JP5780679B2 - 超高分子量ポリエチレン粒子の製造方法、およびそれを用いた成形体 - Google Patents
超高分子量ポリエチレン粒子の製造方法、およびそれを用いた成形体 Download PDFInfo
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Description
(2)嵩密度が0.35g/cm3以上0.48g/cm3以下であり、かつ
(3)50gの粒子がJIS K−6721:1997に記載されたかさ比重測定装置の漏斗を落下する際の時間が20秒以上60秒以下である超高分子量ポリエチレン粒子であって、
(4)極限粘度[η]が10dL/g以上15dL/g以下であるポリエチレン成分[a]を含んでなり、
該ポリエチレン成分[a]は上記超高分子量ポリエチレン粒子よりも低分子量であることを特徴とする、上記超高分子量ポリエチレン粒子。
500g/g以上10000g/g以下の重合活性で、少なくともエチレンを含む単量体を重合させること、並びに、
少なくとも低分子量成分を重合する段と高分子量成分を重合する段とを有し、該低分子量成分が該高分子量成分よりも先に製造される多段重合を利用する方法であることを特徴とする、請求項1に記載の超高分子量ポリエチレン粒子の製造方法。
(M1)α(Mg)β(R2)a(R3)b(OR4)c −(1)
(式中、M1は周期律表第12族および第13族からなる群に属する金属原子であり、R2、R3およびR4はそれぞれ炭素数2以上20以下の炭化水素基であり、α、β、a、bおよびcは次の関係を満たす実数である。0≦α、0<β、0≦a、0≦b、0≦c、0<a+b、0≦c/(α+β)≦2、kα+2β=a+b+c(ただし、kはM1の原子価))
HdSiCleR5 (4−(d+e)) −(2)
(式中、R5は炭素数1以上12以下の炭化水素基であり、dとeは次の関係を満たす実数である。0<d、0<e、0<d+e≦4)
Ti(OR6)fX(4−f) −(3)
(式中、fは0以上4以下の実数であり、R6は炭素数1以上20以下の炭化水素基であり、Xはハロゲン原子である。)
まず、超高分子量ポリエチレン粒子について説明する。本発明においては、極限粘度[η]が10dL/g以上のポリエチレンであり、これが粒子状のものを超高分子量ポリエチレン粒子と称する。本発明においては、超高分子量ポリエチレンには、エチレン単独重合体のみならず、エチレンと、炭素数3〜20のα−オレフィン、炭素数3〜20の環状オレフィン、式CH2=CHR1(但し、R1は炭素数6〜20のアリール基である。)で表される化合物、及び炭素数4〜20の直鎖状、分岐状または環状のジエンよりなる群から選ばれる少なくとも1種のオレフィンとを共重合させたものも含まれる。共重合されるオレフィンとしては、ポリマー鎖の絡み合いを増大させないという観点から、プロピレンが好ましい。単量体に占めるエチレンのモル比は、典型的には、50%以上100%以下、より好ましくは80%以上100%以下である。
Mv=(5.34×104)×[η]1.49 −(A)
本発明の超高分子量ポリエチレン粒子の嵩密度は、0.35g/cm3以上0.48g/cm3以下である。この嵩密度は、0.36g/cm3以上0.46g/cm3以下であることが好ましく、0.37g/cm3以上0.43g/cm3以下であることが更に好ましい。超高分子量ポリエチレン粒子の嵩密度が0.35g/cm3以上であれば、圧縮時に疎な部分が形成されることによるウイークポイントの発生を防止することができる。一方、超高分子量ポリエチレン粒子の嵩密度が0.48g/cm3以下であれば、ポリマー粒子の表面性状が平滑になり粒子同士の圧着性が低下するのを抑制することができる。本発明において、嵩密度は、ポリエチレン粒子の嵩密度をJIS K−6721:1997に従って測定することにより得られた値である。本発明において、超高分子量ポリエチレン粒子の嵩密度は重合温度によって制御することが可能であり、重合温度を高くすることによりその嵩密度を低下させることが可能である。また、超高分子量ポリエチレン粒子の嵩密度は重合器内のスラリー濃度によって制御することが可能であり、スラリー濃度を高くすることによりその嵩密度を増加させることが可能である。
1.15≦ΔH1/ΔH2≦1.35 −(B)
本発明の超高分子量ポリエチレン粒子に含まれるマグネシウム、チタン、およびアルミニウムの含有量の和は、超高分子量ポリエチレン粒子に含まれるマグネシウム含有量、チタン含有量、およびアルミニウム含有量をそれぞれ測定し、それぞれの含有量を加算することにより算出される。なお、上記金属の各含有量は公知のICP法により測定された値である。
X線結晶解析装置:株式会社リガクUltima−IV装置(集中光学系)
X線源:Cu Kα
出力:40kV、40mA
検出器:D/rex Ultra検出器(一次元検出器)
光学スリット(SS−DS−RS):1deg−開放−開放、縦スリット:10mm
走査範囲:15〜30deg(0.02deg)、走査速度:10deg/min
さらに、具体的には、アルミ製粉末セルに超高分子量ポリエチレン粒子を0.1gを入れ、セルを試料として設置して広角X線回折透過測定を行うことができる。得られた回折パターンについて、解析ソフト(リガク製JADE−6)を使用し、ピーク形状表現としてガウス/ローレンツ混合関数(pseudo-Voigt関数)を、最小近似アルゴとして変動型ガウス−ニュートン法によるピーク分離法により、結晶性ピークと非晶性ピークとをフィット/分離し、その面積比から結晶化度を算出できる。
(M1)α(Mg)β(R2)a(R3)b(OR4)c −(1)
(式中、M1は周期律表第12族および第13族からなる群に属する金属原子であり、R2、R3およびR4はそれぞれ炭素数2以上20以下の炭化水素基であり、α、β、a、bおよびcは次の関係を満たす実数である。0≦α、0<β、0≦a、0≦b、0≦c、0<a+b、0≦c/(α+β)≦2、kα+2β=a+b+c(ただし、kはM1の原子価))
HdSiCleR5 (4−(d+e)) −(2)
(式中、R5は炭素数1以上12以下の炭化水素基であり、dとeは次の関係を満たす実数である。0<d、0<e、0<d+e≦4)
Ti(OR6)fX(4−f) −(3)
(式中、fは0以上4以下の実数であり、R6は炭素数1以上20以下の炭化水素基であり、Xはハロゲン原子である。)
(イ)R2とR3とが炭素数の互いに相異なるアルキル基であること、好ましくはR2が炭素数2または3のアルキル基であり、R3が炭素数4以上のアルキル基であること。
(ウ)R2、R3の少なくとも一方が炭素数6以上の炭化水素基であること、好ましくはR2、R3に含まれる炭素数を加算すると12以上になるアルキル基であること。
(ii)無機炭酸塩、珪酸塩、硫酸塩;
(iii)無機水酸化物;
(iv)無機ハロゲン化物;
(v)上記(i)〜(iv)のいずれかからなる複塩、固溶体ないし混合物
チタン化合物(A−2)としては、上記一般式(3)で表されるチタン化合物が用いられる。上記一般式(3)中のR6で表される炭化水素基としては、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、2−エチルヘキシル、ヘプチル、オクチル、デシル、アリル基等の脂肪族炭化水素基、シクロヘキシル、2−メチルシクロヘキシル、シクロペンチル基等の脂環式炭化水素基、フェニル、ナフチル基等の芳香族炭化水素基等が挙げられるが、脂肪族炭化水素基が好ましい。Xで表されるハロゲンとしては、塩素、臭素、ヨウ素が挙げられるが、塩素が好ましい。上記から選ばれた(A−2)を、2種以上混合して使用することが可能である。
(M2)γ(Mg)ε(R7)h(R8)iYj −(4)
(式中、M2は周期律表第1族、第2族、第12族および第13族からなる群に属するマグネシウム以外の金属原子であり、R7およびR8はそれぞれ炭素数2以上20以下の炭化水素基であり、Yはアルコキシ、シロキシ、アリロキシ、アミノ、アミド、−N=C(R9)(R10)、−SR11(ただし、R9、R10およびR11は炭素数2以上20以下の炭化水素基を表し、jが2以上の場合はそれぞれ異なっていても同じでも良い。)、及びβ−ケト酸残基から選ばれ、γ、ε、h、iおよびjは次の関係を満たす実数である。0≦γ、0<ε、0≦h、0≦i、0<h+i、0≦j/(γ+ε)≦2、nγ+2ε=h+i+j(ただし、nはM2の原子価))
(イ’)R7とR8とが炭素原子数の互いに相異なるアルキル基であること、好ましくはR7が炭素原子数2または3のアルキル基であり、R8が炭素原子数4以上のアルキル基であること。
(ウ’)R7、R8の少なくとも一方が炭素原子数6以上の炭化水素基であること、好ましくはR7、R8に含まれる炭素原子数を加算すると12以上になるアルキル基であること。
M3R12 sQ(t−s) −(5)
(式中、M3は周期律表第1〜3族に属する金属原子、R12は炭素数1〜20の炭化水素基であり、QはOR13、OSiR14R15R16、NR17R18、SR19およびハロゲンからなる群に属する基を表し、R13、R14、R15、R16、R17、R18、R19は水素原子または炭化水素基であり、sは0より大きな実数であり、tはM3の原子価である。)
20ミリリットルのデカリン(BHTを1g/リットル含む)に超高分子量ポリエチレン粒子20mgをいれ、150℃、2時間攪拌してポリマーを溶解させた。その溶液を135℃の高温糟で、キャノン−フェンスケ粘度計(SO)を用いて、標線間の落下時間(ts)を測定した。なお、ブランクとしてポリマーを入れていない、デカヒドロナフタレンのみの落下時間(tb)を測定した。以下の式に従いポリマーの比粘度(ηsp/C)をプロットし、濃度0に外挿した極限粘度[η]を求めた。なお、Cは測定した溶液の濃度(g/l)である。
(ηsp/C) = (ts/tb−1)/C
この[η]から以下の式に従い、粘度平均分子量(Mv)を求めた。
Mv=(5.34×104)×[η]1.49
[嵩密度の測定]
超高分子量ポリエチレン粒子の嵩密度を、JIS K−6721:1997に従い測定した。
超高分子量ポリエチレン粒子50gが、JIS K−6721:1997に記載されたかさ比重測定装置の漏斗を用いて、落下する時間を測定した。
示差走査熱量計(パーキンエルマー社製DSC−7型装置)を用い、以下の条件で測定した。
超高分子量ポリエチレン粒子の目開き425μmの篩を通過しない粒子の含有率は、上記の超高分子量ポリエチレン粒子の平均粒径の測定において、目開き425μmよりも目開きが大きい篩に残った粒子の重量の和として算出した。
重合活性は、一時間当たりに製造された超高分子量ポリエチレン粒子の質量を、一時間あたりに重合反応器に添加した固体触媒の質量で除すことにより算出した。
圧縮成形機による加工条件は、温度130℃、圧力10MPa、保持時間120秒である。成形体の厚み調節用の金型として、外寸280×280mm、内寸200×200mm、厚さ1.5mmの金属板を用いた。ASTM D1928 Procedure Cに従って、圧縮成形体を作成した。まず、厚さ5mmの平滑な鉄板に、クロムメッキされた厚さ0.5mmを載せ、さらにセロファンでコーティングされていない厚さ0.1mmのポリエチレンテレフタレートフィルム(東レ株式会社製 ルミラー)を載せた。この上に内径40mm、太さ4mmのポリプロピレン製リングを載せ、これに2.0gの超高分子量エチレン系共重合体を入れ、この上に前述のポリエチレンテレフタレートフィルムを載せ、さらに前述のクロムメッキされた厚さ0.5mmの鉄板を載せ、さらに前述の厚さ5mmの鉄板を載せた。これを130℃に温度調節された圧縮成型機(株式会社神藤金属工業所製 SFA−37)の盤面に挟み込み、10MPaの圧力を加えて120秒保持した。加圧成形終了後、超高分子量エチレン系共重合体を挟み込んだ鉄板を取り出し、速やかに盤面が25℃に温度調節された圧縮成型機(株式会社神藤金属工業所製 SFA−37)に挟み込み、1MPaの圧力を加えて180秒間保持し、成形体を冷却した。冷却後、取り出した圧縮成形体を以下の要領で圧延することにより圧延成形体を得た。
(装置仕様)
ロール形状:ロール径305mmφ、面長500mm
ロール数:1対
ロール間隔:0.18mm
得られた圧延成形体を長辺50mm、短辺20mmの長方形に切り出し、圧延方向と同方向に延伸ができるように引張試験機(インストロン社製、万能材料試験機5564型)を用いて延伸を行った。チャック間隔を5mmとなるように引張試験機にセットし、雰囲気温度148℃、引張速度50mm/分で延伸を行った。
延伸成形体を恒温恒湿実験室(温度25℃、湿度50%)内で一昼夜放置した後、インストロン社製万能材料試験機5564型を用いて引張試験を行い、成形体が破断した際の応力を測定した。成形体の万能材料試験機への固定は、その両端各々5cmをチャックに挟み込んで行い、成形体に弛みが生じないようにチャック間を調節した後、速度100mm/分で引張した。測定された試料破断時の荷重(N)は、延伸成形体の断面積で除し、破断時応力(MPa)に換算した。試料の引張弾性率は、インストロン社製ソフトウェア「Bluehill 2 バージョン2.15」を用い、計算方法を弾性率(自動)に指定して引張試験結果から求めた。
[固体触媒Aの製造]
(1)担体(A−1)の合成
充分に窒素置換された内容量8リットルのステンレス製オートクレーブに2モル/リットルのヒドロキシトリクロロシランのヘキサン溶液1460ミリリットルを仕込み、50℃で攪拌しながら組成式AlMg5(C4H9)11(OC4H9)2で表される有機マグネシウム化合物のヘキサン溶液3730ミリリットル(マグネシウム2.68モル相当)を4hかけて滴下し、さらに50℃で1h攪拌しながら反応させた。反応終了後、上澄み液を除去し、2600ミリリットルのヘキサンで4回洗浄した。この固体を分析した結果、固体1g当たりに含まれるマグネシウムが8.43ミリモルであった。
(2)固体触媒成分[A]の調製
上記担体160gを含有するヘキサンスラリー2880ミリリットルに、50℃で攪拌しながら1モル/リットルの1−ブタノールのヘキサン溶液270ミリリットルを20分かけて添加した。添加後、50℃で1時間反応を継続した。反応終了後、上澄み液を1600ミリリットル除去し、温度を65℃にして1モル/リットルのジエチルアルミニウムクロリドのヘキサン溶液1340ミリリットルを1時間30分かけて添加した。添加後、65℃で1時間反応を継続した。反応終了後、上澄み液1600ミリリットルを除去し、ヘキサン1600ミリリットルで4回洗浄した。次いで50℃で攪拌しながら1モル/リットルのジエチルアルミニウムクロリドのヘキサン溶液168ミリリットルを20分かけて添加し、引き続き1モル/リットルの四塩化チタンのヘキサン溶液168ミリリットルを20分かけて添加した。添加後、50℃で2時間反応を継続した。反応終了後、上澄み液1600ミリリットルを除去し、ヘキサン1600ミリリットルで4回洗浄することにより、固体触媒[A]を調製した。この固体触媒1g中に含まれるチタン量は0.53ミリモルであった。
[固体触媒Bの製造]
(1)担体(B−1)の合成
充分に窒素置換された内容量8リットルのステンレス製オートクレーブに2モル/リットルのヒドロキシトリクロロシランのヘキサン溶液1460ミリリットルを仕込み、50℃で攪拌しながら組成式AlMg5(C4H9)11(OC4H9)2で表される有機マグネシウム化合物のヘキサン溶液3730ミリリットル(マグネシウム2.68モル相当)を4hかけて滴下し、さらに50℃で1h攪拌しながら反応させた。反応終了後、上澄み液を除去し、2600ミリリットルのヘキサンで4回洗浄した。この固体を分析した結果、固体1g当たりに含まれるマグネシウムが8.43ミリモルであった。
(2)固体触媒成分[B]の調製
上記担体160gを含有するヘキサンスラリー2880ミリリットルに、50℃で攪拌しながら1モル/リットルの1−ブタノールのヘキサン溶液670ミリリットルを20分かけて添加した。添加後、50℃で1時間反応を継続した。反応終了後、上澄み液を1600ミリリットル除去し、温度を65℃にして1モル/リットルのジエチルアルミニウムクロリドのヘキサン溶液270ミリリットルを1時間30分かけて添加した。添加後、65℃で1時間反応を継続した。反応終了後、上澄み液1600ミリリットルを除去し、ヘキサン1600ミリリットルで4回洗浄した。次いで50℃で攪拌しながら1モル/リットルのジエチルアルミニウムクロリドのヘキサン溶液40ミリリットルを20分かけて添加し、引き続き1モル/リットルの四塩化チタンのヘキサン溶液40ミリリットルを20分かけて添加した。添加後、50℃で2時間反応を継続した。反応終了後、上澄み液1600ミリリットルを除去し、ヘキサン1600ミリリットルで4回洗浄することにより、固体触媒[B]を調製した。この固体触媒1g中に含まれるチタン量は0.17ミリモルであった。
[固体触媒Cの製造]
(1)担体(C−1)の合成
充分に窒素置換された内容量8リットルのステンレス製オートクレーブに2モル/リットルのヒドロキシトリクロロシランのヘキサン溶液1460ミリリットルを仕込み、50℃で攪拌しながら組成式AlMg5(C4H9)11(OC4H9)2で表される有機マグネシウム化合物のヘキサン溶液3730ミリリットル(マグネシウム2.68モル相当)を4hかけて滴下し、さらに65℃で1h攪拌しながら反応させた。反応終了後、上澄み液を除去し、2600ミリリットルのヘキサンで4回洗浄した。この固体を分析した結果、固体1g当たりに含まれるマグネシウムが8.32ミリモルであった。
(2)固体触媒成分[C]の調製
上記担体160gを含有するヘキサンスラリー2880mlに20℃で攪拌しながら1モル/lの四塩化チタンヘキサン溶液160mlと1モル/lの組成式AlMg5(C4H9)11(OC4H9)2で表される有機マグネシウム化合物のヘキサン溶液160mlとを同時に1時間かけて添加した。添加後、20℃で1時間反応を継続させた。反応終了後、上澄み液を1600ml除去し、ヘキサン1600mlで2回洗浄することにより、固体触媒成分[C]を調製した。この固体触媒成分1g中に含まれるチタン量は0.65ミリモルであった。
[重合]
最初に1段目の重合で低分子量成分を製造するために、反応容積350リットルのステンレス製重合器1を用い、重合温度74℃、重合圧力0.3MPaの条件で、触媒は上記参考例1の固体触媒[A]を3g/h、トリエチルアルミニウムをAl原子換算で20ミリモル/h、またヘキサンは40リットル/hの速度で導入した。分子量調節剤としては水素を用い、エチレンと水素との和に対する水素の気相モル濃度(水素/(エチレン+水素))が200ppmになるように供給し重合を行った。またエチレン分圧を保つ為に窒素を導入し、エチレンと窒素との和に対する窒素の気相モル濃度(窒素/(エチレン+窒素))が54モル%となるように供給し重合を行った。重合器1で生成した超高分子量ポリエチレンを抜き出しデカリン(135℃)中における[η]を測定すると11.3dL/g、この[η]から求めたMvは198万であった。
重合器2の重合温度を45℃にした以外は実施例1と同様な重合を行った。
重合器1の重合温度を68℃、重合圧力0.3MPaの条件で、分子量調節剤としては水素の供給無しに重合を行った。またエチレン分圧を保つ為に窒素を導入し、エチレンと窒素との和に対する窒素の気相モル濃度(窒素/(エチレン+窒素))が47モル%となるように供給し重合を行った。重合器1で生成した超高分子量ポリエチレンを抜き出しデカリン(135℃)中における[η]を測定すると13.0dL/g、この[η]から求めたMvは246万であった。
重合器2を使用しないで重合器1のみでエチレンの単独重合をおこなった。重合温度65℃、重合圧力0.25MPaの条件下、エチレン分圧を保つ為に窒素を導入し、エチレンと窒素との和に対する窒素の気相モル濃度(窒素/(エチレン+窒素))が20モル%となるように供給し重合を行った。尚水素は導入しなかった。
重合器1の重合温度69℃、重合圧力0.20MPaの条件下、エチレン分圧を保つ為に窒素を導入し、エチレンと窒素との和に対する窒素の気相モル濃度(窒素/(エチレン+窒素))が17モル%となるように供給し比較例1と同様な重合を行った。
重合器1の重合温度76℃、重合圧力0.20MPaの条件下、エチレン分圧を保つ為に窒素を導入し、エチレンと窒素との和に対する窒素の気相モル濃度(窒素/(エチレン+窒素))が40モル%となるように供給し比較例1と同様な重合を行った。
重合器1の重合温度を83℃、重合圧力0.3MPaの条件で、分子量調節剤としては水素を供給せず重合を行った。またエチレン分圧を保つ為に窒素を導入し、エチレンと窒素との和に対する窒素の気相モル濃度(窒素/(エチレン+窒素))が10モル%となるように供給し重合を行った。重合器1で生成した超高分子量ポリエチレンを抜き出しデカリン(135℃)中における[η]を測定すると11.3dL/g、この[η]から求めたMvは198万であった。
重合器1の重合温度を74℃、重合圧力0.3MPaの条件で、分子量調節剤としては水素を用い、エチレンと水素との和に対する水素の気相モル濃度(水素/(エチレン+水素))が1.5モル%になるように供給し重合を行った。またエチレン分圧を保つ為に窒素を導入し、エチレンと窒素との和に対する窒素の気相モル濃度(窒素/(エチレン+窒素))が62モル%となるように供給し重合を行った。重合器1で生成した超高分子量ポリエチレンを抜き出しデカリン(135℃)中における[η]を測定すると7.4dL/g、この[η]から求めたMvは105万であった。
重合器1の重合温度を74℃、重合圧力0.3MPaの条件で、分子量調節剤としては水素を用い、エチレンと水素との和に対する水素の気相モル濃度(水素/(エチレン+水素))が1.3モル%になるように供給し重合を行った。またエチレン分圧を保つ為に窒素を導入し、エチレンと窒素との和に対する窒素の気相モル濃度(窒素/(エチレン+窒素))が81モル%となるように供給し重合を行った。重合器1で生成した超高分子量ポリエチレンを抜き出しデカリン(135℃)中における[η]を測定すると7.1dL/g、この[η]から求めたMvは100万であった。
参考例2の固体触媒[B]を用いた以外は、実施例1と同様の重合を行った。重合器1で生成した超高分子量ポリエチレンを抜き出しデカリン(135℃)中における[η]を測定すると11.4dL/g、この[η]から求めたMvは200万であった。
参考例3の固体触媒[C]を用いた以外は、実施例1と同様の重合を行った。重合器1で生成した超高分子量ポリエチレンを抜き出しデカリン(135℃)中における[η]を測定すると11.2dL/g、この[η]から求めたMvは196万であった。
Claims (4)
- (1)極限粘度[η]が10dL/g以上35dL/g以下であり、
(2)嵩密度が0.35g/cm3以上0.48g/cm3以下であり、かつ
(3)50gの粒子がJIS K−6721:1997に記載されたかさ比重測定装置の漏斗を落下する際の時間が20秒以上60秒以下である超高分子量ポリエチレン粒子であって、
(4)極限粘度[η]が10dL/g以上15dL/g以下であるポリエチレン成分[a]を51重量%以上70重量%以下含んでなり、
該ポリエチレン成分[a]は上記超高分子量ポリエチレン粒子よりも低分子量であり、
固体触媒成分[A]および有機金属化合物成分[B]を含む重合用触媒であって、該固体触媒成分[A]が、下記一般式(1)で表される不活性炭化水素溶媒に可溶である有機マグネシウム化合物と、下記一般式(2)で表される塩素化剤との反応により調製された担体(A−1)に、下記一般式(3)で表されるチタン化合物(A−2)を担持することにより調製されるものであり、該有機金属化合物成分[B]がトリエチルアルミニウムである重合用触媒を用い、
500g/g以上10000g/g以下の重合活性で、少なくともエチレンを含む単量体を重合させ、かつ、
少なくとも低分子量成分を重合する段と高分子量成分を重合する段とを有し、該低分子量成分が該高分子量成分よりも先に製造される多段重合を利用する方法によって製造されることを特徴とする、上記超高分子量ポリエチレン粒子。
(M 1 ) α (Mg) β (R 2 ) a (R 3 ) b (OR 4 ) c −(1)
(式中、M 1 は周期律表、第12族および第13族からなる群に属する金属原子であり、R 2 、R 3 およびR 4 はそれぞれ炭素数2以上20以下の炭化水素基であり、α、β、a、bおよびcは次の関係を満たす実数である。0≦α、0<β、0≦a、0≦b、0≦c、0<a+b、0≦c/(α+β)≦2、kα+2β=a+b+c(ただし、kはM 1 の原子価))
H d SiCl e R 5 (4−(d+e)) −(2)
(式中、R 5 は炭素数1以上12以下の炭化水素基であり、dとeは次の関係を満たす実数である。0<d、0<e、0<d+e≦4)
Ti(OR 6 ) f X (4−f) −(3)
(式中、fは0以上4以下の実数であり、R 6 は炭素数1以上20以下の炭化水素基であり、Xはハロゲン原子である。) - 固相延伸用である、請求項1に記載の超高分子量ポリエチレン粒子。
- 請求項1に記載の超高分子量ポリエチレン粒子を用いて得られる成形体。
- 固相延伸法により成形される、請求項3に記載の成形体。
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