JP4517695B2 - エチレン系重合体およびその製造方法 - Google Patents

エチレン系重合体およびその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、特異な分子量分布パターンを有するエチレン単独重合体またはエチレンと炭素数3〜20のα−オレフィンからなる共重合体に関する。更に詳しくは、少なくとも2種類のメタロセン化合物を変性粘土化合物に担持した触媒を用いて特定の方法で重合された機械的特性に優れ、かつ成形加工性にも優れたエチレン系重合体およびその製造方法に関する。
エチレン系重合体は、剛性、耐衝撃性、ESCR、伸び特性、耐久性等の機械的性質に優れ、耐薬品性や電気的特性にも優れているため、押出成形品、射出成形品、フィルム、パイプ、ブロー容器など多岐な分野で使用されている。エチレン系重合体の分子構造や分子量・分子量分布などの分子設計において、機械的物性と成形加工性は相反する場合が多く、例えば、メタロセン系触媒により得られるエチレン系共重合体は分子量分布および組成分布がチーグラー触媒で得られるものと比較して狭く、一般に耐衝撃性やフィルムの引き裂き強度などは向上する反面、成形加工性は低下する。このため、メタロセン触媒系によるエチレン系重合体においては成形加工性の低下を補うために高圧法低密度ポリエチレンを混練導入する方法が開示されているが、大幅なコストの増加を余儀なくされる。
一般に、成形加工性を向上させるにおいて、分子量分布が広いエチレン系重合体が有利である。さらに、分子量分布が広いエチレン系重合体は分子量分布が狭いエチレン系重合体に比べて、高分子量成分を多く含む(すなわちZ平均分子量が大きい)ことで成形加工性を大幅に改良できる。従来分子量分布を広げるためには複数の反応器を用いたり、Cr触媒を用いた重合でエチレン系重合体を製造してきた。しかしながら、複数の反応器を用いる場合は実質的に高分子量成分のみのポリマー粒子が副生し、Cr触媒を用いた場合は多量のオレフィン末端を有し、GPCでの半値幅が広く、実質的に分子量分布が広いポリマーを得ることしかできなかった。
よって、メタロセン触媒による実質的に狭い分子量分布と高いZ平均分子量を有し、高分子量成分と低分子量成分が均質に相溶した分子構造上の特徴を有するエチレン系重合体が得られれば、機械的特性と成形加工性のバランスの良い材料とすることができ、その工業的価値は極めて大きい。
オレフィンの重合によりポリオレフィンを製造する方法として、遷移金属化合物および有機金属化合物の組み合わせからなる触媒系を用いることは、すでに知られている。また、カミンスキーらは、メタロセンとメチルアルミノキサンを用いた触媒が、プロピレンを含むオレフィン重合体を製造する際に、高い活性を示すことを報告している(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、ここで開示されている触媒系は重合活性には優れるが、触媒系が反応系に可溶性であるために、溶液重合系を採用することが多く、製造プロセスが限定されるばかりか、工業的に有用な物性を示すポリマーを製造するためには、比較的高価なメチルアルミノキサンを大量に用いる必要がある。このため、これら触媒系を用いた場合、コスト的な問題やポリマー中に大量のアルミニウムが残存する等の問題があった。
これに対して、不均一系のメタロセン触媒の例として、有機カチオンでイオン交換した粘土化合物を助触媒とする触媒系が開示され、高い重合活性が実現されている(例えば、特許文献2,3,4参照)が、いずれも分子量分布が狭く従来のメタロセン触媒による樹脂と同等のものしか得ることができなかった。
メタロセン触媒において、ポリマーの分子量分布を広げるために異なる重合挙動を示す複数のメタロセン触媒を用いる方法が検討されており、例えばその方法として、コンフォーマーの異なる2種類のメタロセンを用い、アルミノキサンに担持させた触媒が報告されているが、この方法では加工性に著しい効果を発現させる高分子量側の分子量分布Mz/MwがMw/Mnに比べ小さいものであった(例えば、特許文献5参照)。
特開昭58−19309号公報
特開平7−224106号公報 特開平10−324708号公報 特開平11−335408号公報 特開平9−227613号公報
本発明は、異なる重合挙動を示す高活性な2種類以上のメタロセン化合物を変性粘土化合物に担持した固体重合用触媒を用い、機械的特性と加工性に優れるエチレン系重合体を提供することを目的とする。そして、本発明のエチレン系重合体は、単独またはブレンド用材料として、押出成形、ブロー成形、フィルム成形、射出成形等の幅広い用途で好ましく利用できるものである。
本発明者らは上記課題を解決するために鋭意検討を行った結果、ある特定のオレフィン重合用触媒を用い、特定の条件下で重合を行うことで、分子量分布が適度に広く、さらに高分子量側の分子量分布の広がりが特に大きく、分子量の異なるポリマーが均質に混ざり合った特異な分子構造・組成を有するエチレン系重合体が得られることを見出し、上記の課題を解決するに至った。
すなわち本発明は、エチレン単独重合体、またはエチレンと炭素数3〜20のα−オレフィンからなる共重合体であって、(1)密度が0.900〜0.975g/cmであり、(2)メルトフローレート(MFR、荷重2.16kg、温度190℃条件)が0.01〜100g/10分であり、(3)ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)測定で求められるMw/Mn(Qw)が3.0以上であり、(4)ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)測定で求められるMz/Mw≧(Mw/Mn+0.5)の関係を満たし、(5)ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)測定で得られる分子量パターンから分子量100万g/モル以上の分子量成分がポリマー全重量の0.1〜5.0重量%であり、(6)ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)測定で得られる分子量パターンから半値幅(Log(MH/ML)<1.1の関係を満たすことを特徴とするエチレン系重合体および該エチレン系重合体を製造するにあたり、変性粘土化合物(a)、少なくとも2種類の遷移金属化合物(b)および有機アルミニウム化合物(c)から成るオレフィン重合用触媒を用い、エチレンの単独重合、またはエチレンと炭素数3〜20のα−オレフィンとの共重合を単一の反応容器内で行うことを特徴とするエチレン系重合体の製造方法に関するものである。
以下に本発明を詳細に説明する。
本発明のエチレン系重合体は、エチレン単独重合体、またはエチレンと炭素数3〜20のα−オレフィンとを重合することによって得られる共重合体である。
炭素数3〜20のα−オレフィンとしては、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテン、4−メチル−1−ペンテン、3−メチル−1−ブテン、ビニルシクロアルカン、スチレンおよびエチリデンノルボルネン等を例示することができる。また、これらのα−オレフィンを2種類以上混合して用いることもできる。
本発明のエチレン系重合体の密度は、JIS K6922−1(1997年)に準じて密度勾配管法で測定した値であり、0.900〜0.975g/cmであり、本重合体をスラリー法により製造する場合は重合溶媒へのポリマーの溶解等を考慮すると、より好ましくは0.915〜0.975g/cmであり、さらに好ましくは0.925〜0.970g/cmである。
本発明のエチレン系重合体のメルトフローレート(MFR、荷重2.16kg、温度190℃条件)は0.01〜100g/10分であり、分子量100万g/モル以上の高分子量成分の効果が顕著に現れる点で、0.05〜30g/10分であることが好ましい。
本発明のエチレン系重合体の重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)、Z平均分子量(Mz)およびそれらの比であるMw/Mn(Qw)およびMz/Mw(Qz)は、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)によって測定した。GPC装置としては東ソー(株)製 HLC−8121GPC/HTを用い、カラムとしては東ソー(株)製 TSKgel GMHhr−H(20)HTを用い、カラム温度を140℃に設定し、溶離液として1,2,4−トリクロロベンゼン用いて測定した。測定試料は1.0mg/mlの濃度で調製し、0.3ml注入して測定した。分子量の検量線は、ユニバーサルキャリブレーション法により、分子量既知のポリスチレン試料を用いて校正されたものを用いた。本発明のエチレン系重合体のMw/Mn(Qw)は3.0以上であり、さらに好ましく3.5以上である。Qwが3.0未満では加工性に問題が生じ、フィルム成形時に不安定化するなど好ましくない。
本発明のエチレン系重合体は、Mz/Mw≧Mw/Mn+0.5の関係を示し、GPCのチャートで明らかに高分子量側に分子量分布が広がっていることが特徴である。このことにより加工性、特に溶融時の流動性に特異な効果を醸し出す。また、この関係を満たすことで、エチレン系重合体を成形体とした際に低分子量成分の溶出あるいはブリードが比較的少なく、高分子量成分と低分子量成分が相互に溶融しやすい特性を示すことができる。
本発明のエチレン系重合体は、GPCから得られる分子量パターンから分子量100万g/モル以上の分子量成分がポリマー全重量の0.1〜5.0重量%であることを特徴とする。分子量100万g/モル以上の分子量成分がポリマー全重量の0.1重量%未満の場合、加工性改良の効果が低く、5.0重量%を越える場合は成形時のゲル発生や相対的に増加する低分子量成分によるワックス発生の問題が生じる。
本発明のエチレン系重合体は、GPC測定で得られる分子量パターンから半値幅(Log(M/M)<1.1の関係を満たし、さらに好ましくは半値幅(Log(M/M)<1.05の関係を満たすことを特徴とする。この関係を満たすことで高い衝撃強度を示し、製品の品質を左右する溶出分の削減を著しく実施できる。ここで分子量パターンの半値幅は、GPCにおける分子量分布パターンのうち、最大ピークのピークトップ(最大頻度)周辺におけるスペクトルの広がり(分子量分布の度合い)を示す。すなわち、スペクトル中の強度がピークトップ(最大頻度)の半分となっているところ(それぞれ高分子量側をM、低分子量側をMとする)でのGPCスペクトル線の幅を半値幅とする。また、複数のピークが観測される場合は、それぞれのピークのうち、最大のものから算出する。
本発明のエチレン系重合体のGPCパターンにおいて、分子量分布の極大値の数に特に制限はないが、好ましくは単一の極大値を有するものが挙げられる。複数の極大値を有するものは、フィルム等に成形した際に、延伸性に問題が生じる可能性がある。
本発明のエチレン系重合体のスウェル比(SR)、溶融張力(MS)測定は、キャピログラフ装置を用い、温度:160℃、ダイ:L/D=8/2.095(流入角90°)に設定し、約18gのエチレン系重合体を充填し、6分保持、その後、10mm/分で押しこみ、スウェル比をレーザー法で測定し、その後、ストランドを引取り、溶融張力を5分間測定した。各測定の条件は、スウェル比(SR):レーザー位置はバレル下10mm、ストランドをかきとり、出てきた新しいストランドの初期径を求めた。4回測定したうち、最初の一回を除く3回の平均値を算出した。溶融張力(MS):滑車位置は35cm、引取り速度は1.10m/分とし平均値を読み取った。最大延伸比:初期速度10m/分、引取り速度増加割合は20m/分とし3回測定し、平均値を算出した。この試験の際のストランドを採取した。
本発明のエチレン系重合体は優れた加工性を示し、好ましくはその指標の一つであるスウェル比(SR)が1.5以上である。この関係を満たすエチレン系重合体においては、成形加工時の加工性が著しく改良され、例えば従来用いていた高圧法低密度ポリエチレンの添加量を著しく削減できたり、場合によっては添加することなく十分な加工性を確保することができる。
また、本発明のエチレン系重合体は優れた加工性を示し、好ましくはその指標の一つである溶融張力(MS)が、
溶融張力(MS)>4.0 × MFR(190℃、2.16kg荷重)−0.9
の関係を満たす。この関係を満たすエチレン系重合体は、成形加工時の加工性が著しく改良され、加工性改良のために従来用いていた高圧法低密度ポリエチレンの添加量を著しく削減できたり、場合によっては添加することなく十分な加工性を確保することができる。
本発明のエチレン系重合体の製造方法は特に限定されないが、変性粘土化合物(a)、少なくとも2種類の遷移金属化合物(b)および有機アルミニウム化合物(c)から成るオレフィン重合用触媒を用い、エチレンを単独重合、またはエチレンと炭素数3〜20のα−オレフィンとを共重合する製造方法、または上記オレフィン重合用触媒を用い、エチレンの単独重合、またはエチレンと炭素数3〜20のα−オレフィンとの共重合を単一の反応容器内で行うことを特徴とする製造方法を挙げることができる。
本発明のエチレン系重合体の製造方法を以下に述べる。
本発明に用いるオレフィン重合用触媒の一成分である変性粘土化合物(a)は、層状粘土化合物(a−1)と層状粘土化合物の層間にカチオンを導入可能な化合物(a−2)との反応生成物である。
該層状粘土化合物(a−1)は、微結晶状のケイ酸塩を主成分とする微粒子である。層状粘土化合物は、構造上の特色として層状構造を成しており、多くのものが層の中に種々の大きさの負電荷を有する。この点で、シリカやアルミナあるいはゼオライトのような三次元構造を持つ金属酸化物と大きく異なる。粘土化合物を前述の負電荷の大きさで分類すると、化学式あたりの負電荷が0であるパイロフィライト,カオリナイト,ディッカイトおよびタルク群、その負電荷が0.25〜0.6であるスメクタイト群、0.6〜0.9であるバーミキュライト群、およそ1である雲母群、およそ2である脆雲母群に分けることができる。ここで示した各群には、それぞれ種々の鉱物が含まれるが、スメクタイトに属する粘土鉱物としては、モンモリロナイト,バイデライト,サポナイト,ヘクトライト等が挙げられる。また、これらの粘土鉱物は天然に存在するが、人工合成により不純物の少ないものを得ることができる。ここに示した天然の粘土鉱物および人工合成により得られる粘土鉱物のすべてが使用可能であり、また、上記に例示がないものでも粘土鉱物の定義に属するものはすべて用いることができるが、好適に用いられる層状粘土化合物は層の中に負電荷を有する層状粘土化合物であり、具体的にはヘクトライト族、モンモリロナイト族または雲母族である。
層状粘土化合物の層間にカチオンを導入可能な化合物(a−2)としては、次の一般式(13)で示される、元素の孤立電子対にプロトンが配位結合してなるオニウム化合物が用いられる。
[R GH][A] (13)
式中、Gは周期表の15族または16族から選ばれる元素であり、具体的にはGが窒素原子であるアンモニウム化合物、リン原子であるホスホニウム化合物、酸素原子であるオキソニウム化合物またはイオウ原子であるスルホニウム化合物である。Rは同一でも異なっていてもよく、水素原子または炭素数1〜30の炭化水素基を含む置換基である。具体的な炭化水素基としては、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ドデシル、イソプロピル、イソブチル、s−ブチル、t−ブチル、シクロヘキシルなどの炭素数1〜20のアルキル基;ビニル、プロペニル、シクロヘキセニルなどの炭素数1〜30のアルケニル基;フェニル、メチルフェニル、エチルフェニル、ビフェニル、ナフチルなどの炭素数6〜30のアリール基、ベンジル、フェニルエチルなどの炭素数7〜30のアリールアルキル基が例示される。少なくとも1つのRは炭素数1〜30の炭化水素基であり、各々のRは互いに結合していても良い。Gが15族のときにはn=3であり、Gが16族のときにはn=2である。[A]は対アニオンであり、フッ素イオン、塩素イオン、臭素イオン、ヨウ素イオン等のハロゲン化イオンあるいは硫酸イオン等の無機アニオンが例示されるが、これらに限定されるものではない。
上記化合物のうち、Gが窒素原子、[A]が塩素イオンの場合に関して、具体的にはメチルアミン塩酸塩、エチルアミン塩酸塩、プロピルアミン塩酸塩、イソプロピルアミン塩酸塩、ブチルアミン塩酸塩、ヘキシルアミン塩酸塩、デシルアミン塩酸塩、ドデシルアミン塩酸塩、アリルアミン塩酸塩、シクロペンチルアミン塩酸塩、シクロヘキシルアミン塩酸塩、デシルアミン塩酸塩、ドデシルアミン塩酸塩、テトラデシルアミン塩酸塩、ヘキサデシルアミン塩酸塩、オクタデシルアミン塩酸塩、ベヘニルアミン塩酸塩等の脂肪族第一アミンの塩酸塩;ジメチルアミン塩酸塩、ジエチルアミン塩酸塩、ジアミルアミン塩酸塩、ジデシルアミン塩酸塩、ジアリルアミン塩酸塩等の脂肪族第二アミンの塩酸塩;トリメチルアミン塩酸塩、トリブチルアミン塩酸塩、トリアミルアミン塩酸塩、トリアリルアミン塩酸塩、N,N−ジメチルデシルアミン塩酸塩、N,N−ジメチルドデシルアミン塩酸塩、N,N−ジメチルテトラデシルアミン塩酸塩、N,N−ジメチルヘキサデシルアミン塩酸塩、N,N−ジメチルオクタデシルアミン塩酸塩、N,N−ジメチルベヘニルアミン塩酸塩、N−メチルジオレイルアミン塩酸塩等の脂肪族第三アミンの塩酸塩;アニリン塩酸塩、N−メチルアニリン塩酸塩、N,N−ジメチルアニリン塩酸塩、N−エチルアニリン塩酸塩、N,N−ジエチルアニリン塩酸塩、N−アリルアニリン塩酸塩、o−トルイジン塩酸塩、m−トルイジン塩酸塩、p−トルイジン塩酸塩、N−メチル−o−トルイジン塩酸塩、N−メチル−m−トルイジン塩酸塩、N−メチル−p−トルイジン塩酸塩、N,N−ジメチル−o−トルイジン塩酸塩、N,N−ジメチル−m−トルイジン塩酸塩、N,N−ジメチル−p−トルイジン塩酸塩、ベンジルアミン塩酸塩、ジベンジルアミン塩酸塩、トリベンジルアミン塩酸塩、N−ベンジル−N−エチルアニリン塩酸塩、ジフェニルアミン塩酸塩、α−ナフチルアミン塩酸塩、β−ナフチルアミン塩酸塩、N,N−ジメチル−α−ナフチルアミン塩酸塩、N,N−ジメチル−β−ナフチルアミン塩酸塩、o−アニシジン塩酸塩、m−アニシジン塩酸塩、p−アニシジン塩酸塩、N,N,2,6−テトラメチルアニリン塩酸塩、N,N,3,5−テトラメチルアニリン塩酸塩、N,N,2,4,6−ペンタメチルアニリン塩酸塩、2,3,4,5,6−ペンタフルオロアニリン塩酸塩等の芳香族アミンの塩酸塩、あるいは上記アンモニウム化合物の[A]が塩素イオンに代わって、フッ素イオン、臭素イオン、ヨウ素イオンまたは硫酸イオン等で示される、アミン化合物のフッ化水素酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩または硫酸塩が例示されるが、これらに限定されるものではない。Gがリン原子、[A]が臭素イオンの場合に関して、具体的にはトリフェニルホスフィンヒドロブロマイド、トリ(o−トリル)ホスフィンヒドロブロマイド、トリ(p−トリル)ホスフィンヒドロブロマイド、トリ(メシチル)ホスフィンヒドロブロマイド等のホスホニウム化合物が例示できるが、これらに限定されるものではない。Gが酸素原子、[A]が塩素イオンの場合に関して、具体的にはメチルエーテルの塩酸塩、エチルエーテルの塩酸塩、フェニルエーテルの塩酸塩等のオキソニウム化合物が例示されるが、これらに限定されるものではない。その他にGがイオウ原子で表されるスルホニウム化合物が例示される。
上述した層状粘土化合物(a−1)と層状粘土化合物の層間にカチオンを導入可能な化合物(a−2)を反応させる時の反応条件は特に制限はないが、水または一般に用いられる有機溶媒、具体的にはエチルアルコール、メチルアルコール、アセトン、1,4−ジオキサン、アセトニトリル、ベンゼン、トルエン、キシレン、ペンタン、ヘキサン、塩化メチレン等、あるいはこれらの混合溶媒中で接触させることが好ましい。この際、(a−2)は固体として調製して、溶媒に溶解させても良いし、液層中で化学反応させることにより(a−2)の溶液として調製しても良い。(a−1)と(a−2)の反応量比についても特に制限はないが、(a−1)中に交換可能なカチオンが存在する場合には、このカチオンと当モル以上の(a−2)と反応させることが好ましい。
本発明に用いるオレフィン重合用触媒の一成分である遷移金属化合物(b)は、下記一般式(1)または(2)
Figure 0004517695
Figure 0004517695
[式中、 はジルコニウム原子またはハフニウム原子であり、Yは各々独立して水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20のアルキル基、または炭素数6〜20のアリール基、アリールアルキル基もしくはアルキルアリール基であり、R,Rは各々独立して下記一般式(3)、(4)、(5)または(6)
Figure 0004517695
(式中、Rは各々独立して水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、または炭素数6〜20のアリール基、アリールアルキル基もしくはアルキルアリール基である。)
で表される配位子であり、該配位子はMと一緒にサンドイッチ構造を形成し、R,Rは各々独立して下記一般式(7)、(8)、(9)または(10)
Figure 0004517695
(式中、Rは各々独立して水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、または炭素数6〜20のアリール基、アリールアルキル基もしくはアルキルアリール基である。)
で表される配位子であり、該配位子はMと一緒にサンドイッチ構造を形成し、Rは下記一般式(11)または(12)
Figure 0004517695
(式中、Rは各々独立して水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、または炭素数6〜20のアリール基、アリールアルキル基もしくはアルキルアリール基であり、Mは珪素原子、ゲルマニウム原子または錫原子である。)
で表され、RおよびRを架橋するように作用しており、mは1〜5の整数である。]
で表される周期表第4族の遷移金属化合物である。
前記一般式(1)または(2)で表される化合物としては、例えばビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、ビス(メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、ビス(ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、ビス(ペンタメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、ビス(インデニル)ジルコニウムジクロライド、メチレンビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、メチレンビス(メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、メチレンビス(ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、メチレンビス(テトラメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、エチレンビス(インデニル)ジルコニウムジクロライド、エチレンビス(テトラヒドロインデニル)ジルコニウムジクロライド、エチレンビス(2−メチル−1−インデニル)ジルコニウムジクロライド、イソプロピリデン(シクロペンタジエニル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロライド、イソプロピリデン(シクロペンタジエニル−2,7−ジメチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロライド、イソプロピリデン(シクロペンタジエニル−2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロライド、ジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロライド、ジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル−2,7−ジメチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロライド、ジフェニルメチレン(3−メチルシクロペンタジエニル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロライド、ジフェニルメチレン(3,4−ジメチルシクロペンタジエニル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロライド、ジフェニルメチレン(3−エチルシクロペンタジエニル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロライド、ジフェニルメチレン(3,4−ジエチルシクロペンタジエニル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロライド、ジフェニルメチレン(3−イソプロピルシクロペンタジエニル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロライド、ジフェニルメチレン(3,4−ジイソプロピルシクロペンタジエニル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロライド、ジフェニルメチレン(3−トリメチルシリルシクロペンタジエニル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロライド、ジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル−2,7−ジメチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロライド、ジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル−2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロライド、ジフェニルメチレン(インデニル)(フルオレニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルシランジイルビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルシランジイルビス(メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルシランジイルビス(ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルシランジイルビス(2,4,5−トリメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルシランジイルビス(2,4−ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルシランジイルビス(3−メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルシランジイルビス(4−t−ブチル−2−メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルシランジイルビス(テトラメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルシランジイルビス(インデニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルシランジイルビス(2−メチルインデニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルシランジイルビス(テトラヒドロインデニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルシランジイル(シクロペンタジエニル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルシランジイル(シクロペンタジエニル−2,7−ジメチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルシランジイル(シクロペンタジエニル−2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロライド、ジエチルシランジイルビス(2,4,5−トリメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、ジエチルシランジイルビス(2,4−ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、ジエチルシランジイルビス(3−メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、ジエチルシランジイルビス(4−t−ブチル−2−メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、ジエチルシランジイルビス(テトラメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、ジエチルシランジイルビス(インデニル)ジルコニウムジクロライド、ジエチルシランジイルビス(2−メチルインデニル)ジルコニウムジクロライド、ジエチルシランジイルビス(テトラヒドロインデニル)ジルコニウムジクロライド、ジエチルシランジイル(シクロペンタジエニル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロライド、ジエチルシランジイル(シクロペンタジエニル−2,7−ジメチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロライド、ジエチルシランジイル(シクロペンタジエニル−2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロライド、ジフェニルシランジイルビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、ジフェニルシランジイルビス(2,4,5−トリメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、ジフェニルシランジイルビス(2,4−ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、ジフェニルシランジイルビス(3−メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、ジフェニルシランジイルビス(4−t−ブチル−2−メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、ジフェニルシランジイルビス(テトラメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、ジフェニルシランジイルビス(インデニル)ジルコニウムジクロライド、ジフェニルシランジイルビス(2−メチル−インデニル)ジルコニウムジクロライド、ジフェニルシランジイルビス(テトラヒドロインデニル)ジルコニウムジクロライド、ジフェニルシランジイル(シクロペンタジエニル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロライド、ジフェニルシランジイル(シクロペンタジエニル−2,7−ジメチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロライド、ジフェニルシランジイル(シクロペンタジエニル−2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロライド等のジクロル体、および上記遷移金属化合物のクロル基を置換したモノメチルモノクロル体、ジメチル体、ジエチル体、ジヒドロ体、ジフェニル体、ジベンジル体等、および中心遷移金属をハフニウム原子とした上記遷移金属化合物等を例示することができる。特に好ましくは触媒活性・入手の容易性からジルコニウム原子の錯体が挙げられる。
また、本発明に用いるオレフィン重合用触媒の一成分である有機アルミニウム化合物(c)は、次の一般式(14)で表される。
AlR10 (14)
[式中、R10は各々独立して水素原子、ハロゲン原子、アミノ基、アルキル基、アルコキシ基またはアリール基であり、かつR10の少なくとも1つはアルキル基である。]
これらの具体的な例としては、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリ(ノルマルプロピル)アルミニウム、トリ(イソプロピル)アルミニウム、トリ(ノルマルブチル)アルミニウム、トリ(イソブチル)アルミニウム、トリ(t−ブチル)アルミニウム、トリアミルアルミニウム等のトリアルキルアルミニウム、ジイソブチルアルミニウムハイドライド等の水素化ジアルキルアルミニウム、ジメチルアルミニウムクロライド、ジエチルアルミニウムクロライド、ジイソブチルアルミニウムクロライド、ジt−ブチルアルミニウムクロライド、ジアミルアルミニウムクロライド等のジアルキルアルミニウムハライド、メチルアルミニウムジクロライド、エチルアルミニウムジクロライド、イソブチルアルミニウムジクロライド、t−ブチルアルミニウムジクロライド、アミルアルミニウムジクロライド等のアルキルアルミニウムジハライド、ジエチルアルミニウムエトキサイド等のジアルキルアルミニウムアルコキシドが例示されるが、これらに限定されるものではない。これらのうち、好ましくはトリアルキルアルミニウムである。
変性粘土化合物(a)、少なくとも2種類の遷移金属化合物(b)および有機アルミニウム化合物(c)からなるオレフィン重合用触媒の調製において、その添加方法あるいは添加順序は特に限定されない。好ましくは変性粘土化合物へ遷移金属化合物を均質に担持させるために、遷移金属化合物(b)と有機アルミニウム化合物(c)の一部または全部とを予め接触させておき、両者の複合体を形成させて変性粘度化合物(a)と反応させるか、粘土鉱物中の不純物等の影響を低減させるために、変性粘土化合物(a)と有機アルミニウム化合物(c)の一部または全部とを予め接触させ、遷移金属化合物(b)と反応させる方法を挙げることができる。
3成分の接触は精製窒素あるいは精製アルゴンなどの不活性ガス雰囲気下、各成分に関して不活性な溶媒中で行われる。具体的にはブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン、テトラデカン、シクロペンタン、シクロヘキサン等の脂肪族炭化水素化合物あるいはベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素化合物を例示することができる。上記の有機溶媒の他に、クロロホルム、塩化メチレン、クロロベンゼン等のハロゲン含有化合物を使用することも可能である。接触の際の温度は、−50℃から溶媒の沸点の範囲で使用することができる。好ましくは室温以上である。
本発明のエチレン系重合体を製造する際に用いられるオレフィン重合用触媒において、遷移金属化合物(b)に対する変性粘土化合物(a)の量は、遷移金属化合物(b)が反応するのに十分な量の変性粘土化合物(a)の量であれば特に制限はないが、遷移金属化合物(b)に対する変性粘土化合物(a)中のカチオン量が0.01〜10000倍モルであることが好ましく、さらに好ましくは0.1〜1000倍モルである。さらに、有機アルミニウム化合物(c)の量は特に限定されないが、好ましくは遷移金属化合物(b)の0.1〜100000倍モルであり、0.1倍モル未満の量であると実質的に助触媒の効果を発揮できず、100000倍モルを越える量であると脱灰の工程を考慮する必要がでてくる。特に好ましくは、本発明のオレフィン重合用触媒を最低限度安定化させ、触媒毒の効率的な排除の観点を考えあわせると、有機アルミニウム化合物(c)は1〜10000倍モルの範囲である。なお、本発明における遷移金属化合物(b)は、触媒成分として用いる際、少なくとも2種類以上の遷移金属化合物(b)を用いれば良く、3種類以上の遷移金属化合物(b)を用いることも可能である。遷移金属化合物(b)を使用する比率は特に制限はなく、本発明のエチレン系重合体を製造するに支障のない範囲で使用される。
本発明のエチレン系重合体を製造する場合において、好ましくは遷移金属化合物(b)に一般式(2)で表される遷移金属化合物のうち、異なる構造のシクロペンタジエニル配位子部位によりキレートされ、フルオレニル骨格のシクロペンタジエニル配位子部位を1つ有し、さらに架橋構造を有する遷移金属化合物(b−1)が、分子量100万g/モルの高分子量成分の製造を容易にするために1種類以上用いられる。具体的には特に限定されないが、以下の化合物を例示することができる。例えば、イソプロピリデン(シクロペンタジエニル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロライド、イソプロピリデン(シクロペンタジエニル−2,7−ジメチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロライド、イソプロピリデン(シクロペンタジエニル−2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロライド、ジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロライド、ジフェニルメチレン(3−メチルシクロペンタジエニル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロライド、ジフェニルメチレン(3,4−ジメチルシクロペンタジエニル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロライド、ジフェニルメチレン(3−エチルシクロペンタジエニル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロライド、ジフェニルメチレン(3,4−ジエチルシクロペンタジエニル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロライド、ジフェニルメチレン(3−イソプロピル−シクロペンタジエニル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロライド、ジフェニルメチレン(3,4−ジイソプロピルシクロペンタジエニル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロライド、ジフェニルメチレン(3−トリメチルシリルシクロペンタジエニル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロライド、ジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル−2,7−ジメチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロライド、ジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル−2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロライド、ジフェニルメチレン(インデニル)(フルオレニル)ジルコニウムジクロライド、ジフェニルメチレン(2−メチルインデニル)(フルオレニル)ジルコニウムジクロライド、ジフェニルメチレン(4−フェニルインデニル)(フルオレニル)ジルコニウムジクロライド、ジフェニルメチレン(2−メチル−4−フェニルインデニル)(フルオレニル)ジルコニウムジクロライド、ジフェニルメチレン(インデニル)(2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロライド、ジフェニルメチレン(2−メチルインデニル)(2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロライド、ジフェニルメチレン(4−フェニルインデニル)(2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロライド、ジフェニルメチレン(2−メチル−4−フェニルインデニル)(2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルシランジイル(シクロペンタジエニル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルシランジイル(シクロペンタジエニル−2,7−ジメチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルシランジイル(シクロペンタジエニル−2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロライド、ジエチルシランジイル(シクロペンタジエニル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロライド、ジエチルシランジイル(シクロペンタジエニル−2,7−ジメチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロライド、ジエチルシランジイル(シクロペンタジエニル−2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロライド、ジフェニルシランジイル(シクロペンタジエニル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロライド、ジフェニルシランジイル(シクロペンタジエニル−2,7−ジメチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロライド、ジフェニルシランジイル(シクロペンタジエニル−2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロライド、ジフェニルシランジイル(インデニル)(フルオレニル)ジルコニウムジクロライド、ジフェニルシランジイル(2−メチルインデニル)(フルオレニル)ジルコニウムジクロライド、ジフェニルシランジイル(4−フェニルインデニル)(フルオレニル)ジルコニウムジクロライド、ジフェニルシランジイル(2−メチル−4−フェニル−インデニル)(フルオレニル)ジルコニウムジクロライド、ジフェニルシランジイル(インデニル)(2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロライド、ジフェニルシランジイル(2−メチルインデニル)(2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロライド、ジフェニルシランジイル(4−フェニル−インデニル)(2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロライドおよびジフェニルシランジイル(2−メチル−4−フェニルインデニル)(2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロライド等のジクロル体、および上記遷移金属化合物のクロル基を置換したジメチル体、ジエチル体、ジヒドロ体、ジフェニル体、ジベンジル体等、および中心遷移金属をハフニウム原子とした上記遷移金属化合物等を例示することができる。
フルオレニル骨格を有し、さらに架橋構造を有する遷移金属化合物(b−1)とそれに該当しない構造を有する遷移金属化合物(b−2)の比率については特に制限はないが、好ましくは遷移金属化合物(b−1)に対する遷移金属化合物(b−2)の量が0.001〜1000倍モルであることが好ましく、さらに好ましくは0.01〜100倍モルである。特に、ポリマー中の遷移金属種の種類を増さない点において、遷移金属化合物(b−1)および(b−2)は同一の金属、例えば双方ともジルコニウム原子あるいは双方ともハフニウム原子を中心とした遷移金属化合物を用いることが好ましい。
例示されるオレフィン重合用触媒の調製においては、各成分を混合するにあたり反応混合物を40℃以上の温度で加熱熟成を加えると、後に得られる触媒としての性能を著しく向上させることが短時間でできる場合がある。加熱熟成は40℃以上で実施されるが、遷移金属化合物(b)および有機アルミニウム化合物(c)の自己分解を抑制するため、好ましくは40〜140℃、特に好ましくは操作上の容易性と反応促進効果を考慮に入れ50〜100℃である。加熱熟成の時間に特に制限はないが、好ましくは5分〜48時間であり、操作上特に好ましくは0.5〜12時間である。
該製造方法で用いられるオレフィン重合用触媒は、その調製において有機アルミニウム化合物(c)を含む脂肪族炭化水素化合物溶液での洗浄操作を加えることで失活を伴うことなく触媒としての性能を著しく向上させることが可能となる。該製造方法で用いられる有機アルミニウム化合物(c)を含む脂肪族炭化水素化合物溶液の調製に特に制限はなく、既知の方法あるいは市販のものを購入し、そのまま使用することができる。脂肪族炭化水素化合物としては有機アルミニウム化合物(c)に対して不活性なものであれば特に制限はなく、好ましくはブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン、テトラデカン、シクロペンタン、シクロヘキサン等を挙げることができる。有機アルミニウム化合物(c)の脂肪族炭化水素化合物溶液の濃度に特に制限はなく、好ましくは0.00001〜5モルアルミニウム原子/Lの範囲で、特に好ましくは0.001〜2モルアルミニウム原子/Lの範囲で用いられる。また、ここで用いられる有機アルミニウム化合物(c)は、それまでの触媒調製に用いたものと同じであっても異なっていても良い。
該製造方法では変性粘土化合物(a)、少なくとも2種類の遷移金属化合物(b)および有機アルミニウム化合物(c)からなる触媒成分を上記有機アルミニウム化合物(c)を含む脂肪族炭化水素化合物溶液を用い1回以上洗浄することで、後に得られる触媒成分の性能を著しく向上させることができるが、その洗浄方法は特に限定されない。好ましくは洗浄の効率を上げるため、予め3成分を反応させた溶媒を傾斜法、ろ過等で除去した後、上記有機アルミニウム化合物(c)を含む脂肪族炭化水素化合物溶液を加えて洗浄し、溶媒を傾斜法、ろ過等で除去する方法を挙げることができる。洗浄の際の温度は特に制限はないが、好ましくは−50〜140℃の範囲が挙げられ、特に好ましくは0〜100℃が挙げられる。
該製造方法に用いるオレフィン重合用触媒は、予備重合しなくても充分な重合活性で粒子性状の優れたポリマーを得ることが可能であるが、予備重合した後使用することもできる。その際に使用されるオレフィンとしては、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセン等の炭素数2〜20のα−オレフィンを挙げることができる。予備重合によって生成するオレフィン重合体としては、変性粘土化合物(a)1gあたり0.01〜300g、好ましくは0.1〜100gであることが好ましい。
本発明のエチレン系重合体は、スラリー重合または気相重合により製造される。本発明のエチレン系重合体は、好ましくは単一の反応器で重合することにより得られる。特に好ましくは連続的に単一の反応器にて製造され、さらに連続的に生成するエチレン系重合体と未反応のモノマー類、重合助剤類、溶媒類と分離・精製される方法で製造される。スラリー重合の溶媒としては、一般に用いられている有機溶媒であればいずれでもよく、具体的にはベンゼン、トルエン、キシレン、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、塩化メチレン等が例示される。エチレン系重合体の製造において、複数の反応器を用いて重合する方法も公知であるが、複数の反応器で重合を行うと反応器毎の反応条件を制御することが困難である。特に本発明のエチレン系重合体を明細書に記載するような触媒系を用いず複数の重合器で連続的に実施しようとする場合、1つの反応器から別の反応器へ生成するポリマーが均質に移動できない現象が生じ、ゲルの発生やGPCパターンのばらつきなど種々の問題が生じ、本発明のような加工性に優れ、高品質なエチレン系重合体を再現性良く製造することは困難である。また、バッチ式の重合形態で不連続に重合を行う場合は、重合毎の差異が生じたり、重合の初期と後期で異なる構造のポリマーが生成するために時間依存性が生じるなど製品の品質管理上好ましくない。さらに、複数の重合器で別途重合されたエチレン系重合体を混合・混練したものは、本発明で用いられる方法のように各成分が均質に混合されることは困難で、よしんば混練により均質に混合されても混練の際に新たな熱履歴を受けざるを得ず、本来有する特性を失いかねない。
本発明におけるオレフィン重合用触媒を用いてエチレン系重合体を製造する上で、重合温度、重合時間、重合圧力、モノマー濃度などの重合条件について特に制限はないが、スラリー重合の場合は、重合温度は−100〜100℃、好ましくは0〜100℃であり、重合時間は10秒〜20時間、重合圧力は常圧〜10MPaの範囲で行うことが好ましい。また、重合時に水素などを用いて分子量の調節を行うことも可能である。気相重合の場合は、重合温度は−100〜120℃、好ましくは0〜110℃であり、重合時間は10秒〜20時間、重合圧力は常圧〜10MPaの範囲で行うことが好ましい。また、重合時に水素などを用いて分子量の調節を行うことも可能である。中でもワックス成分等の除去率を考えるとスラリー重合がより好ましく本発明のエチレン系重合体を製造できる。
本発明のエチレン系重合体は、特異な分子量分布、特に高分子量側に広い分子量分布を示す分子構造を持ち、なおかつ高分子量成分と低分子量成分が均質に混ざり合った組成を示す。このようなエチレン系重合体は、従来のエチレン系重合体に比べ高い加工性を有し、メタロセン系のエチレン系重合体が有する透明性・低ヘキサン抽出分量・低温ヒートシール性・強度バランスに優れた特性をも示す。本発明のエチレン系重合体は単独で用いることはもちろん、他のポリオレフィン類をはじめ種々のポリマー類・添加物等とブレンドされても良好な物性を示し、種々の用途に用いることができる。
以下実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
なお、重合操作、反応および溶媒精製は、すべて不活性ガス雰囲気下で行った。また、反応に用いた溶媒等は、すべて予め公知の方法で精製、乾燥、脱酸素を行ったものを用いた。さらに、反応に用いた化合物は、公知の方法により合成、同定したものを用いた。
本発明で得られたエチレン系重合体のMFR(メルトフローレート)は、ASTM D1238条件Eに準ずる方法にて測定を行った。
実施例1
[変性粘土化合物の調製]
脱イオン水4.8L、エタノール3.2Lの混合溶媒に、メチルジオクタデシルアミン;(C1837(CH)N 536gと37%塩酸83.3mLを加え、メチルジオクタデシルアミン塩酸塩溶液を調製した。この溶液に合成ヘクトライト(ラポナイトRD;ラポルテ社製)1000gを加えた後、溶液温度を60℃に昇温し、3時間反応させた。反応終了後、反応液をヌッチエでろ過し、ケークを5Lの水で洗浄した。ケークを電気オーブン中60℃で12時間乾燥させたところ、1250gの有機変性粘土化合物を得た。赤外線水分計で測定した含液量は0.8%であった。次に、この有機変性粘土化合物をジェットミルで粉砕し、平均粒径を6.0μmに調整した。
[担持触媒の調製]
5Lのフラスコに、[変性粘土化合物の調製]に従って合成した有機変性粘土化合物450g、ヘキサン1.4kgを加え、その後トリイソブチルアルミニウムのヘキサン20重量%溶液1.78kg(1.8モル)、ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド5.26g(18ミリモル)を加え、60℃に加熱して1時間撹拌した。反応溶液を45℃に冷却し、2時間静置した後に傾斜法で上澄液を除去した。次に、トリイソブチルアルミニウムのヘキサン1重量%溶液1.78kg(0.09モル)を添加し、45℃で30分間反応させた。反応溶液を再度45℃に冷却し、2時間静置した後に傾斜法で上澄液を除去し、トリイソブチルアルミニウムのヘキサン20重量%溶液0.45kg(0.45モル)を加え、ヘキサンで再希釈して4.5Lとした。この反応溶液に、ジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロライド 0.66g(1.8ミリモル)を加え、100回転/分で一晩室温にて攪拌した。
[重合]
内容積300Lの重合器に、ヘキサンを105kg/時、エチレンを30.0kg/時、水素20NL/時および得られた固体触媒を連続的に供給した。また、液中のトリイソブチルアルミニウムの濃度を0.93ミリモル/kgヘキサンとなるように、それぞれ連続的に供給した。重合温度は85℃に制御した。重合器で生成したポリマーを含むスラリーはフラッシュタンク、送液ポンプを経て、遠心分離器でポリマーとヘキサンに分離され、ポリマーを連続的に乾燥した。4時間毎に抜き出した乾燥ポリマーは約120kgであり、活性は19,950g/gcatであった。得られたポリマーはMFR1.09g/10分であった。この時、MFRの測定の際に押し出されるストランド表面は滑らかであり、良加工性を示した。得られたエチレン系重合体の物性について測定した値を表1に示す。
実施例2〜3
実施例1の触媒を用いて重合を行い、表1に記載のエチレン系重合体を得た。この時、得られたエチレン系重合体のそれぞれのMFRを測定する際に押し出されるストランド表面は滑らかであり、良加工性を示した。
18時間の重合反応後、重合器の熱伝導度の変化を重合初期と比較すると重合反応開始時に比べ10kcal/m・時以下であった。
実施例4
[重合]
内容積300Lの重合器に、ヘキサンを105kg/時、エチレンを30.0kg/時、水素20NL/時、1−ブテンを1.3kg/時および実施例1で得られた固体触媒を連続的に供給した。また、液中のトリイソブチルアルミニウムの濃度を0.93ミリモル/kgヘキサンとなるように、それぞれ連続的に供給した。重合温度は85℃に制御した。重合器で生成したポリマーを含むスラリーはフラッシュタンク、送液ポンプを経て、遠心分離器でポリマーとヘキサンに分離され、ポリマーを連続的に乾燥した。4時間毎に抜き出した乾燥ポリマーは約120kgであり、活性は28,800g/gcatであった。得られたポリマーはMFR3.91g/10分であった。この時、MFRの測定の際に押し出されるストランド表面は滑らかであり、良加工性を示した。得られたエチレン系重合体の物性について測定した値を表1に示す。
実施例5
実施例1の担持触媒の調製の際に、ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド5.26g(18ミリモル)に代え、ビス(インデニル)ジルコニウムジクロライド7.06g(18ミリモル)を用い、ジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロライド 0.66g(1.8ミリモル)に代え、ジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル−2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロライド 1.21g(1.8ミリモル)を用いた以外同様に触媒を調製した。
[重合]
内容積300Lの重合器に、ヘキサンを105kg/時、エチレンを30.0kg/時、水素20NL/時、1−ブテンを0.6kg/時および実施例5で得られた固体触媒を連続的に供給した。また、液中のトリイソブチルアルミニウムの濃度を0.93ミリモル/kgヘキサンとなるように、それぞれ連続的に供給した。重合温度は85℃に制御した。重合器で生成したポリマーを含むスラリーはフラッシュタンク、送液ポンプを経て、遠心分離器でポリマーとヘキサンに分離され、ポリマーを連続的に乾燥した。4時間毎に抜き出した乾燥ポリマーは約120kgであり、活性は24,400g/gcatであった。得られたポリマーはMFR4.06g/10分であった。この時、MFRの測定の際に押し出されるストランド表面は滑らかであり、良加工性を示した。得られたエチレン系重合体の物性について測定した値を表1に示す。
実施例6
[担持触媒の調製]
実施例1の担持触媒の調製の際に、ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド5.26g(18ミリモル)に代え、ビス(インデニル)ジルコニウムジクロライド7.06g(18ミリモル)を用い、ジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロライド 0.66g(1.8ミリモル)に代え、ジフェニルメチレン(3−トリメチルシリルシクロペンタジエニル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロライド 1.70g(2.7ミリモル)を用いた以外同様に触媒を調製した。
[重合]
内容積300Lの重合器に、ヘキサンを105kg/時、エチレンを30.0kg/時、水素95NL/時および実施例6で得られた固体触媒を連続的に供給した。また、液中のトリイソブチルアルミニウムの濃度を0.93ミリモル/kgヘキサンとなるように、それぞれ連続的に供給した。重合温度は85℃に制御した。重合器で生成したポリマーを含むスラリーはフラッシュタンク、送液ポンプを経て、遠心分離器でポリマーとヘキサンに分離され、ポリマーを連続的に乾燥した。4時間毎に抜き出した乾燥ポリマーは約120kgであり、活性は17,200g/gcatであった。得られたポリマーはMFR2.04g/10分であった。この時、MFRの測定の際に押し出されるストランド表面は滑らかであり、良加工性を示した。得られたエチレン系重合体の物性について測定した値を表1に示す。
実施例7
[重合]
内容積300Lの重合器に、ヘキサンを105kg/時、エチレンを30.0kg/時、水素95NL/時、1−ブテンを1.0kg/時および実施例6で得られた固体触媒を連続的に供給した。また、液中のトリイソブチルアルミニウムの濃度を0.93ミリモル/kgヘキサンとなるように、それぞれ連続的に供給した。重合温度は85℃に制御した。重合器で生成したポリマーを含むスラリーはフラッシュタンク、送液ポンプを経て、遠心分離器でポリマーとヘキサンに分離され、ポリマーを連続的に乾燥した。4時間毎に抜き出した乾燥ポリマーは約120kgであり、活性は25,450g/gcatであった。得られたポリマーはMFR2.02g/10分であった。この時、MFRの測定の際に押し出されるストランド表面は滑らかであり、良加工性を示した。得られたエチレン系重合体の物性について測定した値を表1に示す。
実施例8
[重合]
内容積300Lの重合器に、ヘキサンを105kg/時、エチレンを30.0kg/時、1−ブテンを8.0kg/時および実施例6で得られた固体触媒を連続的に供給した。また、液中のトリイソブチルアルミニウムの濃度を0.93ミリモル/kgヘキサンとなるように、それぞれ連続的に供給した。重合温度は75℃に制御した。重合器で生成したポリマーを含むスラリーはフラッシュタンク、送液ポンプを経て、遠心分離器でポリマーとヘキサンに分離され、ポリマーを連続的に乾燥した。4時間毎に抜き出した乾燥ポリマーは約120kgであり、活性は12,900g/gcatであった。得られたポリマーはMFR1.17g/10分であった。この時、MFRの測定の際に押し出されるストランド表面は滑らかであり、良加工性を示した。得られたエチレン系重合体の物性について測定した値を表1に示す。
比較例1
[担持触媒の調製]
5Lのフラスコに、実施例1に記載の[変性粘土化合物の調製]に従って合成した有機変性粘土化合物450g、ヘキサン1.4kgを加え、その後トリイソブチルアルミニウムのヘキサン20重量%溶液1.78kg(1.8モル)、ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド5.26g(18ミリモル)を加え、60℃に加熱して1時間撹拌し、室温まで冷却して100回転/分で一晩室温にて攪拌した。
[重合]
内容積300Lの重合器に、ヘキサンを105kg/時、エチレンを30.0kg/時、水素8NL/時および得られた固体触媒を連続的に供給した。また、液中のトリイソブチルアルミニウムの濃度を0.93ミリモル/kgヘキサンとなるように、それぞれ連続的に供給した。重合温度は85℃に制御した。重合器で生成したポリマーを含むスラリーはフラッシュタンク、ポンプを経て、遠心分離器でポリマーとヘキサンに分離され、ポリマーを連続的に乾燥した。4時間毎に抜き出した乾燥ポリマーは約120kgであり、活性は20,950g/gcatであった。得られたポリマーはMFR1.00g/10分であった。この時、MFRの測定の際に押し出されるストランド表面はメルトフラクチャーが発生し、加工性に問題が予想された。得られたポリマーの物性について測定した値を表1に示す。
比較例2
[担持触媒の調製]
5Lのフラスコに、実施例1に記載の[変性粘土化合物の調製]に従って合成した有機変性粘土化合物450g、ヘキサン1.4kgを加え、その後トリイソブチルアルミニウムのヘキサン20重量%溶液1.78kg(1.8モル)、ビス(インデニル)ジルコニウムジクロライド7.06g(18ミリモル)を加え、60℃に加熱して1時間撹拌した。反応溶液を45℃に冷却し、2時間静置した後に傾斜法で上澄液を除去した。次に、トリイソブチルアルミニウムのヘキサン1重量%溶液1.78kg(0.09モル)を添加し、45℃で30分間反応させた。反応溶液を再度45℃に冷却し、2時間静置した後に傾斜法で上澄液を除去し、トリイソブチルアルミニウムのヘキサン20重量%溶液0.45kg(0.45モル)を加え、ヘキサンで再希釈して4.5Lとした。この反応溶液を100回転/分で一晩室温にて攪拌した。
[重合]
内容積300Lの重合器に、ヘキサンを105kg/時、エチレンを30.0kg/時、水素8NL/時および得られた固体触媒を連続的に供給した。また、液中のトリイソブチルアルミニウムの濃度を0.93ミリモル/kgヘキサンとなるように、それぞれ連続的に供給した。重合温度は85℃に制御した。重合器で生成したポリマーを含むスラリーはフラッシュタンク、ポンプを経て、遠心分離器でポリマーとヘキサンに分離され、ポリマーを連続的に乾燥した。4時間毎に抜き出した乾燥ポリマーは約120kgであり、活性は19,950g/gcatであった。得られたポリマーはMFR34.4g/10分であった。この時、MFRの測定の際に押し出されるストランド表面はメルトフラクチャーを発生し、加工性に問題が予想された。得られたポリマーの物性について測定した値を表1に示す。
比較例3
[重合]
内容積2Lの重合器に、ヘキサンを1.2L、メチルアルミノオキサン4ミリモル、ジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロライド 0.4マイクロモルを導入し、エチレンを1.2MPaとなるよう連続的に供給した。重合温度は80℃に制御し、1.5時間重合を行った。その結果、顆粒状のエチレン系重合体150gを得た。得られたポリマーは、MFRの測定ができない程高分子量成分であった。
[ブレンド]
比較例2で得られたエチレン系重合体と上記エチレン系重合体をそれぞれ90重量%、10重量%となるよう混合し、190〜200℃にて単軸押出機で混練を実施した。得られたブレンド混合物の結果を表1に示すが、得られた混練物には実質的に不溶な部分が混在し、溶融張力の測定やフィルムの成形は実施できなかった。
Figure 0004517695

Claims (3)

  1. エチレン単独重合体、またはエチレンおよび炭素数3〜20のα−オレフィンからなる共重合体であって、
    (1)密度が0.900〜0.975g/cmであり、
    (2)メルトフローレート(MFR、荷重2.16kg、温度190℃条件)が0.01〜100g/10分であり、
    (3)ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)測定で求められるMw/Mn(Qw)が3.0以上であり、
    (4)ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)測定で求められるMz/Mw≧(Mw/Mn+0.5)の関係を満たし、
    (5)ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)測定で得られる分子量パターンから分子量100万g/モル以上の分子量成分がポリマー全重量の0.1〜5.0重量%であり、
    (6)ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)測定で得られる分子量パターンから半値幅(Log(MH/ML)<1.1の関係を満たす
    (ここで分子量パターンの半値幅は、GPCにおける分子量分布パターンのうち、最大ピークのピークトップ(最大頻度)周辺におけるスペクトルの広がり(分子量分布の度合い)を示し、スペクトル中の強度がピークトップ(最大頻度)の半分となっているところ(それぞれ高分子量側をMH、低分子量側をMLとする)でのGPCスペクトル線の幅を半値幅とする。)
    ことを特徴とするエチレン系重合体。
  2. 変性粘土化合物(a)、異なる構造のシクロペンタジエニル配位子部位によりキレートされ、フルオレニル骨格のシクロペンタジエニル配位子部位を1つ有し、さらに架橋構造を有する遷移金属化合物を含む、少なくとも2種類の中心遷移金属がジルコニウムまたはハフニウム原子とした遷移金属化合物(b)および有機アルミニウム化合物(c)から成るオレフィン重合用触媒を用い、エチレンを単独重合、またはエチレンと炭素数3〜20のα−オレフィンとを共重合することを特徴とする請求項1に記載のエチレン系重合体の製造方法。
  3. 請求項2に記載のエチレン系重合体の製造を、単一の反応容器内で行うことを特徴とするエチレン系重合体の製造方法。
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