JP6318559B2 - 超高分子量ポリエチレン微粒子及びその製造方法 - Google Patents
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R2は下記一般式(3)で示されるアミノ基を少なくとも1つ有するフルオレニル基であり、
R3は、下記一般式(4)または下記一般式(5)で示されるR1とR2の架橋単位であり、
nは1〜5の整数である。]
下記一般式(6)で表される脂肪族塩にて変性した有機変性粘土(B)、
及び有機アルミニウム化合物(C)よりなるメタロセン系触媒の存在下、エチレン系単量体の重合を重合時間として2時間以上24時間以下で行う超高分子量ポリエチレン微粒子の製造方法に関するものである。
該有機アルミニウム化合物(C)としては、特に遷移金属化合物(A)を容易にアルキル化することが可能となることから、例えばトリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウムなどのアルキルアルミニウムなどを挙げることができる。
H(OCH2CH2)a(OC3H6)b(OCH2CH2)cOH (8)
ここで上記一般式(8)における平均重合度を示すa、b、cはそれぞれ1〜300の整数であり、好ましくはaとcはそれぞれ1〜60の整数であり、bは2〜100の整数であり、全分子量としては100〜20000であることが好ましい。
GPC装置(東ソー(株)製、(商品名)HLC−8121GPC/HT)およびカラム(東ソー(株)製、(商品名)TSKgel GMHhr−H(20)HT)を用い、カラム温度を140℃に設定し、溶離液として1,2,4−トリクロロベンゼンを用いて測定した。測定試料は1.0mg/mlの濃度で調製し、0.3ml注入して測定した。分子量の検量線は、分子量既知のポリスチレン試料を用いて校正した。なお、Mw、Mnは直鎖状ポリエチレン換算の値として求めた。
ウベローデ型粘度計を用い、ODCB(オルトジクロルベンゼン)を溶媒として、135℃において、超高分子量ポリエチレン濃度0.005wt%〜0.01wt%で測定した。
固有粘度([η](dl/g))と粘度換算分子量(Mv)の下記関係式に基づき算出した。
[η]=5.05×10−4×(Mv)0.693
〜融点の測定〜
DSC(エスアイアイ・ナノテクノロジー社製、(商品名)DSC6220)を用い、α−アルミナをリファレンスとし、サンプルを220℃で融解させた後、−20℃まで冷却させ、10℃/minの昇温速度で再度昇温させながら測定した。
超高分子量ポリエチレン微粒子のメジアン径は、JIS Z 8801で規格されたふるい目の開きが1000μm、850μm、710μm、500μm、355μm、250μm、180μm、150μm、106μmおよび75μmの篩と受け皿を準備し、受け皿の上に開き目の小さい順に篩を重ね、最上段の篩に100gの超高分子量ポリエチレン微粒子を投入後、震盪機((株)田中化学機械社製、(商品名)ロータップフルイ震盪機 RD−2)にセットし、震盪数2900rpm、打数156打/分にて10分間浸透して分級した後、各篩に残った超高分子量ポリエチレン微粒子の重量を測定して作成した積分曲線において、50%の重量になる粒子径を計算することによりメジアン径を得た。また、標準偏差は各篩に残った粒子の重量の百分率から計算して求めた。
JIS K−6721:1997に従い測定した。
得られた超高分子量ポリエチレン微粒子を室温にて150MPaで10分予備プレスし、190℃にて1MPaで4分、20MPaで6分プレス後、120℃にて10MPaで10分冷却した。得られたプレス板を測定部のチャック間距離20mm、幅5mm及び厚み0.3mmとなるようにダンベル型に抜き取り、25℃にて20mm/分の引張速度にて試験機(島津製作所製、(商品名)オートグラフDCS−500)を用いて測定した。
(1)有機変性粘土の調製
1リットルのフラスコに工業用アルコール(日本アルコール販売社製、(商品名)エキネンF−3)300ml及び蒸留水300mlを入れ、濃塩酸15.0g及びジメチルベヘニルアミン;C22H45(CH3)2N(ライオン株式会社製、(商品名)アーミンDM22D)42.4g(120mmol)を添加し、45℃に加熱して合成ヘクトライト(Rockwood Additives社製、(商品名)ラポナイトRDS)を100g分散させた後、60℃に昇温させてその温度を保持したまま1時間攪拌した。このスラリーを濾別後、60℃の水600mlで2回洗浄し、85℃の乾燥機内で12時間乾燥させることにより140gの有機変性粘土を得た。この有機変性粘土はジェットミル粉砕して、メジアン径を20.3μmとした。
温度計と還流管が装着された300mlのフラスコを窒素置換した後に(1)で得られた有機変性粘土25.0gとヘキサンを108ml入れ、次いでジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル)(2−(ジメチルアミノ)−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロライドを0.600g、及び20%トリイソブチルアルミニウム142mlを添加して60℃で3時間攪拌した。45℃まで冷却した後に上澄み液を抜き取り、200mlのヘキサンにて2回洗浄後、ヘキサンを200ml加えてメタロセン系触媒の懸濁液を得た(固形重量分:13.23wt%)。
2リットルのオートクレーブにヘキサンを1.2リットル、20%トリイソブチルアルミニウムを1.1ml、(2)で得られたメタロセン系触媒の懸濁液を751.0mg(固形分99.4mg相当)加え、60℃に昇温後、分圧が0.87MPaになるようにエチレンを連続的に供給し、エチレンのスラリー重合を行った。120分経過後に脱圧し、オートクレーブを解放したところ、オートクレーブの内壁やシャフトへのポリマーの付着は認められなかった。スラリーを濾別後、乾燥することで178.7gの超高分子量ポリエチレン微粒子を得た(活性:1800g/g触媒)。
メタロセン系触媒の懸濁液を1.476g(固形分195.3mg)とし、重合時間を80分に変更した以外、実施例1の(3)と同様にてエチレンの製造を行い、173.8g(活性:890g/g触媒)のエチレン単独重合体を得た。
有機変性粘土の調製
1リットルのフラスコに工業用アルコール(日本アルコール販売社製、(商品名)エキネンF−3)300ml及び蒸留水300mlを入れ、濃塩酸15.0g及びジメチルベヘニルアミン;C22H45(CH3)2N(ライオン株式会社製、(商品名)アーミンDM22D)42.4g(120mmol)を添加し、45℃に加熱して合成ヘクトライト(Rockwood Additives社製、(商品名)ラポナイトRD)を100g分散させた後、60℃に昇温させてその温度を保持したまま1時間攪拌した。このスラリーを濾別後、60℃の水600mlで2回洗浄し、85℃の乾燥機内で12時間乾燥させることにより139gの有機変性粘土を得た。この有機変性粘土はジェットミル粉砕して、メジアン径を4.3μmとした。
温度計と還流管が装着された300mlのフラスコを窒素置換した後に(1)で得られた有機変性粘土25.0gとヘキサンを108ml入れ、次いでジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル)(2−(ジメチルアミノ)−9−フルオレニル)ハフニウムジクロライドを0.715g、及び20%トリイソブチルアルミニウム142mlを添加して60℃で3時間攪拌した。45℃まで冷却した後に上澄み液を抜き取り、200mlのヘキサンにて2回洗浄後、ヘキサンを200ml加えてメタロセン系触媒の懸濁液を得た(固形分濃度12.58%)。
9.5リットルのオートクレーブにヘキサンを6.0リットル、20%トリイソブチルアルミニウムを22ml、非イオン性界面活性剤(第一工業製薬社製、(商品名)エパン710)を14.5mg、1−ブテンを39.6g、(2)で得られたメタロセン系触媒の懸濁液を1.525g(固形分191.8mg相当)加え、60℃に昇温後、分圧が0.87MPaになるようにエチレンを連続的に供給し、スラリー重合を行った。480分経過後に脱圧し、オートクレーブを解放たところ、オートクレーブの内壁やシャフトへのポリマー付着は見られなかった。スラリーを濾別後、乾燥することで1263gの超高分子量ポリエチレン微粒子を得た(活性:6580g/g触媒)。
(1)有機変性粘土の調製
実施例2の(1)と同様に行なった。
実施例2の(2)と同様に行なった。
9.5リットルのオートクレーブにヘキサンを6.0リットル、20%トリイソブチルアルミニウムを22ml、エパン710を20.9mg、1−ブテンを39.6g、(2)で得られたメタロセン系触媒の懸濁液を2.202g(固形分277.0mg相当)加え、60℃に昇温後、分圧が0.87MPaになるようにエチレンを連続的に供給し、スラリー重合を行った。360分経過後に脱圧し、オートクレーブを解放たところ、オートクレーブの内壁やシャフトへのポリマー付着は見られなかった。スラリーを濾別後、乾燥することで1559gの超高分子量ポリエチレン微粒子を得た(活性:5630g/g触媒)。
(1)有機変性粘土の調製
実施例2の(1)と同様に行なった。
実施例2の(2)と同様に行なった。
9.5リットルのオートクレーブにヘキサンを6.0リットル、20%トリイソブチルアルミニウムを22ml、エパン710を19.6mg、1−ブテンを15.8g、(2)で得られたメタロセン系触媒の懸濁液を1.514g(固形分191.8mg相当)加え、60℃に昇温後、分圧が0.87MPaになるようにエチレンを連続的に供給し、スラリー重合を行った。360分経過後に脱圧し、オートクレーブを解放したところ、オートクレーブの内壁やシャフトへのポリマー付着は見られなかった。スラリーを濾別後、乾燥することで1513gの超高分子量ポリエチレン微粒子を得た(活性:7940g/g触媒)。
(1)有機変性粘土の調製
実施例2の(1)と同様に行なった。
実施例2の(2)と同様に行なった。
2リットルのオートクレーブにヘキサンを1.2リットル、20%トリイソブチルアルミニウムを1.1ml、非イオン性界面活性剤(第一工業製薬社製、(商品名)エパン410)を15.8mg及び(2)で得られたメタロセン系触媒の懸濁液を0.199g(固形分25.0mg相当)加え、50℃に昇温後、分圧が0.83MPaになるようにエチレンを連続的に供給し、エチレンのスラリー重合を行った。240分経過後に脱圧し、オートクレーブを解放したところ、オートクレーブの内壁やシャフトへのポリマー付着は見られなかった。スラリーを濾別後、乾燥することで203.7gの超高分子量ポリエチレン微粒子を得た(活性:8150g/g触媒)。
(1)有機変性粘土の調製
実施例2の(1)と同様に行なった。
実施例2の(2)と同様に行なった。
2リットルのオートクレーブにヘキサンを1.2リットル、20%トリイソブチルアルミニウムを1.1ml、エパン710を4.5mg、1−ブテンを7.9g、(2)で得られたエチレン系重合体製造用触媒の懸濁液を0.823g(固形分103.5mg相当)加え、60℃に昇温後、分圧が0.87MPaになるようにエチレンを連続的に供給し、スラリー重合を行った。90分経過後に脱圧し、オートクレーブを解放したところ、オートクレーブの内壁やシャフトへのポリマー付着が認められた。スラリーを濾別後、乾燥することで63.5gのエチレン系重合体を得た(活性:610g/g触媒)。
(1)有機変性粘土の調製
実施例1の(1)と同様に行った。
温度計と還流管が装着された300mlのフラスコを窒素置換した後に(1)で得られた有機変性粘土25.0gとヘキサンを108ml入れ、次いでジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル)(2,5−ビス(ジメチルアミノ)−9−フルオレニル)ハフニウムジクロライドを0.786g、及び20%トリイソブチルアルミニウム142mlを添加して60℃で3時間攪拌した。45℃まで冷却した後に上澄み液を抜き取り、200mlのヘキサンにて2回洗浄後、ヘキサンを200ml加えてメタロセン系触媒の懸濁液を得た(固形分濃度12.21%)。
2リットルのオートクレーブにヘキサンを1.2リットル、20%トリイソブチルアルミニウムを1.1ml、エパン710を4.0mg、1−ブテンを19.0g、(2)で得られたメタロセン系触媒の懸濁液を1.035g(固形分126.4mg相当)加え、60℃に昇温後、分圧が0.87MPaになるようにエチレンを連続的に供給し、スラリー重合を行った。240分経過後に脱圧し、オートクレーブを解放したところ、オートクレーブの内壁やシャフトへのポリマー付着はなかった。スラリーを濾別後、乾燥することで96.0gの超高分子量ポリエチレン微粒子を得た(活性:760g/g触媒)。
(1)有機変性粘土の調製
実施例5の(1)と同様に行なった。
実施例5の(2)と同様に行った。
2リットルのオートクレーブにヘキサンを1.2リットル、20%トリイソブチルアルミニウムを1.1ml、1−ブテンを19.0g、(2)で得られたエチレン系重合体製造用触媒の懸濁液を801.0mg(固形分97.8mg相当)加え、60℃に昇温後、分圧が0.87MPaになるようにエチレンを連続的に供給し、スラリー重合を行った。90分経過後に脱圧し、オートクレーブを解放したところ、オートクレーブの内壁やシャフトへのポリマー付着はなかった。スラリーを濾別後、乾燥することで43.7gのエチレン単独重合体を得た(活性:450g/g触媒)。
Claims (4)
- 下記一般式(1)で表される遷移金属化合物(A)、
R 2 は下記一般式(3)で示されるアミノ基を少なくとも1つ有するフルオレニル基であり、
R 3 は、下記一般式(4)または下記一般式(5)で示されるR 1 とR 2 の架橋単位であり、
nは1〜5の整数である。]
下記一般式(6)で表される脂肪族塩にて変性した有機変性粘土(B)、
及び有機アルミニウム化合物(C)よりなるメタロセン系触媒の存在下、エチレン系単量体の重合を重合時間として2時間以上24時間以下で行うことを特徴とする超高分子量ポリエチレン微粒子の製造方法。 - さらに非イオン性界面活性剤(D)の存在下で重合を行なうことを特徴とする請求項1又は2に記載の超高分子量ポリエチレン微粒子の製造方法。
- メジアン径が50μm以上200μm以下、粒径の標準偏差が0.23以下、嵩密度が270kg/m 3 以上600kg/m 3 以下の超高分子量ポリエチレン微粒子を製造することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の超高分子量ポリエチレン微粒子の製造方法。
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