JP2007059340A - 燃料電池の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】耐久性及び発電性能を向上させることが可能な燃料電池を容易に製造し得る、燃料電池の製造方法を提供する。
【解決手段】電解質膜1及び当該電解質膜1の両側に積層される触媒層を備えるMEAと、MEAの外側に積層される拡散層とを備え、触媒層の積層面が、電解質膜1及び拡散層の積層面よりも小さく、触媒層の端部が拡散層と当接可能なように傾斜形状に形成されている、燃料電池の製造方法であって、電解質膜1の端部に、枠型形状のマスク部材20を配設するマスク工程と、当該マスク工程後に、マスク部材20の上方から電解質膜1の積層面に触媒成分を吹き付けて触媒層を形成する触媒層形成工程とを含み、マスク部材20の内側面が、電解質膜1の積層面に対して鋭角に形成されている、燃料電池の製造方法とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、燃料電池の製造方法に関し、特に、耐久性及び発電性能を向上させることが可能な燃料電池を容易に製造し得る、燃料電池の製造方法に関する。
燃料電池は、電解質と、当該電解質の両側に配設される電極(アノード及びカソード)とを備える膜電極接合体(以下において、「MEA(Membrane Electrode Assembly)」と記述する。)における電気化学反応により発生した電気エネルギーを、MEAの両側に配設されるセパレータを介して外部に取り出している。燃料電池の中でも、家庭用コージェネレーション・システムや自動車等に使用される固体高分子型燃料電池(以下において、「PEFC(Polymer Electrolyte Fuel Cell)」と記述する。)は、低温領域での運転が可能である。また、PEFCは、高いエネルギー変換効率を示し、起動時間が短く、かつシステムが小型軽量であることから、電気自動車や携帯用電源の最適な動力源として注目されている。
PEFCのユニットセルは、電解質膜、少なくとも触媒層を備えるアノード及びカソード、並びに、セパレータを含んでいる。PEFCのアノード電極には水素を含む反応ガスが供給されるとともに、カソード電極には酸素を含む反応ガスが供給され、これらの反応ガス、並びに、触媒層中に含まれる触媒(例えば、Pt等)及び電解質成分により形成される三相界面において電気化学反応が起こる。この電気化学反応により、PEFCのユニットセルでは、例えば0.7V程度の起電力を得ることが可能になる。しかし、かかる低起電力では電気自動車等の動力源として不十分であるため、通常は、ユニットセルを直列に積層した積層体の積層方向両端にエンドプレート等を配置して構成されるスタック形態の燃料電池が使用されている。
カソード電極では、電気化学反応により水が生成されるとともに、ユニットセル内では過酸化水素が生じ、この過酸化水素から生成されるOHラジカル等が起点となってMEAの高分子電解質を酸化劣化させていることが明らかになりつつある。かかる劣化は、燃料電池の耐久性低下の一因となり、発電性能を低下させるため、MEA内の過酸化水素を低減することで上記劣化を抑制し、燃料電池の耐久性及び発電性能を向上させることが望まれている。
これまでに、燃料電池の発電性能を向上させることを目的とした技術は開示されてきている。例えば、特許文献1には、高分子電解質膜に接触する側に50質量%未満のルテニウムを含有した第1の白金−ルテニウム触媒層を備え、ガス拡散層側に50質量%以上のルテニウムを含有した第2の白金−ルテニウム触媒層を備えた燃料極を備えるPEFCに関する技術が開示されている。かかる技術によれば、良好な電池電圧特性が得られるPEFCを提供可能であるとしている。そして、特許文献1には、端部が電解質膜の積層面(触媒層の積層方向を法線方向とする平面。以下において同じ。)に対して略垂直(以下において、「直角」と記述する。)に形成された触媒層及び拡散層を備えるPEFCの形態例が図示されている。
特開平10−270057号公報
ここで、特許文献1に開示されている、端部が直角に形成された触媒層及び拡散層を備えるPEFCにおいて、触媒層の積層面が、電解質膜及び拡散層の積層面よりも小さい場合には、触媒層の周囲に、電解質膜の積層面と、触媒層の側面と、拡散層の積層面とにより形成される空間(隙間)が存在しやすい。上述のように、カソード電極では電気化学反応により水が生成されるため、ユニットセル内にこのような隙間が存在すると、かかる隙間に水が溜まりやすく、同時に、過酸化水素も溜まりやすい。そのため、かかる形態のPEFCでは、過酸化水素に起因する電解質成分の酸化劣化を抑制することが困難であり、電解質膜の端部等が損傷する結果、耐久性が低下しやすく、発電性能を向上させ難いという問題があった。
そこで本発明は、耐久性及び発電性能を向上させることが可能な燃料電池を容易に製造し得る、燃料電池の製造方法を提供することを課題とする。
上記課題を解決するために、本発明は以下の手段をとる。すなわち、
請求項1に記載の発明は、電解質膜及び当該電解質膜の両側に積層される触媒層を備えるMEAと、MEAの外側に積層される拡散層とを備え、触媒層の積層面が、電解質膜及び拡散層の積層面よりも小さく、触媒層の端部が拡散層と当接可能なように傾斜形状に形成されている、燃料電池の製造方法であって、電解質膜の端部に、枠型形状のマスク部材を配設するマスク工程と、当該マスク工程後に、マスク部材の上方から電解質膜の積層面に触媒成分を吹き付けて触媒層を形成する触媒層形成工程とを含み、マスク部材の内側面が、電解質膜の積層面に対して鋭角に形成されていることを特徴とする、燃料電池の製造方法により、上記課題を解決する。
ここに、積層面とは、触媒層の積層方向を法線方向とする平面を意味している。また、「触媒層の端部が拡散層と当接可能なように傾斜形状に形成されている」とは、触媒層の側面と拡散層の積層面の端部とが容易に当接可能なように、触媒層の拡散層との当接面が、触媒層の電解質膜との当接面よりも小さくなる形態で、触媒層の側面が形成されていることを意味している。さらに、電解質膜の端部とは、電解質膜の積層面のうち、触媒層と当接していない部位を意味している。加えて、「マスク部材の内側面が電解質膜の積層面に対して鋭角に形成されている」とは、マスク部材を電解質膜上に配置した時に、マスク部材の内側面と電解質膜の積層面とのなす角が90度未満であることを意味している。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の燃料電池の製造方法において、マスク部材の内側面が、平面状に形成され、水平面にマスク部材を配置した場合における、マスク部材の内側面と積層方向とのなす角をθ、吹き付けられる触媒成分の噴射角をφとするとき、θ>φであることを特徴とする。
ここに、「マスク部材の内側面と積層方向とのなす角」とは、電解質膜上に配置されたマスク部材の内側面と、触媒層の積層方向とのなす角を意味している。また、触媒成分の噴射角とは、噴射点から電解質膜へ向けて噴射された触媒成分が電解質膜の積層面へ入射する入射方向と、積層方向とのなす角を意味している。
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の燃料電池の製造方法において、マスク部材の内側面が、曲面状に形成されていることを特徴とする。
請求項1に記載の発明によれば、枠型形状のマスク部材の内側面が、電解質膜の積層面に対して鋭角に形成されているので、マスク部材が配置された電解質膜へ触媒成分を噴射することで、端部が傾斜形状である触媒層を、電解質膜上に容易に形成することが可能になる。このようにして、触媒層の端部が傾斜形状に形成されていれば、触媒層の周囲に形成されやすい隙間の大きさを小さくし、過酸化水素に起因する電解質成分の酸化劣化を抑制することが可能になる。したがって、請求項1に記載の発明によれば、耐久性及び発電性能を向上させることが可能な燃料電池を容易に製造し得る、燃料電池の製造方法を提供できる。
請求項2に記載の発明によれば、マスク部材の内側面と触媒層の積層方向とのなす角θが、触媒成分の噴射角φよりも大きいので、触媒層の側面を曲面状の傾斜形状に形成することが可能になる。ここで、触媒層よりも大きな積層面を有する拡散層と触媒層とが積層される場合、触媒層の外側にはみ出た拡散層端部の、触媒層側の積層面は、曲面状であると考えられる。したがって、かかる形状とすることで、触媒層の周囲に形成されやすい隙間の大きさを一層小さくすることが可能になる。
請求項3に記載の発明によれば、マスク部材の内側面が曲面状に形成されている。そのため、触媒層の周囲に形成される空間を構成すべき拡散層面の形状に合わせて、マスク部材の内側面を形成することが可能になり、上記空間の形成を防止することが可能になる。したがって、請求項3に記載の発明によれば、耐久性及び発電性能を効果的に向上させることが可能な燃料電池を容易に製造し得る、燃料電池の製造方法を提供できる。
PEFCのアノードでは、水素からプロトン及び電子が発生する電気化学反応が生じる一方、カソードでは、酸素、外部回路を移動してきた電子、及び、電解質膜を通過してきたプロトンが反応することにより、水が生成される。しかしながら、PEFCを実際に作動させると、これら主反応の他に副反応が生じ、この副反応によって過酸化水素が生成されることがある。そして、PEFC内に鉄イオン等が存在すると、過酸化水素からOHラジカル等が発生し、このOHラジカル等により、電解質膜等に含まれる電解質成分が酸化劣化する。なお、PEFC内で発生した過酸化水素は、拡散等によって、PEFC内の電気化学反応により生成される水(以下において、「生成水」と記述することがある。)とともに移動可能である。
一方、PEFCにおける電解質膜の積層面は、通常、触媒層の積層面よりも大きく、さらに、PEFCのユニットセルに、触媒層よりも大きな積層面を有する拡散層が備えられる場合、これらの構成部材を用いてユニットセルが作製されると、電解質膜の端部には空間(隙間)が形成されやすい。かかる空間には、PEFCの作動時に生成される水が溜まりやすく、さらに、過酸化水素も留まりやすい。そのため、電解質膜の端部では、OHラジカル等が発生しやすく、酸化劣化されやすい。
本発明は、かかる問題を解決するためになされたものであり、その要旨は、電解質膜上に、その内側面が電解質膜の積層面に対して鋭角に形成された枠型形状のマスク部材を配置して、触媒層を形成することで、耐久性及び発電性能を向上させることが可能な燃料電池を容易に製造し得る、燃料電池の製造方法を提供することにある。
まず、本発明の理解を容易にするため、従来の燃料電池について概説する。
図6は、従来の燃料電池を概略的に示す断面図であり、図の上下方向が触媒層の積層方向である。図示のように、従来の燃料電池900は、電解質膜1と当該電解質膜1の両側に配設されるアノード触媒層92a及びカソード触媒層92bとを備えるMEA95と、当該MEA95の両側に配設されるアノード拡散層3a及びカソード拡散層3bと、当該アノード拡散層3a及びカソード拡散層3bの外側に配設されるセパレータ6、6とを備えている。そして、アノード触媒層92a及びカソード触媒層92bには、例えば、電気化学反応の触媒として機能する白金が担持された炭素粒子(以下において、「白金担持カーボン」と記述する。)が備えられる一方、アノード拡散層3a及びカソード拡散層3bは、例えば、炭素繊維からなるカーボンペーパーにより構成され、セパレータ6、6を介して電解質膜1側へ締結圧力が加えられている。MEA95の外側に配置されるセパレータ6、6には、アノード拡散層3a及びカソード拡散層3b側に、それぞれ、反応ガス供給路7a、7a、…、及び7b、7b、…が形成されており、反応ガス供給路7a、7a、…には水素含有物質(以下において、「水素」と記述する。)が供給される一方、反応ガス供給路7b、7b、…には酸素含有物質(以下において、「空気」と記述する。)が供給され、これらの反対側の面には冷却媒体流路8、8、…が形成されている。
ここで、燃料電池のカソードは0.4〜1.0V程度の電位環境であり、かかる環境下において白金担持カーボン上で酸素が還元されると過酸化水素が生成され、さらに、当該過酸化水素に起因するOHラジカルが生成される。また、上述のように、カソード拡散層3bは炭素繊維により構成されているため、当該炭素繊維上で酸素が還元されても過酸化水素が生成され、過酸化水素に起因するOHラジカル等が生成される。
他方、図示のように、燃料電池900において、電解質膜1の端部(触媒層92a、92bの周囲)には、空間50、50、…が形成されている。そのため、燃料電池900の作動時に生成される水が当該空間50、50、…に溜まりやすく、同時に、過酸化水素も空間50、50、…に留まりやすい。すなわち、電解質膜1の端部は、過酸化水素から生成されるOHラジカル等によって劣化され、破損されやすい。電解質膜1が破損すると、燃料電池の電圧が低下し、発電性能の低下を招く。したがって、かかる破損の一因となる過酸化水素が留まりやすい空間50、50を小さくすることで、電解質膜の劣化を抑制し、燃料電池の耐久性を向上させることが望ましい。
以下に図面を参照しつつ、本発明の燃料電池の製造方法ついてさらに具体的に説明する。なお、以下の説明では、特に断らない限り、電解質膜及びマスク部材の枠型が、略正方形形状である場合について記述する。
1.第1実施形態
図1(A)は、第1実施形態にかかる触媒層形成工程を概略的に示す上面図、図1(B)は第1実施形態にかかる触媒層形成工程を示す概略図であり、電解質膜及びマスク部材の鉛直方向断面を示している。また、図1(C)は、第1実施形態にかかる電解質膜及びマスク部材の一部断面を概略的に示す拡大図である。一方、図2(A)は、第1実施形態にかかるマスク部材を用いて形成された触媒層と電解質膜とを概略的に示す断面図であり、図2(B)は、第1実施形態にかかる燃料電池の製造方法によって製造される、燃料電池の形態例を概略的に示す断面図である。図1(B)、(C)、及び、図2の直線矢印は触媒層の積層方向を示しており、図1(A)は紙面に垂直な方向が触媒層の積層方向(以下において、単に「積層方向」と記述する。)である。図1において、図6に示す燃料電池と同様の構成を採る部位・部材には、図6にて使用した符号と同符号を付し、その説明を適宜省略する。以下、図1及び図2を参照しつつ、本発明について説明する。
第1実施形態にかかる本発明の製造方法により燃料電池を製造する場合には、まず、図1(A)に示すように、電解質膜1の端部に、平面状の内側面を有するマスク部材20を配置する(マスク工程)。その後、噴射口30から、液体状の触媒成分2x、2x、…を電解質膜1の両積層面へ順に吹き付けて触媒層を形成する、触媒層形成工程を経ることにより(図1(B)参照)、電解質膜上に触媒層を形成させる。ここで、図1(C)に示すように、マスク部材20の内側面は、電解質膜1の積層面に対して鋭角に形成されている。そのため、図1(B)に示すような形態で触媒成分2x、2x、…が電解質膜1へと吹き付けられれば、端部が傾斜形状の触媒層2aを形成することが可能になる(図2参照)。
また、図1(C)に示すように、マスク部材20の内側面と積層方向とのなす角θは、触媒成分2x、2x、…の入射方向と積層方向とのなす角φよりも大きい(θ>φ)。そのため、マスク部材20の上面側端部Aを通過した触媒成分2x、2x、…の一部が、当該マスク部材20の下面側端部B側へと回りこむことが可能である。したがって、かかる形態のマスク部材20を用いて触媒層2aを形成すれば、後述するように、当該触媒層2aの側面を、傾斜した曲面状に形成することが可能になり、触媒層2a、2bの周囲へ形成され得る空間を小さくすること、又は、当該空間の形成を防止することが可能な、燃料電池を製造することが可能になる(図2(B)参照)。
図3は、第1実施形態にかかるマスク部材20と積層方向とのなす角θ及び触媒成分の入射方向と積層方向とのなす角φと、触媒層の断面形状との関係を示す概略図である。これらの関係を容易に理解可能とするため、図3では、マスク部材及び電解質膜の一部断面を拡大して示している。なお、図3において、直線矢印は、積層方向を示しており、図3(B)、(D)、(F)では、触媒層形成後に除去されたマスク部材を破線で示している。以下、上記角θ及びφと、触媒層の側面形状との関係について、図3を参照しつつ、説明する。
図3(A)は、上記θ及びφが、θ<φの関係を満たす場合を示す概略図である。θ及びφが図3(A)の関係である場合、マスク部材21の上面側端部Aに到達した液体状の触媒成分2xは、マスク部材21の内側面21aによってその進行を妨げられ、当該内側面21aに沿って移動することにより、電解質膜1上へと達する。そのため、マスク部材21の内側面21aがかかる形状を有する場合、電解質膜上に形成される触媒層の側面形状は、当該内側面21aと同様の形状となる(図3(B)参照)。
図3(C)は、上記θ及びφが、θ=φの関係を満たす場合を示す概略図である。θ及びφが図3(C)の関係である場合、マスク部材20の上面側端部Aに到達した液体状の触媒成分2xは、マスク部材20の内側面によってその進行を変更されることなく、当該内側面20aに沿ってそのまま移動し、電解質膜1上へと達する。したがって、図3(A)の場合と同様に、マスク部材20の内側面が図3(C)の形状を有する場合にも、電解質膜上に形成される触媒層の側面形状は、マスク部材20の上記内側面と同様の形状となる(図3(D)参照)。
図3(E)は、上記θ及びφが、θ>φの関係を満たす場合を示す概略図である。θ及びφが図3(E)の関係である場合、マスク部材23の上面側端部Aに到達した液体状の触媒成分2xは、マスク部材23の内側面23aによって妨げられることなく進行し、電解質膜1の積層面へと達する。ここで、通常、スプレー塗布される触媒成分2x、2x、…は微小な粒子状であり軽量であるため、マスク部材23がかかる形状を有する場合、マスク部材23の上面側端部Aを通過した触媒成分2xの一部は、当該マスク部材23の下面側端部B側へと回り込むと考えられる。したがって、θ及びφが図3(E)の関係を満たす場合には、電解質膜上に、曲線状に傾斜した側面を有する触媒層を形成することが可能になる(図3(F)参照)。
ところで、触媒層の上に、触媒層の積層面よりも大きな積層面を有する拡散層を積層すると、燃料電池に使用される拡散層は、通常、弾性を有しているため、触媒層の周囲に形成される空間を構成する拡散層面は、曲面状であると考えられる(図6参照)。そのため、上記第1実施形態にかかるマスク部材を使用する場合、図3(E)の関係を満たすマスク部材20を用いて触媒層を形成することが好ましい。かかるマスク部材を用いて燃料電池を製造すれば、触媒層の周囲に形成され得る空間をより小さくすることが可能になるため、耐久性を向上させ得る燃料電池を製造することが可能になる。
2.第2実施形態
図4(A)は、第2実施形態にかかる触媒層形成工程を概略的に示す上面図、図4(B)は、第2実施形態にかかる触媒層形成工程を示す概略図であり、電解質膜及びマスク部材の鉛直方向断面を示している。また、図4(C)は、第2実施形態にかかる電解質膜及びマスク部材の一部断面を概略的に示す拡大図である。図4(B)及び(C)の直線矢印は積層方向を示している。なお、図4において、図1に示す燃料電池と同様の構成を採る部位・部材には、図1にて使用した符号と同符号を付し、その説明を適宜省略する。以下、図2及び図4を参照しつつ、本発明について説明する。
第2実施形態にかかる本発明の製造方法により燃料電池を製造する場合には、まず、図4(A)に示すように、電解質膜1の端部に、曲面状の内側面を有するマスク部材21を配置する(マスク工程)。その後、噴射口30から、液体状の触媒成分2x、2x、…を電解質膜1の両積層面へ順に吹き付けて触媒層を形成する、触媒層形成工程を経ることにより(図4(B)参照)、電解質膜上に触媒層を形成させる。ここで、図4(C)に示すように、マスク部材21の内側面は、電解質膜1の積層面に対して鋭角に形成されている。そのため、図4(B)に示すような形態で触媒成分2x、2x、…が電解質膜1へと吹き付けられれば、端部が傾斜形状の触媒層2aを形成することが可能になる(図2参照)。
また、図4(C)に示すように、マスク部材21の内側面は、曲面状に形成されている。そのため、マスク部材21の上面側端部A1における内側面の接線方向と触媒層の積層方向とのなす角θ1が、上記噴射角φ以下であっても、当該内側面に沿って形成される触媒層の側面を、曲面状とすることが可能になる(図3(A)〜(D)において、内側面を曲面状とした場合に相当)。したがって、かかる形態のマスク部材を用いて燃料電池を製造すれば、触媒層の周囲に形成され得る空間をより小さくすることが可能になるため、耐久性を向上させ得る燃料電池を製造することが可能になる。
3.第3実施形態
図5は、第3実施形態にかかるマスク部材の一部断面を示す概略図である。図5において、直線矢印は、積層方向を示している。なお、図5において、図4に示す燃料電池と同様の構成を採る部位・部材には、図4にて使用した符号と同符号を付し、その説明を適宜省略する。以下、図5及び図6を参照しつつ、本発明について説明する。
図6に示すように、電解質膜1の上に、当該電解質膜1よりも小さな積層面を有する触媒層92aを積層し、さらにその上に、触媒層92aの積層面よりも大きな積層面を有する拡散層3aを積層すると、触媒層92aの周囲に形成される空間を構成する拡散層3aの表面は、その積層方向断面が変曲点を有する曲線となる曲面形状になると考えられる。したがって、従来と同等の厚さ及び大きさを有する触媒層(但し、側面を除く)及び拡散層を用いて、燃料電池を製造する場合には、図5に示すように、マスク部材の内側面を、上記空間50を構成する拡散層3bの表面と対応する形状とすることで、上記空間50が存在しない形態の燃料電池を製造することが可能になる。かかる形態のマスク部材22を用いれば、より一層耐久性を向上させることが可能な燃料電池を、容易に製造し得る、燃料電池の製造方法を提供することが可能になる。
なお、第3実施形態にかかる燃料電池の製造方法は、上記第1実施形態、第2実施形態にかかる製造方法と同様であるため、その説明は省略する。
上記説明では、略正方形の枠型形状を有するマスク部材を用いた製造方法について記述したが、燃料電池に備えられる電解質膜の積層面が長方形である場合には、当該長方形と相似形の枠型形状を有するマスク部材を用いて燃料電池を製造することが好ましい。ここで、マスク部材の枠型が長方形であり、かつ、噴射口と電解質膜との距離が一定である場合には、噴射口から長方形の短辺までの距離と、噴射口から同長辺までの距離が異なり、マスク部材の長辺部と短辺部とでは、マスク部材の上面へ入射する触媒成分の角度が異なる。そのため、かかる形状のマスク部材を用いて燃料電池を製造する場合、当該異なる入射角度のうち小さい方の角度θ2と、上記噴射角度φとが、θ2>φの関係を満たすような形状のマスク部材とすることが好ましい。かかる形状のマスク部材を用いれば、当該マスク部材の内側面形状が平面形状である場合でも、傾斜した曲面状の側面を有する触媒層を容易に形成することが可能になり、耐久性を向上させ得る燃料電池を製造することが可能になる。
また、上記説明では、MEA側に反応ガス供給路が形成されている形態のセパレータを備える燃料電池について記述したが、本発明にかかる燃料電池が備え得るセパレータは当該形態に限定されるものではなく、例えば、MEA側に反応ガス供給路が形成されていないフラットタイプのセパレータであっても良い。かかる形態の燃料電池とする場合には、セパレータと当接すべき層(第1ないし第3実施形態にかかる燃料電池ではアノード拡散層及びカソード拡散層)を、めっき法や発泡法等により製造されるステンレス鋼、チタン又はニッケル等の発泡金属、あるいは焼結金属等の多孔体により形成し、当該層に反応ガスが供給される形態の燃料電池とすれば良い。
第1実施形態にかかる燃料電池の製造方法の触媒層形成工程を示す概略図である。 電解質膜及び触媒層、並びに、燃料電池の形態例を示す概略図である。 マスク部材と積層方向とのなす角θ及び触媒成分の入射方向と積層方向とのなす角φと、触媒層の側面形状との関係を示す概略図である。 第2実施形態にかかる燃料電池の製造方法の触媒層形成工程を示す概略図である。 第3実施形態にかかるマスク部材の一部断面を示す概略図である。 従来の燃料電池を概略的に示す断面図である。
符号の説明
1 電解質膜
2a アノード触媒層(触媒層)
2b カソード触媒層(触媒層)
3a アノード拡散層(拡散層)
3b カソード拡散層(拡散層)
5 MEA
10 燃料電池
20、21、22 マスク部材
23、24、25 マスク部材

Claims (3)

  1. 電解質膜及び該電解質膜の両側に積層される触媒層を備えるMEAと、該MEAの外側に積層される拡散層とを備え、前記触媒層の積層面が、前記電解質膜及び前記拡散層の積層面よりも小さく、前記触媒層の端部が前記拡散層と当接可能なように傾斜形状に形成されている、燃料電池の製造方法であって、
    前記電解質膜の端部に、枠型形状のマスク部材を配設するマスク工程と、
    前記マスク工程後に、前記マスク部材の上方から前記電解質膜の積層面に触媒成分を吹き付けて前記触媒層を形成する触媒層形成工程とを含み、
    前記マスク部材の内側面が、前記電解質膜の積層面に対して鋭角に形成されていることを特徴とする、燃料電池の製造方法。
  2. 前記マスク部材の前記内側面が、平面状に形成され、水平面に前記マスク部材を配置した場合における、前記マスク部材の前記内側面と積層方向とのなす角をθ、吹き付けられる前記触媒成分の噴射角をφとするとき、θ>φであることを特徴とする、請求項1に記載の燃料電池の製造方法。
  3. 前記マスク部材の前記内側面が、曲面状に形成されていることを特徴とする、請求項1に記載の燃料電池の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2010250956A (ja) * 2009-04-10 2010-11-04 Toyota Motor Corp 燃料電池の触媒層形成方法
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KR20230083529A (ko) 2021-12-03 2023-06-12 코오롱인더스트리 주식회사 막-전극 어셈블리 및 이를 포함하는 연료전지

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