JP2006107967A - 固体高分子型燃料電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】 実用的であり、電池性能が高く、かつ、耐久性に優れた固体高分子型燃料電池を提供すること。
【解決手段】 本発明に係る固体高分子型燃料電池は、電解質膜の両面に触媒層を含む電極が接合された膜電極接合体と、前記電解質膜及び/又は電極に固定された、難溶性の炭化物、ホウ化物及び/又はケイ化物を含む過酸化物分解触媒とを備えている。過酸化物分解触媒は、希土類元素、遷移金属元素又は典型金属元素の炭化物、ホウ化物及び/又はケイ化物を含むものが好ましい。
【選択図】 なし

Description

本発明は、固体高分子型燃料電池に関し、さらに詳しくは、車載用動力源、定置型小型発電器、コジェネレーションシステム等として好適な固体高分子型燃料電池に関する。
固体高分子型燃料電池は、固体高分子電解質膜の両面に電極が接合された膜電極接合体(MEA)を基本単位とする。また、固体高分子型燃料電池において、電極は、一般に、拡散層と触媒層の二層構造をとる。拡散層は、触媒層に反応ガス及び電子を供給するためのものであり、カーボンペーパー、カーボンクロス等が用いられる。また、触媒層は、電極反応の反応場となる部分であり、一般に、白金等の電極触媒を担持したカーボンと固体高分子電解質との複合体からなる。
このようなMEAを構成する電解質膜あるいは触媒層内電解質には、耐酸化性に優れた全フッ素系電解質(高分子鎖内にC−H結合を含まない電解質。例えば、ナフィオン(登録商標、デュポン社製)、アシプレックス(登録商標、旭化成(株)製)、フレミオン(登録商標、旭硝子(株)製)等。)を用いるのが一般的である。
また、全フッ素系電解質は、耐酸化性に優れるが、一般に極めて高価である。そのため、固体高分子型燃料電池の低コスト化を図るために、炭化水素系電解質(高分子鎖内にC−H結合を含み、C−F結合を含まない電解質)、又は、部分フッ素系電解質(高分子鎖内にC−H結合とC−F結合の双方を含む電解質)の使用も検討されている。
しかしながら、固体高分子型燃料電池を車載用動力源等として実用化するためには、解決すべき課題が残されている。例えば、炭化水素系電解質は、全フッ素系電解質に比べて安価であるが、過酸化物ラジカルにより劣化しやすいという問題がある。
また、電極反応を効率よく進行させるためには、触媒層内に電極触媒、電解質及び反応ガスが共存する三相界面を確保する必要がある。しかしながら、特にカソード側では、電極反応により生成した水あるいは反応ガスに含まれる水によって三相界面が閉塞する、いわゆるフラッディングが生じ、反応効率が低下しやすいという問題がある。
さらに、固体高分子型燃料電池を低コスト化するためには、白金等の高価な貴金属触媒の使用量を低減する必要があり、そのためには、微細な触媒粒子を均一に分散させる必要がある。しかしながら、貴金属触媒は、担体表面において凝集しやすいという問題がある。
そこでこの問題を解決するために、従来から種々の提案がなされている。
例えば、特許文献1には、炭化水素系電解質に酸化マンガン、酸化ルテニウム、酸化イリジウム等の遷移金属酸化物微粒子を分散させた高耐久固体高分子電解質が開示されている。同文献には、炭化水素系電解質膜中に酸化ルテニウム等を分散させることによって、膜の耐酸化性が向上する点が記載されている。
また、特許文献2には、炭化水素系固体高分子電解質膜に、酸化マンガン、酸化ルテニウム等の遷移金属酸化物触媒、あるいは、鉄フタロシアニン、銅フタロシアニン等の大環状金属錯体触媒を添加した固体高分子電解質膜が開示されている。同文献には、炭化水素系電解質に遷移金属酸化物触媒あるいは大環状金属錯体触媒を添加すると、電極反応の副反応により生じた過酸化水素が遷移金属酸化物触媒あるいは大環状金属錯体触媒によって分解され、炭化水素系電解質の耐酸化性が向上する点が記載されている。
また、特許文献3には、無水フッ化水素酸、フッ化カリウム及びフッ素系界面活性剤を含む電解液中において、カーボンペーパーを陽極として電気分解を行う電極の製造方法が開示されている。同文献には、このような方法によって電極基体の表面に撥水性フッ化カーボン層を形成することができる点、及び、このような方法により得られた電極は、撥水性に優れている点が記載されている。
さらに、特許文献4には、炭素粒子の表面にチタン層を形成し、チタン層の上に白金粒子を担持させた燃料電池用触媒担持粒子、及び、炭素粒子の表面に炭化ジルコニウム層を形成し、炭化ジルコニウム層の上に白金粒子を担持させた燃料電池用触媒担持粒子が開示されている。同文献には、炭素粒子の表面にチタン層、炭化ジルコニウム層等からなる接着層を形成し、その上に白金粒子を担持させることによって、白金粒子の凝集が抑制される点、及び、白金粒子と炭素粒子との接触面積が増し、両者の接触抵抗が小さくなる点が記載されている。
特開2001−118591号公報 特開2000−106203号公報 特開平10−284088号公報 特開2003−346814号公報
Pt、Ru、Ir、Rh等の貴金属又はこれらの酸化物は、過酸化物を分解させる作用を有している。そのため、これらの粉末を炭化水素系電解質又は部分フッ素系電解質に添加すると、過酸化物ラジカルの発生が抑制され、耐酸化性を向上させることができる。しかしながら、貴金属は資源量が少なく、高価であるので、この方法は実用的ではない。
一方、大環状金属錯体や遷移金属酸化物は、過酸化水素を分解する作用があり、しかも、貴金属に比べて安価であるが、電子伝導性は低い。そのため、MEAの耐久性を向上させるためにこれらの化合物を電極に多量に添加すると、内部抵抗あるいは接触抵抗の上昇を招き、電池性能が低下するという問題がある。
また、特許文献4には、白金粒子の凝集を抑制するために、炭素粒子の表面にチタン層等を形成する点が開示されているが、ある種の炭化物、ホウ化物又はケイ化物が過酸化物分解触媒として機能することは従来知られておらず、また、ある種の炭化物等を過酸化物分解触媒として電極に添加し、あるいは、燃料電池の他の構成要素に適用した例は、従来にはない。
さらに、全フッ素系電解質は、従来、過酸化物ラジカルに対する耐性が高く、過酸化物ラジカルが共存する環境下において長期間使用した場合であっても、劣化しないと考えられていた。しかしながら、本願発明者らは、全フッ素系電解質といえども、燃料電池の作動条件下で長時間使用すると、経時劣化することを見出した。そのため、要求される耐酸化性のレベルが高い用途に対しては、電解質の耐久性をさらに向上させることが望まれている。
本発明が解決しようとする課題は、実用的であり、電池性能が高く、かつ、耐久性に優れた固体高分子型燃料電池を提供することにある。また、本発明が解決しようとする他の課題は、全フッ素系電解質を用いた固体高分子型燃料電池において、全フッ素系電解質の耐久性を向上させることにある。
上記課題を解決するために、本発明に係る固体高分子型燃料電池は、電解質膜の両面に触媒層を含む電極が接合された膜電極接合体と、前記電解質膜及び/又は電極に固定された、難溶性の炭化物、ホウ化物及び/又はケイ化物を含む過酸化物分解触媒とを備えていることを要旨とする。但し、前記触媒層にのみ遷移金属の炭化物を含み、かつ、前記触媒層内の触媒担体の表面に前記遷移金属の炭化物層を形成し、その上に電極触媒を担持させたものを除く。
ある種の炭化物、ホウ化物及びケイ化物は、高温、低pHの水中において比較的安定であり、相対的に高い過酸化物分解作用を有し、しかも、貴金属系の過酸化物分解触媒に比べて安価である。そのため、これを電解質膜及び/又は電極に固定すれば、製造コストを大幅に上昇させることなく、過酸化物ラジカルによる電解質の劣化を抑制することができる。また、ある種の炭化物、ホウ化物及びケイ化物は、高い過酸化物分解作用に加えて、高い電子伝導性を有しているので、これを電極に固定すれば、電池性能を低下させることなく耐久性を向上させることができる。さらに、全フッ素系電解質を用いた膜電極接合体のいずれかに過酸化物分解触媒を固定すると、全フッ素系電解質の劣化が抑制され、固体高分子型燃料電池の耐久性がさらに向上する。
以下、本発明の一実施の形態について詳細に説明する。本発明に係る固体高分子型燃料電池は、固体高分子電解質膜の両面に電極が接合された膜電極接合体(MEA)を備えている。また、固体高分子型燃料電池は、通常、このようなMEAの両面を、ガス流路を備えたセパレータで挟持し、これを複数個積層したものからなる。
本発明において、固体高分子電解質膜の材質は、特に限定されるものではなく、種々の材料を用いることができる。すなわち、固体高分子電解質膜の材質は、高分子鎖内にC−H結合を含み、かつC−F結合を含まない炭化水素系電解質、及び高分子鎖内にC−F結合を含むフッ素系電解質のいずれであっても良い。また、フッ素系電解質は、高分子鎖内にC−H結合とC−F結合の双方を含む部分フッ素系電解質であっても良く、あるいは、高分子鎖内にC−F結合を含み、かつC−H結合を含まない全フッ素系電解質であっても良い。
なお、フッ素系電解質は、フルオロカーボン構造(−CF−、−CFCl−)の他、クロロカーボン構造(−CCl−)や、その他の構造(例えば、−O−、−S−、−C(=O)−、−N(R)−等。但し、「R」は、アルキル基)を備えていてもよい。また、固体高分子電解質膜を構成する高分子の分子構造は、特に限定されるものではなく、直鎖状又は分岐状のいずれであっても良く、あるいは環状構造を備えていても良い。
また、固体高分子電解質に備えられる電解質基の種類についても、特に限定されるものではない。電解質基としては、スルホン酸基、カルボン酸基、ホスホン酸基、スルホンイミド基等が好適な一例として挙げられる。固体高分子電解質には、これらの電解質基の内、いずれか1種類のみが含まれていても良く、あるいは、2種以上が含まれていても良い。さらに、これらの電解質基は、直鎖状固体高分子化合物に直接結合していても良く、あるいは、分枝状固体高分子化合物の主鎖又は側鎖のいずれかに結合していても良い。
炭化水素系電解質としては、具体的には、高分子鎖のいずれかにスルホン酸基等の電解質基が導入されたポリアミド、ポリアセタール、ポリエチレン、ポリプロピレン、アクリル系樹脂、ポリエステル、ポリサルホン、ポリエーテル等、及びこれらの誘導体(脂肪族炭化水素系電解質)、高分子鎖のいずれかにスルホン酸基等の電解質基が導入されたポリスチレン、芳香環を有するポリアミド、ポリアミドイミド、ポリイミド、ポリエステル、ポリサルホン、ポリエーテルイミド、ポリエーテルスルホン、ポリカーボネート等、及びこれらの誘導体(部分芳香族炭化水素系電解質)、高分子鎖のいずれかにスルホン酸基等の電解質基が導入されたポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルケトン、ポリサルホン、ポリエーテルサルホン、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリフェニレン、ポリフェニレンエーテル、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリエステル、ポリフェニレンサルファイド等、及びこれらの誘導体(全芳香族炭化水素系電解質)、等が好適な一例として挙げられる。
また、部分フッ素系電解質としては、具体的には、高分子鎖のいずれかにスルホン酸基等の電解質基が導入されたポリスチレン−グラフト−エチレンテトラフルオロエチレン共重合体(以下、これを「PS−g−ETFE」という。)、ポリスチレン−グラフト−ポリテトラフルオロエチレン等、及びこれらの誘導体が好適な一例として挙げられる。
また、全フッ素系電解質としては、具体的には、デュポン社製ナフィオン(登録商標)、旭化成(株)製アシプレックス(登録商標)、旭硝子(株)製フレミオン(登録商標)等、及びこれらの誘導体が好適な一例として挙げられる。
さらに、本発明において、MEAを構成する固体高分子電解質膜は、固体高分子電解質のみからなるものであっても良く、あるいは、多孔質材料、長繊維材料、短繊維材料等からなる補強材を含む複合体であっても良い。
これらの中でも、フッ素系電解質、特に全フッ素系電解質は、高分子鎖内にC−F結合を有しており、耐酸化性に優れているので、これに対して本発明を適用すれば、耐酸化性及び耐久性に優れた固体高分子型燃料電池が得られる。
MEAを構成する電極は、通常、触媒層と拡散層の二層構造を取るが、触媒層のみによって構成される場合もある。電極が触媒層と拡散層の二層構造を取る場合、電極は、触媒層を介して電解質膜に接合される。
触媒層は、電極反応の反応場となる部分であり、電極触媒又は電極触媒を担持した担体と、その周囲を被覆する触媒層内電解質とを備えている。一般に、電極触媒には、MEAの使用目的、使用条件等に応じて最適なものが用いられる。固体高分子型燃料電池の場合、電極触媒には、白金、白金合金、パラジウム、ルテニウム、ロジウム等又はこれらの合金が用いられる。触媒層に含まれる電極触媒の量は、MEAの用途、使用条件等に応じて最適な量が選択される。
触媒担体は、微粒の電極触媒を担持すると同時に、触媒層における電子の授受を行うためのものである。触媒担体には、一般に、カーボン、活性炭、フラーレン、カーボンナノフォン、カーボンナノチューブ等が用いられる。触媒担体表面への電極触媒の担持量は、電極触媒及び触媒担体の材質、MEAの用途、使用条件等に応じて最適な担持量が選択される。
触媒層内電解質は、固体高分子電解質膜と電極との間でプロトンの授受を行うためのものである。触媒層内電解質には、通常、固体高分子電解質膜を構成する材料と同一の材料が用いられるが、異なる材料を用いても良い。触媒層内電解質の量は、MEAの用途、使用条件等に応じて最適な量が選択される。
拡散層は、触媒層との間で電子の授受を行うと同時に、反応ガスを触媒層に供給するためのものである。拡散層には、一般に、カーボンペーパ、カーボンクロス等が用いられる。また、撥水性を高めるために、カーボンペーパ等の表面に、ポリテトラフルオロエチレン等の撥水性高分子の粉末とカーボンの粉末との混合物(撥水層)をコーティングしたものを拡散層として用いても良い。
本発明に係る固体高分子型燃料電池は、MEAを構成する固体高分子電解質膜及び電極のいずれかに、過酸化物分解触媒が固定されていることを特徴とする。ここで、「過酸化物分解触媒」とは、過酸化物分解作用を有する化合物であって、難溶性の炭化物、ホウ化物及び/又はケイ化物を含むものをいう。
「難溶性の化合物」とは、単に水に溶解しにくい化合物だけではなく、加水分解又は他の溶存イオンと反応して難溶性になる化合物も含まれる。耐久性に優れた燃料電池システムを得るためには、過酸化物分解触媒は、H分解作用を示す金属元素が水と接した場合に、金属元素が固定場所から溶出しにくいものである必要がある。
ここで、通常の燃料電池の作動環境下の水のpHは、大気中のCO、NO、SO、及び、構成材料から溶出する有機酸、ハロゲンイオンの影響により、中性でなく、弱酸性のpH4〜6程度である。場合によっては、フッ素系電解質膜からのFイオンやスルホン酸脱離によるSO イオンによりpH3程度まで低下することがある。また、副生するHの作用により、さらに材料からイオンの溶出が起こりやすい環境になっている。さらに、固体高分子型燃料電池の作動温度は、一般に、80℃程度である。
従って、実際には、これらの厳しい環境下において難溶性であることが要求されるが、このような燃料電池の作動環境下における難溶性の程度は、室温(18〜25℃)における構成元素の水酸化物の溶解度積の大きさで代用することができる。
すなわち、例えば、CaCが水と接触すると、次の(1)式に示すように、加水分解反応により、水酸化カルシウム(Ca(OH))が生成する。
CaC+2HO→Ca(OH)+C ・・・(1)
このような加水分解反応で生成した水酸化物が水に対して難溶性であれば、(1)式の反応は右に進行しないので、過酸化物分解触媒の溶出を抑制することができる。耐久性に優れた燃料電池システムを得るためには、過酸化物分解触媒は、室温(18〜25℃)における水酸化物の溶解度積が1×10−12以下である金属元素を含むものが好ましい。水酸化物の溶解度積は、さらに好ましくは、1×10−20以下である。
ある化合物が持つ過酸化物分解作用の程度(分解能力)は、次の(2)式に示す分解率ΔEで表すことができる。
ΔE=(1−E)×100 ・・・(2)
但し、Eは、1wt%の過酸化物を含む水溶液30ml中に、平均粒径50μm以下の粉末を0.1g添加し、100℃×1hr放置後の過酸化物濃度である。
耐久性に優れた固体高分子電解質を得るためには、過酸化物分解触媒は、(2)式で表される過酸化水素(H)の分解率が10%以上であるものが好ましい。分解率が10%以上であると、過酸化物ラジカルの生成を抑え、十分な燃料電池の耐久性を得ることができる。また、分解率が高くなるほど過酸化物ラジカルの生成を抑えることができるので、分解率は、好ましくは30%以上であり、最適なのは50%以上である。
希土類元素(原子番号21のSc及び原子番号39のY、並びに、原子番号57のLaから原子番号71のLuまでのランタノイド元素)、遷移金属元素及び典型金属元素を含む炭化物、ホウ化物及びケイ化物は、相対的に高い過酸化物分解作用を有している。
過酸化物分解作用を有する炭化物としては、具体的には、
(1)BC、SiC、アルカリ土類金属の炭化物(例えば、CaC)等の典型金属元素の炭化物、
(2)CeC、Ce、LaC、YC等の希土類元素の炭化物、
(3)WC、WC、TaC、MoC、TiC、CrC、NbC、NbC、(Nb、Ta)C等の遷移金属元素の炭化物、
等がある。
過酸化物分解作用を有するホウ化物としては、具体的には、
(1)アルカリ土類金属のホウ化物等の典型金属元素のホウ化物、
(2)CeB、CeB、LaB等の希土類元素のホウ化物、
(3)NbB、ZrB、TaB、TiB等の遷移金属元素のホウ化物、
等がある。
過酸化物分解作用を有するケイ化物としては、具体的には、
(1)アルカリ土類金属のケイ化物等の典型金属元素のケイ化物、
(2)CeSi、CeSi、CeSi等の希土類元素のケイ化物、
(3)CrSi、CrSi、CrSi、CrSi等の遷移金属元素のケイ化物、
等がある。
さらに、これら一連の難溶性炭化物、ホウ化物又はケイ化物は、必ずしも純粋なものである必要はない。例えば、希土類元素を含む鉱石を精製する途中で、ミッシュメタルと呼ばれる希土類元素の混合物(La、Ce、Ndを主成分とする)が得られる。このミッシュメタルをそのまま炭化、ホウ化、あるいはケイ化し、過酸化物分解触媒として用いても良い。天然鉱物を原料とした過酸化物分解触媒は、安価であるので、固体高分子型燃料電池のコストアップを軽減することができる。
すなわち、過酸化物分解触媒は、上述した炭化物、ホウ化物、及び、ケイ化物の内、いずれか1種からなるものでも良く、あるいは、2種以上を含む混合物又は複合化合物であっても良い。また、過酸化物分解触媒は、上述した炭化物、ホウ化物及び/又はケイ化物のみからなるものでも良く、あるいは、上述した炭化物、ホウ化物及び/又はケイ化物と、上述した希土類元素、遷移金属元素及び/又は典型金属元素の窒化物及び/又は酸化物との混合物又は複合化合物であっても良い。但し、CaC等のアルカリ土類金属の炭化物、ホウ化物又はケイ化物は、水に溶けやすいので、これらは単独で使用するのではなく、他の炭化物、ホウ化物又はケイ化物との複合化合物の状態で用いるのが好ましい。
過酸化物分解触媒として使用可能な複合化合物としては、具体的には、
(1)LaB、CeB、CeCoC、CeNiC、CeO、Ce、RuCeSiC、CeSi、AlCeC、BCeC等の複合炭化物、
(2)CeCr、CeCrB、CeCo、CeNi21、Ce等の複合ホウ化物、
(3)CeCoSi、CeMnSi、CeNiSi、CeScSi、CeSi、BNdNiSi等の複合ケイ化物、
等がある。
これらの中でも、B、Si、希土類元素及び遷移金属元素のいずれか1以上を含む炭化物、ホウ化物又はケイ化物は、いずれも過酸化物分解作用が大きく、かつ、難溶性であるので、MEAに固定する過酸化物分解触媒として好適である。また、BC及びSiCのいずれか1以上を含む化合物は、相対的に電子伝導性が低いので、電解質膜の内部に分散させる過酸化物分解触媒として好適である。また、希土類元素及び遷移金属元素のいずれか1以上を含む炭化物、ホウ化物又はケイ化物は、相対的に電子伝導性が高いので、電極に固定する過酸化物分解触媒として好適である。さらに、Ce、La及びNbのいずれか1以上を含む炭化物、ホウ化物又はケイ化物は、他の化合物に比べて過酸化物分解作用が大きいので、MEAに固定する過酸化物分解触媒として特に好適である。
過酸化物分解触媒の固定場所は、電解質膜及び電極のいずれであっても良い。また、電極に固定する場合、過酸化物分解触媒の固定場所は、触媒層及び拡散層のいずれであっても良い。但し、固体高分子型燃料電池において、過酸化物は、カソードで生ずる電極反応の副反応により生成し、生成した過酸化物が電解質膜を通ってアノード側に拡散すると考えられている。従って、過酸化物分解触媒は、少なくともカソード及びその近傍に固定するのが好ましい。
また、固体高分子型燃料電池は、一般に、電解質膜の電気伝導度を維持するために、補機を用いて加湿が行われている。また、カソード側では、電極反応により水が生成する。これらの水は、通常、そのまま燃料電池外に排出されるが、燃料電池システム全体の保水量を低減するために、排出された水分を電解質膜の加湿に再利用する場合がある。このような場合には、排出された水の中に過酸化物が含まれていることがあるので、セパレータの表面、配管類の内表面、保水タンクの内表面等、水が循環する経路に過酸化物分解触媒を固定しても良い。
過酸化物分解触媒の形態は特に限定されるものではなく、過酸化物分解触媒の種類、固定場所等に応じて、種々の形態を取ることができる。
例えば、過酸化物分解触媒を電解質膜に固定する場合、電解質膜の内部及び/又は表面に微粒子状の過酸化物分解触媒を均一に分散させても良く、あるいは、電解質膜の表面に膜状に固定しても良い。また、電解質膜が固体高分子電解質と補強材との複合体である場合、補強材の表面に微粒子状又は薄膜状の過酸化物分解触媒を固定しても良い。
また、例えば、過酸化物分解触媒を触媒層に固定する場合、電極触媒若しくは電極触媒を担持するための担体及び/又は触媒層内電解質の表面に、微粒子状又は薄膜状の過酸化物分解触媒を固定しても良く、あるいは、担体及び/又は触媒層内電解質の内部に固定しても良い。また、触媒層を形成した後、その表面に、微粒子状又は薄膜状の過酸化物分解触媒を固定しても良い。
さらに、過酸化物分解触媒を拡散層に固定する場合、拡散層の内部又は表面に均一に微粒子状の過酸化物分解触媒を分散させても良く、あるいは、拡散層の触媒層側表面に形成される撥水層の内部又は表面に均一に分散させても良い。また、拡散層の触媒層側表面又はセパレータ側表面に、薄膜状の過酸化物分解触媒を固定しても良い。
また、MEAのいずれかに微粒子状の過酸化物分解触媒を固定する場合、その粒径は、固定場所に応じて、最適な粒径を選択する。
例えば、微粒子状の過酸化物分解触媒を電解質膜又は触媒層に固定する場合、その粒径は、10μm以下が好ましい。粒径が10μmを超えると、過酸化物分解触媒を均一に分散させるのが困難となり、あるいは、電解質膜に機械的ダメージを与えるおそれがある。一般に、粒径が小さくなるほど、少量の固定で高い過酸化物分解作用が得られる。但し、粒径が小さくなりすぎると、溶解性が高くなり、長期の安定性に劣る場合がある。従って、過酸化物分解触媒の粒径は、0.1μm以上が好ましい。
一方、微粒子状の過酸化物分解触媒を拡散層に固定する場合、0.1〜50μm以下のやや大粒径のものでも使用できる。但し、相対的に粒径の大きな粉末を使用する場合には、電解質膜又は触媒層に直接接しない場所に固定するのが好ましい。
過酸化物分解触媒の固定量は、過酸化物分解触媒の種類、形態、固定場所等に応じて最適な量を選択する。一般に、過酸化物の分解能力が大きく、かつ、比表面積の大きい過酸化物分解触媒を用いるほど、相対的に少量の固定で、高い過酸化物分解作用が得られる。一般に、過酸化物分解触媒の固定量が多くなるほど、耐久性は向上する。但し、過酸化物分解触媒を過剰に固定しても実益がなく、むしろ高コスト化、機械的性質の低下、電池性能の低下等を招く場合がある。
例えば、電解質膜の内部、電解質膜の表面、及び/又は、補強材の表面に、微粒子状の過酸化物分解触媒を固定する場合、過酸化物分解触媒の固定量は、電解質に対して0.1〜1wt%が好ましい。過酸化物分解触媒の固定量が0.1wt%未満であると、十分な効果が得られない。一方、過酸化物分解触媒固定量が1wt%を超えると、電解質膜の機械的性質が損なわれる場合がある。
また、例えば、触媒層の表面及び/又は内部に微粒子状の過酸化物分解触媒を固定する場合、過酸化物分解触媒の固定量は、触媒層重量に対して0.1〜10wt%が好ましい。過酸化物分解触媒の固定量が0.1wt%未満であると、十分な効果が得られない。一方、過酸化物分解触媒の固定量が10wt%を超えると、内部抵抗が増加し、電池性能が低下する場合がある。
また、例えば、拡散層の触媒層側表面及び/又はセパレータ側表面にレーザーアブレーション、スパッタ等により、TiC、NbC等からなる薄膜状の過酸化物分解触媒を固定する場合、薄膜の厚さは、2〜20nmが好ましい。薄膜の厚さが2nm未満であると、十分な効果が得られない。一方、薄膜の厚さが20nmを超えると、接触抵抗が増加し、電池性能が低下する場合がある。
また、例えば、拡散層の表面に撥水層を形成し、撥水層の表面及び/又は内部に微粒子状の過酸化水素分解触媒を固定する場合、過酸化水素分解触媒の固定量は、固形分量に対して0.1〜20wt%が好ましい。過酸化物分解触媒の固定量が0.1wt%未満であると、十分な効果が得られない。一方、過酸化水素分解触媒の固定量が20wt%を超えると、接触抵抗が増加し、電池性能が低下する場合がある。
次に、本発明に係る固体高分子型燃料電池の製造方法について説明する。
MEAの構成要素の内、過酸化物分解触媒が固定された電解質膜は、
(1)微粒子状の過酸化物分解触媒を固体高分子電解質又はその前駆体(例えば、ナフィオン(登録商標)のスルホニルフルオライド体)に加えて湿式又は乾式で混練し、フィルム化する第1の方法、
(2)微粒子状の過酸化物分解触媒又はこれを分散させたスラリーを電解質膜又はその前駆体の表面に、散布、噴霧又は塗布(ドクターブレードを含む。以下同じ。)する第2の方法、
(3)適当な組成を有するターゲット材のスパッタ、レーザーアブレーション等により、電解質膜又はその前駆体の表面に薄膜状の過酸化物分解触媒を形成する第3の方法、
(4)補強材の表面に、上述した第2又は第3の方法を用いて微粒子状又は薄膜状の過酸化物分解触媒を固定し、この補強材と固体高分子電解質又はその前駆体とを湿式又は乾式で複合化させる第4の方法、
(5)これらの組み合わせ、
等により製造することができる。
また、MEAの構成要素の内、過酸化物分解触媒が固定された触媒層は、
(1)電極触媒又は電極触媒を担持させた担体と、高分子電解質とを含む溶液(以下、これを「触媒インク」という)に微粒子状の過酸化物分解触媒を加え、ポリテトラフルオロエチレンシート等の高分子材料からなる基体の表面に噴霧又は塗布する第1の方法、
(2)電解質膜表面又は拡散層の表面に、直接、微粒子状の過酸化物分解触媒を含む触媒インクを噴霧又は塗布する第2の方法、
(3)過酸化物分解触媒を含まない触媒インクを用いて触媒層を形成し、微粒子状の過酸化物分解触媒又はこれを分散させたスラリーを触媒層の表面に散布、噴霧又は塗布する第3の方法、
(4)過酸化物分解触媒を含まない触媒インクを用いて触媒層を形成し、適当な組成を有するターゲット材のスパッタ、レーザーアブレーション等により触媒層の表面に薄膜状の過酸化物分解触媒を固定する第4の方法、
(5)(a)過酸化物分解触媒を構成する金属元素を含む化合物であって、常温で液体であるもの又は適当な溶媒に溶解させることができるもの(例えば、塩、塩化物、アルコキシド、アルコラート、アセチルアセトナート等。)を含む溶液に触媒担体を加え、触媒担体の表面に金属元素を含む化合物を吸着させ、
(b)金属元素を含む化合物の加水分解、加熱分解、電気分解、光分解等を行い、触媒担体表面に微粒子状又は薄膜状の過酸化物分解触媒を形成し、
(c)この触媒担体を触媒インクに加えて触媒層を形成する第5の方法、
(6)これらの組み合わせ、
等により製造することができる。
また、MEAの構成要素の内、過酸化物分解触媒が固定された拡散層は、
(1)微粒状の過酸化物分解触媒又はこれを分散させたスラリーを、カーボンペーパー等の表面に、散布、噴霧又は塗布する第1の方法、
(2)炭素粒子、撥水性粉末(例えば、ポリテトラフルオロエチレン粉末)、及び、微粒子状の過酸化物分解触媒を含むスラリーをカーボンペーパー等の表面に噴霧又は塗布し、過酸化物分解触媒を含む撥水層を形成する第2の方法、
(3)カーボンペーパー等の表面に過酸化物分解触媒を含まない撥水層を形成し、微粒子状の過酸化物分解触媒又はこれを分散させたスラリーを撥水層の表面に、散布、噴霧又は塗布する第3の方法、
(4)カーボンペーパー等の表面に過酸化物分解触媒を含まない撥水層を形成し、適当なターゲット材のスパッタ、レーザーアブレーション等により撥水層の表面に薄膜状の過酸化物分解触媒を固定する第4の方法、
(5)触媒層に過酸化物分解触媒を固定するための第5の方法と同様の手順に従い、炭素粒子の表面に微粒子状又は薄膜状の過酸化物分解触媒を固定し、これを用いてカーボンペーパー等の表面に撥水層を形成する第5の方法、
(6)拡散層がC系材料である場合において、過酸化物分解触媒を構成する金属元素を含む化合物であって、常温で液体であるもの又は適当な溶媒に溶解させることができるもの(例えば、塩、塩化物、アルコキシド、アルコラート、アセチルアセトナート等。)を含む溶液にC系材料を浸漬し、C系材料の表面及び/又は内部に金属元素を含む化合物を吸着させ、真空中又はAr等の不活性ガス雰囲気下において加熱する第6の方法、
(7)これらの組み合わせ、
等により製造することができる。
これらの各方法において、過酸化物分解触媒の固定条件(例えば、使用する溶媒の種類、溶液濃度、触媒インクの組成、金属元素を含む化合物の分解条件、ターゲット材の組成、スパッタ条件又はレーザーアブレーション条件等)は、電解質膜、触媒層、拡散層及び過酸化物分解触媒の材質や組成、固定方法等に応じて、最適な条件を選択する。また、ターゲット材を用いて薄膜状の過酸化物分解触媒を形成する場合、1種類又は2種以上の金属元素を含む1種類のターゲット材を用いても良く、あるいは、1種又は2種以上の金属元素を含む2種以上のターゲット材を用いても良い。
上述した各種の方法を用いて、電解質膜、触媒層及び拡散層の少なくとも1つに過酸化物分解触媒を固定した後、電解質膜の両面に触媒層を接合し、さらに、必要に応じて、触媒層の表面に拡散層を接合すれば、MEAが得られる。電解質膜と触媒層及び拡散層の接合は、通常、ホットプレスにより行われる。さらに、得られたMEAの両面をガス流路を備えたセパレータで挟持してユニットセルとし、このユニットセルを複数個積層すれば、本発明に係る固体高分子型燃料電池が得られる。
次に、本発明に係る固体高分子型燃料電池の作用について説明する。固体高分子型燃料電池の作動環境下においては、電極反応の副反応として過酸化水素などの過酸化物が生成する。この過酸化物は、Fe2+/Fe3+イオンなどの価数が変わる遷移金属イオン(Mn+/M(n+1)+)の存在下では、次の(3)式の酸化反応、又は(4)式の還元反応によって、ラジカル分解することが知られている。
HOOH+M(n+1)+→HOO・+H+Mn+ ・・・(3)
HOOH+Mn+→HO・+OH+M(n+1)+ ・・・(4)
固体高分子型燃料電池は、一般に、補機を用いて電解質膜の加湿が行われており、かつMEAの近傍には、配管類等に由来する遷移金属イオンが存在しているので、過酸化物ラジカルが発生しやすい環境にある。一方、過酸化物のラジカル分解で発生した過酸化物ラジカル(HOO・、HO・など)は、有機高分子化合物のC−H結合を分断し、有機高分子化合物の変質、低分子量化を招くことが知られている。そのため、固体高分子型燃料電池に従来の炭化水素系電解質又は部分フッ素系電解質をそのまま用いると、実用上十分な耐久性が得られない。
また、全フッ素系電解質は、その高分子鎖内にC−H結合が含まれていないために、従来は、過酸化物ラジカルにより劣化しないと考えられていた。しかしながら、本願発明者らは、全フッ素系電解質であっても、燃料電池の作動環境下において劣化し、かつ劣化により燃料電池からFイオンが排出されること、並びに、その原因物質が過酸化物ラジカルであることを見出している。
これに対し、ある種の炭化物、ホウ化物及びケイ化物(以下、これらを総称して「炭化物等」という)は、過酸化物ラジカルによる劣化を抑制する作用がある。これは、炭化物等の固体表面においては、過酸化物がラジカル分解する前に、次の(5)式の還元反応、又は次の(6)式の酸化反応によって、イオン分解するためと考えられる。
+2H+2e→2HO ・・・(5)
→O+2H+2e ・・・(6)
なお、固体表面での反応は、結局、(5)式及び(6)式より、次の(7)式のように、2分子の過酸化水素が衝突して水と酸素に分解する、いわゆる接触分解反応として表される。
2HOOH→HO+O ・・・(7)
そのため、固体高分子電解質膜、触媒層及び拡散層のいずれか1以上に、炭化物等を固定すると、過酸化物ラジカルの生成が抑制され、その結果として、過酸化物ラジカルによる有機化合物の変質、低分子量化等が抑制される。また、固体高分子電解質膜として炭化水素系電解質膜又は部分フッ素系電解質膜を用いた場合であっても、高い耐久性を有する固体高分子型燃料電池が得られる。さらに、固体高分子電解質膜として全フッ素系電解質を用いた場合には、過酸化物ラジカルによる全フッ素系電解質の劣化及びこれに起因するFイオンの溶出が抑制され、さらに耐久性に優れた固体高分子型燃料電池が得られる。
また、ある種の炭化物等は、高温又は低pHの水に対する溶解度が相対的に小さいので、燃料電池環境下において長期間使用しても、これらが溶出するおそれが少ない。そのため、これをMEAのいずれかの部分に固定すれば、長期間に渡って高い耐久性を示す固体高分子型燃料電池が得られる。
また、希土類元素、遷移金属元素及び典型金属元素は、比較的資源量に富み、Pt等の貴金属に比べて安価である。そのため、これらの金属元素を含む炭化物等をMEAのいずれかに固定すれば、過酸化物分解触媒としてPt等の貴金属元素を多量に用いる必要がない。すなわち、固体高分子型燃料電池を高コスト化することなく、その耐久性を向上させることができる。特に、Ce、La又はNbを含む炭化物等は、相対的に安価であることに加えて、過酸化物の分解作用が高いので、固体高分子型燃料電池の高コスト化を招くことなく、耐久性を飛躍的に向上させることができる。
(実施例1)
以下の手順に従い、過酸化物分解触媒の分解能力を調査した。すなわち、内筒がポリテトラフルオロエチレンからなる容器に、Hの1wt%水溶液30mlを入れ、これに各種過酸化物分解触媒を0.1g添加した。100℃×1hr放置後に、溶液中の過酸化水素濃度Eを測定し、分解率ΔEを上述した(2)式により求めた。
なお、被検査溶液中の過酸化水素濃度Eは、0.1M硫酸中の1.2V(vs SHE)での定電位酸化電流(10分後)と溶液中の過酸化水素濃度との関係(過酸化水素−電流値の検量線)を予め求めておき、実測された被検査溶液の定電位酸化電流に基づき、検量線を用いて算出した(定電位電気化学的酸化法)。
表1に、各過酸化物分解触媒の分解率ΔEを示す。表1より、ここで示した化合物は、いずれも高い過酸化水素分解能を有していることがわかる。
Figure 2006107967
(実施例2)
(1) カソード転写電極(触媒層)の作製
60wt%Pt/C電極触媒0.5gに対し、NbC粉末(1〜3μm)を電極触媒重量比0.5wt%相当、蒸留水2.0g、エタノール2.5g、プロピレングリコール1.0g、22wt%ナフィオン(登録商標)溶液(デュポン社製)0.9gをこの順で加え、超音波ホモジナイザで分散させて触媒インクを作製した。これをポリテトラフルオロエチレンシート上に塗布、乾燥してカソード転写電極を得た。Pt使用量は、0.5〜0.6g/cmの範囲で一定とした。
また、NbC粉末を添加しなかった以外は、上述と同一の手順に従い、NbC粉末を含まないカソード転写電極を作製した。
(2) アノード転写電極(触媒層)の作製
電極触媒として30wt%Pt/Cを用い、かつ、触媒インクにNbC粉末を添加しなかった以外はカソード転写電極と同一の手順に従い、アノード転写電極を作製した。Pt使用量は、0.2mg/cmとした。
(3) 拡散層の作製
厚さ360μmのカーボン製クロスの片面に、炭素粉末(平均粒径0.03μm、電気化学工業(株)製デンカブラック(登録商標))45wt%、ポリテトラフルオロエチレン粉末45wt%及びNbC粉末(1〜3μm)10wt%を分散させたスラリーを塗布し、撥水層を形成した。
また、NbC粉末を添加しなかった以外は、上述と同一の手順に従い、その表面にNbCを含まない撥水層が形成された拡散層を作製した。
(4)電解質膜の作製
ナフィオン(登録商標)溶液(デュポン社製)に固形分重量でSiC粉末(和光純薬工業(株)製、平均粒径50nm)が0.05wt%となるように添加し、キャスト法により膜厚約50μmの電解質膜を作製した。
また、SiC粉末を用いなかった以外は、上述と同一の手順に従い、SiC粉末を含まない電解質膜を作製した。
得られたカソード転写電極及びアノード転写電極を36mm角に切り出し、これらをそれぞれ電解質膜の片面に熱圧着(120℃、50kgf/cm(4.9MPa))した。次いで、カソード転写電極及びアノード転写電極の表面に、拡散層をそれぞれ熱圧着(120℃、50kgf/cm(4.9MPa))し、MEAを得た。
なお、アノード側の拡散層には、NbC粉末を含まないものを用いた。また、電解質膜、カソード側転写電極及びカソード側拡散層には、それぞれ、NbC粉末又はSiC粉末を含むものと含まないものとを組み合わせて用いた。
(比較例1)
カソード転写電極、アノード転写電極、拡散層及び電解質膜に、NbC粉末及びSiC粉末のいずれも含まないものを用いた以外は、実施例2と同一の手順に従い、MEAを作製した。
実施例2及び比較例1で得られたMEAを用いて、耐久試験を行った。耐久試験条件は、アノードガス:H(100ml/min)カソードガス:Air(100ml/min)、セル温度:90℃、加湿器温度:90℃(アノード側、カソード側ともに)、試験時間:24時間の開回路耐久試験とした。
耐久試験終了後、回収された水に溶出したFイオン濃度をイオンクロマト装置((株)島津製作所製、PIA−1000)で測定し、単位時間、単位面積当たりのF排出速度(μg/cm/hr)を算出した。
表2に、その結果を示す。なお、表2中、「○」印は、NbC粉末又はSiC粉末が固定されていることを示し、「−」印は、これらが固定されていないことを示す。
Figure 2006107967
比較例1で得られたMEAの場合、カソード側から排出されたFイオンの排出速度は、0.80(μg/cm/hr)であり、アノード側から排出されたFイオンの排出速度は、0.30(μg/cm/hr)であった。
これに対し、実施例2で得られたMEAの場合、カソード側から排出されたFイオンの排出速度は、いずれも、0.20(μg/cm/hr)以下であり、アノード側から排出されたFイオンの排出速度は、0.11(μg/cm/hr)以下であった。さらに、カソード側拡散層、カソード側転写電極及び電解質膜のすべてにNbC粉末又はSiC粉末を固定すると、Fイオンの排出速度は、さらに低下した。
以上の結果から、全フッ素系電解質を用いた燃料電池であっても、厳しい条件下では、電解質が劣化することがわかった。また、電解質膜、触媒層及び拡散層のいずれか1以上に過酸化水素分解触媒を固定すると、全フッ素系電解質の劣化が抑制されることがわかった。
以上、本発明の実施の形態について詳細に説明したが、本発明は上記実施の形態に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の改変が可能である。
本発明に係る固体高分子型燃料電池は、車載用動力源、定置型小型発電器、コジェネレーションシステム等に適用することができる。また、所定の炭化物、ホウ化物又はケイ化物が固定された固体高分子電解質の用途は、固体高分子型燃料電池の電解質膜あるいは触媒層内電解質に限定されるものではなく、水電解装置、ハロゲン化水素酸電解装置、食塩電解装置、酸素及び/又は水素濃縮器、湿度センサ、ガスセンサ等の各種電気化学デバイスに用いられる電解質膜、電極材料等としても用いることができる。

Claims (3)

  1. 電解質膜の両面に触媒層を含む電極が接合された膜電極接合体と、
    前記電解質膜及び/又は電極に固定された、難溶性の炭化物、ホウ化物及び/又はケイ化物を含む過酸化物分解触媒とを備えた固体高分子型燃料電池。
    但し、前記触媒層にのみ遷移金属の炭化物を含み、かつ、前記触媒層内の触媒担体の表面に前記遷移金属の炭化物層を形成し、その上に電極触媒を担持させたものを除く。
  2. 前記過酸化物分解触媒は、希土類元素、遷移金属元素及び/又は典型金属元素の炭化物、ホウ化物及び/又はケイ化物を含むものである請求項1に記載の固体高分子型燃料電池。
  3. 前記過酸化物分解触媒は、過酸化水素の分解率が10%以上である請求項1又は2に記載の固体高分子型燃料電池。
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