JP2017018290A - 複室容器 - Google Patents

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Abstract

【課題】弱シール強度の安定性に優れ、121℃で滅菌処理を行った後も透明性、易剥離性を維持することができ、かつ、薬液中への微粒子の溶出が少ない複室容器を提供する。【解決手段】特定の物性を有する高密度ポリエチレン(A)40〜85重量%、直鎖状低密度ポリエチレン(B)0〜30重量%、エチレン系重合体(C)5〜40重量%からなるシーラント層同士を融着させた易剥離シール部11により収容室13を区画し、複室容器10とする。【選択図】図1

Description

本発明は、ポリエチレン系樹脂をシーラント層とした複室容器に関する。さらに詳しくは、弱シール強度の安定性に優れ、121℃で滅菌処理を行った後も透明性、易剥離性を維持することができ、かつ、薬液中への微粒子の溶出が少ない複室容器に関するものである。
医療分野では、複数の薬剤成分を混合した状態で生体内に投与することは、ごく一般的に行われているが、混合する薬剤成分の組合せによっては、保存中に化学反応等が生じて変質する場合があるため、各薬剤成分を別々の収容室に保存しておき、投与する直前に混合することが多い。この場合、各収容室間を接着部により仕切り、使用直前に手または器具などで接着部を加圧剥離して、連通させることで薬剤を混合する易剥離性複室容器が、操作が簡便でかつ無菌的に行えるため注目されている。
易剥離性複室容器では、輸送時や保管時には収容室間の接着部が安定で剥離し難く、使用時(混合時)には比較的容易に剥離できる必要がある。従って、複室容器では、収容室間の接着部を形成するフィルムの剥離強度(シール強度)のコントロールが技術上の重要なポイントとなっている。
近年、特定形状の凹凸を付けた金型を用いて、ヒートシール部に強融着部と弱融着部を特定の面積比率で付与して、シール強度をコントロールする方法(例えば、特許文献1〜3参照。)が提案されている。しかしながら、これらの方法においても、強融着部と弱融着部を特定の位置関係に保持しないとシール強度のバランスが取り難いという煩雑さがある。また、121℃で加熱滅菌処理をした場合、強融着部、弱融着部の強度が変化して、シール強度のコントロールができなくなる問題があり、改良が望まれていた。
また、相溶性に乏しく、かつ融点に比較的大きな差を有する樹脂同士(例えば、ポリエチレン系樹脂とポリプロピレン系樹脂)のブレンド物を用いて、シーラント層に相分離構造を形成させ、低融点樹脂相のみが融解する温度でヒートシールすることで、シール界面における融着領域を制御してシール強度をコントロールする方法(例えば、特許文献4〜6参照。)が提案されている。しかしながら、ポリエチレン系樹脂とポリプロピレン系樹脂の混合物をシーラント層としたフィルムは、ポリエチレン系樹脂のみからなるフィルムに比べて薬液中への微粒子の溶出等、クリーン性が悪化する問題がある。また、ポリエチレン系樹脂のみからなるフィルムに比べて材料コストが高くなるという不具合がある。
特開平8−24314号公報 特開2004−476号公報 特許第4689416号公報 特許第2675075号公報 特開平8−229099号公報 特許第5144573号公報
本発明の目的は、弱シール強度の安定性に優れ、121℃での滅菌処理を行った後も透明性、易剥離性を維持することができ、かつ、薬液中への微粒子の溶出が少なくクリーン性に優れた複室容器を提供することにある。
本発明者らは鋭意検討を行なった結果、特定の物性を有するポリエチレン系樹脂を特定量配合してシーラント層とすることにより、上記課題が解決できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は、少なくとも一面にシーラント層を有する熱可塑性フィルムからなり、該熱可塑性フィルムのシーラント層同士を融着してなる易剥離シール部によって区画される収容室を2室以上備え、前記シーラント層が下記特性(a)〜(b)を満足する高密度ポリエチレン(A)40〜85重量%、下記特性(c)〜(d)を満足する直鎖状低密度ポリエチレン(B)0〜30重量%および下記特性(e)〜(h)を満足するエチレン系重合体(C)5〜40重量%((A)、(B)及び(C)の合計は100重量%)を含む樹脂組成物からなることを特徴とする複室容器に関するものである。
(a)密度が945〜970kg/mである。
(b)MFRが0.1〜15.0g/10分である。
(c)密度が870〜930kg/mである。
(d)MFRが0.1〜15.0g/10分である。
(e)密度が930〜960kg/mである。
(f)MFRが0.1〜15.0g/10分である。
(g)ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィーによる分子量測定において2つのピークを示し、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比(Mw/Mn)が2.0〜7.0の範囲である。
(h)分子量分別した際のMnが10万以上のフラクション中に長鎖分岐を主鎖1000炭素数あたり0.15個以上有する。
シーラント層に用いる高密度ポリエチレン(A)、直鎖状低密度ポリエチレン(B)およびエチレン系重合体(C)の配合割合は、高密度ポリエチレン(A)が40〜85重量%、好ましくは45〜80重量%、より好ましくは50〜75重量%、直鎖状低密度ポリエチレン(B)が0〜30重量%、好ましくは5〜25重量%、より好ましくは10〜20重量%、エチレン系重合体(C)が5〜40重量%、好ましくは10〜30重量%である。高密度ポリエチレン(A)が40重量%未満だと耐熱性が不足し、滅菌処理によりシール強度が低下するため好ましくない。高密度ポリエチレン(A)が85重量%を超える場合は、シール温度のブレによる強度変動が大きくなり、シール強度のコントロールが難しくなるため好ましくない。この現象は、特に、易剥離シール部の設定強度を高くした場合に顕著となる。直鎖状低密度ポリエチレン(B)が30重量%を超える場合は、耐熱性が不足し、滅菌処理によりシール面が融着して収容室間の接着部の剥離が困難になるため好ましくない。この現象は、直鎖状低密度ポリエチレン(B)の密度が低いほど顕著となる。エチレン系重合体(C)が5重量%未満だとシーラント層の透明性が低下し、40重量%を超える場合は、相対的に高密度ポリエチレン(A)の割合が減少し、耐熱性の不足により滅菌処理後にシール強度が低下するため好ましくない。
本発明に関わるシーラント層に、エチレン系重合体(C)を前記範囲内で配合した場合は、エチレン系重合体(C)を配合しない場合に比べて、滅菌処理後も高いレベルの透明性を維持することが可能となる。このような効果が発現する理由は、必ずしも明確ではないが、該エチレン系重合体(C)を配合することで冷却結晶化時に形成される球晶の大きさが著しく小さくなることが確認されており、該エチレン系重合体(C)が成形過程および滅菌処理過程の球晶成長を阻害する効果を有するものと考えられる。
以下に、本発明に関わるポリエチレン樹脂、それらを配合してなる樹脂組成物、該組成物を成形してなる熱可塑性フィルム、および本発明の複室容器について説明する。
[1]高密度ポリエチレン(A)
本発明に用いる高密度ポリエチレン(A)は、エチレン単独重合体、またはエチレンとα−オレフィンの共重合体である。
本発明に関わる高密度ポリエチレン(A)は、JIS K6922−1に準拠し、190℃、荷重2.16kgで測定したメルトフローレート(以下、MFRという)が0.1〜15.0g/10分、好ましくは0.5〜10.0g/10分、さらに好ましくは1.0〜5.0g/10分である。MFRが0.1g/10分未満だと、成形加工時に押出機の負荷が大きくなると共に、成形時に表面荒れが発生するため好ましくない。また、MFRが15.0g/10分を超える場合、溶融張力が小さくなり、成形安定性が低下するため好ましくない。
本発明に関わる高密度ポリエチレン(A)は、JIS K6922−1に準拠した密度が945〜970kg/m、好ましくは950〜965kg/mである。密度が945kg/m未満だと121℃滅菌処理により容器の内壁(シーラント層)が融着する恐れがあるため好ましくない。密度が970kg/mを超える場合は、透明性、柔軟性が低下するため好ましくない。
本発明に関わる高密度ポリエチレン(A)は、例えばスラリー法、溶液法、気相法等の製造法により製造することが可能である。該高密度ポリエチレン(A)を製造する際には、一般的にマグネシウムとチタンを含有する固体触媒成分及び有機アルミニウム化合物からなるチーグラー触媒、シクロペンタジエニル誘導体を含有する有機遷移金属化合物と、これと反応してイオン性の錯体を形成する化合物及び/又は有機金属化合物からなるメタロセン触媒、バナジウム系触媒等を用いることができ、該触媒によりエチレンを単独重合またはエチレンとα−オレフィンを共重合することにより製造可能である。
前記特性を有する高密度ポリエチレン(A)は、後述する直鎖状低密度ポリエチレン(B)およびエチレン系重合体(C)と配合することで、得られた複室容器の透明性向上効果および滅菌処理後の透明性維持効果が発現するが、高密度ポリエチレン(A)が下記(i)〜(j)の特性を有する場合は、本発明の複室容器のクリーン性(低微粒子性)および滅菌処理後の透明性がさらに向上するため特に好ましい。このような(i)〜(j)の特性を有する高密度ポリエチレン(A)は前記メタロセン触媒を用いることで製造することができる。
(i)ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィーにより求められる重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比(Mw/Mn)が3.0以下。
(j)第十六改正日本薬局方に規定の強熱残分試験法による残分が0.02重量%以下。
本発明に関わる高密度ポリエチレン(A)としては、市販品として入手したものであってもよく、例えば、東ソー株式会社製(商品名)ニポロンハード 5700、東ソー株式会社製(商品名)ニポロンハード 8500、東ソー株式会社製(商品名)ニポロンハード 8022等を挙げることができる。
また、本発明に関わる高密度ポリエチレン(A)は以下の方法により製造することができる。例えば、特開2009−275059号公報、特開2013−81494号公報等に記載の方法により、スラリー法、溶液法、気相法等の製造法を用いて、シクロペンタジエニル誘導体を含有する有機遷移金属化合物と、これと反応してイオン性の錯体を形成する化合物及び/又は有機金属化合物からなるメタロセン触媒によりエチレンを単独重合またはエチレンとα−オレフィンを共重合する方法を用いることができる。
α−オレフィンとしては、一般にα−オレフィンと称されているものでよく、プロピレン、ブテン−1、ヘキセン−1、オクテン−1、4−メチル−1−ペンテン等の炭素数3〜12のα−オレフィンであることが好ましい。エチレンとα−オレフィンの共重合体としては、例えばエチレン・ヘキセン−1共重合体、エチレン・ブテン−1共重合体、エチレン・オクテン−1共重合体等が挙げられる。
[2]直鎖状低密度ポリエチレン(B)
本発明に用いる直鎖状低密度ポリエチレン(B)は、エチレンとα−オレフィンの共重合体である。
本発明に関わる直鎖状低密度ポリエチレン(B)は、JIS K6922−1に準拠し、190℃、荷重2.16kgで測定したMFRが0.1〜15.0g/10分、好ましくは0.5〜10.0g/10分、さらに好ましくは1.0〜5.0g/10分である。MFRが0.1g/10分未満だと、成形加工時の押出負荷が大きくなると共に、成形時に表面荒れが発生するため好ましくない。また、MFRが15.0g/10分を超える場合、溶融張力が小さくなり、成形安定性が低下するため好ましくない。
本発明に関わる直鎖状低密度ポリエチレン(B)は、JIS K6922−1に準拠した密度が870〜930kg/m、好ましくは875〜925kg/m、さらに好ましくは880〜920kg/mである。密度が870kg/m未満だと耐熱性が不足し、滅菌処理によりシール面が融着して収容室間の接着部の剥離が困難になると共に、薬剤中への微粒子等の不純物の溶出量が増加するため好ましくない。一方、密度が930kg/mを超える場合は、シール温度のブレによる強度変動が大きくなり、シール強度のコントロールが難しくなるため好ましくない。
本発明に関わる直鎖状低密度ポリエチレン(B)は、例えば高圧法、溶液法、気相法等の製造法により製造することが可能である。該直鎖状低密度ポリエチレン(B)を製造する際には、一般的にマグネシウムとチタンを含有する固体触媒成分及び有機アルミニウム化合物からなるチーグラー触媒、シクロペンタジエニル誘導体を含有する有機遷移金属化合物と、これと反応してイオン性の錯体を形成する化合物及び/又は有機金属化合物からなるメタロセン触媒、バナジウム系触媒等を用いることができ、該触媒によりエチレンとα−オレフィンを共重合することにより製造可能である。
前記特性を有する直鎖状低密度ポリエチレン(B)は、前述の高密度ポリエチレン(A)および後述するエチレン系重合体(C)と配合することで、得られた複室容器の透明性向上効果および滅菌処理後の透明性維持効果が発現するが、直鎖状低密度ポリエチレン(B)が下記(k)の特性を有する場合は、本発明の複室容器のクリーン性(低微粒子性)および滅菌処理後の透明性がさらに向上するため特に好ましい。このような(k)の特性を有する直鎖状低密度ポリエチレン(B)は前記メタロセン触媒を用いることで製造することができる。
(k)ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィーにより求められる重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比(Mw/Mn)が3.0以下。
本発明に関わる直鎖状低密度ポリエチレン(B)としては、市販品として入手したものであってもよく、例えば、東ソー株式会社製(商品名)ニポロン−Z HF212R、東ソー株式会社製(商品名)ニポロン−Z HF210K、東ソー株式会社製(商品名)ニポロン−Z ZF220等を挙げることができる。
また、本発明に関わる直鎖状低密度ポリエチレン(B)は以下の方法により製造することができる。例えば、日本国特開2009−275059号公報、日本国特開2013−81494号公報等に記載の方法により、高圧法、溶液法、気相法等の製造法を用いて、シクロペンタジエニル誘導体を含有する有機遷移金属化合物と、これと反応してイオン性の錯体を形成する化合物及び/又は有機金属化合物からなるメタロセン触媒によりエチレンとα−オレフィンを共重合する方法を用いることができる。
α−オレフィンとしては、一般にα−オレフィンと称されているものでよく、プロピレン、ブテン−1、ヘキセン−1、オクテン−1、4−メチル−1−ペンテン等の炭素数3〜12のα−オレフィンであることが好ましい。エチレンとα−オレフィンの共重合体としては、例えばエチレン・ヘキセン−1共重合体、エチレン・ブテン−1共重合体、エチレン・オクテン−1共重合体等が挙げられる。
[3]エチレン系重合体(C)
本発明に関わるエチレン系重合体(C)は、JIS K6922−1に準拠し、190℃、荷重2.16kgで測定したMFRが0.1〜15.0g/10分、好ましくは0.5〜10.0g/10分、より好ましくは1.0〜5.0g/10分である。MFRが0.1g/10分未満だと、成形加工時の押出負荷が大きくなると共に、成形時に表面荒れが発生するため好ましくない。また、MFRが15.0g/10分を超える場合、溶融張力が小さくなり、成形時の加工安定性が低下するため好ましくない。
本発明に関わるエチレン系重合体(C)は、JIS K6922−1に準拠した密度が930〜960kg/mの範囲であり、好ましくは935〜955kg/m、特に好ましくは940〜950kg/mの範囲である。密度が930kg/m未満だと耐熱性が不足し、960kg/mを超える場合は透明性、柔軟性が低下するため好ましくない。
本発明に関わるエチレン系重合体(C)は、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(以下、GPCという。)による分子量測定において2つのピークを示す。ピークトップ分子量(Mp)はGPC測定によって得られた分子量分布曲線を後述の方法で2個のピークに分割し、高分子量側のピークと低分子量側のピークのトップ分子量を評価し、その差が100,000以上である場合を2つのMpを有するとした。100,000未満である場合は、実測された分子量分布曲線のトップ分子量を1つのMpとした。
分子量分布曲線の分割方法は以下のとおりに行った。GPC測定によって得られた、分子量の対数であるLogMに対して重量割合がプロットされた分子量分布曲線のLogMに対して、標準偏差が0.30であり、任意の平均値(ピークトップ位置の分子量)を有する2つの対数分布曲線を任意の割合で足し合わせることによって、合成曲線を作成する。さらに、実測された分子量分布曲線と合成曲線との同一分子量(M)値に対する重量割合の偏差平方和が最小値になるように、平均値と割合を求める。偏差平方和の最小値は、各ピークの割合がすべて0の場合の偏差平方和に対して0.5%以下にした。偏差平方和の最小値を与える平均値と割合が得られた時に、2つの対数正規分布曲線に分割して得られるそれぞれの対数分布曲線のピークトップの分子量をMpとした。
GPCによる分子量測定においてピークが1つのエチレン系重合体は、本発明のポリエチレン樹脂組成物を得るための一成分に使用しても、2つのピークを有するエチレン系重合体(C)を配合した場合のように透明性が高く、かつ滅菌処理後も透明性を維持した容器が得られない。
本発明に関わるエチレン系重合体(C)は、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比(Mw/Mn)が2.0〜7.0、好ましくは2.5〜6.5、さらに好ましくは3.0〜6.0である。Mw/Mnが2.0未満の場合は、成形加工時の押出負荷が大きいばかりでなく、得られた容器の外観(表面肌)が悪化するため好ましくない。Mw/Mnが7.0を超えると得られた容器の強度が低下するばかりか、容器として使用した際に、充填した薬液中の微粒子が増加する恐れがある。
本発明に関わるエチレン系重合体(C)は、GPCにより測定した数平均分子量(Mn)が15,000以上であることが好ましく、さらに好ましくは15,000〜100,000、特に15,000〜50,000が好ましい。Mnが15,000以上である場合、得られた容器の強度が高くなる。
本発明に関わるエチレン系重合体(C)は、分子量分別で得られたMnが10万以上のフラクションの長鎖分岐数が主鎖1000炭素数あたり0.15個以上である。Mnが10万以上のフラクションの長鎖分岐数が主鎖1000炭素数あたり0.15個未満である場合、本発明の容器を得るための一成分に使用しても、顕著な透明性改良効果や、滅菌処理後の透明性維持効果は得られない。
また、本発明に関わるエチレン系重合体(C)は、分子量分別で得られたMnが10万以上のフラクションの割合が、エチレン系重合体(C)全体の40%未満であることが好ましい。分子量分別で得られたMnが10万以上のフラクションの割合が、エチレン系重合体(C)全体の40%未満である場合、成形加工時の押出負荷が小さく、得られた容器の外観(表面肌)が良好である。
以上、本発明に関わるエチレン系重合体(C)は、前述の高密度ポリエチレン(A)および直鎖状低密度ポリエチレン(B)と配合することで、複室容器を成形する際の成形安定性が向上すると共に、得られた複室容器は、クリーン性(低微粒子性)に優れ、121℃での滅菌処理後も高いレベルの透明性を維持することが判明した。
本発明の複室容器に関わるエチレン系重合体(C)は、例えば、特開2012−126862号公報、特開2012−126863号公報、特開2012−158654号公報、特開2012−158656号公報、特開2013−28703号公報等に記載の方法により得ることができる。
又、市販品として、(商品名)TOSOH−HMS CK37、CK47(以上、東ソー株式会社製)等を用いることができる。
[4]ポリエチレン樹脂組成物
本発明に関わるポリエチレン樹脂組成物は、前述の高密度ポリエチレン(A)、直鎖状低密度ポリエチレン(B)およびエチレン系重合体(C)を、従来公知の方法、例えばヘンシェルミキサー、V−ブレンダー、リボンブレンダー、タンブラーブレンダー等で混合する方法、あるいはこのような方法で得られた混合物をさらに一軸押出機、二軸押出機、ニーダー、バンバリーミキサー等で溶融混練した後、造粒することによって得ることができる。
本発明に関わるポリエチレン樹脂組成物は、MFRが1.0〜5.0、密度が935〜950kg/mの範囲にある場合は、成形安定性が良く、121℃での滅菌処理後の柔軟性とフィルム外観のバランスが特に優れるため、より好ましい。
本発明に関わるポリエチレン樹脂組成物は、本発明の効果を著しく損なわない範囲において、通常用いられる公知の添加剤、例えば酸化防止剤、中和剤、帯電防止剤、滑剤、アンチブロッキング剤、防曇剤、有機系あるいは無機系の顔料、紫外線吸収剤、分散剤等を適宜必要に応じて配合することができる。本発明に関わる樹脂組成物に前記の添加剤を配合する方法は特に制限されるものではないが、例えば、重合後のペレット造粒工程で直接添加する方法、また、予め高濃度のマスターバッチを作製し、これを成形時にドライブレンドする方法等が挙げられる。
また、本発明に関わるポリエチレン樹脂組成物には、本発明の効果を損なわない程度の範囲内で、高圧法低密度ポリエチレン、エチレン−プロピレン共重合体ゴム、ポリ−1−ブテン等の他の熱可塑性樹脂を配合して用いることもできる。
[5]熱可塑性フィルム
本発明に関わる熱可塑性フィルムは、少なくとも一面に、前項で述べたポリエチレン樹脂組成物からなるシーラント層を有するフィルムであれば、単層フィルムであってもかまわないが、耐熱性、透明性、ガスバリア性等の各種性能を備えた複室容器とするには、複数の種類のフィルムを積層した多層フィルムとすることが好ましい。
本発明に関わる熱可塑性フィルムが多層フィルムである場合、その層構成は特に限定されないが、例えば、シーラント層(複室容器の内層)から順に、内層/外層(2層構造)、内層/中間層/外層(3層構造)、更に内層/中間層/外層における中間層の中にさらに層を構成させた内層/中間層/中心層/中間層/外層という層構成や、内層と中間層、または中間層と外層の間に、必要に応じて適宜他の層を設けることができる。そのような他の層としては、接着層、ガスバリア層、紫外線吸収層等が挙げられる。例えば、内層/接着層/ガスバリア層/接着層/中間層/外層といった六層構造をとることもできる。また、外層のさらに外側に新たな層を設けることもできる。
外層、中間層等、シーラント層以外の層を構成する樹脂に特に制限はなく、医療容器として一般的に使用される樹脂であれば問題なく、例えば、ポリエチレン、エチレン・α−オレフィンコポリマー、ポリプロピレン、プロピレン・α−オレフィンランダムコポリマー、プロピレン・α−オレフィンブロックコポリマー、ポリブテン、ポリ4−メチルペンテン、環状ポリオレフィン、スチレン系熱可塑性エラストマー、エチレン−酢酸ビニル共重合体、軟質塩化ビニル樹脂およびこれら樹脂の混合物を使用することができる。
ガスバリア層としては、例えば、ポリオレフィン系樹脂とエチレン−ビニルアルコール共重合体のブレンド物、ポリオレフィン系樹脂にモンモリロナイト、マイカ等の層状珪酸塩を配合した組成物等を用いることができる。
接着層を構成する接着剤としては、ポリウレタン系接着剤、酢酸ビニル接着剤、ホットメルト接着剤、あるいは無水マレイン酸変性ポリオレフィン、アイオノマー樹脂等の接着性樹脂が挙げられる。層構成に接着層を含める場合は、内層、中間層、外層等の主要な層をこれらの接着剤とともに共押出することにより積層することができる。
本発明に関わる熱可塑性フィルムの全体厚みは特に限定されず、必要に応じて適宜決定することができるが、好ましくは0.01〜1mm、より好ましくは0.1〜0.5mmである。
各層の厚み比は特に限定されないが、一般的には耐熱性を向上させた外層は厚みを薄くし、透明性を向上させた中間層は厚みを厚くする方が、耐熱性と透明性のバランスが良くなるため好ましい。例えば、3層構造のフィルムの場合、各層の厚み比としては、外層:中間層:内層=1〜30:40〜98:1〜30程度(但し、全体の合計を100とする)がよい。
本発明に関わる熱可塑性フィルムの製造方法は特に限定されないが、水冷式または空冷式共押出多層インフレーション法、共押出多層Tダイ法、ドライラミネーション法、押出ラミネーション法等により多層フィルムまたはシートとする方法が挙げられる。これらの中で、水冷式共押出多層インフレーション法または共押出多層Tダイ法を用いるのが好ましい。特に、水冷式共押出多層インフレーション法を用いた場合、透明性、衛生性等の点で多くの利点を有する。
[6]複室容器
本発明の複室容器は、図1に示し後述するように、薬液を収容する収容室を2室以上備え、該収容室が前項に記載した熱可塑性フィルムからなり、かつ、収容室間を区画する易剥離シール部が、前記熱可塑性フィルムのシーラント層同士を融着させてなるものである。
本発明の複室容器において、易剥離シール部のシール強度は、複室容器を通常の条件下で保存する場合はその接着状態が維持され、かつ、複室容器の何れかの収容室を手または器具などで加圧した場合は、易剥離シール部が剥離して隣接する収容室が連通するように調整される。易剥離シール部のシール強度は、複室容器の形状や用途によっても異なるが、通常0.5〜10N/15mmの範囲で設定される。
易剥離シール部のシール強度は、シール温度(ヒートシールバーの加熱温度)、シール圧力およびシール時間により調節されるが、通常、シール圧力、シール時間を固定して、シール温度を、所望のシール強度が得られるように調整する。ここで、シール圧力、シール時間に特に制限はないが、通常、シール圧力は1〜6kg/cm、シール時間は0.5〜8秒の範囲で設定される。
本発明の複室容器では、図2に示し後述するように、シール温度を適宜変化させることで、易剥離シール部に所望のシール強度を付与することができる。ここで、易剥離シール部のシール強度の変動を防止するには、シール強度のシール温度依存性(ヒートシールカーブ)ができるだけ緩やかな方がよい。具体的には、1〜5N/15mmのシール強度を得るためのシール温度幅が4℃以上であることが好ましい。ヒートシールカーブの特性はシーラント層に使用するポリエチレン樹脂組成物の特性に依存し、一般に、配合する直鎖状低密度ポリエチレン(B)の密度が低く、配合比率が高いほど、ヒートシールカーブが緩やかになる傾向がある。
本発明の複室容器の周縁部は、常法に従って成形すればよく、例えば、共押出多層Tダイ法、ドライラミネーション法、押出ラミネーション法等により成形したフィルムを材料として使用した場合は、シーラント層同士が対向するように重ね合わせた後、これを一対のヒートシールバーで挟んで、一様に加熱、加圧して熱融着させればよい。また、水冷式または空冷式共押出多層インフレーション法より成形した円筒状のフィルムを材料として使用した場合は、フィルムの両端のみをヒートシールすればよく、必ずしも、容器の全周に亘ってヒートシールが施されていなくてもよい。
本発明の複室容器の周縁部のシール強度は、容器の形状や用途によって異なるが、20〜60N/15mmの強度範囲で設定することが好ましい。
本発明の複室容器の用途としては、点滴用輸液バッグ全般に用いることができ、例えばアミノ酸輸液とブドウ糖輸液等の液/液混合用バッグ、抗生物質とその溶解液等の固(紛体)/液混合用バッグが挙げられる。
本発明の複室容器は、弱シール強度の安定性に優れ、121℃で滅菌処理を行った後も透明性、易剥離性を維持することができ、かつ、薬液中への微粒子の溶出が少ないため、点滴用輸液バッグのような医療容器に好適に用いることができる。
以下に、実施例を示して本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれら実施例により制限されるものではない。
A.ポリエチレン樹脂
実施例、比較例に用いたポリエチレン樹脂の諸性質は下記の方法により評価した。
<分子量、分子量分布>
重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)、重量平均分子量と数平均分子量の比(Mw/Mn)およびピークトップ分子量(Mp)は、GPCによって測定した。GPC装置(東ソー株式会社製(商品名)HLC−8121GPC/HT)およびカラム(東ソー株式会社製(商品名)TSKgel GMHhr−H(20)HT)を用い、カラム温度を140℃に設定し、溶離液として1,2,4−トリクロロベンゼンを用いて測定した。測定試料は1.0mg/mlの濃度で調製し、0.3ml注入して測定した。分子量の検量線は、分子量既知のポリスチレン試料を用いて校正した。なお、MwおよびMnは直鎖状ポリエチレン換算の値として求めた。
<分子量分別>
分子量分別は、カラムとしてガラスビーズ充填カラム(直径:21mm、長さ:60cm)を用い、カラム温度を130℃に設定して、サンプル1gをキシレン30mLに溶解させたものを注入する。次に、キシレン/2−エトキシエタノールの比率が5/5のものを展開溶媒として用い、留出物を除去する。その後、キシレンを展開溶媒として用い、カラム中に残った成分を留出させ、ポリマー溶液を得る。得られたポリマー溶液に5倍量のメタノールを添加しポリマー分を沈殿させ、ろ過および乾燥することにより、Mnが10万以上である成分を回収した。
<長鎖分岐>
長鎖分岐数は、日本電子株式会社製JNM−GSX400型核磁気共鳴装置を用いて、13C−NMRによってヘキシル基以上の分岐数を測定した。溶媒はベンゼン−d6/オルトジクロロベンゼン(体積比30/70)である。主鎖メチレン炭素(化学シフト:30ppm)1,000個当たりの個数として、α−炭素(34.6ppm)およびβ−炭素(27.3ppm)のピークの平均値から求めた。
<強熱残分>
第十六改正日本薬局方に規定の強熱残分試験法に準拠し、試料50gを精秤した後、白金皿に入れてガスバーナーにより燃焼させ、さらに電気炉で650℃、1時間の条件で完全灰化させたときの残留物の重量を秤量し、初期重量に対する百分率を求めることによって算出した。
<密度>
密度は、JIS K6922−1に準拠して密度勾配管法で測定した。
<MFR>
MFR(メルトフローレート)は、JIS K6922−1に準拠して測定を行った。
実施例、比較例では、下記の方法により製造した樹脂および市販品を用いた。
(1)高密度ポリエチレン
(A)−1
[変性粘土の調製]
脱イオン水4.8L、エタノール3.2Lの混合溶媒に、ジメチルベヘニルアミン;(C2245)(CHN 354gと37%塩酸83.3mLを加え、ジメチルベヘニルアミン塩酸塩溶液を調製した。この溶液に合成ヘクトライト1,000gを加え終夜撹拌し、得られた反応液をろ過した後、固体分を水で十分洗浄した。固体分を乾燥させたところ、1,180gの有機変性粘土を得た。赤外線水分計で測定した含液量は0.8%であった。次に、この有機変性粘土を粉砕し、平均粒径を6.0μmに調製した。
[重合触媒の調製]
5Lのフラスコに、[変性粘土の調製]の項で得た有機変性粘土450g、ヘキサン1.4kgを加え、その後トリイソブチルアルミニウムのヘキサン20重量%溶液1.78kg(1.8モル)、ビス(n−ブチル−シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド7.32g(18ミリモル)を加え、60℃に加熱して1時間撹拌した。反応溶液を45℃に冷却し、2時間静置した後に傾斜法で上澄液を除去した。次に、トリイソブチルアルミニウムのヘキサン1重量%溶液1.78kg(0.09モル)を添加し、45℃で30分間反応させた。反応溶液を45℃で2時間静置した後に傾斜法で上澄液を除去し、トリイソブチルアルミニウムのヘキサン20重量%溶液0.45kg(0.45モル)を加え、ヘキサンで再希釈して全量を4.5Lとし重合触媒を調製した。
[(A)−1の製造]
内容量300Lの重合器に、ヘキサンを135kg/時、エチレンを20.0kg/時、ブテン−1を0.3kg/時、水素5NL/時および[重合触媒の調製]の項で得られた重合触媒を連続的に供給した。また、助触媒として液中のトリイソブチルアルミニウムの濃度を0.93ミリモル/kgヘキサンとなるように、それぞれ連続的に供給した。重合温度は85℃に制御した。得られた高密度ポリエチレン((A)−1)はMFR=1.0g/10分、密度952kg/mであった。(A)−1の基本特性評価結果を表1に示す。
(A)−2
[変性粘土の調製]
(A)−1と同様の方法により変性粘土を調製した。
[重合触媒の調製]
(A)−1と同様の方法により重合触媒を調製した。
[(A)−2の製造]
内容量300Lの重合器に、ヘキサンを135kg/時、エチレンを20.0kg/時、ブテン−1を0.4kg/時、水素8NL/時および[重合触媒の調製]の項で得られた重合触媒を連続的に供給した。また、助触媒として液中のトリイソブチルアルミニウムの濃度を0.93ミリモル/kgヘキサンとなるように、それぞれ連続的に供給した。重合温度は85℃に制御した。得られた高密度ポリエチレン((A)−2)はMFR=3.0g/10分、密度945kg/mであった。(A)−2の基本特性評価結果を表1に示す。
(A)−3:下記市販品を用いた。
東ソー株式会社製、(商品名)ニポロンハード 5700(MFR=1.0g/10分、密度=954kg/m)(A)−3の基本特性評価結果を表1に示す。
Figure 2017018290
(2)直鎖状低密度ポリエチレン
(B)−1
[変性粘土の調製]
水1,500mlに37%塩酸30mlおよびN,N−ジメチル−ベヘニルアミンを106g加え、N,N−ジメチル−ベヘニルアンモニウム塩酸塩水溶液を調製した。平均粒径7.8μmのモンモリロナイト300g(クニミネ工業株式会社製、商品名クニピアFをジェット粉砕機で粉砕することによって調製した)を上記塩酸塩水溶液に加え、6時間反応させた。反応終了後、反応溶液を濾過し、得られたケーキを6時間減圧乾燥し、変性粘土370gを得た。
[重合触媒の調製]
窒素雰囲気下の20Lステンレス容器にヘプタン3.3L、トリエチルアルミニウムのヘプタン溶液(20重量%希釈品)をアルミニウム原子当たり1.13mol(0.9L)および上記で得られた変性粘土50gを加えて1時間撹拌した。そこへジフェニルメチレン(4−フェニル−インデニル)(2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロライドをジルコニウム原子当たり1.25mmol加えて12時間撹拌した.得られた懸濁系に脂肪族系飽和炭化水素溶媒(出光石油化学製、商品名IPソルベント2835)5.8Lを加えることにより、触媒を調製した。(ジルコニウム濃度0.125mmol/L)
[(B)−1の製造]
高温高圧重合用に装備された槽型反応器を用い、エチレンおよび1−ヘキセンを連続的に反応器に圧入して、全圧を90MPa、1−ヘキセン濃度を23mol%、水素濃度を1mol%になるように設定した。そして反応器を1,500rpmで撹拌し、上記により得られた重合触媒を反応器の供給口より連続的に供給し、平均温度を200℃に保ち重合反応を行った。得られた直鎖状低密度ポリエチレン((B)−1)はMFR=0.8g/10分、密度900kg/mであった。(B)−1の基本特性評価結果を表2に示す。
(B)−2
[変性粘土の調製]
(B)−1と同様の方法により変性粘土を調製した。
[重合触媒の調製]
(B)−1と同様の方法により重合触媒を調製した。
[(B)−2の製造]
高温高圧重合用に装備された槽型反応器を用い、エチレンおよび1−ヘキセンを連続的に反応器に圧入して、全圧を90MPa、1−ヘキセン濃度を18mol%、水素濃度を5mol%になるように設定した。そして反応器を1,500rpmで撹拌し、上記により得られた重合触媒を反応器の供給口より連続的に供給し、平均温度を200℃に保ち重合反応を行った。得られた直鎖状低密度ポリエチレン((B)−2)はMFR=2.0g/10分、密度907kg/mであった。(B)−2の基本特性評価結果を表2に示す。
(B)−3
[変性粘土の調製]
(B)−1と同様の方法により変性粘土を調製した。
[重合触媒の調製]
(B)−1と同様の方法により重合触媒を調製した。
[(B)−3の製造]
高温高圧重合用に装備された槽型反応器を用い、エチレンおよび1−ブテンを連続的に反応器に圧入して、全圧を90MPa、1−ブテン濃度を55mol%、水素濃度を2mol%になるように設定した。そして反応器を1,500rpmで撹拌し、上記により得られた重合触媒を反応器の供給口より連続的に供給し、平均温度を160℃に保ち重合反応を行った。得られた直鎖状低密度ポリエチレン((B)−3)はMFR=2.0g/10分、密度880kg/mであった。(B)−3の基本特性評価結果を表2に示す。
(B)−4:下記市販品を用いた。
東ソー株式会社製、(商品名)ニポロン−Z ZF230(MFR=2.0g/10分、密度=920kg/m)(B)−4の基本特性評価結果を表2に示す。
(B)−5
[変性粘土の調製]
(B)−1と同様の方法により変性粘土を調製した。
[重合触媒の調製]
窒素雰囲気下の20Lステンレス容器にヘプタン2.5L、トリエチルアルミニウムのヘプタン溶液(20重量%希釈品)をアルミニウム原子当たり4.5mol(3.6L)および上記で得られた変性粘土300gを加えて1時間撹拌した。そこへジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロライドをジルコニウム原子当たり10mmol加えて12時間撹拌した.得られた懸濁系に脂肪族系飽和炭化水素溶媒(出光石油化学製、商品名IPソルベント2835)8.7Lを加えることにより、触媒を調製した。(ジルコニウム濃度0.67mmol/L)。
[(B)−5の製造]
高温高圧重合用に装備された槽型反応器を用い、エチレンおよび1−ヘキセンを連続的に反応器に圧入して、全圧を90MPa、1−ヘキセン濃度を10mol%、水素濃度を5mol%になるように設定した。そして反応器を1,500rpmで撹拌し、上記により得られた重合触媒を反応器の供給口より連続的に供給し、平均温度を200℃に保ち重合反応を行なった。得られた直鎖状低密度ポリエチレン((B)−5)はMFR=3.6g/10分、密度931kg/mであった。(B)−5の基本特性評価結果を表2に示す。
Figure 2017018290
(3)エチレン系重合体
(C)−1
[変性粘土の調製]
1Lのフラスコに工業用アルコール(日本アルコール販売社製(商品名)エキネンF−3)300mL及び蒸留水300mLを入れ、濃塩酸17.5g及びジメチルベヘニルアミン(ライオン株式会社製(商品名)アーミンDM22D)49.4g(140mmol)を添加し、45℃に加熱して合成ヘクトライト(Rockwood Additives社製(商品名)ラポナイトRDS)を100g分散させた後、60℃に昇温させてその温度を保持したまま1時間攪拌した。このスラリーを濾別後、60℃の水600mLで2回洗浄し、85℃の乾燥機内で12時間乾燥させることにより132gの有機変性粘土を得た。この有機変性粘土はジェットミル粉砕して、メジアン径を15μmとした。
[重合触媒の調製]
温度計と還流管が装着された300mLのフラスコを窒素置換した後に[変性粘土の調製]で得られた有機変性粘土25.0gとヘキサンを108mL入れ、次いでジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(2,4,7−トリメチルインデニル)ジルコニウムジクロリドを0.4406g、及び20%トリイソブチルアルミニウム142mLを添加して60℃で3時間攪拌した。45℃まで冷却した後に上澄み液を抜き取り、200mLのヘキサンにて5回洗浄後、ヘキサンを200ml加えて触媒懸濁液を得た(固形重量分:12.4重量%)。
[(C)−1の製造]
2Lのオートクレーブにヘキサンを1.2L、20%トリイソブチルアルミニウムを1.0mL、[重合触媒の調製]で得られた触媒懸濁液を52mg(固形分6.4mg相当)加え、70℃に昇温後、1−ブテンを17.6g加え、分圧が0.80MPaになるようにエチレン/水素混合ガスを連続的に供給した(エチレン/水素混合ガス中の水素の濃度:590ppm)。90分経過後に脱圧し、スラリーを濾別後、乾燥することで61.8gのポリマーを得た。得られたポリマーのMFRは1.6g/10分、密度は930kg/mであった。また、数平均分子量は17,600、重量平均分子量は86,700であり、分子量30,500および155,300の位置にピークが観測された。また、分子量分別した際のMn10万以上のフラクション中に含まれる長鎖分岐数は、主鎖1000炭素数あたり0.27個であった。また、分子量分別した際のMn10万以上のフラクションの割合は、全ポリマーの20.1重量%であった。評価結果を表3に示す。
(C)−2
[変性粘土の調製]
1Lのフラスコに工業用アルコール(日本アルコール販売株式会社製(商品名)エキネンF−3)300mL及び蒸留水300mLを入れ、濃塩酸18.8g及びジメチルヘキサコシルアミン(MeN(C2653)、常法によって合成)49.1g(120mmol)を添加し、45℃に加熱して合成ヘクトライト(Rockwood Additives社製(商品名)ラポナイトRDS)を100g分散させた後、60℃に昇温させてその温度を保持したまま1時間攪拌した。このスラリーを濾別後、60℃の水600mLで2回洗浄し、85℃の乾燥機内で12時間乾燥させることにより140gの有機変性粘土を得た。この有機変性粘土はジェットミル粉砕して、メジアン径を14μmとした。
[重合触媒の調製]
温度計と還流管が装着された300mLのフラスコを窒素置換した後に[変性粘土の調製]で得られた有機変性粘土25.0gとヘキサンを108mL入れ、次いでジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(2、4,7−トリメチル−1−インデニル)ジルコニウムジクロリドを0.4406g、及び20%トリイソブチルアルミニウム142mLを添加して60℃で3時間攪拌した。45℃まで冷却した後に上澄み液を抜き取り、200mLのヘキサンにて5回洗浄後、ヘキサンを200ml加えて触媒懸濁液を得た(固形重量分:12.0重量%)
[(C)−2の製造]
2Lのオートクレーブにヘキサンを1.2L、20%トリイソブチルアルミニウムを1.0mL、[重合触媒の調製]で得られた触媒懸濁液を75mg(固形分9.0mg相当)加え、80℃に昇温後、1−ブテンを8.3g加え、分圧が0.85MPaになるようにエチレン/水素混合ガスを連続的に供給した(エチレン/水素混合ガス中の水素の濃度:850ppm)。90分経過後に脱圧し、スラリーを濾別後、乾燥することで58.5gのポリマーを得た。得られたポリマーのMFRは4.0g/10分、密度は941kg/mであった。また、数平均分子量は21,200、重量平均分子量は74,000であり、分子量41,500および217,100の位置にピークが観測された。また、分子量分別した際のMn10万以上のフラクション中に含まれる長鎖分岐数は、主鎖1000炭素数あたり0.18個であった。また、分子量分別した際のMn10万以上のフラクションの割合は、全ポリマーの14.8重量%であった。評価結果を表3に示す。
(C)−3
[変性粘土の調製]
1Lのフラスコに工業用アルコール(日本アルコール販売株式会社製(商品名)エキネンF−3)300mL及び蒸留水300mLを入れ、濃塩酸15.0g及びジメチルベヘニルアミン(ライオン株式会社製(商品名)アーミンDM22D)42.4g(120mmol)を添加し、45℃に加熱して合成ヘクトライト(Rockwood Additives社製(商品名)ラポナイトRDS)を100g分散させた後、60℃に昇温させてその温度を保持したまま1時間攪拌した。このスラリーを濾別後、60℃の水600mLで2回洗浄し、85℃の乾燥機内で12時間乾燥させることにより122gの有機変性粘土を得た。この有機変性粘土はジェットミル粉砕して、メジアン径を15μmとした。
[重合触媒の調製]
温度計と還流管が装着された300mLのフラスコを窒素置換した後に[変性粘土の調製]で得られた有機変性粘土25.0gとヘキサンを108mL入れ、次いでジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(2,4,7−トリメチル−1−インデニル)ジルコニウムジクロリドを0.4406g、及び20%トリイソブチルアルミニウム142mLを添加して60℃で3時間攪拌した。45℃まで冷却した後に上澄み液を抜き取り、200mLのヘキサンにて5回洗浄後、ヘキサンを200ml加えて触媒懸濁液を得た(固形重量分:11.5重量%)。
[(C)−3の製造]
2Lのオートクレーブにヘキサンを1.2L、20%トリイソブチルアルミニウムを1.0mL、[重合触媒の調製]で得られた触媒懸濁液を70mg(固形分8.4mg相当)加え、80℃に昇温後、1−ブテンを2.4g加え、分圧が0.90MPaになるようにエチレン/水素混合ガスを連続的に供給した(エチレン/水素混合ガス中の水素の濃度:720ppm)。90分経過後に脱圧し、スラリーを濾別後、乾燥することで63.0gのポリマーを得た。得られたポリマーのMFRは11.5g/10分、密度は954kg/mであった。また、数平均分子量は16,200、重量平均分子量は58,400であり、分子量28,200および181,000の位置にピークが観測された。また、分子量分別した際のMn10万以上のフラクション中に含まれる長鎖分岐数は、主鎖1000炭素数あたり0.16個であった。また、分子量分別した際のMn10万以上のフラクションの割合は、全ポリマーの6.8重量%であった。評価結果を表3に示す。
(C)−4
[変性粘土の調製]
1Lのフラスコに工業用アルコール(日本アルコール販売株式会社製(商品名)エキネンF−3)300mL及び蒸留水300mLを入れ、濃塩酸20.0g及びジメチルベヘニルアミン(ライオン株式会社製(商品名)アーミンDM22D)56.5g(160mmol)を添加し、45℃に加熱して合成ヘクトライト(Rockwood Additives社製(商品名)ラポナイトRDS)を100g分散させた後、60℃に昇温させてその温度を保持したまま1時間攪拌した。このスラリーを濾別後、60℃の水600mLで2回洗浄し、85℃の乾燥機内で12時間乾燥させることにより145gの有機変性粘土を得た。この有機変性粘土はジェットミル粉砕して、メジアン径を15μmとした。
[重合触媒の調製]
温度計と還流管が装着された300mLのフラスコを窒素置換した後に(1)で得られた有機変性粘土25.0gとヘキサンを108mL入れ、次いでジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(2,4,7−トリメチル−1−インデニル)ジルコニウムジクロリドを0.4406g、及び20%トリイソブチルアルミニウム142mLを添加して60℃で3時間攪拌した。45℃まで冷却した後に上澄み液を抜き取り、200mLのヘキサンにて5回洗浄後、ヘキサンを200ml加えて触媒懸濁液を得た(固形重量分:11.2重量%)。
[(C)−4の製造]
2Lのオートクレーブにヘキサンを1.2L、20%トリイソブチルアルミニウムを1.0mL、[重合触媒の調製]で得られた触媒懸濁液を74mg(固形分8.3mg相当)加え、65℃に昇温後、1−ブテンを17.5g加え、分圧が0.75MPaになるようにエチレン/水素混合ガスを連続的に供給した(エチレン/水素混合ガス中の水素の濃度:570ppm)。90分経過後に脱圧し、スラリーを濾別後、乾燥することで51.5gのポリマーを得た。得られたポリマーのMFRは0.8g/10分、密度は928kg/mであった。また、数平均分子量は17,900、重量平均分子量は99,300であり、分子量28,100および229,100の位置にピークが観測された。また、分子量分別した際のMn10万以上のフラクション中に含まれる長鎖分岐数は、主鎖1000炭素数あたり0.26個であった。また、分子量分別した際のMn10万以上のフラクションの割合は、全ポリマーの25.4重量%であった。評価結果を表3に示す。
(C)−5
[変性粘土の調製]
1Lのフラスコに工業用アルコール(日本アルコール販売株式会社製(商品名)エキネンF−3)300mL及び蒸留水300mLを入れ、濃塩酸15.0g及びジメチルベヘニルアミン(ライオン株式会社製(商品名)アーミンDM22D)42.4g(120mmol)を添加し、45℃に加熱して合成ヘクトライト(Rockwood Additives社製(商品名)ラポナイトRDS)を100g分散させた後、60℃に昇温させてその温度を保持したまま1時間攪拌した。このスラリーを濾別後、60℃の水600mLで2回洗浄し、85℃の乾燥機内で12時間乾燥させることにより122gの有機変性粘土を得た。この有機変性粘土はジェットミル粉砕して、メジアン径を15μmとした。
[重合触媒の調製]
温度計と還流管が装着された300mLのフラスコを窒素置換した後に[変性粘土の調製]で得られた有機変性粘土25.0gとヘキサンを108mL入れ、次いでジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(2,4,7−トリメチル−1−インデニル)ジルコニウムジクロリドを0.4406g、及び20%トリイソブチルアルミニウム142mLを添加して60℃で3時間攪拌した。45℃まで冷却した後に上澄み液を抜き取り、200mLのヘキサンにて5回洗浄後、ヘキサンを200ml加えて触媒懸濁液を得た(固形重量分:11.5重量%)。
[(C)−5の製造]
2Lのオートクレーブにヘキサンを1.2L、20%トリイソブチルアルミニウムを1.0mL、[重合触媒の調製]で得られた触媒懸濁液を90mg(固形分10.4mg相当)加え、65℃に昇温後、1−ブテンを17.5g加え、分圧が0.75MPaになるようにエチレン/水素混合ガスを連続的に供給した(エチレン/水素混合ガス中の水素の濃度:550ppm)。90分経過後に脱圧し、スラリーを濾別後、乾燥することで61.4gのポリマーを得た。得られたポリマーのMFRは0.08g/10分、密度は926kg/mであった。また、数平均分子量は21,900、重量平均分子量は127,000であり、分子量31,300および247,800の位置にピークが観測された。また、分子量分別した際のMn10万以上のフラクション中に含まれる長鎖分岐数は、主鎖1000炭素数あたり0.32個であった。また、分子量分別した際のMn10万以上のフラクションの割合は、全ポリマーの36.9重量%であった。評価結果を表3に示す。
(C)−6
[変性粘土の調製]
1Lのフラスコに工業用アルコール(日本アルコール販売株式会社製(商品名)エキネンF−3)300mL及び蒸留水300mLを入れ、濃塩酸15.0g及びジメチルベヘニルアミン(ライオン株式会社製(商品名)アーミンDM22D)42.4g(120mmol)を添加し、45℃に加熱して合成ヘクトライト(Rockwood Additives社製(商品名)ラポナイトRDS)を100g分散させた後、60℃に昇温させてその温度を保持したまま1時間攪拌した。このスラリーを濾別後、60℃の水600mLで2回洗浄し、85℃の乾燥機内で12時間乾燥させることにより122gの有機変性粘土を得た。この有機変性粘土はジェットミル粉砕して、メジアン径を15μmとした。
[重合触媒の調製]
温度計と還流管が装着された300mLのフラスコを窒素置換した後に[変性粘土の調製]で得られた有機変性粘土25.0gをヘキサン165mLに懸濁させ、ジメチルシランジイルビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド0.3485gおよびトリエチルアルミニウムのヘキサン溶液(1.18M)85mLを添加して60℃で3時間撹拌した。静置して室温まで冷却後に上澄み液を抜き取り、1%トリイソブチルアルミニウムのヘキサン溶液200mLにて2回洗浄した。洗浄後の上澄み液を抜き出し、5%トリイソブチルアルミニウムのヘキサン溶液にて全体を250mLとした。次いで、別途ジフェニルメチレン(1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−tert−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロライド0.1165gのヘキサン10mL懸濁液に20%トリイソブチルアルミニウムのヘキサン溶液(0.71M)5mlを加えることにより調製した溶液を添加して、室温で6時間撹拌した。静置して上澄み液を除去、ヘキサン200mLにて2回洗浄後、ヘキサンを200mL加えて触媒懸濁液を得た(固形重量分:12.0重量%)。
[(C)−6の製造]
2Lのオートクレーブにヘキサンを1.2L、20%トリイソブチルアルミニウムを1.0mL、[重合触媒の調製]で得られた触媒懸濁液を125mg(固形分15.0mg相当)加え、85℃に昇温後、1−ブテンを2.4g加え、分圧が0.90MPaになるようにエチレンを連続的に供給した。90分経過後に脱圧し、スラリーを濾別後、乾燥することで45.0gのポリマーを得た。得られたポリマーのMFRは4.4g/10分であり、密度は951kg/mであった。数平均分子量は9,100、重量平均分子量は77,100であり、分子量10,400および168,400の位置にピークが観測された。また、分子量分別した際のMn10万以上のフラクション中に含まれる長鎖分岐数は、主鎖1000炭素数あたり0.24個であった。また、分子量分別した際のMn10万以上のフラクションの割合は、全ポリマーの15.7重量%であった。評価結果を表3に示す。
(S)−1:下記市販品を用いた。
東ソー株式会社製、(商品名)ペトロセン 219(MFR=3.0g/10分、密度=934kg/m)(S)−1の基本特性評価結果を表3に示す。
(S)−2:下記市販品を用いた。
日本ポリオレフィン株式会社製、(商品名)RS1000(MFR=0.1g/10分、密度=953kg/m)(S)−2の基本特性評価結果を表3に示す。
Figure 2017018290
(4)プロピレン系重合体
(P)−1:下記市販品を用いた。
日本ポロプロ株式会社製、(商品名)ノバテックPP FW4B(MFR=6.5g/10分、密度=900kg/m)(P)−1の基本特性評価結果を表4に示す。
Figure 2017018290
B.熱可塑性フィルムおよび複室容器
実施例、比較例に用いた熱可塑性フィルムおよび複室容器は下記の方法により製造および評価した。
<熱可塑性フィルムおよび複室容器の製造>
三層水冷インフレーション成形機(株式会社プラコー製)を用いて、シリンダ温度180℃〜230℃、水槽温度15℃、引取速度7m/分でフィルム幅135mm、フィルム厚み250μmの三層フィルムを成形した。次いで、前記三層フィルムから長さ220mmのサンプルを切出し、中央部をヒートシールして易剥離シール部を形成した後、片方の室に超純水を75ml充填し、ヘッドスペースを20ml設けてヒートシールした。次に、もう一方の室にも超純水を75ml充填し、ヘッドスペースを20ml設けてヒートシールすることで、収容室2室を有する複室容器を作製した。
<成形安定性>
三層水冷インフレーション成形機による、成膜時のフィルム(バブル)の安定性を目視により観察、評価した。
○:バブル安定性良好
×:バブル変動大
<フィルムの表面平滑性>
前記成形フィルムの表面状態を目視により観察、評価した。
○:表面平滑性良好
×:表面荒れ大
<透明性>
前記三層フィルムおよび滅菌処理後の複室容器から、幅10mm×長さ50mmの試験片を切出し、紫外可視分光光度計(日本分光株式会社製 型式V−530)を用いて、純水中で波長450nmにおける光線透過率を測定した。滅菌処理後に75%以上の光線透過率が維持される場合を透明性が良好な複室容器の目安とした。
<フィルムの柔軟性>
JIS K 7161に準拠して、前記滅菌処理後の複室容器から試験片を打抜き、引張試験機(型式 オートグラフ DCS−500、株式会社島津製作所製)を用いて5%弾性率を測定した。弾性率の値が200MPa以下の場合を柔軟性良好、200MPaを超える場合を柔軟性不良とした。
○:柔軟性良好
×:柔軟性不良
<滅菌処理>
前記複室容器を、蒸気滅菌装置(株式会社日阪製作所製)を用いて、温度121℃で20分間滅菌処理を行なった。
<滅菌後外観>
滅菌処理後の容器表面のシワ、変形および内層間の融着等を目視により評価し、シワ、変形が見られない場合を4点、若干のシワ、変形が見られる場合を3点、顕著なシワ、変形が見られる場合を2点、内層同士が融着した場合を1点とした。
<滅菌後のシール安定性>
滅菌処理後の易剥離シール部の形状を目視により評価した。
○:シール層形状の変化なし
△:シール層の一部が剥離(シール幅の減少等)
×:シール層が剥離し、収容室間に連通が発生
<シール強度>
ヒートシール部を、シール方向に垂直に幅15mmの短冊形状に切り取り、200mm/分の速度で180°剥離を行い、剥離時に得られる最大値を剥離強度とした。(試験はn=5で行い、平均値を算出した。)
<シール温度幅>
シーラント層同士が対向した前記インフレーションフィルム(円筒状)を、シール圧力を2kg/cm、シール時間を2秒とし、シール温度を1〜2℃刻みで変化させてヒートシールしたサンプルを作製した。次いで、各サンプルを121℃で20分間滅菌処理した後、前記<シール強度>の項に記載した方法でシール強度を測定し、シール強度とシール温度の関係を示す、図2のようなグラフ(ヒートシールカーブ)を作成した。このグラフを用いて、シール強度が1〜5N/15mmとなるシール温度幅を算出した。シール温度幅が4℃以上である場合を、易剥離シール部のシール強度の変動が少なく、安定した弱シール強度が得られる目安とした。
<クリーン性(微粒子数)>
1μm以上の微粒子数が0個/10mlであることが確認された超純水を、前記<熱可塑性フィルムおよび複室容器の製造>の項に記載した方法で複室容器に充填密封した後、121℃で20分間の滅菌処理を実施し、1日放置後、HIAC/ROYCO社製微粒子カウンター「M−3000・4100・HR−60HA」を用いて1μm以上の微粒子数を測定した。尚、これらの操作は、すべてクラス1000のクリーンルーム中で行った。微粒子数が10個/ml以下である場合をクリーン性が良好な複室容器の目安とした。
実施例1
表5〜表7に示す樹脂組成物を用いて、水冷インフレーション成形機により三層フィルムを成形し、成形安定性およびフィルムの表面平滑性、透明性を評価した。尚、フィルムの厚みは250μmとした。次いで、得られたフィルムをヒートシールし、超純水を充填した複室容器を作製して、121℃で高圧蒸気滅菌を行い、フィルムの透明性、外観およびクリーン性を評価した。また、成形フィルムを用いて、前記<シール温度幅>の項に記載した方法でシール温度幅を算出した。結果を表8に示す。
実施例2〜9、比較例1〜9
各層に用いる樹脂組成物を表5〜表7に示すように変更した以外は、実施例1と同様にして三層フィルムおよび複室容器を作製し、評価を行った。結果を表8および表9に示す。
Figure 2017018290
Figure 2017018290
Figure 2017018290
Figure 2017018290
Figure 2017018290
本発明の複室容器の一例を示す平面図である。 ヒートシール温度とシール強度の関係の一例を示すグラフである。
10 円筒状インフレフィルムから作製した複室容器
11 易剥離シール部
12 周縁強シール部
13 易剥離シール部で区画された収容室

Claims (7)

  1. 少なくとも一面にシーラント層を有する熱可塑性フィルムからなり、該熱可塑性フィルムのシーラント層同士を融着してなる易剥離シール部によって区画される収容室を2室以上備え、前記シーラント層が下記特性(a)〜(b)を満足する高密度ポリエチレン(A)40〜85重量%、下記特性(c)〜(d)を満足する直鎖状低密度ポリエチレン(B)0〜30重量%および下記特性(e)〜(h)を満足するエチレン系重合体(C)5〜40重量%((A)、(B)及び(C)の合計は100重量%)を含む樹脂組成物からなることを特徴とする複室容器。
    (a)密度が945〜970kg/mである。
    (b)メルトフローレート(以下、MFRという)が0.1〜15.0g/10分である。
    (c)密度が870〜930kg/mである。
    (d)MFRが0.1〜15.0g/10分である。
    (e)密度が930〜960kg/mである。
    (f)MFRが0.1〜15.0g/10分である。
    (g)ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィーによる分子量測定において2つのピークを示し、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比(Mw/Mn)が2.0〜7.0の範囲である。
    (h)分子量分別した際のMnが10万以上のフラクション中に長鎖分岐を主鎖1000炭素数あたり0.15個以上有する。
  2. 高密度ポリエチレン(A)が、前記特性(a)〜(b)に加えて下記特性(i)〜(j)を満足することを特徴とする請求項1に記載の複室容器。
    (i)ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィーにより求められる重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比(Mw/Mn)が3.0以下である。
    (j)第十六改正日本薬局方に規定の強熱残分試験法による残分が0.02重量%以下である。
  3. 直鎖状低密度ポリエチレン(B)が、前記特性(c)〜(d)に加えて下記特性(k)を満足することを特徴とする請求項1または2に記載の複室容器。
    (k)ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィーにより求められる重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比(Mw/Mn)が3.0以下である。
  4. エチレン系重合体(C)のMw/Mnが3.0〜6.0の範囲であり、Mnが15,000以上であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の複室容器。
  5. エチレン系重合体(C)の分子量分別した際のMnが10万以上である成分の割合がエチレン系重合体(C)全体の40%未満であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の複室容器。
  6. 前記熱可塑性フィルムが、多層フィルムであることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の複室容器。
  7. 121℃での滅菌処理後の易剥離シール部において、1〜5N/15mmのシール強度を得るためのシール温度幅が4℃以上であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の複室容器。
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