JP5002890B2 - 燃料電池 - Google Patents

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Description

本発明は、燃料電池に関し、特に、発電性能を低下させることなく耐久性を向上させることが可能な燃料電池に関する。
燃料電池は、電解質と、当該電解質の両側に配置される電極(アノード及びカソード)とを備える膜電極接合体(以下において、「MEA(Membrane Electrode Assembly)」と記述する。)における電気化学反応により発生した電気エネルギーを、このMEAの両側に配設されるセパレータを介して外部に取り出している。燃料電池の中でも、家庭用コージェネレーション・システムや自動車等に使用される固体高分子型燃料電池(以下において、「PEFC(Polymer Electrolyte Fuel Cell)」と記述する。)は、低温領域での運転が可能であり、80〜100℃等の運転温度で使用されるのが一般的である。また、PEFCは、30〜40%の高いエネルギー変換効率を示し、起動時間が短く、かつシステムが小型軽量であることから、電気自動車や携帯用電源の最適な動力源として注目されている。
PEFCのユニットセルは、パーフルオロカーボンスルホン酸膜等により構成される電解質膜、少なくとも触媒層を備えるアノード電極及びカソード電極、並びに、セパレータを含んでいる。PEFCのアノード電極には水素を含む反応ガスが供給されるとともに、カソード電極には酸素を含む反応ガスが供給され、これらの反応ガス、並びに、触媒層中に含まれる触媒(例えば、Pt等)及び電解質成分により形成される三相界面において電気化学反応が起こる。かかる電気化学反応により、PEFCのユニットセルでは、例えば0.7V程度の起電力を得ることが可能になる。しかし、かかる低起電力では電気自動車等の動力源として不十分であるため、通常は、ユニットセルを直列に積層した積層体の積層方向両端にエンドプレート等を配置して構成されるスタック形態の燃料電池が使用されている。
他方、燃料電池の発電時にユニットセル内で過酸化水素が生成され、この過酸化水素から生成されるOHラジカルが起点となってMEAの高分子電解質を劣化させていることが明らかになりつつある。かかる劣化は、燃料電池の耐久性低下や発電性能低下の一因となるため、MEA内の過酸化水素を低減することで上記劣化を抑制し、燃料電池の耐久性及び発電性能を向上させることが望まれている。
特許文献1には、MEA内の過酸化水素を低減するため、Ptを担持した担体にCeOを担持させて成ることを特徴とする燃料電池用カソード触媒に関する技術が開示されている。この触媒を用いることで、カソードにおける酸素の還元反応速度を上昇させることが可能になる、とされている。
特開2003−100308号公報
しかし、特許文献1に開示されている技術により十分な過酸化水素低減効果を得るためには、CeO及びPtを担持させた触媒を触媒層内に均等に分散させる必要があり、大量のCeOが必要になる。大量のCeOを分散させると、触媒層中における三相界面が相対的に減少するため、燃料電池の発電性能が低下するという問題があった。
そこで本発明は、発電性能を低下させることなく耐久性を向上させることが可能な燃料電池を提供することを課題とする。
上記課題を解決するために、本発明は以下の手段をとる。すなわち、
請求項1に記載の発明は、電解質膜、並びに、当該電解質膜の両側に配設されるアノード及びカソードを備える接合体と、接合体の外側に配設されるセパレータとを備え、アノード及びカソードは、少なくとも触媒層を備え、セパレータの接合体側の面に凸部が備えられている、燃料電池であって、過酸化水素分解性能を有する金属元素の単体及び/又は当該金属元素を含む化合物が、セパレータの凸部のうち接合体に接する部位の全部若しくは一部、及び/又は、接合体を構成する層の表面であって、接合体とセパレータとの積層方向から見て、凸部に重なる部位の全部若しくは一部、に備えられており、少なくとも、セパレータの一の前記凸部と他の凸部との間に形成される溝部の全部、及び、接合体を構成する層の表面であって、接合体とセパレータとの積層方向から見て、溝部に重なる部位の全部には、金属元素の単体及び/又は該金属元素を含む化合物が備えられていないことを特徴とする、燃料電池により、上記課題を解決する。
ここに、本発明において、過酸化水素分解性能を有する金属元素の単体及び/又は当該金属元素を含む化合物とは、過酸化水素分解性能を有するイオンを溶出させ得る金属元素の単体及び/又は当該金属元素を含む化合物をも含む概念である。かかる金属元素の具体例としては、Mn、Fe、Pt、Pd、Ni、Cr、Cu、Ce、Rb、Co、Ir、Ag、Au、Rh、Ti、Zr、Al、Hf、Ta、Nb、Os等を挙げることができる。また、化合物の具体例としては、酸化物やリン酸化物等を挙げることができる
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の燃料電池において、過酸化水素分解性能を有する金属元素単体及び/又は当該金属元素を含む化合物が、電解質膜の表面、アノードの表面、若しくはカソードの表面であって、接合体とセパレータとの積層方向から見て、凸部に重なる部位、又は、セパレータの凸部のうち接合体に接する部位、の少なくとも1以上の部位の全部若しくは一部に備えられていることを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の燃料電池において、過酸化水素分解性能を有する金属元素単体及び/又は当該金属元素を含む化合物は、カソードの表面であって、接合体とセパレータとの積層方向から見てセパレータの凸部に重なる部位の全部若しくは一部、及び/又は、該カソードを押圧すべきセパレータの凸部のうちカソードに接する部位の全部若しくは一部に備えられていることを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか1項に記載の燃料電池において、過酸化水素分解性能を有する金属元素を含む化合物は、酸化セリウム及び/又はリン酸セリウムであることを特徴とする。
請求項1に記載の発明によれば、セパレータの凸部のうち接合体に接する部位、及び/又は、接合体を構成する層の表面であって、接合体とセパレータとの積層方向から見て、セパレータの凸部に重なる部位(以下において、「セパレータの凸部近傍」と記述することがある。)に、過酸化水素分解性能を有する金属元素の単体及び/又は当該金属元素を含む化合物(以下において、これらを単に「過酸化水素分解物質」と記述することがある。)が備えられている。ここに、セパレータの凸部近傍では液滴の水が滞留しやすく、また、接合体の当該凸部近傍はセパレータの凸部によって押圧されているため、劣化しやすい。一方で、過酸化水素は、水の存在下で、MEAの電解質成分を劣化させるOHラジカルを生成する。そのため、劣化しやすい上記凸部近傍に、過酸化水素分解物質が備えられていれば、MEAの劣化を抑制することが可能になり、燃料電池の耐久性を向上させることが可能になる。また、本発明によれば、上記凸部近傍に過酸化水素分解物質が選択的に備えられるため、燃料電池内において必要とされる過酸化水素分解物質の量を、従来よりも低減することが可能になり、当該過酸化水素分解物質に起因する三相界面の減少を抑制することが可能になる。したがって、請求項1に記載の発明によれば、発電性能を低下させることなく耐久性を向上させることが可能な、燃料電池を提供することが可能になる。
請求項2に記載の発明によれば、電解質膜の表面、アノードの表面、若しくはカソードの表面であって、接合体とセパレータとの積層方向から見て、セパレータの凸部に重なる部位、又は、セパレータの凸部のうち接合体に接する部位、の少なくとも1以上の部位の全部若しくは一部に過酸化水素分解物質が備えられている。ユニットセル内にて生成される生成水が滞留しやすく、OHラジカルが生成されやすい上記部位に過酸化水素分解物質が備えられる構成とすることで、発電性能を低下させることなく耐久性を効果的に向上させることが可能な、燃料電池を提供することが可能になる。
請求項3に記載の発明によれば、カソードの表面であって、接合体とセパレータとの積層方向から見てセパレータの凸部に重なる部位の全部若しくは一部、及び/又は、該カソードを押圧すべきセパレータの凸部のうちカソードに接する部位の全部若しくは一部に、過酸化水素分解物質が備えられている。カソードの電気化学反応により生成された水(水蒸気)は、冷却媒体により冷却されているカソード側のセパレータに触れることにより、結露して液滴の水となる。そのため、特に、上記凸部によって押圧されている接合体のカソードでは、液滴の水が生成されやすい。他方、かかる水の存在下では、過酸化水素から生成されるOHラジカルによって電解質成分が劣化しやすいことが知られているほか、上記水の存在下では、過酸化水素分解物質から過酸化水素分解性能を有する金属イオンを容易に溶出させることが可能になる。そのため、上記部位に過酸化水素分解物質が備えられる構成とすれば、上記金属イオンにより過酸化水素を効果的に分解することが可能になり、電解質成分の劣化を効果的に抑制することが可能になる。したがって、請求項3に記載の発明によれば、発電性能を低下させることなく耐久性を一層効果的に向上させることが可能な、燃料電池を提供することが可能になる。
なお、本発明において過酸化水素分解物質が備えられ得る部位は、上記接合体のカソード及び/又はカソードを押圧すべきセパレータ凸部のみに限定されるものではなく、アノードを押圧すべきセパレータ凸部や、当該凸部によって押圧される接合体のアノードに過酸化水素分解物質が備えられていても良い。アノード側のこれらの部位に過酸化水素分解物質が備えられる構成とすれば、カソードからの移動水中の過酸化水素を分解し、電解質膜の劣化を抑制することが可能になる。
請求項4に記載の発明によれば、過酸化水素分解性能を有する金属元素Ceを含む化合物である、酸化セリウム及び/又はリン酸セリウムが、燃料電池に備えられている。酸化セリウム及びリン酸セリウムは、燃料電池内の環境においてCeイオンを溶出させることが可能であり、かかるCeイオンは効果的に過酸化水素を分解し得る物質である。そのため、請求項4に記載の発明によれば、発電性能を低下させることなく耐久性をより一層効果的に向上させることが可能な、燃料電池を提供することが可能になる。
以下に図面を参照しつつ、本発明の燃料電池についてさらに具体的に説明する。
図1は、第1実施形態にかかる本発明の燃料電池を概略的に示す断面図である。図1において、図の左右方向が接合体及びセパレータの積層方向である。
図示のように、第1実施形態にかかる本発明の燃料電池100は、電解質膜11、並びに、当該電解質膜11の両側に配設されるアノード12及びカソード13を備える接合体15、を備え、接合体15の外側には、セパレータ21、22が配設されている。上記アノード12は、アノード触媒層12a及びアノード拡散層12bを備える一方、上記カソード13は、カソード触媒層13a及びカソード拡散層13bを備え、MEA14は、電解質膜11、並びに、アノード触媒層12a及びカソード触媒層13aを備えている。アノード拡散層12b側に配設されているセパレータ21には、当該拡散層12bと対向する面に、水素含有ガス(以下において、「水素」と記述することがある。)が供給される流路としての溝部21a、21a、…が形成されており、凸部21b、21b、…はこれらの溝部21a、21a、…の間に位置している。さらに、セパレータ21の、拡散層12bと当接している面とは反対側の面に、冷却媒体流路21c、21c、…が形成されている。一方、カソード拡散層13b側に配設されているセパレータ22には、当該拡散層13bと対向する面に、酸素含有ガス(以下において、「酸素」と記述することがある。)が供給される流路としての溝部22a、22a、…が形成されている。これらの溝部22a、22a、…の間には、凸部22b、22b、…が位置しており、さらに、セパレータ22の、拡散層13bと当接している面とは反対側の面に、冷却媒体流路22c、22c、…が形成されている。そして、カソード側に配設されているセパレータの凸部22b、22b、…によって押圧されているカソード拡散層の部位13x、13x、…に、酸化セリウム(以下において、「CeO」と記述する。)が、塗布されている。なお、特に断らない限り、以下の説明では、CeOそれ自体のほか、CeO含有物質をも含む概念として、CeOと表記する。さらに、被塗布面と対向する方向(図1では紙面右から左の方向)から上記部位13xの一部を見た場合における、当該部位13xの概略図である図8(A)に示すように、上記各部位13x、13x、…のCeOは、格子状に塗布されているものとする。また、当該格子の大きさは、各13xの部位の大きさより十分に小さいものとする。
図示の燃料電池100において、アノード側の上記溝部21a、21a、…から供給される水素は、アノード拡散層12bを介してアノード触媒層12aへと達し、当該触媒層12a内の触媒上にて水素から電子と水素イオンとが生成される。そして、上記アノード触媒層12aにて発生した水素イオンは、電解質膜11を通ってカソード触媒層13aへと到達する。一方、カソード側の上記溝部22a、22a、…から供給される酸素は、カソード拡散層13bを介してカソード触媒層13aへと供給され、当該触媒層13aの触媒上において、水素イオン、酸素、及び電子が反応することにより水(水蒸気)が生成される。このようにして生成された水蒸気の一部は、溝部22a、22a、…内を流れるガスにより外部へと排出される一方、残りの一部は、流路22c、22c、…内を流れる媒体により冷却されているセパレータ22の凸部22b、22b、…等に触れることにより、結露して液滴の水となる。かかる水の一部は、上記水蒸気と同様に、溝部22a、22a、…内を流れるガスにより外部へと排出され得るが、一般に、凸部22b、22b、…と当接している拡散層部位13x、13x、…に存在する水は、当該ガスによって持ち去られ難いことが知られている。そのため、部位13x、13x、…には、水が滞留しやすい。
一方、燃料電池100の内部では、上記溝部21a、21a、…、22a、22a、…を介して供給される一部の水素と酸素とが反応して過酸化水素が生成され、さらに、水の存在下において、この過酸化水素からOHラジカルが生成される。すなわち、水が滞留しやすい上記部位13x、13x、…では、OHラジカルが生成されやすく、このOHラジカルは、電解質膜11や触媒層12a、13aに含まれる電解質成分を劣化させる。
そこで、本発明にかかる燃料電池100では、部位13x、13x、…に、過酸化水素分解性能を有するCeイオンを溶出させ得るCeOを備える形態としている。かかる形態とすることで、当該部位13x、13x、…において過酸化水素を効果的に分解することが可能になる。過酸化水素が分解されれば、OHラジカルの生成量を低減することが可能になるため、電解質成分の劣化を抑制することが可能になる。すなわち、かかる構成とすることで、燃料電池100の耐久性を向上させることが可能になる。
図2は、第2実施形態にかかる本発明の燃料電池を概略的に示す断面図である。図2において、図の左右方向が接合体及びセパレータの積層方向であり、図1と同じ構成を採る部位には図1にて使用した符号と同符号を付し、その詳細説明を省略する。
第2実施形態にかかる本発明の燃料電池200は、カソード13側に配設されているセパレータ22の凸部22b、22b、…の表面22x、22x、…に、CeOが塗布されている。なお、当該CeOの塗布形態は、上記13x、13x、…と同様である。上述のように、凸部22b、22b、…によって押圧されているカソード拡散層13bの部位では生成水が滞留しやすいため、生成水が滞留しやすい当該部位と当接している凸部表面22x、22x、…にCeOが塗布されていれば、上記生成水滞留部位において過酸化水素を効果的に分解することが可能になる。すなわち、かかる構成とすれば、OHラジカルの生成量を低減することが可能になるため、燃料電池200の耐久性を向上させることが可能になる。
図3は、第3実施形態にかかる本発明の燃料電池を概略的に示す断面図である。図3において、図の左右方向が接合体及びセパレータの積層方向であり、図1と同じ構成を採る部位には図1にて使用した符号と同符号を付し、その詳細説明を省略する。
第3実施形態にかかる本発明の燃料電池300は、カソード触媒層13aの電解質膜11側の部位13y、13y、…に、CeOが塗布されており、部位13y、13y、…は、カソード拡散層13b及びカソード触媒層13aを介して、カソード13側に配設されているセパレータ22の凸部22b、22b、…によって押圧されている。なお、当該CeOの塗布形態は、上記13x、13x、…と同様である。かかる形態の燃料電池300とすれば、CeOから溶出されるCeイオンにより、電解質膜11とカソード触媒層13aとの界面に存在する過酸化水素を効果的に分解することが可能になる。上記界面の過酸化水素を分解できれば、当該界面にて生成されるOHラジカルの生成量を低減することが可能になるため、OHラジカルによる電解質膜11の劣化を効果的に抑制することが可能になる。したがって、かかる構成の燃料電池300によっても、耐久性を向上させることが可能になる。なお、本実施形態において、上記部位13y、13y、…の面積は、第1実施形態にかかる部位13x、13x、…の面積と略同一とする。
図4は、第4実施形態にかかる本発明の燃料電池を概略的に示す断面図である。図4において、図の左右方向が接合体及びセパレータの積層方向であり、図1と同じ構成を採る部位には図1にて使用した符号と同符号を付し、その詳細説明を省略する。
第4実施形態にかかる本発明の燃料電池400は、カソード拡散層13bのカソード触媒層13a側の部位13z、13z、…に、CeOが格子状に塗布されており、部位13z、13z、…は、カソード拡散層13bを介して、セパレータ22の凸部22b、22b、…によって押圧されている。なお、当該CeOの塗布形態は、上記13x、13x、…と同様である。かかる形態の燃料電池400とすれば、CeOから溶出されるCeイオンにより、カソード13内の拡散層と触媒層との界面に存在する過酸化水素を効果的に分解することが可能になる。したがって、上記実施形態にかかる燃料電池100、200、300の場合と以下同様にして、かかる構成の燃料電池400によっても、耐久性を向上させることが可能になる。なお、本実施形態において、上記部位13z、13z、…の面積は、第1実施形態にかかる部位13x、13x、…の面積と略同一とする。
図5は、第5実施形態にかかる本発明の燃料電池を概略的に示す断面図である。図5において、図の左右方向が接合体及びセパレータの積層方向であり、図1及び図3と同じ構成を採る部位には図1及び図3にて使用した符号と同符号を付し、その詳細説明を省略する。
第5実施形態にかかる本発明の燃料電池500は、カソード拡散層の上記部位13x、13x、…、及び、カソード触媒層の上記部位13y、13y、…に、上記実施形態にかかる塗布形態と同様の形態で、CeOが塗布されている。かかる形態の燃料電池500とすれば、カソード13に存在する過酸化水素をより効果的に分解することが可能になる。したがって、かかる構成の燃料電池500によっても、耐久性を向上させることが可能になる。
図6は、第6実施形態にかかる本発明の燃料電池を概略的に示す断面図である。図6において、図の左右方向が接合体及びセパレータの積層方向であり、図1と同じ構成を採る部位には図1にて使用した符号と同符号を付し、その詳細説明を省略する。
第6実施形態にかかる本発明の燃料電池600は、カソード拡散層の上記部位13x、13x、…に、上記実施形態にかかる塗布形態と同様の形態で、CeOが塗布されており、さらに、アノード12側に配設されているセパレータ21の凸部21b、21b、…によって押圧されるアノード拡散層の部位12x、12x、…にも、CeOが同様の形態で塗布されている。かかる形態の燃料電池600とすれば、カソード13に存在する過酸化水素のみならず、アノード12に存在する過酸化水素をも効果的に分解することが可能になる。したがって、かかる構成の燃料電池600によっても、耐久性を向上させることが可能になる。
図7は、第7実施形態にかかる本発明の燃料電池を概略的に示す断面図である。図7において、図の左右方向が接合体及びセパレータの積層方向であり、図6と同じ構成を採る部位には図6にて使用した符号と同符号を付し、その詳細説明を省略する。
第7実施形態にかかる本発明の燃料電池700は、上記部位13x、13x、…及び12x、12x、…に加え、アノード触媒層12aの電解質膜11側の部位12y、12y、…に、上記実施形態にかかる塗布形態と同様の形態で、CeOが塗布されている。そして、部位12y、12y、…は、アノード拡散層12b及びアノード触媒層12aを介して、アノード12側に配設されているセパレータ21の凸部21a、21a、…によって押圧されている。かかる形態の燃料電池700とすれば、カソード13及びアノード12に存在する過酸化水素を一層効果的に分解することが可能になる。したがって、かかる構成の燃料電池700によっても、耐久性を向上させることが可能になる。なお、本実施形態において、上記部位12y、12y、…の面積は、第6実施形態にかかる部位12x、12x、…の面積と略同一とする。
上記説明では、様々な部位にCeOが塗布されている燃料電池について記述したが、本発明にかかる燃料電池においてCeOが塗布され得る部位は上記実施形態にかかる部位のみに限定されるものではなく、燃料電池が発電可能な形態で塗布される限り、電解質膜、アノード側に配設されているセパレータにおけるアノード拡散層側の凸部表面、及び/又は、当該凸部表面によって押圧されているアノード触媒層の部位等に塗布されていても良い。ここに、十分な過酸化水素分解効果を得るという観点からは、上記部位13y、13y、…及び/又は12y、12y、…に塗布されている燃料電池とすることが好ましく、過酸化水素分解物質を容易に塗布し得るという観点からは、上記部位13x、13x、…及び/又は12x、12x、…やセパレータの凸部に塗布されている燃料電池とすることが好ましい。
また、上記説明では、図8(A)に示すように、CeOが格子状に塗布されている形態について記述したが、本発明にかかる塗布形態は当該形態に限定されるものではなく、燃料電池の発電性能や耐久性向上効果等を総合的に勘案して適当な形態とすることができる。セパレータの凸部や当該凸部に当接している部位等、燃料電池の発電性能に大きな影響を及ぼす部位に、燃料電池の発電性能を低下させる虞を有する形態で過酸化水素分解物質を塗布する場合には、上記格子状のほか、ドット状等の形態で塗布することが好ましい。かかる形態で塗布することにより、発電性能の低下を抑制しつつ過酸化水素を分解することが可能な、燃料電池とすることが可能になる。図8に塗布形態の具体例を概略的に示す。
図8(A)は、被塗布面に格子状に塗布されたCeOの一部を、図8(B)は、ドット状に塗布されたCeOの一部を、それぞれ概略的に示す、被塗布面と対向する方向から見た正面図である。一方で、図8(C)は、被塗布面の塗布すべき部位の全面に亘って塗布された、導電性を有するCeO含有物質を、図8(A)及び(B)と同様の方向から概略的に示す正面図である。図8(A)〜(C)において、黒色部位は、塗布されたCeO(又はCeO含有物質)を、白色部位は、当該物質が塗布される被塗布面を、それぞれ表している。また、図8(A)及び(B)において、格子及びドットの大きさは、CeOを塗布すべき部位の大きさよりも十分に小さいものとする。
優れた導電性を有する物質(例えば、導電性樹脂等)にCeOを混入する等の方法により、過酸化水素分解性能と良好な導電性とを兼ね備える形態で塗布することが可能な場合には、図8(C)のような形態で上記過酸化水素分解物質を塗布しても良い。
さらに、セパレータの凸部以外の部位にCeOが塗布されている形態に関する上記説明では、セパレータの凸部と略同一面積を有する部位にCeOが塗布されている形態について記述したが、本発明にかかる塗布形態は、被塗布面が、塗布されない部位を有する形態であれば、当該形態に限定されるものではない。本発明では、上記凸部よりも大きな部位(例えば、上記各凸部よりも一回り程度大きい各部位等)に塗布されていても良く、当該凸部よりも小さい部位(例えば、上記各凸部の半分程度の大きさの各部位等)に塗布されていても良い。ここに、上記塗布されない部位を有する形態の具体例としては、上記実施形態のように、セパレータの溝部及び当該溝部と対向する接合体部位にCeOが塗布されない形態を挙げることができる。また、塗布されたCeOによって形成される塗布層の厚みは、全て同一であっても良く、塗布部位によって差が設けられていても良い。
加えて、本発明において、CeOを塗布する際の方法は、CeO塗布層を燃料電池内に形成し得る形態であれば、特に限定されるものではない。本発明にかかる塗布方法の具体例としては、刷毛等を用いて塗布する方法のほか、スクリーン印刷やシルク印刷等を挙げることができる。
また、上記説明では、便宜上、塗布されたCeOを備える形態について記述したが、本発明にかかる燃料電池に上記CeO層を形成させる方法は、塗布に限定されるものではなく、過酸化水素分解性能を発揮し得る形態で当該層が形成されていれば、他の方法で形成されていても良い。
さらに、上記説明では、CeOが備えられている形態の燃料電池について説明したが、本発明にかかる燃料電池に備えられ得る過酸化水素分解物質はCeOに限定されるものではなく、リン酸セリウム等、他の物質及び/又は当該他の物質を含有する物質が備えられていても良い。本発明にかかる燃料電池に備えられ得る過酸化水素分解物質の具体例としては、Mn、Fe、Pt、Pd、Ni、Cr、Cu、Ce、Rb、Co、Ir、Ag、Au、Rh、Ti、Zr、Al、Hf、Ta、Nb、Os等の金属元素単体、及び/又は当該金属元素を含む化合物を挙げることができる。
なお、上記説明では、便宜上、セパレータに反応ガス流路が形成されている形態の燃料電池について記述したが、本発明にかかる燃料電池は、当該形態に限定されるものではなく、セパレータの接合体側の面に凸部が備えられていれば、他の形態のセパレータを備える燃料電池とすることも可能である。
第1実施形態にかかる本発明の燃料電池を概略的に示す断面図である。 第2実施形態にかかる本発明の燃料電池を概略的に示す断面図である。 第3実施形態にかかる本発明の燃料電池を概略的に示す断面図である。 第4実施形態にかかる本発明の燃料電池を概略的に示す断面図である。 第5実施形態にかかる本発明の燃料電池を概略的に示す断面図である。 第6実施形態にかかる本発明の燃料電池を概略的に示す断面図である。 第7実施形態にかかる本発明の燃料電池を概略的に示す断面図である。 塗布形態の具体例を示す概略図である。
符号の説明
11 電解質膜
12 アノード
12a アノード触媒層
12b アノード拡散層
12x、13x、13y、13z セパレータの凸部によって押圧されている部位
13 カソード
13a カソード触媒層
13b カソード拡散層
14 MEA
15 接合体
21、22 セパレータ
21a、22a 溝部(反応ガス流路)
21b、22b 凸部
100 燃料電池

Claims (4)

  1. 電解質膜、並びに、該電解質膜の両側に配設されるアノード及びカソードを備える接合体と、該接合体の外側に配設されるセパレータとを備え、
    前記アノード及びカソードは、少なくとも触媒層を備え、
    前記セパレータの、前記接合体側の面に凸部が備えられている、燃料電池であって、
    過酸化水素分解性能を有する金属元素の単体及び/又は該金属元素を含む化合物が、前記セパレータの凸部のうち前記接合体に接する部位の全部若しくは一部、及び/又は、前記接合体を構成する層の表面であって、前記接合体と前記セパレータとの積層方向から見て、前記凸部に重なる部位の全部若しくは一部、に備えられており、
    少なくとも、前記セパレータの凸部と他の前記凸部との間に形成される溝部の全部、及び、前記接合体を構成する層の表面であって、前記接合体と前記セパレータとの積層方向から見て、前記溝部に重なる部位の全部には、前記金属元素の単体及び/又は該金属元素を含む前記化合物が備えられていないことを特徴とする、燃料電池。
  2. 過酸化水素分解性能を有する前記金属元素単体及び/又は該金属元素を含む前記化合物が、前記電解質膜の表面、前記アノードの表面、若しくは前記カソードの表面であって、前記接合体と前記セパレータとの積層方向から見て、前記凸部に重なる部位、又は、前記セパレータの凸部のうち前記接合体に接する部位、の少なくとも1以上の部位の全部若しくは一部に備えられていることを特徴とする、請求項1に記載の燃料電池。
  3. 過酸化水素分解性能を有する前記金属元素単体及び/又は該金属元素を含む前記化合物は、前記カソードの表面であって、前記接合体と前記セパレータとの積層方向から見て前記凸部に重なる部位の全部若しくは一部、及び/又は、該カソードを押圧すべき前記セパレータの凸部のうち前記カソードに接する部位の全部若しくは一部に備えられていることを特徴とする、請求項1又は2に記載の燃料電池。
  4. 過酸化水素分解性能を有する金属元素を含む前記化合物は、酸化セリウム及び/又はリン酸セリウムであることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の燃料電池。
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