JP2007179900A - 燃料電池システム及び燃料電池積層体 - Google Patents

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Abstract

【課題】発電に寄与する燃料電池セルの劣化を防止することを目的とした燃料電池システム及び燃料電池積層体を提供する。
【解決手段】燃料電池積層体システムの発電停止時において、大気から拡散してくる酸素を吸着又は消費する犠牲酸化材料を設けることにより、発電する燃料電池積層体への酸素の拡散を防ぎ、発電する燃料電池セルの劣化を防止する。
【選択図】図1

Description

本発明は、犠牲酸化材料を有する燃料電池システム及び燃料電池積層体に関する。
環境問題や資源問題への対策の一つとして、酸素や空気等の酸化性ガスと、水素やメタン等の還元性ガス(燃料ガス)あるいはメタノール等の液体燃料等とを原料として電気化学反応により化学エネルギーを電気エネルギーに変換して発電する燃料電池が注目されている。一般的に、固体高分子電解質型燃料電池は、膜−電極アッセンブリ(MEA:Membrane-Electrode Assembly)とセパレータとを積層したものから構成される。膜−電極アッセンブリは高分子イオン交換膜からなる高分子電解質膜の両側に、それぞれアノード極(燃料極)及びカソード極(空気極)を対設した構造をとる。
一般的にアノード極及びカソード極は、白金等の金属触媒等をカーボンブラック等に担持した電極触媒を上記高分子電解質膜と同種又は異種のイオン交換樹脂で被覆された触媒層からなる。
固体高分子型燃料電池の発電時では、アノード極側では、水素ガスを燃料ガス(アノードガス)として供給し、水素イオンと電子にする反応が行われ、水素イオンは電解質膜中をカソード極側に移動し、電子は外部回路を通じてカソード極に到達する。カソード極側では、酸素ガスあるいは空気を酸化性ガス(カソードガス)として供給し、水素イオン、電子及び酸素が反応して水を生成する反応が行われる。しかし発電停止時においては、大気中から燃料電池内に酸素が拡散し、燃料電池内の電極が異常電位となって、電極を酸化し消失する問題がある。一般的にこの現象は、カソード極側で起こりやすく、以下その一例を説明する。
図3に、燃料電池システム1の積層面方向から見た燃料電池内部におけるカソードガス流路パターンの一例を示し、図3(イ)に燃料電池システム1の発電中におけるカソードガスの流れ、図3(ロ)に燃料電池システム1の発電停止時における大気からの酸素拡散の一例を示している。図3(イ)のように、燃料電池システム1の発電中において、カソードガス供給管から送られるカソードガスが、カソードガス連通孔32aを通して、燃料電池システム1の各燃料電池セルのカソード極に供給される。カソード極中のカソードガスは、カソードガス供給路24を通り、カソードガス連通孔32bを経由して、カソードガス排出管から大気へ放出される。しかし燃料電池システム1の発電停止中においては、通常カソードガス供給管および排出管は、少なくともどちらか一方が大気と連通しているため、例えば図3(ロ)のように、大気中からカソードガス排出管へ拡散してくる酸素が、カソードガス連通孔32bを通り、カソード極へ拡散してくると、カソード極に過電圧が生じカソード極の触媒層が酸化され消失する問題がある。特にカソードガス連通孔32の入り口側(図3(イ)の斜線部)にあるカソード極の触媒層において顕著である。
そこで、特許文献1には、燃料電池システム停止後、触媒を強制空冷し、触媒が冷却された時点で触媒に不活性ガスを供給することにより、水素や酸素をパージすることによって、外気の拡散を抑え触媒の溶出を防止するものが提案されている。
また、特許文献2には、カーボン材料等からなる導電性担体に白金等からなる触媒金属微粒子を担持した電極触媒と、電解質膜とを含む触媒担持電極において、触媒利用率の異なる二つ以上の電極触媒の混合物からなる電極触媒を設けることによって、触媒利用率の低い電極触媒の犠牲的腐食効果によって、触媒利用率の高い電極触媒の腐食を回避しているものが提案されている。
また、特許文献3には、カソード極に存在する触媒元素よりもイオン化傾向の高い犠牲腐食部をカソード極と電気的に結合させ、優先的に犠牲腐食部を溶出させることによりカソード極の耐久性を向上させる提案がされている。
特開平2−132767号公報 特開2005−190712号公報 特開2005−38716号公報
しかし、特許文献1では燃料電池システムの長期停止において、大気と連通するカソードガス配管部からの酸素の拡散を防止しきれず、また燃料電池システム自体が大型化してしまう問題がある。
また、特許文献2においては、犠牲的腐食効果を有する電極触媒が各電極全体に混合されていることにより、燃料電池システム停止中に拡散してくる酸素を、発電しているセル内に取り込むことになるため、効果的に腐食を防止することができない。
また、特許文献3も同様に、拡散してくる酸素を発電しているセルに取り込むことになるため、効果的に腐食を防止することができない。
本発明は、上記燃料電池積層体の発電停止中において、原料配管部から酸素が拡散してきた際に、発電する燃料電池積層体への酸素の拡散を防ぎ、発電する燃料電池セルの劣化を防止する燃料電池システム及び燃料電池積層体を提供する。
本発明は、電解質膜の両側に少なくとも一対の電極を設けた膜−電極アッセンブリを有し、前記膜−電極アッセンブリがセパレータにより挟持される燃料電池セルを少なくとも1層積層した燃料電池積層体と、前記電極に原料ガスを供給及び排出する原料配管部とを有する燃料電池システムであって、燃料電池システムは犠牲酸化材料を備え、前記犠牲酸化材料が、発電停止時に大気から前記原料配管部を通して拡散してくる酸素を吸着または消費して、前記燃料電池セルへの前記酸素の拡散を防止する。
また、前記燃料電池システムであって、前記犠牲酸化材料が発電に寄与しないことが好ましい。
また、前記燃料電池システムであって、前記原料配管部はカソードガス配管部及びアノードガス配管部を有しており、前記犠牲酸化材料は少なくともカソードガス配管部に設けられることが好ましい。
また、前記記載の燃料電池システムであって、前記燃料電池積層体の積層方向の端部であって、原料ガス出入り側に犠牲セルを有し、前記犠牲酸化材料は前記犠牲セルに設けられていることが好ましい。
また、前記燃料電池システムであって、前記犠牲酸化材料が、前記犠牲酸化材料の酸化を促す触媒と共に設けられることが好ましい。
また、本発明は、電解質膜の両側に少なくとも一対の電極を設けた膜−電極アッセンブリを有し、前記膜−電極アッセンブリがセパレータにより挟持される燃料電池セルを少なくとも1層積層した燃料電池積層体であって、前記燃料電池積層体は犠牲酸化材料を備え、前記燃料電池積層体の積層方向の端部であって、原料ガス出入り側に前記犠牲セルを有し、前記犠牲酸化材料は犠牲セルに設けられている。
本発明に係る燃料電池システム及び燃料電池積層体では、発電に寄与しない犠牲酸化材料が、燃料電池積層体の発電停止中に原料配管部を通して大気から拡散してくる酸素を吸着あるいは消費することにより、発電する燃料電池積層体への酸素の拡散を防ぎ、発電する燃料電池セルの劣化を防止することが出来る。
本発明の実施の形態について以下説明する。
図1は、本実施形態に係る燃料電池システムの構成の一例を示す。図1に示すように燃料電池システム1は、燃料電池積層部3aと犠牲セル積層部4とを備える燃料電池積層体2と、原料配管部26とを有する。
原料配管部26としては、アノードガス供給管27a及びアノードガス排出管27bとそれらに連結されたアノードガス連通孔31a,31bとを備えるアノードガス配管部と、カソードガス供給管28a及びカソードガス排出管28bとそれらに連結されたカソードガス連通孔32a,32bとを備えるカソードガス配管部と、を有する。原料配管部26として、図1では、アノードガス供給管27a、カソードガス供給管28a、アノードガス排出管27b及びカソードガス排出管28bを示し、前述した図3では、アノードガス連通孔31a,31b及びカソードガス連通孔32a,32bを示している。
本実施形態に係る燃料電池システムにおける原料配管部の接続経路を図1及び図3において説明する。図1のアノードガス供給管27aは、図3(イ)のアノードガス連通孔31aに接続され、アノードガス連通孔31aは各燃料電池セルのアノードガス供給路へ(図3においては、図示せず)接続され、アノードガス供給路からアノードガス連通孔31bに接続され、アノードガス連通孔31bはアノードガス排出管27bに接続されている。一方、図1のカソードガス供給管28aは、図3(イ)のカソードガス連通孔32aに接続され、カソードガス連通孔32aは各燃料電池セルのカソードガス供給路24へ接続され、カソードガス供給路24からカソードガス連通孔32bに接続され、カソードガス連通孔32bはカソードガス排出管28bへ接続されている。
本実施形態に係る燃料電池システムの発電時のガスの流れを図1及び図3を用いて説明する。水素タンク等から供給されるアノードガスは、図1に示すアノードガス供給管27aを通り、アノードガス供給管27aに連結した図3に示すアノードガス連通孔31aを経由して、燃料電池積層体2中の各燃料電池セルのアノード極に供給される。アノード極中のアノードガスは、アノードガス供給路を通り(図3においては、図示せず)、アノードガス連通孔31bを経由してアノードガス排出管27bから燃料電池積層体2の外に排出される。一方、エアコンプレッサから供給されるカソードガスは、図1に示すカソードガス供給管28aを通り、図3に示すように、カソードガス供給管28aに連結したカソードガス連通孔32aを経由して、燃料電池積層体2中の各燃料電池セルのカソード極に供給される。カソード極中のカソードガスは、カソードガス供給路24を通り、カソードガス連通孔32bを経由して、カソードガス排出管28bから大気へ放出される。
燃料電池積層部3aとしては、図2に示す燃料電池セル5を少なくとも1層以上積層したものからなる。また犠牲セル積層部4は図2に示す犠牲セル6を少なくとも1層以上積層したものからなり、発電に寄与しない。図1に示すように犠牲セル積層部4は燃料電池積層体2の積層方向の端部であって、原料ガス出入り側に設けられている。これによる効果を、本実施形態に係る燃料電池システムの発電停止時における、大気からの酸素拡散を一例として以下説明する。
アノードガス供給管27aとアノードガス排出管27bは、発電停止時には通常、循環した系として閉じており、大気とは通じていない。これは、アノードガスが引火性の高い水素ガスを用いているからである。一方、カソードガス供給管28aはエアコンプレッサ等により、封止された状態に近い。またカソードガス排出管28bは、カソードガス及び発電の際に生成した水を排出し、停止中は封止されず大気と連通している。この場合、図1のカソードガス排出管28bから酸素が拡散し、図3(ロ)のようにカソードガス排出管28bと連結しているカソードガス連通孔32bを経由して、図1に示す燃料電池積層体2内部に拡散する。しかし本実施形態に係る燃料電池システムにおいて、犠牲セル積層部4が燃料電池積層体2の積層方向の端部であって、原料ガス出入り側に設けられているため、犠牲セル積層部4中の各犠牲セル内に酸素が取り込まれることになる。また大気から拡散してくる酸素は微量であるため、犠牲セル積層部4の犠牲セルは少なくとも1層設けることにより、発電する燃料電池積層部3aへの拡散を防止することが出来る。
図2に示すように、燃料電池セル5は、電解質膜10a、アノード極12、カソード極14、拡散層16、セパレータ18により構成される。
燃料電池セル5は、電解質膜10aの一方の表面に第1触媒層であるアノード極12が、もう一方の表面に第2触媒層であるカソード極14が電解質膜10aを挟んでそれぞれ対向するように形成された燃料電池用接合体である膜−電極アッセンブリ20(MEA:Membrane-Electrode Assembly)と、膜−電極アッセンブリ20を挟んで両面に設けられた拡散層16と、拡散層16の両外側を挟持する櫛型状のセパレータ18とを備える。櫛型状のセパレータ18の空洞部は、アノード極12及びカソード極14にそれぞれ水素ガス、空気等の原料を供給するためのアノードガス供給路22、カソードガス供給路24となっている。
図2に示すように犠牲セル6は、電解質膜10b、犠牲酸化材料層30a,30b、拡散層16、セパレータ18により構成される。犠牲セル6は犠牲酸化材料を備えていれば構造上特に制限されるものではないが、発電に寄与しなければ図2の燃料電池セル5と同様の構造が好ましい。燃料電池セル5と同様の構造とすることで、犠牲セルの製造が容易となり、燃料電池システム1の製造コストを抑えることが出来る。
犠牲セル6において、燃料電池セル5のアノード極12およびカソード極14の代わりにそれぞれ犠牲酸化材料層30a,30bを、電解質膜10bを挟んでそれぞれ対向するように形成し、以後、前記記載の燃料電池セル5と同様の構造とする。また他の犠牲セルの構造としては、発電に寄与しないため、集電体として外部回路に接続する拡散層16を備えなくてもよいし、さらには犠牲酸化材料層30のみを備えるものでもよい。
燃料電池セル5に用いられる電解質膜10a、犠牲セル6に用いられる電解質膜10bとしては、特に制限はないが、パーフルオロスルホン酸系や炭化水素系等の固体高分子電解質膜が好ましい。具体的には、ジャパンゴアテックス(株)のゴアセレクト(Goreselect、登録商標)、デュポン社(Du Pont社)のナフィオン(Nafion、登録商標)、旭化成(株)のアシプレックス(Aciplex、登録商標)、旭硝子(株)のフレミオン(Flemion、登録商標)等のパーフルオロスルホン酸系固体高分子電解質膜を使用することが出来る。発電に寄与しない犠牲セル6に用いられる電解質膜10bの膜厚は、カソードガス配管部から拡散してくる酸素の消費を促進させるために、燃料電池セル5に用いられる電解質膜10aの膜厚より薄くしてもよい。
アノード極12、カソード極14は白金(Pt)等を担持したカーボン等の触媒担持粒子とナフィオン(登録商標)等の固体高分子電解質とを含む電極触媒である。
一方、犠牲酸化材料層30a、30bに使用する犠牲酸化材料は、酸素を吸着又は消費するために用いられるため、酸素吸着能力あるいは酸素消費能力を有し、さらに十分な比表面積を有していればよく、特に制限されるものではないが、カーボン材料等であるのが好ましい。カーボン材料としては例えば、アセチレンブラック、ファーネスブラック、チャンネルブラック、サーマルブラックなどのカーボンブラックや活性炭などが好ましい。
また犠牲酸化材料層30a、30bには、犠牲酸化材料の酸化を促す触媒を犠牲酸化材料と共に用いてもよい。単に犠牲酸化材料と触媒を混合して用いてもよいが、犠牲酸化材料を効率的に酸化させるために、犠牲酸化材料に触媒を担持させる形態が好ましい。触媒は、犠牲酸化材料の酸化を促す触媒であれば特に制限されるものではないが、白金または白金合金であることが好ましい。
また通常カソードガス配管部から酸素が拡散してくる場合、カソード極14に対応する犠牲酸化材料層30bで酸素を消費することが出来ればよいため、アノード極12に対応する犠牲酸化材料層30aに触媒を用いなくてもよい。これにより、白金触媒等の高価な材料の使用量を減らすことが出来るため、製造コストの低減を図ることが出来る。あるいは、犠牲セル積層部4において、原料ガス出入り側端部の少なくとも1層以上の犠牲セル6に用いられる犠牲酸化材料層30bの触媒量を燃料電池積層部3aの燃料電池セル5に用いられるアノード極12及びカソード極14の触媒量より多くしてもよい。これにより犠牲セル6の一層当たりの大気から拡散してくる酸素の消費量を上げることが出来るため、燃料電池システム1の積層体の長さを抑えることが出来る。
アノード極12、カソード極14は、例えば電極触媒をナフィオン(登録商標)等の溶媒に分散させたインクを用いて、湿式塗布により電解質膜10a上あるいは拡散層16上に形成し、塗布膜形成後、アノード極12、カソード極14を電解質膜10aあるいは拡散層16上に形成した後、加熱、圧着して、アノード極12、カソード極14と電解質膜10aあるいは拡散層16との接合面を強固にして定着させる。犠牲酸化材料層30a、30bも、例えば犠牲酸化材料あるいは触媒を担持した犠牲酸化材料を前記溶媒に分散させたインクを用いて、上記同様に作製することが出来る。
拡散層16としては、導電性が高く、燃料及び空気等の原料の拡散性が高い材料であれば特に制限はないが、多孔質導電体材料であることが好ましい。導電性の高い材料としては、例えば、金属板、金属フィルム、導電性高分子、カーボン材料等が挙げられ、カーボンクロス、カーボンペーパ、ガラス状カーボン等のカーボン材料が好ましく、カーボンクロス、カーボンペーパ等の多孔質カーボン材料であることがより好ましい。
また、拡散層16は、拡散層16の撥水性の向上のために、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等の撥水性樹脂と、電子伝導性を有する、例えばカーボンブラック等との混合溶液である撥水ペーストにより撥水処理がされてもよい。
セパレータ18は、耐食処理が施された金属板または焼成カーボン等のカーボン系材料等で構成され、櫛形形状である。櫛型形状のセパレータ18の空洞部は、アノード極12及びカソード極14にそれぞれアノードガス、カソードガス等の原料を供給するためのアノードガス供給路22、カソードガス供給路24となっている。例えば、犠牲セル6においては、カソードガス排出管28bから拡散してきた酸素を犠牲セル6内に拡散しやすいように、犠牲セル6のカソードガス供給路24の入り口の直径を、燃料電池セル5のカソードガス供給路24の入り口の直径より大きくしてもよい。
このようにして製造された燃料電池セル5において、アノード極12側の拡散層(集電体)16とカソード極14側の拡散層(集電体)16とを外部回路に電気的に接続し、アノード極12及びカソード極14にそれぞれ原料を供給して運転すれば、電池として機能させることが出来る。少なくとも燃料電池セル5は、1層以上設け、燃料電池積層部3aとする。一方、犠牲セル6は、犠牲酸化材料層30a側の拡散層(集電体)16と犠牲酸化材料層30b側の拡散層(集電体)16を外部回路に電気的に接続することなく、燃料電池積層部3aの積層方向の端部であって、原料ガス出入り側端部に設けられていることにより、カソードガス配管部から拡散する酸素を犠牲セル6に取り込み、発電する燃料電池セル5に流れ込むことを防止することが出来る。少なくとも犠牲セル6は、1層以上、好ましくは5層〜10層設け、犠牲セル積層部4とする。犠牲セル積層部4において、発電時の犠牲セル6へのガス流入を減らすため、適当な圧損を設けてもよいし、発電時のガスは完全に流れないようにしてもよい。これにより、発電に寄与する燃料電池セル5への原料ガス量を確保することが出来る。
本発明に係る他の実施形態について以下に説明する。
図4は、本発明の他の実施形態に係る燃料電池システムの構成の一例を示す。燃料電池システム7は燃料電池積層部3bと犠牲酸化材料部34及び原料配管部26とを備える。原料配管部26としては前記燃料電池システム1の原料配管部と同様に、原料ガス供給管及び排出管と、それらに連結された原料ガス連通孔を備える。図4には、原料配管部26としてカソードガス供給管28a及びカソードガス排出管28bを示している(アノードガス供給管及び排出管は図示せず)。原料配管部26の接続経路及び原料ガス流路は前記燃料電池システム1と同様とする。
また犠牲酸化材料部34は、カソードガス出入り側端部の少なくとも一部に、例えば犠牲酸化材料あるいは触媒を担持した犠牲酸化材料を溶媒に分散させたインクを用いて塗工することにより形成することが出来る。犠牲酸化材料部34はカソードガス配管部に形成されていることが好ましいが、酸素を吸着又は消費するためであれば、図4に示したカソードガス排出管28b、大気に近い側のカソードガス連通孔(図示せず)に塗工したものでもよいし、両方に塗工したものであってもよい。
燃料電池システム7を構成する燃料電池積層部3bは前記燃料電池システム1を構成する燃料電池積層部3aと同様の構造とし、また犠牲酸化材料部34に用いられる犠牲酸化材料あるいは触媒を担持した犠牲酸化材料等を溶媒に分散させたインクも、前記燃料電池システム1を構成する犠牲酸化材料層30a,30bに用いられるインクと同様のインクとすることが出来る。
このようにして製造された燃料電池システム7は、図1のような犠牲セル積層部4が存在する場合に比べて、積層体の長さを抑えることが出来る。
以上のような本発明の実施形態に係る燃料電池システムにより、発電に寄与しない犠牲酸化材料が、燃料電池積層体の発電停止中に原料配管部を通して大気から拡散してくる酸素を吸着あるいは消費することにより、発電する燃料電池積層体への酸素の拡散を防ぎ、発電する燃料電池セルの劣化を防止することが出来る。特に燃料電池積層体の発電停止中において、カソードガス排出管から酸素が拡散してきた際に、発電に寄与するカソード極の触媒層の酸化を防止することが出来る。
上記これらの実施形態に係る燃料電池システム及び燃料電池積層体は、例えば、携帯電話、携帯用パソコン等のモバイル機器用小型電源、自動車用電源、家庭用電源等として用いることが出来る。
例えば以下のように、犠牲セルを備える燃料電池システムを作成することが出来る。
犠牲酸化材料として触媒を担持した白金担持カーボンと、パーフルオロスルホン酸系の高分子等の溶媒と、を混合して、インクを作製する。電解質膜としてパーフルオロスルホン酸系の固体高分子電解質膜等を使用し、上記インクを固体高分子電解質膜上に塗布し、ロールプレス機を用いて定着させる。次いで両側に拡散層として、金属板等を挟み、さらにセパレータとして櫛型状の金属板等を挟んで犠牲セルを作製する。燃料電池セルも上記犠牲セルと同様に作製する。例えば総積数層210セル(燃料電池セル:200セル、犠牲セル:10セル)として、燃料電池積層体の端部であって、カソードガス出入り側端部に発電に寄与しない犠牲セルを設ける。このように作製した燃料電池積層体に原料配管部を取り付け、燃料電池システムとすることが出来る。
本発明の実施形態に係る燃料電池システムの構成の一例を示す概略図である。 本発明の実施形態に係る燃料電池積層体の構成の一例を示す概略図である。 燃料電池システムの積層方向から見た燃料電池内部におけるカソードガス流路パターンの一例である。(イ)燃料電池システムの発電中におけるカソードガスの流れである。(ロ)燃料電池システムの発電停止時おけるカソードガスの流れである。 本発明の他の実施形態に係る燃料電池システムの構成の一例を示す概略図である。
符号の説明
1,7 燃料電池システム、2 燃料電池積層体、3a,3b 燃料電池積層部、4 犠牲セル積層部、5 燃料電池セル、6 犠牲セル、10a,10b 電解質膜、12 アノード極、14 カソード極、16 拡散層、18 セパレータ、20 膜−電極アッセンブリ(MEA)、22 アノードガス供給路、24 カソードガス供給路、26 原料配管部、27a アノードガス供給管、27b アノードガス排出管、28a カソードガス供給管、28b カソードガス排出管、30a,30b 犠牲酸化材料層、31a,31b アノードガス連通孔、32a,32b カソードガス連通孔、34 犠牲酸化材料部。

Claims (6)

  1. 電解質膜の両側に少なくとも一対の電極を設けた膜−電極アッセンブリを有し、前記膜−電極アッセンブリがセパレータにより挟持される燃料電池セルを少なくとも1層積層した燃料電池積層体と、前記電極に原料ガスを供給及び排出する原料配管部とを有する燃料電池システムであって、
    前記燃料電池システムは犠牲酸化材料を備え、
    前記犠牲酸化材料が、発電停止時に大気から前記原料配管部を通して拡散してくる酸素を吸着または消費して、前記燃料電池セルへの前記酸素の拡散を防止することを特徴とする燃料電池システム。
  2. 請求項1に記載の燃料電池システムであって、前記犠牲酸化材料が発電に寄与しないことを特徴とする燃料電池システム。
  3. 請求項1または2に記載の燃料電池システムであって、前記原料配管部はカソードガス配管部及びアノードガス配管部を有しており、前記犠牲酸化材料は少なくともカソードガス配管部に設けられることを特徴とする燃料電池システム。
  4. 請求項1または2に記載の燃料電池システムであって、前記燃料電池積層体の積層方向の端部であって、原料ガス出入り側に犠牲セルを有し、前記犠牲酸化材料は前記犠牲セルに設けられていることを特徴とする燃料電池システム。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の燃料電池システムであって、前記犠牲酸化材料が、前記犠牲酸化材料の酸化を促す触媒と共に設けられることを特徴とする燃料電池システム。
  6. 電解質膜の両側に少なくとも一対の電極を設けた膜−電極アッセンブリを有し、前記膜−電極アッセンブリがセパレータにより挟持される燃料電池セルを少なくとも1層積層した燃料電池積層体であって、
    前記燃料電池積層体は犠牲酸化材料を備え、
    前記燃料電池積層体の積層方向の端部であって、原料ガス出入り側に犠牲セルを有し、前記犠牲酸化材料は前記犠牲セルに設けられていることを特徴とする燃料電池積層体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2011044351A (ja) * 2009-08-21 2011-03-03 Toyota Motor Corp 燃料電池スタック
JP2013257959A (ja) * 2012-06-11 2013-12-26 Honda Motor Co Ltd 燃料電池システム

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