JP5778044B2 - 燃料電池用樹脂枠付き電解質膜・電極構造体 - Google Patents

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本発明は、固体高分子電解質膜の両面面に、アノード電極とカソード電極とが設けられる電解質膜・電極構造体と、前記固体高分子電解質膜の外周を周回して設けられる樹脂製枠部材とを備える燃料電池用樹脂枠付き電解質膜・電極構造体に関する。
一般的に、固体高分子型燃料電池は、高分子イオン交換膜からなる固体高分子電解質膜を採用している。この燃料電池は、固体高分子電解質膜の両側に、それぞれ触媒層(電極触媒層)及びガス拡散層(多孔質カーボン)を有するアノード電極とカソード電極とを配設した電解質膜・電極構造体(MEA)を、セパレータ(バイポーラ板)によって挟持している。この燃料電池は、所定の数だけ積層して燃料電池スタックを構成するとともに、例えば、車載用燃料電池スタックとして使用されている。
この種の電解質膜・電極構造体では、一方の電極(触媒層及び拡散層)が固体高分子電解質膜よりも小さな表面積に設定されるとともに、他方の電極が前記固体高分子電解質膜と同一の表面積に設定される、所謂、段差型MEAを構成する場合がある。
例えば、特許文献1に開示されている固体高分子形燃料電池では、図8に示すように、固体高分子電解質膜1の両面に、アノード電極2とカソード電極3とが配置されている。アノード電極2及びカソード電極3は、それぞれの外周部にガスシール部4a、4bを配して、セパレータ5、6間に挟持されている。
アノード電極2は、固体高分子電解質膜1の一方の面に配置されたアノード電極触媒層2aと前記アノード電極触媒層2aの外側に配置された電極基材(拡散層)2bとを有している。カソード電極3は、固体高分子電解質膜1の他方の面に配置されたカソード電極触媒層3aと前記カソード電極触媒層3aの外側に配置された電極基材(拡散層)3bとを有している。
アノード電極触媒層2a及び電極基材2bは、同一の外形寸法を有し、カソード電極触媒層3a及び電極基材3bは、同一の外形寸法を有している。さらに、アノード電極2は、カソード電極3よりも大きな外形寸法に設定されている。
セパレータ5には、アノード電極2に燃料ガスを供給するための燃料ガス流路5aが形成されるとともに、セパレータ6には、カソード電極3に酸化剤ガスを供給するための酸化剤ガス流路6aが形成されている。
特開2009−99265号公報
上記の特許文献1では、カソード電極3の外形寸法がアノード電極2の外形寸法よりも小さく設定されており、固体高分子電解質膜1には、一方の側のみに電極が設けられた半電極部位7が構成されている。そして、カソード電極3側では、その外周端部とガスシール部4bの内周端部との間には、隙間Sが存在している。加工精度及び成形精度等の公差が存在しているからである。このため、酸化剤ガス流路6aに供給された酸化剤ガスの一部は、多孔質体である電極基材3bを透過して隙間Sから半電極部位7に侵入するおそれがある。
従って、半電極部位7では、固体高分子電解質膜1を透過した水素と、上記のように進入した酸化剤ガス中の酸素とが反応して過酸化水素(H)が発生し易い(H+O→H)。この過酸化水素は、電極中のカーボン担体や白金(Pt)上で分解し、例えば、ヒドロキシラジカル(・OH)が発生する。これにより、固体高分子電解質膜1及び電極を劣化させるという問題がある。
しかも、アノード電極2側では、半電極部位7に積層方向に対向するセパレータ5には、燃料ガス流路5aが設けられておらず、閉塞されている。このため、半電極部位7に進入した酸化剤ガスは、この半電極部位7に滞留してしまい、上記の劣化反応が促進されるという問題がある。
本発明は、この種の問題を解決するものであり、アノード触媒層の外形寸法よりも小さな外形寸法を有するカソード触媒層側から固体高分子電解質膜の端部に酸化剤ガスが進入することを阻止し、前記固体高分子電解質膜の端部劣化を有効に抑制することが可能な燃料電池用樹脂枠付き電解質膜・電極構造体を提供することを目的とする。
本発明は、固体高分子電解質膜の一方の面には、アノード触媒層及びアノード拡散層を有するアノード電極が設けられ、前記固体高分子電解質膜の他方の面には、カソード触媒層及びカソード拡散層を有するカソード電極が設けられるとともに、前記アノード触媒層の外周端部は、前記カソード触媒層の外周端部より外方に突出する電解質膜・電極構造体と、前記固体高分子電解質膜の外周を周回して設けられる樹脂製枠部材とを備える燃料電池用樹脂枠付き電解質膜・電極構造体に関するものである。
この燃料電池用樹脂枠付き電解質膜・電極構造体では、カソード触媒層の外周端部は、カソード拡散層の外周端部よりも外方に突出するとともに、樹脂製枠部材は、前記カソード電極の外周側に突出して固体高分子電解質膜の外周縁部に当接する内周膨出部を有している。そして、樹脂製枠部材の内周膨出部は、カソード触媒層の外周縁部に重なり合う重合部位を有している。
また、この燃料電池用樹脂枠付き電解質膜・電極構造体では、アノード拡散層の外周縁部には、樹脂製枠部材に一体化される樹脂含浸部が設けられるとともに、前記樹脂含浸部の内周端は、固体高分子電解質膜との積層方向に沿って重合部位の外側に位置することが好ましい。
さらに、この燃料電池用樹脂枠付き電解質膜・電極構造体では、アノード触媒層は、固体高分子電解質膜との積層方向に沿って重合部位と重なり合う領域が、アノード電極に沿って燃料ガスを供給する燃料ガス流路に対向することが好ましい。
本発明によれば、カソード触媒層の外周縁部は、カソード拡散層の外周端部よりも外方に突出するとともに、樹脂製枠部材の内周膨出部は、前記カソード触媒層の外周縁部に重なり合う重合部位を有している。このため、カソード拡散層の外周端部と樹脂製枠部材の内周膨出部との間に酸化剤ガスが透過する隙間が形成されていても、この隙間から固体高分子電解質膜の半電極部に酸化剤ガスが接触することがない。従って、固体高分子電解質膜の端部は、酸化剤ガスと燃料ガスとの反応により劣化することを有効且つ確実に抑制される。
本発明の実施形態に係る樹脂枠付き電解質膜・電極構造体が組み込まれる固体高分子型燃料電池の要部分解斜視説明図である。 前記燃料電池の、図1中、II−II線断面説明図である。 前記樹脂枠付き電解質膜・電極構造体の要部断面説明図である。 前記樹脂枠付き電解質膜・電極構造体の一方の面の説明図である。 前記燃料電池を構成する第1セパレータの正面説明図である。 前記樹脂枠付き電解質膜・電極構造体を製造する方法の断面説明図である。 前記樹脂枠付き電解質膜・電極構造体を製造する方法の斜視説明図である。 特許文献1に開示されている固体高分子形燃料電池の説明図である。
図1及び図2に示すように、本発明の実施形態に係る樹脂枠付き電解質膜・電極構造体10は、長方形状の固体高分子型燃料電池12に組み込まれるとともに、複数の前記燃料電池12が矢印A方向に積層されて燃料電池スタックが構成される。
燃料電池12は、樹脂枠付き電解質膜・電極構造体10を第1セパレータ14及び第2セパレータ16で挟持する。第1セパレータ14及び第2セパレータ16は、縦長の長方形状を有し、例えば、鋼板、ステンレス鋼板、アルミニウム板、めっき処理鋼板、あるいはその金属表面に防食用の表面処理を施した金属板や、カーボン部材等で構成されている。
図2及び図3に示すように、長方形状の樹脂枠付き電解質膜・電極構造体10は、電解質膜・電極構造体10aを備えるとともに、前記電解質膜・電極構造体10aは、例えば、パーフルオロスルホン酸の薄膜に水が含浸された固体高分子電解質膜18と、前記固体高分子電解質膜18を挟持するアノード電極20及びカソード電極22とを有する。固体高分子電解質膜18は、フッ素系電解質の他、HC(炭化水素)系電解質が使用される。カソード電極22は、固体高分子電解質膜18及びアノード電極20よりも小さな表面積を有する。
アノード電極20は、固体高分子電解質膜18の一方の面18aに接合される電極触媒層(アノード触媒層)20aと、前記電極触媒層20aに積層されるガス拡散層(アノード拡散層)20bとを設ける。電極触媒層20a及びガス拡散層20bは、同一の外形寸法を有するとともに、固体高分子電解質膜18と同一(又は同一未満)の外形寸法に設定される。
カソード電極22は、固体高分子電解質膜18の面18bに接合される電極触媒層(カソード触媒層)22aと、前記電極触媒層22aに積層されるガス拡散層(カソード拡散層)22bとを設ける。図3に示すように、電極触媒層22aの外周端部22aeは、全周に亘ってガス拡散層22bの外周端部22beよりも外方(矢印C方向外方)に長さL1だけ突出するとともに、前記電極触媒層22aは、固体高分子電解質膜18の外形寸法よりも小さな外形寸法に設定される。
電極触媒層20a、22aは、カーボンブラックに白金粒子を担持した触媒粒子を形成し、イオン導伝性バインダーとして高分子電解質を使用し、この高分子電解質の溶液中に前記触媒粒子を均一に混合して作製された触媒ペーストを、固体高分子電解質膜18の両面に印刷、塗布又は転写することによって構成される。ガス拡散層20b、22bは、カーボンペーパ、カーボンクロス等からなるとともに、前記ガス拡散層22bの平面寸法は、前記ガス拡散層20bの平面寸法よりも小さく設定される。なお、電極触媒層20a、22aは、それぞれ複数の層から構成してもよい。
図1〜図4に示すように、樹脂枠付き電解質膜・電極構造体10は、固体高分子電解質膜18の外周を周回するとともに、アノード電極20及びカソード電極22に接合される樹脂製枠部材24を備える。樹脂製枠部材24は、例えば、PPS(ポリフェニレンサルファイド)、PPA(ポリフタルアミド)、PEN(ポリエチレンナフタレート)、PES(ポリエーテルサルフォン)、LCP(リキッドクリスタルポリマー)、PVDF(ポリフッ化ビニリデン)、シリコーンゴム、フッ素ゴム又はEPDM(エチレンプロピレンゴム)等で構成される。
樹脂製枠部材24は、カソード電極22の外周側に突出して固体高分子電解質膜18の外周縁部に当接する内周膨出部24aを有する。内周膨出部24aは、カソード電極22と同一の肉厚、実質的には、ガス拡散層22bと同一の肉厚を有するとともに、前記内周膨出部24aの内周端部24aeは、ガス拡散層22bの外周端部22beとの間に隙間S1を形成する(図3参照)。
樹脂製枠部材24の内周膨出部24aは、電極触媒層22aの外周縁部に積層方向(矢印A方向)に沿って重なり合う重合部位26を有する。重合部位26では、電極触媒層22aの外周端部22aeと内周膨出部24aの内周端部24aeとが長さL2に亘って重なり合っている。
樹脂製枠部材24の内周膨出部24aと固体高分子電解質膜18の外周縁部及び電極触媒層22aの外周縁部とは、接着剤層27により接着される。接着剤層27は、例えば、エステル系又はウレタン系のホットメルト接着剤が使用される。樹脂製枠部材24とアノード電極20のガス拡散層20bとは、樹脂含浸部28aにより一体化される一方、前記樹脂製枠部材24とカソード電極22のガス拡散層22bとは、樹脂含浸部28bにより一体化される。
接着剤層27は、固体高分子電解質膜18の外周縁部の全周に亘って額縁状に形成される。樹脂含浸部28aは、アノード電極20のガス拡散層20bの全周に亘って額縁状に形成されるとともに、樹脂含浸部28bは、カソード電極22を構成するガス拡散層22bの全周に亘って額縁状に形成される。樹脂含浸部28aの内周端28aeは、積層方向に沿って重合部位26の外側に長さL3だけ離間して位置する(図3参照)。
図1に示すように、樹脂製枠部材24のアノード電極20側の面24asには、上端縁部に後述する燃料ガス流路の入口側に対応する入口バッファ部29aが設けられる。樹脂製枠部材24の面24asには、下端縁部に燃料ガス流路の出口側に対応する出口バッファ部29bが設けられる。入口バッファ部29a及び出口バッファ部29bは、複数の突起部29at、29btにより構成される。
図4に示すように、樹脂製枠部材24のカソード電極22側の面24csには、上端縁部に後述する酸化剤ガス流路の入口側に対応する入口バッファ部29cが設けられる。樹脂製枠部材24の面24csには、下端縁部に酸化剤ガス流路の出口側に対応する出口バッファ部29dが設けられる。入口バッファ部29c及び出口バッファ部29dは、複数の突起部29ct、29dtにより構成される。
図1に示すように、燃料電池12の矢印C方向(図1中、重力方向)の上端縁部には、積層方向である矢印A方向に互いに連通して、酸化剤ガス、例えば、酸素含有ガスを供給するための酸化剤ガス入口連通孔30a、冷却媒体を供給するための冷却媒体入口連通孔32a、及び燃料ガス、例えば、水素含有ガスを供給するための燃料ガス入口連通孔34aが、矢印B方向(水平方向)に配列して設けられる。
燃料電池12の矢印C方向の下端縁部には、矢印A方向に互いに連通して、燃料ガスを排出するための燃料ガス出口連通孔34b、冷却媒体を排出するための冷却媒体出口連通孔32b、及び酸化剤ガスを排出するための酸化剤ガス出口連通孔30bが、矢印B方向に配列して設けられる。
第2セパレータ16の樹脂枠付き電解質膜・電極構造体10に向かう面16aには、酸化剤ガス入口連通孔30aと酸化剤ガス出口連通孔30bとに連通する酸化剤ガス流路36が設けられる。酸化剤ガス流路36の入口側(上端側)には、樹脂製枠部材24の面24csの上端縁部に設けられた入口バッファ部29cが当接するバッファ領域38aが実質的に平坦状に設けられる。このバッファ領域38aの上部側一端には、酸化剤ガス入口連通孔30aから複数本の入口連結路40aが連結される。
酸化剤ガス流路36の出口側(下端側)には、樹脂製枠部材24の面24csの下端縁部に設けられた出口バッファ部29dが接触するバッファ領域38bが設けられる。このバッファ領域38bの一端側には、酸化剤ガス出口連通孔30bから複数本の出口連結路40bが連結される。
図5に示すように、第1セパレータ14の樹脂枠付き電解質膜・電極構造体10に向かう面14aには、燃料ガス流路42が矢印C方向に延在して設けられる。
燃料ガス流路42の入口側(上端側)には、樹脂製枠部材24の面24asの上端縁部に設けられた入口バッファ部29aに接触するバッファ領域44aが設けられる。バッファ領域44aの燃料ガス入口連通孔34a側の端部には、複数本の入口連結路46aが連結されるとともに、前記入口連結路46aは、複数の供給孔部48aに連通する。
燃料ガス流路42の出口側(下端側)には、樹脂製枠部材24の面24asの下端縁部に設けられた出口バッファ部29bが当接するバッファ領域44bが設けられる。バッファ領域44bの燃料ガス出口連通孔34b側の端部には、複数本の出口連結路46bを介して排出孔部48bが連通する。
図1に示すように、第1セパレータ14の面14b側には、供給孔部48aと燃料ガス入口連通孔34aとを連通する複数本の入口連結路50a、及び排出孔部48bと燃料ガス出口連通孔34bとを連通する複数本の出口連結路50bとが設けられる。面14bには、冷却媒体入口連通孔32aと冷却媒体出口連通孔32bとを連通する冷却媒体流路52が矢印C方向に設けられる。
図2に示すように、ガス拡散層20bは、積層方向に沿って重合部位26と重なり合う領域が燃料ガス流路42に対向している。
図1及び図2に示すように、第1セパレータ14の面14a、14bには、この第1セパレータ14の外周端部を周回して、第1シール部材54が一体化される。第2セパレータ16の面16a、16bには、この第2セパレータ16の外周端部を周回して、第2シール部材56が一体化される。
図2に示すように、第1シール部材54は、第2シール部材56に当接する凸状シール54aを有する一方、前記第2シール部材56は、樹脂枠付き電解質膜・電極構造体10を構成する樹脂製枠部材24に当接する凸状シール56aを有する。第1シール部材54及び第2シール部材56は、セパレータ面に沿って薄肉状に設けられた平面シールを有する。
第1シール部材54及び第2シール部材56には、例えば、EPDM、NBR、フッ素ゴム、シリコーンゴム、フロロシリコーンゴム、ブチルゴム、天然ゴム、スチレンゴム、クロロプレーン又はアクリルゴム等のシール材、クッション材、あるいはパッキン材が用いられる。
次いで、樹脂枠付き電解質膜・電極構造体10を製造する方法について、以下に説明する。
先ず、図6及び図7に示すように、段差MEAである電解質膜・電極構造体10aが作製される。具体的には、固体高分子電解質膜18の両方の面18a、18bには、電極触媒層20a、22aが塗布される。そして、固体高分子電解質膜18の面18a側に、すなわち、電極触媒層20aにガス拡散層20bが配置されるとともに、前記固体高分子電解質膜18の面18bに、すなわち、電極触媒層22aにガス拡散層22bが配置される。これらが一体に積層されてホットプレス処理されることにより、電解質膜・電極構造体10aが作製される。
一方、樹脂製枠部材24は、射出成形機(図示せず)により予め成形される。樹脂製枠部材24は、図7に示すように、額縁形状に成形されるとともに、肉薄形状の内周膨出部24aが設けられる。樹脂製枠部材24の長手方向両端縁部には、両面に複数の突起部が形成されることにより、入口バッファ部29a、29c及び出口バッファ部29b、29dが設けられる。
次いで、図6に示すように、電解質膜・電極構造体10aでは、カソード電極22の外周から外部に露呈する固体高分子電解質膜18の外周縁部及び電極触媒層22aの外周縁部に接着剤層27が設けられる。そして、樹脂製枠部材24と電解質膜・電極構造体10aとが位置合わせされる。
樹脂製枠部材24は、内周膨出部24aがカソード電極22側に配置され、接着剤層27が加熱溶融(ホットメルト)されるとともに、荷重(プレス等)が付与される。このため、内周膨出部24aと固体高分子電解質膜18とが接着される。
さらに、アノード電極20側には、樹脂含浸部28aを形成するための樹脂部材28aaが用意される一方、カソード電極22側には、樹脂含浸部28bを形成するための樹脂部材28bbが用意される。樹脂部材28aa、28bbは、枠形状(額縁形状)を有しており、例えば、樹脂製枠部材24と同一の材料で構成される。なお、樹脂部材28aa、28bbは、樹脂製枠部材24と予め一体に構成してもよい。
そこで、電解質膜・電極構造体10aと樹脂製枠部材24とには、樹脂部材28aa、28bbが配置されて荷重が付与された状態で、前記樹脂部材28aa、28bbが加熱される。加熱方式としては、レーザ溶着、赤外線溶着やインパルス溶着等が採用される。
従って、樹脂部材28aa、28bbは、加熱溶融され、前記樹脂部材28aaは、アノード電極20を構成するガス拡散層20b及び樹脂製枠部材24に跨って含浸される。また、樹脂部材28bbは、カソード電極22を構成するガス拡散層22b及び樹脂製枠部材24に跨って含浸される。これにより、図2に示すように、樹脂枠付き電解質膜・電極構造体10が製造される。
樹脂枠付き電解質膜・電極構造体10は、第1セパレータ14及び第2セパレータ16により挟持されて燃料電池12が構成される。燃料電池12は、所定数だけ積層されて燃料電池スタックが構成されるとともに、図示しないエンドプレート間に締め付け荷重が付与される。
このように構成される燃料電池12の動作について、以下に説明する。
先ず、図1に示すように、酸化剤ガス入口連通孔30aに酸素含有ガス等の酸化剤ガスが供給されるとともに、燃料ガス入口連通孔34aに水素含有ガス等の燃料ガスが供給される。さらに、冷却媒体入口連通孔32aに純水やエチレングリコール、オイル等の冷却媒体が供給される。
このため、酸化剤ガスは、酸化剤ガス入口連通孔30aから第2セパレータ16の酸化剤ガス流路36に導入され、矢印C方向に移動して電解質膜・電極構造体10aのカソード電極22に供給される。一方、燃料ガスは、燃料ガス入口連通孔34aから供給孔部48aを通って第1セパレータ14の燃料ガス流路42に導入される。燃料ガスは、燃料ガス流路42に沿って矢印C方向に移動し、電解質膜・電極構造体10aのアノード電極20に供給される。
従って、各電解質膜・電極構造体10aでは、カソード電極22に供給される酸化剤ガスと、アノード電極20に供給される燃料ガスとが、電極触媒層内で電気化学反応により消費されて発電が行われる。
次いで、カソード電極22に供給されて消費された酸化剤ガスは、酸化剤ガス出口連通孔30bに沿って矢印A方向に排出される。同様に、アノード電極20に供給されて消費された燃料ガスは、排出孔部48bを通り燃料ガス出口連通孔34bに沿って矢印A方向に排出される。
また、冷却媒体入口連通孔32aに供給された冷却媒体は、第1セパレータ14と第2セパレータ16との間の冷却媒体流路52に導入された後、矢印C方向に流通する。この冷却媒体は、電解質膜・電極構造体10aを冷却した後、冷却媒体出口連通孔32bから排出される。
この場合、本実施形態では、図2及び図3に示すように、カソード電極22を構成する電極触媒層22aの外周端部22aeは、ガス拡散層22bの外周端部22beよりも外方に突出するとともに、樹脂製枠部材24の内周膨出部24aは、積層方向に沿って前記電極触媒層22aの外周端部22aeに重なり合う重合部位26を有している。
このため、ガス拡散層22bの外周端部22beと樹脂製枠部材24の内周膨出部24aの内周端部24aeとの間に隙間S1が形成されていても、この隙間S1から固体高分子電解質膜18に酸化剤ガスが接触することがない。従って、固体高分子電解質膜18の端部は、酸化剤ガスと燃料ガスとの反応により生成される過酸化水素や前記過酸化水素を前駆体として生成されるヒドロキシラジカル(・OH)により劣化することを有効且つ確実に抑制されるという効果が得られる。
さらに、本実施形態では、アノード電極20を構成するガス拡散層20bの全周に亘って額縁状に形成される樹脂含浸部28aは、内周端28aeが積層方向に沿って重合部位26の外側に長さL3だけ離間して位置している。しかも、図2に示すように、電極触媒層20aは、重合部位26と重なり合う領域が、アノード電極20に沿って燃料ガスを供給する燃料ガス流路42に対向している。
これにより、固体高分子電解質膜18の重合部位26に酸化剤ガスが滞留することがなく、前記酸化剤ガスをガス拡散層20bから燃料ガス流路42に円滑且つ確実に排出させることができる。このため、固体高分子電解質膜18の端部で酸化剤ガスと燃料ガスとの反応が惹起されることがなく、前記固体高分子電解質膜18の劣化を可及的に抑制することが可能になる。
10…樹脂枠付き電解質膜・電極構造体 10a…電解質膜・電極構造体
12…燃料電池 14、16…セパレータ
18…固体高分子電解質膜 20…アノード電極
20a、22a…電極触媒層 20b、22b…ガス拡散層
22…カソード電極 22ae、22be…外周端部
24…樹脂製枠部材 24a…内周膨出部
24ae…内周端部 27…接着剤層
28a、28b…樹脂含浸部 29a、29c…入口バッファ部
29b、29d…出口バッファ部 30a…酸化剤ガス入口連通孔
30b…酸化剤ガス出口連通孔 32a…冷却媒体入口連通孔
32b…冷却媒体出口連通孔 34a…燃料ガス入口連通孔
34b…燃料ガス出口連通孔 36…酸化剤ガス流路
42…燃料ガス流路 52…冷却媒体流路
54、56…シール部材

Claims (3)

  1. 固体高分子電解質膜の一方の面には、アノード触媒層及びアノード拡散層を有するアノード電極が設けられ、前記固体高分子電解質膜の他方の面には、カソード触媒層及びカソード拡散層を有するカソード電極が設けられるとともに、前記アノード触媒層の外周端部は、前記カソード触媒層の外周端部より外方に突出する電解質膜・電極構造体と、
    前記固体高分子電解質膜の外周を周回して設けられる樹脂製枠部材と、
    を備える燃料電池用樹脂枠付き電解質膜・電極構造体であって、
    前記カソード触媒層の外周端部は、前記カソード拡散層の外周端部よりも外方に突出するとともに、
    前記樹脂製枠部材は、前記カソード電極の外周側に突出して前記固体高分子電解質膜の外周縁部に当接する内周膨出部を有し、
    前記内周膨出部は、前記カソード触媒層の外周縁部に重なり合う重合部位を有することを特徴とする燃料電池用樹脂枠付き電解質膜・電極構造体。
  2. 請求項1記載の燃料電池用樹脂枠付き電解質膜・電極構造体において、前記アノード拡散層の外周縁部には、前記樹脂製枠部材に一体化される樹脂含浸部が設けられるとともに、
    前記樹脂含浸部の内周端は、前記固体高分子電解質膜との積層方向に沿って前記重合部位の外側に位置することを特徴とする燃料電池用樹脂枠付き電解質膜・電極構造体。
  3. 請求項1又は2記載の燃料電池用樹脂枠付き電解質膜・電極構造体において、前記アノード触媒層は、前記固体高分子電解質膜との積層方向に沿って前記重合部位と重なり合う領域が、前記アノード電極に沿って燃料ガスを供給する燃料ガス流路に対向することを特徴とする燃料電池用樹脂枠付き電解質膜・電極構造体。
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