JP2008146902A - 燃料電池セルおよび燃料電池スタック - Google Patents

燃料電池セルおよび燃料電池スタック Download PDF

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Abstract

【課題】酸化剤もしくは燃料を効率的に供給し、単位体積あたりの発電効率を上昇させることができ、小型化を図ることが可能となる燃料電池セルを提供する。
【解決手段】電解質膜の一方の面側に酸化剤極を、他方の面側に燃料極を配置して構成された膜電極接合体を有する燃料電池セルであって、
前記燃料電池セルは、前記膜電極接合体の酸化剤極側に酸化剤を供給する酸化剤流路と、前記膜電極接合体の燃料極側に燃料を供給する燃料流路とを備える一方、
前記膜電極接合体は、前記酸化剤流路と前記燃料流路との間において、前記膜電極接合体を構成する電解質膜の面方向が、水平方向に対し少なくとも一方向に傾斜するように配置され、
前記膜電極接合体の傾斜方向が、前記酸化剤流路及び燃料流路におけるこれら酸化剤及び燃料の入口側の流路幅が広くなる方向に傾斜している構成とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、燃料電池セルおよび燃料電池スタックに関し、特に燃料及び酸化剤を効率的に供給する流路を備えた燃料電池セルおよび燃料電池スタックに関する。
固体高分子型燃料電池はエネルギーの変更率が高く、クリーンである事に加えて静かであることなどから将来のエネルギー源として期待されている。
その用途は自動車や家庭用電源などの大型のものから、ノートパソコン、携帯電話、デジタルカメラなどのデバイスに搭載されるような小型のものまである。
このような小型の燃料電池の寿命は、従来の二次電池よりも長寿命になることが期待され、盛んに開発が行なわれている。
従来例における固体高分子型燃料電池セルの断面形状の典型的な構造を図4に示す。
図4において、21は酸化剤極側のセパレータ、22は酸化剤極側の酸化剤流路、23は酸化剤極側の酸化剤拡散と集電効果をもつ多孔質媒体による拡散層、25は両面にアノード若しくはカソードとして機能する触媒層を塗布された高分子電解質膜である。
また、26は燃料極側の燃料拡散と集電効果をもつ多孔質媒体による拡散層、27は燃料極側の燃料流路である。
固体高分子型燃料電池セルは、固体高分子による電解質膜25を中央部に有する。
この高分子電解質膜25は、その片側の面に燃料が供給されアノードとなる燃料極と、もう片側の面に酸化剤が供給されカソードとなる酸化剤極を有している。これらの電極および固体高分子電解質膜を一体化させたものは、一般に膜電極接合体(MEA;Membrane Electrode Assembly」)と呼ばれる。
さらに、それぞれの極はその外側に燃料もしくは酸化剤を拡散し、かつ発電した電力を集電するための拡散層23、26を有す。
さらに、その外側に燃料もしくは酸化剤をセル全体に供給するための酸化剤流路22、燃料流路27を有している。
拡散層23、26の部材としては、導電性のある多孔質媒体として例えばカーボンクロスが用いられる。
また、酸化剤流路22、燃料流路27にも、集電及び支持部材として空孔率の高い多孔質媒体を用いる場合がある。
燃料もしくは酸化剤は、流路の中を例えばポンプによる圧力や自然拡散・自然対流などの手法で供給される。
さらに、燃料もしくは酸化剤は供給流路から拡散層を通して拡散し、それぞれアノードもしくはカソードに到達する。
アノードでは到達した燃料がアノードの触媒による酸化作用により酸化されプロトンとなって、高分子電解質膜中をカソードに向けて移動する。
この燃料としては水素などの気体やメタノール・エタノールといった液体が使用される。
カソードでは酸化剤流路より拡散層を通じて到達した酸化剤、例えば酸素と、電解質膜を移動してきたプロトンが酸化剤と反応して水が生成される。そしてこの一連の化学反応によりエネルギーの一部が電気エネルギーとして取り出される。前述の通り、カソードでは発電反応によって水が生成される。この水は、通常水蒸気もしくは水分液滴となって酸化剤の拡散層から流路に移動し、排出される。また、MEAを透過してアノード側から排出される場合もある。
この際、燃料もしくは酸化剤の供給を、ポンプを用いて行う場合には、ポンプの圧力によってそのまま燃料もしくは酸化剤と一緒に水も移動し、排出口より排出される。
一般に、上記の燃料電池セルは、単体では十分な電力を得られないため、図5に示すように、上記のような燃料電池セルをいくつか直列に積層したスタックの構造として、用いられる。
このような燃料電池スタックとした燃料電池は、主にガソリンに替わる自動車の動力源や業務用もしくは家庭用のコジェネレーション用途として注目を浴びている。
一方、近年ではノートパソコンや、PDAといった携帯用電子機器のバッテリーとしてもその用途が期待されているため、このような分野で用いるためには燃料電池そのものは極端に小型化しなくてはならない。
このような小型化のため、燃料もしくは酸化剤を、流路の中を例えばポンプにより圧力勾配を利用して供給する制御機構等が利用できない場合が生じる。
従って、このような場合には、燃料及び酸化剤を拡散や自然対流によって供給するパッシブ型の燃料電池の構成を採らざるを得ない。
従来における酸化剤である酸素を自然拡散によって供給するパッシブ型の燃料電池として、例えば特許文献1では、つぎのような燃料電池セル構造が開示されている。
すなわち、酸化剤である酸素が拡散セルユニットを介してMEAに到達し、このMEAの反対面に設けられた拡散層を介して燃料である水素が供給されるように構成された燃料電池セル構造が開示されている。
米国特許第6,423,437号明細書
以上のようなパッシブ型燃料電池の特徴として、酸素は酸化剤入口から濃度勾配を利用して供給され、同時に同じ場所から濃度勾配によって水蒸気を排出する必要があると言う点が挙げられる。
一般的に、パッシブ型燃料電池においては、酸化剤として空気中の酸素を利用するため、この空気取り入れ口の部分が大気に開放される構成が採られる。
このようなパッシブ型燃料電池の場合、流路の中を強制的に物質を循環供給させる機構をもつ一般の燃料電池とは異なる設計思想が必要となる。特に重要となるのは水の排水に関わる問題である。
カソードで発生した水は速やかに排出されなければならない。カソードで水が滞留すると、その箇所に酸素が供給されなくなり失活する。その結果、燃料電池全体の性能を落とす可能性がある。
ポンプなどで強制的に酸素を送り込む場合は、前述の通り、送り込む酸素と一緒に水を押し出すという手法が用いられるが、元々、強制的な供給機構を持たないパッシブ型の場合には、そのような手法は使えない。
これらを、更に図を用いて説明する。
図6は、従来例におけるパッシブ型燃料電池セルの構成を説明するための断面模式図である。図6には図4と同じ構成に同一の符号が付されているので、共通する部分の説明は省略する。
図6において、24は酸化剤極側流路の終端を示すセパレータ、29は燃料極側流路の終端を示すセパレータ、30は酸化剤入り口、31は燃料入り口である。中央に電解質膜25とその両端に触媒層を有する構造をもっており、その外側にガス拡散層23、26を有している。
図6の上部はアノードで燃料剤として水素が供給され、下部はカソードで酸化剤として酸素(大気)が供給される。
アノード側は水素が供給されるために、燃料極側流路27の終端を示すセパレータ29でシールされリークが生じないようになっている。
これに対して、カソード側は空気を供給するために酸化剤入り口30を有している。
アノードに供給された水素は、以下の酸化反応によってプロトンになり、電解質膜25を通りカソード側へ供給される。
→ 2H + 2e
一方、カソードでは、燃料極側流路29から拡散によって供給された酸素が到達しており、プロトンと以下の反応を示す。
1/2O+ 2H + 2e → H
全反応は、以下の反応となり、水が発生する。
+ 1/2O → H
発生した水は自然拡散によって酸化剤入り口30より排出するか、もしくはガス拡散層23や流路22で液化し滞留する。
特に、ガス拡散層23や流路22の内部で液化した水は蒸発して排出されるまでその場所に滞留しつづけるため、放置しておくとカソードへの酸素供給に影響を及ぼす。
このような問題を回避するには、一つには酸素の供給経路である酸化剤流路22の体積を大きく取る手法、あるいは燃料電池セルを積層するスタック構造を放棄し、複数のセルを横方向に接続する構造をとるという手法が考えられる。
これらの部分の占有体積を増大させることは、発生した水分の蒸発を容易にし、かつ酸素の供給を効率的に行うことが出来るため、燃料電池の特性という面から見れば最も好ましいといえる。
しかしながら、これらの構造は、燃料電池の小型化を図る上で不都合が生じる。
すなわち、酸素の供給と水の排水を優先させると、その分、燃料電池の体積は大きくなり、燃料電池の小型化を図ることが困難となる。特に、パッシブ型燃料電池の構成を採ることにより、小型化を図ろうとした本来の目的にそぐわないこととなる。
本発明は、上記課題に鑑み、酸化剤もしくは燃料を効率的に供給し、単位体積あたりの発電効率を上昇させることができ、小型化を図ることが可能となる燃料電池セルおよび燃料電池スタックの提供を目的とするものである。
本発明は、次のように構成した燃料電池セルおよび燃料電池スタックを提供するものである。
本発明の燃料電池セルは、電解質膜の一方の面側に酸化剤極を、他方の面側に燃料極を配置して構成された膜電極接合体を有する燃料電池セルであって、
前記燃料電池セルは、前記膜電極接合体の酸化剤極側に酸化剤を供給する酸化剤流路と、前記膜電極接合体の燃料極側に燃料を供給する燃料流路とを備える一方、
前記膜電極接合体は、前記酸化剤流路と前記燃料流路との間において、前記膜電極接合体を構成する電解質膜の面方向が、水平方向に対し少なくとも一方向に傾斜するように配置され、
前記膜電極接合体の傾斜方向が、前記酸化剤流路及び燃料流路におけるこれら酸化剤及び燃料の入口側の流路幅が広くなる方向に傾斜していることを特徴とする。
また、本発明の燃料電池セルは、前記膜電極接合体は、前記傾斜方向における傾斜角度が0度より大きく90度より小さい角度を有していることを特徴とする。また、本発明の燃料電池セルは、前記膜電極接合体は、前記傾斜方向における傾斜角度が20度から70度の角度を有していることを特徴とする。
また、本発明の燃料電池セルは、前記膜電極接合体の傾斜方向が、前記膜電極接合体の途中で逆方向に傾斜していることを特徴とする。
また、本発明の燃料電池セルは、前記酸化剤流路は、酸化剤の入口側が大気と接して自然拡散により酸化剤として空気を取り込むパッシブ型の構成を備えていることを特徴とする。
また、本発明の燃料電池スタックは、上記したいずれかに記載の燃料電池セルを二つ以上積層して構成されていることを特徴とする。
本発明によれば、酸化剤もしくは燃料を効率的に供給し、単位体積あたりの発電効率を上昇させることができ、小型化を図ることが可能となる燃料電池セルおよび燃料電池スタックを実現することができる。
特に、酸化剤もしくは燃料を主に自然拡散によって供給するパッシブ型の燃料電池に有効である。
本発明を実施するための最良の形態を、以下の実施例により説明する。
以下に、本発明の実施例について説明する。なお、以下の実施例においてはパッシブ型の燃料電池で説明を行なうが、本発明はパッシブ型の燃料電池に限定されるものではない。
家庭用燃料電池や自動車用の燃料電池に用いられるような空気を加圧して供給するタイプの燃料電池においても、適用して有効に使用することが可能である。
[実施例1]
実施例1においては、本発明を適用して構成したパッシブ型燃料電池セルについて説明する。
図1に、本実施例におけるパッシブ型燃料電池セルの構成を説明するための図を示す。
図1において、1は酸化剤極側のセパレータ、2は酸化剤極側の酸化剤流路、3は酸化剤極側の酸化剤拡散と集電効果をもつ多孔質媒体による拡散層、4は酸化剤極側流路の終端を示すセパレータである。
5は高分子電解質膜、6は燃料極側の燃料拡散と集電効果をもつ多孔質媒体による拡散層、7は燃料極側の燃料流路、8は燃料極側のセパレータ、9は燃料極側流路の終端を示すセパレータ、10は酸化剤入り口、11は燃料入り口である。
本実施例では、酸化剤として酸素を用い、燃料剤として水素を用いている。水素は燃料入り口11から供給され、酸素は酸化剤入り口10から拡散によって供給される。
5は両面にアノードもしくはカソードとして機能するよう白金などの触媒材料を塗布した固体高分子電解質膜(膜電極接合体(MEA))である。この膜電極接合体(MEA)の電解質部分にはスルホン酸基を有するパーフルオロカーボン重合体、例えばデュポン社のナフィオン(登録商標)などが挙げられる。
これらの電解質膜はアノードからカソードでプロトンを伝導することを主な目的としており、この目的を満たすものであれば任意のものが使用可能である。
これらの膜の両面には触媒領域が形成されている。触媒層は触媒活性を持った物質と電子伝導体、プロトン伝導体からなる多孔質体である。
膜電極接合体(MEA)の場合、この触媒層が前記電解質膜の両面に形成されるが、触媒層が電解質膜と接しておりプロトン等の化学種の受け渡しが出来るのであれば、膜電極接合体(MEA)として一つに形成する必要はない。
この膜電極接合体(MEA)は、さらに燃料である水素もしくは酸化剤である酸素を拡散させ、かつ発電によって生じた電気を集電するためのガス拡散層3、6によって狭持される。
このガス拡散層の役割は2つあり、一つは電子を触媒層から集電あるいは、触媒層に供給することである。
もう一つは供給経路から供給された燃料剤/酸化剤を拡散して触媒層に供給、あるいは水を排出することである。
そのため導電性の多孔質体が好まれる。具体的な物質としてカーボンペーパーや、カーボンクロスが用いられる。
更にその周りには燃料もしくは酸化剤が拡散するための供給経路として酸化剤流路2、燃料流路7が存在する。
燃料は燃料入り口11から供給され、一般に自然拡散ではなく一定気圧に加圧され供給される。
ここでの燃料とは、例えば水素、メタノールなどを用いることができる。
酸化剤には酸素を用い、本実施例ではパッシブ型が用いられ、酸素は大気開放によって酸化剤入り口10から供給される。
以上は、図6に示した従来例の燃料電池セルと基本的に変わらないが、本実施例の燃料電池セルでは、燃料、酸化剤の拡散経路の幅を入り口付近で広く、奥へ行くほど狭くなる構造とするため、膜電極接合体(MEA)を層面に対して斜めに配置している。すなわち、膜電極接合体(MEA)を層面水平方向に対して斜めに配置している構造において、従来例のものと大きく異なっている。
本実施例の構造によれば、斜めに配置する方向は基本的にカソード側の空気取り入れ口が最も広くなり、それと逆の中央部が最も狭くなる。
一方、アノード側も同様の状況が生まれる。水素の供給口11は拡大されている。
このような構造を用いた理由を、図7を用いて更に説明する。
図7に、従来例の燃料電池セルにおけるカソード内における酸素の拡散経路を説明するための模式図を示す。
図7において、酸化剤入り口30は大気に接している。
この酸化剤入り口30から入った酸素は膜電極接合体(MEA)の供給口に近い箇所においては、空気経路Aのように拡散供給され、膜電極接合体(MEA)の供給口から遠い箇所においては空気経路Bのように拡散供給される。
この空気経路Bは、空気経路Aに比べると長い距離を拡散する必要があるが、本来このような長い距離を供給する必要はない。
特に、供給口から遠い箇所における空間は、その領域が存在する必要性はなく、省略してもかまわない。
しかも、このような構造を採ることにより次のような利点を得ることができる。
第一に、同一の体積の中では触媒層の面積が最大になることが期待できる点が挙げられる。この図7における触媒層の面積は斜めに配置することにより、図6はもとより図4よりも大きくなる。
したがって、発電効率もその分大きくなることが期待される。
第二に、従来燃料の供給経路となっていた箇所を有効に使用可能となる点が挙げられる。
従来の積層型の燃料電池の場合、図6に示すように燃料流路を確保し、かつ空気と混合しないように29のようなセパレータを設置している。
しかし、本実施例では電解質膜を含む膜電極接合体(MEA)が斜めに配置されているため、このセパレータは省略できる。その代わり空気取り入れ口を大きくとることが可能となり、効率的な空気の取入れが可能となる。
同時に燃料電池の発電によって生成された水が効率よく排出されるようになる(図1(a))。
また、空気取り入れ口を広げない代わりに従来燃料の供給経路となっていた箇所を切除し、一つのセルの大きさを節約することも可能である(図1(b))。
この場合、燃料電池の特性は、従来の燃料電池(図6)とは変わらないが、従来の水素供給経路が占有していた体積が省略される分、小型化が可能となる。
すなわち、膜電極接合体(MEA)を斜めに配置することにより、触媒層の有効面積を拡大し、かつ不必要な空間を有効に利用することが可能になる。
本実施例における膜電極接合体(MEA)の角度は空気取り入れ口の面に対して斜めにすることにあるため、その角度が0度から90度あればその要件は満たされる。
しかし、角度が0度に近い場合、従来の形態と差異が認められず、90度に近いと膜電極接合体(MEA)の面積が極端に小さくなる。
したがって本実施例の構成による効果を十分に生かすためには20度から70度であることが望ましい。
図2は、本実施例と従来の燃料電池(図6)を比較した場合のI−V特性の違いをシミュレーションによって予測したものである。
計算手法として有限要素法による構造シミュレーションによって予測した。
シミュレーションにおける燃料電池基体としてナフィオン112(デュポン社の登録商標)に白金黒を接着した膜電極接合体(MEA)における触媒反応を再現する条件を課した。
また、拡散層としては空孔率0.5、0.50mm厚のカーボンクロスを使用していることを想定した。
燃料気体としては純水素、酸化剤としては酸素を想定しており、カソードの触媒反応によって酸素が消費され水蒸気が発生する。
また、対流と拡散によって空気取り入れ口より排出されると仮定している。
このようなシミュレーションは近年盛んに研究が行なわれており、その信頼性も高くなっている。
特に、熱流体・拡散に関する理論及び数値計算手法は古くから研究開発が行なわれているため以下で紹介する計算も信頼性の高い結果である。
図1の本実施例と図6の従来例のものとを比べると、本実施例のものではかなり小型化されているが、空気取り入れ口の大きさは変わっていない。代わりに水素供給部分が図1の右側に存在している。
本実施例において、膜電極接合体(MEA)の斜め配置の構成例として、つぎのような二種類の構成を採ることができる。
一つは、図1(a)に示すように、燃料電池セルの体積を変えずに膜電極接合体(MEA)を斜めに配置した構成例を採ることができる。この場合、セルの空気取り入れ口の面積が増大している。
他の一つは、図1(b)に示すように空気取り入れ口の面積を変えずに体積を縮小させた構成例を採ることができる。
ここで、図2に示したI−V特性について、図1(a)に示す本実施例と従来例(図6)のものとを比較すると、両者に明確な差が現れている。
本実施例では、従来において水素の供給に使われていた箇所を空気の取り入れ口として置き換えたため、従来例に比して酸素の供給効率と水の排水効率が上がった結果が現れている。
これに対して、図2に示したI−V特性について、図1(b)に示す本実施例と従来例(図6)のものと比較すると、両者に殆ど差がないことが判る。
これは燃料電池の特性が空気取り入れ口の性能によって規定されることを示している。逆に性能に差がないということは、体積を節約できる点において図1(b)の形状が従来例よりも有利であるといえる。
以上の結果より、膜電極接合体(MEA)を積層方向に対し斜めに配置することにより、空気の取り入れ効率は上昇する。
そのため、燃料電池セルの体積を同一の効率を保持しながら縮小でき、その結果スタックした場合に単位体積あたりの発電効率を上昇させることが出来る。
[実施例2]
実施例2においては、実施例1とは異なる形態のパッシブ型燃料電池セルの構成例について説明する。
図3に、本実施例におけるパッシブ型燃料電池セルの構成を説明するための図を示す。
本実施例では、膜電極接合体(MEA)を斜めにする方向を一方向に限定せず、途中で折り曲げるように構成した。
本実施例の構成例では、酸化剤の取り入れ口を両側に配置し、燃料の取り入れ口は図に対して垂直の方向に設置されている。
この構成によると、2箇所に酸化剤の取り入れ口10があるため、各々の取り入れ口に対し斜めに触媒層を配置している。
このように一段の燃料電池セル中に複数の取り入れ口がある場合には各々の取り入れ口に対して本発明を適用すればよい。
本発明の実施例1における燃料電池セルの構成を説明するための図。 本発明の実施例1と従来の燃料電池を比較した場合の違いを説明するためのシミュレーションによって予測したI−V特性を示す図。 本発明の実施例2における燃料電池セルの構成を説明するための図。 従来例における固体高分子型燃料電池セルの断面形状の典型的な構造を説明するための図。 従来例における燃料電池セルをいくつか直列に積層して構成した燃料電池スタックの構造を示す図。 従来例におけるパッシブ型燃料電池セルの構成を説明するための断面模式図。 従来例の燃料電池セルのカソード内における酸素の拡散経路を説明するための模式図。
符号の説明
1:酸化剤極側のセパレータ
2:酸化剤極側の酸化剤流路
3:酸化剤極側の酸化剤拡散と集電効果をもつ多孔質媒体による拡散層
4:酸化剤極側流路の終端を示すセパレータ
5:高分子電解質膜
6:燃料極側の燃料拡散と集電効果をもつ多孔質媒体による拡散層
7:燃料極側の燃料流路
8:燃料極側のセパレータ
9:燃料極側流路の終端を示すセパレータ
10:酸化剤入り口
11:燃料入り口

Claims (6)

  1. 電解質膜の一方の面側に酸化剤極を、他方の面側に燃料極を配置して構成された膜電極接合体を有する燃料電池セルであって、
    前記燃料電池セルは、前記膜電極接合体の酸化剤極側に酸化剤を供給する酸化剤流路と、前記膜電極接合体の燃料極側に燃料を供給する燃料流路とを備える一方、
    前記膜電極接合体は、前記酸化剤流路と前記燃料流路との間において、前記膜電極接合体を構成する電解質膜の面方向が、水平方向に対し少なくとも一方向に傾斜するように配置され、
    前記膜電極接合体の傾斜方向が、前記酸化剤流路及び燃料流路におけるこれら酸化剤及び燃料の入口側の流路幅が広くなる方向に傾斜していることを特徴とする燃料電池セル。
  2. 前記膜電極接合体は、前記傾斜方向における傾斜角度が0度より大きく90度より小さい角度を有していることを特徴とする請求項1に記載の燃料電池セル。
  3. 前記膜電極接合体は、前記傾斜方向における傾斜角度が20度から70度の角度を有していることを特徴とする請求項1に記載の燃料電池セル。
  4. 前記膜電極接合体の傾斜方向が、前記膜電極接合体の途中で逆方向に傾斜していることを特徴とする請求項1に記載の燃料電池セル。
  5. 前記酸化剤流路は、酸化剤の入口側が大気と接して自然拡散により酸化剤として空気を取り込むパッシブ型の構成を備えていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の燃料電池セル。
  6. 請求項1乃至5のいずれか1項に記載の燃料電池セルを二つ以上積層して構成されていることを特徴とする燃料電池スタック。
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