JP2007220384A - 触媒担体、燃料電池用電極触媒、燃料電池用電極及び燃料電池セル並びに燃料電池 - Google Patents

触媒担体、燃料電池用電極触媒、燃料電池用電極及び燃料電池セル並びに燃料電池 Download PDF

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Abstract

【課題】高価な白金等の触媒量を従来に比べ低減させることができ、より安価で燃料電池性能の高い燃料電池用電極を提供する。
【解決手段】電解質膜20に塗布した燃料電池用電極10において、触媒16を担持してなる担体12は、10nm以下の細孔径を有する細孔の累積細孔容積が触媒担体容積に対して2%以下である炭素系担体である。担体12の細孔内に担持されてしまう白金等の触媒16の量を減少させることができるため、担体12に担持させる触媒16のほとんどを、担体12の表面に担持させることができ、担持された触媒16は電解質14に接触し有効に三相界面を形成することができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、燃料電池、特に、触媒担体の改良並びに燃料電池用電極触媒の改良に関する。
例えば、固体高分子型燃料電池は、図7に示すように、固体高分子膜からなる電解質膜52を燃料極50と空気極54との2枚の電極で挟んだ接合体(MEA:Membrane Electrode Assembly)を、さらに2枚のセパレータ60に挟持してなるセルを最小単位とし、通常、このセルを複数積み重ねて燃料電池スタック(FCスタック)とし、高圧電圧を得るようにしている。
固体高分子型燃料電池の発電の仕組みは、一般に、燃料極(アノード側電極)50に燃料ガス、例えば水素含有ガスが、一方、空気極(カソード側電極)54には酸化剤ガス、例えば主に酸素(O2)を含有するガスあるいは空気が供給される。水素含有ガスは、セパレータ60の表面に加工された細かい溝を通って燃料極50に供給され、電極の触媒の作用により電子と水素イオン(H+)に分解される。電子は外部回路を通って、燃料極50から空気極54に移動し、電流を作り出す。一方、水素イオン(H+)は電解質膜52を通過して空気極54に達し、酸素および外部回路を通ってきた電子と結合し、反応水(H2O)になる。水素(H2)と酸素(O2)および電子の結合反応と同時に発生する熱は、冷却水によって回収される。また、空気極54のあるカソード側に生成した水(以下「反応水」という)は、カソード側から排出される。
上述した固体高分子型燃料電池では、単位電極面積当たりの出力が高いことが求められ、燃料極および空気極を構成する電極触媒の電気化学反応活性が高いことが求められている。ここで、電気化学反応活性とは、水素を燃料とした燃料極では、水素をプロトンへ酸化する電気化学活性であり、空気極では、空気中の酸素を水に還元する電気化学活性であって、いすれも電極触媒表面の反応活性である。一方、このような固体高分子型燃料電池の燃料極と空気極では、白金などの貴金属を触媒として用いており、この高価な貴金属の電極単位面積当たりの使用量を低減しつつ、かつ、高い電気化学活性が求められている。
例えば、特許文献1には、触媒を担持してなる担体がアモルファス炭素粉末であり、担持された触媒は少なくとも白金である燃料電池用電極触媒であって、前記アモルファス炭素粉末が15〜80nmの平均粒子径、1500m2/g以上のBET法による比表面積を有するとともに、直径2nm未満の細孔の細孔容積の総量が0.8cm3/g以上、かつ、直径2nm未満の細孔が占める細孔容積の総計が全細孔容積の60%以上、担持される触媒量が粒子全体の5〜70質量%である燃料電池用電極触媒が開示されている。
特開2005−135817号公報
しかしながら、上記燃料電池用電極触媒では、担体であるアモルファス炭素粉末において、細孔径10nm以下の細孔径を有する細孔が触媒担体容積に対し累積細孔容積で2%を超えて存在する場合、やはり、アモルファス炭素粉末の細孔内に白金等の触媒が担持されてしまい、図2に示すように、電解質と接触しない白金等の触媒が多く存在することとなる。その結果、このアモルファス炭素粉末の細孔内に担持された触媒は、電解質と接触できず、電極反応が起こる場である三相界面を形成することができないため、触媒反応に寄与しない。したがって、単位電極面積当たりの出力を保持するためには、理論量より多くの白金等の触媒を用いなければならず、燃料電池電極触媒はコスト高になる。一方、単に白金等の触媒量を減らしてしまうと、高電流密度側で、白金等の触媒の利用率が低下し、触媒反応が追いつかず、電圧低下を引き起こし、濃度分極が大きくなり、燃料電池性能が大きく低下する可能性が高い。
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、高価な白金等の触媒量を低減しつつ、かつ、単位電極面積当たりの出力維持を図りながら、さらに濃度分極を低減可能な触媒担体、燃料電池用電極触媒、燃料電池用電極及び燃料電池セル並びに燃料電池を提供する。
上記目的を達成するために、本発明は、以下の特徴を有する。
(1)触媒を担持してなる炭素系担体であって、10nm以下の細孔径を有する細孔の累積細孔容積が触媒担体容積に対して2%以下である触媒担体である。
一般に、白金等の触媒は、2nmから5nmくらいの粒径を有する。したがって、担体における10nm以下の細孔径の量を所定量以下にすることによって、担体の細孔内に担持されてしまう白金等の触媒量を減少させることができる。これにより、担体に担持させる触媒のほとんどを、担体表面に担持させることができ、担持された触媒を有効に三相界面形成に用いることができる。
(2)上記(1)に記載の炭素系担体が、炭化水素ガス由来の炭素系担体である触媒担体である。
特に、炭化水素ガス由来の炭素系担体は、10nm以下の細孔径が少ない傾向にあり、好適である。
(3)上記(1)または(2)に記載の触媒担体に、白金または白金を含有する合金からなる触媒を担持させてなる燃料電池用電極触媒である。
上述したように、一般に、白金等の触媒は、2nmから5nmくらいの粒径を有する。したがって、担体における10nm以下の細孔径の量を所定量以下にすることによって、担体の細孔内に担持されてしまう白金等の触媒量を減少させることができる。これにより、担体に担持させる触媒のほとんどを、担体表面に担持させることができ、担持された触媒を有効に三相界面形成に用いることができる。したがって、高価な白金等の触媒を従来に比べ、少ない触媒量で同等またはそれ以上の触媒効率を上げることができ、より安価な電極触媒を提供することができる。
(4)上記(3)に記載の燃料電池用電極触媒と、電解質とを有する燃料電池用電極である。
上述したように、担体の細孔内に担持される白金等の触媒量を低減することはでき、担体に担持された触媒のほとんどが電解質と接触することが可能となる。これにより、従来に比べ触媒量を低減することができるため、電極を低コストで生産することができる。さらに、触媒量を従来に比べ低減させても、電解質と接触して三相界面を形成する有効触媒量を確保することができるため、高電流密度側においても触媒反応がスムースに進行し、大きな電圧低下を引き起こす可能性が少ない。すなわち、触媒量を従来に比べ低減させても濃度分極を発生し難い燃料電池用電極を提供することができる。
(5)上記(4)に記載の燃料電池用電極を電解質膜の少なくとも一方面に配置してなる接合体と、前記接合体を挟持する一対のセパレータとから構成される燃料電池用セルである。
(6)上記(5)に記載の燃料電池用セルを積層してなる燃料電池である。
本発明によれば、高価な白金等の触媒量を従来に比べ低減させることができ、より安価で燃料電池性能の高い燃料電池用電極を提供することができる。
以下、本発明の実施形態について、図面に基づいて説明する。
[触媒担体]
本実施の形態の触媒担体は、触媒を担持してなる炭素系担体であって、10nm以下の細孔径を有する細孔の累積細孔容積が触媒担体容積に対して2%以下である。なお、以下、触媒担体容積に対する累積細孔容積は百分率で表記するとともに「累積細孔容積率」という。
炭素系担体として、カーボンブラックを用いるのが一般的である。このカーボンブラックとしては、大きく分けて2種類に分類することができ、クレオソート油や石油系重質油のピッチを原料とする石油系由来のカーボンブラックと、アセチレンガスなどの炭化水素ガス由来のカーボンブラックとがある。いずれも、厳密に制御された高温の炉内において、わずか数百ないし数ミリ秒の間に原料油やアセチレンガスなどが熱分解され、10万〜10億個の炭素原子からなるほぼ球形の単位粒子となり、これが互いに融合してカーボンブラックの集ゴムの凝集体(アグリゲート)となる。また、上記石油系由来のカーボンブラックとしては、例えば、「Ketjen EC」(ケッチェンブラックインターナショナル株式会社製)などが挙げられ、炭化水素ガス由来のカーボンブラックとしては、例えば、「デンカブラック」(電気化学工業株式会社製)などが挙げられる。
上記原料の相違に基づき、10nm以下の細孔径を有する細孔の累積細孔容積が触媒担体容積に対して2%以下を満たす炭素系担体としては、炭化水素ガス由来のカーボンブラックが望ましい。
[燃料電池用電極触媒]
本実施の形態の燃料電池用電極触媒は、上述した炭素系担体に、白金または白金を含有する合金からなる触媒を担持させてなる燃料電池用電極触媒である。
白金または白金を含有する合金からなる触媒の粒径は、通常、2nmから5nmである。白金を含有する合金において、白金とともに含有可能な金属としては、鉄、コバルト、ニッケル、クロム、銅、バナジウムが挙げられ、これらの1種以上を含有することができる。
上述したように、炭素系担体における10nm以下の細孔径の量を所定量以下にすることによって、図1に示すように、電解質膜20に塗布した燃料電池用電極10では、担体12の細孔内に担持されてしまう白金等の触媒16の量を減少させることができる。これにより、担体12に担持させる触媒16のほとんどを、担体12の表面に担持させることができ、担持された触媒16は電解質14に接触し有効に三相界面を形成することができる。したがって、高価な白金等の触媒を従来に比べ、少ない触媒量で同等またはそれ以上の触媒効率を上げることができ、より安価な電極触媒を提供することができる。例えば、図2に示す燃料電池用電極30のように、担体32の表面に担持された触媒16aは、電解質14に接触するため電極反応に寄与するが、担体32の細孔内に担持された触媒16bは、電解質14に接触しないため三相界面を形成することができず電極反応に寄与しない。したがって、図1の電極10は、図2に示す電極30に比べ、より少ない触媒量で効率よく発電することができ、電極作成コストを低減することができる。
上記三相界面とは、次に示すアノード電極反応またはカソード電極反応が進行する場をいう。燃料極触媒上で進行するアノード電極反応は次の式(I)に示し、空気極職場以上で進行するカソード電極反応は次の式(II)に示す。
2(ガス)→2H+(イオン)+2e-(電子) …(I)
1/2O2(ガス)+2H+(イオン)+2e-(電子)→H2O(ガス) …(II)
炭素系担体に担持する触媒量は、炭素系担体に対して5重量%以上70重量%以下であることが好ましい。70重量%超えると触媒粒子が凝集して、単位触媒量当たりの発電効率が低下するので望ましくない。
[燃料電池用電極]
本実施の形態の燃料電池用電極は、上述した燃料電池用電極触媒と、電解質とを有する燃料電池用電極である。なお、本実施の形態では、燃料電池用電極触媒と電解質とを有するものを燃料電池用電極というが、「電極触媒層」ということもある。
電解質としては、例えば、ナフィオン溶液を用いることができる。
[燃料電池用セル]
本実施の形態の燃料電池用セルは、上述した燃料電池用電極を電解質膜の少なくとも一方面に配置してなる接合体(MEA)と、前記接合体を挟持する一対のセパレータとから構成される。すなわち、接合体として、燃料極として本実施の形態の燃料電池用電極を用い、空気極に従来の燃料電池用電極を用いてもよく、また、燃料極として従来の燃料電池用電極空気極を用い、空気極として本実施の形態の燃料電池用電極を用いてもよく、またさらに、燃料極および空気極のいずれも本実施の形態の燃料電池用電極を用いてもよい。
上記電解質膜としては、例えば、固体高分子電解質膜(「Nafion 112」、ディポン社製)を用いることができる。
上述したように、燃料極での電気化学反応、すなわち水素の電荷反応(プロトンと電子への解離反応)の反応速度は十分に速く、燃料電池の実用電流密度範囲(〜1A/cm2)では、燃料極(アノード側電極)の分極(過電圧)が問題になることはほとんどない。しかし、空気極での酸素還元反応は、4個の電子の移動を伴う多段階の素反応の連鎖であり、その反応速度は遅い。したがって、酸素還元反応に関与し得る触媒金属の表面積の大小は、電極反応の分極、すなわち電極の過電圧の大小に直接的に関与することになる。したがって、接合体として、本実施の形態の燃料電池用電極を空気極に用いた場合、より単位触媒量当たりの発電効率が高くなるとともに、コスト安で生産することができる。
本実施の形態では、燃料極(アノード側電極)における白金触媒量は、0.010〜0.1mg/cm2であり、通常の燃料極(アノード側電極)における白金触媒量の0.1〜0.2mg/cm2に比べかなり少ない白金触媒量で同等以上の出力を確保することができる。また、空気極(カソード側電極)における白金触媒量は、0.05〜0.3mg/cm2であり、通常の燃料極(アノード側電極)における白金触媒量の0.3〜0.5mg/cm2に比べかなり少ない白金触媒量で同等以上の出力を確保することができる。なお、上述したように、カソード側電極の方がアノード側電極に比べ電極反応が厳しいため、電解質膜に塗布する燃料電池用電極中の白金等の触媒量は、燃料極に比べ空気極の方が多い。
[燃料電池]
上述した本実施の形態の燃料電池用のセルを複数枚積層して、スタック状にしたのち、このスタックの端部をボルト締めすることによって、圧縮されたスタック状の燃料電池を得ることができる。
[実施例1]
粒径2〜5nmの白金粒子を炭素系担体である「デンカブラック」(電気化学工業(株)製)上に10重量%担持させた電極触媒10gに対して水を130g投入した。次に、エタノール130gを投入してよく撹拌、混合させた。最後に、ナフィオン溶液(「DE−2020」、20%溶液、デュポン社製)を45g投入して撹拌した。この混合溶液を超音波ホモジナイザーにより1分間超音波照射させ、発熱を伴うため5分間冷却する。この操作を10回程度繰り返したものを電極触媒の分散溶液とした。この電極触媒の分散溶液を燃料極(アノード極側の触媒層)として、固体高分子電解質膜である「Nafion 112」(ディポン社製)上にスプレー塗布したのち、50℃で乾燥させた。このときの塗布量は、白金量が0.015mg/cm2になるように調製した。なお、上記電極触媒は、炭素系担持体を懸濁させた水溶液中に白金化合物を含有する試薬を加え、中和あるいは還元することにより、炭素系担持体に白金を析出させることによって得られる。
空気極(カソード極側の触媒層)については、上記同様の白金粒子を、炭素系担体である「Ketjen EC」(ケッチェンブラックインターナショナル(株)製)上に60重量%担持したものを使用し、上記同様に、電極触媒の分散液を作成し、固体高分子電解質膜である「Nafion 112」(ディポン社製)の反対面にプレー塗布したのち、50℃で乾燥させる。このときの塗布量は、白金量が0.5mg/cm2になるように調製した。
このように作成された接合体(MEA:触媒層月電解質膜)にカーボンペーパー(「TGP−H−060」東レ(株)社製)からなる拡散層を接合し、カーボン製またはメタル製のセパレータで教示して燃料電池セルを作製し、これらを20枚積層して燃料電池を作製した。この燃料電池における電流密度−電圧特性を図3に示し、燃料極における炭素系担体の細孔径と細孔容積については図4に示す。また、実施例1のものは図3および図4において「A」に相当する。なお、上記カーボンペーパーの代わりに、カーボンクロスを用いてもよい。
[比較例1]
実施例1における炭素系担体を、「デンカブラック」(電気化学工業(株)製)に替えて、「Ketjen EC」(ケッチェンブラックインターナショナル(株)製)を用いた以外は、実施例1に準拠して燃料電池を作製した。比較例1のものは、図3および図4における「B」に相当する。
[比較例2]
実施例1における炭素系担体を、「デンカブラック」(電気化学工業(株)製)に替えて、「Ketjen EC600JD」(ケッチェンブラックインターナショナル(株)製)を用いた以外は、実施例1に準拠して燃料電池を作製した。比較例2のものは、図3および図4における「C」に相当する。
<炭素系担体の細孔径とその累積細孔容積率の測定方法と装置>
ユアサアイオンクス(株)社製のガス吸着量測定装置「AUTOSORB−1−C/MS」を用いて、測定を行った。
図3および図4より、燃料極において、10nm以下の細孔径を有する細孔の累積細孔容積が触媒担体容積に対して2%以下を満たす炭素系担体を用いた実施例1のAでは、高電流密度側でも性能低下を抑制することができ、高電流密度側において従来に比べ10%性能が向上した。
[実施例2]
粒径2〜5nmの白金粒子を炭素系担体である「デンカブラック」(電気化学工業(株)製)上に20重量%担持させた電極触媒10gに対して水を110g投入した。次に、エタノール110gを投入してよく撹拌、混合させた。最後に、ナフィオン溶液(「DE−2020」、20%溶液、デュポン社製)を40g投入して撹拌した。この混合溶液を超音波ホモジナイザーにより1分間超音波照射させ、発熱を伴うため5分間冷却する。この操作を10回程度繰り返したものを電極触媒の分散溶液とした。この電極触媒の分散溶液を空気極(カソード極側の触媒層)として、固体高分子電解質膜である「Nafion 112」(ディポン社製)上にスプレー塗布したのち、50℃で乾燥させた。このときの塗布量は、白金量が0.1mg/cm2になるように調製した。なお、上記電極触媒は、炭素系担持体を懸濁させた水溶液中に白金化合物を含有する試薬を加え、中和あるいは還元することにより、炭素系担持体に白金を析出させることによって得られる。
燃料極(アノード極側の触媒層)については、上記同様の白金粒子を、炭素系担体である「デンカブラック」(電気化学工業(株)製)上に10重量%担持したものを使用し、上記同様に、電極触媒の分散液を作成し、固体高分子電解質膜である「Nafion 112」(ディポン社製)の反対面にプレー塗布したのち、50℃で乾燥させる。このときの塗布量は、白金量が0.05mg/cm2になるように調製した。
このように作成された接合体(MEA:触媒層月電解質膜)に、カーボンペーパー「TGP−H−060」東レ(株)社製)からなる拡散層を接合し、カーボン製またはメタル製のセパレータで教示して燃料電池セルを作製し、これらを20枚積層して燃料電池を作製した。この燃料電池における電流密度−電圧特性を図5に示し、燃料極における炭素系担体の細孔径と細孔容積については図6に示す。また、実施例2のものは図5および図6において「A」に相当する。なお、上記カーボンペーパーの代わりに、カーボンクロスを用いてもよい。
[比較例3]
実施例2における炭素系担体を、「デンカブラック」(電気化学工業(株)製)に替えて、「Ketjen EC」(ケッチェンブラックインターナショナル(株)製)を用いた以外は、実施例2に準拠して燃料電池を作製した。比較例3のものは、図5および図6における「B」に相当する。
[比較例4]
実施例2における炭素系担体を、「デンカブラック」(電気化学工業(株)製)に替えて、「Ketjen EC600JD」(ケッチェンブラックインターナショナル(株)製)を用いた以外は、実施例2に準拠して燃料電池を作製した。比較例4のものは、図5および図6における「C」に相当する。
図5および図6より、空気極において、10nm以下の細孔径を有する細孔の累積細孔容積が触媒担体容積に対して2%以下を満たす炭素系担体を用いた実施例2のAでは、高電流密度側でも性能低下を抑制することができ、高電流密度側において従来に比べ20%性能が向上した。
本発明の触媒担体、燃料電池用電極触媒、燃料電池用電極及び燃料電池セル並びに燃料電池は、燃料電池を用いる用途であれば、いかなる用途にも有効であるが、特に車両用の燃料電池に供することができる。
本発明の電解質膜に塗布された燃料電池用電極の一態様の構成を説明する模式図である。 従来の電解質膜に塗布された燃料電池用電極の一態様の構成を説明する模式図である。 燃料極における電流密度−電圧特性を示すグラフである。 燃料極に用いた電極触媒における炭素系担体の細孔径と累積細孔容積率との関係を説明するグラフである。 空気極における電流密度−電圧特性を示すグラフである。 空気極に用いた電極触媒における炭素系担体の細孔径と累積細孔容積率との関係を説明するグラフである。 燃料電池のセルの構成および発電時のメカニズムを説明する図である。
符号の説明
10,30 燃料電池用電極、12,32 担体、14 電解質、16,16a,16b 触媒、20 電解質膜、50 燃料極、52 電解質膜、54 空気極、60 セパレータ。

Claims (6)

  1. 触媒を担持してなる炭素系担体であって、10nm以下の細孔径を有する細孔の累積細孔容積が触媒担体容積に対して2%以下である触媒担体。
  2. 請求項1に記載の炭素系担体が、炭化水素ガス由来の炭素系担体である触媒担体。
  3. 請求項1または請求項2に記載の触媒担体に、白金または白金を含有する合金からなる触媒を担持させてなる燃料電池用電極触媒。
  4. 請求項3に記載の燃料電池用電極触媒と、電解質とを有する燃料電池用電極。
  5. 請求項4に記載の燃料電池用電極を電解質膜の少なくとも一方面に配置してなる接合体と、前記接合体を挟持する一対のセパレータとから構成される燃料電池用セル。
  6. 請求項5に記載の燃料電池用セルを積層してなる燃料電池。
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