JP2017191640A - 燃料電池用セパレータの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】犠牲領域付きセパレータの生産性を向上させる。【解決手段】燃料電池用セパレータの製造方法は、カーボンブラックを金属製のセパレータ材の表面に塗布する塗布工程と、塗布工程の後に、カーボンブラックとセパレータ材の含有金属の酸化物とを含有する混合層と、混合層の上に残存するカーボンブラックで構成された余剰カーボン層と、を形成する熱処理工程と、熱処理工程の後に、セパレータ材の表面のうちの少なくとも一部の領域において余剰カーボン層を除去する除去工程とを備える。セパレータ材の冷却媒体マニホールド開口又は開口予定領域の外縁と、外縁に沿って並走するシール部材設置位置と、の間の領域を開口周縁犠牲領域と呼ぶとき、除去工程において、開口周縁犠牲領域における余剰カーボン層の厚みが、シール部材設置位置における余剰カーボン層の厚みよりも大きくなるように除去工程を実行する。【選択図】図4

Description

本発明は、燃料電池用セパレータの製造方法に関するものである。
一般に、燃料電池は、複数の単セルが積層された燃料電池スタックを有している。各単セルは、膜電極接合体と、膜電極接合体を挟む2枚のセパレータとを有する。セパレータの一方の面には、単セル内に反応ガスを流すための反応ガス流路が形成され、他方の面には単セル内に冷却媒体を流すための冷却媒体流路が形成されている。また、セパレータの周縁部には、反応ガスの入口および出口として機能する反応ガスマニホールド開口と、冷却媒体流路の入口および出口として機能する冷却媒体マニホールド開口とが形成されている。反応ガス流路や、冷却媒体流路、反応ガスマニホールド開口、冷却媒体マニホールド開口の周囲には、適宜、それぞれの流体の漏洩を抑制するためのシール部材が設けられている。
燃料電池は、カソード側セパレータを介して供給された空気中の酸素ガスと、アノード側セパレータを介して供給された水素ガスとの酸化還元反応により発電する。発電によって冷却媒体(例えば水)や生成水の中を電子が流れると、OHイオンが発生する。セパレータが金属製である場合、その金属のイオンが冷却媒体や生成水の中に溶出してOHイオンと反応することによって、セパレータが腐食してしまう。この現象は、冷却媒体マニホールド開口付近でよく見られる。また、冷却媒体マニホールド開口付近が腐食してしまうと、冷却媒体マニホールド開口の周囲に設けられたシール部材のシール性が落ちてしまう。特許文献1では、セパレータの腐食を抑制するために、セパレータの冷却媒体マニホールド開口の周囲に、セパレータの表面材よりも腐食しやすい犠牲部材をコーディングした燃料電池スタックが開示されている。
特開2007−087766号公報
しかしながら、従来技術では、セパレータの通常の製造工程に加え、犠牲部材を設置するための工程が別途必要であり、セパレータの生産性が落ちてしまうという問題があった。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態として実現することが可能である。
(1)本発明の一形態によれば、燃料電池用セパレータの製造方法が提供される。この燃料電池用セパレータの製造方法は、(a)カーボンブラックを金属製のセパレータ材の表面に塗布する塗布工程と、(b)前記塗布工程の後に、前記セパレータ材を熱処理することによって、前記セパレータ材の表面に、前記カーボンブラックと前記セパレータ材の含有金属の酸化物とを含有する混合層と、前記混合層の上に残存する前記カーボンブラックで構成された余剰カーボン層と、を形成する熱処理工程と、(c)前記熱処理工程の後に、前記セパレータ材の表面のうちの少なくとも一部の領域において前記余剰カーボン層を除去する除去工程とを備える。前記セパレータ材の冷却媒体用マニホールド開口又は開口予定領域の外縁と、前記外縁に沿って並走するシール部材設置位置と、の間の領域を開口周縁犠牲領域と呼ぶとき、前記除去工程において、前記開口周縁犠牲領域における前記余剰カーボン層の厚みが、前記シール部材設置位置における前記余剰カーボン層の厚みよりも大きくなるように前記除去工程を実行する。
この形態の燃料電池用セパレータの製造方法によれば、セパレータの製造過程中に、余剰カーボン層を除去すると同時に開口周縁犠牲領域を形成するので、別部材を犠牲部材としてセパレータ上に別途に設置する工程がなく、セパレータの生産性を向上することができる。
本発明は、上記以外の種々の形態で実現することも可能である。例えば、燃料電池用セパレータ、燃料電池セル、燃料電池スタック等の形態で実現することができる。
本発明における燃料電池用セパレータを適用した燃料電池スタックの概略構成を示す斜視図である。 本発明の製造方法で得られるアノード側セパレータの概略平面図である。 本発明の第1実施形態におけるセパレータ材の概略平面図である。 本発明の第1実施形態におけるセパレータの製造方法を示す説明図である。 第1実施形態における犠牲領域が形成されたセパレータ材の概略平面図である。 第1実施形態におけるセパレータの冷却媒体入口マニホールド開口付近の断面図である。 余剰カーボン層の腐食抑制の実験結果を示す説明図である。 第2実施形態における犠牲領域が形成されたセパレータ材の概略平面図である。 第3実施形態における犠牲領域が形成されたセパレータ材の概略平面図である。 第4実施形態における犠牲領域が形成されたセパレータロール材の概略平面図である。
A.燃料電池スタック及びセパレータの構成:
図1は、本発明における燃料電池用セパレータ40,50を適用した燃料電池スタック100の概略構成を示す斜視図である。燃料電池スタック100は、複数の単セル140が、図1に示すX軸方向に積層されて形成されている。図中で、X軸およびZ軸は水平面と平行であり、+Y方向は鉛直上方向を示し、−Y方向は鉛直下方を示す。単セル140は、膜電極接合体(以下、「MEA」(Membrane−Electrode Assembly)と呼ぶ)プレート30と、MEAプレート30を挟んで配置された2つの燃料電池用セパレータ、すなわち、アノード側セパレータ50とカソード側セパレータ40と、を備えている。MEAプレート30は、発電部32と、発電部32の周囲を囲んで配置された支持フレーム31とを備えている。発電部32は、単セル140の積層方向(X軸方向)に沿って配置されているMEAとMEAを挟む2つのガス拡散層とを有する。なお、発電部32を1つの膜電極ガス拡散層接合体(MEGA)により構成してもよい。燃料電池スタック100は、いわゆる固体高分子型燃料電池であり、反応ガス(酸化剤ガスおよび燃料ガス)の供給部や、冷却媒体の供給部等と共に燃料電池システムを構成する。このような燃料電池システムは、例えば、駆動用電源を供給するためのシステムとして、車両等に搭載されて用いられる。
図2は、本発明の製造方法で得られるアノード側セパレータ50をMEAプレート30とは反対側から見た概略平面図である。アノード側セパレータ50の長手方向の一端縁部には、燃料ガス入口マニホールド開口62と、冷却媒体出口マニホールド開口84と、酸化剤ガス入口マニホールド開口72と、が上から下へと順に並んで設けられている。これに対して、他端縁部には、酸化剤ガス出口マニホールド開口74と、冷却媒体入口マニホールド開口82と、燃料ガス出口マニホールド開口64と、が上から下へと順に並んで設けられている。燃料ガス入口マニホールド開口62および燃料ガス出口マニホールド開口64と、酸化剤ガス入口マニホールド開口72および酸化剤ガス出口マニホールド開口74と、冷却媒体入口マニホールド開口82および冷却媒体出口マニホールド開口84、はアノード側セパレータ50の長手方向の両側の外縁部分で互いに対向するように配置されている。
カソード側セパレータ40の燃料ガス入口マニホールド開口(図示しない)から供給された燃料ガスのうち、利用されなかった燃料ガスは燃料ガス出口マニホールド開口64によって集められ、燃料電池スタック100の外部に排出される。また、カソード側セパレータ40の酸化剤ガス入口マニホールド開口(図示しない)から供給された酸化剤ガスのうち、利用されなかった酸化剤ガスは酸化剤ガス出口マニホールド開口74によって集められ、燃料電池スタック100の外部に排出される。さらに、カソード側セパレータ40の冷却媒体入口マニホールド開口(図示しない)から供給された冷却媒体は、冷却媒体流路溝54を流れて、冷却媒体出口マニホールド開口84によって集められ、燃料電池スタック100の外部に排出される。また、複数の単セル140が積層された状態では、冷却媒体入口マニホールド開口82と、冷却媒体流路溝54と、冷却媒体出口マニホールド開口84とが互いに連通して、冷却媒体流路面200を構成する。なお、各マニホールド開口62,64,72,74,82,84は略矩形状である。
図2において、各反応ガスマニホールド開口62,64,72,74および冷却媒体流路面200それぞれの外縁を並走するようにシール部材80が形成されており、アノード側セパレータ50に配置されている。シール部材80は、複数の単セル140を積層した際に、隣接する他の単セル140のカソード側セパレータ40の表面に当接し、2つの単セル140の間を密封する機能を有する。具体的には、シール部材80において、マニホールド開口62,64をそれぞれ囲む部分が燃料ガスの漏洩を抑制するためのものであり、マニホールド開口72,74をそれぞれ囲む部分が酸化剤ガスの漏洩を抑制するためのものであり、冷却媒体流路面200を囲む部分が冷却媒体の漏洩を抑制するためのものである。
B.燃料電池用セパレータの製造方法:
・第1実施形態:
図3は、アノード側セパレータ50の製造に用いられるセパレータ材50aの概略平面図である。セパレータ材50aの材料としては、SUS(鉄、クロム、ニッケル)、チタン等の金属製の板を採用することができる。第1実施形態では、チタンの板材が採用されている。図示の便宜上、アノード側セパレータ50の各マニホールド開口の開口予定領域62a,64a,72a,74a,82a,84aを破線で示している。また、シール部材80の設置位置80a(シール部材設置位置)を破線で示している。
図4は、アノード側セパレータ50の製造方法を示す説明図である。図4では、図3に示したセパレータ材50aのA−A断面を用いて説明する。なお、セパレータ材50aの表面には、図4(a)に示すように予め酸化チタン被膜T1が付着している。酸化チタン被膜T1は、セパレータ材50a表面のチタンが大気中で酸化して形成した不動態膜である。酸化チタン被膜T1で被覆したセパレータ材50aは導電性が低いが、後述する混合層を形成することによって導電性を高めることができる。チタン以外の金属セパレータ材を用いた場合にも、大気中でその表面に酸化物被膜が形成されるので、同様に、後述する混合層を形成することによってセパレータ材の導電性を高めることができる。図4(b)に示すように、まず、セパレータ材50aの表面に、カーボンブラックC1を塗布する塗布工程を行う。塗布工程は、カーボンブラックC1の粉末を含む分散液を塗布したり、カーボンブラックC1の粉末を直接塗布したりすることによって行うことができる。また、塗布したカーボンブラックC1が形成した層の厚さは、例えば100〜300nmである。なお、カーボンブラックC1の塗布量は、完成後のアノード側セパレータ50が十分な導電性を有するようにするために、例えば、1μg/cm以上とすることが好ましく、2μg/cm以上とすることが更に好ましい。
次に、図4(c)に示すように、塗布工程を行ったセパレータ材50aを熱処理する。熱処理工程は、酸素分圧が1.3X10−3〜21Paの範囲で行うことが好ましい。熱処理の温度は、例えば、500〜900℃の温度範囲とするのが好ましい。そのうち、600〜800℃の温度範囲が特に好ましく、600〜700℃の温度範囲が更に好ましい。熱処理工程によって、酸化チタン被膜T1が成長し、酸化チタンとカーボンブラックとを含有する混合層TCが形成される。この混合層TCは、カーボンブラックを含有しているので、十分な導電性を有する。混合層TCの上に残存するカーボンブラックは、余剰カーボン層C2を構成する。このように、熱処理工程によって、セパレータ材50aの表面に、混合層TCと余剰カーボン層C2とが形成される。熱処理工程では、例えば、厚さ200nmのカーボンブラックC1が塗布されたセパレータ材50aを650℃で30秒加熱すると、厚さ100nmの混合層TCと、厚さ100nmの余剰カーボン層C2とを形成することができる。混合層TCの厚さは、塗布工程で形成されたカーボンブラックC1の層の厚さの1/3〜2/3の範囲とすることが好ましい。
次に、図4(d)に示すように、セパレータ材50aの表面の一部の領域において、例えば、ウォータージェット法を用いて、余剰カーボン層C2を除去する除去工程を行う。図4(d)の例では、ノズル210から噴出された水を利用して、シール部材設置位置80aを含む一部の領域において、余剰カーボン層C2を除去する。図4(e)は、除去工程を行った後の状態を示している。この状態では、セパレータ材50aの表面において、冷却媒体入口マニホールド開口予定領域82aの外縁と冷却媒体用のシール部材設置位置80aとの間の領域SAに、余剰カーボン層C2が残っている。カーボンブラックがチタンや酸化チタンよりも腐食しやすい材料であるため、セパレータに腐食が発生する際には優先的に腐食される。そこで、この余剰カーボン層C2が残っている領域SAを開口周縁犠牲領域SAと呼ぶ(以降、「犠牲領域SA」とも呼ぶ)。
なお、余剰カーボン層C2を除去した領域に、多少の余剰カーボンC2aが残存していてもよく、あるいは、余剰カーボンをすべて除去してもよい。なお、シール部材設置位置80aは、その少なくとも一部の表面が、余剰カーボンC2aを有さず、混合層TCが表面に露出していることが好ましい。こうすれば、シール部材設置位置80aにシール部材80を強固に接合できる。また、犠牲領域SAにおいても、余剰カーボン層C2の厚みを小さくするように、一部の余剰カーボンを除去してもよい。例えば、ウォータージェット法を用いて、セパレータ材50aの表面全体に水を噴射し、犠牲領域SAに加える洗浄圧力を他の領域よりも小さくすることによって、犠牲領域SAでの余剰カーボンの除去量を他の領域での余剰カーボンの除去量よりも少なくするようにしてもよい。このように、除去工程では、犠牲領域SAにおける余剰カーボン層C2の厚みがシール部材設置位置80aにおける余剰カーボン層の厚みよりも大きくなるように余剰カーボンの除去を実行することが好ましい。
図5は、図4における除去工程を行った後のセパレータ材50aの概略平面図である。図示の便宜上、犠牲領域SAはハッチングされている。冷却媒体入口マニホールド開口予定領域82aと冷却媒体出口マニホールド開口予定領域84aのそれぞれの外縁と、冷却媒体用のシール部材設置位置80aとの間には、犠牲領域SAが設けられている。この後、セパレータ材50aにプレス加工を施すことによって冷却媒体流路溝と各マニホールド開口を形成し、ゴム等で作製されたシール部材80をシール部材設置位置80aに固定してアノード側セパレータ50を作製することができる。
図6は、完成後のアノード側セパレータ50の冷却媒体入口マニホールド開口82付近の断面図である。図示の便宜上、アノード側セパレータ50の短辺と平行な犠牲領域SAのみ描かれている。シール部材設置位置80aでは、余剰カーボン層C2の厚みがほぼゼロであるに対し、犠牲領域SAの余剰カーボン層C2の厚みWはゼロよりも大きな値である。通常、アノード側セパレータ50では、冷却媒体入口マニホールド開口82の外縁からシール部材80の方向に向かって腐食が進行し、シール部材設置位置80aまで腐食が進むとシール部材80のシール性が低下する。従って、冷却媒体入口マニホールド開口82の外縁とシール部材設置位置80aとの間に犠牲領域SAを設けることで、シール部材80のシール性が低下するのを大幅に抑制することができる。
図7は、余剰カーボン層C2の腐食抑制の実験結果を示す説明図である。図7(a)は、実験装置400の説明図である。この実験装置400は、電解質溶液420を収容する容器410と、直流電源430とを有する。10Vの直流電源430のマイナス側には白金電極440が接続され、プラス側にはテストピースTPが接続される。白金電極440とテストピースTPは、電解質溶液420中に浸漬される。また、テストピースTPには、荷重付与部材としての非金属製の基材450が接着剤で接合されている。テストピースTPとしては、図4(a)と同様の断面を有する未処理のチタン板材と、図4(c)と同様に混合層TCと余剰カーボン層C2とを有するチタン板材との2種類を用いた。その2種類のテストピースTPそれぞれについて、テストピースTPと基材450との境界における平均剥がれ距離の時間変化を測定した結果を図7(b)に示す。図7(b)に示すように、余剰カーボン層C2を有するテストピースTPのほうが、剥がれが現れる時間が余剰カーボン層C2を有しないテストピースTPのほうよりも遅く、平均剥がれ距離がより小さい。これは、余剰カーボン層C2がテストピースTPの腐食を抑制したからであると推測される。
以上のように、第1実施形態では、アノード側セパレータ50の製造過程中に、余剰カーボン層C2を除去すると同時に犠牲領域SAを形成するので、別部材を犠牲部材としてアノード側セパレータ50上に別途に設置する工程がなく、アノード側セパレータ50の生産性を向上させることができる。また、シール部材80と冷却媒体用マニホールド開口82,84の外縁との間に犠牲領域SAが設けられているので、冷却媒体用マニホールド開口82,84付近が腐食することによってシール部材80のシール性が低下するのを抑制できる。
・第2実施形態:
図8は、第2実施形態における犠牲領域SA1が形成されたセパレータ材50aの概略平面図である。図5に示した第1実施形態との違いは、犠牲領域SA1が形成される位置のみであり、これ以外の構成は第1実施形態と同様である。第2実施形態では、冷却媒体入口マニホールド開口予定領域82a及び冷却媒体出口マニホールド開口予定領域84aの全周それぞれを囲むように、犠牲領域SA1が形成されている。こうすれば、完成後のアノード側セパレータ50の冷却媒体用マニホールド開口82,84の周辺における腐食の進行をさらに確実に抑制できる。
・第3実施形態:
図9は、第3実施形態における犠牲領域SA2が形成されたセパレータ材50aの概略平面図である。図8に示した第2実施形態との違いは、犠牲領域SA2が形成される位置のみであり、これ以外の構成は第2実施形態と同様である。第3実施形態では、セパレータ材50a上のすべてのマニホールド開口予定領域62a,64a,72a,74a,82a,84aそれぞれの全周を囲むように、犠牲領域SA2が形成されている。こうすれば、完成後のアノード側セパレータ50の各反応ガスマニホールド開口62,64,72,74及び冷却媒体用マニホールド開口82,84の周辺における腐食の進行を抑制できる。
・第4実施形態:
図10は、第4実施形態における犠牲領域SAが形成されたセパレータロール材50bの概略平面図である。図5に示した第1実施形態との違いは、犠牲領域SAがロール状のセパレータロール材50bに形成されている点であり、これ以外の構成は第1実施形態と同様である。セパレータロール材50bには、複数のレジスタマーク300が設けられており、これらのレジスタマーク300を用いて切断すると、一枚のセパレータ材50aを得られる。
・変形例:
上記各実施形態において、塗布工程と熱処理工程と除去工程は、マニホールド開口が形成されたセパレータ材(セパレータロール材)で行ってもよい。また、上記各実施形態では、アノード側セパレータ50の2つの面のうち、発電部32とは反対側の面に図4の処理を行うものとしていたが、発電部32側の面に対しても図4の処理を行ってもよい。更に、上記各実施形態では、アノード側セパレータ50の製造方法を説明したが、カソード側セパレータ40も同様にして製造することが可能である。
本発明は、上述の実施形態や変形例に限られるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の構成で実現することができる。例えば、発明の概要の欄に記載した各形態中の技術的特徴に対応する実施形態や変形例中の技術的特徴は、上述の課題の一部又は全部を解決するために、あるいは、上述の効果の一部又は全部を達成するために、適宜、差し替えや、組み合わせを行うことが可能である。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。
30…MEAプレート
31…支持フレーム
32…発電部
40…カソード側セパレータ
50…アノード側セパレータ
50a…セパレータ材
50b…セパレータロール材
54…冷却媒体流路溝
62…燃料ガス入口マニホールド開口
62a,64a,72a,74a,82a,84a…マニホールド開口予定領域
64…燃料ガス出口マニホールド開口
72…酸化剤ガス入口マニホールド開口
74…酸化剤ガス出口マニホールド開口
80…シール部材
80a…シール部材設置位置
82…冷却媒体入口マニホールド開口
84…冷却媒体出口マニホールド開口
100…燃料電池スタック
140…単セル
200…冷却媒体流路面
210…ノズル
300…レジスタマーク
400…実験装置
410…容器
420…電解質溶液
430…直流電源
440…白金電極
450…基材
C1…カーボンブラック
C2…余剰カーボン層
C2a…余剰カーボン
SA,SA1,SA2…開口周縁犠牲領域(犠牲領域)
T1…酸化チタン被膜
TC…混合層
TP…テストピース

Claims (1)

  1. 燃料電池用セパレータの製造方法であって、
    (a)カーボンブラックを金属製のセパレータ材の表面に塗布する塗布工程と、
    (b)前記塗布工程の後に、前記セパレータ材を熱処理することによって、前記セパレータ材の表面に、前記カーボンブラックと前記セパレータ材の含有金属の酸化物とを含有する混合層と、前記混合層の上に残存する前記カーボンブラックで構成された余剰カーボン層と、を形成する熱処理工程と、
    (c)前記熱処理工程の後に、前記セパレータ材の表面のうちの少なくとも一部の領域において前記余剰カーボン層を除去する除去工程と、
    を備え、
    前記セパレータ材の冷却媒体用マニホールド開口又は開口予定領域の外縁と、前記外縁に沿って並走するシール部材設置位置と、の間の領域を開口周縁犠牲領域と呼ぶとき、
    前記除去工程において、前記開口周縁犠牲領域における前記余剰カーボン層の厚みが、前記シール部材設置位置における前記余剰カーボン層の厚みよりも大きくなるように前記除去工程を実行する、燃料電池用セパレータの製造方法。
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