JP2014026799A - 燃料電池用電解質膜・電極構造体 - Google Patents

燃料電池用電解質膜・電極構造体 Download PDF

Info

Publication number
JP2014026799A
JP2014026799A JP2012165307A JP2012165307A JP2014026799A JP 2014026799 A JP2014026799 A JP 2014026799A JP 2012165307 A JP2012165307 A JP 2012165307A JP 2012165307 A JP2012165307 A JP 2012165307A JP 2014026799 A JP2014026799 A JP 2014026799A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
electrolyte membrane
gas diffusion
solid polymer
polymer electrolyte
electrode
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2012165307A
Other languages
English (en)
Inventor
Naoki Mitsuda
直樹 満田
Hiroshi Soma
浩 相馬
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Honda Motor Co Ltd
Original Assignee
Honda Motor Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Honda Motor Co Ltd filed Critical Honda Motor Co Ltd
Priority to JP2012165307A priority Critical patent/JP2014026799A/ja
Publication of JP2014026799A publication Critical patent/JP2014026799A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/30Hydrogen technology
    • Y02E60/50Fuel cells

Abstract

【課題】簡単且つ経済的な構成で、固体高分子電解質膜へのダメージを良好に抑制することを可能にする。
【解決手段】樹脂枠付き電解質膜・電極構造体10は、固体高分子電解質膜18を挟持するカソード電極20及びアノード電極22を有する電解質膜・電極構造体10aと、前記電解質膜・電極構造体10aを周回して接合される樹脂製枠部材24とを備える。固体高分子電解質膜18の外周縁部18beと樹脂製枠部材24の内周突部24aとの間には、緩衝層26が設けられる。緩衝層26は、絶縁性多孔質体に接着剤を含浸させて構成される。
【選択図】図2

Description

本発明は、電解質膜・電極構造体の両面に電極が設けられる燃料電池用電解質膜・電極構造体に関する。
一般的に、固体高分子型燃料電池は、高分子イオン交換膜からなる固体高分子電解質膜を採用している。この燃料電池は、固体高分子電解質膜の両側(両面)に、それぞれ触媒層(電極触媒層)とガス拡散層(多孔質カーボン)とからなるアノード電極及びカソード電極を配設した電解質膜・電極構造体(MEA)を、セパレータ(バイポーラ板)によって挟持している。この燃料電池は、所定の数だけ積層することにより、例えば、車載用燃料電池スタックとして使用されている。
この種の電解質膜・電極構造体では、一方のガス拡散層が固体高分子電解質膜よりも小さな表面積に設定されるとともに、他方のガス拡散層が前記固体高分子電解質膜と同一の表面積に設定される、所謂、段差型MEAを構成する場合がある。その際、比較的高価な固体高分子電解質膜の使用量を削減させるとともに、薄膜状で強度が低い前記固体高分子電解質膜を保護するために、樹脂製枠部材を組み込んだ枠付きMEAが採用されている。
例えば、特許文献1に開示されている電解質膜−電極接合体が知られている。この電解質膜−電極接合体では、図11に示すように、膜1の一方の側には、アノード触媒層2aとアノード拡散層2bとが配置されるとともに、前記膜1の他方の側には、カソード触媒層3aとカソード拡散層3bとが配置されて段差MEA4が構成されている。
アノード拡散層2bは、カソード拡散層3bよりも大きな面積に設定されており、前記カソード拡散層3b側の膜1の外周部とガスケット構造体5とは、接着層6を介して接合されている。
特開2007−66766号公報
ところで、上記の特許文献1では、面積の小さなカソード拡散層3bの外周角部3be及びガスケット構造体5の内周端角部5aは、膜1上に配置されている。このため、段差MEA4とガスケット構造体5とを、互いに位置決め配置する際、又は、運転時に電解質膜−電極接合体に荷重が付与される際、カソード拡散層3bの外周角部3be及びガスケット構造体5の内周端角部5aは、膜1に押し込まれるおそれがある。従って、膜1の厚さが減少する等のダメージが発生してしまい、前記膜1の耐久性が低下するという問題がある。
本発明は、この種の問題を解決するものであり、簡単且つ経済的な構成で、固体高分子電解質膜へのダメージを良好に抑制することが可能な燃料電池用電解質膜・電極構造体を提供することを目的とする。
本発明は、固体高分子電解質膜の一方の面に、第1触媒層及び第1ガス拡散層を有する第1電極が配設され、且つ前記固体高分子電解質膜の他方の面に、第2触媒層及び第2ガス拡散層を有する第2電極が配設されるとともに、前記第1ガス拡散層の平面寸法は、前記第2ガス拡散層の平面寸法よりも大きな寸法に設定される電解質膜・電極構造体と、前記固体高分子電解質膜の外周を周回する枠形状を有しており、段部を介し外周よりも薄肉状に形成されて前記第2ガス拡散層側に突出する内周突部が設けられる樹脂製枠部材と、を備える燃料電池用電解質膜・電極構造体に関するものである。
この燃料電池用電解質膜・電極構造体では、固体高分子電解質膜の第2ガス拡散層の外周端から外方に延在する外周縁部と樹脂製枠部材の内周突部との間には、絶縁性多孔質体に接着剤を含浸させた緩衝層が設けられている。
また、この燃料電池用電解質膜・電極構造体では、緩衝層は、第2ガス拡散層の外周端縁部と固体高分子電解質膜との間に配置される重なり部位を有することが好ましい。
さらに、本発明は、固体高分子電解質膜の両面に、触媒層及びガス拡散層を有する電極が配設されるとともに、少なくとも一方の電極を構成する前記触媒層の外周端部又は前記ガス拡散層の外周端部と前記固体高分子電解質膜の外周端部とが、積層方向に対して互いにオフセットする段差部位を有する燃料電池用電解質膜・電極構造体に関するものである。
この燃料電池用電解質膜・電極構造体では、段差部位には、絶縁性多孔質体に接着剤を含浸させた緩衝層が設けられている。
さらにまた、この燃料電池用電解質膜・電極構造体では、電解質膜・電極構造体は、一方の電極を構成する一方のガス拡散層の平面寸法が、他方の電極を構成する他方のガス拡散層の平面寸法よりも大きな寸法に設定されるとともに、緩衝層は、他方の前記ガス拡散層の外周端部から外方に延在する固体高分子電解質膜の外周縁部に設けられ、且つ、前記緩衝層は、他方の前記ガス拡散層の外周端縁部と前記固体高分子電解質膜との間に配置される重なり部位を有することが好ましい。
本発明によれば、緩衝層の作用下に、固体高分子電解質膜の面に他の構成部材の角部が、直接、接することがなく、前記角部が前記固体高分子電解質膜に押し込まれることを阻止することができる。従って、簡単且つ経済的な構成で、固体高分子電解質膜へのダメージを良好に抑制することが可能になる。
ここで、緩衝層は、絶縁性多孔質体に接着剤を含浸させて構成されている。このため、緩衝層をセットするだけで、一定量の接着剤を所望の位置に容易に配置させることができる。しかも、電解質膜・電極構造体の作製時に付与される荷重が、緩衝層の潰れにより吸収されるとともに、接着剤が前記緩衝層の界面に形成される隙間を埋めることによって、接着強度の向上が良好に図られる。
さらに、接着剤の粘度に影響されることがないため、適用粘度の幅が拡大される。これにより、安価な接着剤を使用することが可能になり、経済的であるとともに、管理が簡素化する。従って、経済的且つ耐久性に優れる電解質膜・電極構造体を確実に作製することができる。
本発明の第1の実施形態に係る樹脂枠付き電解質膜・電極構造体が組み込まれる固体高分子型燃料電池の要部分解斜視説明図である。 前記燃料電池の、図1中、II−II線断面説明図である。 前記樹脂枠付き電解質膜・電極構造体のアノード電極側の正面説明図である。 前記樹脂枠付き電解質膜・電極構造体を製造する方法の説明図である。 前記樹脂枠付き電解質膜・電極構造体を製造する方法の説明図である。 前記樹脂枠付き電解質膜・電極構造体を製造する方法の説明図である。 本発明の第2の実施形態に係る燃料電池用電解質膜・電極構造体を組み込む固体高分子型燃料電池の要部分解斜視説明図である。 前記燃料電池の、図7中、VIII−VIII線断面説明図である。 本発明の第3の実施形態に係る燃料電池用電解質膜・電極構造体を組み込む固体高分子型燃料電池の要部分解斜視説明図である。 前記燃料電池の、図9中、X−X線断面説明図である。 特許文献1に開示された電解質膜−電極接合体の説明図である。
図1及び図2に示すように、本発明の第1の実施形態に係る樹脂枠付き電解質膜・電極構造体(燃料電池用電解質膜・電極構造体)10は、固体高分子型燃料電池12に組み込まれる。燃料電池12は、矢印A方向(例えば、水平方向)に複数積層されることにより、例えば、車載用燃料電池スタックを構成する。
燃料電池12は、樹脂枠付き電解質膜・電極構造体10を第1セパレータ14及び第2セパレータ16で挟持する。第1セパレータ14及び第2セパレータ16は、例えば、鋼板、ステンレス鋼板、アルミニウム板、めっき処理鋼板、あるいはその金属表面に防食用の表面処理を施した金属板や、カーボン部材等で構成されている。
図2に示すように、樹脂枠付き電解質膜・電極構造体10は、段差MEAである電解質膜・電極構造体10aを備える。電解質膜・電極構造体10aは、例えば、パーフルオロスルホン酸の薄膜に水が含浸された固体高分子電解質膜18と、前記固体高分子電解質膜18を挟持するカソード電極(第1電極)20及びアノード電極(第2電極)22とを有する。固体高分子電解質膜18は、フッ素系電解質の他、HC(炭化水素)系電解質が使用される。
アノード電極22は、固体高分子電解質膜18及びカソード電極20よりも小さな平面寸法(表面積)を有する。なお、カソード電極20は、アノード電極22よりも小さな平面寸法(表面積)を有していてもよい。
カソード電極20は、固体高分子電解質膜18の一方の面18aに配置されるとともに、アノード電極22は、前記固体高分子電解質膜18の他方の面18bに配置される。
カソード電極20は、固体高分子電解質膜18の面18aに接合される第1電極触媒層(第1触媒層)20aと、前記第1電極触媒層20aに積層される第1ガス拡散層20bとを有する。第1電極触媒層20aと第1ガス拡散層20bとは、同一の平面寸法に設定される。
アノード電極22は、固体高分子電解質膜18の面18bに接合される第2電極触媒層(第2触媒層)22aと、前記第2電極触媒層22aに積層される第2ガス拡散層22bとを有する。第2電極触媒層22aと第2ガス拡散層22bとは、同一の平面寸法に設定される。第1電極触媒層20aは、第2電極触媒層22aよりも大きな平面寸法を有しているが、前記第1電極触媒層20aと前記第2電極触媒層22aとは、同一の平面寸法に設定されてもよい。
第1ガス拡散層20b及び第2ガス拡散層22bは、カーボンペーパ等からなる一方、第1電極触媒層20a及び第2電極触媒層22aは、白金合金が表面に担持された多孔質カーボン粒子が前記第1ガス拡散層20b及び前記第2ガス拡散層22bの表面に一様に塗布されて形成される。第1電極触媒層20a及び第2電極触媒層22aは、固体高分子電解質膜18の両面に形成される。
図1及び図2に示すように、樹脂枠付き電解質膜・電極構造体10は、固体高分子電解質膜18の外周を周回するとともに、アノード電極22及びカソード電極20に接合される樹脂製枠部材24を備える。樹脂製枠部材24は、例えば、PPS(ポリフェニレンサルファイド)、PPA(ポリフタルアミド)、PEN(ポリエチレンナフタレート)、PES(ポリエーテルサルフォン)、LCP(リキッドクリスタルポリマー)、PVDF(ポリフッ化ビニリデン)、シリコーンゴム、フッ素ゴム又はEPDM(エチレンプロピレンゴム)等で構成される。
樹脂製枠部材24は、枠形状を有しており、段部を介し外周よりも薄肉状に形成されてアノード電極22の外周側に突出し、固体高分子電解質膜18の外周縁部18beに当接する内周突部24aを有する。固体高分子電解質膜18の外周縁部18beは、アノード電極22を構成する第2ガス拡散層22bの外周端から外方に延在する。
固体高分子電解質膜18の外周縁部18beと樹脂製枠部材24の内周突部24aとの間には、緩衝層26が設けられる。緩衝層26は、絶縁性多孔質体に接着剤を含浸させて構成され、例えば、セルローススポンジで形成された枠部材に、例えば、エポキシ接着剤が含浸される。なお、緩衝層26は、セルロース、メラニン、ウレタン、ポリエチレン、ポリプロピレン又はEPDM等、種々の素材を用いることができる。
緩衝層26は、アノード電極22の第2ガス拡散層22bの外周端縁部と固体高分子電解質膜18との間に配置される重なり部位(積層方向に互いに重なり合う部位)26aを有する。重なり部位26aは、第2ガス拡散層22bと第2電極触媒層22aとの間に設けられる。図3に示すように、緩衝層26は、内周突部24aの形状に倣って枠形状(額縁形状)を有する。
図1に示すように、燃料電池12の矢印B方向(図1中、水平方向)の一端縁部には、積層方向である矢印A方向に互いに連通して、酸化剤ガス、例えば、酸素含有ガスを供給するための酸化剤ガス入口連通孔30a、冷却媒体を供給するための冷却媒体入口連通孔32a、及び燃料ガス、例えば、水素含有ガスを排出するための燃料ガス出口連通孔34bが、矢印C方向(鉛直方向)に配列して設けられる。
燃料電池12の矢印B方向の他端縁部には、矢印A方向に互いに連通して、燃料ガスを供給するための燃料ガス入口連通孔34a、冷却媒体を排出するための冷却媒体出口連通孔32b、及び酸化剤ガスを排出するための酸化剤ガス出口連通孔30bが、矢印C方向に配列して設けられる。
第2セパレータ16の樹脂枠付き電解質膜・電極構造体10に向かう面16aには、酸化剤ガス入口連通孔30aと酸化剤ガス出口連通孔30bとに連通する酸化剤ガス流路36が設けられる。
第1セパレータ14の樹脂枠付き電解質膜・電極構造体10に向かう面14aには、燃料ガス入口連通孔34aと燃料ガス出口連通孔34bとに連通する燃料ガス流路38が形成される。第1セパレータ14の面14bと第2セパレータ16の面16bとの間には、冷却媒体入口連通孔32aと冷却媒体出口連通孔32bとに連通する冷却媒体流路40が形成される。
図1及び図2に示すように、第1セパレータ14の面14a、14bには、この第1セパレータ14の外周端部を周回して、第1シール部材42が一体化される。第2セパレータ16の面16a、16bには、この第2セパレータ16の外周端部を周回して、第2シール部材44が一体化される。
図2に示すように、第1シール部材42は、樹脂枠付き電解質膜・電極構造体10を構成する樹脂製枠部材24の内周突部24aに当接する第1凸状シール42aと、第2セパレータ16の第2シール部材44に当接する第2凸状シール42bとを有する。第2シール部材44は、第2凸状シール42bに当接する面がセパレータ面に沿って延在する平面形状を有する平面シールを構成する。なお、第2凸状シール42bに代えて、第2シール部材44に凸状シール(図示せず)を設けてもよい。
第1シール部材42及び第2シール部材44には、例えば、EPDM、NBR、フッ素ゴム、シリコーンゴム、フロロシリコーンゴム、ブチルゴム、天然ゴム、スチレンゴム、クロロプレーン又はアクリルゴム等のシール材、クッション材、あるいはパッキン材等の弾性を有するシール部材が用いられる。
図1に示すように、第1セパレータ14には、燃料ガス入口連通孔34aを燃料ガス流路38に連通する供給孔部46と、前記燃料ガス流路38を燃料ガス出口連通孔34bに連通する排出孔部48とが形成される。
次いで、樹脂枠付き電解質膜・電極構造体10を製造する方法について、以下に説明する。
先ず、樹脂製枠部材24は、金型(図示せず)を用いて射出成形することにより成形される一方、段差MEAである電解質膜・電極構造体10aが作製される。具体的には、触媒と溶媒との混合物にバインダー溶液を投入し、所定のインク粘土まで混合した電極インクを、PETフィルムからなるPETシートにスクリーン印刷により塗工した電極シートを形成し、前記電極シート間に固体高分子電解質膜18を挟持してホットプレスを行う。
その後、PETシートを剥がすことにより、図4に示すように、固体高分子電解質膜18の面18a及び面18bには、第1電極触媒層20a及び第2電極触媒層22aが形成される。このため、接合体(CCM)49が得られる。
さらに、第1ガス拡散層20b及び第2ガス拡散層22bの製造工程では、カーボンブラック及びPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)粒子を含む混合物をエチレングリコールに均一に分散させたスラリーが形成される。このスラリーは、カーボンペーパに塗布して乾燥されることにより、前記カーボンペーパと下地層とからなる第1ガス拡散層20b及び第2ガス拡散層22bが作製される(図5参照)。
次に、緩衝層26を構成するスポンジ枠26sfが作製される。スポンジ枠26sfは、所定の厚さに形成されたセルローススポンジを用意し、このセルローススポンジの中央を打ち抜くことにより、枠形状に形成される。さらに、スポンジ枠26sfには、エポキシ接着剤が含浸される。
そこで、第1ガス拡散層20bが、下地層側を上方に向けて配置されるとともに、前記第1ガス拡散層20b上には、接合体49が配置される。接合体49は、第1電極触媒層20aを第1ガス拡散層20bに対向して配置される一方、第2電極触媒層22aが上方に向かって配置される。
固体高分子電解質膜18の外周縁部18beから第2電極触媒層22aの外周縁部に亘って、スポンジ枠26sfが配設される。さらに、第2ガス拡散層22bは、下地層側を下方に向けて第2電極触媒層22a上に配置される。第2電極触媒層22aの外周縁部と第2ガス拡散層22bの外周縁部との間には、スポンジ枠26sfの内周縁部が介装される。
そして、樹脂製枠部材24は、第2ガス拡散層22bを収容するようにして、接合体49上に配置される。樹脂製枠部材24の内周突部24aには、接合体49が配置される。この状態で、ホットプレス処理が施されることにより、スポンジ枠26sfを介して電解質膜・電極構造体10aと樹脂製枠部材24とが接着され、樹脂枠付き電解質膜・電極構造体10が得られる(図6参照)。
樹脂枠付き電解質膜・電極構造体10は、図2に示すように、第1セパレータ14及び第2セパレータ16により挟持される。第1セパレータ14は、樹脂製枠部材24の内周突部24aに当接し、第2セパレータ16と共に樹脂枠付き電解質膜・電極構造体10に荷重を付与する。さらに、燃料電池12は、所定数だけ積層されて燃料電池スタックが構成されるとともに、図示しないエンドプレート間に締め付け荷重が付与される。
このように構成される燃料電池12の動作について、以下に説明する。
先ず、図1に示すように、酸化剤ガス入口連通孔30aに酸素含有ガス等の酸化剤ガスが供給されるとともに、燃料ガス入口連通孔34aに水素含有ガス等の燃料ガスが供給される。さらに、冷却媒体入口連通孔32aに純水やエチレングリコール、オイル等の冷却媒体が供給される。
このため、酸化剤ガスは、酸化剤ガス入口連通孔30aから第2セパレータ16の酸化剤ガス流路36に導入され、矢印B方向に移動して電解質膜・電極構造体10aのカソード電極20に供給される。一方、燃料ガスは、燃料ガス入口連通孔34aから供給孔部46を通って第1セパレータ14の燃料ガス流路38に導入される。燃料ガスは、燃料ガス流路38に沿って矢印B方向に移動し、電解質膜・電極構造体10aのアノード電極22に供給される。
従って、各電解質膜・電極構造体10aでは、カソード電極20に供給される酸化剤ガスと、アノード電極22に供給される燃料ガスとが、第1電極触媒層20a内及び第2電極触媒層22a内で電気化学反応により消費されて発電が行われる。
次いで、カソード電極20に供給されて消費された酸化剤ガスは、酸化剤ガス出口連通孔30bに沿って矢印A方向に排出される。同様に、アノード電極22に供給されて消費された燃料ガスは、排出孔部48を通り燃料ガス出口連通孔34bに沿って矢印A方向に排出される。
また、冷却媒体入口連通孔32aに供給された冷却媒体は、第1セパレータ14と第2セパレータ16との間の冷却媒体流路40に導入された後、矢印B方向に流通する。この冷却媒体は、電解質膜・電極構造体10aを冷却した後、冷却媒体出口連通孔32bから排出される。
この場合、第1の実施形態では、図2に示すように、固体高分子電解質膜18の外周縁部18beと樹脂製枠部材24の内周突部24aとの間には、緩衝部材として緩衝層26が設けられている。緩衝層26は、内周突部24aから第2電極触媒層22aの外周端縁部に亘って延在している。
このため、樹脂製枠部材24の内周突部24aの内側角部24ae及び第2ガス拡散層22bの外周端角部22beは、直接、固体高分子電解質膜18の面に接することがない。従って、樹脂枠付き電解質膜・電極構造体10を組み付ける際や燃料電池12の運転時に荷重が付与される際に、内周突部24aの内側角部24aeや第2ガス拡散層22bの外周端角部22beは、固体高分子電解質膜18に押し込まれることを阻止することができる。
これにより、第1の実施形態では、緩衝層26を用いるだけでよく、簡単且つ経済的な構成で、固体高分子電解質膜18へのダメージを良好に抑制することが可能になるという効果が得られる。
しかも、緩衝層26は、絶縁性多孔質体に接着剤を含浸させて構成されている。このため、緩衝層26を、すなわち、スポンジ枠26sfを配置するだけで、一定量の接着剤を所望の位置に容易に配置させることができる。その上、樹脂枠付き電解質膜・電極構造体10の作製時に付与される荷重が、スポンジ枠26sfの潰れにより吸収されるとともに、接着剤が前記スポンジ枠26sfの界面に形成される隙間を埋めることによって、接着強度の向上が良好に図られる。
さらに、接着剤の粘度に影響されることがないため、適用粘度の幅が拡大される。これにより、安価な接着剤を使用することが可能になり、経済的であるとともに、管理が簡素化する。従って、経済的且つ耐久性に優れる樹脂枠付き電解質膜・電極構造体10を確実に作製することができるという効果がある。
図7及び図8に示すように、本発明の第2の実施形態に係る燃料電池用電解質膜・電極構造体50は、固体高分子型燃料電池52に組み込まれる。
なお、第1の実施形態に係る樹脂枠付き電解質膜・電極構造体10及び燃料電池12と同一の構成要素には、同一の参照符号を付して、その詳細な説明は省略する。また、以下に説明する第3の実施形態においても同様に、その詳細な説明は省略する。
電解質膜・電極構造体50は、段差MEAである電解質膜・電極構造体10aを備える一方、樹脂製枠部材を用いていない。固体高分子電解質膜18の外周縁部18beは、アノード電極22を構成する第2ガス拡散層22bの外周端から外方に延在するとともに、前記外周縁部18beには、枠形状の緩衝層54が設けられる。
緩衝層54は、アノード電極22の第2ガス拡散層22bの外周端縁部と固体高分子電解質膜18との間に配置される重なり部位(積層方向に互いに重なり合う部位)54aを有する。この緩衝層54は、緩衝層26と同様に構成されており、絶縁性多孔質体に接着剤を含浸させて構成され、例えば、セルローススポンジで形成された枠部材に、例えば、エポキシ接着剤が含浸される。
このように構成される第2の実施形態では、緩衝層54が、固体高分子電解質膜18の外周縁部18beを覆って設けられており、前記外周縁部18beが外部に露呈することがない。このため、外周縁部18beを良好に保護することができるとともに、前記外周縁部18beに皺が発生することを阻止し、耐久性の向上が容易に図られるという効果が得られる。
しかも、氷点下運転時の水膨張を抑制するとともに、不純物の進入を抑制することが可能になる。その上、第1シール部材42の第1凸状シール42aは、直接、固体高分子電解質膜18に当接することがなく、前記固体高分子電解質膜18を有効に保護することができる。
図9及び図10に示すように、本発明の第3の実施形態に係る燃料電池用電解質膜・電極構造体60は、固体高分子型燃料電池62に組み込まれる。
電解質膜・電極構造体60は、固体高分子電解質膜18の両面に、前記固体高分子電解質膜18と同一の平面寸法を有するカソード電極20及びアノード電極22を設ける。
具体的には、カソード電極20を構成する第1ガス拡散層20b及びアノード電極22を構成する第2ガス拡散層22bは、固体高分子電解質膜18と同一の外形寸法に設定される。カソード電極20を構成する第1電極触媒層20a及びアノード電極22を構成する第2電極触媒層22aは、互いに同一の外形寸法で且つ固体高分子電解質膜18の外形寸法よりも小さな寸法に設定される。
固体高分子電解質膜18の一方の外周縁部と第1ガス拡散層20bの外周縁部との間には、枠形状の第1緩衝層64が設けられる。固体高分子電解質膜18の他方の外周縁部と第2ガス拡散層22bの外周縁部との間には、枠形状の第2緩衝層66が設けられる。
第1緩衝層64は、第1電極触媒層20aの外周縁部と第1ガス拡散層20bとの間に配置される重なり部位64aを有する。第2緩衝層66は、第2電極触媒層22aの外周縁部と第2ガス拡散層22bとの間に配置される重なり部位66aを有する。第1緩衝層64及び第2緩衝層66は、緩衝層26と同様に構成されており、絶縁性多孔質体に接着剤を含浸させて構成され、例えば、セルローススポンジで形成された枠部材に、例えば、エポキシ接着剤が含浸される。
このように構成される電解質膜・電極構造体60では、固体高分子電解質膜18の一方の外周縁部と第1ガス拡散層20bの外周縁部との間、及び前記固体高分子電解質膜18の他方の外周縁部と第2ガス拡散層22bの外周縁部との間に、第1緩衝層64及び第2緩衝層66が設けられている。
このため、第3の実施形態では、電解質膜・電極構造体60は、外周端部からの剥がれを確実に抑制することができ、水溜まりや性能低下を良好に阻止することができるという効果がある。しかも、第1電極触媒層20a及び第2電極触媒層22aの各電極端部に対する反応ガスや水の供給量が制限される。従って、電極端部の反応集中が抑制され、耐久性の向上が容易に図られる。
10…樹脂枠付き電解質膜・電極構造体
10a、50、60…電解質膜・電極構造体
12、52、62…燃料電池 14、16…セパレータ
18…固体高分子電解質膜 20…カソード電極
20a、22a…電極触媒層 20b、22b…ガス拡散層
22…アノード電極 22be…外周端角部
24…樹脂製枠部材 24a…内周突部
24ae…内側角部 26、54、64、66…緩衝層
26a、54a、64a、66a…重なり部位
30a…酸化剤ガス入口連通孔 30b…酸化剤ガス出口連通孔
32a…冷却媒体入口連通孔 32b…冷却媒体出口連通孔
34a…燃料ガス入口連通孔 34b…燃料ガス出口連通孔
36…酸化剤ガス流路 38…燃料ガス流路
40…冷却媒体流路 42、44…シール部材
49…接合体

Claims (4)

  1. 固体高分子電解質膜の一方の面に、第1触媒層及び第1ガス拡散層を有する第1電極が配設され、且つ前記固体高分子電解質膜の他方の面に、第2触媒層及び第2ガス拡散層を有する第2電極が配設されるとともに、前記第1ガス拡散層の平面寸法は、前記第2ガス拡散層の平面寸法よりも大きな寸法に設定される電解質膜・電極構造体と、
    前記固体高分子電解質膜の外周を周回する枠形状を有しており、段部を介し外周よりも薄肉状に形成されて前記第2ガス拡散層側に突出する内周突部が設けられる樹脂製枠部材と、
    を備える燃料電池用電解質膜・電極構造体であって、
    前記固体高分子電解質膜の前記第2ガス拡散層の外周端から外方に延在する外周縁部と前記樹脂製枠部材の前記内周突部との間には、絶縁性多孔質体に接着剤を含浸させた緩衝層が設けられることを特徴とする燃料電池用電解質膜・電極構造体。
  2. 請求項1記載の燃料電池用電解質膜・電極構造体において、前記緩衝層は、前記第2ガス拡散層の外周端縁部と前記固体高分子電解質膜との間に配置される重なり部位を有することを特徴とする燃料電池用電解質膜・電極構造体。
  3. 固体高分子電解質膜の両面に、触媒層及びガス拡散層を有する電極が配設されるとともに、少なくとも一方の電極を構成する前記触媒層の外周端部又は前記ガス拡散層の外周端部と前記固体高分子電解質膜の外周端部とが、積層方向に対して互いにオフセットする段差部位を有する燃料電池用電解質膜・電極構造体であって、
    前記段差部位には、絶縁性多孔質体に接着剤を含浸させた緩衝層が設けられることを特徴とする燃料電池用電解質膜・電極構造体。
  4. 請求項3記載の燃料電池用電解質膜・電極構造体において、前記燃料電池用電解質膜・電極構造体は、一方の前記電極を構成する一方の前記ガス拡散層の平面寸法が、他方の前記電極を構成する他方の前記ガス拡散層の平面寸法よりも大きな寸法に設定されるとともに、
    前記緩衝層は、他方の前記ガス拡散層の外周端部から外方に延在する前記固体高分子電解質膜の外周縁部に設けられ、且つ、前記緩衝層は、他方の前記ガス拡散層の外周端縁部と前記固体高分子電解質膜との間に配置される重なり部位を有することを特徴とする燃料電池用電解質膜・電極構造体。
JP2012165307A 2012-07-26 2012-07-26 燃料電池用電解質膜・電極構造体 Pending JP2014026799A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012165307A JP2014026799A (ja) 2012-07-26 2012-07-26 燃料電池用電解質膜・電極構造体

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012165307A JP2014026799A (ja) 2012-07-26 2012-07-26 燃料電池用電解質膜・電極構造体

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2014026799A true JP2014026799A (ja) 2014-02-06

Family

ID=50200276

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012165307A Pending JP2014026799A (ja) 2012-07-26 2012-07-26 燃料電池用電解質膜・電極構造体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2014026799A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015225840A (ja) * 2014-05-30 2015-12-14 本田技研工業株式会社 燃料電池
JP2017068956A (ja) * 2015-09-29 2017-04-06 本田技研工業株式会社 燃料電池用樹脂枠付き電解質膜・電極構造体
KR101825269B1 (ko) 2014-10-08 2018-02-02 도요타지도샤가부시키가이샤 연료 전지 단위 셀의 제조 방법
US10243221B2 (en) 2014-12-08 2019-03-26 Honda Motor Co., Ltd. Resin-framed membrane-electrode assembly for fuel cell and method for manufacturing the same

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015225840A (ja) * 2014-05-30 2015-12-14 本田技研工業株式会社 燃料電池
KR101825269B1 (ko) 2014-10-08 2018-02-02 도요타지도샤가부시키가이샤 연료 전지 단위 셀의 제조 방법
US10615431B2 (en) 2014-10-08 2020-04-07 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Method of manufacturing unit fuel cell which prevents exposure and deformation
US10243221B2 (en) 2014-12-08 2019-03-26 Honda Motor Co., Ltd. Resin-framed membrane-electrode assembly for fuel cell and method for manufacturing the same
JP2017068956A (ja) * 2015-09-29 2017-04-06 本田技研工業株式会社 燃料電池用樹脂枠付き電解質膜・電極構造体

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6263214B2 (ja) 燃料電池用樹脂枠付き段差mea
JP6037905B2 (ja) 燃料電池用樹脂枠付き電解質膜・電極構造体
JP5855540B2 (ja) 燃料電池用樹脂枠付き電解質膜・電極構造体
JP5683433B2 (ja) 燃料電池スタック
JP5855442B2 (ja) 燃料電池用樹脂枠付き電解質膜・電極構造体の製造方法
JP2014137936A (ja) 樹脂枠付き電解質膜・電極構造体
JP5778044B2 (ja) 燃料電池用樹脂枠付き電解質膜・電極構造体
JP6709053B2 (ja) 樹脂枠付き段差meaの製造方法及び製造装置
JP5912942B2 (ja) 樹脂枠付き電解質膜・電極構造体及び燃料電池
JP2008171613A (ja) 燃料電池
US10003098B2 (en) Fuel cell
JP2014026799A (ja) 燃料電池用電解質膜・電極構造体
JP2016058161A (ja) 燃料電池用樹脂枠付き電解質膜・電極構造体
US10243221B2 (en) Resin-framed membrane-electrode assembly for fuel cell and method for manufacturing the same
JP2013258096A (ja) 燃料電池用樹脂枠付き電解質膜・電極構造体の製造方法
JP6666664B2 (ja) 燃料電池用樹脂枠付き電解質膜・電極構造体
JP2013258097A (ja) 電解質膜・電極構造体及びその製造方法
JP6144650B2 (ja) 燃料電池の製造方法
JP2013157093A (ja) 燃料電池
JP5756388B2 (ja) 燃料電池
JP5830403B2 (ja) 燃料電池用電解質膜・電極構造体
JP5604404B2 (ja) 燃料電池
JP5829586B2 (ja) 燃料電池用電解質膜・電極構造体の製造方法
US10074869B2 (en) Fuel cell
JP5694113B2 (ja) 燃料電池