及びジメチルベヘニルアミン(ライオン株式会社製(商品名)アーミンDM22D)53.0g(150mmol)を添加し、45℃に加熱して合成ヘクトライト(Rockwood Additives社製(商品名)ラポナイトRDS)を100g分散させた後、60℃に昇温させてその温度を保持したまま1時間攪拌した。このスラリーを濾別後、60℃の水600mLで2回洗浄し、85℃の乾燥機内で12時間乾燥させることにより135gの有機変性粘土を得た。この有機変性粘土はジェットミル粉砕して、メジアン径を15μmとした。
[重合触媒の調製]
温度計と還流管が装着された300mLのフラスコを窒素置換した後に(1)で得られた有機変性粘土25.0gとヘキサンを108mL入れ、次いでジメチルシリレンビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリドを0.3485g、及び20%トリイソブチルアルミニウム142mLを添加して60℃で3時間攪拌した。45℃まで冷却した後に上澄み液を抜き取り、200mLのヘキサンにて5回洗浄後、ヘキサンを200ml加えて触媒懸濁液を得た(固形重量分:10.7wt%)。
[(C)−3の製造]
2Lのオートクレーブにヘキサンを1.2L、20%トリイソブチルアルミニウムを1.0mL、(2)で得られた触媒懸濁液を75mg(固形分8.0mg相当)加え、85℃に昇温後、分圧が1.20MPaになるようにエチレンガスを連続的に供給した。90分経過後に脱圧し、スラリーを濾別後、乾燥することで63.2gのポリマーを得た(活性:7,900g/g触媒)。得られたポリマーの密度は954kg/m3であった。また、数平均分子量は63,200、重量平均分子量は233,800であり、ピークトップの分子量(Mp)は、212,400であった。また、長鎖分岐数は、主鎖1000炭素数あたり0.30個であった。
[変性粘土の調製]
1Lのフラスコに工業用アルコール(日本アルコール販売社製(商品名)エキネンF−3)300mL及び蒸留水300mLを入れ、濃塩酸17.5g及びジメチルベヘニルアミン(ライオン株式会社製(商品名)アーミンDM22D)49.4g(140mmol)を添加し、45℃に加熱して合成ヘクトライト(Rockwood Additives社製(商品名)ラポナイトRDS)を100g分散させた後、60℃に昇温させてその温度を保持したまま1時間攪拌した。このスラリーを濾別後、60℃の水600mLで2回洗浄し、85℃の乾燥機内で12時間乾燥させることにより132gの有機変性粘土を得た。この有機変性粘土はジェットミル粉砕して、メジアン径を15μmとした。
[重合触媒の調製]
温度計と還流管が装着された300mLのフラスコを窒素置換した後に[変性粘土の調製]で得られた有機変性粘土25.0gとヘキサンを108mL入れ、次いでジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(2,4,7−トリメチルインデニル)ジルコニウムジクロリドを0.4406g、及び20%トリイソブチルアルミニウム142mLを添加して60℃で3時間攪拌した。45℃まで冷却した後に上澄み液を抜き取り、200mLのヘキサンにて5回洗浄後、ヘキサンを200ml加えて触媒懸濁液を得た(固形重量分:12.4重量%)。
[(D)−1の製造]
2Lのオートクレーブにヘキサンを1.2L、20%トリイソブチルアルミニウムを1.0mL、[重合触媒の調製]で得られた触媒懸濁液を52mg(固形分6.4mg相当)加え、70℃に昇温後、1−ブテンを17.6g加え、分圧が0.80MPaになるようにエチレン/水素混合ガスを連続的に供給した(エチレン/水素混合ガス中の水素の濃度:590ppm)。90分経過後に脱圧し、スラリーを濾別後、乾燥することで61.8gのポリマーを得た。得られたポリマーのMFRは1.6g/10分、密度は930kg/m3であった。また、数平均分子量は17,600、重量平均分子量は86,700であり、分子量30,500に主ピークおよび155,300の位置に小さいピークが観測された。よって、ピークトップ分子量(Mp)は、30,500であった。また、分子量分別した際のMn10万以上のフラクション中に含まれる長鎖分岐数は、主鎖1000炭素数あたり0.27個であった。また、分子量分別した際のMn10万以上のフラクションの割合は、全ポリマーの20.1重量%であった。
[変性粘土の調製]
1Lのフラスコに工業用アルコール(日本アルコール販売社製(商品名)エキネンF−3)300mL及び蒸留水300mLを入れ、濃塩酸15.0g及びジメチルベヘニルアミン(ライオン株式会社製(商品名)アーミンDM22D)42.4g(120mmol)を添加し、45℃に加熱して合成ヘクトライト(Rockwood Additives社製(商品名)ラポナイトRDS)を100g分散させた後、60℃に昇温させてその温度を保持したまま1時間攪拌した。このスラリーを濾別後、60℃の水600mLで2回洗浄し、85℃の乾燥機内で12時間乾燥させることにより122gの有機変性粘土を得た。この有機変性粘土はジェットミル粉砕して、メジアン径を15μmとした。
[重合触媒の調製]
温度計と還流管が装着された300mLのフラスコを窒素置換した後に[変性粘土の調製]で得られた有機変性粘土25.0gとヘキサンを108mL入れ、次いでジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(2,4,7−トリメチル−1−インデニル)ジルコニウムジクロリドを0.4406g、及び20%トリイソブチルアルミニウム142mLを添加して60℃で3時間攪拌した。45℃まで冷却した後に上澄み液を抜き取り、200mLのヘキサンにて5回洗浄後、ヘキサンを200ml加えて触媒懸濁液を得た。(固形重量分:11.5wt%)
[(D)−2の製造]
2Lのオートクレーブにヘキサンを1.2L、20%トリイソブチルアルミニウムを1.0mL、[重合触媒の調製]で得られた触媒懸濁液を70mg(固形分8.4mg相当)加え、80℃に昇温後、1−ブテンを2.4g加え、分圧が0.90MPaになるようにエチレン/水素混合ガスを連続的に供給した(エチレン/水素混合ガス中の水素の濃度:720ppm)。90分経過後に脱圧し、スラリーを濾別後、乾燥することで63.0gのポリマーを得た。得られたポリマーのMFRは11.5g/10分、密度は954kg/m3であった。また、数平均分子量は16,200、重量平均分子量は58,400であり、分子量28,200に主ピークおよび181,000の位置に小さいピークが観測された。よって、ピークトップ分子量(Mp)は、28,200であった。また、分子量分別した際のMn10万以上のフラクション中に含まれる長鎖分岐数は、主鎖1000炭素数あたり0.16個であった。また、分子量分別した際のMn10万以上のフラクションの割合は、全ポリマーの6.8wt%であった。
以下に、実施例および比較例で用いた加工性及び容器の評価方法を示す。
〜表面光沢性の評価〜
500ml角型ボトル用金型、及び50mmφの押出スクリューを備えたブロー成形機(タハラ社製)を用いて、成形温度180℃、吐出量7kg/h、ダイギャップ1.4mmの条件で評価樹脂の500ml角型ボトルを成形した。得られたボトルの表面の光沢性を目視観察し、評価した。
△:表面が平滑であるが、光沢性がない
×:表面が梨地であり、光沢性がない
〜耐ドローダウン性の評価〜
前記ブロー成形機(タハラ社製)を用いて、成形温度180℃、吐出量7kg/hで評価樹脂のパリソンを押し出した。パリソンがリップから250mm垂下するまでにかかる時間を垂下時間として評価した。
△:垂下時間10秒以上15秒未満
×:垂下時間10秒未満
〜容器の評価〜
〜透明性の評価〜
実施例に記載の方法で製造した容器、及び121℃の温度で20分間滅菌処理した後の容器から厚さ400μm、幅9.5mm、長さ50mmのサンプル片を切り出し、日立製作所製「紫外可視分光光度計220A」を用いて、純水中で波長450nmの透過率を測定し、滅菌前後の透明性を評価した、尚、滅菌処理後に55%以上の光線透過率を維持した場合を透明性が良好と判断する。
実施例に記載の方法で製造した容器に純水400mlを充填し、容器をヒートシールにて密閉し、オートクレーブ内にセットした。日本薬局方に準拠し、高圧蒸気滅菌法により、121℃の温度で20分間滅菌処理した後、容器を取り出し、容器の外観を以下の項目について観察して評価した。
変形:容器の波打ち状態を観察した。
1μm以上の微粒子数が0個/10mlであることが確認された超純水を、実施例に記載の方法で製造した容器に充填密封した後、121℃で20分間の熱水滅菌処理を実施し、1日放置後、HIAC/ROYCO社製微粒子カウンター「M−3000・4100・HR−60HA」を用いて1μm以上の微粒子数を測定した。尚、これらの操作は、すべてクラス1000のクリーンルーム中で行った。微粒子数が10個/ml以下である場合をクリーン性が良好な医療容器の目安とした。
(1)樹脂組成物の製造
製造例で得られた高密度ポリエチレン(A−1)と直鎖状低密度ポリエチレン(B−1)とエチレン系重合体(C−1)を30:60:10(重量部)の比率でドライブレンドし、これをプラコー社製50mm径単軸押出機にてストランド状に溶融押出し、ペレタイザーを用いてペレット状に造粒を行った。バレルの温度はC1;180℃、C2;200℃、C3;220℃、ダイヘッド;220℃とした。
500ml角型ボトル用金型、及び50mmφの押出スクリューを備えたブロー成形機(タハラ社製)を用いて、成形温度180℃、吐出量7.0kg/h、ダイギャップ1.4mmの条件で評価樹脂の500ml角型ボトルを成形した。このボトルの胴部の肉厚は400μμmであった。
結果を表1に示す。
高密度ポリエチレン(A)と直鎖状低密度ポリエチレン(B)とエチレン系重合体(C)の種類及びブレンド比率を表1のように変えた以外は実施例1と同様に行った。結果を表1に示す。
高密度ポリエチレン(A)と直鎖状低密度ポリエチレン(B)とエチレン系重合体(C)またはエチレン系重合体(D)の種類及びブレンド比率を表2のように変えた以外は実施例1と同様に行った。結果を表2に示す。
Claims (11)
- 下記(イ)、(ロ)の要件を満足することを特徴とするポリエチレン樹脂組成物。
(イ)JIS K7151に準拠し、成形温度180℃、冷却温度30℃、予熱圧力0.1MPa、予熱時間5分、加圧10MPa、加圧時間5分にて圧縮成形した、厚み100μmの圧縮成形試験片がHv光散乱測定にて得られる方位角45度での散乱強度分布曲線において、散乱強度の極大値が現れない
(ロ)JIS K6922−2に準拠し測定して得られるDSC(示差走査型熱量計)吸熱曲線より求めた121℃での残存結晶化度が20%以上 - ポリエチレン樹脂組成物が、下記特性(a)〜(b)を満足する高密度ポリエチレン(A)10〜40重量部、下記特性(c)〜(d)を満足する直鎖状低密度ポリエチレン(B)40〜70重量部および下記特性(e)〜(g)を満足するエチレン系重合体(C)5〜25重量部((A)、(B)及び(C)の合計は100重量部)を含むものであることを特徴とする請求項1に記載のポリエチレン樹脂組成物。
(a)JIS K6922−1に準拠した密度(以下、密度という)が945〜970kg/m3である。
(b)JIS K6922−1に準拠し、190℃、荷重2.16kgで測定したメルトフローレート(以下、MFRという)が0.1〜10g/10分である。
(c)密度が890〜915kg/m3である。
(d)MFRが0.1〜10g/10分である。
(e)密度が930〜960kg/m3である。
(f)ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィーによる分子量測定により得られた分子量分布曲線において、ピークトップの分子量(Mp)が100,000〜1,000,000である。
(g)長鎖分岐を主鎖1000炭素数あたり0.15個以上有する。 - 請求項1又は2に記載のポリエチレン樹脂組成物からなることを特徴とする容器。
- 121℃での滅菌処理後に、変形がなく、かつ純水中、波長450nmで測定した光線透過率が55%以上となることを特徴とする請求項3に記載の容器。
- 容器が、少なくとも薬液を収容する収容部を備えた医療容器であることを特徴とする請求項3又は4に記載の容器。
- 容器が輸液製剤容器であることを特徴とする請求項3〜5のいずれかに記載の容器。
- 容器がアンプル製剤容器であることを特徴とする請求項3〜5のいずれかに記載の容器。
- 容器がキット製剤容器であることを特徴とする請求項3〜5のいずれかに記載の容器。
- 容器が点眼薬容器であることを特徴とする請求項3〜5のいずれかに記載の容器。
- フィルム状成形体を熱板成形により袋状に成形することを特徴とする請求項3〜6のいずれかに記載の容器の製造方法。
- ブロー成形によりボトル状に成形することを特徴とする請求項3〜9のいずれかに記載の容器の製造方法。
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