JP6181371B2 - 燃料電池用金属セパレータ及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、燃料電池用金属セパレータ及びその製造方法に関する。詳しくは、表面処理が施された燃料電池用金属セパレータ及びその製造方法に関する。
近年、自動車の新たな動力源等として、反応ガスを電気化学反応させて発電する燃料電池が注目されている。燃料電池は、電気化学反応により直接的に電気を得るため、発電効率が高い点で好ましいとされている。また燃料電池は、発電時に無害な水しか生成しないため、環境への影響の点からも好ましいとされている。
例えば固体高分子型燃料電池は、数十個から数百個のセルが積層されたスタック構造を有する。各セルは、膜電極構造体(MEA)を、一対のセパレータで挟持して構成される。膜電極構造体は、アノード電極(陰極)及びカソード電極(陽極)と、これらの電極に挟持された電解質膜とで構成され、両電極は、電解質膜に接する触媒層と、触媒層に接するガス拡散層と、を備える。また、セパレータには、その一方の面に燃料ガス流路が形成され、他方の面に酸化剤ガス流路が形成される。
上記のような構成を備える固体高分子型燃料電池では、燃料ガス流路を介して、アノード電極に燃料ガスとしての水素を供給する。また、酸化剤ガス流路を介して、カソード電極に酸化剤ガスとしての空気を供給する。すると、アノード電極に供給された水素が触媒層上でプロトン化され、生成したプロトンが電解質膜を介してカソード電極へと移動する。このとき、プロトンとともに生成した電子が外部回路に取り出され、電気エネルギーとして利用される。
ところで、上記セパレータとしては、ステンレス製等の金属セパレータが通常用いられる。この金属セパレータに対しては、フラッディングの発生を抑制する目的で、撥水処理を施したり、酸化を抑制して膜電極構造体との接触抵抗の増大を抑制する目的で、めっき処理を施す等、種々の表面処理を施すことが知られている。例えば、金属セパレータの表面に樹脂層を形成した後、その樹脂層上に、海島状に撥水性層を形成する技術が開示されている(特許文献1参照)。
特開2007−141819号公報
ところで、膜電極構造体では、高い発電性能を発揮するためには、平準化された湿潤環境が必要である。そのため、電解質膜内部の含水量を平準化(均一化)し、電解質膜の発電面全面で均一に発電するように、電解質膜の発電面全面の湿潤状態を均一化する必要がある。
しかしながら、特許文献1の技術では、フラッディングを抑制するべく各流路を構成する溝部に撥水層を設けたものであり、膜電極構造体との接触部には親水性の樹脂層が単に設けられているのみである。そのため、特許文献1の技術では、反応生成水が膜電極構造体とセパレータとの界面において偏在し、膜電極構造体の湿潤環境を平準化できない。
本発明は上記に鑑みてなされたものであり、その目的は、膜電極構造体の湿潤環境を平準化できる燃料電池用金属セパレータ及びその製造方法を提供することにある。
上記目的を達成するため本発明は、電解質膜(例えば、後述の固体高分子電解質膜120)の両側に一対の電極(例えば、後述のカソード電極122,アノード電極124)が設けられた膜電極構造体(例えば、後述の膜電極構造体12)に積層される燃料電池用金属セパレータ(例えば、後述の第1セパレータ14,14A,14B,14C,14D,14E,14F,第2セパレータ16)であって、前記燃料電池用金属セパレータは、凹凸を有する波板状に成形され、前記燃料電池用金属セパレータの凸部(例えば、後述の凸部145,145A,145B,145C,145D,145E,145F)には貴金属薄膜(例えば、後述の貴金属薄膜147,147A,147B,147C,147D,147E,147F)が形成され、前記貴金属薄膜には、前記燃料電池用金属セパレータが露出する穴部(例えば、後述の穴部148,148A,148B,148C,148D,148E,148F)が形成されていることを特徴とする。
本発明では、燃料電池用金属セパレータを、凹凸を有する波板状に成形するとともに、その凸部の表面に、貴金属薄膜を形成する。また本発明では、貴金属薄膜中に、燃料電池用金属セパレータが露出する穴部を形成する。
ここで、貴金属薄膜は、酸化物が生成され難く、撥水性を有する特性がある。一方、穴部は、セパレータの表面上に酸化物が生成され易く、親水性を有する特性がある。そのため、膜電極構造体での反応により生成し、セパレータとの界面に流入した反応生成水は、速やかに穴部に流れ込んで保持される。これにより、膜電極構造体とセパレータとの界面において、反応生成水が偏在することがなく均一に保持されるため、膜電極構造体の湿潤環境を平準化できる。
また、例えば高負荷運転時には、多量に反応生成水が発生するため、穴部に流れ込む反応生成水量が穴部の容量を超える。すると、反応生成水は穴部から溢れ出して撥水性の貴金属薄膜上を速やかに流れ、隣接する各流路に流れ出す。これにより、高負荷運転時においても、膜電極構造体とセパレータの界面において、反応生成水が偏在することはなく、膜電極構造体の平準化された湿潤環境が維持される。
これに対して、例えば低負荷運転時には、反応生成水は少量しか発生しないため、高負荷運転時に穴部に保持されていた反応生成水が、膜電極構造体側に供給される。これにより、低負荷運転時においても、膜電極構造体の湿潤環境の変化が抑制され、平準化された湿潤環境が維持される。
従って、本発明によれば、燃料電池の運転状況によらず、膜電極構造体の湿潤環境を平準化できる。
更に、燃料電池用金属セパレータの凸部のうち、電池用金属セパレータ同士が接触する凸部の表面に、燃料電池用金属セパレータが露出する穴部の形成された貴金属薄膜が形成されることによって、電池用金属セパレータ同士の接触抵抗を抑制することもできる。
この場合、前記穴部は、前記凸部の表面に規則正しく形成されていることが好ましい。
この発明では、穴部を、接触部の表面に規則正しく形成する。これにより、膜電極構造体とセパレータとの界面において、反応生成水が偏在することがなくより均一に保持されるため、膜電極構造体の湿潤環境をより平準化できる。また、燃料電池の運転状況によらず、膜電極構造体の湿潤環境をより平準化できる。
この場合、前記穴部は、貴金属を含むドット状のインクが繋がることによって形成された前記貴金属薄膜に囲まれることで形成されていることが好ましい。
この発明では、穴部を、貴金属を含むドット状のインクが繋がることによって形成された貴金属薄膜によって囲むことで形成する。これにより、表面に格子状の貴金属薄膜が形成された燃料電池用金属セパレータを容易に得ることができる。
また、電解質膜(例えば、後述の固体高分子電解質膜120)の両側に一対の電極(例えば、後述のカソード電極122,アノード電極124)が設けられた膜電極構造体(例えば、後述の膜電極構造体12)に積層される燃料電池用金属セパレータ(例えば、後述の第1セパレータ14,14A,14B,14C,14D,14E,14F,第2セパレータ16)の製造方法であって、凹凸を有する波板状に成形された金属製の薄板の凸部(例えば、後述の凸部145,145A,145B,145C,145D,145E,145F)に、貴金属薄膜(例えば、後述の貴金属薄膜147,147A,147B,147C,147D,147E,147F)を形成する貴金属薄膜形成工程を有し、前記貴金属薄膜形成工程では、前記貴金属薄膜中に前記燃料電池用金属セパレータが露出する穴部(例えば、後述の穴部148,148A,148B,148C,148D,148E,148F)が形成されるように前記貴金属薄膜を形成することを特徴とする燃料電池用金属セパレータの製造方法を提供する。
この場合、前記貴金属薄膜形成工程では、インクジェット印刷法により、前記貴金属薄膜を形成することが好ましい。
これらの発明に係る燃料電池用金属セパレータの製造方法によれば、上述した燃料電池用金属セパレータの発明と同様の効果が奏される。特に、インクジェット印刷法を採用することで、安価で簡単な操作により、表面に格子状の貴金属薄膜が形成された燃料電池用金属セパレータを製造できる。
本発明によれば、膜電極構造体の湿潤環境を平準化できる燃料電池用金属セパレータ及びその製造方法を提供できる。
本発明の一実施形態に係る燃料電池スタックの構成を示す斜視図である。 上記実施形態に係る発電セルの分解斜視図である。 上記実施形態に係る燃料電池スタックの縦断面図である。 上記実施形態に係る第1セパレータの断面図である。 上記実施形態に係る第1セパレータの表面に形成された貴金属薄膜を示す図であり、(A)が第1セパレータの凸部の平面図であり、(B)が(A)のA−A線端面図である。 インクジェット印刷法による貴金属薄膜形成工程を示す図である。 上記実施形態の変形例に係る第1セパレータの凸部の平面図である。 上記実施形態の変形例に係る第1セパレータの凸部の平面図である。 上記実施形態の変形例に係る第1セパレータの凸部におけるドット状のインクのパターンを示した平面図である。 上記実施形態の変形例に係る第1セパレータの凸部におけるドット状のインクのパターンを示した図であり、(A)が平面図、(B)が(A)のB−B線端面図、(C)が(A)のC−C線端面図である。 上記実施形態の変形例に係る第1セパレータの凸部におけるドット状のインクのパターンを示した平面図である。 上記実施形態の変形例に係る第1セパレータの凸部におけるドット状のインクのパターンを示した平面図である。 上記実施形態の変形例に係る貴金属を含むドット状のインクの形状を示す平面図である。
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る燃料電池スタック1の構成を示す斜視図である。燃料電池スタック1は、本発明に係る燃料電池用金属セパレータを備える燃料電池スタックである。図1に示すように、燃料電池スタック1は、電極面を水平にして鉛直方向に積層された複数の発電セル10を備える。
燃料電池スタック1の上端及び下端には、それぞれ、ターミナルプレート82,82、絶縁プレート84,84及びエンドプレート86,86が配設される。エンドプレート86,86間には、所定の締め付け荷重が付与された状態で、複数の連結バー90の両端がボルト92を介して固定されている。これにより、発電セル10の電極面に対して所定の面圧が付与されることで、接触抵抗の増大が抑制される。
図2は、本実施形態に係る発電セル10の分解斜視図である。また、図3は、本実施形態に係る燃料電池スタック1の縦断面図である。
図2及び図3に示すように、発電セル10は、膜電極構造体12と、膜電極構造体12を挟持する一対の燃料電池用金属セパレータとしての第1セパレータ14及び第2セパレータ16と、を備える。
発電セル10の長手方向(図2中のY方向)の一端側には、発電セル10の厚み方向(図2中のX方向)にそれぞれ連通する、酸化剤ガス入口連通孔22a、冷却媒体入口連通孔24a及び燃料ガス出口連通孔26bが設けられている。また、発電セル10のY方向の他端側には、発電セル10のX方向にそれぞれ連通する、燃料ガス入口連通孔26a、冷却媒体出口連通孔24b及び酸化剤ガス出口連通孔22bが設けられている。
第1セパレータ14及び第2セパレータ16は、例えば、鋼板、ステンレス鋼板、アルミニウム板等の金属板より構成される。
また、図2に示すように、第1セパレータ14の面140a、140bには、第1セパレータ14の外周縁部を周回するシール部材が一体に成形されている。同様に、第2セパレータ16の面160a,160bには、第2セパレータ16の外周縁部を周回するシール部材が一体に成形されている。シール部材としては、例えば、EPDM(エチレンプロピレンジエンゴム)、NBR(ニトリルブタジエンゴム)、フッ素ゴム、シリコーンゴム、フロロシリコーンゴム、ブチルゴム、天然ゴム、スチレンゴム、クロロプレーンゴム、又は、アクリルゴム等のシール材、クッション材、パッキン材等の弾性を有するシール材が用いられる。
膜電極構造体12は、例えば、パーフルオロスルホン酸の薄膜に水が含浸された固体高分子電解質膜120と、固体高分子電解質膜120を挟持するカソード電極122及びアノード電極124を備える。
カソード電極122及びアノード電極124は、それぞれ、カーボンペーパからなるガス拡散層と、白金合金が表面に担持された多孔質カーボン粒子をガス拡散層上に塗布することで形成された触媒層と、を備える。これら両電極は、触媒層が固体高分子電解質膜120に接するように、ガス拡散層を外側に向けて、固体高分子電解質膜120に積層される。
図2及び図3に示すように、第1セパレータ14の膜電極構造体12に対向する面140aには、酸化剤ガス入口連通孔22aと酸化剤ガス出口連通孔22bに連通する酸化剤ガス流路142が形成される。酸化剤ガス流路142は、Y方向に沿って複数延設されている。
第2セパレータ16の膜電極構造体12に対向する面160aには、燃料ガス入口連通孔26aと燃料ガス出口連通孔26bとを連通する燃料ガス流路162が形成される。燃料ガス流路162は、Y方向に沿って複数延設されている。
また、第2セパレータ16と第1セパレータ14が重なり合って一体となることにより、第1セパレータ14の面140aとは反対側の面140bと、第2セパレータ16の面160aとは反対側の面160bとで囲繞された冷却媒体流路240が形成される。冷却媒体流路240は、Y方向に沿って複数延設されている。
図3に示すように、第1セパレータ14及び第2セパレータ16は、凹部及び凸部を有する波板状の燃料電池用金属セパレータである。ここで、本発明における燃料電池用金属セパレータの凸部は、膜電極構造体12に接する凸部と、隣接する他のセパレータの凸部と接する凸部と、で構成される。
なお、これらの第1セパレータ14及び第2セパレータ16は、後述する製造方法により製造される。
図4は、本実施形態に係る金属セパレータの断面図である。具体的には、互いに隣接する第1セパレータ14及び第2セパレータ16のZ方向断面図である。
図4に示すように、第1セパレータ14の凸部は、膜電極構造体12(より詳しくは、カソード電極122のガス拡散層122a)と接触する凸部145と、ガス拡散層122aから離間する方向に突出し、後述の隣接する第2セパレータ16の凸部164と接触する凸部143と、から構成される。これらの凸部143,145は、Z方向に所定間隔ごとに複数配置される。
また、第2セパレータ16の凸部は、膜電極構造体12(より詳しくは、アノード電極124のガス拡散層124a)と接触する凸部165と、ガス拡散層124aから離間する方向に突出し、隣接する第1セパレータ14の凸部143と接触する凸部164と、から構成される。これらの凸部164,165は、Z方向に所定間隔ごとに複数配置される。
第1セパレータ14と第2セパレータ16は、同一の構成からなり、第1セパレータ14の凸部145は第2セパレータ16の凸部165に相当し、第1セパレータ14の凸部143は第2セパレータ16の凸部164に相当する。従って、以下では、第1セパレータ14の構成についてのみ、詳しく説明する。
図4に示すように、第1セパレータ14は、Z方向に連続する複数の凸部145及び凸部143を有する。後述するように第1セパレータ14の凹凸はプレス成形により形成されるため、凸部145は、平坦部145aと、平坦部145aのZ方向両端の角部がR形状となったR部145b,145bから構成される。また、凸部143についても平坦部144aと、平坦部144aのZ方向両端の角部がR形状となったR部144b,144bから構成される。
図4に示すように、第1セパレータ14の凸部145を、カソード電極122のガス拡散層122aに当接させることで、酸化剤ガス流路142が形成される。このとき、上述したように電極面に対して所定の面圧が付与されるところ、カーボンペーパからなるガス拡散層122aは柔軟性があるため、金属製の第1セパレータ14の凸部145の上端の一部はガス拡散層122a内に埋没する。そのため、平坦部145aに加えてR部145b,145bも、ガス拡散層122aに接触している。
従って、第1セパレータ14の凸部145のうち、膜電極構造体12(より詳しくは、カソード電極122のガス拡散層122a)と接触している部分である接触部146は、第1セパレータ14の凸部145を構成する平坦部145a及びR部145b,145bにより構成される。本実施形態では、この接触部146の表面全体に、格子状の貴金属薄膜147が形成される。より具体的には、凸部145の接触部146にのみ、貴金属薄膜が形成されており、凹部には貴金属薄膜は形成されていない。
一方、第1セパレータ14の凸部143は、第2セパレータ16の凸部164と当接する。第1セパレータ14の凸部143が第2セパレータ16の凸部164と当接することで、冷却媒体流路240が形成される。第1セパレータ14と第2セパレータ16は両方金属性であるので、互いに埋没することはない。従って、第1セパレータ14の凸部143のうち平坦部144aが、第2セパレータ16の凸部164との接触部に相当する。本実施形態では、この平坦部144aの表面にも格子状の貴金属薄膜が形成される。より具体的には、凸部143の平坦部144aにのみ貴金属薄膜が形成されており、凹部には貴金属薄膜は形成されていない。
平坦部144aの表面に形成されるが格子状の貴金属薄膜は、接触部146の表面に形成されるが格子状の貴金属薄膜と同様の構成であるので、平坦部144aの表面に形成されるが格子状の貴金属薄膜については詳しく説明しない。
図5は、本実施形態に係る第1セパレータ14の表面に形成された貴金属薄膜147を示す図であり、(A)が第1セパレータ14の凸部145と膜電極構造体12との接触部146の平面図であり、(B)が(A)のA−A線端面図である。
図5(A)に示すように、貴金属薄膜147は、接触部146、つまり凸部145のうち膜電極構造体12(より詳しくは、カソード電極122のガス拡散層122a)と接触している部分に、格子状に形成される。また、格子状に貴金属薄膜147が形成されることで、図5(B)に示すように、貴金属薄膜147に囲繞されかつ第1セパレータ14の表面が露出した穴部148が格子状に複数形成される。なお、接触部146のZ方向の両端部149,149には、穴部148は形成されていない。
ここで、格子状に貴金属薄膜147が形成されるとともに穴部148が格子状に複数形成された形状とは、貴金属薄膜147に穴部148が設けられ、穴部148から金属セパレータ表面が露出し、穴部148が規則正しく配置されている形状を意味する。「規則正しく」とは、大部分の穴部148の中心が、図5(A)に示すような複数の仮想直線L上に、所定の間隔をあけて配置されることを意味する。なお、仮想直線Lは、凸部145に複数形成されていてよい。このように穴部148が規則正しく配置されることで、排出された反応生成水の移動をコントロールすることができる。つまり、凸部145の中央に存在する反応生成水が仮想直線L上の貴金属薄膜上を次から次へと移動していき、隣接する各流路に排出することができる。これに対して、穴部148が不規則に配置された場合には、ある部分で反応生成水の移動が阻害され、反応生成水の移動がコントロールできなくなる。
本実施形態では、複数の穴部148の形状が平面視で略円形状となるように、接触部146の表面上に貴金属薄膜147が格子状に形成されている。穴部148の形状は、楕円等の滑らかな曲線で囲まれた形状であってもよい。格子状に形成された貴金属薄膜147の格子間隔Wは、50〜200μmの範囲内に設定される。また、複数の穴部148の直径も、50〜200μmの範囲内に設定される。これらの範囲内に設定されることで、後述する本実施形態の効果がより確実に発揮される。
なお、本実施形態では、固体高分子電解質膜120の厚みは20μm〜50μmであるのに対して、貴金属薄膜147の厚みは10nm〜100nmである。また、凸部145の接触部146上における貴金属薄膜147の面積率は、40〜80%であり、好ましくは55〜65%である。
貴金属薄膜147を構成する貴金属としては、例えば、金、銀、ロジウム、白金や、これらを主成分とする合金等を用いることができる。本実施形態では、貴金属として金が用いられ、これにより、接触部146の表面上に格子状の金薄膜が形成される。
なお、貴金属薄膜147は、酸化物を生成し難く、撥水性を有する特性があることから、接触部146に貴金属薄膜147を形成することで、第1セパレータ14と膜電極構造体12との接触抵抗の増大が抑制され、端子電圧の低下が抑制される。
以上の構成を備える本実施形態に係る燃料電池スタック1は、以下のように動作する。
図2に戻って、先ず、図示しない酸化剤ガス供給装置により、酸化剤ガスを燃料電池スタック1に供給する。すると、供給された酸化剤ガスは、酸化剤ガス入口連通孔22aから流入して、固体高分子電解質膜120と第1セパレータ14との間に形成される酸化剤ガス流路142を流通する。これにより、カソード電極122に酸化剤ガスが供給される。
またこのとき、図示しない燃料ガス供給装置により、燃料ガスを燃料電池スタック1に供給する。すると、供給された燃料ガスは、燃料ガス入口連通孔26aから流入して、固体高分子電解質膜120と第2セパレータ16との間に形成される燃料ガス流路162を流通する。これにより、アノード電極124に燃料ガスが供給される。
またこのとき、図示しない冷却媒体供給装置により、冷却媒体を燃料電池スタック1に供給する。すると、供給された冷却媒体は、冷却媒体入口連通孔24aから流入して、第1セパレータ14と第2セパレータ16との間に形成される冷却媒体流路240を流通する。
膜電極構造体12では、カソード電極122に供給された酸化剤ガスと、アノード電極124に供給された燃料ガスとの電気化学反応が進行することで、発電が行われる。発電による発熱で加熱された膜電極構造体12は、冷却媒体流路240を流通する冷却媒体により冷却される。
また発電の際には、電気化学反応に伴って、カソード側で水が生成し、アノード側へは固体高分子電解質膜120を介して移動する。この反応生成水は、各ガス流路を流通して排出される他、各セパレータの凸部145と膜電極構造体12との接触部146の界面に流入する。このとき、接触部146の界面に流入した反応生成水は、各セパレータの接触部146上に形成された格子状の貴金属薄膜147上を速やかに流れて穴部148に流れ込み、穴部148内に保持される。
その後、カソード電極122に供給されて消費された酸化剤ガスは、酸化剤ガス出口連通孔22bから排出され、アノード電極124に供給されて消費された燃料ガスは、燃料ガス出口連通孔26bから排出される。また、膜電極構造体12の冷却に利用された冷却媒体は、冷却媒体出口連通孔24bから排出される。
次に、本発明の一実施形態に係る燃料電池用金属セパレータの製造方法について説明する。本実施形態に係る燃料電池用金属セパレータの製造方法は、成形工程と、貴金属薄膜形成工程と、を有する。
成形工程では、金属製の薄板を、プレス成形により波板状に成形する。具体的には、金属製の薄板を、従来公知のプレス成形装置により絞り成形することで、凹凸を有する波板状に成形する。金属製の薄板としては、例えば、鋼板、ステンレス鋼板、アルミニウム板等が用いられる。
貴金属薄膜形成工程では、凹凸を有する波板状に成形された金属製の薄板の凸部のうち、膜電極構造体に積層する際に膜電極構造体に接触する接触部の表面に、貴金属薄膜を形成する。より詳しくは、貴金属薄膜中に、第1セパレータが露出する穴部が形成されるように、貴金属薄膜を形成する。本実施形態では、貴金属薄膜を形成する手法として、インクジェット印刷法が採用される。
図6は、インクジェット印刷法による貴金属薄膜形成工程を示す図である。図6に示すように、インクジェット印刷法で用いられるインクジェット装置5は、インク50が収容されたインク用容器52と、インク50を供給するためのインク供給ライン54と、インク供給ライン54により供給されたインク50を第1セパレータ14の接触部146に向けて吐出する図示しない複数の吐出ノズルを備えたインクジェットヘッド56と、を備える。
インク50としては、貴金属微粒子を、分散剤の作用で有機溶媒中に分散してなるインクが用いられる。分散剤としては、親水基及び疎水基を有する分散剤が用いられ、親水基が貴金属微粒子の表面に配位し、疎水基により溶媒和することで、貴金属微粒子は有機溶媒中に安定的に分散される。
貴金属微粒子としては、例えば、金微粒子、銀微粒子、ロジウム微粒子、白金微粒子等を用いることができ、本実施形態では、貴金属微粒子として金微粒子が用いられる。なお、貴金属微粒子の粒子径は、数10nm以下に設定される。
インクジェットヘッド56が備える吐出ノズルは、隣接する複数の接触部146間の間隔と同等の間隔で複数設けられている。複数の吐出ノズルがインクジェットヘッド56に設けられているため、規則的な模様を複数の凸部145の接触部146上に同時に作成することができる。即ち、これらの吐出ノズルにより、接触部146上にインク50による格子状パターンを描画することが可能となっている。
インクジェット印刷を実行する際には、インクジェットヘッド56の幅と描画幅との関係により必要に応じて、図示しないスキャン機構によりインクジェットヘッド56をスキャンさせながら、図示しない搬送機構により第1セパレータ14を搬送する。これにより、第1セパレータ14の接触部146全体に、インク50による格子状パターンが描画される。
インクジェット装置5により、接触部146上にインク50による格子状パターンを描画した後は、図示しない加熱装置による熱処理を実施する。熱処理条件は、使用するインクの種類に応じて設定され、例えば300℃で30分間の熱処理を実施する。すると、インク50中の有機成分(分散剤及び有機溶媒)が酸化分解されて除去されるとともに、残る貴金属微粒子同士が焼結して一体化することで、貴金属薄膜が形成される。このとき、インク50による格子状パターンは維持され、格子状の貴金属薄膜が形成される。
なお、インクジェット印刷法により貴金属薄膜を形成する前には、従来公知の洗浄処理を実施する。例えば、成形工程後の金属製の薄板に対して、脱脂処理としてアルカリ洗浄を実施した後、プラズマ洗浄やUVオゾン洗浄を実施してから貴金属薄膜形成工程に供する。これにより、燃料電池用金属セパレータとの密着性が良好な貴金属薄膜の形成が可能となる。
本実施形態によれば、以下の効果が奏される。
本実施形態では、金属製の第1セパレータ14を、凹凸を有する波板状に成形するとともに、その凸部145の表面に、貴金属薄膜147を形成する。また本実施形態では、貴金属薄膜147中に、第1セパレータ14が露出する穴部148を形成する。
ここで、貴金属薄膜147は、酸化物が生成され難く、撥水性を有する特性がある。一方、穴部148は、第1セパレータ14の表面上に酸化物が生成され易く、親水性を有する特性がある。そのため、膜電極構造体12での反応により生成し、第1セパレータ14との界面に流入した反応生成水は、速やかに穴部148に流れ込んで保持される。これにより、膜電極構造体12と第1セパレータ14との界面において、反応生成水が偏在することがなく均一に保持されるため、膜電極構造体12の湿潤環境を平準化できる。
また、例えば高負荷運転時には、多量に反応生成水が発生するため、穴部148に流れ込む反応生成水量が穴部148の容量を超える。すると、反応生成水は穴部148から溢れ出して撥水性の貴金属薄膜147上を速やかに流れ、隣接する各流路に流れ出す。これにより、高負荷運転時においても、膜電極構造体12と第1セパレータ14の界面において、反応生成水が偏在することはなく、膜電極構造体12の平準化された湿潤環境が維持される。
これに対して、例えば低負荷運転時には、反応生成水は少量しか発生しないため、高負荷運転時に穴部148に保持されていた反応生成水が、膜電極構造体12側に供給される。これにより、低負荷運転時においても、膜電極構造体12の湿潤環境の変化が抑制され、平準化された湿潤環境が維持される。
従って、本実施形態によれば、燃料電池の運転状況によらず、膜電極構造体12の湿潤環境を平準化できる。
更に、金属製の第1セパレータ14の凸部のうち、金属製の第2セパレータ16の凸部との接触部(平坦部144a)の表面に、金属製の第1セパレータ14が露出する穴部の形成された貴金属薄膜が形成されることによって、第1セパレータ14と第2セパレータ16との接触抵抗を抑制することもできる。
なお、貴金属薄膜147と穴部148の位置を逆にした逆格子パターンの場合、即ち、第1セパレータ14の凸部145の接触部146に貴金属薄膜147が島状に規則正しく配置された場合には、膜電極構造体12と第1セパレータ14との界面に流入した反応生成水の流通方向をコントロールできず、界面において反応生成水が偏在するため、膜電極構造体12の湿潤環境を平準化できない。
また本実施形態では、穴部148を、接触部146の表面に規則正しく形成する。これにより、膜電極構造体12と第1セパレータ14との界面において、反応生成水が偏在することがなくより均一に保持されるため、膜電極構造体12の湿潤環境をより平準化できる。また、燃料電池の運転状況によらず、膜電極構造体12の湿潤環境をより平準化できる。
また本実施形態に係る燃料電池用金属セパレータの製造方法によれば、上述の効果と同様の効果が奏される。特に、インクジェット印刷法を採用することで、安価で簡単な操作により、表面に格子状の貴金属薄膜が形成された燃料電池用金属セパレータを製造できる。
より詳しくは、例えばめっき処理では、格子状の貴金属薄膜を形成するためにはマスキングが必要となるうえ、めっき処理後には研磨処理や薬液除去のための洗浄及び乾燥処理が必要となり、操作が煩雑化してコスト高となる。これに対してインクジェット印刷では、マスキング無しで所望の位置に格子状の貴金属薄膜147を形成できるうえ、印刷後には熱処理するのみでよく、操作が簡素化されてコストを削減できる。更には、インクジェット印刷の特性として、より薄くてムラの無い均一な貴金属薄膜147を形成できるため、高価な貴金属の使用量を抑制しつつ上述の効果が得られる。
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれる。
上記実施形態では、図5(A)に示したように穴部148は、複数の仮想直線L上に所定の間隔をあけて配置されるとともに、Z方向においても隣接する穴部148の全てが同一直線上に配置されていたが、これに限定されない。例えば、図7は、上記実施形態の変形例に係る第1セパレータ14Aの凸部145Aと膜電極構造体との接触部146Aの平面図であるが、この図7に示すように、穴部148Aを、複数の仮想直線L上に所定の間隔をあけて配置し、Z方向において隣接する穴部148Aを所定間隔ずらして配置してもよい。
また、図8も上記実施形態の変形例に係る第1セパレータ14Bの凸部145Bと膜電極構造体との接触部146Bの平面図であるが、この図8に示すように、穴部148Bが、接触部146BのZ方向の両端部149B,149Bに形成されていてもよい。この変形例によれば、各流路に隣接するZ方向の両端部149B,149Bには、貴金属薄膜147Bが形成されている部分と、穴部148Bが形成されている部分とが存在し、機能が異なる部分が存在することとなる。これにより、貴金属薄膜147Bが形成されている部分では、反応生成水をはじいて反応ガスを円滑に導入できる。また穴部148Bが形成されている部分では、金属セパレータの表面に酸化物が生成されるため、反応生成水を導入(引き寄せ)て、隣接する各流路に効率良く排出できる。
なお、穴部148Bは、平坦部145aからR部145bの領域に亘って設けてもよく、R部145bのみに設けてもよい。
また、上記実施形態では、複数の穴部148の形状が平面視で略円形状となるように貴金属薄膜147を形成したが、例えば、複数の穴部の形状が略三角形状や略四角形状となるように貴金属薄膜を形成してもよい。複数の穴部の形状が略三角形状や略四角形状となるように貴金属薄膜を形成した上記実施形態の変形例を図9〜12に示す。図9〜12に示すように、貴金属を含む複数のドット状のインクを繋げることによって、穴部の形状を略三角形状や略四角形状にすることができる。
例えば、図9は上記実施形態の変形例に係る第1セパレータ14Cの凸部145Cと膜電極構造体との接触部146Cにおける貴金属を含むドット状のインクのパターンを示した平面図である。図9に示すように、貴金属薄膜147Cは複数の真円状のドット150Cによって形成される。複数の真円状のドット150CはY方向とZ方向に規則正しく配列し、隣り合うドット150C同士が接している。4つのドット150Cによって囲まれることで穴部148Cが形成される。穴部148Cは、略四角形状であり、ドット150Cと同様にY方向とZ方向に規則正しく配列される。
また、図10も上記実施形態の変形例に係る第1セパレータ14Dの凸部145Dと膜電極構造体との接触部146Dにおける貴金属を含むドット状のインクのパターンを示した図であり、(A)が平面図、(B)が(A)のB−B線端面図、(C)が(A)のC−C線端面図である。図10の(A)に示すように、貴金属薄膜147Dは複数の真円状のドット150Dによって形成される。複数の真円状のドット150Dは、図9に示したパターンと同様に、Y方向とZ方向に規則正しく配列しているが、Y方向とZ方向に隣り合うドット150D同士が一部重複している。隣り合うドット150D同士が重複している領域の形状及び大きさは全て同一となっている。4つのドット150Dによって囲まれることで穴部148Dが形成される。穴部148Dは、略四角形状であり、ドットと同様にY方向とZ方向に規則正しく配列される。
また、図10の(B)及び(C)に示すように、隣り合うドット150D同士が重複している箇所は、重複していない箇所よりも貴金属薄膜147Dの膜厚が厚くなっている。この膜厚が厚い箇所は、反応生成水を穴部148Dへと誘導するガイド壁として作用する。これにより、反応生成水が穴部148Dに効率良く誘導されて保持される。
また、図11も上記実施形態の変形例に係る第1セパレータ14Eの凸部145Eと膜電極構造体との接触部146Eにおける貴金属を含むドット状のインクのパターンを示した平面図である。図11に示すように、貴金属薄膜147Eは複数の真円状のドット150Eによって形成される。複数の真円状のドット150EはY方向に規則正しく配列し、Z方向で隣り合うドット150E同士はドットの半径分だけY方向にずれて配置され、隣り合うドット150E同士が接している。つまり、図11に示された貴金属を含むドット状のインクのパターンは、ドット150Eが平面上に最密に充填されているパターンである。ドット150Eは3つのドット150Eによって囲まれることで穴部148Eが形成される。穴部148Eは、略三角形状であり、Y方向及びZ方向に規則正しく配列される。
また、図12も上記実施形態の変形例に係る第1セパレータ14Fの凸部145Fと膜電極構造体との接触部146Fにおける貴金属を含むドット状のインクのパターンを示した平面図である。図12に示すように、貴金属薄膜147Fは複数の真円状のドット150Fによって形成される。複数の真円状のドット150Fは、一部(補助線153,153上に配置されたドット150F)が規則正しく配列され、その他が不規則に配置されており、隣り合うドット150F同士が接している箇所もあれば、重複している箇所もある。ドット150Fによって囲まれることで穴部148Fは形成されるが、様々な形状及び大きさの穴部148Fが存在する。また、複数の真円状のドット150Fの一部が規則正しく配列されているので、形成された複数の穴部148Fの一部も規則正しく配列される。穴部148Fの形状としては、図12に示すように、図9や図10に示したパターンと同様の略四角形状や、図11に示したパターンと同様の略三角形状や、歪んだ略矩形状等が挙げられる。
なお、上述したように、重複している箇所は貴金属薄膜147Fの膜厚が厚くなっており、反応生成水を穴部148Fへと誘導するガイド壁として作用することで、反応生成水が穴部148Fに効率良く誘導されて保持される。
図9〜12に示される上記実施形態の変形例では、穴部を、貴金属を含むドット状のインクが繋がることによって形成された貴金属薄膜によって囲むことで形成する。これにより、表面に格子状の貴金属薄膜が形成された燃料電池用金属セパレータを容易に得ることができる。
図9〜12に示した上記実施形態の変形例では、貴金属を含むドット状のインクが、図13(a)に示すような真円のドット150であるものについて例示したが、貴金属を含むドット状のインクの形状はこれに限定されない。例えば、貴金属を含むドット状のインクは、図13(b)に示すような楕円状のドット151であっても良いし、図13(c)に示すような歪んだ円状のドット152であっても良い。
12…膜電極構造体
14,14A,14B,14C,14D,14E,14F…第1セパレータ(燃料電池用金属セパレータ)
16…第2セパレータ(燃料電池用金属セパレータ)
145,145A,145B,145C,145D,145E,145F…凸部
146,146A,146B,146C,146D,146E,146F…接触部
147,147A,147B,147C,147D,147E,147F…貴金属薄膜
148,148A,148B,148C,148D,148E,148F…穴部

Claims (3)

  1. 電解質膜の両側に一対の電極が設けられた膜電極構造体に積層される燃料電池用金属セパレータであって、
    前記燃料電池用金属セパレータは、鋼板、ステンレス鋼板又はアルミニウム板で構成されるとともに、凹凸を有する波板状に成形され、
    前記燃料電池用金属セパレータの凸部にのみ、膜厚が10nm〜100nmの貴金属薄膜が形成され、
    前記貴金属薄膜には、前記燃料電池用金属セパレータが露出する穴部が形成され、
    前記穴部は前記凸部の表面に規則正しく形成されていることを特徴とする燃料電池用金属セパレータ。
  2. 請求項1に記載の燃料電池用金属セパレータの製造方法であって、
    鋼板、ステンレス鋼板又はアルミニウム板で構成されるとともに、凹凸を有する波板状に成形された前記燃料電池用金属セパレータの凸部にのみ、膜厚が10nm〜100nmの貴金属薄膜を形成する貴金属薄膜形成工程を有し、
    前記貴金属薄膜形成工程では、前記貴金属薄膜中に前記燃料電池用金属セパレータが露出する穴部が前記凸部の表面に規則正しく形成されるように前記貴金属薄膜を形成することを特徴とする燃料電池用金属セパレータの製造方法。
  3. 前記貴金属薄膜形成工程では、インクジェット印刷法により、前記貴金属薄膜を形成することを特徴とする請求項2に記載の燃料電池用金属セパレータの製造方法。
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