JP6709053B2 - 樹脂枠付き段差meaの製造方法及び製造装置 - Google Patents

樹脂枠付き段差meaの製造方法及び製造装置 Download PDF

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Description

本発明は、固体高分子電解質膜を第1電極及び第2電極で挟んだ段差MEAと、前記段差MEAの外周に接合される樹脂枠部材とを備える燃料電池用の樹脂枠付き段差MEAの製造方法及び製造装置に関する。
一般的に、固体高分子型燃料電池は、高分子イオン交換膜からなる固体高分子電解質膜を採用している。燃料電池は、固体高分子電解質膜の一方の面にアノード電極が、前記固体高分子電解質膜の他方の面にカソード電極が、それぞれ配設された電解質膜・電極構造体(MEA)を備えている。アノード電極及びカソード電極は、それぞれ触媒層(電極触媒層)とガス拡散層(多孔質カーボン)とを有している。
電解質膜・電極構造体は、セパレータ(バイポーラ板)によって挟持されることにより、発電セル(単位燃料電池)が構成されている。発電セルは、所定の数だけ積層することにより、例えば、車載用燃料電池スタックとして使用されている。
電解質膜・電極構造体では、一方のガス拡散層が固体高分子電解質膜よりも小さな平面寸法に設定されるとともに、他方のガス拡散層が前記固体高分子電解質膜と略同一の平面寸法に設定される、所謂、段差MEAを構成する場合がある。その際、比較的高価な固体高分子電解質膜の使用量を削減させるとともに、薄膜状で強度が低い前記固体高分子電解質膜を保護するために、樹脂枠部材を組み込んだ樹脂枠付きMEAが採用されている。
例えば、特許文献1には、簡単且つ経済的な構成で、段差MEAと樹脂枠部材とを容易且つ正確に組み付けることが可能な燃料電池用樹脂枠付き電解質膜・電極構造体が提案されている。この特許文献1では、第2ガス拡散層(小CP側)の外周端面と内周突部の内側端面との隙間である第1間隔は、第1ガス拡散層(大CP側)の外周端面と前記内側端面との隙間である第2間隔とは異なる寸法に設定されている。
このため、第2ガス拡散層の外周端面(又は第1ガス拡散層の外周端面)と内周突部の内側端面との隙間を基準にして位置決めすることにより、段差MEAと樹脂枠部材との取り付け作業を行うことができる。従って、隙間の小さな一方の位置決めを行うだけで、隙間の大きな他方は、前記一方の位置決めに追随して位置決めすることが可能になる、としている。
特開2014−011125号公報
ところで、段差MEAと樹脂枠部材とを接合するための接着剤として、ホットメルトが使用される際、接合時の荷重により前記ホットメルトが樹脂枠部材と段差MEAとの間から押し出される場合がある。このため、ホットメルトは、樹脂枠部材の厚さ方向外側に流出してしまい、例えば、反応ガスの流れを阻害して発電性能が低下するという問題がある。
本発明は、この種の課題を解決するものであり、簡単な工程及び構成で、接着剤が外部に流出されることを確実に抑制することが可能な樹脂枠付き段差MEAの製造方法及び製造装置を提供することを目的とする。
本発明は、段差MEAと樹脂枠部材とを有する燃料電池用の樹脂枠付き段差MEAの製造方法及び製造装置に関するものである。段差MEAでは、固体高分子電解質膜の一方の面には、第1電極が設けられ、前記固体高分子電解質膜の他方の面には、第2電極が設けられるとともに、前記第1電極の平面寸法は、前記第2電極の平面寸法よりも大きな寸法に設定されている。樹脂枠部材は、固体高分子電解質膜の、第2電極の外方に露呈する外周面に接合されている。
この製造方法は、固体高分子電解質膜の外周面と樹脂枠部材とを、接着剤を介装して重ね合わせる工程と、プレスプレートにより前記樹脂枠部材を押圧する工程を有している。プレスプレートは、樹脂枠部材に当接する押圧面を有し、前記押圧面から少なくとも前記樹脂枠部材の内周と第2電極の外周端面との間に突出し、且つ前記第2電極の外周端面に接触する突出部が設けられている。
また、この製造方法では、プレスプレートは、押圧面とは反対の面に配置される弾性部材を介して押圧されることが好ましい。
さらに、この製造装置では、固体高分子電解質膜の外周面と樹脂枠部材とを、接着剤を介装して重ね合わせた状態で、前記樹脂枠部材を段差MEAに向かって押圧させるプレスプレートを備えている。そして、プレスプレートは、樹脂枠部材に当接する押圧面と、前記押圧面から少なくとも前記樹脂枠部材の内周と第2電極の外周端面との間に突出し、且つ前記第2電極の外周端面に接触する突出部と、を設けている。
さらにまた、この製造装置では、プレスプレートの押圧面とは反対の面に配置される弾性部材を備えることが好ましい。
本発明によれば、接合時に、プレスプレートにより樹脂枠部材が押圧されるとともに、前記プレスプレートに設けられた突出部は、前記樹脂枠部材の内周と第2電極の外周端面との間に突出している。このため、簡単な工程及び構成で、接着剤は、樹脂枠部材や第2電極の厚さ方向外方に流れ出すことがない。
従って、流れ出した接着剤により、例えば、反応ガス流路が閉塞されることを可及的に抑制することができ、発電性能が低下することを確実に阻止することが可能になる。
本発明の製造方法が適用される第1の実施形態に係る樹脂枠付き段差MEAが組み込まれる固体高分子型発電セルの要部分解斜視説明図である。 前記発電セルの、図1中、II−II線断面説明図である。 前記製造方法において、前記樹脂枠付き電解質膜・電極構造体を構成するCCMを形成する際の説明図である。 前記樹脂枠付き段差MEAを製造する製造装置の概略説明図である。 前記製造装置の動作説明図である。 本発明の製造方法が適用される第2の実施形態に係る樹脂枠付き段差MEAの要部断面説明図である。
図1及び図2に示すように、本発明の製造方法が適用される第1の実施形態に係る樹脂枠付き段差MEA(電解質膜・電極構造体)10は、横長(又は縦長)の長方形状の固体高分子型発電セル(燃料電池)12に組み込まれる。複数の発電セル12は、例えば、矢印A方向(水平方向)又は矢印C方向(重力方向)に積層されて燃料電池スタックが構成される。燃料電池スタックは、例えば、車載用燃料電池スタックとして燃料電池電気自動車(図示せず)に搭載される。
発電セル12は、樹脂枠付き段差MEA10をアノードセパレータ14及びカソードセパレータ16で挟持する。アノードセパレータ14及びカソードセパレータ16は、横長(又は縦長)の長方形状を有する。アノードセパレータ14及びカソードセパレータ16は、例えば、鋼板、ステンレス鋼板、アルミニウム板、めっき処理鋼板、あるいはその金属表面に防食用の表面処理を施した金属板や、カーボン部材等で構成される。
長方形状の樹脂枠付き段差MEA10は、段差MEA10aを備える。図2に示すように、段差MEA10aは、例えば、水分を含んだパーフルオロスルホン酸の薄膜である固体高分子電解質膜18と、前記固体高分子電解質膜18を挟持するアノード電極(第1電極)20及びカソード電極(第2電極)22とを有する。固体高分子電解質膜18は、陽イオン交換膜であり、フッ素系電解質の他、HC(炭化水素)系電解質を使用してもよい。
カソード電極22は、固体高分子電解質膜18及びアノード電極20よりも小さな平面寸法(外形寸法)を有するとともに、前記固体高分子電解質膜18と前記アノード電極20とは、同一の平面寸法を有する。なお、上記の構成に代えて、アノード電極20は、固体高分子電解質膜18及びカソード電極22よりも小さな平面寸法を有するように構成してもよい。その際、アノード電極20は、第2電極となり、カソード電極22は、第1電極となる。
図2に示すように、アノード電極20は、固体高分子電解質膜18の一方の面18aに接合される第1電極触媒層20aと、前記第1電極触媒層20aに積層される第1ガス拡散層20bとを設ける。第1電極触媒層20a及び第1ガス拡散層20bは、同一の平面寸法(外形寸法)を有するとともに、固体高分子電解質膜18と同一(又は同一未満)の平面寸法に設定される。なお、第1電極触媒層20aは、第1ガス拡散層20bよりも小さな平面寸法(又は大きな平面寸法)に設定されてもよい。
カソード電極22は、固体高分子電解質膜18の面18bに接合される第2電極触媒層22aと、前記第2電極触媒層22aに積層される第2ガス拡散層22bとを設ける。第2電極触媒層22a及び第2ガス拡散層22bは、同一の平面寸法を有するとともに、固体高分子電解質膜18の平面寸法よりも小さな平面寸法に設定される。固体高分子電解質膜18の面18b側の外周縁部には、カソード電極22の外方に露呈する露出面18beが設けられる。
なお、第2電極触媒層22aと第2ガス拡散層22bとは、同一の平面寸法に設定されているが、前記第2電極触媒層22aの平面寸法は、前記第2ガス拡散層22bの平面寸法よりも大きな寸法(又は小さな寸法)を有してもよい。
第1電極触媒層20aは、例えば、白金合金が表面に担持された多孔質カーボン粒子が、第1ガス拡散層20bの表面に一様に塗布されて形成される。第2電極触媒層22aは、例えば、白金合金が表面に担持された多孔質カーボン粒子が、第2ガス拡散層22bの表面に一様に塗布されて形成される。
第1ガス拡散層20bは、多孔性と導電性を有するマイクロポーラス層20b(m)と、カーボンペーパ又はカーボンクロス等のカーボン層20b(c)とから形成される。第2ガス拡散層22bは、多孔性と導電性を有するマイクロポーラス層22b(m)と、カーボンペーパ又はカーボンクロス等のカーボン層22b(c)とから形成される。第2ガス拡散層22bの平面寸法は、第1ガス拡散層20bの平面寸法よりも小さく設定される。
第1電極触媒層20a及び第2電極触媒層22aは、固体高分子電解質膜18の両面に形成される。なお、マイクロポーラス層20b(m)及び22b(m)は、必要に応じて設ければよく、不要にすることもできる。
樹脂枠付き段差MEA10は、固体高分子電解質膜18の露出面18beに接合されるフィルム状の樹脂枠部材(樹脂成形体又は樹脂フィルム)24を備える。樹脂枠部材24の内周端面24eとカソード電極22の第2ガス拡散層22bの外周端面22beとは、間隔Sだけ離間する隙間25を形成する。
樹脂枠部材24は、例えば、PPS(ポリフェニレンサルファイド)、PPA(ポリフタルアミド)、PEN(ポリエチレンナフタレート)、PES(ポリエーテルサルフォン)、LCP(リキッドクリスタルポリマー)、PVDF(ポリフッ化ビニリデン)、シリコーン樹脂、フッ素樹脂、m−PPE(変性ポリフェニレンエーテル樹脂)、PET(ポリエチレンテレフタレート)、PBT(ポリブチレンテレフタレート)又は変性ポリオレフィン等で構成される。
樹脂枠部材24は、平板状を有し、固体高分子電解質膜18の露出面18beに接合される接着面24aを設ける。固体高分子電解質膜18の露出面18beと樹脂枠部材24の接着面24aとの間には、接着剤、例えば、ホットメルトシート(シート状ホットメルト)26aによる接着剤層26が設けられる。ホットメルトシート26aは、例えば、シート状の固体接着剤であってエポキシ基を含有する接着剤である。なお、接着剤層26は、シート状の固体接着剤に限定されるものではなく、液状接着剤であってもよい。
図1に示すように、発電セル12の矢印B方向(図1中、水平方向)の一端縁部には、それぞれ積層方向である矢印A方向に個別に連通して、酸化剤ガス入口連通孔30a、冷却媒体入口連通孔32a及び燃料ガス出口連通孔34bが設けられる。酸化剤ガス入口連通孔30aは、酸化剤ガス、例えば、酸素含有ガスを供給する一方、冷却媒体入口連通孔32aは、冷却媒体を供給する。燃料ガス出口連通孔34bは、燃料ガス、例えば、水素含有ガスを排出する。酸化剤ガス入口連通孔30a、冷却媒体入口連通孔32a及び燃料ガス出口連通孔34bは、矢印C方向(鉛直方向)に配列して設けられる。
発電セル12の矢印B方向の他端縁部には、それぞれ矢印A方向に個別に連通して、燃料ガスを供給する燃料ガス入口連通孔34a、冷却媒体を排出する冷却媒体出口連通孔32b、及び酸化剤ガスを排出する酸化剤ガス出口連通孔30bが設けられる。燃料ガス入口連通孔34a、冷却媒体出口連通孔32b及び酸化剤ガス出口連通孔30bは、矢印C方向に配列して設けられる。
樹脂枠部材24には、酸化剤ガス入口連通孔30a、冷却媒体入口連通孔32a、燃料ガス出口連通孔34b、燃料ガス入口連通孔34a、冷却媒体出口連通孔32b及び酸化剤ガス出口連通孔30bが形成されていない。
カソードセパレータ16の樹脂枠付き段差MEA10に向かう面16aには、酸化剤ガス入口連通孔30aと酸化剤ガス出口連通孔30bとに連通して矢印B方向に延在する複数本の酸化剤ガス流路36が設けられる。
アノードセパレータ14の樹脂枠付き段差MEA10に向かう面14aには、燃料ガス入口連通孔34aと燃料ガス出口連通孔34bとに連通して矢印B方向に延在する複数本の燃料ガス流路38が形成される。互いに隣接するアノードセパレータ14の面14bとカソードセパレータ16の面16bとの間には、冷却媒体入口連通孔32aと冷却媒体出口連通孔32bとに連通して矢印B方向に延在する複数本の冷却媒体流路40が形成される。
図1及び図2に示すように、アノードセパレータ14の面14a、14bには、このアノードセパレータ14の外周端部を周回して、第1シール部材42が一体化される。カソードセパレータ16の面16a、16bには、このカソードセパレータ16の外周端部を周回して、第2シール部材44が一体化される。
図2に示すように、第1シール部材42は、樹脂枠付き段差MEA10を構成する樹脂枠部材24に当接する第1凸状シール42aと、カソードセパレータ16の第2シール部材44に当接する第2凸状シール42bとを有する。第1シール部材42は、樹脂枠部材24とは反対側に突出する第3凸状シール42c及び第4凸状シール42dを有する。
第2シール部材44は、第2凸状シール42bに当接する面がセパレータ面に沿って平面状に延在する平面シールを構成する。なお、第2凸状シール42bに代えて、第2シール部材44に凸状シール(図示せず)を設けてもよい。
第1シール部材42及び第2シール部材44には、例えば、EPDM、NBR、フッ素ゴム、シリコーンゴム、フロロシリコーンゴム、ブチルゴム、天然ゴム、スチレンゴム、クロロプレーン又はアクリルゴム等のシール材、クッション材、あるいはパッキン材等の弾性を有するシール部材が用いられる。
次いで、樹脂枠付き段差MEA10を製造するための本発明の実施形態に係る製造方法について、以下に説明する。
段差MEA10aが作製される一方、樹脂枠部材24は、金型(図示せず)を用いて射出成形された部材、又は、フィルムをトムソン刃で枠状に切断した部材が用意される。段差MEA10aを作製するには、まず、カーボンペーパからなるカーボン層20b(c)の平坦面に、カーボンブラックとPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)粒子との混合物からなるスラリーを塗布し、乾燥させて下地層であるマイクロポーラス層20b(m)が形成される。
マイクロポーラス層20b(m)にカーボン層20b(c)が接合されることにより、第1ガス拡散層20bが形成される。同様に、マイクロポーラス層22b(m)が形成され、前記マイクロポーラス層22b(m)にカーボン層22b(c)が接合されることにより、第2ガス拡散層22bが形成される。
一方、電極触媒に溶媒を加えた後、イオン導電性高分子バインダ溶液として、例えば、パーフルオロアルキレンスルホン酸高分子化合物の溶液が投入される。そして、所定のインク粘土になるまで、溶媒を添加することにより、アノード電極インク及びカソード電極インクが作成される。
そこで、図3に示すように、アノード電極インクは、PETフィルム50aにスクリーン印刷により塗工され、加熱乾燥されることにより、第1電極触媒層20aを設けたアノード電極シート52が形成される。第1電極触媒層20aは、固体高分子電解質膜18と同一の平面寸法に設定される。
同様に、カソード電極インクは、PETフィルム50bにスクリーン印刷により塗工され、加熱乾燥されることにより、第2電極触媒層22aを設けたカソード電極シート54が形成される。第2電極触媒層22aは、固体高分子電解質膜18よりも小さな平面寸法に設定される。
次いで、固体高分子電解質膜18が、アノード電極シート52及びカソード電極シート54に挟持された状態で、ホットプレスが行われる。そして、PETフィルム50a、50bが剥離されることにより、接合体(CCM)(catalyst coated membrane)が形成される。さらに、第1ガス拡散層20bと第2ガス拡散層22bとは、マイクロポーラス層20b(m)、22b(m)間にCCMを挟持し、ホットプレスにより一体化されて段差MEA10aが作製される(図2参照)。
そして、長尺状のホットメルトウエブが用意され、トムソン刃によりカットすることにより、枠形状のホットメルトシート26aが加工される。図4に示すように、段差MEA10aと樹脂枠部材24とは、本発明に係る製造装置60により、ホットメルトシート26aを用いて接合される。
製造装置60は、サーボプレス機であり、台座62と前記台座62に向かって進退(昇降)自在な上型64とを備える。台座62上には、段差MEA10aの外形寸法よりも大きな外形寸法を有する平板状の弾性体(弾性部材)66が載置される。弾性体66は、デュロメータ硬さ(タイプD)が、D50〜D85の範囲内の材料で形成される。
第1の実施形態では、例えば、シリコーンゴム(D50)製の弾性体66が用いられる。その他、ポリアミド系合成繊維(D75)又は硬質塩化ビニル(D85)等が弾性体66として使用可能である。ここで、D85を上回る硬さでは、荷重緩和の効果が得られない。一方、D50を下回る硬さでは、柔らか過ぎて水平方向のせん断が生じてずれが惹起し、良好な接合が遂行されない。
弾性体66上には、下側プレスプレート68が配置される。下側プレスプレート68は、表面にポリテトラフルオロエチレン等のフッ素樹脂コートがなされたステンレス鋼製である。下側プレスプレート68は、樹脂枠部材24に当接する押圧面68sを有する。押圧面68sには、樹脂枠部材24の内周端面24eとカソード電極22の第2ガス拡散層22bの外周端面22beとの隙間25に突出する突出部68tが膨出形成される。突出部68tの先端形状は、平坦形状に限定されるものではなく、隙間25を閉塞できる形状であればよい。
突出部68tは、隙間25の形状に対応して矩形の枠形状を有し、前記突出部68tの内周には、高さを低くして平面部68fが形成される。平面部68fは、カソード電極22の第2ガス拡散層22bに当接又は離間して対向する。なお、平面部68fは、必要に応じて設ければよく、前記平面部68fの領域に亘って矩形状の突出部68tを一体に設けてもよい。また、樹脂枠部材24と第2ガス拡散層22bの厚さに応じて、段差Lを調整すればよい。
上型64には、上側プレスプレート70が保持される。上側プレスプレート70は、表面にポリテトラフルオロエチレン等のフッ素樹脂コートがなされたステンレス鋼である。
そこで、下側プレスプレート68の押圧面68sには、樹脂枠部材24が載置された後、前記樹脂枠部材24上には、ホットメルトシート26aが配置される。樹脂枠部材24上には、ホットメルトシート26aを挟んで、段差MEA10aが配置される。段差MEA10aでは、カソード電極22が下側プレスプレート68の平面部68fに対向する。さらに、段差MEA10aのアノード電極20上には、PTFEシート72が載置される。
そして、下側プレスプレート68及び上側プレスプレート70がそれぞれ所定の温度に昇温された状態で、上型64が下降する。このため、上側プレスプレート70は、上型64と一体に下降してPTFEシート72に当接し、段差MEA10aを樹脂枠部材24側に押圧する。従って、段差MEA10aと樹脂枠部材24とは、ホットメルトシート26aを挟んで上側プレスプレート70と下側プレスプレート68とで加熱及びプレス処理が施される。
これにより、ホットメルトシート26aが溶融された後、硬化することにより、段差MEA10aと樹脂枠部材24とは、接着剤層26により接合され、樹脂枠付き段差MEA10が製造される。
この場合、第1の実施形態では、段差MEA10aと樹脂枠部材24との接合時に、下側プレスプレート68の突出部68tは、前記樹脂枠部材24の内周端面24eとカソード電極22の外周端面22beとの隙間25に突出している。このため、図5に示すように、加熱及び加圧されて溶融状態のホットメルトシート26aが、隙間25に押し出される際、突出部68tが邪魔部材として機能する。
従って、流動する溶融ホットメルト26am(図5中、二点鎖線参照)は、樹脂枠部材24やカソード電極22の厚さ方向外方に流れ出すことがない。これにより、簡単な工程及び構成で、流れ出した溶融ホットメルト26amにより、例えば、酸化剤ガス流路36が閉塞されることを可及的に抑制することができる。このため、樹脂枠付き段差MEA10を組み込む発電セル12の発電性能が低下することを確実に阻止することが可能になるという効果が得られる。
さらに、第1の実施形態では、下側プレスプレート68の押圧面68sとは反対の面に弾性体66が配置されており、前記下側プレスプレート68は、前記弾性体66を介して樹脂枠部材24に押圧されている。従って、樹脂枠部材24全体を均等に押圧することができ、前記樹脂枠部材24と段差MEA10aとを良好に接合させることが可能になる。なお、弾性体66は、下側プレスプレート68又は上側プレスプレート70のいずれか一方、あるいは、両方に配置してもよい。
次に、このように構成される発電セル12の動作について、以下に説明する。
まず、図1に示すように、酸化剤ガス入口連通孔30aには、酸素含有ガス等の酸化剤ガスが供給されるとともに、燃料ガス入口連通孔34aには、水素含有ガス等の燃料ガスが供給される。さらに、冷却媒体入口連通孔32aには、純水やエチレングリコール、オイル等の冷却媒体が供給される。
このため、酸化剤ガスは、酸化剤ガス入口連通孔30aからカソードセパレータ16の酸化剤ガス流路36に導入され、矢印B方向に移動して段差MEA10aのカソード電極22に供給される。一方、燃料ガスは、燃料ガス入口連通孔34aからアノードセパレータ14の燃料ガス流路38に導入される。燃料ガスは、燃料ガス流路38に沿って矢印B方向に移動し、段差MEA10aのアノード電極20に供給される。
従って、段差MEA10aでは、カソード電極22に供給される酸化剤ガスと、アノード電極20に供給される燃料ガスとが、第2電極触媒層22a及び第1電極触媒層20a内で電気化学反応により消費されて、発電が行われる。
次いで、カソード電極22に供給されて消費された酸化剤ガスは、酸化剤ガス出口連通孔30bに沿って矢印A方向に排出される。同様に、アノード電極20に供給されて消費された燃料ガスは、燃料ガス出口連通孔34bに沿って矢印A方向に排出される。
また、冷却媒体入口連通孔32aに供給された冷却媒体は、アノードセパレータ14とカソードセパレータ16との間の冷却媒体流路40に導入された後、矢印B方向に流通する。この冷却媒体は、段差MEA10aを冷却した後、冷却媒体出口連通孔32bから排出される。
図6は、本発明の製造方法が適用される第2の実施形態に係る樹脂枠付き段差MEA(電解質膜・電極構造体)80の要部断面説明図である。なお、第1の実施形態に係る樹脂枠付き段差MEA10と同一の構成要素には、同一の参照符号を付して、その詳細な説明は省略する。
樹脂枠付き段差MEA80は、段差MEA80a及び樹脂枠部材82を備え、前記段差MEA80aと前記樹脂枠部材82とは、接着剤層26により接合される。
樹脂枠部材82は、長方形の枠形状を有するとともに、段差MEA80aの厚さ(矢印A方向の寸法)と略同一の厚さを有する外周部82aを設ける。外周部82aには、内周基端部82sから段部を介してカソード電極22側に膨出する薄肉状に形成された内側膨出部82bが設けられる。内側膨出部82bは、内周基端部82sから内方に所定の長さを有して延在し、固体高分子電解質膜18の露出面18beを覆って配置される。
このように構成される樹脂枠付き段差MEA80は、第1の実施形態に係る樹脂枠付き段差MEA10と同様に、製造装置60(図4参照)により製造される。従って、第2の実施形態では、上記の第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。
10、80…樹脂枠付き段差MEA 10a、80a…段差MEA
12…発電セル 14…アノードセパレータ
16…カソードセパレータ 18…固体高分子電解質膜
18be…露出面 20…アノード電極
20a、22a…電極触媒層 20b、22b…ガス拡散層
22…カソード電極 24、82…樹脂枠部材
24a…接着面 25…隙間
26…接着剤層 26a…ホットメルトシート
30a…酸化剤ガス入口連通孔 30b…酸化剤ガス出口連通孔
32a…冷却媒体入口連通孔 32b…冷却媒体出口連通孔
34a…燃料ガス入口連通孔 34b…燃料ガス出口連通孔
36…酸化剤ガス流路 38…燃料ガス流路
40…冷却媒体流路 42、44…シール部材
60…製造装置 62…台座
64…上型 66…弾性体
68…下側プレスプレート 68f…平面部
68s…押圧面 68t…突出部
70…上側プレスプレート

Claims (4)

  1. 固体高分子電解質膜の一方の面には、第1電極が設けられ、前記固体高分子電解質膜の他方の面には、第2電極が設けられるとともに、前記第1電極の平面寸法は、前記第2電極の平面寸法よりも大きな寸法に設定される段差MEAと、
    前記固体高分子電解質膜の、前記第2電極の外方に露呈する外周面に接合される樹脂枠部材と、
    を有する燃料電池用の樹脂枠付き段差MEAの製造方法であって、
    前記固体高分子電解質膜の前記外周面と前記樹脂枠部材とを、接着剤を介装して重ね合わせる工程と、
    前記樹脂枠部材に当接する押圧面を有し、前記押圧面から少なくとも前記樹脂枠部材の内周と前記第2電極の外周端面との間に突出し、且つ前記第2電極の外周端面に接触する突出部が設けられたプレスプレートにより、該樹脂枠部材を押圧する工程と、
    を有することを特徴とする樹脂枠付き段差MEAの製造方法。
  2. 請求項1記載の製造方法であって、前記プレスプレートは、前記押圧面とは反対の面に配置される弾性部材を介して押圧されることを特徴とする樹脂枠付き段差MEAの製造方法。
  3. 固体高分子電解質膜の一方の面には、第1電極が設けられ、前記固体高分子電解質膜の他方の面には、第2電極が設けられるとともに、前記第1電極の平面寸法は、前記第2電極の平面寸法よりも大きな寸法に設定される段差MEAと、
    前記固体高分子電解質膜の、前記第2電極の外方に露呈する外周面に接合される樹脂枠部材と、
    を有する燃料電池用の樹脂枠付き段差MEAを製造する樹脂枠付き段差MEAの製造装置であって、
    前記固体高分子電解質膜の前記外周面と前記樹脂枠部材とを、接着剤を介装して重ね合わせた状態で、前記樹脂枠部材を前記段差MEAに向かって押圧させるプレスプレートを備え、
    前記プレスプレートは、前記樹脂枠部材に当接する押圧面と、
    前記押圧面から少なくとも前記樹脂枠部材の内周と前記第2電極の外周端面との間に突出し、且つ前記第2電極の外周端面に接触する突出部と、
    を設けることを特徴とする樹脂枠付き段差MEAの製造装置。
  4. 請求項3記載の製造装置であって、前記プレスプレートの前記押圧面とは反対の面に配置される弾性部材を備えることを特徴とする樹脂枠付き段差MEAの製造装置。
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