JP6189955B2 - 日射遮蔽装置 - Google Patents

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Description

本開示は、遮蔽材を備える日射遮蔽装置に関する。
日射遮蔽装置の一例であるロールスクリーンでは、巻取軸に巻取られたスクリーンが引出操作によって下降し、また、巻取軸から引出されたスクリーンが巻取操作によって上昇する。ロールスクリーンの備える案内レールは、通常、スクリーンの昇降方向に沿って延びる形状を有し、巻取軸から引出されたスクリーンの外縁部は、こうした案内レールの内側に入り込む。そして、スクリーンが下降するとき、および、スクリーンが上昇するとき、スクリーンの外縁部は案内レールに沿って動き、これによって、スクリーンは昇降方向に沿って案内される(例えば、特許文献1参照)。
特開2008−101368号公報
ところで、スクリーンが区画する2つの空間の間に気圧差が生じるとき、スクリーンの全体には、高圧側の空間から低圧側の空間に向けた外力が作用する。
例えば、スクリーンがクリーン度の高い空間とクリーン度の低い空間とを区画するとき、クリーン度の高い空間とクリーン度の低い空間との間の気圧差によって、クリーン度の低い空間へスクリーンが張出すような外力をスクリーンの全体は受ける。
結果として、案内レールに入っていたスクリーンの外縁部が、気圧差が高いことによって案内レールから外れて、これ以降のスクリーンは、案内レールによって案内されなくなるおそれがある。そして、一度案内レールから抜けたスクリーンを案内レールに復帰させることは容易ではない。
なお、スクリーンの外縁部が通路から抜けるという課題は、スクリーンの区画する2つの空間の間の気圧差に限らず、引出されたスクリーンに外力が作用するときに共通して生じる課題である。さらに、こうした課題は、横型のスクリーンの他、縦型のスクリーン、プリーツスクリーン、ブラインド装置であっても同様に生じる課題であって、所定の位置に保持されるべき遮蔽材を備える日射遮蔽装置において共通する課題である。
本開示の目的は、遮蔽材の外縁部が変位することを抑える日射遮蔽装置を提供することである。
本開示の日射遮蔽装置の一態様は、遮蔽材と、前記遮蔽材の外縁部を挟むことの可能な挟持部と、を備え、前記挟持部は、前記外縁部と接触する湾曲面、凹凸面、又は、カム面を備え、前記外縁部を挟む空間で前記外縁部の移動を許容する第1位置と、前記外縁部に対する保持力を前記第1位置よりも高める第2位置とに変位する可動部を備え、前記可動部は、前記空間から逸脱する途中の前記遮蔽材と接触可能な位置に配置され、前記空間から逸脱する途中の前記遮蔽材に追従して前記第1位置から前記第2位置へ変位する。
本開示の日射遮蔽装置の他の態様にて、1つの延在方向に沿って延びる形状を有して前記外縁部を前記延在方向に沿って案内する案内レールをさらに備え、前記案内レールが、2つの通路形成部材から構成される前記挟持部を備え、前記2つの通路形成部材の少なくとも一方は前記可動部であり、前記2つの通路形成部材は、前記第1位置において、前記延在方向に沿った前記外縁部の移動を案内する。
本開示の日射遮蔽装置の他の態様にて、前記可動部は、前記第2位置において前記遮蔽材を押圧して前記保持力を高めることが好ましい。
本開示の日射遮蔽装置の他の態様にて、前記可動部は、軸を中心として回転する前記カム面を有するカムであり、前記カム面にて前記外縁部と対向する部分が、前記外縁部を押圧できる対向部分であり、前記カム面が前記第1位置から回転して前記第2位置に位置する状態では、前記カム面が前記第1位置に位置する状態よりも、前記対向部分と前記軸との間の距離が大きいことが好ましい。
本開示の日射遮蔽装置の他の態様にて、前記可動部は、前記カム面に連結し、前記カム面に回転力を入力する入力を備え、前記入力は、前記カム面に対して前記遮蔽材の中央側に位置し、前記空間から逸脱する途中の前記遮蔽材と接触する部分を構成し、前記遮蔽材の面方向と交差する方向に向けて動く前記遮蔽材が前記入力を押すことによって前記カム面が前記第1位置から前記第2位置に変位することが好ましい。
本開示の日射遮蔽装置の他の態様にて、前記対向部分は、前記空間から逸脱する途中の前記遮蔽材と接触する部分を構成し、前記空間から逸脱する途中の前記外縁部と前記対向部分との摩擦によって前記外縁部に追従する。
本開示の日射遮蔽装置の他の態様にて、前記カム面は、前記外縁部に向けて突き出た突部の繰り返しである前記凹凸面であることが好ましい。
本開示の日射遮蔽装置の他の態様にて、前記可動部は、前記空間から逸脱する途中の前記外縁部との摩擦によって前記遮蔽材に追従して弾性変形する弾性体であり、弾性変形による弾性力によって前記外縁部を押圧することが好ましい。
本開示の日射遮蔽装置の他の態様にて、前記2つの通路形成部材が、1つの挟持部であり、前記案内レールは、前記延在方向に沿って並ぶ複数の前記挟持部を備えることが好ましい。
本開示の日射遮蔽装置の他の態様にて、前記可動部は、前記可動部が前記第2位置に位置するとき、前記外縁部に対する押圧に伴う摩擦力を越える張力が前記遮蔽材に作用することによって、前記空間から前記遮蔽材が逸脱することを許容することが好ましい。
本開示の日射遮蔽装置によれば、遮蔽材の外縁部が案内レールから外れることが抑えられる。
本開示の日射遮蔽装置をロールスクリーンに具体化した第1実施形態におけるロールスクリーンの正面構造を示す正面図である。 第1実施形態におけるロールスクリーンの側面構造を示す側面図である。 第1実施形態における案内レールの側面構造の一部を拡大して示す部分側面図である。 第1実施形態における通路形成部材の平面構造をスクリーンと共に示す平面図である。 第1実施形態における通路形成部材の作用を示す平面図であって、スクリーンの外縁部が通路形成部材の間の空間から抜ける途中の状態を示す図である。 第2実施形態における通路形成部材の平面構造をスクリーンとともに示す平面図である。 第2実施形態における通路形成部材の作用を示す平面図であって、スクリーンの外縁部が通路形成部材の間の空間から抜ける途中の状態を示す図である。 第3実施形態における通路形成部材の平面構造をスクリーンと共に示す平面図である。 第3実施形態における通路形成部材の平面構造の一部をスクリーンと共に拡大して示す部分平面図である。 第3実施形態における通路形成部材の作用を示す平面図であって、スクリーンの外縁部が通路形成部材の間の空間から抜け始める状態を示す図である。 第3実施形態における通路形成部材の作用を示す平面図であって、スクリーンの外縁部が通路形成部材の間の空間から抜ける途中の状態を示す図である。 変形例のロールスクリーンにおける案内レールの正面構造の一部を示す部分正面図である。 第4実施形態におけるロールスクリーンの正面構造を示す正面図であって、案内レールの一部を前側から順に切り欠いて示す図である。 変形例における日射遮蔽装置の正面構造を示す正面図であって、案内レールの一部を前側から順に切り欠いて示す図である。 本開示の日射遮蔽装置を縦型スクリーンに具体化した第5実施形態における縦型スクリーンの正面構造を示す正面図であって、案内レールの一部を前側から順に切り欠いて示す図である。 変形例における日射遮蔽装置の正面構造を示す正面図であって、案内レールの一部を前側から順に切り欠いて示す図である。 本開示の日射遮蔽装置を二重の縦型スクリーンに具体化した変形例における通路形成部材の側断面構造を示す断面図である。
[第1実施形態]
本開示の日射遮蔽装置をロールスクリーンに具体化した第1実施形態のロールスクリーンを図1から図5を参照して説明する。
[ロールスクリーンの構成]
図1が示すように、ロールスクリーンが備える枠体11は、左右方向に沿って延びる巻取軸12を回転できる状態で支持している。巻取軸12は、遮蔽材の一例であって矩形形状を有するスクリーン13の上端部を巻取軸12の軸線方向に沿って支持している。スクリーン13の下端部は、巻取軸12の外周面から離れて、開閉方向の一例であって昇降方向の一例である鉛直方向の下側に向かって自重によって垂れ下がっている。スクリーン13の下端部は、左右方向に沿って延びるウエイトバー14を有することが好ましく、ウエイトバー14は、スクリーン13の位置を昇降方向に沿って安定させる。スクリーン13の下端部がウエイトバー14を有する構成にて、ウエイトバー14の左右方向に沿った長さLWは、スクリーン13の左右方向に沿った長さLSよりも短い。
巻取軸12は、巻取軸12を回転させる回転機構を通じて、操作部の一例である操作チェーン15に連結している。巻取軸12は、操作チェーン15の巻取操作によって正転し、操作チェーン15の引出操作によって逆転する。正転する巻取軸12は、巻取軸12の周方向に沿ってスクリーン13を巻取軸12に巻取り、逆転する巻取軸12は、巻取軸12に巻取られたスクリーン13を巻取軸12から引出す。なお、巻取軸12を回転させる機構は、巻取軸12を正転、および、逆転させるモーターを備えていてもよい。回転機構がモーターを備える電動式である構成にて、操作部はモーターの回転方向を切り替える操作スイッチに具体化される。
巻取軸12の左右両端部の下側には、昇降方向に沿って延びる左右一対の案内レール21が立てられている。左右一対の案内レール21の各々は、スクリーン13の前側に位置する前側案内壁21Fと、スクリーン13の後側に位置する後側案内壁21Bとを備えている。前側案内壁21F、および、後側案内壁21Bは、前側案内壁21Fと後側案内壁21Bとの間に案内通路21Gを形成する。右側の案内レール21にて、前側案内壁21Fと後側案内壁21Bとの間には、スクリーン13の右側の外縁部13Eが入り込み、左側の案内レール21にて、前側案内壁21Fと後側案内壁21Bとの間には、スクリーン13の左側の外縁部13Eが入り込んでいる。
左右一対の案内レール21の各々は、昇降方向における上端部として誘導部22を備えている。左右一対の誘導部22の各々は、スクリーン13の前側に位置する前側誘導壁22Fと、スクリーン13の後側に位置する後側誘導壁22Bとを備えている。右側の案内レール21にて、前側誘導壁22Fと後側誘導壁22Bとの間の空間である隙間には、スクリーン13の右側の外縁部13Eが入り込んでいる。左側の案内レール21にて、前側誘導壁22Fと後側誘導壁22Bとの間の隙間には、スクリーン13の左側の外縁部13Eが入り込んでいる。
なお、左右一対の前側誘導壁22Fの各々にて、他方の前側誘導壁22Fと対向する側辺は、誘導内側辺22Aである。左側の前側誘導壁22Fでは、スクリーン13の左右方向に沿った幅LGが、昇降方向の上側に向かって徐々に小さくなるように、スクリーン13の左右方向の左側に向かって、誘導内側辺22Aは緩やかに曲がっていることが好ましい。右側の前側誘導壁22Fでもまた、スクリーン13の左右方向に沿った幅LGが、昇降方向の上側に向かって徐々に小さくなるように、スクリーン13の左右方向の右側に向かって、誘導内側辺22Aは緩やかに曲がっていることが好ましい。また、左右一対の後側誘導壁22Bの各々でもまた、他方の後側誘導壁22Bと対向する側辺は、誘導内側辺22Aであり、前側誘導壁22Fと同じく、緩やかに曲がっていることが好ましい。
図2が示すように、前側誘導壁22Fの後側面、および、後側誘導壁22Bの前側面の各々には、前側誘導壁22Fと後側誘導壁22Bとの間の間隔を、昇降方向の上側から昇降方向の下側に向けて狭くする狭窄部22Sが突き出ている。
前側案内壁21Fの後側面は、挟持部を構成する前側通路形成部材23Fを支持し、その前側通路形成部材23Fは、前側案内壁21Fの昇降方向の全体にわたる帯形状を有している。後側案内壁21Bの前側面は、挟持部を構成する後側通路形成部材23Bを支持し、その後側通路形成部材23Bは、後側案内壁21Bの昇降方向の全体にわたる帯形状を有している。
前側通路形成部材23Fと後側通路形成部材23Bとは、前側通路形成部材23Fと後側通路形成部材23Bとの間に案内通路21Gを区画している。前側通路形成部材23F、および、後側通路形成部材23Bが区画する案内通路21Gに、スクリーン13が入り込んでいる。
図3が示すように、巻取軸12が回転中心12Aを中心として正転して、スクリーン13の全てが案内レール21から離れるとき、スクリーン13の下側端辺は、案内レール21の上側に位置する。この状態から、巻取軸12が回転中心12Aを中心として逆転して、スクリーン13の下側端辺が下がるとき、スクリーン13の外縁部13Eは、前側誘導壁22Fと後側誘導壁22Bとの間に入り込む。
この際に、例えば、前側誘導壁22Fと後側誘導壁22Bとの中間よりも前側誘導壁22Fに近い位置から、スクリーン13の外縁部13Eが入り込むとき、スクリーン13の外縁部13Eは、前側誘導壁22Fに案内されて、前側誘導壁22Fと後側誘導壁22Bとの中間に位置する。また、例えば、前側誘導壁22Fと後側誘導壁22Bとの中間よりも後側誘導壁22Bに近い位置から、スクリーン13の外縁部13Eが入り込むとき、スクリーン13の外縁部13Eは、後側誘導壁22Bに案内されて、これもまた、前側誘導壁22Fと後側誘導壁22Bとの中間に位置する。
図4が示すように、前側通路形成部材23Fは、前側案内壁21Fの後側面に固定され、また、後側通路形成部材23Bは、後側案内壁21Bの前側面に固定されている。可動部は、1又は複数の可動部材から構成することができるが、ここでは2つの可動部材から構成されている。可動部材の一例である前側通路形成部材23Fと、可動部材の一例である後側通路形成部材23Bとは、前側通路形成部材23Fと後側通路形成部材23Bとの中間を通る鉛直面に対して、互いに面対称となる形状を有している。そのため、以下では、前側通路形成部材23Fの構成を詳細に説明し、後側通路形成部材23Bにて前側通路形成部材23Fと重複する構成の説明を省略する。
前側通路形成部材23Fは、前側案内壁21Fに固定される支持部23Mを備え、支持部23Mは、前側案内壁21Fにおける昇降方向のほぼ全体にわたる矩形柱形状を有している。なお、可動部と案内レール21が一体に成形された構造であってもよい。また、前側通路形成部材23Fの支持部23Mは、前側案内壁21Fと一体に形成され、前側案内壁21Fの一部によって構成されてもよい。支持部23Mにて、スクリーン13の中央側の角部には、昇降方向に沿って延びる半円筒形状を有した抜止曲板23Sが突き出ている。抜止曲板23Sは、支持部23Mから後側通路形成部材23Bに向かって突き出る半円筒形状を有し、昇降方向から見て、後側通路形成部材23Bに向かって突き出る半円弧形状を、前側案内壁21Fにおける昇降方向のほぼ全体にわたり有している。
抜止曲板23Sは、昇降方向から見て、スクリーン13の中央側と、スクリーン13の外縁部側とに端部を有している。抜止曲板23Sの端部のうち、スクリーン13の中央側の端部は、支持部23Mに接続し、スクリーン13の外縁部側の端部は、自由端である。抜止曲板23Sは、可撓性を有する弾性体であり、抜止曲板23Sと支持部23Mとの接続する部分である接続部C1を支点として曲がるように構成されている。
前側通路形成部材23Fの抜止曲板23Sにて、最も後側の部位、すなわち、最も後側通路形成部材23Bに近い部位は、接触部Kであり、後側通路形成部材23Bの抜止曲板23Sにて、最も前側の部位、すなわち、最も前側通路形成部材23Fに近い部位もまた、接触部Kである。これら2つの接触部Kは、互いに対向している。2つの接触部Kは、ロールスクリーンの左右方向において、接続部C1よりもスクリーン13の外縁部側に位置している。
案内通路21Gは、前側通路形成部材23Fの抜止曲板23Sと、後側通路形成部材23Bの抜止曲板23Sとの間の空間である隙間によって構成され、2つの接触部Kの間の隙間は、スクリーン13の厚さ以下に設定されている。2つの接触部Kの間の隙間は、案内通路21Gに入り込んだ外縁部13Eの昇降方向に沿った移動を許容する大きさに設定されている。2つの接触部Kは、案内通路21Gに入り込んだ外縁部13Eと接触し、スクリーン13が昇降方向に沿って昇降するとき、2つの接触部Kは、スクリーン13の外縁部13Eと摺接する。
図5の二点鎖線が示すように、前側通路形成部材23F、および、後側通路形成部材23Bの取り得る位置のうち、2つの接触部Kが外縁部13Eの昇降を許容する位置は、第1位置の一例である案内位置である。これに対して、図5の実線が示すように、前側通路形成部材23F、および、後側通路形成部材23Bの取り得る位置のうち、2つの接触部Kが案内位置よりもスクリーン13の中心側に変位した位置は、第2位置の一例である抜止位置である。
スクリーン13の外縁部13Eが抜け始めるとき、スクリーン13との摩擦力に抗した反力によって、前側通路形成部材23Fが案内位置から抜止位置に変位する。このとき、前側通路形成部材23Fの抜止曲板23Sは、それの接続部C1を支点として、スクリーン13の中央側に張出すように曲がる。曲がった抜止曲板23Sは、接触部Kを後側通路形成部材23Bに向けて突き出す方向に弾性力を高める。また、後側通路形成部材23Bもまた、案内位置から抜止位置に変位する。このとき、後側通路形成部材23Bの抜止曲板23Sは、それの接続部C1を支点として、スクリーン13の中央側に張出すように曲がる。曲がった抜止曲板23Sは、接触部Kを前側通路形成部材23Fに向けて突き出す方向に弾性力を高める。前側通路形成部材23F、および、後側通路形成部材23Bは、各々の弾性変形を通じて、案内位置と抜止位置とに動く、すなわち、変位するように構成されている。
[ロールスクリーンの作用]
次に、上記構成からなるロールスクリーンの作用を説明する。
図5の二点鎖線が示すように、スクリーン13の外縁部13Eが案内通路21Gに入り込んだ状態にて、前側通路形成部材23F、および、後側通路形成部材23Bは、それぞれ案内位置に位置する。この状態にて、スクリーン13の外縁部13Eを中央側へ抜くような外力Faが、スクリーン13に作用すると、スクリーン13の外縁部13Eは、案内通路21Gから徐々に抜け始める。
この際に、スクリーン13の外縁部13Eが、スクリーン13の外縁部側から中央側へ動くと、前側通路形成部材23Fの接触部Kが、スクリーン13の外縁部側から中央側へ動くように、摩擦力に抗した反力が、前側通路形成部材23Fの抜止曲板23Sに作用する。また、後側通路形成部材23Bの接触部Kが、スクリーン13の外縁部側から中央側へ動くように、これもまた、摩擦力に抗した反力が、後側通路形成部材23Bの抜止曲板23Sに作用する。
そして、案内位置に位置する前側通路形成部材23Fは、それの接続部C1を支点として、抜止曲板23Sをスクリーン13の中央側に張出すように曲げながら、接触部Kをスクリーン13の中央側へ変位させる。これによって、前側通路形成部材23Fの抜止曲板23Sは、接触部Kを後側通路形成部材23Bに向けて突き出すように弾性力を高める。また、案内位置に位置する後側通路形成部材23Bは、それの接続部C1を支点として、抜止曲板23Sをスクリーン13の中央側に張出すように曲げながら、接触部Kをスクリーン13の中央側へ変位させる。これによって、前側通路形成部材23Fの抜止曲板23Sは、接触部Kを後側通路形成部材23Bに向けて突き出すように弾性力を高める。結果として、前側通路形成部材23F、および、後側通路形成部材23Bは、案内通路21Gから抜ける途中のスクリーン13に追従して案内位置から抜止位置へ変位し、外縁部13Eに対する保持力として押圧力を案内位置よりも高める。そして、互いに対向する2つの接触部Kが、抜け出る途中の外縁部13Eを、高められた押圧力で押圧し、その外縁部13Eを挟み込む。これによって、スクリーン13が案内レール21から抜けることが抑えられる。
なお、外縁部13Eに加わる押圧によって、外縁部13Eは摩擦力を受け、スクリーン13がこの摩擦力を越える張力を更に受けるとき、抜止位置に変位した前側通路形成部材23F、および、後側通路形成部材23Bは、これらの隙間からスクリーン13が抜けることを許容する。
上記第1実施形態のロールスクリーンによれば以下に列挙する効果が得られる。
(1)前側通路形成部材23Fと後側通路形成部材23Bとの間の隙間からスクリーン13の外縁部13Eが抜け始めるとき、前側通路形成部材23F、および、後側通路形成部材23Bの各々は、スクリーン13と接触しながらスクリーン13に追従して変形する。そして、前側通路形成部材23F、および、後側通路形成部材23Bの各々は、案内位置から、外縁部13Eに対する押圧力を高める抜止位置へ変位する。それゆえに、前側通路形成部材23Fと後側通路形成部材23Bとの間の隙間から外縁部13Eの全てが抜けること、ひいては、案内レール21からスクリーン13が抜けることが抑えられる。
(2)前側通路形成部材23F、および、後側通路形成部材23Bは、スクリーン13に追従して弾性変形し、その弾性変形による弾性力によって、外縁部13Eに対する押圧力を高める。そして、前側通路形成部材23Fの弾性変形の度合い、および、後側通路形成部材23Bの弾性変形の度合いが大きいほど、すなわち、外縁部13Eの抜ける度合いが大きいほど、大きい押圧力が外縁部13Eに対して加わる。この際に、スクリーン13に作用する外力Faが大きいほど、外縁部13Eの抜ける度合いは大きい。それゆえに、上述した構成であれば、スクリーン13に作用する外力Faに即した押圧力が外縁部13Eに加わり、スクリーン13に作用する押圧力が外力Faに対して過大になること、あるいは、スクリーン13に作用する押圧力が外力Faに対して過小になることも抑えられる。
(3)前側通路形成部材23F、および、後側通路形成部材23Bの両方が、案内位置と抜止位置とに変位する。それゆえに、外力Faを受ける外縁部13Eが、ロールスクリーンの前側に向けて抜ける途中であれ、外力Faを受ける外縁部13Eが、ロールスクリーンの後側に向けて抜ける途中であれ、同じ程度の押圧力によってスクリーン13の抜けが抑えられる。
(4)前側通路形成部材23Fの抜止曲板23Sは、それの接触部Kを接続部C1よりもスクリーン13の外縁部側に位置させる半円筒形状を有する。後側通路形成部材23Bの抜止曲板23Sもまた、それの接触部Kを接続部C1よりもスクリーン13の外縁部側に位置させる半円筒形状を有する。それゆえに、前側通路形成部材23Fと後側通路形成部材23Bとの間の隙間から外縁部13Eの全体が抜けたとしても、前側通路形成部材23Fと後側通路形成部材23Bとの間に向けて外縁部13Eが差し込まれるときに、スクリーン13の外縁部13Eは、半円筒面に沿って、前側通路形成部材23Fと後側通路形成部材23Bとの境目に到達する。したがって、前側通路形成部材23Fと後側通路形成部材23Bとの間にスクリーン13の外縁部13Eを差し込むことが容易でもある。
上記第1実施形態のロールスクリーンは、以下のように変形することも可能である。
・可動部は、前側通路形成部材23Fと後側通路形成部材23Bとの両方に限らず、前側通路形成部材23Fと後側通路形成部材23Bのいずれか一方でもよい。
例えば、後側通路形成部材23Bは、それの抜止曲板23Sの表面形状に相当する固定の対向面を備え、後側通路形成部材23Bが有するその対向面と、前側通路形成部材23Fが有する抜止曲板23Sとによって、スクリーン13の外縁部13Eが挟まれてもよい。あるいは、前側通路形成部材23Fは、それの抜止曲板23Sの表面形状に相当する固定の対向面を備え、前側通路形成部材23Fが有するその対向面と、後側通路形成部材23Bが有する抜止曲板23Sとによって、スクリーン13の外縁部13Eが挟まれてもよい。こうした構成であっても、上記(1)(2)(4)に準じた効果は得られる。
・抜止曲板23Sにて、スクリーン13の外縁部側の端部は、自由端に限らず、それの移動がスクリーン13の左右方向に沿った移動に制約される可動端であってもよい。例えば、抜止曲板23Sにて、スクリーン13の外縁部側の端部は、支持部23Mに対して移動できる状態に連結されてもよい。こうした構成であっても、抜止曲板23Sがスクリーン13の中央側に向かって張出すように弾性変形する構成であれば、上記(1)〜(4)に準じた効果は得られる。
・前側通路形成部材23Fの昇降方向に沿った長さは、前側案内壁21Fの昇降方向に沿った長さよりも短くてもよい。この際に、前側案内壁21Fに複数の前側通路形成部材23Fが支持され、複数の前側通路形成部材23Fが昇降方向に沿って並んでもよい。また、後側通路形成部材23Bの昇降方向に沿った長さは、後側案内壁21Bの昇降方向に沿った長さよりも短くてもよい。この際に、後側案内壁21Bに複数の後側通路形成部材23Bが支持され、複数の後側通路形成部材23Bが昇降方向に沿って並んでもよい。こうした構成であれば、外縁部13Eの特定部位が外力Faを受ける際に、その特定部位と接触する前側通路形成部材23Fのみ、あるいは、その特定部位と接触する後側通路形成部材23Bのみが変位する。結果として、昇降方向に沿って並ぶ複数の可動部材のうち、スクリーン13の抜けを止めるために必要な可動部材のみが可動するため、スクリーン13の抜けを止めるために必要な可動部材の可動負荷が軽減される。
・前側通路形成部材23Fと後側通路形成部材23Bとの中間を通る鉛直面に対して、前側通路形成部材23Fの有する形状と、後側通路形成部材23Bの有する形状とは、互いに面対称でなくてもよい。例えば、前側通路形成部材23Fの抜止曲板23Sと、後側通路形成部材23Bの抜止曲板23Sとは、2つの接触部Kが外縁部13Eを挟み込める範囲にて、ロールスクリーンの左右方向にて互いに異なる位置に配置されてもよい。こうした構成であっても、上記(1)〜(4)に準じた効果は得られる。
[第2実施形態]
本開示の日射遮蔽装置をロールスクリーンに具体化した第2実施形態のロールスクリーンを図6および図7を参照して説明する。第2実施形態のロールスクリーンと、第1実施形態のロールスクリーンとは、互いに異なる構成からなる通路形成部材を備える。以下では、第1実施形態のロールスクリーンと異なる構成を主に説明し、第1実施形態のロールスクリーンの構成に対応する構成に同じ符号を付してそれの説明を省略する。
[ロールスクリーンの構成]
図6が示すように、挟持部を構成する前側通路形成部材33Fは、前側案内壁21Fの内側面に支持され、また、挟持部を構成する後側通路形成部材33Bは、後側案内壁21Bの内側面に支持されている。可動部は、1又は複数の可動部材から構成されている。可動部材の一例である前側通路形成部材33Fと、可動部材の一例である後側通路形成部材33Bとは、前側通路形成部材33Fと後側通路形成部材33Bとの中間を通る鉛直面に対して、互いに面対称となる形状を有している。そのため、以下では、前側通路形成部材33Fを詳細に説明し、後側通路形成部材33Bにて前側通路形成部材33Fと重複する構成の説明を省略する。
前側通路形成部材33Fは、前側案内壁21Fに固定される支持部33Mを備え、支持部33Mは、前側案内壁21Fにおける昇降方向のほぼ全体にわたる柱形状を有している。なお、可動部と案内レール21が一体に成形された構造であってもよい。また、前側通路形成部材33Fの支持部33Mは、前側案内壁21Fと一体に形成され、前側案内壁21Fの一部によって構成されてもよい。支持部33Mは、昇降方向から見て勾玉形状を有した抜止カム33Sを、回転できる状態に支持している。抜止カム33Sは、支持部33Mから後側通路形成部材23Bに向かって突き出る勾玉形状を有し、後側通路形成部材23Bに向かって突き出る勾玉形状を、前側案内壁21Fにおける昇降方向のほぼ全体にわたり有している。
抜止カム33Sのカム面は、昇降方向から見て、後側通路形成部材23Bに向かって突き出る湾曲面である。抜止カム33Sは、昇降方向に沿って延びる中心軸C2を揺動中心としてカム面を揺動するように構成されている。
図7の二点鎖線が示すように、前側通路形成部材33Fの取り得る位置、すなわち、抜止カム33Sの取り得る位置のうち、抜止カム33Sのカム面が最も外縁部側である位置は、第1位置の一例である案内位置である。これに対して、図7の実線が示すように、前側通路形成部材33Fの取り得る位置、すなわち、抜止カム33Sの取り得る位置のうち、抜止カム33Sのカム面が案内位置よりもスクリーン13の中心側に変位した位置は、第2位置の一例である抜止位置である。
なお、支持部33Mは、案内位置でのカム面がそれよりも外縁部側に変位することを、支持部33Mの規制部33Dと抜止カム33Sとの当接によって規制する。
前側通路形成部材33Fが案内位置に位置するとき、抜止カム33Sのカム面にて、最も後側、すなわち、最も後側通路形成部材33Bに近い部位は、外縁部13Eと対向する対向部分としての接触部Kである。また、後側通路形成部材33Bが案内位置に位置するとき、抜止カム33Sのカム面にて、最も前側、すなわち、最も前側通路形成部材33Fに近い部位は、これもまた、外縁部13Eと対向する対向部分としての接触部Kである。これら2つの接触部Kは、互いに対向している。2つの接触部Kは、ロールスクリーンの左右方向において、中心軸C2よりもスクリーン13の外縁部側に位置している。
案内通路21Gは、前側通路形成部材33Fの抜止カム33Sと、後側通路形成部材33Bの抜止カム33Sとの間の空間である隙間によって構成され、2つの接触部Kの間の隙間は、スクリーン13の厚さ以下に設定されている。2つの接触部Kの間の隙間は、案内通路21Gに入り込んだ外縁部13Eの昇降方向に沿った移動を許容する大きさに設定されている。2つの接触部Kは、案内通路21Gに入り込んだ外縁部13Eと接触し、スクリーン13が昇降方向に沿って昇降するとき、2つの接触部Kは、スクリーン13の外縁部13Eと摺接する。前側通路形成部材33F、および、後側通路形成部材33Bのいずれにおいても、抜止カム33Sが抜止位置に位置する状態では、抜止カム33Sが案内位置に位置する状態よりも、それの中心軸C2と接触部Kとの間の距離は大きい。
前側通路形成部材33Fが案内位置から抜止位置に変位するとき、前側通路形成部材33Fの抜止カム33Sは、それの中心軸C2を回転中心として、スクリーン13の中央側に向けてカム面を回す。スクリーン13の中央側に向けて回るカム面は、接触部Kを後側通路形成部材33Bに向けて突き出す方向に変位する。また、後側通路形成部材33Bが案内位置から抜止位置に変位するとき、後側通路形成部材33Bの抜止カム33Sは、それの中心軸C2を回転中心として、スクリーン13の中央側に向けてカム面を回す。スクリーン13の中央側に向けて回るカム面は、接触部Kを前側通路形成部材33Fに向けて突き出す方向に変位する。前側通路形成部材33F、および、後側通路形成部材33Bは、各々の揺動を通じて、案内位置と抜止位置とに動く、すなわち、変位するように構成されている。
[ロールスクリーンの作用]
次に、上記構成からなるロールスクリーンの作用を説明する。
図7の二点鎖線が示すように、スクリーン13の外縁部13Eが、案内通路21Gに入り込んだ状態にて、前側通路形成部材33F、および、後側通路形成部材33Bは、それぞれ案内位置に位置する。この状態にて、スクリーン13の外縁部13Eを中央側へ抜くような外力Faが、スクリーン13に作用すると、スクリーン13の外縁部13Eは、案内通路21Gから徐々に抜け始める。
この際に、スクリーン13の外縁部13Eが、スクリーン13の外縁部側から中央側へ動くと、前側通路形成部材33Fの接触部Kが、スクリーン13の外縁部側から中央側へ動くように、摩擦力に抗した反力が、前側通路形成部材33Fの抜止カム33Sのカム面に作用する。また、後側通路形成部材33Bの接触部Kが、スクリーン13の外縁部側から中央側へ動くように、これもまた、摩擦力に抗した反力が、後側通路形成部材33Bの抜止カム33Sのカム面に作用する。
そして、案内位置に位置する前側通路形成部材33Fの抜止カム33Sは、それの中心軸C2を回転中心として、カム面をスクリーン13の中央側に向かって回す。そして、前側通路形成部材33Fの抜止カム33Sは、それの接触部Kを後側通路形成部材33Bに向けて突き出しながら、スクリーン13の中央側へ変位させる。また、案内位置に位置する後側通路形成部材33Bの抜止カム33Sは、それの中心軸C2を回転中心として、カム面をスクリーン13の中央側に向かって回す。そして、後側通路形成部材33Bの抜止カム33Sは、それの接触部Kを前側通路形成部材33Fに向けて突き出しながら、スクリーン13の中央側へ変位させる。結果として、前側通路形成部材33F、および、後側通路形成部材33Bは、案内通路21Gから抜ける途中のスクリーン13に追従して案内位置から抜止位置へ変位し、外縁部13Eに対する保持力として押圧力を案内位置よりも高める。そして、互いに対向する2つの接触部Kが、抜け出る途中の外縁部13Eを、高められた押圧力で押圧し、その外縁部13Eを挟み込む。これによって、スクリーン13が案内レール21から抜けることが抑えられる。
なお、外縁部13Eに加わる押圧によって、外縁部13Eは摩擦力を受け、スクリーン13がこの摩擦力を越える張力を更に受けるとき、抜止位置に変位した前側通路形成部材33F、および、後側通路形成部材33Bは、これらの隙間からスクリーン13が抜けることを許容する。
上記第2実施形態のロールスクリーンによれば、上記(1)〜(4)に準じた効果に加えて、以下に列挙する効果が得られる。
(5)スクリーン13に追従する抜止カム33Sは、昇降方向に沿って延びる中心軸C2を中心として回る。この際に、外縁部13Eの昇降方向に沿った昇降と、抜止カム33Sの回転とは、互いに直交する方向への動きであるため、昇降するスクリーン13と抜止カム33Sとが接触しても、抜止カム33Sは回りがたい。それゆえに、抜止カム33Sの案内位置での案内と、抜止カム33Sの抜止位置での抜止との確実性が高められる。
(6)前側通路形成部材33Fの抜止カム33Sは、それのカム面を中心軸C2よりもスクリーン13の外縁部側に位置させる勾玉形状を有する。後側通路形成部材33Bの抜止カム33Sもまた、それのカム面を中心軸C2よりもスクリーン13の外縁部側に位置させる勾玉形状を有する。それゆえに、前側通路形成部材33Fと後側通路形成部材33Bとの間の隙間から外縁部13Eの全体が抜けたとしても、前側通路形成部材33Fと後側通路形成部材33Bとの間に向けて外縁部13Eが差し込まれるときに、スクリーン13の外縁部13Eは、カム面に沿って、前側通路形成部材33Fと後側通路形成部材33Bとの境目に到達する。したがって、前側通路形成部材33Fと後側通路形成部材33Bとの間にスクリーン13の外縁部13Eを差し込むことが容易でもある。
上記第2実施形態のロールスクリーンは、以下のように変形することも可能である。
・可動部は、前側通路形成部材33Fと後側通路形成部材33Bとの両方に限らず、前側通路形成部材33Fと後側通路形成部材33Bのいずれか一方でもよい。
例えば、後側通路形成部材33Bは、それの抜止カム33Sのカム面形状に相当する固定の対向面を備え、後側通路形成部材33Bが有するその対向面と、前側通路形成部材33Fが有する抜止カム33Sとによって、スクリーン13の外縁部13Eが挟まれてもよい。あるいは、前側通路形成部材33Fは、それの抜止カム33Sのカム面形状に相当する固定の対向面を備え、前側通路形成部材33Fが有するその対向面と、後側通路形成部材33Bが有する抜止カム33Sとによって、スクリーン13の外縁部13Eが挟まれてもよい。こうした構成であっても、上記(5)(6)に準じた効果は得られる。
・抜止カム33Sの有する形状は、昇降方向から見て勾玉形状に限らず、昇降方向から見て楕円形状であってもよく、また、抜止カム33Sは、昇降方向から見て円形状である偏心カムであってもよい。要するに、抜止カム33Sの有する形状は、抜止カム33Sが抜止位置に位置する状態にて、抜止カム33Sが案内位置に位置する状態よりも、接触部Kと中心軸C2との間の距離が大きくなる形状であればよい。こうした構成であれば、上記(5)(6)に準じた効果は得られる。
・抜止カム33Sの昇降方向に沿った長さは、前側案内壁21Fの昇降方向に沿った長さよりも短くてもよいし、後側案内壁21Bの昇降方向に沿った長さよりも短くてもよい。この際に、前側案内壁21F、あるいは、後側案内壁21Bに複数の抜止カム33Sが支持され、複数の抜止カム33Sが昇降方向に沿って並んでもよい。こうした構成であれば、外縁部13Eの特定部位が外力Faを受ける際に、その特定部位と接触する抜止カム33Sのみが変位する。結果として、昇降方向に並ぶ複数の可動部材のうち、スクリーン13の抜けを止めるために必要な可動部材のみが可動するため、スクリーン13の抜けを止めるために必要な可動部材の可動負荷が軽減される。
・前側通路形成部材33Fと後側通路形成部材33Bとの中間を通る鉛直面に対して、前側通路形成部材33Fの有する形状と、後側通路形成部材33Bの有する形状とは、互いに面対称でなくてもよい。例えば、前側通路形成部材33Fの抜止カム33Sと、後側通路形成部材33Bの抜止カム33Sとは、2つの接触部Kが外縁部13Eを挟み込める範囲にて、ロールスクリーンの左右方向にて互いに異なる位置に配置されてもよい。こうした構成であっても、上記(5)(6)に準じた効果は得られる。
・前側通路形成部材33Fの抜止カム33S、および、後側通路形成部材33Bの抜止カム33Sの少なくとも一方は、可撓性を有する弾性部材であってもよいし、可撓性を有しない部材であってもよい。
・抜止カム33Sのカム面は、複数の凸部、あるいは、複数の凹部がカム面に沿って並ぶ凹凸面であってもよい。
[第3実施形態]
本開示の日射遮蔽装置をロールスクリーンに具体化した第3実施形態のロールスクリーンを図8〜図11を参照して説明する。第3実施形態のロールスクリーンと、第1実施形態のロールスクリーンとは、互いに異なる構成からなる通路形成部材を備える。以下では、第1実施形態のロールスクリーンと異なる構成を主に説明し、第1実施形態のロールスクリーンの構成に対応する構成に同じ符号を付してそれの説明を省略する。
[ロールスクリーンの構成]
図8が示すように、挟持部を構成する前側通路形成部材43Fは、前側案内壁21Fの内側面に支持され、また、挟持部を構成する後側通路形成部材43Bは、後側案内壁21Bの内側面に支持されている。可動部は、1又は複数の可動部材から構成されている。可動部材の一例である前側通路形成部材43Fと、可動部材の一例である後側通路形成部材43Bとは、前側通路形成部材43Fと後側通路形成部材43Bとの中間を通る鉛直面に対して、互いに面対称となる形状を有している。そのため、以下では、前側通路形成部材43Fの構成を詳細に説明し、後側通路形成部材43Bにて前側通路形成部材43Fと重複する構成の説明を省略する。
前側通路形成部材43Fは、前側案内壁21Fに固定される支持部43Mを備え、支持部43Mは、前側案内壁21Fにおける昇降方向のほぼ全体にわたる柱形状を有している。なお、可動部と案内レール21が一体に成形された構造であってもよい。また、前側通路形成部材43Fの支持部43Mは、前側案内壁21Fと一体に形成され、前側案内壁21Fの一部として構成されてもよい。支持部33Mは、昇降方向から見て円弧形状を有した抜止レバーカム43Sを、回転できる状態に支持している。抜止レバーカム43Sは、昇降方向から見て扇形状を有した出力基端部44と、出力基端部44からスクリーン13の中央側に向かって延びるレバー形状を有した入力部46とを備えている。
図9が示すように、前側通路形成部材43Fの出力基端部44は、中心軸C3を中心として、中心軸C3から後側通路形成部材43Bに向かって広がる扇形状を有している。前側通路形成部材43Fの出力基端部44は、昇降方向において、前側案内壁21Fのほぼ全体にわたりその扇形状を連続させている。出力基端部44が中心軸C3を中心として揺動できるように、支持部43Mは出力基端部44を支持している。
出力基端部44の外周面は、カム面45であり、そのカム面45は、中心軸C3を中心とする周方向に沿って複数の突部が並ぶように構成された凹凸形状を有している。また、カム面45は、中心軸C3を中心とする円Cの径方向に沿った段差が周方向に沿って繰り返されるように構成された段差面である。
カム面45と中心軸C3との間の距離であるカム径は、カム面45にて、スクリーン13の外縁部側に位置する部位ほど大きい。カム径の最小値は案内径Rであり、カム面45にて、スクリーン13の外縁部側に位置する部位ほど、そこでのカム径は大きい。なお、出力基端部44の有する形状は、カム面45にて、スクリーン13の外縁部側に位置する部位ほどカム径が大きく、かつ、カム面45が外縁部13Eを押圧できる形状であればよい。そして、出力基端部44にて、出力基端部44の全体の形状やカム径などは、こうした条件が満たされる範囲で適宜変更される。前側通路形成部材43Fのカム面45のうち、最も後側、すなわち、最も後側通路形成部材43Bに近い部分は対向部分Tであり、中心軸C3を中心としてカム面45が回転するたびに、カム面45にて、対向部分Tは変位する。
前側通路形成部材43Fの入力部46は、出力基端部44からスクリーン13の中央側、かつ、スクリーン13の前側に向かって延びる円弧形状を有している。前側通路形成部材43Fの入力部46は、昇降方向において、前側案内壁21Fのほぼ全体にわたりその円弧形状を連続させている。なお、入力部46の有する形状は、出力基端部44からスクリーン13の中央側に向かって延び、かつ、スクリーン13の面方向と交差する方向に向かってスクリーン13が動くときに、スクリーン13によって入力部46が押される形状であればよい。そして、入力部46が有する曲率半径の大小、屈曲する角度の大小、スクリーン13の左右方向での長さの長短は、スクリーン13が前側、あるいは、後側に変位する量、さらには、スクリーン13が変位する際の外縁部13Eの屈曲する角度に合わせて適宜設定される。例えば、入力部46の有する曲率半径が大きいほど、入力部46での屈曲する角度が小さいほど、さらには、スクリーン13の左右方向において、入力部46の長さが長いほど、小さいスクリーン13の変位によって抜け止めが作動する。反対に、入力部46の有する曲率半径が小さいほど、入力部46での屈曲する角度が大きいほど、さらには、スクリーン13の左右方向において、入力部46の長さが短いほど、抜け止めの作動に際し、大きいスクリーン13の変位が必要となる。こうした入力部46と出力基端部44とが連れ動くように、入力部46は出力基端部44に固定されている。
前側通路形成部材43Fの取り得る位置、すなわち、抜止レバーカム43Sの取り得る位置のうち、抜止レバーカム43Sのカム面45が最も外縁部側である位置は、第1位置の一例である案内位置である。前側通路形成部材43Fが案内位置に位置するとき、対向部分Tと中心軸C3との間の距離は、カム径の最小値である案内径Rである。これに対して、前側通路形成部材43Fの取り得る位置、すなわち、抜止レバーカム43Sの取り得る位置のうち、抜止レバーカム43Sのカム面45が案内位置よりもスクリーン13の中心側に変位した位置は、第2位置の一例である抜止位置である。前側通路形成部材43Fが抜止位置に位置するとき、対向部分Tと中心軸C3との間の距離は、案内径Rよりも大きい。
なお、支持部43Mは、案内位置でのカム面45がそれよりも外縁部側に変位することを、支持部43Mの規制部43Dと抜止レバーカム43Sとの当接によって規制する。
案内通路21Gは、前側通路形成部材43Fの抜止レバーカム43Sと、後側通路形成部材43Bの抜止レバーカム43Sとの間の空間である隙間によって構成されている。2つの抜止レバーカム43Sが案内位置に位置するとき、2つの抜止レバーカム43Sの間の隙間は、案内通路21Gに入り込んだ外縁部13Eの昇降方向に沿った移動を許容する大きさに設定されている。2つの抜止レバーカム43Sが抜止位置に位置するとき、2つの抜止レバーカム43Sの間の隙間は、案内通路21Gに入り込んだ外縁部13Eをカム面45によって押圧する大きさに設定されている。
[ロールスクリーンの作用]
次に、上記構成からなるロールスクリーンの作用を説明する。
図10が示すように、スクリーン13の外縁部13Eが、案内通路21Gに入り込んだ状態にて、前側通路形成部材43F、および、後側通路形成部材43Bは、それぞれ案内位置に位置する。この状態にて、スクリーン13の面方向と交差する方向に向かう外力、例えば、スクリーン13の中央部がスクリーン13の前側へ張出すような外力Faが、スクリーン13に作用すると、スクリーン13の外縁部13Eは、案内通路21Gから徐々に抜け始める。
この際に、スクリーン13の外縁部13Eが、スクリーン13の前側へ動くと、入力部46の一部である接触部Kとスクリーン13の外縁部13Eとが接触する。この状態から、スクリーン13の外縁部13Eがスクリーン13の前側へさらに動くと、接触部Kがスクリーン13に押されて、前側通路形成部材43Fの入力部46の先端が、図10の矢印方向に沿ってスクリーン13の前側へ動くように、入力部46は回転する。入力部46が中心軸C3を中心として回転すると、中心軸C3を中心として出力基端部44も回転する。
図11が示すように、中心軸C3を中心として出力基端部44が回転すると、出力基端部44のカム面45は、図11の二点鎖線が示す位置から、図11の実線が示す位置に変位する。これによって、対向部分Tと中心軸C3との距離が大きくなるように、出力基端部44のカム面45にて、対向部分Tの位置が変位する。結果として、前側通路形成部材43F、および、後側通路形成部材43Bは、案内通路21Gから抜ける途中のスクリーン13に追従して案内位置から抜止位置へ変位し、外縁部13Eに対する押圧を案内位置よりも高める。そして、互いに対向する2つの対向部分Tが、抜け出る途中の外縁部13Eを、高められた押圧力で押圧し、その外縁部13Eを挟み込む。これによって、スクリーン13が案内レール21から抜けることが抑えられる。
なお、外縁部13Eに加わる押圧によって、外縁部13Eは摩擦力を受け、スクリーン13がこの摩擦力を越える張力を更に受けるとき、抜止位置に変位した前側通路形成部材43F、および、後側通路形成部材43Bは、これらの隙間からスクリーン13が抜けることを許容する。
上記第3実施形態のロールスクリーンによれば上記(1)〜(6)に準じた効果に加えて以下に列挙する効果が得られる。
(7)スクリーン13の面方向と交差する方向に向かってスクリーン13が変位するとき、スクリーン13の変位量は、案内レール21に入り込んでいる外縁部13Eよりも、スクリーン13の中央側にて大きい。それゆえに、カム面45よりもスクリーン13の中央側に位置する入力部46は、こうしたスクリーン13の変位をカム面45よりも検出しやすい。そして、スクリーン13の面方向と交差する方向に向かって動くスクリーン13が、入力部46を押し、これによってカム面45が回るため、スクリーン13の張出しに対して、スクリーン13の抜止めの精度が高められる。
(8)外縁部13Eを押圧するカム面45が凹凸面であるため、カム面45が外縁部13Eを押圧するとき、外縁部13Eに作用する押圧力は、複数の突部の各々に集中する。それゆえに、カム面45から外縁部13Eに作用する押圧力が等しい前提では、外縁部13Eの単位面積当たりの押圧力が高まるため、前側通路形成部材43Fと後側通路形成部材43Bとの間の隙間から外縁部13Eが抜けることが、さらに抑えられる。
(9)前側通路形成部材43Fの抜止レバーカム43Sは、それのカム面45を入力部46よりもスクリーン13の外縁部側に位置させる。後側通路形成部材43Bの抜止レバーカム43Sもまた、それのカム面45を入力部46よりもスクリーン13の外縁部側に位置させる。そして、前側通路形成部材43Fの入力部46は、カム面45からスクリーン13の中央側、かつ、スクリーン13の前側に向かって延びる円弧形状を有している。また、後側通路形成部材43Bの入力部46は、カム面45からスクリーン13の中央側、かつ、スクリーン13の後側に向かって延びる円弧形状を有している。それゆえに、前側通路形成部材43Fと後側通路形成部材43Bとの間の隙間から外縁部13Eの全体が抜けたとしても、前側通路形成部材43Fと後側通路形成部材43Bとの間に向けて外縁部13Eが差し込まれるときに、スクリーン13の外縁部13Eは、カム面45に沿って、前側通路形成部材43Fと後側通路形成部材43Bとの境目に到達する。したがって、前側通路形成部材43Fと後側通路形成部材43Bとの間にスクリーン13の外縁部13Eを差し込むことが容易でもある。
上記第3実施形態のロールスクリーンは、以下のように変形することも可能である。
・可動部は、前側通路形成部材43Fと後側通路形成部材43Bとの両方に限らず、前側通路形成部材43Fと後側通路形成部材43Bのいずれか一方でもよい。
例えば、後側通路形成部材43Bは、それの出力基端部44のカム面形状に相当する固定の対向面を備え、後側通路形成部材43Bが有するその対向面と、前側通路形成部材43Fが有する抜止レバーカム43Sとによって、スクリーン13の外縁部13Eが挟まれてもよい。あるいは、前側通路形成部材23Fは、それの出力基端部44のカム面形状に相当する固定の対向面を備え、前側通路形成部材43Fが有するその対向面と、後側通路形成部材43Bが有する抜止レバーカム43Sとによって、スクリーン13の外縁部13Eが挟まれてもよい。こうした構成であっても、上記(7)〜(9)に準じた効果は得られる。
・出力基端部44の有する形状は、昇降方向から見て扇形状に限らず、昇降方向から見て楕円形状であってもよく、また、出力基端部44は、昇降方向から見て円形状である偏心カムであってもよい。要するに、出力基端部44の有する形状は、出力基端部44が抜止位置に位置する状態にて、出力基端部44が案内位置に位置する状態よりも、対向部分Tと中心軸C3との間の距離が大きくなる形状であればよい。こうした構成であれば、上記(7)〜(9)に準じた効果は得られる。
・抜止レバーカム43Sの昇降方向に沿った長さは、前側案内壁21Fの昇降方向に沿った長さよりも短くてもよいし、後側案内壁21Bの昇降方向に沿った長さよりも短くてもよい。この際に、前側案内壁21F、あるいは、後側案内壁21Bに複数の抜止レバーカム43Sが支持され、複数の抜止レバーカム43Sが昇降方向に沿って並んでもよい。こうした構成であれば、外縁部13Eの特定部位が外力Faを受ける際に、その特定部位と接触する抜止レバーカム43Sのみが変位する。結果として、昇降方向に並ぶ複数の可動部材のうち、スクリーン13の抜けを止めるために必要な可動部材のみが可動するため、スクリーン13の抜けを止めるために必要な可動部材の可動負荷が軽減される。
・前側通路形成部材43Fと後側通路形成部材43Bとの中間を通る鉛直面に対して、前側通路形成部材43Fの有する形状と、後側通路形成部材43Bの有する形状とは、互いに面対称でなくてもよい。例えば、前側通路形成部材43Fの抜止レバーカム43Sと、後側通路形成部材43Bの抜止レバーカム43Sとは、2つの対向部分Tが外縁部13Eを挟み込める範囲にて、ロールスクリーンの左右方向にて互いに異なる位置に配置されてもよい。こうした構成であっても、上記(7)〜(9)に準じた効果は得られる。
・前側通路形成部材43Fと後側通路形成部材43Bとは、カム面45の凸部同士が対向するような構成に限らず、一方のカム面45の凸部と、他方のカム面45の凹部とが隙間を空けて噛み合うように構成されてもよい。こうした構成であれば、上記(7)〜(9)に準じた効果に加えて、カム面45の間から外縁部13Eが抜けることが、さらに抑えられる。
・前側通路形成部材43Fの抜止レバーカム43S、および、後側通路形成部材43Bの抜止レバーカム43Sの少なくとも一方は、可撓性を有する弾性部材であってもよいし、可撓性を有しない部材であってもよい。
・抜止レバーカム43Sのカム面45は、複数の凸部、あるいは、複数の凹部がカム面に沿って並ぶ凹凸面に限らず、平坦面であってもよい。
上述した各実施形態、および、各変形例は、以下のように変形することも可能である。
・1つの案内レール21は、第1実施形態とその変形例に記載される通路形成部材、第2実施形態とその変形例に記載される通路形成部材、および、第3実施形態とその変形例に記載される通路形成部材の少なくとも1つを備える構成であればよい。例えば、1つの案内レール21が、第1実施形態に記載される通路形成部材と、第2に実施形態に記載される通路形成部材とを備えてもよいし、第1実施形態に記載される通路形成部材と、第3実施形態に記載される通路形成部材とを備えてもよい。また、例えば、1つの案内レール21が、第2実施形態に記載される通路形成部材と、第3実施形態に記載される通路形成部材とを備えてもよい。
・ロールスクリーンは、2つの案内レール21の少なくとも一方に、上述の通路形成部材を備える構成であればよい。
・ロールスクリーンの左右方向において、案内レール21の有する幅Wは以下のように設定されることが好ましい。
図12が示すように、案内レール21の内側辺21iにて昇降方向の上側の端部と、巻取軸12の端部とを結ぶ直線をスクリーン案内線Lとする。また、案内レール21の外側辺21oとスクリーン案内線Lとのなす角度を案内角θとする。そして、案内角θが25°未満であるように、案内レール21の有する幅Wが設定されることが好ましい。また、案内角θが17°以下であるように、案内レール21の有する幅Wが設定されることがより好ましい。こうした構成であれば、案内レール21から外れた外縁部13Eが、内側辺21iに摺接しながら巻取軸12に巻き取られるとしても、通常巻取られる形式に対して外縁部13Eが裏返しとなって巻き取られることが抑えられる。
[第4実施形態]
本開示の日射遮蔽装置をロールスクリーンに具体化した第4実施形態のロールスクリーンについて図13を参照して説明する。第4実施形態のロールスクリーンと、第1実施形態のロールスクリーンとは、互いに異なる構成からなるスクリーンの外縁部を備えている。以下では、第1実施形態のロールスクリーンと異なる構成を主に説明し、第1実施形態のロールスクリーンの構成に対応する構成に同じ符号を付してそれの説明を省略する。
[ロールスクリーンの構成]
図13が示すように、ロールスクリーンにおけるスクリーン13は、スクリーン本体13Bと、複数の左側外縁部13ELと、複数の右側外縁部13ERとを備えている。複数の左側外縁部13ELの各々は、スクリーン本体13Bの左側縁からスクリーン本体13Bの左側に向かって延びている。複数の右側外縁部13ERの各々は、スクリーン本体13Bの右側縁からスクリーン本体13Bの右側に向かって延びている。複数の左側外縁部13ELの各々と、複数の右側外縁部13ERの各々とは、例えば、スクリーン本体13Bに固定された樹脂などの材料からなる棒材や板材に具体化される。なお、図13においては、ロールスクリーンの一部を切り欠いて部材間の前後方向の位置の関係を示す便宜上、左側外縁部13ELと右側外縁部13ERの一部が割愛されているが、これらは、スクリーン本体13Bの昇降方向に沿って隙間を空けてスクリーン本体13Bの昇降方向の全体にわたり並んでいる。
複数の左側外縁部13ELの各々は、スクリーン本体13Bの左側に位置する左側の案内レール21において、前側通路形成部材23Fと後側通路形成部材23Bとの間の空間である案内通路21Gに導入されている。複数の右側外縁部13ERの各々は、スクリーン本体13Bの右側に位置する右側の案内レール21において、前側通路形成部材23Fと後側通路形成部材23Bとの間の空間である案内通路21Gに導入されている。
こうした構成においても、前側通路形成部材23Fと後側通路形成部材23Bとの間の隙間から各外縁部13EL,13ERが抜け始めるとき、前側通路形成部材23Fと後側通路形成部材23Bとは、各外縁部13EL,13ERに接触しながらスクリーン本体13Bに追従して変形する。結果として、前側通路形成部材23F、および、後側通路形成部材23Bの各々は、案内位置から、各外縁部13EL,13ERに対する保持力として押圧力を高める抜止位置へ変位する。そして、前側通路形成部材23Fと後側通路形成部材23Bとの間の隙間から各外縁部13EL,13ERの全てが逸脱すること、ひいては、案内レール21からスクリーン13が逸脱することが抑えられる。
上記第4実施形態のロールスクリーンは、以下のように変形することも可能である。
・可動部は、他の実施形態と同じく、前側通路形成部材23Fと後側通路形成部材23Bとの両方に限らず、前側通路形成部材23Fと後側通路形成部材23Bのいずれか一方でもよい。
・前側通路形成部材23Fと後側通路形成部材23Bとは、第2実施形態に記載の前側通路形成部材33Fと後側通路形成部材33Bとから構成されてもよいし、第3実施形態に記載の前側通路形成部材43Fと後側通路形成部材43Bとから構成されてもよい。また、案内レールは、これらの組み合わせであってもよい。
・図14が示すように、日射遮蔽装置は、ロールスクリーンに限らず、横型プリーツスクリーンであってもよい。この際、スクリーン本体13Bにおいて各外縁部13EL,13ERの接続する位置は、プリーツスクリーンの折り目13Kであってもよいし、折り目13Kでなくともよい。なお、スクリーン本体13Bにおいて各外縁部13EL,13ERの接続する位置は、プリーツスクリーンの昇降に際して前後方向に変位しない部位であることが好ましい。こうした構成であれば、プリーツスクリーンが案内レールから逸脱することが抑えられ、かつ、前側通路形成部材43Fや後側通路形成部材43Bと、各外縁部13EL,13ERとの間の摩擦などによってプリーツクリーンの折り畳みが円滑に進まなくなることも抑えられる。
[第5実施形態]
本開示の日射遮蔽装置を縦型スクリーンに具体化した第5実施形態の縦型スクリーンについて図15を参照して説明する。第5実施形態の縦型スクリーンと、第4実施形態のロールスクリーンとの間では、スクリーンの案内される方向が主に互いに異なる。以下では、第4実施形態のロールスクリーンと異なる構成を主に説明し、第4実施形態のロールスクリーンの構成に対応する構成に同じ符号を付してそれの説明を省略する。
[縦型スクリーンの構成]
図15が示すように、縦型スクリーンの備える支持部材51は、建物の壁面や天井面などに支持され、開閉方向の一例である左右方向に沿って延びるガイドレール52、ガイドレール52に垂下されてガイドレール52の延在方向に沿って移動することの可能なランナー53、および、案内レール21を備えている。第5実施形態における案内レール21は、第4実施形態における案内レール21の延在方向を左右方向に変換した構成であって、スクリーン13の前側に位置する前側通路形成部材23Fと、スクリーン13の後側に位置する後側通路形成部材23Bとを備えている。こうした支持部材は、例えば、カーテンレールなどに具体化される。
スクリーン13は、ランナー53に垂下されるスクリーンであって、ランナー53と共に左右方向に沿って移動する。スクリーン13は、スクリーン本体13Bと、複数の上側外縁部13EUとを備えている。複数の上側外縁部13EUの各々は、スクリーン本体13Bからスクリーン本体13Bの上側に向かって延びている。複数の上側外縁部13EUの各々は、第4実施形態における各外縁部13EL,13ERと同じく、例えば、スクリーン本体13Bの上側縁に固定された樹脂などの材料からなる棒材や板材に具体化される。なお、図15においては、縦型スクリーンの一部を切り欠いて部材間の前後方向の位置の関係を示す便宜上、複数の上側外縁部13EUの一部が割愛されているが、これらは、スクリーン本体13Bの左右方向に沿って隙間を空けてスクリーン本体13Bの左右方向の全体にわたり並んでいる。
複数の上側外縁部13EUの各々は、案内レール21において前側通路形成部材23Fと後側通路形成部材23Bとの間の空間である案内通路21Gに導入されている。なお、スクリーン13における上側外縁部13EUは、スクリーン本体13Bから上方に向かって延びるライン状に限らず、スクリーン本体13Bと一体に形成されて左右方向に沿って連続する帯状の外縁部であってもよいし、第1から第3実施形態に記載の外縁部であってもよい。
こうした構成においても、前側通路形成部材23Fと後側通路形成部材23Bとの間の空間から上側外縁部13EUが抜け始めるとき、前側通路形成部材23Fと後側通路形成部材23Bとは、上側外縁部13EUに接触しながらスクリーン本体13Bに追従して変形する。結果として、前側通路形成部材23F、および、後側通路形成部材23Bの各々は、案内位置から、上側外縁部13EUに対する押圧力を高める抜止位置へ変位する。そして、前側通路形成部材23Fと後側通路形成部材23Bとの間の空間から上側外縁部13EUの全てが逸脱すること、ひいては、案内レールからスクリーン13が逸脱することが抑えられる。
上記第5実施形態の縦型スクリーンは、以下のように変形することも可能である。
・可動部は、他の実施形態と同じく、前側通路形成部材23Fと後側通路形成部材23Bとの両方に限らず、前側通路形成部材23Fと後側通路形成部材23Bのいずれか一方でもよい。
・前側通路形成部材23Fと後側通路形成部材23Bとは、第2実施形態に記載の前側通路形成部材33Fと後側通路形成部材33Bとから構成されてもよいし、第3実施形態に記載の前側通路形成部材43Fと後側通路形成部材43Bとから構成されてもよい。また、案内レールは、これらの組み合わせであってもよい。
・図16が示すように、日射遮蔽装置は、縦型プリーツスクリーンであってもよい。この際、スクリーン本体13Bにおいて上側外縁部13EUの接続する位置は、プリーツスクリーンの折り目13Kであってもよいし、折り目13Kでなくともよい。なお、スクリーン本体13Bにおいて上側外縁部13EUの接続する位置は、プリーツスクリーンの開閉に際して前後方向に変位しない部位であることが好ましい。こうした構成であれば、プリーツスクリーンが案内レール21から逸脱することが抑えられ、かつ、前側通路形成部材23Fや後側通路形成部材23Bと、上側外縁部13EUとの間の過剰な摩擦が抑えられるから、プリーツクリーンの折り畳みが円滑に進む。
上記各実施形態は、以下のように変更して実施することもできる。
・各実施形態におけるスクリーンは、遮光性を有する生地、透光性を有する生地、網戸用の網目生地であってもよく、日射を遮蔽する遮蔽材であればよい。
・挟持部の挟む空間は、遮蔽材を案内する通路に限らず、遮蔽材の位置する空間であればよい。例えば、遮蔽材の保持されるべき位置に2つの通路形成部材が配置され、単に遮蔽材の位置を保持する機構として可動部が機能してもよい。
・可動部が第2位置に変位することによって保持力が高まる構成は、外縁部に対する押圧力が高まる構成に限らず、例えば、挟持部に挟まれる外縁部が凹凸面を有し、可動部が第2位置に変位することによって、外縁部の凹凸面と可動部の表面とが係合し、その係合によって保持力が高まる構成であってもよい。
・各実施形態において、スクリーンの広がる方向において2つ以上の通路形成部材が並んでもよく、スクリーンの前後方向において2つ以上の通路形成部材が並んでもよい。
図17が示すように、例えば、縦型スクリーンにおいて、2つのスクリーン13が前後方向に沿って並ぶ構成であれば、2つの前側通路形成部材43Fが、2つのスクリーン13の前側に位置し、2つの後側通路形成部材43Bが、2つのスクリーン13の後側に位置してもよい。こうした構成であれば、2つのスクリーン13の各々において、スクリーン13が案内通路21Gから抜け出ることを抑えることが可能である。
・各実施形態において、可動部(前側通路形成部材23F、後側通路形成部材23B、前側通路形成部材33F、後側通路形成部材33B、前側通路形成部材43F、後側通路形成部材43B)と案内レール21とが一体に成型された構造であってもよい。
θ…案内角、C…円、K…接触部、L…スクリーン案内線、R…案内径、T…対向部分、W,LG…幅、C1…接続部、C2…中心軸、C3…中心軸、Fa…外力、LS,LW…長さ、11…枠体、12…巻取軸、12A…回転中心、13…スクリーン、13E…外縁部、14…ウエイトバー、15…操作チェーン、21…案内レール、21B…後側案内壁、21F…前側案内壁、21G…案内通路、21i…内側辺、21o…外側辺、22…誘導部、22A…誘導内側辺、22B…後側誘導壁、22F,33F…前側誘導壁、22S…狭窄部、23B,33B,43B…後側通路形成部材、23F,33F,43F…前側通路形成部材、23M,33M…支持部、23S…抜止曲板、33D…規制部、33S…抜止カム、43S…抜止レバーカム、44…出力基端部、45…カム面、46…入力部。

Claims (10)

  1. 遮蔽材と、
    前記遮蔽材の外縁部を挟むことの可能な挟持部と、を備え、
    前記挟持部は、
    前記外縁部と接触する湾曲面、凹凸面、又は、カム面を備え、前記外縁部を挟む空間で前記外縁部の移動を許容する第1位置と、前記外縁部に対する保持力を前記第1位置よりも高める第2位置とに変位する可動部を備え、
    前記可動部は、
    前記空間から逸脱する途中の前記遮蔽材と接触可能な位置に配置され、前記空間から逸脱する途中の前記遮蔽材に追従して前記第1位置から前記第2位置へ変位する
    日射遮蔽装置。
  2. 1つの延在方向に沿って延びる形状を有して前記外縁部を前記延在方向に沿って案内する案内レールをさらに備え、
    前記案内レールが、2つの通路形成部材から構成される前記挟持部を備え、
    前記2つの通路形成部材の少なくとも一方は前記可動部であり、
    前記2つの通路形成部材は、前記第1位置において、前記延在方向に沿った前記外縁部の移動を案内する
    請求項1に記載の日射遮蔽装置。
  3. 前記可動部は、前記第2位置において前記遮蔽材を押圧して前記保持力を高める
    請求項1または2に記載の日射遮蔽装置。
  4. 前記可動部は、軸を中心として回転する前記カム面を有するカムであり、前記カム面にて前記外縁部と対向する部分が、前記外縁部を押圧できる対向部分であり、
    前記カム面が前記第1位置から回転して前記第2位置に位置する状態では、前記カム面が前記第1位置に位置する状態よりも、前記対向部分と前記軸との間の距離が大きい
    請求項1から3のいずれか1つに記載の日射遮蔽装置。
  5. 前記可動部は、前記カム面に連結し、前記カム面に回転力を入力する入力を備え、
    前記入力は、前記カム面に対して前記遮蔽材の中央側に位置し、前記空間から逸脱する途中の前記遮蔽材と接触する部分を構成し、
    前記遮蔽材の面方向と交差する方向に向けて動く前記遮蔽材が前記入力を押すことによって前記カム面が前記第1位置から前記第2位置に変位する
    請求項4に記載の日射遮蔽装置。
  6. 前記対向部分は、前記空間から逸脱する途中の前記遮蔽材と接触する部分を構成し、前記空間から逸脱する途中の前記外縁部と前記対向部分との摩擦によって前記外縁部に追従する
    請求項4または5に記載の日射遮蔽装置。
  7. 前記カム面は、前記外縁部に向けて突き出た突部の繰り返しである前記凹凸面である
    請求項4から6のいずれか1つに記載の日射遮蔽装置。
  8. 前記可動部は、前記空間から逸脱する途中の前記外縁部との摩擦によって前記遮蔽材に追従して弾性変形する弾性体であり、弾性変形による弾性力によって前記外縁部を押圧する
    請求項1から3のいずれか1つに記載の日射遮蔽装置。
  9. 前記2つの通路形成部材が、1つの挟持部であり、
    前記案内レールは、前記延在方向に沿って並ぶ複数の前記挟持部を備える
    請求項2に記載の日射遮蔽装置。
  10. 前記可動部は、
    前記可動部が前記第2位置に位置するとき、前記外縁部に対する押圧に伴う摩擦力を越える張力が前記遮蔽材に作用することによって、前記空間から前記遮蔽材が逸脱することを許容する
    請求項1から9のいずれか1つに記載の日射遮蔽装置。
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