JP2007287412A - 燃料電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】カソードが高電位状態に曝された場合であっても材料劣化を抑制することが可能な燃料電池を提供する。
【解決手段】少なくとも触媒層2a、3aを備えるアノード2及びカソード3、並びに、アノード2とカソード3との間に配設される電解質膜1、を備え、カソード3に、水電解触媒4x、4x、…が備えられる、燃料電池10とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、燃料電池に関し、特にカソードが高電位状態に曝された時の材料劣化を抑制することが可能な燃料電池に関する。
燃料電池は、電解質と、当該電解質の両側に配置される電極(アノード及びカソード)とを備える膜電極接合体(以下において、「MEA(Membrane Electrode Assembly)」と記述する。)における電気化学反応により発生した電気エネルギーを、MEAの両側に配設されるセパレータを介して外部に取り出している。燃料電池の中でも、家庭用コージェネレーション・システムや自動車等に使用される固体高分子型燃料電池(以下において、「PEFC(Polymer Electrolyte Fuel Cell)」と記述する。)は、低温領域での運転が可能である。また、PEFCは、高いエネルギー変換効率を示し、起動時間が短く、かつシステムが小型軽量であることから、電気自動車や携帯用電源の最適な動力源として注目されている。
PEFCの単セルは、電解質膜、少なくとも触媒層を備えるカソード及びアノードを具備し、その理論起電力は1.23Vである。しかし、かかる低起電力では、電気自動車等の動力源として不十分であるため、通常は、単セルを直列に積層して積層体を形成し、この積層体における積層方向の両端にエンドプレート等を配置して形成されるスタック形態の燃料電池が使用されている。
PEFCにおける電気発生の源となる電気化学反応は、例えば以下の工程で進行する。まず、アノードへと届けられた水素は、触媒(例えば、白金担持カーボン等)の存在下、水素イオンと電子とに分解される。
アノード側:H → 2H + 2e (式1)
そして、発生した水素イオンは、加湿されることでイオン伝導性能を発現する電解質膜を通過して、カソードへと移動する。電解質膜はイオンのみを通過させる性質を有するため、発生した電子は電解質膜を通過することができず、外部の回路を通ってカソードへと移動する。燃料電池においては、かかる電子の移動により、電気が発生する。一方で、カソードへと届けられた酸素が、カソードへと移動してきた水素イオン及び電子と反応することにより、水が生成される。
カソード側:2H + 2e + (1/2)O → HO (式2)
ところで、PEFCを作動させると、セル内部は様々なガス状態となるため、カソードが高電位状態(例えば、1.5V等の電位状態。以下において同じ。)に曝される虞がある。高電位状態になると、カソードの構成材料(例えば、Pt、C等)が劣化し、PEFCの性能が低下するため、高電位時における材料劣化を抑制することが望まれる。
高電位時における材料劣化等を抑制することによりPEFCの性能を向上させることを目的とした技術は、これまでにいくつか開示されてきている。例えば、特許文献1には、水素欠時にアノード触媒の単体が腐食されるのを防止するため、電極触媒に水電解触媒を混合する技術が開示されており、この技術によれば、燃料電池の電池反転に対する耐性をより強力にすることができる、としている。
また、特許文献2には、高分子固体電解質形燃料電池の燃料極において、高分子固体電解質膜に接し、燃料電池反応を進行させる少なくとも1層の反応層と、拡散層に接し、燃料極中の水を電気分解する少なくとも1層の水分解層と、からなることを特徴とする高分子固体電解質形燃料電池の燃料極に関する技術が開示されている。この技術によれば、燃料の欠乏が生じても電極特性の低下を起こし難い高分子固体電解質形燃料電池の燃料極を提供できる、としている。なお、特許文献2における「高分子固体電解質形燃料電池」は上記PEFCに相当し、「燃料極」は上記アノードに相当する。
さらに、特許文献3には、少なくとも片面が電解質層に接している触媒層において、導電性金属酸化物に触媒金属が坦持されてなる金属坦持触媒を含有する触媒層を有することを特徴とする、高分子型燃料電池用触媒坦持電極に関する技術が開示されている。この技術によれば、耐腐食性を有した導電性金属酸化物を用いた金属担持触媒を含有することにより、カソードおよびアノードのいずれにおいても担体の腐食が抑制されるため、触媒金属の遊離が抑えられ、燃料電池の発電性能が長期にわたって保つことが可能となる、としている。なお、特許文献3における「高分子型燃料電池」は上記PEFCに相当する。
さらにまた、特許文献4には、少なくとも触媒金属粒子と電子導電性の異なる2種類以上のカーボンを主成分とする触媒担体とプロトン導電性部材とより構成され、触媒担体のなかで最も電子導電性が高い触媒担体が最も多く含まれていることを特徴とする電極に関する技術が開示されている。この技術によれば、アノード、カソードいずれにおいても触媒担体の腐食が抑制されるため、触媒金属の遊離や凝集が抑えられ、燃料電池の発電性能が長期にわたって維持される、としている。
特表2003−508877号公報 特開2004−22503号公報 特開2005−149742号公報 特開2005−135671号公報
特許文献1及び特許文献2に開示されている技術によれば、燃料(例えば、水素。以下において同じ。)の欠乏が生じてアノードが高電位状態になった場合でも電極特性の低下を抑制し得るPEFCを提供できる。しかし、本発明者らの解析により、燃料の欠乏状態から復帰する時にカソード側が高電位状態に曝され、カソード側でも材料が劣化することが初めて判明した。そのため、特許文献1及び特許文献2に開示されている技術では、カソード側の材料劣化を抑制できない、という問題があった。また、特許文献3及び特許文献4に開示されている技術によれば、担体の腐食を抑制可能であると考えられるが、後述するように、水の存在下では担体等の酸化反応が生じるため、これらの技術による腐食の抑制効果は不十分であるという問題があった。
このほか、カソードにバッファー層を設けて、性能及びロバスト性の向上を図る技術も知られているが、この技術では、カソードが高電位状態に曝された時の材料劣化を抑制できないという問題があった。
そこで本発明は、カソードが高電位状態に曝された場合であっても材料劣化を抑制することが可能な燃料電池を提供することを課題とする。
上記課題を解決するために、本発明は以下の手段をとる。すなわち、
請求項1に記載の発明は、少なくとも触媒層を備えるアノード及びカソード、並びに、アノードとカソードとの間に配設される電解質膜、を備え、カソードに、水電解触媒が備えられることを特徴とする、燃料電池により、上記課題を解決する。
本発明において、アノードの触媒層(以下、「アノード触媒層」という。)には、少なくとも、上記式1で表される電気化学反応の進行に寄与する触媒が備えられ、カソードの触媒層(以下、「カソード触媒層」という。)には、少なくとも、上記式2で表わされる電気化学反応の進行に寄与する触媒(例えば、白金等。以下、「通常触媒」という。)が備えられている。また、「水電解触媒」とは、水の電気分解反応が生じ得る電位環境において、通常触媒よりも水の電気分解反応を生じさせやすい触媒を意味する。通常触媒が白金である場合、水電解触媒の具体例としては、Ir、IrO等のIr系材料や、RuO等のRu系材料の他、これらの複合物等を挙げることができる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の燃料電池において、カソードに、水電解層と、水電解層の一方の側に配設される触媒層と、水電解層の他方の側に配設される拡散層と、が備えられ、水電解触媒が、水電解層に備えられることを特徴とする。
ここに、「触媒層」とは、通常触媒が備えられるカソード触媒層を意味し、「拡散層」とは、触媒層へ反応ガス(酸素含有ガス)を均一に拡散させること等を目的として設けられる層(以下、「カソード拡散層」という。)を意味する。
請求項1に記載の発明によれば、カソードに水電解触媒が備えられているので、カソードが高電位状態になった時に、水の電気分解反応を進行させて、カソードの構成材料と反応し得る水の絶対量を低減することができる。したがって、本発明によれば、カソードが高電位状態に曝された場合であっても材料劣化を抑制することが可能な燃料電池を提供できる。
請求項2に記載の発明によれば、通常触媒が備えられる触媒層とは異なる層である水電解層に、水電解触媒が備えられる。そのため、アノード及びカソードに反応ガスが十分に供給されている燃料電池の通常作動時等に、上記式2で表される電気化学反応の発生頻度を低減させる虞がなく、カソードが高電位状態に曝された場合には水の電気分解反応を進行させることができる。したがって、本発明によれば、通常運転時の性能を低下させることなく、カソードが高電位状態に曝された時の材料劣化を抑制することが可能な、燃料電池を提供できる。
燃料電池のアノードへと供給される水素が欠乏すると、燃料電池の性能が低下する。かかる問題の解決方法として、これまでに、アノード側に水電解触媒が備えられる形態とする等の技術が提案されており、この技術によれば、水素欠乏時の性能低下を抑制することが可能になる。ところが、本発明者らは、燃料電池の作動中、アノードへ水素が供給されることにより水素欠乏状態から回復する際等に、カソードが高電位状態に曝され、燃料電池の性能が低下する虞があることを新たに知見した。上記従来技術はアノード側の対策に留まっており、カソードが高電位状態に曝されることに起因する燃料電池の性能低下を防止できない。そのため、燃料電池の性能低下を抑制するには、別途、カソード側への対策が必要とされる。
カソード触媒層に、通常触媒として白金担持カーボンが備えられる場合、PEFCのカソードが高電位状態に曝されると、カソードでは以下の反応が生じる。
O → (1/2)O + 2H + 2e (式3)
(1/2)C + HO → (1/2)CO + 2H + 2e (式4)
Pt → Pt2+ + 2e (式5)
PEFCの電解質膜は湿潤状態下でイオン伝導性能を発現するため、カソードには、加湿された反応ガス(例えば、空気等)が供給されている。また、PEFCの作動中には、上記式2により水が生成される。それゆえ、PEFCのセル内には通常、水が存在し、高電位状態に曝されたカソードでは、上記式3〜式5の反応が生じ得る。ここで、上記式4は、カーボンが水と反応する、カーボンの酸化反応であり、この反応が進むと、カソードに備えられるカーボン(例えば、触媒が担持されているカーボンや、カソード拡散層を構成するカーボン等)が劣化する。一方、上記式5は、白金の酸化反応であり、カチオン(Pt2+)が水に溶出することにより進行する。上記式4または式5の反応が進むと、上記式2の反応が起こり難くなる。
他方、上記式3は水の電気分解反応である。上記式4及び式5の反応よりも上記式3の反応を優先的に進行させることができれば、カーボンや炭素の酸化反応よりも水の電気分解反応が優先的に進行するので、カソードの構成材料の劣化を抑制することができる。さらに、水の電気分解反応を優先的に進行させれば、式4においてカーボンと反応する水、及び、式5においてPt2+の溶出先である水、の絶対量を低減することができるので、これによっても、式4及び式5の反応を抑制し、カソードの構成材料の劣化を防止することができる。
本発明は、かかる観点からなされたものであり、その要旨は、水の電気分解反応が生じ得る電位環境において、カソードに含まれる通常触媒よりも水の電気分解反応を生じさせやすい水電解触媒が、カソードに備えられる構成とすることで、カソードが高電位状態に曝された時のカソードの材料劣化を抑制し得る、燃料電池を提供することにある。
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施形態について具体的に説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る燃料電池の一部構成例を概略的に示す断面図であり、図の左右方向が、セルの積層方向である。図示のように、本発明の燃料電池10は、電解質膜1と、その両側に配設されるアノード触媒層2a及びカソード触媒層3aを備えるMEA5と、MEA5の両側に配設されるアノード拡散層2b及びカソード拡散層3bと、これらのさらに外側へ配設されるセパレータ6a、6bと、を備え、カソード触媒層3aとカソード拡散層3bとの間に水電解層4が配設されている。アノード2にはアノード触媒層2a及びアノード拡散層2bが、カソード3にはカソード触媒層3a、水電解層4、及びカソード拡散層3bがそれぞれ備えられ、セパレータ6aのアノード拡散層2b側の面に反応ガス流路7a、7a、…が、セパレータ6bのカソード拡散層3b側の面に反応ガス流路7b、7b、…が、それぞれ形成されている。さらに、セパレータ6a、6bには、冷却媒体流路(不図示)も形成されている。そして、アノード触媒層2a及びカソード触媒層3aには白金担持カーボン等の通常触媒が備えられ、水電解層4には、カーボンに担持させた水電解触媒4x、4x、…としてのIrOと、電解質成分(例えば、Nafion等。Nafionは米国デュポン社の登録商標。)と、が備えられている。
このように、本発明の燃料電池10は、カソード3に、水電解触媒4x、4x、…を備える水電解層4が備えられている。そのため、燃料電池10の作動中に、カソード3が高電位状態に曝されて水の電気分解反応が生じ得る環境になっても、上記式3の反応を優先的に起こさせることにより水の絶対量を低減できるので、上記式4及び式5の反応を抑制できる。したがって、本発明の燃料電池によれば、高電位状態に曝された場合であってもカソードの構成材料が劣化することを抑制できる。
上記説明では、水電解触媒4x、4x、…が水電解層4に、通常触媒がカソード触媒層3aに、それぞれ備えられる形態の燃料電池10について記述したが、本発明の燃料電池は当該形態に限定されず、例えば、カソード触媒層に通常触媒及び水電解触媒が備えられ、水電解層が備えられない形態とすることも可能である。かかる形態であっても、カソードが高電位状態に曝された時に上記式3の反応を優先的に生じさせてカソード構成材料の劣化を抑制することができる。しかし、当該形態の燃料電池では、初期性能が低下する虞があるため、初期性能の低下及びカソード高電位時における性能低下を抑制可能な燃料電池とする等の観点からは、図1に示す形態の燃料電池10とすることが好ましい。
本発明において、MEA5、アノード拡散層2b、及び、カソード拡散層3bの形態は、特に限定されるものではなく、従来のPEFCで使用されている形態とすることができる。水素欠乏時における性能低下を抑制する等の観点からは、アノード2に水電解触媒が備えられる形態とすることができ、かかる構成にすれば、水素欠乏時及び水素欠乏状態からの回復時等の性能低下を抑制し得る燃料電池を提供できる。
本発明に係る燃料電池のカソードに備えられる水電解触媒は、水の電気分解反応が生じ得る電位環境において、通常触媒よりも水の電気分解反応を生じさせやすく、当該機能を発現可能な触媒であれば、その種類及び形態は特に限定されない。本発明に係る水電解触媒の具体例としては、Ir、IrO等のIr系材料や、RuO等のRu系材料の他、これらの複合物等を挙げることができる。
本発明の燃料電池に水電解層が備えられる場合、当該水電解層に備えられる水電解触媒が優れた導電性を有する場合には、当該水電解触媒のみからなる水電解層とすることも可能である。これに対し、水電解触媒の導電性が劣る場合には、導電性を向上させて抵抗過電圧を低減する等の観点から、導電性を有する物質(例えば、カーボン等)に水電解触媒を担持させることが好ましい。本発明の燃料電池において、カーボンに担持させたIrO(以下、「IrO/C」と記述する。)を水電解触媒として用いる場合には、質量比で、IrO:C=3:7〜6:4のもの等を市中で入手することができる。そして、IrOを用いる場合、カソード材料の劣化抑制効果を十分に発揮させる等の観点から、セルの積層方向を法線方向とする面におけるIrOの含有量を0.01mg/cm以上とすることが好ましく、性能等の観点から、同含有量を1.0mg/cm以下とすることが好ましい。
また、上記説明では、Nafion等の電解質成分を備える形態の水電解層4を例示したが、本発明に係る水電解層は当該形態に限定されない。
カソードに水電解触媒が備えられる本発明のセル(以下、「実施例に係るセル」という。)と、カソードに水電解触媒が備えられない形態のセル(以下、「比較例に係るセル」という。)とを作製し、カソードが高電位状態に曝された場合の性能を調査した。
<実施例に係るセルの作製>
溶剤(例えば、水、メタノール、及び2−プロパノールの混合液等。以下において同じ。)に溶解させた電解質成分(例えば、Nafion等。以下において同じ。)に、通常触媒(例えば、白金担持カーボン等。以下において同じ。)を分散させることにより調整したインク状成分を、電解質膜(例えば、Nafion112等)の両面にスプレー塗布し乾燥させることにより、MEAを作製した。一方、溶剤に溶解させた電解質成分に、市中で入手したIrO/Cを分散させることにより調整したインク状成分を、カーボンペーパー等からなるカソード拡散層の一方の面へ、IrOの含有量が0.1mg/cmとなるように塗布し乾燥することにより、カソード拡散層の上に水電解層を作製した。カーボンペーパー等からなるアノード拡散層と、上記MEAと、上記カソード拡散層及び水電解層とを積層して積層体を作製し、当該積層体の両側にセパレータを配設することにより、実施例に係るセルを作製した。
<比較例に係るセルの作製>
カソード拡散層の上に水電解層を作製しない以外は、実施例に係るセルと同様の方法により、比較例に係るセルを作製した。
<高電極電位保持試験>
実施例に係るセルのアノード触媒層へ水素ガスを、カソード触媒層へ窒素ガスをそれぞれフル加湿で供給して、電解質膜の温度を80℃に維持し、カソード電極電位がアノード電極電位よりも1.5V高くなるような電位を外部から加えた状態を3分間保持することにより、実施例に係るセルの電位付与前後のIV特性を調べた。また、同様にして、比較例に係るセルの電位付与前後のIV特性を調べた。実施例に係るセル、及び、比較例に係るセルのIV特性を、図2(a)及び(b)にそれぞれ示す。図2(a)及び(b)において、縦軸はセル電圧(V)、横軸は電流密度(A/cm)であり、「前」とは、電位付与前のIV特性であることを、「後」とは、電位付与後のIV特性であることを、それぞれ表している。
<結果>
図2(b)に示すように、比較例に係るセルは、電位付与前と比較して電位付与後のIV特性が大きく低下した。これは、比較例に係るセルのカソードには水電解触媒が備えられていなかったので、上記式4及び式5の反応が進行し、カソードに含まれるカーボン及び白金が劣化したためであると考えられる。これに対し、図2(a)に示すように、実施例にかかるセルは、電位付与前後でほぼ同等のIV特性を示した。これは、実施例に係るセルのカソードに水電解触媒が備えられていたことで、上記式4及び式5の反応が抑制されてカソードの構成材料の劣化を抑制できたためであると考えられる。すなわち、上記高電極電位保持試験により、本発明によれば、カソードが高電位状態に曝された場合であっても材料劣化を抑制することが可能な燃料電池を提供できることが確認された。
本発明の実施形態に係る燃料電池の一部構成例を概略的に示す断面図である。 実施例及び比較例に係るセルの高電位状態保持前後のIV特性を示す図である。
符号の説明
1 電解質膜
2 アノード
2a アノード触媒層
2b アノード拡散層
3 カソード
3a カソード触媒層
3b カソード拡散層
4 水電解層
4x 水電解触媒
5 MEA
10 燃料電池

Claims (2)

  1. 少なくとも触媒層を備えるアノード及びカソード、並びに、前記アノードと前記カソードとの間に配設される電解質膜、を備え、
    前記カソードに、水電解触媒が備えられることを特徴とする、燃料電池。
  2. 前記カソードに、水電解層と、該水電解層の一方の側に配設される前記触媒層と、前記水電解層の他方の側に配設される拡散層と、が備えられ、
    前記水電解触媒が、前記水電解層に備えられることを特徴とする、請求項1に記載の燃料電池。
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