JP4197514B2 - 燃料電池システム及びスタック - Google Patents

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Description

本発明は,燃料電池システム及びこれに用いられるスタックに関し,より詳細にはセパレータ(「バイポーラプレート」ともいう。)と,膜−電極アセンブリ(以下「MEA」という。)との間に形成される通路構造に関する。
一般に,燃料電池は,メタノールや天然ガスのような炭化水素系列の物質内に含まれている水素と,酸素または酸素を含んだ空気との化学反応エネルギーを直接電気エネルギーに変換する発電システムである。燃料電池は,燃焼過程がなく,水素のイオン化で分離された電子を外部に送り出して電力にし,電池内に残った水素イオンと,酸素と,外部電気回路を通って還流して来た電子との反応によって水が合成され,その副産物である熱を同時に用いることができるという特徴を有する。
燃料電池は,用いられる電解質の種類によって,例えば約150〜200℃で作動するリン酸型燃料電池と,600〜700℃の高温で作動する溶融炭酸塩型燃料電池と,1000℃以上の高温で作動する固体酸化物型燃料電池と,常温〜100℃で作動する高分子電解質型及びアルカリ型燃料電池などに分類される。これら個々の燃料電池は,根本的に同じ原理で作動するが,用いられる燃料の種類,運転温度,触媒,及び電解質などが互いに異なる。
このうち,近年開発されている高分子電解質型燃料電池(以下,「PEMFC:Proton Exchange Membrane Fuel Cell」という。)は,他の燃料電池と比べて,出力特性が卓越し,作動温度が低くて,迅速な始動と応答の特性を有し,メタノール,エタノール,天然ガスなどを改質して作る水素を燃料に使うので,自動車のような移動体の電源,住宅,公共建造物などの分散使用型電源及び電子機器用小型電源など,その応用範囲が広いという長所を有する。
このようなPEMFCシステムは,基本的には,スタック,燃料タンク,及び燃料ポンプなどから構成される。スタックは,燃料電池の本体を形成し,燃料ポンプは,燃料タンク内の燃料をスタックに直接的に供給する,または改質器を通して水素を分離し間接的にスタックに供給する。
したがって,このPEMFCは,燃料ポンプの作動で燃料タンク内の燃料を改質器に供給し,改質器にて燃料を改質し水素ガスを発生させ,スタックで水素ガスと酸素を電気化学的に反応させ電気エネルギーを発生する。
一方,他の形態のPEMFCでは,水素を含有する液状燃料を直接スタックに供給して電気を発生する直接メタノール型燃料電池(以下,「DMFC」という。)のように,改質器を省略する事もできる。
図7は,従来技術による燃料電池システムに用いられるスタックにおいて,膜−電極アセンブリと,セパレータが組立てられた状態を示す部分断面図である。
図7を参照すると,上記のような燃料電池において,実質的に電気を発生するスタックは,膜−電極アセンブリ(MEA:Membrane Electrode Assembly)51を,2枚の導電性セパレータ53を用いて,両側より覆って挟んだ構造の単位セルを,例えば数個〜数十個程度積層した構造である。上記膜−電極アセンブリ51は,電解質膜と,この電解質膜の両面に各々付着されるアノード電極(図7左側)およびカソード電極(図7右側)とからなる。両セパレータ53は,燃料電池の反応に必要な燃料を供給する水素通路55及び空気通路57の外壁としての機能と,各膜−電極アセンブリ51のアノード電極およびカソード電極を固定する支持体としての機能と,電極を延長する導電体としての機能とを同時に遂行する。なお,水素や酸素などの気体を流す通路は,ガス通路または通路ともいう。
セパレータ53は,燃料電池の反応に必要な燃料を供給する水素通路55及び空気通路57としての機能と,膜−電極アセンブリ51の左側にあるアノード電極と,膜−電極アセンブリ51の右側にあるカソード電極とを直列に連結させる導電体としての機能を同時に遂行する。
従って,図面上の左側セパレータ53によって形成される水素通路55を通ってアノード電極に水素ガスが供給され,右側セパレータ53によって形成される空気通路57を通ってカソード電極に酸素または空気が供給される。この過程で,セパレータに形成されたリブ59をリード線として導電体で両電極を接続しておけば,アノード電極では,水素ガスから電子を取り出す酸化反応が起こり,カソード電極では酸素に電子を付加する還元反応が起こる。この時生じる電子の移動により電気が発生し,さらに化学反応により熱と水が発生する。
両セパレータ53は,MEA51の両側面に取付けられ,水素ガスを供給する水素通路55と,酸素を含んだ空気を供給する空気通路57とを形成する。この水素通路55及び空気通路57によって,セパレータ53には,MEA51との間に相互密着されるリブ59(密着部分)と,水素通路55及び空気通路57を間に置いて離隔される部分61(離隔部分)とが,交互に形成される。実際に密着されるリブ59は,離隔部分61を形成するチャンネルの両側に配置される。
通常,2個のセパレータ53が,MEA51を間に挟むように配置される時,水素通路55と空気通路57は互いに直交する方向に配設される。このことを示すため,図7では,水素通路55は一本の通路だけが縦断面として示され,空気通路57は複数の通路の横断面が示されている。
ところで,燃料電池において,スタックは,燃料電池の効率を向上させるために燃料の拡散機能を向上させることが必要で,燃料拡散の時に必要な圧力が低下しないようにその構造設計が要求されており,その重要な設計事項が,水素通路55と空気通路57を形成する通路断面の大きさ及びこの通路55,57の本数である。
つまり,セパレータ53において,通路の大きさは,MEA51の活性領域に向かって水素及び空気がMEA51の気体拡散層で拡散する性能と,MEA51を流れる電流に対するリブ59の接触抵抗を左右する重要な因子となる。
また,任意の断面積を有する通路を,制限された面積のセパレータ53に形成する場合,通路の長さは通路の個数に反比例するので,燃料を供給するに当たって,通路の個数は,スタック内部の圧力低下を左右する重要な因子となる。
したがって,燃料電池システムの効率を向上させるため,MEA51の両側にある通路の大きさ及び通路の個数を最適化することが重要である。実際に,通路の大きさは,密着されるリブ59の幅W1に対する,離隔するチャンネル61,即ち通路の幅W2の比(W2/W1)と,チャンネルの高さ,即ち通路の高さHcに対する,通路幅W2の比(W2/Hc)とによって決定されるが,従来のセパレータ設計指針には,これらを定量化,具体化したものはなく,燃料電池の効率向上に寄与していないことが実情であった。
そこで,本発明は,上記問題に鑑みてなされたものであり,本発明の目的とするところは,燃料が供給される通路が形成されるセパレータにおいて,MEAとの密着部分の幅に対する離隔部分の幅の比,離隔部分の高さに対する離隔部分の幅の比,及び通路の個数などを最適化して,燃料の拡散性能を向上させ,内部で起こる圧力低下を低減することが可能な,新規かつ改良された燃料電池システムを提供することにある。
上記課題を解決するために,本発明のある観点によれば,水素を含有した燃料を供給する燃料供給部と;酸素を含有した空気を供給する空気供給部と;燃料供給部から供給される水素と,空気供給部から供給される酸素とを電気化学的に反応させて,電気エネルギーを発生するスタックと;を備え,スタックは,膜−電極アセンブリ(MEA)と,膜−電極アセンブリの両側面に配置されたセパレータとからなる積層構造を有し,セパレータは,膜−電極アセンブリに密着される密着部分と,膜−電極アセンブリから離隔された離隔部分とにより構成される通路を備え,離隔部分の高さに対する幅の比(幅/高さ)は,0.6〜0.8範囲内であり,上記セパレータにおいて,密着部分は,セパレータの板状部分に任意の間隔をおいて突出形成される複数のリブで構成され,離隔部分は,リブの間に配置される複数のチャネルで構成されており,チャンネルの高さに対する幅の比は,0.6〜0.8範囲内であり,上記チャンネルの幅は,0.9〜1.1mmであり,リブの幅に対するチャンネルの幅の比は,1.1〜1.3範囲内であり,上記チャンネルの設置数は,3個であることを特徴とする,燃料電池システムが提供される。
また,上記課題を解決するために,本発明の別の観点によれば,水素を含有した燃料を供給する燃料供給部と;酸素を含有した空気を供給する空気供給部と;燃料供給部から供給される水素と,空気供給部から供給される酸素とを電気化学的に反応させて,電気エネルギーを発生するスタックと;を備え,スタックは,膜−電極アセンブリ(MEA)と,膜−電極アセンブリの両側面に配置されたセパレータとからなる積層構造を有し,セパレータは,膜−電極アセンブリに密着される密着部分と,膜−電極アセンブリから離隔された離隔部分とにより構成される通路を備え,離隔部分の高さに対する幅の比(幅/高さ)は,0.6〜0.8範囲内であり,上記離隔部分の幅は,0.9〜1.1mmであり,密着部分の幅に対する離隔部分の幅の比は,1.1〜1.3範囲内であり,上記離隔部分の設置数は,3個であることを特徴とする,燃料電池システムが提供される。
また,上記課題を解決するために,本発明の別の観点によれば,水素を含有した燃料を供給する燃料供給部と;酸素を含有した空気を供給する空気供給部と;燃料供給部から供給される水素と,空気供給部から供給される酸素とを電気化学的に反応させて,電気エネルギーを発生するスタックと;を備え,スタックは,膜−電極アセンブリ(MEA)と,膜−電極アセンブリの両側面に配置されたセパレータとからなる積層構造を有し,セパレータは,膜−電極アセンブリに密着される密着部分と,膜−電極アセンブリから離隔された離隔部分とにより構成される通路を備え,離隔部分の高さに対する幅の比(幅/高さ)は,0.6〜0.8範囲内であり,上記離隔部分の幅は,1.1〜1.3mmであり,密着部分の幅に対する離隔部分の幅の比は,0.7〜0.9範囲内であり,上記離隔部分の設置数は,5個であることを特徴とする,燃料電池システムが提供される。
また,上記課題を解決するために,本発明の別の観点によれば,水素を含有した燃料を供給する燃料供給部と;酸素を含有した空気を供給する空気供給部と;燃料供給部から供給される水素と,空気供給部から供給される酸素とを電気化学的に反応させて,電気エネルギーを発生するスタックと;を備え,スタックは,膜−電極アセンブリ(MEA)と,膜−電極アセンブリの両側面に配置されたセパレータとからなる積層構造を有し,セパレータは,膜−電極アセンブリに密着される密着部分と,膜−電極アセンブリから離隔された離隔部分とにより構成される通路を備え,離隔部分の高さに対する幅の比(幅/高さ)は,0.6〜0.8範囲内であり,上記離隔部分の幅は,1.1〜1.3mmであり,密着部分の幅に対する離隔部分の幅の比は,1.1〜1.3範囲内であり,上記離隔部分の設置数は,4個であることを特徴とする,燃料電池システムが提供される。
また,上記課題を解決するために,本発明の別の観点によれば,燃料電池システムに用いられるスタックが提供される。このスタックにおいて,燃料供給部から供給される水素と空気供給部から供給される酸素とを電気化学的に反応させて電気エネルギーを発生するよう,膜−電極アセンブリと,膜−電極アセンブリの両側面に配置されるセパレータとからなる積層構造を有し,セパレータは,膜−電極アセンブリに密着される密着部分と膜−電極アセンブリから離隔された離隔部分とによって形成される通路を,膜−電極アセンブリ側の側面に備え,離隔部分の高さに対する幅の比は,0.6〜0.8範囲内であることを特徴とする。
また,上記セパレータにおいて,密着部分は,セパレータの板状部分に任意の間隔をおいて突出形成される複数のリブで構成され,離隔部分は,リブの間に配置される複数のチャネルで構成されており,チャンネルの高さに対する幅の比は,0.6〜0.8範囲内であるようにしてもよい。さらに,上記チャンネルの幅は,0.9〜1.1mmであり,リブの幅に対するチャンネルの幅の比は,1.1〜1.3範囲内であるようにしてもよい。さらに,上記チャンネルの設置数は,3個であるようにしてもよい。
また,上記離隔部分の幅は,0.9〜1.1mmであり,密着部分の幅に対する離隔部分の幅の比は,1.1〜1.3範囲内であるようにしてもよい。さらに,上記離隔部分の設置数は,3個であるようにしてもよい。
また,上記離隔部分の幅は,1.1〜1.3mmであり,密着部分の幅に対する離隔部分の幅の比は,0.7〜0.9範囲内であるようにしてもよい。さらに,上記離隔部分の設置数は,5個であるようにしてもよい。
また,上記離隔部分の幅は,1.1〜1.3mmであり,密着部分の幅に対する離隔部分の幅の比は,1.1〜1.3範囲内であるようにしてもよい。さらに,上記離隔部分の設置数は,4個であるようにしてもよい。
また,上記膜−電極アセンブリの活性領域の面積は,40cmであり,通路の設置数は,3〜6個であるようにしてもよい。
以上説明したように本発明によれば,膜−電極アセンブリに密着されるセパレータにおいて,リブ幅に対する通路幅の比,通路高さに対する通路幅の比,及び通路の個数などを最適に選定することによって,スタック内部で発生した電流の接触抵抗を許容範囲内に維持しながら,水素及び空気等の燃料の拡散性能を向上させて,スタック内部で起こる圧力低下を低減して,燃料電池の効率を向上できる効果がある。
以下に添付図面を参照しながら,本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお,本明細書及び図面において,実質的に同一の機能構成を有する構成要素については,同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
(第1の実施形態)
まず,図1および図2に基づいて,本発明の第1の実施形態にかかるPEMFC燃料電池システムと,この燃料電池システムに用いられるスタックについて説明する。なお,図1は,本実施形態にかかるPEMFC燃料電池システムを示した概略図であり,図2は,本実施形態にかかる燃料電池システムに用いられるスタックの分解斜視図である。
図1,2を参照すると,本実施形態にかかる燃料電池システムは,水素が含まれた燃料を供給する燃料供給部1と,改質器3と,酸素を含む酸化性気体(例えば,純酸素,空気など)を供給する空気供給部5と,燃料供給部1と空気供給部5から各々供給される水素及び酸化性気体を電気化学的に反応させて電気エネルギーを発生させるスタック7とを備える。
燃料供給部1は,燃料タンク9と,燃料供給用ポンプ11とを備える。燃料タンク9内には,メタノール,エタノールまたは天然ガスなどの液状燃料が貯蔵され,燃料供給用ポンプ11の駆動により液状燃料を改質器3に供給する。この改質器3は,燃料供給部1からの液状燃料を,水素を主とするガスに改質し,このように改質された水素を主とするガスをスタック7内部に供給する。
なお,この燃料電池システムとしては,メタノール燃料などを,改質せずに直接スタック7に供給して電気を生産するDMFC方式を採用することもできる。このようなDMFCは,図1に示されたPEMFCとは異なり,改質器3を要しない。PEMFCとDMFCでは,スタック内の反応部構造が若干異なるが,ここでは,一括してスタックと呼び,便宜上,以下ではPEMFCを採用した燃料電池システムを例として説明する。
空気供給部5は,酸素含有空気供給用ポンプ13を備えており,酸素含有空気をスタック7内部に供給する構成になっている。スタック7に供給される空気は,スタック7内で水素ガスが供給される水素通路15とは独立的に形成される空気通路17に供給される(図3のセパレータ構造参照)。
スタック7には,燃料供給部1及び改質器3から水素ガスが,空気供給部5からは空気が供給される。このスタック7は,水素と酸素の電気化学反応によって,電気エネルギーを発生させ,副産物として熱と水を発生させる構成になっている。
本実施形態にかかるスタック7は,複数の単位セル19を備えており,改質器3により改質された水素ガスと外部空気との酸化還元反応を誘導し,電気エネルギーを発生させる。スタック7は,複数の単位セル19からなる。単位セル19は,電気を発生させる最少単位である。各単位セル19は,図3に示すように,水素ガスと空気中の酸素を酸化還元反応させるMEA(膜−電極アセンブリ)21と,このMEA21の両側に配設され,水素または酸素含有空気を各々供給するためのセパレータ23,25とから構成されている。
単位セル19は,MEA21を中心としてその両側にセパレータ23,25が配置された構造であり,単一スタックとも呼ばれる。この単位セル19を複数個,直列に配設することにより,本実施形態のような積層構造のスタック7が形成される。この単位セル19の積層構造の第1層と最後の層,つまり,スタック7の最も外側の単位セル19は,セパレータ23,25の変形構造である端板27を備える。このように単位セル19を積層して構成される積層構造のスタック7は,各単位セル19の角部を貫通するボルト19aと,このボルト19aと螺合するナット19bとを,強固に締結することによって,組立てられる。
図3は,本実施形態にかかる燃料電池システムのスタック7に用いられるセパレータ23,25のうち一方のセパレータ25を旋回させて示した分解斜視図であり,図4は,MEA21とセパレータ23,25が組立てられた状態を示す部分断面図である。
図3,4を参照すると,セパレータ23,25は,MEA21を間に挟むようにしてMEA21に密着配置され,MEA21の一側面と他側面に各々水素通路15と空気通路17を形成する。この水素通路15及び空気通路17は,セパレータ23,25がMEA21と密着する密着部分と,セパレータ23,25がMEA21から離隔する離隔部分とによって形成される。
このMEA21に対する密着部分は,図6に示すリブ23b,25bであり,例えば矩形平板状のセパレータ23,25の本体(板状部分)23a,25aから突出形成される。一方,MEA21に対する離隔部分は,図6に示すチャンネル23c,25cであり,リブ23b,25bの間に通路15,17を形成する。図4に示すように,セパレータ23に形成される水素通路15は,MEA21のアノード電極29側に配置され,一方,セパレータ25に形成される酸素通路17は,MEA21のカソード電極31側に配置される。
ここで,水素通路15及び空気通路17は,それぞれセパレータ23,25の本体23a,25aに任意の間隔を置いて形成される。本実施形態では,チャンネル23cとチャンネル25cとが相互に平行であり,リブ23bとリブ25bとが相互に平行であるように配設されている,しかし,チャンネル23cとチャンネル25cとが相互に直交し,リブ23bとリブ25bとが相互に直交するように配設されてもよい。このように形成される通路15,17は,図3に示すように,複数個(例えば5個)の通路15,17が一組15a,17aをなすように直線状態で配置され,各組15a,17aの通路15,17の一端が,隣接する組15a,17aの通路15,17の一端に連結されるように形成される。
このような水素通路15及び空気通路17は,図3に示すように,MEA21と密着する側のセパレータ23,25の側面上で,上下方向に蛇行するように配置されている。
より具体的に説明すれば,水素通路15は,複数個(例えば5個)が一組となるようにして上下方向に直線状に形成されており,各組の直線状部分の上側または下側の端部が,隣接する組の上側または下側の端部と水平に相互連結されている。このように水素通路15は,セパレータ23の一側面に,連続した蛇行形状で形成されており,水素通路15の一端部の水素供給口はセパレータ23の上部に配置され,水素通路15の他端部の水素排出口はセパレータ23の下部に配置されている。このため,水素通路15は,セパレータ23の上側の水素供給口から流入した水素を流通させ,下側の水素排出口から排出する。
また,空気通路17は,複数個(例えば5個)が一組となるようにして上下方向に直線状に形成されており,各組の直線状部分の上側または下側の端部が,隣接する組の上側または下側の端部と水平に相互連結されている。このように空気通路17は,セパレータ25の一側面に,連続した蛇行形状で形成されており,空気通路17の一端部の空気供給口はセパレータ25の上部に配置され,空気通路17の他端部の空気排出口はセパレータ25の下部に配置されている。このため,空気通路17は,セパレータ25の上側の空気供給口から流入した水素を流通させ,下側の空気排出口から排出する。
なお,水素通路15と空気通路17とは,図3に示すように,MEA21を中心として略対称な形状を有し,図4に示すように,水素通路15と空気通路17は,MEA21を間に挟んで,相互に対向するように配設されている。
よって,水素通路15と空気通路17は,水素と酸素が反対方向に流れるように配設されている。しかし,この水素通路15及び空気通路17の形状および配置方向は,かかる例に限定されず,多様に変更できる。
このような両セパレータ23,25の間に介在するMEA21は,図2に示したように,略矩形状のフレームの中心に配設され,所定面積を有し,酸化還元反応が起こる活性領域21aを備える。この活性領域21aは,図4に示すように,電解質膜33と,電解質膜33の一側面に配されるアノード電極29と,電解質膜33の他側面に配されるカソード電極31とから構成される。つまり,この活性領域21aは,アノード電極29とカソード電極31との間に電解質膜33が配置されている,
MEA21のアノード電極29とセパレータ23との間に形成される水素通路15を通して供給される水素ガスは,気体拡散層(GDL)を通してアノード触媒層に供給され,アノード触媒層で水素ガスを酸化反応させて分離された電子を外部に引き出し,この電子の流れが電流になり,水素イオンは電解質膜33を通り抜けてカソード電極31に移動する。
また,このアノード電極29で発生した水素イオンが,電解質膜33を通り抜けて来るカソード電極31は,セパレータ25とカソード電極31との間に形成される空気通路17を通して酸素含有空気が供給され,水素イオンと同様に気体拡散層を通してカソード触媒層に供給し,カソード触媒層で酸素を還元反応させることで,酸素イオンと水素イオンとを水と熱に変換する。
電解質膜33は,厚さが例えば50〜200μmの固体ポリマー電解質で形成され,アノード電極29の触媒層で生成された水素イオンをカソード電極31の触媒層に移動させ,カソード電極31の酸素イオンと結合させて水を生成させるようなイオン交換を可能にする。
図3を参照すると,アノード電極29側に配置されて水素を供給する水素通路15と,カソード電極31側に配置されて酸素含有空気を供給する空気通路17は,上記のように複数本形成されて配列されている。水素通路15と空気通路17のうちいずれかの通路だけを複数本形成してもよいが,反応効率の観点からは,両通路15,17共に複数本形成することが好ましい。また,両通路15,17の本数が互いに異なっていても構わないが,反応が均等になるという観点からは,同一本数であることが好ましい。
このように複数本が一つの組15a,17aを形成する水素通路15及び空気通路17することによって,MEA21の活性領域21aが任意の所定面積を有し,水素通路15及び空気通路17の断面積が任意の所定面積を有する場合において,同一面積のMEA21に同一断面積の通路15,17をそれぞれ一つだけ形成する従来の技術と比べて,セパレータ23,25に形成される水素通路15及び空気通路17の長さを短くすることができる。
このような水素通路15及び空気通路17の設置数は,従来のように一つのセパレータに単純に一つの通路を形成した場合と比較して同一電力を発生させるとともに,スタック7内での圧力低下を低減でき,制限された面積を有するセパレータ23,25に物理的に形成できる範囲内の本数で設定することが好ましい。
結果的には,本実施形態では,通路15,17がセパレータ23,25に複数形成されることで,通路15,17の長さは,同一面積のセパレータに通路が一つ形成された従来の場合と比べて,短くなる,このため,水素ガス及び空気の供給時に,通路15,17と流体の間に発生する流体の管摩擦を低減させることができ,内部の圧力低下を低減することができる。
本実施形態にかかるスタック7では,MEA21の活性領域21aの面積が例えば40cmであり,この場合に,セパレータ23,25に水素通路15及び空気通路17を各々例えば5本ずつ形成して,通路15,17に供給される水素または空気を,MEA21の電活性領域21aに供給する構成が例示されている。
下記の表1を参照すると,通路15,17の設置数が,5個である場合を含む3〜6個の範囲内であるときに,燃料電池の効率が向上することが分かる。
より具体的に通路15,17の構成を説明すると,図3に示すように,水素通路15は,セパレータ23の端部に外部に露出して形成される水素供給口と水素排出口では,一つの通路として一体形成されており,この1つの通路がセパレータ23内部で複数本に分離形成されている。しかし,かかる例に限定されず,水素通路15は,水素供給口と水素排出口及びセパレータ23内部で全て同一な複数本で形成されてもよい。
また,空気通路17は,セパレータ23の端部に外部に露出して形成される空気供給口と空気排出口,およびセパレータ23内部で,全て同一な複数本で一つの通路として形成されている。しかし,かかる例に限定されず,空気通路17は,空気供給口と空気排出口では,一つの通路として一体形成され,この1つの通路がセパレータ23内部で複数本に分離形成されてもよい。
本実施形態では,便宜上,セパレータ23外部の供給口および排出口付近で1個,セパレータ23内部では5個に分離形成された構造を,水素通路15に適用して示している。また,セパレータ25の内外部と関係なく,5個に分離形成した構造を空気通路17に適用して示している。
この二つの構造は,水素通路15と空気通路17に相互に入れ替えて適用することもでき,ある一つの構造のみを双方の通路15,17に同一に適用することもできる。
水素通路15は,セパレータ23によってMEA21のアノード電極29側に形成され,空気通路17は,別のセパレータ25によってMEA21のカソード電極31側に形成される。
上記水素通路15は,改質器3に連結され,空気通路17は,酸素含有空気供給用ポンプ13に連結される。従って,一側の端板プレート27には,改質器3により生成された水素ガスと,酸素含有空気供給用ポンプ13から圧送される空気とが,水素通路15,空気通路17に各々供給される。また,他側の端板プレート27からは,MEA21で電気化学反応後に残った残余水素ガス及び空気が排出される。
このように複数の通路15,17を備えたセパレータ23,25は,燃料電池の効率を高めるため,スタック7内部での電力生産を,一つの通路を有するセパレータが適用される通常の水準に維持しながら,内部で起こる圧力低下を低減する必要がある。このため,セパレータ23,25に形成される通路15,17の設置数を適切に調節する必要がある。従って,本実施形態では,セパレータ23,25内で水素ガス及び空気が流れる水素通路15及び空気通路17の設置数を最適化する方法が例示されている。
水素ガス及び空気の拡散,水素ガス及び空気供給に必要なエネルギーを改善するための燃料電池性能評価には,関連電力密度(RPD)を用いる。このRPDは,スタック7で生成される電力と,スタック7で燃料である水素ガス及び空気を供給するために消耗される電力との差を求め,この差をスタック7内部の活性領域21aの総合面積で割り算して算出される。このように算出された結果を,表1及び表2に示し,算出データ全体をグラフにして,図5に示す。
表1は,通路の設置数とRPDとの関係を示した表である。
Figure 0004197514

燃料電池の性能評価のためにアノード電極29に水素ガスを,カソード電極31に空気を供給し,非加熱状態で通路,つまり,水素通路15と空気通路17の設置数を変更して,それぞれのRPDを求める実験を行った。
また,この結果をグラフに示すと図5のようになる。図5は,実験により求めた通路の設置数とRPDとの関係をグラフで示したものである。
図5によると,通路15,17が一つの時には,通路15,17の長さが長くなるため流体の管摩擦を誘発するので,通路15,17内部で大きい圧力低下が生じ,この結果,RPDが低下しており,全体的な燃料電池効率が低いことが分かる。
これに対して,通路15,17が2,3,4,5個に増加するにつれ,各通路15,17の長さが短くなり,流体の管摩擦を低減させることができるため,通路15,17内部での圧力低下が比較的小さくなり,この結果,RPDが増加して,全体的な燃料電池効率が向上していることが分かる。この中で,通路15,17の設置数が5個の場合,燃料電池の効率が最大になることが分かる。
また,通路15,17の設置数が6個の場合,MEA21の活性領域21aが40cmであることを勘案すると,セパレータ23,25に6個もの通路15,17を形成することが現実的に困難であり,水素及び酸素等の燃料を一定温度以上に加熱しないと,効率が多少低下することが分かる。
次に,図6を参照して,MEA21の間に形成される離隔部分の幅,この離隔部分の幅と密着部分の幅との比,離隔部分の幅と高さとの比,及び通路の設置数と燃料電池の効率との関係について説明する。
図6は,セパレータ23,25の一部を示した拡大部分詳細図である。図6に示すように,両セパレータ23,25は,略同一形状を有しているため,便宜上,図6では2つのセパレータ23,25のうちいずれか一方を示して,2つのセパレータ23,25を共に説明する。
図6を参照すると,セパレータ23,25は,MEA21のアノード電極29とカソード電極31で酸化還元反応に必要な水素ガス及び空気を供給するための通路,つまり,水素通路15と空気通路17を各々備える。
水素通路15,空気通路17は,セパレータ23,25の本体23a,25aの一面で任意の間隔をおいて突出形成されたリブ23b,25bの間の空間によって形成される。このような構造によって,MEA21の活性領域21aの面積を設定してから通路15,17の大きさを設定すれば,リブ23b,25bの大きさは自動的に設定される。本実施形態で通路15,17及びリブ23b,25bの断面(それぞれその長さ方向に対する垂直方向の断面)形状は,略矩形であるが,必ずしもこの矩形状に限られるわけではない。例えば,通路15,17は,底部が所定の曲率を有する湾曲形状(例えば,半円,楕円等)にしてもよく,通路15,17とリブ23b,25bが非対称な形状で形成してもよい。この水素通路15を形成するチャンネル23cは,改質器3に連結され,空気通路17を形成するチャンネル25cは,酸素含有空気供給用ポンプ13に連結される。
従って,一側の端板27には,改質器3で生成された水素ガスと,酸素含有空気供給用ポンプ13から圧送される空気とが,水素通路15及び空気通路17に各々供給される,一方,他側の端板27から,MEA21で電気化学的反応を起こした後に残った残余水素ガス及び空気が排出される。
ここでリブ23b,25bの幅Wrは,水素ガス及び空気が流れない部分の形成に影響を与え,通路15,17の幅Wcと高さHcは,水素ガス及び空気が流れる部分の形成に影響を与える。従って,通路15,17の断面積Aは,通路15,17の幅Wcと高さHcによって決定される。通路15,17の幅Wcとリブ23b,25bの幅Wrは,通路15,17(またはリブ23b,25b)の幅Wcが通路15,17全範囲に渡って一定でない場合には,各々通路15,17の幅Wcとリブ23b,25bの幅Wrの平均値を取ることが好ましい。
また,通路15,17は,膜部分15b,17bと気体部分15c,17cとに区分して命名できる。気体部分15c,17cは,水素ガス及び酸素をMEA21の活性領域21aに供給して,膜部分15b,17bは,水素ガス及び酸素によってスタック7内部で生成された水を移動させる。従って,水素通路15及び空気通路17は,実際には,膜部分15b,17bの断面積を除いた気体部分15c,17cの断面積に相当する水素及び空気を供給する。
このようなセパレータ23,25は,燃料電池の効率を高めるため,スタック7内部で発生した電流の接触抵抗を許容範囲内に維持し,MEA21の気体拡散層で水素及び酸素の拡散性能を向上させて,スタック7内部で起こる圧力低下を低減させる必要がある。
このため,セパレータ23,25の通路15,17の大きさ,例えば,通路15,17の断面積Aを適切に調節する必要がある。
従って,本実施形態では,セパレータ23,25において,水素通路15及び空気通路17の幅Wcと高さHcとの比,通路15,17の幅Wcと水素ガス及び空気が流れないリブ23b,25bの幅Wrとの比,及び通路15,17の設置数を最適化することが例示されている。
表2は,通路15,17の幅Wc,リブ幅Wrに対する通路幅Wcの比(Wc/Wr),通路高さHcに対する通路幅Wcの比(Wc/Hc),及び通路15,17の設置数の組み合わせとRPD関係を示した表である。なお,通路幅Wcは,チャンネル幅および離隔部分の幅と同一であり,通路高さHcは,チャンネル高さおよび離隔部分の高さと同一であり,リブ幅Wrは,離隔部分の幅と同一である。
Figure 0004197514
燃料電池の性能評価のために,アノード電極29に水素ガスを,カソード電極31に空気を供給し,非加熱状態で通路高さHcに対する通路幅Wcの比(Wc/Hc)を固定して,通路15,17の幅Wc,リブ幅Wrに対する通路幅Wcの比(Wc/Wr),及び通路の設置数を変化させる組み合わせでRPDを求めた。
表2の実験結果によれば,上記第2,3実施例のような条件で組み合わせる時,燃料電池の性能が優秀であることが分かった。特に,通路高さHcに対するチャンネル幅Wcの比(Wc/Hc)が,0.6〜0.8の時には,第2実施例の実験結果が最も良いことが分かる。
通路15,17の高さHcに対する幅Wcの比(Wc/Hc)が0.6〜0.8の間である理由は,比率Wc/Hcが0.6未満では,通路15,17の高さHcに対する幅Wcが過度に小さくなり,通路15,17の形状が,同一面積に対して狭くて高い長方形状に形成されて(図5参照),スタック7内部の圧力低下が激しくなり,一方,比率(Wc/Hc)が0.8を超えると,通路15,17の幅Wcに対する高さHcが過度に小さくなり,通路15,17を有する通路15,17の形状が同一面積に対して広くて低い長方形状に形成されて(図5参照),スタック7内部の圧力低下が激しくなるので,スタック7で生成される電力と比べて,水素ガス及び空気の供給に多くの電力を消耗して,RPDが低くなるからである。
このような結果から,第2実施例は,第3実施例と比べると,通路幅Wcが1.1〜1.3mmと同じで,通路15,17の設置数が一つ多いので,同一面積のセパレータ23,25において,通路15,17の総面積を大きく形成できるため,第3実施例と比べて内部圧力低下が少ないので,燃料電池効率がより高いことが分かる。
また,第2実施例は,第1実施例と比べて,通路幅Wcがより長く,通路15,17の設置数が多いので,同一面積のセパレータ23,25において,通路15,17の面積を大きく形成できるため,第1実施例と比べて内部圧力低下が少ないので,燃料電池効率がより高いことが分かる。
第1実施例は,RPD値が,第2実施例のRPD値と比べて低いけれども,外部環境の影響が少ないので,水素ガス及び空気の入力条件に敏感に反応しないという長所を有している。従って,第1実施例は,外部環境が頻繁に変わる所で適切に用いることができる。
また,第3実施例の結果は,第1,第2実施例の中間程度の成績を示して,比較的高いRPD値を有し,外部環境に対して第1実施例より影響を受けるが,第2実施例よりも強い耐性を有する。
以上で説明したように,本実施形態にかかる燃料電池システム及びこれに用いられるスタックによれば,MEA21に密着されるセパレータ23,25において,リブ幅に対する通路幅の比(Wc/Wr),通路高さに対する通路幅の比(Wc/Hc),及び通路の設置数を最適に選定することによって,スタック7内部で発生した電流の接触抵抗を許容範囲内に維持しつつ,水素及び空気等の燃料の拡散性能を向上させて,スタック7内部で起こる圧力低下を減少させて,燃料電池の効率を向上させる効果がある。
以上,添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが,本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば,特許請求の範囲に記載された範疇内において,各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり,それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
本発明は,燃料電池システム及びこれに用いられるスタックに適用可能である。
本発明の第1の実施形態にかかる燃料電池システムを示した概略図である。 同実施形態にかかる燃料電池システムに用いられるスタックの分解斜視図である。 同実施形態にかかる燃料電池システムのスタックに用いられるセパレータのうち一側のセパレータを旋回した状態を示す分解斜視図である。 同実施形態にかかるMEAとセパレータが組立てられた状態を示す部分断面図である。 通路の設置数とRPDとの関係の実験結果を示したグラフである。 同実施形態にかかるセパレータを拡大表示した部分詳細図である。 従来の技術にかかる燃料電池システムに用いられるスタックにおいて,MEAとセパレータが組立てられた状態を示す部分断面図である。
符号の説明
1 燃料供給部
3 改質器
5 空気供給部
7 スタック
9 燃料タンク
11 燃料供給用ポンプ
13 酸素含有空気供給用ポンプ
15 水素通路
17 空気通路
19 単位セル
19a ボルト
19b ナット
21 膜−電極アセンブリ(MEA)
21a 活性領域
23 セパレータ
23a セパレータの本体
23b リブ
23c チャンネル
25 セパレータ
25a セパレータの本体
25b リブ
25c 通路
27 端板(端板プレート)
29 アノード電極
31 カソード電極
33 電解質膜
Hc 通路の高さ
RPD 関連電力密度
Wc 通路の幅
Wr リブの幅

Claims (4)

  1. 水素を含有した燃料を供給する燃料供給部と;
    酸素を含有した空気を供給する空気供給部と;
    前記燃料供給部から供給される水素と,前記空気供給部から供給される酸素とを電気化学的に反応させて,電気エネルギーを発生するスタックと;
    を備え,
    前記スタックは,膜−電極アセンブリと,前記膜−電極アセンブリの両側面に配置されたセパレータとからなる積層構造を有し,
    前記セパレータは,前記膜−電極アセンブリに密着される密着部分と,前記膜−電極アセンブリから離隔された離隔部分とにより構成される通路を備え,
    前記離隔部分の高さに対する幅の比(幅/高さ)は,0.6〜0.8範囲内であり,
    前記セパレータにおいて,前記密着部分は,前記セパレータの板状部分に任意の間隔をおいて突出形成される複数のリブで構成され,前記離隔部分は,前記リブの間に配置される複数のチャネルで構成されており,
    前記チャンネルの高さに対する幅の比は,0.6〜0.8範囲内であり,
    前記チャンネルの幅は,0.9〜1.1mmであり,
    前記リブの幅に対する前記チャンネルの幅の比は,1.1〜1.3範囲内であり,
    前記チャンネルの設置数は,3個であることを特徴とする,燃料電池システム。
  2. 水素を含有した燃料を供給する燃料供給部と;
    酸素を含有した空気を供給する空気供給部と;
    前記燃料供給部から供給される水素と,前記空気供給部から供給される酸素とを電気化学的に反応させて,電気エネルギーを発生するスタックと;
    を備え,
    前記スタックは,膜−電極アセンブリと,前記膜−電極アセンブリの両側面に配置されたセパレータとからなる積層構造を有し,
    前記セパレータは,前記膜−電極アセンブリに密着される密着部分と,前記膜−電極アセンブリから離隔された離隔部分とにより構成される通路を備え,
    前記離隔部分の高さに対する幅の比(幅/高さ)は,0.6〜0.8範囲内であり,
    前記離隔部分の幅は,0.9〜1.1mmであり,
    前記密着部分の幅に対する前記離隔部分の幅の比は,1.1〜1.3範囲内であり,
    前記離隔部分の設置数は,3個であることを特徴とする,燃料電池システム
  3. 水素を含有した燃料を供給する燃料供給部と;
    酸素を含有した空気を供給する空気供給部と;
    前記燃料供給部から供給される水素と,前記空気供給部から供給される酸素とを電気化学的に反応させて,電気エネルギーを発生するスタックと;
    を備え,
    前記スタックは,膜−電極アセンブリと,前記膜−電極アセンブリの両側面に配置されたセパレータとからなる積層構造を有し,
    前記セパレータは,前記膜−電極アセンブリに密着される密着部分と,前記膜−電極アセンブリから離隔された離隔部分とにより構成される通路を備え,
    前記離隔部分の高さに対する幅の比(幅/高さ)は,0.6〜0.8範囲内であり,
    前記離隔部分の幅は,1.1〜1.3mmであり,
    前記密着部分の幅に対する前記離隔部分の幅の比は,0.7〜0.9範囲内であり,
    前記離隔部分の設置数は,5個であることを特徴とする,燃料電池システム。
  4. 水素を含有した燃料を供給する燃料供給部と;
    酸素を含有した空気を供給する空気供給部と;
    前記燃料供給部から供給される水素と,前記空気供給部から供給される酸素とを電気化学的に反応させて,電気エネルギーを発生するスタックと;
    を備え,
    前記スタックは,膜−電極アセンブリと,前記膜−電極アセンブリの両側面に配置されたセパレータとからなる積層構造を有し,
    前記セパレータは,前記膜−電極アセンブリに密着される密着部分と,前記膜−電極アセンブリから離隔された離隔部分とにより構成される通路を備え,
    前記離隔部分の高さに対する幅の比(幅/高さ)は,0.6〜0.8範囲内であり,
    前記離隔部分の幅は,1.1〜1.3mmであり,
    前記密着部分の幅に対する前記離隔部分の幅の比は,1.1〜1.3範囲内であり,
    前記離隔部分の設置数は,4個であることを特徴とする,燃料電池システム。
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