JP2005135671A - 燃料電池用電極 - Google Patents

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Abstract

【課題】 カーボンの腐食を抑制し、電極性能の劣化を防止した電極を提供する。
【解決手段】 少なくとも触媒金属粒子と電子導電性の異なる2種類以上のカーボンを主成分とする触媒担体とプロトン導電性部材とより構成され、前記触媒担体のなかで最も電子導電性が高い触媒担体が最も多く含まれていることを特徴とする電極及びかかる電極を用いた燃料電池。
【選択図】 図1

Description

本発明は、燃料電池用電極、特に固体高分子型燃料電池用電極に関する。
固体高分子型燃料電池は、自動車用や定置用電源としての利用が試みられているが、長期にわたって所望の発電性能を維持することが求められている。
燃料電池の長時間の連続運転や起動停止などさまざまな原因によってアノードおよびカソードの電位が大きく変化するため、条件によってはカーボンを主成分とする触媒担体の腐食が発生する。それによって、電極性能が経時的に低下し、燃料電池の性能が劣化する主な原因となっている。例えば、固体高分子型燃料電池のカソードの場合、カソードが貴な電位環境(>およそ1.0V)になった場合に、カーボンの電気化学的な酸化反応、つまりカーボンの腐食が進行し、有効に使用される触媒量が減少して電池性能が低下する。一方、アノード(燃料極)において、運転中に燃料不足が起こった場合、電流密度を保つために、燃料の酸化反応に代わって、水の電気分解や担体の酸化が発生し得る。アノードの燃料不足による担体の酸化が発生した場合には、カソードの場合と同様に、アノードの劣化により電池性能が低下する。
カーボンの腐食反応は、次のように、水を酸化剤として二酸化炭素を生成する反応であると考えられる。
C+2HO→CO+4H+4e
カーボンの腐食の改善策として次の方法が提案されている。担体カーボンを高温で熱処理してグラファイト化することにより耐腐食性を高める(例えば、特許文献1参照。)。また、担体カーボンの黒鉛化度や比表面積を最適化することによって排水性を高めて長期安定性を向上させる(例えば、特許文献2参照。)。
特開2002−273224号公報 特開2001−357857号公報
しかしながら、特許文献1ではグラファイト化処理により比表面積が小さくなって触媒の分散性が低下し、高いセル性能が得られず、また、特許文献2ではカーボン腐食を効果的に抑制することができないという問題点があり、カーボンの腐食が十分に改善されたとはいえなかった。
そこで、本発明の目的は、カーボンの腐食を抑制し、電極性能の劣化を防止した電極、かかる電極を用いた燃料電池を提供することにある。
本発明は、少なくとも触媒金属粒子と電子導電性の異なる2種類以上のカーボンを主成分とする触媒担体とプロトン導電性部材とより構成され、前記触媒担体のなかで最も電子導電性が高い触媒担体が最も多く含まれていることを特徴とする電極、に関する。
本発明の電極は、少なくとも触媒金属粒子と電子導電性の異なる2種類以上のカーボンを主成分とする触媒担体とプロトン導電性部材とより構成され、前記触媒担体のなかで最も電子導電性が高い触媒担体が最も多く含まれていることを特徴とするので、触媒を担持している触媒担体の腐食が抑制されることにより、電極の劣化が抑制され、顕著な性能低下を示すことなく長期間運転可能な燃料電池を提供できる。
本発明者は、触媒担体として導電性が異なるカーボンを2種類以上使用することにより、固体高分子型燃料電池においては、アノード、カソードいずれにおいても担体の腐食が抑制されることを見出し、本発明を完成した。腐食の抑制機構は必ずしも明らかではないが、導電性の高い触媒担体と低い触媒担体が共存する場合、導電性の低い触媒担体が優先的に腐食されるため、その間は導電性の高い触媒担体の腐食が抑制されるためだと考えられる。したがって、固体高分子型燃料電池を初めとする燃料電池においては、アノード、カソードいずれにおいても触媒担体の腐食が抑制されるため、触媒金属の遊離や凝集が抑えられ、燃料電池の発電性能が長期にわたって維持される。
本発明の電極は、少なくとも触媒金属粒子と電子導電性の異なる2種類以上のカーボンを主成分とする触媒担体とプロトン導電性部材より構成され、触媒担体のなかで最も電子導電性が高い触媒担体が最も多く含まれていることを特徴とする。ここで、「カーボンを主成分とする触媒担体」とは、電極触媒担体として十分な電子導電性を持っていれば利用可能で、カーボンブラック、グラファイト化カーボン、活性炭などの導電性カーボン材料とともに、電極性能および耐久性を低下させない範囲で導電性の金属酸化物、金属炭化物、金属窒化物や高分子化合物を含むことも可能である。また、「プロトン導電性部材」とは、少なくとも高いプロトン導電性を有する液体、固体、ゲル状材料などが利用可能で、リン酸、硫酸、アンチモン酸、スズ酸、ヘテロポリ酸などの固体酸、パーフルオロスルホン酸アイオノマー、リン酸などの無機酸を炭化水素系高分子化合物にドープさせたもの、一部がプロトン導電性の官能基で置換された有機/無機ハイブリッドポリマー、高分子マトリックスにリン酸溶液や硫酸溶液を含浸させたゲル状プロトン導電性などが例示される。プロトン導電性部材は電子導電性を同時に有する混合導電体も利用できる。本発明の電極は、電池用電極ばかりではなく、燃料電池用電極、特に固体高分子電解質型燃料電池用電極に活用できる。本発明の電極によれば、カーボン腐食が進むような環境であってもある種類のカーボンが優先的に腐食が進み、他の触媒担体の腐食が抑制される。したがって、触媒を担持している触媒担体の腐食が抑制されることにより、電極の劣化が抑制され、顕著な性能低下を示すことなく長期間運転可能な燃料電池を提供する。
上記電極において、電子導電性の異なる2種類以上のカーボンを主成分とする触媒担体のなかで、最も電子導電性の高い触媒担体の電子導電性が0.01〜1000S/cmであることが好ましい。触媒担体の電気抵抗が高いと電池の内部抵抗が高くなり、結果として電池の性能を低下させることになる。そのため、電極に含まれる触媒担体の電子導電率は十分に低くする必要がある。電極を構成する触媒担体は触媒金属微粒子を担持するだけではなく、電子を外部回路に取り出すあるいは外部回路から取り入れるための集電体としての機能を果たさなければならないからである。なお、粉末状触媒担体の導電性はさまざまな公知の方法により測定することができる。例えば、粉末状触媒担体を所定の圧力で圧縮(1軸加圧、2軸加圧など)しながら圧子に取り付けた電極により電流・電圧値の関係を導き、それから電子導電率を求める方法が挙げられる。本発明の電極によれば、内部抵抗が低い高性能な燃料電池を得ることができる。
上記電極において、電子導電性の異なる2種類以上のカーボンを主成分とする触媒担体のなかで、最も電子導電性の高い触媒担体と電子導電性の低い触媒担体の電子導電性の違いが、10倍以上、好ましく10〜100000倍、さらに好ましくは100〜10000倍の範囲であることが好ましい。導電性の違いが10倍未満であると、電子導電性の低い触媒担体が優先的に腐食される効果が薄く、電子導電性の高い触媒担体も同時に腐食され、性能低下抑制効果が得られないと考えられる。電子導電性が大きく異なる触媒担体が電極層に共存した際に電極性能の低下が抑制される機構は、今のところ明らかではないが、導電性の高い触媒担体と低い触媒担体が共存する場合、導電性の低い触媒担体が優先的に腐食されるため、その間は導電性の高い触媒担体の腐食が抑制されるためだと考えられる。本発明の電極によれば、触媒を担持している触媒担体の腐食が抑制されることにより、電極の劣化が抑制され、顕著な性能低下を示すことなく長期間運転可能な燃料電池を提供できる。
上記電極において、電子導電性の異なる2種類以上のカーボンを主成分とする触媒担体のなかで、最も電子導電性の低い触媒担体の電子導電率が0.001〜100S/cmの範囲であることが好ましい。電極に混合させる導電性触媒担体の導電率が低すぎると触媒層の電気抵抗が高くなり、内部抵抗が高くなるため、電池性能が低くなる。優先的に腐食される低電子導電率の触媒担体の含有率にも依存するが、最も電子導電率が低い触媒担体の導電率は0.001S/cm以上であることが望ましい。本発明の電極によれば、長期間性能を維持することが可能な燃料電池を得られるとともに、内部抵抗が低い高性能な燃料電池を得ることができる。
上記電極において、電極の電子導電率が0.001〜500S/cmの範囲であることが好ましい。電極の電気抵抗が高くなると、燃料電池の内部抵抗が高くなるため、電池性能が低くなるからである。電極には触媒担体に加え、電子導電性を有しないプロトン導電性部材も含まれているため、電極の電子導電率は触媒担体自体の電子導電率より低下する。本発明の電極によれば、長期間性能を維持することが可能な燃料電池を得られるとともに、内部抵抗が低い高性能な燃料電池を得ることができる。
上記電極において、触媒金属は少なくともPt、Ir、Ag、Pdのうち少なくとも1種を含むことが好ましい。各貴金属単体について酸性媒体中の酸素還元活性あるいは水素酸化活性はPt,Pd,Ir,Agなどが高い活性を示す。また、Pt、Pd、Ir,Agを基体とした貴金属合金も高い酸素還元活性を示す。本発明の電極によれば、高性能の燃料電池を得ることができる。
上記電極において、触媒金属の平均粒子径が1〜10nmであることが好ましい。触媒粒子径は小さいほど電気化学反応が進行する有効電極面積が増加するため酸素還元活性も高くなるが、実際には触媒粒子径が小さくなりすぎるとむしろ活性が低下する現象が見られる。そのため、担体に担持されている触媒金属微粒子の平均粒径は好ましくは1〜10nmの範囲であり、より好ましくは2〜5nmの範囲である。ここで、「触媒金属の平均粒子径」とは、X線回折における触媒金属の回折ピークの半値幅より求められる結晶子径あるいは透過型電子顕微鏡像より調べられる触媒金属の粒子径の平均値で表すことができる。本発明の電極によれば、高性能の燃料電池を得ることができる。
上記電極において、電子導電性の異なる2種類以上のカーボンを主成分とする触媒担体のなかで、最も導電性の高い触媒担体の配合割合が電極中に含まれる触媒担体全量に対し50〜90%であることが好ましい。導電性の低い触媒担体は他の導電性の高い触媒担体よりも腐食されやすいと考えられることから、最も導電性の高い触媒担体の配合割合が50%未満であると、導電率の低い触媒担体の割合が多くなって電極層の抵抗値が高くなるため、燃料電池の内部抵抗が高くなり、電池の性能を低下させる。最も導電性の高い触媒担体の配合割合が90%を超えると、優先的に腐食される触媒担体の量が少ないため、長期間触媒担体の腐食による劣化を抑制することができない。本発明の電極によれば、触媒を担持する触媒担体の腐食が抑制されることにより、電極の劣化が抑制され、顕著な性能低下を示すことなく長期間運転可能な燃料電池を提供できる。
上記電極において、電子導電性の異なる2種類以上のカーボンを主成分とする触媒担体のなかで、電極に含まれる触媒金属のうち最も導電性の高い触媒担体に担持されている割合が80%以上であることが好ましい。触媒金属粒子が担持されていても担持されていなくても触媒担体自体の腐食耐性には大きな影響はない。しかしながら、優先的に腐食されると考えられる電子導電性の低い触媒担体に多くの触媒金属が担持されていると、触媒担体の腐食により多くの触媒が担体から遊離するなどして電極反応に有効に使用されなくなることが考えられ、セル性能を長期間保つためには望ましくない。電極に含まれる全触媒量のうち80%以上が最も導電性の高い触媒担体に担持されていれば、セル性能を長期間顕著な劣化を示すことなく保つことが可能である。80%未満の場合、上記の機構により初期に多くの触媒が有効に働かなくなる可能性があるため望ましくない。ほとんどの触媒金属は、最も腐食されにくい導電率が最も高い触媒担体に担持されていることが好ましい。本発明の電極によれば、触媒を担持している触媒担体の腐食が抑制されることにより、電極の劣化が抑制され、顕著な性能低下を示すことなく長期間運転可能な燃料電池を提供できる。
触媒金属の担持量は触媒金属を担持した触媒担体全量に対し、20質量%〜80質量%が好ましく、さらに好ましくは40質量%〜60質量%の範囲であることが望ましい。20質量%未満では必要な触媒金属量を確保するために電極層の厚さが厚くなるため、内部抵抗が増加するばかりでなく、燃料電池カソードにおいては生成水の排出効率が低下するため、電池性能を低下させる原因となる。80質量%を超えると触媒金属を担体に高分散担持することが困難になり、使用する触媒金属量に対して高い性能が得られないため、不経済である。
プロトン導電性部材の使用量は触媒金属の質量に対して1:2〜1:0.2(プロトン導電性部材:触媒金属(質量比))であることが好ましく、さらに好ましくは1:1〜1:0.4の範囲であることが望ましい。1:2以上の場合、触媒金属担持担体に対して電子導電性を持たないプロトン導電性部材を用いた場合にはもちろん混合導電性を持つプロトン導電性部材を用いた場合にも電極の電子導電性が不十分であるため、電池の内部抵抗が高くなり、電池性能を著しく低下させる原因となる。1:0.2以下の場合、プロトン導電性部材が少なすぎるため、電極反応が進行する3相界面(電解質/触媒金属界面)があまり生成されないため、電極反応サイトが少ないため、電池性能を著しく低下させる原因となる。
上記電極は、電池用電極、なかでも燃料電池用電極に活用できる。本発明に電極は、従来品より優れた耐久性を持つため、移動体用電源、定置用電源として信頼性の高い燃料電池が得られる。本発明の電極は、従来公知の燃料電池、特に固体高分子電解質型燃料電池に活用できる。燃料電池としては、例えば、固体高分子膜を両側からアノード電極及びカソード電極でサンドイッチ状に挟んだものを単セルとして、セパレーターを介して組み合わせて容器に投入し、アノード側に燃料として水素を供給し、カソード側に空気を供給するタイプの燃料電池を挙げることができる。本発明の電極によれば、耐久性に優れた燃料電池が得られ、高い効率を長期間保つ燃料電池を提供できる。
以下、本発明の実施例を記載するが、この実施例は本発明を限定するものではない。
(Pt担持カーボンブラックの調製)
Pt担持カーボンブラックは以下のように作製した。
導電性カーボンブラック(Cabot社Vulcan XC−72)5gを1質量%Pt含有塩化白金酸水溶液500g中にホモジナイザを用いて十分に分散させた後、クエン酸ナトリウム4.5gを加え、十分に溶解させて反応液を調製した。その後、還流反応装置を用い、反応液を攪拌しながら85℃で4時間加熱還流して白金をカーボンブラック表面へ還元担持させた。反応終了後、室温まで試料溶液を放冷し、白金担持されたカーボンブラック粉末を吸引濾過装置で濾別し、十分に水洗した。水洗した粉末を80℃で6時間減圧乾燥することによってPt担持カーボンブラック粉末を得た。
得られた粉末について原子吸光法により定量分析を行った結果、Pt担持量は47.2質量%であった。また、透過型電子顕微鏡による観察から、Ptの平均粒子径は3.1nmと見積もられた。
また、担体として使用したカーボンブラックの電子導電率は8S/cmであった。
(Pt担持活性炭の調製)
Pt担持活性炭は以下のように作製した。
担体として活性炭(クラレケミカル社クラレコールYP)9gを0.2質量%Pt含有塩化白金酸水溶液500g中にホモジナイザを用いて十分に分散させた後、クエン酸ナトリウム1gを加え、十分に混合させて反応液を調製した。その後、還流反応装置を用い、反応液を攪拌しながら85℃で4時間還流して白金を活性炭表面へ還元担持させた。反応終了後、Pt担持カーボンブラックと同様な方法によってPt担持活性炭粉末を得た。
得られた粉末について原子吸光法により定量分析を行った結果、Pt担持量は9.1質量%であった。また、透過型電子顕微鏡による観察から、Ptの平均粒子径は2.1nmと見積もられた。
また、担体として使用した活性炭の電子導電率は0.2S/cmであった。
上記方法に従って作製されたPt担持カーボンブラックとPt担持活性炭とを、質量比9:1で配合した。最も電子導電性が高いカーボン(Vulcan XC−72)の配合割合は83%、前記最も電子導電性が高いカーボンに担持されているPtの割合は98%であった。
上記に従って作製されたPt担持カーボンブラックとPtを担持していない活性炭とを、質量比8:2で配合した。最も電子導電性が高いカーボン(Vulcan XC−72)の配合割合は67%、前記最も電子導電性が高いカーボンに担持されているPtの割合は100%であった。
(比較例1)
Pt担持カーボンブラックのみを使用した。
(比較例2)
Pt担持活性炭のみを使用した。
(MEAの作製)
MEA(膜―電極接合体)の作製については、いずれについても以下のように行った。
各実施例および比較例電極触媒の質量に対し、5倍量のイオン交換水を加えた後、0.5倍量のイソプロピルアルコールを加え、さらにはNafionの質量が1倍量になるようにNafion溶液(Aldrich社製5質量%Nafion含有)を加えた。得られた混合スラリーを超音波ホモジナイザで十分に分散させ、それに続いて減圧脱泡操作を加えることによって触媒スラリーを作製した。ガス拡散層(GDL)であるカーボンペーパー(東レ製TGP−H−120)の片面に、スクリーン印刷法によって所望の厚さになるように所定量の触媒スラリーを印刷し、60℃で24時間乾燥させた。その後、触媒層を塗布した面を電解質膜に合わせ、120℃、0.1MPaで10分間ホットプレスを行ってそれぞれのMEAを作製した。
電極触媒として、触媒金属担持導電性金属酸化物をカソード触媒とする場合には、アノードとして、同様な方法によって、Pt担持カーボンブラックのみを用いてMEAを作製した。アノード触媒層およびカソード触媒層の厚さは、いずれのセルについても8〜12μmの範囲内とした。
各実施例および比較例電極触媒を用いた電極触媒層の電子導電率は実施例1:2.0S/cm、実施例2:1.5S/cm、比較例1:3.1S/cm、比較例2:0.06S/cmであった。
これらのMEAは、アノード、カソードともにPt使用量を見かけの電極面積1cmあたり0.5mgとし、電極面積は300cmとした。また、電解質膜としてNafion112(厚さ:約50μm)を用いた。
(電極触媒の耐久性評価)
作製したMEAを用いて燃料電池単セルを構成し、耐久性の評価を以下のような方法で行った。本測定では、燃料電池を発電運転させる場合に、アノード側に燃料として水素を供給し、カソード側に空気を供給した。両ガスとも供給圧力は大気圧とし、水素は80℃、空気は60℃で飽和加湿し、燃料電池本体の温度は80℃に設定し、水素利用率は70%、空気利用率は40%として、電流密度0.5A/cmで30分間運転を続けた。発電を停止する場合には、取り出す電流密度をゼロにした後、アノードは窒素パージをして水素を排出した。カソードは大気圧で出口側を大気開放とした。このとき、燃料電池本体の温度制御は行わず、停止時間は30分とした。発電停止時、実験環境は室温が20〜25℃、湿度は40〜60%RHであった。停止後、運転を再開する場合には、再び上記条件でセルにガスを導入し、発電を行った。この運転−停止サイクルを繰り返すことによって、燃料電池単セルの耐久性評価を行った。
(耐久性評価結果)
図1は、実施例1、2および比較例1、2において、電極触媒を用いて構成した各固体高分子電解質型燃料電池について、電流密度0.5A/cmにおけるセル電圧と運転−停止サイクル数に関する経過を示すグラフである。図1に示すように、従来型のPt担持カーボンブラックのみを電極触媒とする比較例1では、運転開始当初から起動停止サイクル数に対してセル電圧の低下速度が大きく、400サイクルにおいてセル電圧は0.5V近くにまで低下した。また、Pt担持活性炭のみを電極触媒として使用した比較例2では、運転開始時点でのセル電圧が他より低く、その上、起動停止サイクル数に対するセル電圧の低下速度が大きく、200サイクルにおいてセル電圧は0.5V近くにまで低下した。この結果から、カーボンが1種類しか含まれない比較例では、燃料電池の起動停止サイクルにより担体の腐食が発生して、電極触媒の活性が著しく低下することが示唆される。
それに対し、実施例1および実施例2では、比較例の場合と大きく異なり、1000サイクル経過後においても0.7V以上のセル電圧が保たれており、従来の電極に比べて耐久性が大幅に改善されることがわかった。
この結果から、実施例では、カーボン腐食が起こり得るような運転条件でも導電性の低い活性炭が優先的に腐食され、大部分のPtが担持されている電子導電性が高いカーボン(Vulcan XC−72)はほとんど腐食されないため、比較例のセルに比べて触媒金属の遊離が発生せず、凝集やシンタリングが抑制されるため、電極活性の低下が抑えられたと考えられる。
本発明の電極は、電池用電極、燃料電池用電極、特に固体高分子電解質型燃料電池用電極に活用できる。
電極触媒を用いて構成した各固体高分子電解質型燃料電池の電流密度0.5A/cmでのセル電圧と運転−停止サイクル数との関係を示す図面である。(実施例1,2、比較例1,2)

Claims (10)

  1. 少なくとも触媒金属粒子と電子導電性の異なる2種類以上のカーボンを主成分とする触媒担体とプロトン導電性部材とより構成され、前記触媒担体のなかで最も電子導電性が高い触媒担体が最も多く含まれていることを特徴とする電極。
  2. 最も電子導電性の高い触媒担体の電子導電性が0.01〜1000S/cmの範囲であることを特徴とする請求項1記載の電極。
  3. 最も電子導電性の高い触媒担体と電子導電性の低い触媒担体の電子導電性の違いが10倍以上であることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の電極。
  4. 最も電子導電性の低い触媒担体の電子導電率が0.001〜100S/cmの範囲であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の電極。
  5. 電極の電子導電率が0.001〜500S/cmの範囲であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の電極。
  6. 触媒金属はPt、Ir、Ag、Pdおよびそれらの合金よりなる群から選ばれた少なくとも1種を含むことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の電極。
  7. 触媒金属の平均粒子径が1〜10nmの範囲であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の電極。
  8. 最も導電性の高い触媒担体の配合割合が電極中に含まれる触媒担体全量に対して50〜90%であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の電極。
  9. 電極に含まれる触媒金属のうち最も導電性の高い触媒担体に担持されている割合が80%以上であることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の電極。
  10. 請求項1〜9のいずれか1項に記載の上記電極を含む燃料電池。
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