JP2004172107A - 燃料電池用電極触媒及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】導電性担体の腐食を防止して触媒金属の脱落や遊離を阻止することができ、もって電池性能を長期に亘って維持することができる燃料電池用電極触媒と、その製造方法、電極触媒を用いた高性能の燃料電池を提供する。
【解決手段】触媒金属2と、これを担持する導電性担体1と、金属炭化物を備えた電極触媒において、導電性担体1と触媒金属2の間の少なくとも触媒金属2の近傍に、上記導電性担体1の腐食を防止する第1の金属炭化物、例えばSi、Zr、Ce、Ti、Taなどの炭化物から成る中間層4を形成する。又は、導電性担体1の表面に優先的に腐食されて上記導電性担体の腐食を抑制する第2の金属炭化物、例えばCa、W、Nbなどの炭化物を担持する。
【選択図】図1

Description

本発明は、電解質として、例えばフッ素樹脂系高分子のようなプロトン伝導性固体高分子膜を用いる固体高分子形燃料電池(PEFC:Polymer Electrolyte Fuel Cell、PEMFC:Proton Exchange Membrame Fuel Cell)や、リン酸溶液を含浸させた絶縁性マトリックスを用いるリン酸形燃料電池(PAFC:Phosphoric Acid Fuel Cell)に用いられる燃料電池用電極触媒と、このような電極触媒の製造方法に関するものである。
燃料電池は、電解質を介して接触させた1組の電極の一方に水素のような燃料ガス、他方の電極に酸素や空気のような酸化剤ガスを供給し燃料の化学エネルギーを電気エネルギーとして直接取り出す装置であって、原理的に電極反応による生成物が水であるため、地球環境への悪影響がほとんどないクリーンな発電システムである。
このような燃料電池は、用いる電解質によっていくつかのタイプのものがあり、これらのうち固体高分子形燃料電池は、他のタイプの燃料電池、例えば溶融炭酸塩形燃料電池(MCFC)では、作動温度が600℃以上、固体酸化物形燃料電池(SOFC)では1000℃近くの高温であるのに対して、100℃以下の低温作動が可能であることから、自動車等の移動体用動力源として、あるいは定置用電源としての利用が試みられているが、いずれにおいても長期に亘って所望の発電性能を維持することが求められる。
このような固体高分子形燃料電池に使用される電極については、撥水性ポリマーを含浸させたカーボンクロスやカーボンペーパーのような高いガス拡散性を有する電極支持体の上に、触媒成分である貴金属微粒子を担持させたカーボンブラック(導電性担体)、プロトン伝導性を有するポリマー(PAFCにおいては、通常使用しない)、撥水性を有するポリマー等で構成されるシート状の触媒層を有するものであり、このような電極の触媒層側を膜(PAFCにおいては、絶縁性マトリックスにリン酸溶液を含浸したものを使用する)と対向させて、ホットプレスにより接合し、膜・電極接合体を作製するようにしている。
上記電極においては、燃料電池の長時間に亘る連続運転や、起動・停止などさまざまな原因によってアノード及びカソードにおける電極電位が大きく変化するため、条件によってはカーボンを主成分とする触媒担体の腐食が発生し、それによって電極性能が経時的に低下するため、燃料電池の性能を劣化させる主な原因となっている。
例えば、固体高分子型燃料電池のカソードの場合、カソードが貴な電位環境(約1.0V以上)となった場合、カーボンの電気化学的な酸化反応、つまりカーボンの腐食が進行するため、図5に示すように、触媒担体(カーボン)1から触媒金属粒子2が遊離して、有効に使用される触媒量が減少するため電池性能が低下する。
一方、アノード(燃料極)においては、運転中に燃料不足が生じた場合、電流密度を保つためにアノードにおいて燃料の酸化反応に代わって水の電気分解や担体の酸化が発生することがあり、このような担体酸化が発生した場合には、カソードの場合と同様にアノード触媒層のアノードの劣化により、電池性能が低下することになる。
このとき、触媒担体であるカーボンの腐食反応においては、次に示すように水を酸化剤として二酸化炭素を生成する反応が進行していると考えられる。
C+2HO → CO +4H+4e
このような担体カーボンの耐食性向上に関する技術としては、担体カーボンを高温で熱処理して、カーボンをグラファイト化することによって耐腐食性を高めることが提案されている(特許文献1参照)。
また、担体カーボンの黒鉛化度や比表面積を最適化することによって排水性を高め、これによって電極の長期安定性を向上させることが提案されている(特許文献2参照)。
特開2002−273224号公報 特開2001−357857号公報
しかしながら、上記のような黒鉛化カーボンを白金などの貴金属触媒を担持する担体として用いることにより、腐食速度は低下するものの、カーボンである限り腐食を完全に防ぐことはできない。
また、高温処理による上記特許文献1記載の方法においては、グラファイト化処理により比表面積が小さくなり、これによって触媒分散性が低下するので、高いセル性能が得られないという問題がある。
一方、黒鉛化度や比表面積の最適化による上記特許文献2記載の方法では、その比表面積の範囲では、担体カーボンの黒鉛化度を十分に高くすることができず、カーボンである限り大幅な耐腐食性の改善は望めないことから、その腐食を効果的に抑制することはできないという問題がある。
本発明は、触媒金属粒子を導電性担体に担持させて成る従来の燃料電池用電極触媒における上記課題に着目してなされたものであって、導電性担体の腐食を防止して触媒金属の脱落・遊離を阻止することができ、もって電池性能を長期に亘って維持することができる燃料電池用電極触媒と、その製造方法、さらにはこのような電極触媒を用いた高性能の燃料電池を提供することを目的としている。
本発明者は、上記課題の達成に向けて、鋭意検討を重ねた結果、触媒金属とこの触媒金属を担持する導電性担体から成る電極触媒に、金属炭化物を付着させることによって、導電性担体の腐食を阻止することができ、しかもこれら金属炭化物には、直接的にカーボン等の導電性担体の腐食を防止する機能を有する金属炭化物(第1の金属炭化物)と、自らが犠牲となって優先的に腐食されることにより導電性担体の腐食を抑制する機能を有する金属炭化物(第2の金属炭化物)とがあり、これら第1及び第2の金属炭化物の導電性担体に対する付着状態を調整することによって、その機能をより効果的なものにすることができることを見出し、本発明を完成するに到った。
本発明は、上記知見に基づくものであって、本発明の燃料電池用電極触媒は、電極反応を促進する触媒金属と、この触媒金属を担持する導電性担体と、金属炭化物、好適には上記導電性担体の腐食を防止する第1の金属炭化物、例えば導電性担体が炭素質材料の場合には、Si(シリコン)、Zr(ジルコニウム)、Ce(セリウム)、Ti(チタン)、Ta(タンタル)などの炭化物と、優先的に腐食されて上記導電性担体の腐食を抑制する第2の金属炭化物、例えば導電性担体が同じく炭素質材料の場合には、Ca(カルシウム)、W(タングステン)、Nb(ニオブ)などの炭化物のいずれか一方又は両方を備えたことを特徴としている。
また、本発明の燃料電池用電極触媒の製造方法においては、導電性担体表面に第1の金属炭化物から成る中間層を、例えば分子線エピタキシー法、化学気相法、物理気相法、スパッタリング法、真空アーク蒸着法、溶融蒸着法などの薄膜形成方法によって形成した後、触媒金属粒子を担持させるようになすことを特徴とし、触媒金属粒子を担持させた後、第2の金属炭化物を担持させるようになすことを特徴としている。
そして、本発明の燃料電池は、本発明の上記燃料電池用電極触媒を用いて成ることを特徴としている。なお、ここで言う燃料電池とは、固体高分子形燃料電池(PEFC)又はリン酸形燃料電池(PAFC)を意味する。
本発明の燃料電池用電極触媒は、触媒金属と、これを担持する導電性担体と、金属炭化物、望ましくは導電性担体の腐食を直接的に防止する第1の金属炭化物と、自らが犠牲となって優先的に腐食されて導電性担体の腐食を抑制する第2の金属炭化物を備えたものであるから、触媒金属による導電性担体の腐食を阻止して触媒金属の担体からの脱落を未然に防止することができ、燃料電池性能を長期間に亘って良好に維持することができるという極めて優れた効果をもたらすものである。
本発明による燃料電池用電極触媒の製造方法においては、例えば、分子線エピタキシー法(MBE)や、化学気相法(CVD)、物理気相法(PVD)、スパッタリング法、真空アーク蒸着法、あるいは溶融蒸着法といった薄膜形成方法によって、導電性担体の表面に中間層としての第1の金属炭化物層を形成したのち、触媒金属粒子を担持させるようにしていることから、触媒金属の表面を露出させることができ、触媒活性を損なうことなく、第1の金属炭化物から成る中間層を導電性担体上に薄くしかも均一に形成することができる。
また、犠牲的に優先腐食される第2の金属炭化物については、触媒金属粒子を導電性担体あるいは上記中間層の上に担持させた後で担持させるようにしていることから、触媒金属が第2の金属炭化物上に付着することがなく、第2の金属炭化物の優先腐食による触媒金属の脱落を防止することができる。
そして、本発明の燃料電池は、本発明の電極触媒を用いたものであるから、耐久性に優れ、高い効率を長期間保持することができ、移動体用電源あるいは定置用電源として信頼性の高い固体高分子形燃料電池あるいはリン酸形燃料電池とすることができる。
以下、本発明の燃料電池用電極触媒及び当該電極触媒の製造方法について、さらに詳細に説明する。なお、本明細書において、「%」は特記しない限り質量百分率を意味する。
本発明の燃料電池用電極触媒においては、触媒金属と、これを担持する導電性担体を有する電極触媒に、金属炭化物、とりわけ第1の金属炭化物と、第2の金属炭化物を添加し、付着させたものである。
ここで、上記導電性担体としては、導電性と適度な耐食性を備えていれば特に限定されないが、触媒金属粒子を高分散させるための十分な比表面積を有し、かつ十分な電子伝導性を有することから、カーボン(炭素)を主成分とするものを使用することが望ましい。
電極を構成する触媒担体は、触媒金属粒子を担持するだけではなく、電子を外部回路に取り出す、あるいは外部回路から取り入れるための集電体としての機能を果たさなければならない。触媒担体の電気抵抗が高いと電池の内部抵抗が高くなり、結果として電池の性能を低下させることになる。そのため、電極に含まれる触媒担体の電子導電率は十分に低くなければならない。つまり、電極触媒担体として十分な電子導電性を持っていれば利用可能で、カーボンブラック、グラファイト化カーボン、活性炭などの導電性カーボン材料を使用することが望ましく、電子導電性を有する金属酸化物、金属炭化物、金属窒化物や高分子化合物を含むことも可能である。なお、ここで言う主成分とは、60%以上の炭素質を含有することを意味する。
一方、第1の金属炭化物とは、導電性担体の腐食を直接的に防止する機能を備えたものであって、具体的には、導電性担体として炭素質材料を用いた場合、Si、Zr、Ce、Ti又はTaの炭化物を使用することができ、これら炭化物の2種以上を任意に組み合わせて使用することもできる。
すなわち、炭化珪素、炭化ジルコニウム、炭化セリウム、炭化チタン、炭化タンタルは、導電性担体の主成分であるカーボンよりも水との電気化学的酸化反応に対する反応開始電位がより貴な電位であることから、これら炭化物の方が耐腐食性が高いことになり、カーボンの腐食による触媒金属の脱落を防止することができる。
また、第2の金属炭化物とは、優先的に腐食され、犠牲となって導電性担体の腐食を抑制する機能を備えたものであって、具体的には、導電性担体として同じく炭素質材料を用いた場合、Ca、W又はNbの炭化物を使用することができ、同様にこれら炭化物の2種以上を任意に組み合わせて使用することもできる。
つまり、炭化カルシウム、炭化タングステン、炭化ニオブは、導電性担体の主成分であるカーボンよりも水との電気化学的酸化反応に対する反応開始電位がより卑な電位であることから、これらの炭化物の方耐腐食性が低いことになる。したがって、カーボンの腐食電流が流れるような条件においても、カーボンより酸化されやすいこれらの金属炭化物が優先的に腐食されるため、カーボンの腐食を抑制することができる。また、これらの炭化物が酸化されても生成物が二酸化炭素と金属酸化物であるため、腐食生成物によって電極性能が劣化することがない。
このように、第1及び第2の金属炭化物は、それぞれ直接的に導電性担体の腐食を防止する機能と、優先的に腐食されて導電性担体の腐食を抑制する機能を備えたものであるが、これら金属炭化物は、上記のように水との電気化学的酸化反応に対する反応開始電位を求め、導電性担体材料のそれと比較することによって区別することができる。
すなわち、水との電気化学的酸化反応に対する反応開始電位が使用する導電性担体材料の水との電気化学的酸化反応に対する反応開始電位よりも高いものが第1の金属炭化物、低いものが第2の金属炭化物ということになる。
本発明の電極触媒においては、金属炭化物、すなわち第1及び第2の金属炭化物の一方又は両方が、導電性担体や触媒金属粒子の周囲に付着することによって導電性担体の腐食が防止もしくは抑制されることになるが、第1の金属炭化物については、図1に示すように、触媒金属粒子2とこれを担持する導電性担体1との間に、第1の金属炭化物から成る中間層4を形成させるようになすことが望ましい。
これによって、触媒金属2による導電性担体1の腐食が防止されるばかりでなく、導電性担体2が部分的に腐食されても触媒金属粒子1が中間層4により保持されるため、触媒金属粒子2の担体表面からの脱落を未然に防ぐことができ、電池性能が長期間に亘って良好に維持されることになる。また、このとき、中間層4は、導電性担体1と触媒金属粒子2の間に介在していれば十分であり、導電性担体1の表面全体を腐食耐性の高い第2の金属炭化物で被覆するようにしても、触媒金属粒子2の近傍部のみに第2の金属炭化物から成る層を形成するようにしてもよい。中間層4としては、腐食耐性が損なわれない限り、多孔質膜であっても、緻密膜であっても差し支えない。なお、導電性担体2として、金属炭化物自体を触媒担体として用いた場合には、後述するように金属炭化物の導電性がカーボンに較べて低く、しかも比表面積もカーボンに較べてかなり小さいことから、カーボン担体を使用した場合に比べて、燃料電池性能がかなり大幅に低下することになる。
上記第1の金属炭化物の付着量としては、当該電極触媒の20〜80%を占めていることが望ましい。すなわち、第1の金属炭化物の量が20%未満の場合には、触媒金属による導電性担体の腐食を十分に防止することができない。また、80%を超えた場合には、中間層が厚くなりすぎ、前述の理由から電極としての電子導電率が低下し、iR損が大きくなる。つまり電池の内部抵抗が大きくなるため、セル電圧が低下し、電池性能が低下する。加えて、当該金属炭化物が担体表面の細孔を埋めてしまうために、担体の比表面積が著しく低下し、その表面に担持する触媒金属粒子の重なりが多くなることから触媒活性が減殺され、電池性能を下げる要因となる。
上記中間層としての第1の金属炭化物は、上記のように電子伝導性を有する金属炭化物を使用するが、一般に金属炭化物は、カーボンなどから成る導電性担体に較べて導電性が低い。例えば、導電性カーボンブラックの導電率が1〜10S/cm程度であるのに対し、スパッタリング法によって成膜した導電性炭化ケイ素の導電率はおよそ0.01〜1S/cmである。
したがって、このような中間層の膜厚としては、10〜100nm程度の範囲であることが望ましい。すなわち、当該中間層の厚さが10nm未満と薄すぎる場合には、触媒金属による導電性担体の腐食を十分に防止することができない反面、100nmを超えた場合には、中間層が厚すぎて導電性が低下し、iR損が大きくなるため、つまり電池の内部抵抗が大きくなるため、セル電圧が低下し、電池性能が劣化する。加えて、金属炭化物が導電性担体表面の細孔を埋めてしまうために、担体の比表面積が著しく低下し、その表面に担持する触媒金属粒子の重なりが多くなることから触媒活性が減殺され、電池性能を下げる要因となるので、上記中間層の厚さは、10〜100nmの範囲とすることが望ましいことになる。
また、必ずしも導電性担体は中間層によって表面全体を覆われている必要がないことは、上記したとおりであるが、中間層による導電性担体の被覆率としては、40%以上とすることが望ましい。これは、被覆率が40%未満となると、触媒金属の多くが第1の金属炭化物に接触することができなくなって、腐食防止の充分な効果が得難くなる一方、このような低い被覆率の中間層に触媒金属を選択的に接する形態にした場合には、触媒金属粒子に凝集が生じ、電極性能の低下を招く傾向があることによる。
一方、第2の金属炭化物については、図2に示すように、カーボンなどの導電性担体1の表面に、触媒金属粒子2と第2の金属酸化物5が並列的に付着しており、触媒金属粒子2が第2の金属酸化物5に直接担持されていないようにすることが望ましい。つまり、触媒金属2が第2の金属炭化物5に担持されていると、当該金属炭化物5が優先腐食された際に、触媒金属粒子が脱落してしまうことになる。また、脱落しないまでも電子導電性をほとんど持たない腐食生成物である金属酸化物の表面に担持されていることになり、いずれにしても触媒金属2が電極反応に寄与しなくなるため、電極性能が劣化することになる。なお、図2において、符号6は、第2の金属炭化物5が導電性担体1よりも優先的に腐食されることによって生成した酸化物である。
このとき、第2の金属炭化物としては、平均粒子径が10nm〜10μmの粉末であることが望ましく、この理由は、粒子径が10nmに満たない場合には、金属炭化物粒子同士が凝集しやすくなって、電極中への均一分散が困難となり、均一な効果が得られ難くなり、逆に10μmを超えた場合いは、金属炭化物粒子が導電性担体粒子よりも著しく大きくなるため、電極の微細構造中に組み込まれにくくなって、目的とする効果が得られ難くなることによる。
また、当該第2の金属炭化物は、その比表面積が5〜80m/gの粉末であることが望ましい。すなわち、炭化物粉末の比表面積が80m/gを超えると、金属炭化物粒子が小さくなるため粒子同士が凝集しやすくなるため電極中への均一分散が困難となって、安定した効果が得られ難くなり、5m/gに満たない場合には、金属炭化物粒子が導電性担体粒子よりも著しく大きくなるため、電極の微細構造中に組み込まれにくくなると共に、十分な腐食反応速度が得られないため、目的とする優先腐食による腐食抑制機能が十分に果せなくなる傾向があることによる。
さらに、第2の金属炭化物の平均粒子径を触媒金属粒子の5〜5000倍とすることによって、当該金属炭化物による効果をさらに確実なものとすることができる。すなわち、第2の金属炭化物の平均粒子径が触媒金属粒子の5倍未満の場合、金属炭化物粒子同士が凝集しやすくなるため、電極中への均一分散が困難になり、安定した効果が得られにくくなり、逆に5000倍を超えた場合には、金属炭化物粒子が導電性担体粒子よりも著しく大きくなり過ぎるるために、電極の微細構造中に組み込まれ難くなることがあることによる。
そして、当該電極触媒全重量に占める上記第2の金属炭化物の量が質量比で1%未満となった場合には、優先腐食による導電性担体の腐食を十分に防止することができない。また、60%を超えた場合には、当該金属炭化物の量が多くなりすぎて電極の電子導電率が低下し、iR損が大きくなって、電池の内部抵抗が大きくなるため、セル電圧が低下し、電池性能が低下する。加えて、当該金属炭化物が導電性担体表面の細孔を埋めてしまうために、担体の比表面積が著しく低下し、その表面に担持された触媒金属粒子同士の多くが重なり合うことになるために触媒活性が減殺され、電池性能を下げる要因となることから、電極触媒中の上記第2の金属炭化物は、1〜60%の範囲内とすることが望ましい。
なお、本発明の燃料電池用電極触媒においては、当然のことながら上記第1の金属炭化物と、第2の金属炭化物を併用することもでき、この場合には、図1に示した状態の電極触媒に、図2に示した第2の金属炭化物粒子5を付着させるようにすること、言い換えると、図1に示した電極触媒における中間層4に第2の金属炭化物粒子5を担持させることが望ましい。
一方、触媒金属としてPtは、高い酸素還元活性および水素酸化活性を示し、Ptを基体とした貴金属合金触媒、貴金属−卑金属混合物触媒も高い活性を示す。したがって、本発明の燃料電池用電極触媒における触媒金属として、Pt(白金)、Ir(イリジウム)、Au(金)、Ag(銀)もしくはPd(パラジウム)、又はこれらの任意の組み合せによる金属を含むものを用いることができる。
また、上記触媒金属の平均粒子径としては、小さいほど電気化学反応が進行する有効電極面積が増加するため酸素還元活性も高くなるが、実際には触媒粒子径が小さくなりすぎるとむしろ活性が低下する現象が見られる。そのため、担持触媒金属粒子の平均粒径は、1〜10nmの範囲が好ましく、さらには2〜5nmの範囲がより好ましい。なお、ここで言う「触媒金属の平均粒子径」とは、X線回折における回折ピークの半値幅より求められる結晶子径、あるいは透過型電子顕微鏡像より調べられる粒子径の平均値を意味するものとする。
また、電池性能に対して有効な電極反応は触媒金属粒子の表面で起こることから、従来の燃料電池に比べて性能低下を生じることなく、同等の電池性能を得るためには、触媒金属は、その表面の一部が露出していることが望ましい。
次に、本発明の燃料電池用電極触媒の製造方法について、簡単に説明する。
まず、第1の金属炭化物から成る中間層を備えた電極触媒については、導電性担体表面に第1の金属炭化物から成る中間層を形成した後、触媒金属粒子を担持させるようにすることができ、このときの触媒担持法としては、触媒金属溶液と還元剤と導電性担体粉末の混合溶液中で、触媒金属イオンあるいは触媒金属錯体などを還元しながら担持させる方法や、貴金属コロイド溶液中で担体上に吸着させるコロイド吸着法を好適に用いることができるが、含浸法、スパッタリング法、スプレードライ法などの公知の方法を用いることも可能である。
なお、触媒金属を導電性担体表面に先に担持したのち、第1の金属炭化物から成る中間層の形成を行った場合には、触媒金属の表面が金属炭化物によって被覆され、触媒活性が損なわれることになるので好ましくない。
また、上記の中間層は、分子線エピタキシー法(MBE)、化学気相法(CVD)、物理気相法(PVD)、スパッタリング法、真空アーク蒸着法及び溶融蒸着法のうちの少なくともいずれかの薄膜形成方法によって形成することが望ましく、これらの方法を用いることによって、数10nmオーダーの金属炭化物薄膜を導電性担体表面に精度良く、より均一に形成することができる。
そして、第2の金属炭化物を付着させるには、導電性担体の表面に、第1の金属炭化物から成る中間層を備えている場合にはその表面に触媒金属を担持させたのち、第2の金属炭化物を担持させるようにすることができ、これによって触媒金属粒子が第2の金属炭化物上に担持され、触媒粒子が優先腐食によって早期に脱落するような不具合を回避することができる。
触媒金属担持法としては、上述の方法を同様に用いることができる。このとき、第2の金属炭化物の粉末を混合することが簡便であり、なおかつ良好な効果が得られる。
以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説明する。なお、本発明は、これらの実施例のみに限定されることはない。
(実施例1)
スパッタリング装置の真空チャンバー内を10−5Paまで減圧し、出力1.5kW、スパッタリングガスをヘリウムとし、炭化ケイ素をターゲットとして用いてRFスパッタリング法により導電性カーボンブラック(Vulcan XC−72)の表面に炭化ケイ素(第1の金属炭化物)薄膜から成る中間層を形成した。このとき、基板温度を150℃とし、炭化ケイ素膜の厚さを30nmに形成した。
このようにして作製した炭化ケイ素被覆導電性カーボンブラック1gを0.4%の白金を含有する塩化白金酸水溶液250g中にホモジナイザを用いて十分に分散させた後、これにクエン酸ナトリウム3gを加え、還流反応装置を使用して80℃に加熱し、白金の還元担持を行った。そして、室温まで放冷した後、白金が担持されたカーボンを濾別することにより、Pt担持炭化ケイ素被覆カーボンを得た。このPt担持カーボンの平均Pt粒子径は約3.0nmであった。また、Pt担持量を誘導結合プラズマ発光分光法によって調べた結果、48.6%のPtが担持されていることが確認された。
図3(a)は、このようにして得られたPt担持炭化ケイ素被覆カーボン(燃料電池用電極触媒)の表面構造の模式図である。
(実施例2)
中間層の形成に際して炭化ケイ素の厚さを0.3 μmとしたこと以外は、上記実施例1と同様な方法により、Pt担持炭化ケイ素被覆カーボンを作製した。このPt担持カーボンの平均Pt粒子径は約3.2nm、Pt担持量は48.1%であった。
当該実施例によるPt担持炭化ケイ素被覆カーボン(燃料電池用電極触媒)の表面構造の模式図を図3(b)に示す。
(実施例3)
従来タイプの燃料電池用電極触媒として用いられるものであって、金属炭化物中間層を設けていないPt担持カーボン(平均Pt粒子径:約2.8nm、Pt担持量:48.7%)に、RFスパッタリング法によって、上記実施例1と同様な条件のもとに炭化ケイ素膜を形成した。炭化ケイ素膜の厚さは30nmとした。
図3(c)は、当該実施例によるPt担持炭化ケイ素被覆カーボン(燃料電池用電極触媒)の表面構造の模式図である。
(実施例4)
炭化タングステン(第2の金属炭化物)粒子(平均粒径0.1μm、比表面積8m/g)を実施例1に使用した塩化白金酸水溶液に混合した溶液を用いて、同様に白金の還元担持を行ない、同時に炭化タングステンをも担持させることによって、Pt−炭化タングステン担持カーボンを得た。このときの炭化タングステン量を20%とした。なお、Pt粒子径及びPt担持量は実施例1と同等であった。
図3(d)は、当該実施例によるPt−炭化タングステン担持カーボン(燃料電池用電極触媒)の表面構造の模式図である。
(比較例1)
炭化ケイ素中間層の成膜を行うことなく、上記導電性カーボンブラックに実施例1と同様な方法により直接Ptを担持することによって、第1の金属炭化物から成る中間層も、第2の金属炭化物の付着もないPt担持カーボンを得た。このPt担持カーボンの平均Pt粒子径は約3.3nm、また、Pt担持量は48.9%のPtが担持されていた。
当該比較例によるPt担持カーボン(従来型燃料電池用電極触媒)の表面構造の模式図を図3(e)に示す。
〔評価方法〕
(1)MEAの作製
MEA(Membrane ElectrodeAssembly:膜−電極接合体)の作製については、いずれについても以下の要領に基づいて行った。
すなわち、各実施例及び比較例の電極触媒に、その重量に対して5倍量の精製水を加えた後、0.5倍量のイソプロピルアルコールを加え、さらにNafion(登録商標)の重量が1倍量になるようにNafion溶液(Aldrich社製5%Nafion含有)を加えた。得られた混合スラリーを超音波ホモジナイザでよく分散させ、それに続いて減圧脱泡操作を加えることによって触媒スラリーを作製した。これをガス拡散層(GDL)であるカーボンペーパー(東レ製TGP−H−120)の片面にスクリーン印刷法によって所望の厚さに応じて所定量の触媒スラリーを印刷し、60℃で24時間乾燥させた後、触媒層を形成した面を電解質膜に合わせて120℃、0.1MPaで10分間ホットプレスを行うことによりそれぞれのMEAを作製した。
触媒金属担持導電性金属酸化物をカソード触媒として用いる場合には、アノードは同様な方法を用いて電極触媒としてPt担持カーボンブラックのみを用いてMEAを作製した。アノードおよびカソード触媒層の厚さはいずれのセルについても8〜12μmの範囲内とした。
これらのMEAは、アノード、カソードともにPt使用量を見かけの電極面積1cmあたり0.5mgとし、電極面積については300cmとした。また、電解質膜としてNafion112(厚さ:約50μm)を用いた。
(2)電極触媒の耐久性評価
作製したMEAを用いて燃料電池単セルを構成し、耐久性の評価を以下のような方法で行った。
すなわち、燃料電池を発電運転させる場合にはアノード側に燃料として水素を供給し、カソード側には空気を供給した。両ガスとも供給圧力は大気圧とし、水素は80℃、空気は60℃で飽和加湿すると共に、燃料電池本体の温度を80℃に設定し、水素利用率70%、空気利用率40%として、電流密度0.5A/cmで30分間運転を続けた。
発電を停止する場合には、取り出す電流密度をゼロにした後、アノード側については窒素パージをして水素を排出する一方、カソード側については大気圧で出口側を大気開放とした。このとき燃料電池本体の温度制御は行わず、停止時間は30分とした。発電停止時における実験環境は、室温が20〜25℃、湿度は40〜60%RHであった。停止後、運転を再開する場合には、上記した条件のもとにセルにガスを再導入し、発電を行った。この運転−停止サイクルを繰り返すことによって、燃料電池単セルの耐久性評価を行った。
〔評価結果〕
(1)初期セル電圧
上記電極触媒を使用した各セルについて、0.2A/cm及び0.5A/cmの電流密度における初期セル電圧値を表1に示す。
Figure 2004172107
その結果、実施例1及び実施例4の電極触媒を用いた燃料電池セルと、比較例1として金属炭化物を備えていない従来型の電極触媒を用いた燃料電池セルの電圧値が良好であり、特に比較例1の電極触媒を用いたセルの方が僅かに高い結果となったが、大きな差はほとんど認められない。
それに対して実施例3によるPt担持炭化ケイ素被覆カーボンを電極触媒として使用した燃料電池セルでは、他の例と比較してセル電圧がかなり低いことが判明した。これはPt触媒の表面を炭化ケイ素中間層が覆ってしまったため、Ptの活性作用がほとんど発揮されなかったためと考えられる。
また、実施例2によるPt担持炭化ケイ素被覆カーボンを電極触媒として用いた燃料電池セルにおいては、炭化ケイ素中間層の厚さが300nmと厚すぎたことから、触媒層の導電率が低下し、iR損が大きくなってセル電圧が低下すると同時に、担体の比表面積が小さくなったためにPt触媒の凝集が起こりやすく、それだけ触媒活性が低下したことから、他の例よりもセル電圧が低くなったものと考えられる。
(2)耐久性
次に、初期セル電圧値は比較良好であった、実施例1及び4、比較例1の電極触媒を用いた固体高分子型燃料電池について、上記の起動−停止サイクル運転したときのセル電圧の変化を、電流密度0.5A/cmの場合について比較調査した。
図4は、その結果を示すグラフであって、比較例1による電極触媒を用いた燃料電池の場合には、初期電圧値は高いものの、起動停止サイクル数の増加とともにセル電圧が徐々に低下し、300回程度でセル電圧が0.5V以下にまで低下していくことが判る。これに対し、実施例電極触媒を用いた燃料電池においては、運転時間の経過によってセル電圧の僅かな低下が認められるものの、その速度は著しく低く、運転時間が長くなった場合には、実施例の電極触媒を用いた燃料電池の方が高いセル電圧を示すことが判明した。
この結果から、カーボン担体と触媒金属粒子の間にカーボンよりも耐食性の高い炭化ケイ素中間層が介在する実施例1に係わる電極触媒を用いた燃料電池においては、担体の腐食によるPtの遊離や凝集が抑制されることから、起動−停止運転によっても電池性能の劣化が小さく抑えられることが確認された。
また、触媒金属粒子を担持したカーボン担体にカーボンよりも耐食性の低い炭化タングステン粉末を混合させた実施例4に係わる電極触媒を用いた燃料電池においては、金属炭化物自体の優先的な犠牲腐食効果により、従来の電極触媒と同様に起動−停止運転によって炭化タングステンがカーボンよりも優先的に腐食が進むために触媒金属粒子がカーボン担体上に保持されることから、電池性能の劣化が抑制されると考えられる。
本発明の実施形態として第1の金属炭化物から成る中間層を備えた燃料電池用電極触媒の表面構造を示す模式図である。 本発明の他の実施形態として第2の金属炭化物粉末を導電性担体に担持した燃料電池用電極触媒の表面構造を示す模式図である。 本発明の実施例及び比較例に係わる燃料電池用電極触媒の表面構造をそれぞれ示す模式図である。 本発明の燃料電池用電極触媒を用いた燃料電池と従来タイプの電極触媒を用いた燃料電池を起動−停止サイクル運転した場合の性能変化を比較して示すグラフである。 従来の燃料電池用電極触媒の表面構造を示す模式図である。
符号の説明
1 導電性担体
2 触媒金属粒子
4 中間層(第1の金属炭化物)
5 第2の金属炭化物

Claims (20)

  1. 電極反応を促進する触媒金属と、該触媒金属を担持する導電性担体と、金属炭化物を備えたことを特徴とする燃料電池用電極触媒。
  2. 上記触媒金属がPt、Ir、Au、Ag及びPdから成る群より選ばれた少なくとも1種の金属を含んでいることを特徴とする請求項1に記載の燃料電池用電極触媒。
  3. 上記触媒金属の平均粒子径が1〜10nmであることを特徴とする請求項1又は2に記載の燃料電池用電極触媒。
  4. 上記触媒金属表面の少なくとも一部が露出していることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つの項に記載の燃料電池用電極触媒。
  5. 金属炭化物として、上記導電性担体の腐食を防止する第1の金属炭化物及び/又は優先的に腐食されて上記導電性担体の腐食を抑制する第2の金属炭化物を備えたことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つの項に記載の燃料電池用電極触媒。
  6. 第1の金属炭化物の全体に占める割合が質量比で20〜80%であることを特徴とする請求項5に記載の燃料電池用電極触媒。
  7. 第2の金属炭化物が平均粒子径10nm〜10μmの粉末であることを特徴とする請求項5又は6に記載の燃料電池用電極触媒。
  8. 第2の金属炭化物の比表面積が5〜80m/gであることを特徴とする請求項5〜7のいずれか1つの項に記載の燃料電池用電極触媒。
  9. 第2の金属炭化物の平均粒子径が触媒金属粒子の平均粒子径の5〜5000倍であることを特徴とする請求項5〜8のいずれか1つの項に記載の燃料電池用電極触媒。
  10. 第2の金属炭化物の全体に占める割合が質量比で1〜60%であることを特徴とする請求項5〜9のいずれか1つの項に記載の燃料電池用電極触媒。
  11. 上記導電性担体の主成分が炭素であって、第1の金属炭化物がSi、Zr、Ce、Ti及びTaから成る群より選ばれた少なくとも1種の金属の炭化物であることを特徴とする請求項5〜10のいずれか1つの項に記載の燃料電池用電極触媒。
  12. 上記導電性担体の主成分が炭素であって、第2の金属炭化物がCa、W及びNbから成る群より選ばれた少なくとも1種の金属の炭化物であることを特徴とする請求項5〜11のいずれか1つの項に記載の燃料電池用電極触媒。
  13. 上記触媒金属が導電性担体及び/又は第1の金属炭化物の表面に担持されていることを特徴とする請求項5〜12のいずれか1つの項に記載の燃料電池用電極触媒。
  14. 上記触媒金属と上記導電性担体との間の少なくとも触媒金属の近傍部に第1の金属炭化物から成る中間層を備えていることを特徴とする請求項5〜13のいずれか1つの項に記載の燃料電池用電極触媒。
  15. 上記中間層の厚さが10nm以上100nm以下であることを特徴とする請求項14に記載の燃料電池用電極触媒。
  16. 上記導電性担体の表面における中間層による被覆率が40%以上である特徴とする請求項14又は15に記載の燃料電池用電極触媒。
  17. 請求項14〜16のいずれか1つの項に記載の燃料電池用電極触媒を製造するに際し、導電性担体表面に第1の金属炭化物から成る中間層を形成した後、触媒金属粒子を担持させることを特徴とする燃料電池用電極触媒の製造方法。
  18. 上記中間層を分子線エピタキシー法(MBE)、化学気相法(CVD)、物理気相法(PVD)、スパッタリング法、真空アーク蒸着法及び溶融蒸着法から成る群より選ばれた少なくとも1種の薄膜形成方法により形成することを特徴とする請求項17に記載の燃料電池用電極触媒の製造方法。
  19. 請求項5〜16のいずれか1つの項に記載の燃料電池用電極触媒を製造するに際し、触媒金属粒子を担持させた後、第2の金属炭化物を担持させることを特徴とする燃料電池用電極触媒の製造方法。
  20. 請求項1〜16のいずれか1つの項に記載の燃料電池用電極触媒を用いて成ることを特徴とする燃料電池。
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