JP2008171783A - 燃料電池セル及び燃料電池スタック - Google Patents

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Abstract

【課題】部品点数や製造工程の増加を抑制しつつ、アノード電極とカソード電極との間に圧力差が生じる環境においても、固体高分子電解質膜の破損が生じ難い燃料電池セル、及び燃料電池スタックを提供すること。
【解決手段】本発明によれば、固体高分子電解質膜を支持する第1及び第2支持部材における一方が、他方に比べて固体高分子電解質膜の面方向の内側方向に長く延びていると共に、固体高分子電解質膜の面方向の内側方向に長く延びている方の支持部材と、固体高分子電解質膜における他方の支持部材が当接する側に配置されるアノード電極又はカソード電極の電極縁端とが、固体高分子電解質膜を介して重なるように構成されている。よって、かかる部分における固体高分子電解質膜は支持部材によって補強されるので、アノード電極側及びカソード電極側からの加圧のいずれに対しても、固体高分子電解質膜に対するせん断応力の発生を防止できる。
【選択図】図2

Description

本発明は、固体高分子型の燃料電池セル及び燃料電池スタックに関し、特に、固体高分子電解質膜の破損が生じ難い燃料電池セル及びそのような燃料電池セルから構成される燃料電池スタックに関するものである。
固体高分子型燃料電池の単位セルは、アノード電極(燃料極)とカソード電極(酸化剤極)との間に固体高分子電解質膜を挟持した構成を有し、アノード電極へ供給される燃料ガス(例えば、水素)とカソード電極へ供給される酸化剤ガス(例えば、空気)とを電気化学的に反応させて電気を発生させる。
かかる固体高分子型燃料電池のアノード電極へ供給される燃料ガスは、一般的に高圧の状態で供給されるので、アノード電極は加圧運転にされることが多い。その結果、アノード電極とカソード電極との間に圧力差が生じると、これら一対の電極の間に介在される固体高分子電解質膜は、かかる圧力差によって荷重を受ける。
多くの場合、アノード電極及びカソード電極は、固体高分子電解質膜の面積より小さく構成されており、アノード電極及びカソード電極の外周が、固体高分子電解質膜の外周より面方向の内側になるように配置されている。よって、固体高分子電解質膜における一対の電極の端部付近は、アノード電極とカソード電極との間に生じた圧力差により荷重を受けると、その荷重によって発生するせん断応力により破損しやすい箇所の一つである。
固体高分子電解質膜が破損すると、燃料ガス及び酸化剤ガスのクロスリークが生じて電池性能が低下するばかりか、場合によっては、燃料ガスと酸化剤ガスとが直接混合して爆鳴気となって燃焼し、爆発による電池の破損事故が発生する可能性もある。
そこで、固体高分子電解質膜の破損を防ぐ技術として、固体高分子電解質膜が破損し易い箇所に保護膜を重ねる技術(例えば、特許文献1)や、電極端部やガスケットなどの端面を面取り加工し、せん断応力によって固体高分子電解質膜がこれらの端面から受ける負荷を軽減する技術(例えば、特許文献2)が提案されている。
特開平5−21077号公報 特開2002−329504号公報
しかしながら、特許文献1や特許文献2によって提案されている技術は、部品点数の増加や製造工程の増加を伴うものであるために、製造コストが増大するなどの問題点があった。
本発明は、上述した問題点を解決するためになされたものであり、部品点数の増加や製造工程の増加を抑制しつつ、アノード電極とカソード電極との間に圧力差が生じる環境においても、固体高分子電解質膜の破損が生じ難い燃料電池セル、及びそのような燃料電池セルから構成される燃料電池スタックを提供することを目的としている。
この目的を達成するために、請求項1記載の燃料電池セルは、固体高分子電解質膜と、その固体高分子電解質膜の面積より小さい面積を有し、前記固体高分子電解質膜の一方の面に、電極縁端が前記固体高分子電解質膜の縁端部の面方向の内側となるように配置されたアノード電極と、そのアノード電極と対をなす電極であって、前記固体高分子電解質膜の面積より小さい面積を有し、前記固体高分子電解質膜の他方の面に、電極縁端が前記固体高分子電解質膜の縁端部の面方向の内側となるように配置されたカソード電極と、前記アノード電極における前記固体高分子電解質膜とは反対側の面に配置され、前記アノード電極へ燃料ガスを供給する燃料ガス流路を形成可能な凹部を前記アノード電極側の面に有する導電性のアノード側セパレータと、前記カソード電極における前記固体高分子電解質膜とは反対側の面に配置されて、前記アノード側セパレータと一対で前記固体高分子電解質膜の周縁を介装するセパレータであって、前記カソード電極へ酸化剤ガスを供給する酸化剤ガス流路を形成可能な凹部を前記カソード電極側の面に有する導電性のカソード側セパレータと、前記アノード側セパレータに一体化又は装着された部材であって、前記固体高分子電解質膜における前記アノード電極の電極縁端より面方向の外側にて前記固体高分子電解質膜に当接する第1支持部材と、前記カソード側セパレータに一体化又は装着された部材であって、前記固体高分子電解質膜における前記カソード電極の電極縁端より面方向の外側にて前記固体高分子電解質膜に当接し、前記第1支持部材と一対で前記固体高分子電解質膜を挟んで支持する第2支持部材とを備え、前記第1支持部材及び前記第2支持部材における一方の支持部材は、他方の支持部材に比べて前記固体高分子電解質膜の面方向の内側方向に長く延びており、前記他方の支持部材に比べて前記固体高分子電解質膜の面方向の内側方向に長く延びている前記一方の支持部材と、前記固体高分子電解質膜に対して前記一方の支持部材の反対側に位置する前記アノード電極又は前記カソード電極の電極縁端とが、前記固体高分子電解質膜を介して重なっている。
請求項2記載の燃料電池セルは、請求項1記載の燃料電池セルにおいて、前記アノード電極及び前記カソード電極は、前記固体高分子電解質膜に当接する触媒層を有し、前記アノード電極及び前記カソード電極の触媒層は、前記固体高分子電解質膜における前記固体高分子電解質膜の面方向の内側方向により長く延びた方の支持部材を避けた領域内に配置可能な略同一の大きさに構成されて重ねられている。
請求項3記載の燃料電池セルは、請求項1又は2に記載の燃料電池セルにおいて、前記アノード電極及び前記カソード電極は、いずれも、前記固体高分子電解質膜に当接する触媒層を有する板状の多孔体であり、それぞれ、前記アノード側セパレータ及び前記カソード側セパレータの凹部に収容されて各凹部の底面と前記固体高分子電解質膜との間に挟持されて、前記触媒層が前記固体高分子電解質膜に当接されるものであり、前記燃料ガス流路及び前記酸化剤ガス流路の少なくとも一部は、前記多孔体の空孔によって構成されている。
請求項4記載の燃料電池スタックは、請求項1から3のいずれかに記載の燃料電池セルを複数備え、前記複数のセルを電気的に直列接続することによって構成される。
請求項1記載の燃料電池セルによれば、固体高分子電解質膜と、その固体高分子電解質膜の片面に配置されたアノード電極と、他方の面に配置されたカソード電極と、アノード電極における固体高分子電解質膜とは反対側の面に配置され、アノード電極へ燃料ガスを供給する燃料ガス流路を形成可能な凹部を有する導電性のアノード側セパレータと、カソード電極における固体高分子電解質膜とは反対側の面に配置されて、カソード電極へ酸化剤ガスを供給する酸化剤ガス流路を形成可能な凹部をカソード電極側の面に有する導電性のカソード側セパレータとから構成されており、アノード電極へ供給される燃料ガスとカソード電極へ供給される酸化剤ガスとを電気化学的に反応させて電気を発生させることができる。
なお、アノード電極及びカソード電極は、いずれも、固体高分子電解質膜の面積より小さい面積に構成され、その電極縁端が固体高分子電解質膜の縁端部の面方向の内側となるように配置されており、固体高分子電解質膜の周縁は、アノード側セパレータとカソード側セパレータとの間に介装されれている。
ここで、アノード側セパレータには、第1支持部材が、該アノード側セパレータに一体化又は装着されており、一方で、カソード側セパレータには、第2支持部材が、該カソード側セパレータに一体化又は装着されている。そして、固体高分子電解質膜は、アノード電極又はカソード電極の電極端縁より面方向の外側において、これらの第1支持部材と第2支持部材によって挟持されて支持されている。
このとき、これらの第1支持部材及び第2支持部材における一方の支持部材が、他方の支持部材に比べて固体高分子電解質膜の面方向の内側方向に長く延びていると共に、そのように固体高分子電解質膜の面方向の内側方向に長く延びている方の支持部材と、固体高分子電解質膜における他方の支持部材が当接する側(即ち、固体高分子電解質膜に対して反対側)に配置されるアノード電極又はカソード電極の電極縁端とが、固体高分子電解質膜を介して重なるように構成されている。例えば、第1支持部材が固体高分子電解質膜の面方向の内側方向に長く延びている方の支持部材であった場合には、カソード電極の電極縁端が、固体高分子電解質膜を介して、第1支持部材に重なっている。
よって、アノード電極とカソード電極との間の圧力差によって発生するせん断応力により固体高分子電解質膜が破損し易い位置のうち、少なくとも、固体高分子電解質膜を介して第1又は第2支持部材と重なっている電極縁端については、支持部材によって固体高分子電解質膜が補強されるので、アノード電極側からの加圧及びカソード電極側からの加圧のいずれに対しても、固体高分子電解質膜に対するせん断応力の発生を防止することができる。その結果、固体高分子電解質膜が破損し難くなるという効果がある。即ち、別途保護膜を配設したり電極縁端を面取りしたりなど、部品点数の増加や製造工程の増加を特に伴わずとも、固体高分子電解質膜が破損し難い燃料電池セルを提供することができるという効果がある。
なお、請求項1において、「ガス流路(燃料ガス流路又は酸化剤ガス流路)を形成可能な凹部」は、凹部自体がガス流路を形成することに限定されず、凹部とその凹部の内部にガス流路として採用可能な部材(例えば、空孔をガス流路として使用できる多孔体など)とによってガス流路を形成することができる場合も含むことを意図している。
請求項2記載の燃料電池セルによれば、請求項1記載の燃料電池セルの奏する効果に加えて、次の効果を奏する。アノード電極及びカソード電極は、固体高分子電解質膜に当接する触媒層を有しており、これらの触媒層は、固体高分子電解質膜における、固体高分子電解質膜の面方向の内側方向により長く延びた方の支持部材を避けた領域内に配置可能な略同一の大きさに構成されて重ねられている。
固体高分子電解質において支持部材と重なる箇所は、支持部材が障害となって燃料ガスと酸化剤ガスとの電気化学反応が阻害されるために、かかる箇所に触媒層を設けたとしても、その触媒層は殆ど機能せず無駄となる。一般的に、触媒層は、プラチナなどの高価な貴金属材料を使用しているので、固体高分子電解質膜の面方向の内側方向により長く延びた方の支持部材を避けた領域、即ち、第1支持部材も第2支持部材も配置されていない領域のみに触媒層を配置することによって、貴金属の使用量を無駄に増大させることを抑制し、製造コストを有効に抑制することができるという効果がある。
請求項3記載の燃料電池セルによれば、請求項1又は2に記載の燃料電池セルの奏する効果に加えて、次の効果を奏する。アノード電極及びカソード電極は、いずれも、固体高分子電解質膜に当接する触媒層を有する板状の多孔体であり、この多孔体の空孔が、燃料ガス流路及び酸化剤ガス流路の少なくとも一部として構成されるので、気体流路が別途設けられているセパレータ(アノード側セパレータ及びカソード側セパレータ)を採用する必要がないので、セルの薄型化を図ることができるという効果がある。
請求項4記載の燃料電池スタックによれば、請求項1から3のいずれかに記載の燃料電池セルが電気的に直列接続されて構成されているので、請求項1から3のいずれかに記載の燃料電池セルが奏する効果と同様の効果を奏する。
以下、本発明の好ましい実施形態について添付図面を参照して説明する。図1は、本発明の第1実施形態における燃料電池セル10を有する燃料電池スタック50を模式的に示す斜視図である。図1に示すように、燃料電池スタック50は、後述する燃料電池セル10の複数個が矢印X−X方向に積層された積層体である。
燃料電池スタック50において、隣接する燃料電池セル10は、一方の燃料電池セル10における導電性のカソード側セパレータ11(図2(b)参照)と、他方の燃料電池セル10における導電性のアノード側セパレータ12(図2(b)参照)との接触によって、電気的に直列接続されている。
燃料電池スタック50には、各燃料電池セル10のカソード電極13(図2(b)参照)へ酸化剤ガス(本実施形態では、空気)を供給する酸化剤ガス流路が、各燃料電池セル10の酸化剤ガス供排出口11a1,11a2(図2(b)参照)を介して連通されている。また、各燃料電池セル10のアノード電極14(図2(b)参照)へ燃料ガス(本実施形態では、水素)を供給する燃料ガス流路が、各燃料電池セル10の燃料ガス供排出口12a1,12a2(図2(b)参照)を介して連通されている。これらの酸化剤ガス流路及び燃料ガス流路へ、それぞれ、酸化剤ガス及び燃料ガスを流通させることにより、各燃料電池セル10を発電させることができ、その結果として、燃料電池スタック50から直流電流を取り出すことができる。
次に、図2及び図3を参照して、燃料電池スタック50を構成する第1実施形態の燃料電池セル10について具体的に説明する。図2(a)は、図1の矢印IIa方向から見た燃料電池セル10の平面図であり、図2(b)は、図2(a)におけるIIb−IIb線における燃料電池セル10の断面図である。また、図3は、図2(b)におけるE部の拡大図である。
なお、理解を容易にするために、図2(a)において、カソード側セパレータ11の裏面側(紙面裏側)に位置する構造の一部を隠れ線によって図示し、図2(b)において、酸化剤ガス供排出口11a1及び燃料ガス供排出口12a2を隠れ線によって図示し、酸化剤ガス供排出口11a2及び燃料ガス供排出口12a1を仮想線によって図示している。
図2(a)に示すように、燃料電池セル10は、平面視において略矩形に形成され、図2(b)に示すように、固体高分子電解質膜15と、その固体高分子電解質15の両面に配設されたカソード電極13及びアノード電極14と、これらの一対の電極13,14の両側に配された導電性のカソード側セパレータ11及びアノード側セパレータ12とから構成される積層体である。
固体高分子電解質膜15としては、例えば、Aciplex(登録商標,旭化成(株)製)など、固体高分子型燃料電池に適用可能な固体高分子電解質膜を使用することができる。かかる固体高分子電解質膜15は、その周縁が、カソード側セパレータ11とアノード側セパレータ12との間に介装されることによって支持されている。また、詳細は後述するが、この固体高分子電解質膜15は、対向する2辺が、二組ある一対の支持板(支持板16及び支持板17を一対とする組と、支持板18及び支持板19を一対とする組との二組)によっても支持されている。
カソード電極13は、図3に示すように、板状の多孔体13aと、その多孔体13aの片面に配設された細孔層(MPL:Micro Porous Layer)13bと、その細孔層13bにおける多孔体13aとは反対側の面に配設された触媒層13cとが一体的に形成されたものである。
触媒層13cは、例えば、カーボン粒子にプラチナなどの触媒が担持された触媒担持カーボンと電解質とを含んで構成された触媒層を採用することができる。図3に示すように、カソード電極13は、触媒層13cを固体高分子電解質膜15に当接させて配置されており、固体高分子電解質膜15における他方の面に当接するアノード電極14の触媒層14cと共に、酸素と水素との電気化学反応を促進する。
多孔体13aは、導電性を有すると共に、相互に連通する多くの空孔(例えば、最小内径が10μm〜500μm程度の空孔)を有する。かかる多孔体13aは、三次元の網目状に形成された網材や、連続気泡が形成された発泡材から構成することができる。ここで、例えば、繊維からなる網材を多孔体として採用する場合には、網材が導電性を有する必要性から導電性の繊維が使用される。導電性の繊維としては、例えば、チタン、SUS、タンタル、ハステロイなどの耐食性及び導電性を有する金属繊維や、ニッケル、カーボンなどの繊維を使用することができる。なお、網材は織布であっても不織布であってもよい。
本実施形態では、多孔体13aとして、相互の連通する多くの空孔を有するものが採用されているので、かかる空孔が、酸化剤ガス(本実施形態では、空気)の流路の一部として機能する。即ち、本実施形態のカソード電極13は、カソード電極としての機能と、気体流路(酸化剤ガス流路)としての機能との両方を兼ね備えている。
細孔層13bは、導電性を有すると共に、相互に連通する多くの空孔をを有する。なお、細孔層13bにおける空孔は、上述した多孔体13aの空孔より小さい細孔(例えば、最小内径が0.01μm〜数μm程度であり、ピークが2μm程度より小さい空孔)である。また、細孔層13bには、触媒は含まれていない。
かかる細孔層13bは、例えば、200μm以下の厚さで形成されて、触媒層13cから多孔体13aへ電子を移動させ易くすると共に、触媒層13a内の水を細孔層13bへ移動させて、適度に触媒層を保水しつつ余剰水を系外に排出し、水によって触媒層13cでの電気化学反応が阻害されることを抑制する機能を担う。
なお、細孔層13bは、例えば、カーボン粒子とPTFE(ポリテトラフルオロエチレン(Polytetrafluoroethylene))とを含んで構成された撥水性の細孔層を採用することができる。
アノード電極14は、大きさ(面積)以外、上述したカソード電極13と同様に構成されている。即ち、アノード電極14は、図3に示すように板状体であって多孔体13aと同様に構成されている多孔体14aは、その多孔体14aの片面に配設された層であって細孔層13bと同様に構成されている細孔層14bと、その細孔層14bにおける多孔体14aとは反対側の面に配設された層であって触媒層13cと同様に構成されている触媒層14cとが一体的に形成されたものである。
なお、アノード電極14は、多孔体14aが上述した多孔体13aと同様に構成される、即ち、相互の連通する多くの空孔を有するものが採用されているので、かかる空孔が、燃料ガス(本実施形態では、水素)の流路の一部として機能することになる。よって、実施形態のアノード電極14は、アノード電極としての機能と、気体流路(燃料ガス流路)としての機能との両方を兼ね備える。
アノード電極14及びカソード電極13は、いずれも、固体高分子電解質膜15の面積より小さく形成されており、これらの電極13,14の縁端(電極縁端)が、固体高分子電解質15の縁端の面方向の内側となるように配置されている。よって、カソード側セパレータ11とアノード側セパレータ12との間に介装される固体高分子電解質膜15の周縁は、これらの電極13,14の配設されていない周縁領域である。
なお、固体高分子電解質膜15をカソード側セパレータ11とアノード側セパレータ12との間に介装させる場合には、内部から燃料ガスや酸化剤ガスが漏れ出さないように、シール材(例えば、弾性体で構成されたO−リング、樹脂、接着剤など)によるガスシールが施される。本実施形態では、図2(b)に示すように、アノード側セパレータ12の周縁に形成された凹部12dに嵌着されたO−リング20を介在させることによって、ガスシールを施す。
カソード側セパレータ11及びアノード側セパレータ12は、それぞれ、カソード電極13を収容する凹部11b、及びアノード電極14を収容する凹部12bが形成されている。なお、図2(b)に示すように、凹部11b及び凹部12bは、いずれも、カソード電極13及びアノード電極14より大きく形成されている。
図2(b)に示すように、凹部11bの底面11b1と固体高分子電解質膜15との間にカソード電極13が挟持され、一方で、凹部12bの底面12b1と固体高分子電解質膜15との間にアノード電極14が挟持される。
図2(a)に示すように、カソード側セパレータ11は、対角となる角部付近に開口された一対の酸化剤ガス供排出口11a1,11a2を有している。これらの酸化剤ガス供排出口11a1,11a2は、それぞれ、凹部11bによって形成された空間L1a及び空間L1bに連通されている。
これらの酸化剤ガス供排出口11a1,11a2は、燃料電池スタック50における酸化剤ガス流路の一部であり、例えば、酸化剤ガス供排出口11a1から燃料電池セル10へ供給された酸化剤ガスは、矢印Aの方向、即ち、空間L1a、多孔体13a(多孔体13aの空孔)、及び空間L1bを経て、酸化剤ガス供排出口11a2から排出される。
一方、アノード側セパレータ12もまた、図2(a)に示すように、酸化剤ガス供排出口11a1,11a2とは異なる対角の角部付近に燃料ガス供排出口12a1,12a2を有している。これらの燃料ガス供排出口12a1,12a2は、それぞれ、凹部12bによって形成された空間L2a及び空間L2bに連通されている。
これらの燃料ガス供排出口12a1,12a2は、燃料電池スタック50における燃料ガス流路の一部であり、例えば、燃料ガス供排出口12a2から燃料電池セル10へ供給された燃料ガスは、矢印Bの方向、即ち、空間L2b、多孔体14a(多孔体14aの空孔)、及び空間L2aを経て、燃料ガス供排出口12a1から排出される。
本実施形態の燃料電池セル10では、多孔体13a及び多孔体14aの空孔が気体流路(酸化剤ガス流路、燃料ガス流路)の一部として構成されているので、カソード側セパレータ11及びアノード側セパレータ12に別途気体流路を設ける必要がなく、その分、燃料電池セルを薄くすることができる。
図2(a)及び図2(b)に示すように、燃料電池セル10は、4枚の支持板16〜19を有しており、支持板16及び支持板17を一対とする組と、支持板18及び支持板19を一対とする組とによって、対向する二辺に沿った位置で固体高分子電解質膜15を支持している。
なお、図2(a)及び図2(b)に示すように、カソード電極13側に配置される支持板16,18は、それぞれ、凹部11bより面方向の外側に浅く形成された凹部11c1,11c2に装着され、一方で、アノード電極14側に配置される支持板17,19は、凹部12bより面方向の外側に浅く形成された凹部12c1,12c2に装着されている。
図2(a)に示すように、一対の支持板16及び支持板17は、酸化剤ガス供排出口11a1及び燃料ガス供排出口12a1を臨むように配設されており、他方の一対となる支持板18及び支持板19は、酸化剤ガス供排出口11a2及び燃料ガス供排出口12a2を臨むように配設されている。
これらの支持板16〜19による支持によって、カソード電極13側を流通する酸化剤ガスの圧力とアノード電極14側を流通する燃料ガスの圧力との圧力差による固体高分子電解質膜15の撓みが防止され、固体高分子電解質膜15によって酸化剤ガス供排出口11a1,11a2、燃料ガス供排出口12a1,12a2、及び空間L1a,L1b,L2a,L2bが塞がれることが防止される。
本実施形態の燃料電池セル10では、一対の支持板を構成する各支持板には、それぞれ異なる大きさのものを採用しており、その結果として、一方の支持板が他方の支持板に比べて固体高分子電解質膜15の面方向の内側方向に延びた構成とされている。具体的には、図2(a)及び(b)に示すように、一対の支持板16及び支持板17では、アノード電極14側の支持板17の方が、カソード電極13側の支持板16に比べて固体高分子電解質膜15の面方向の内側方向(図2における矢印Z1方向)に長く延び、他方の一対の支持板18及び支持板19においても、アノード電極14側の支持板19の方が、カソード電極13側の支持板18に比べて固体高分子電解質膜15の面方向の内側方向(図2における矢印Z2方向)に長く延びた構成とされている。
ここで、図2(b)に示すように、本実施形態の燃料電池セル10では、一対の支持板における固体高分子電解質膜15の面方向の内側方向により長く延びた方の支持板、即ち、支持板17,19が、固体高分子電解質膜15を介してカソード電極13の電極縁端に重なるように構成されている。
従来、固体高分子電解質膜15上に配置された電極縁端は、カソード電極側を流通する酸化剤ガスの圧力とアノード電極側を流通する燃料ガスの圧力との圧力差によって発生するせん断応力により破損しやすい箇所の一つであった。しかし、本実施形態の燃料電池セル10は、支持板17,19とカソード電極13の電極縁端とが固体高分子電解質膜15を介して重なる構成であることにより、固体高分子電解質膜15が支持板17,19によって補強されて、アノード電極14側からの加圧及びカソード電極13側からの加圧のいずれに対しても、せん断応力の発生を防止することができるのである。その結果、固体高分子電解質膜15の破損が抑制される。
なお、支持板17とカソード電極13との重なり部分の距離W1、及び、支持板19とカソード電極13との重なり部分の距離W2は、1mm以上に設定することが好ましい。かかる距離W1,W2を1mm以上とすることにより、燃料電池セル10の組み立て時に、支持板16〜19や電極13,14の組み付け位置にズレが生じたとしても、支持板17,19とカソード電極13の電極縁端との重なりを保証できる。
以上説明したように、本実施形態の燃料電池セル10によれば、支持板17,19とカソード電極13の電極縁端とが固体高分子電解質膜15を介して重なっているので、固体高分子電解質膜15が、支持板17,19によって補強され、アノード電極14側からの加圧及びカソード電極13側からの加圧のいずれに対しても、せん断応力の発生を防止することができ、その結果として、固体高分子電解質膜15の破損を抑制することができる。
従来、固体高分子電解質膜15の破損防止のために、保護膜を別途設けたり、電極縁端部の面取り加工を行うなどが行われていたが、本実施形態の燃料電池セル10によれば、元々使用していた支持板16〜19の大きさ及び電極13,14の組み付け位置の変更に基づくものであるので、従来のような部品点数の増加や製造工程の増加を特に伴わずとも、固体高分子電解質膜15が破損し難い燃料電池セル10を提供することができる。
また、本実施形態の燃料電池スタック50によれば、上述した固体高分子電解質膜15が破損し難い燃料電池セル10が電気的に直列接続されて構成されているので、固体高分子電解質膜15の破損による不具合が生じ難い。
次に、図4を参照して、本発明における第2実施形態について説明する。図4は、本発明の第2実施形態の燃料電池セル60の断面図である。なお、図4に示す断面図は、図2(b)の断面図に対応する断面(即ち、IIb−IIb線における断面)を示す図である。
上述した第1実施形態の燃料電池セル10は、カソード電極13及びアノード電極14をいずれも電極と気体流路を兼ねるものとしたが、この第2実施形態の燃料電池セル60では、電極としての機能のみを有するカソード電極130とアノード電極140を採用している。なお、この第2実施形態の燃料電池セル60を説明する上で、上記の第1実施形態の燃料電池セル10と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
第2実施形態の燃料電池セル60において、カソード電極130は、固体高分子電解質膜15に当接して配置される触媒層130aと、触媒層130aにおける固体高分子電解質膜15とは反対側の面に配設されるガス拡散層130bとから構成される。
また、アノード電極140は、固体高分子電解質膜15に当接して配置される触媒層140aと、触媒層140aにおける固体高分子電解質膜15とは反対側の面に配設されるガス拡散層140bとから構成される。
なお、触媒層130a及び触媒層140aとしては、いずれも、第1実施形態の燃料電池セル10において採用された触媒層13c及び触媒層14cと同様の触媒層を採用できる。また、ガス拡散層130b,140bは、空孔を有する導電性の層であり、例えば、金属やカーボンから構成された多孔体を採用できる。
この第2実施形態の燃料電池セル60におけるカソード側セパレータ11には、凹部11bの内部に、複数のリブ11eが設けられている。なお、これらのリブ11eは、リブ11e間に形成される凹部11fが空間L3aと空間L3bとを連通するような位置に配置されている。
同様に、燃料電池セル60におけるアノード側セパレータ12には、凹部12bの内部に、複数のリブ12eが、リブ12e間に形成される凹部12fが空間L5aと空間L5bとを連通するような位置に配置されている。
カソード側セパレータ11のリブ11e及びアノード側セパレータ12のリブ12eは、それぞれ、カソード電極130及びアノード電極140に当接し、これらの電極130,140との電子の授受に関与する。
また、カソード側セパレータ11に形成された凹部11fは、空間L3aと空間L3bとを連通しているので、例えば、酸化剤ガス供排出口11a1から燃料電池セル60へ供給された酸化剤ガスは、空間L3a、凹部11fによって形成される空間L4、及び空間L3bを経て、酸化剤ガス供排出口11a2から排出される。
同様に、アノード側セパレータ12に形成された凹部12fは、空間L5aと空間L5bとを連通しているので、例えば、燃料ガス供排出口12a2から燃料電池セル60へ供給された酸化剤ガスは、空間L5b、凹部12fによって形成される空間L6、及び空間L5aを経て、燃料ガス供排出口12a1から排出される。
図4に示すように、この第2実施形態の燃料電池セル60もまた、一対の支持板における固体高分子電解質膜15の面方向の内側方向により長く延びた方の支持板、即ち、支持板17,19が、固体高分子電解質膜15を介してカソード電極130の電極縁端に重なるように構成されているので、固体高分子電解質膜15が支持板17,19によって補強されて、アノード電極140側からの加圧及びカソード電極130側からの加圧のいずれに対しても、せん断応力の発生を防止することができる。その結果として、固体高分子電解質膜15の破損を抑制することができる。
以上、実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変形が可能であることは容易に推察できるものである。
例えば、上記各実施形態では、アノード電極(14,140)側に配置された支持板17,19を、対をなす他方の支持板16,18に比べて固体高分子電解質膜15の面方向の内側方向に長く延びるものとして構成したが、一対の支持板における一方の支持板が、他方の支持板に比べて固体高分子電解質膜15の面方向の内側方向に長く延びる構成であれば、上記各実施形態と同様に、固体高分子電解質膜15の破損を抑制することができる。
例えば、カソード電極(13,130)側に配置された支持板16,18を、対をなす他方の支持板17,19に比べて固体高分子電解質膜15の面方向の内側方向に長く延びるものとして構成してもよい。
あるいは、二組のうちの一方の支持板の対では、カソード電極(13,130)側に配置された支持板が、対をなす他方の支持板に比べて固体高分子電解質膜15の面方向の内側方向に長く延びるが、他方の組の支持板の対では、アノード電極(14,140)側に配置された支持板が、対をなす他方の支持板に比べて固体高分子電解質膜15の面方向の内側方向に長く延びるように構成してもよい。
例えば、カソード電極(13,130)側に配置された支持板16は、対をなす他方の支持板17に比べて固体高分子電解質膜15の面方向の内側方向に長く延びるが、その一方で、アノード電極(14,140)側に配置された支持板18が、対をなす他方の支持板19に比べて固体高分子電解質膜15の面方向の内側方向に長く延びる構成としてもよい。なお、かかる構成の場合には、カソード電極(13,130)とアノード電極(14,140)の大きさを略同一に形成することができる。
また、上記各実施形態では、一対の支持板16,17及びもう一対の支持板18,19を、略矩形状の燃料電池セル10における短手方向の対辺に1組ずつ配置される構成であったが、長手方向の対辺に1組ずつ配置される構成や、周縁にわたって(額縁状)1対の支持板を配置する構成であってもよい。
また、上記各実施形態では、支持板16〜19が、カソード側セパレータ11又はアノード側セパレータ12に形成された凹部(11c1,11c2,12c1,12c2)に装着される構成としたが、これらの支持板16〜19が、カソード側セパレータ11又はアノード側セパレータ12と一体化された構成であってもよい。
また、上記各実施形態では、固体高分子電解質膜15を介して支持板17,19に電極縁端が重なるカソード電極(13又は130)において、触媒層(13c又は130a)が支持板17,19に重なるように構成したが、この触媒層を他方の電極の触媒層(14c又は140a)と略同一の大きさに形成するように構成してもよい。即ち、触媒層(13c又は130a)を支持板17,19から避けた領域に形成するように構成してもよい。
ここで、固体高分子電解質15において支持板16〜19と重なる箇所は、これらの支持板16〜19が障害となって燃料ガスと酸化剤ガスとの電気化学反応が阻害される。そのため、かかる箇所に触媒層を設けたとしても、その触媒層は殆ど機能せず無駄となる。一般的に、触媒層は、プラチナなどの高価な貴金属材料を使用しているので、触媒層(13c又は130a)を支持板17,19から避けた領域に形成することによって、高価な貴金属の使用量を無駄に増大させることを抑制し、製造コストを有効に抑制することが可能となる。
なお、上記各実施形態として例示した本発明の燃料電池セル及び燃料電池スタックは、電気自動車などの移動用電源、屋外据え置き用電源、ポータブル電源、携帯電子機器用電源などの各種電源として利用可能である。
以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に基づいて限定されるものではない。
[実施例]
図2に示した燃料電池セル10を使用した。なお、多孔体13a,14aとしては、板厚1mmのチタン繊維焼結板(線径70μm)を使用し、細孔層13b,14bとしては、PTFEとカーボンブラックとを含んで構成される細孔層(PTFE含量:35wt%)を使用し、触媒層13c、14cとしては、プラチナ担持カーボンと電解質としてNafion(登録商標,デュポン社製)とを含む触媒層を使用した。また、固体高分子電解質膜15として、膜厚50μmのAciplex(登録商標,旭化成(株)製)SF−1002を使用した。また、支持板17及び支持板19とカソード電極13との重なり部分の距離W1,W2をいずれも3mmとした。
[比較例]
図5に示した燃料電池セル100を使用した。なお、図5は、比較例として使用した燃料電池セル100を説明する図であり、図5(a)は、燃料電池セル100の平面図であり、図5(b)は、図5(a)におけるVb−Vb線における燃料電池セル100の断面図である。なお、図5に示した燃料電池セル100を説明する上で、上述した燃料電池セル10(即ち、実施例で使用した燃料電池セル)と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
この比較例で使用した燃料電池セル100は、一対の支持板を構成する各支持板として同じ大きさのものを採用した点で、実施例で使用した燃料電池セル10と異なっている。即ち、図5(a)及び図5(b)に示すように、一対の支持板160と支持板170とを同じ大きさに構成し、もう一対の支持板180と支持板190とが同じ大きさに構成した。よって、比較例で使用した燃料電池セル100では、支持板17及び支持板19とカソード電極13との重なり部分の距離も、支持板16及び支持板18とアノード電極14との重なり部分の距離もゼロである。
なお、多孔体13a,14a、細孔層13b,14b、触媒層13c、14c、及び固体高分子電解質膜15のいずれも、実施例の燃料電池セル10で使用したものと同じものを使用した。
[加圧実験]
上記構成を有する燃料電池セル10については、アノード電極14側又はカソード電極13側を加圧し、アノード電極13側とカソード電極側とに圧力差を発生させ、リークが発生したか否かを確認した。また、比較例とする燃料電池セル100については、アノード電極14の加圧によって圧力差を発生させた場合について、リークが発生したか否かを確認した。
なお、リークが発生したか否かの判断は、加圧後、約5分間、5kPa以上の圧力低下が確認されない場合には「リークが発生しなかった」とし、それ以前に5kPa以上の圧力低下が確認された場合には「リークが発生した」とした。
結果を表1に示す。表1において、「結果」欄の「OK」は、「リークが発生しなかった」ことを意味し、「NG」は、「リークが発生した」ことを意味する。
Figure 2008171783
表1に示したように、本発明の燃料電池セル(実施例の燃料電池セル)は、アノード電極14側を加圧した場合に、圧力差が300kPaになってもリークが発生しなかった。また、カソード電極13側を加圧した場合もまた、圧力差が100kPaになってもリークが発生しなかった。
これに対し、比較例の燃料電池セルは、アノード電極14側を加圧した場合に、100kPaの圧力差においてリークの発生が確認された。
従って、表1の結果から明らかなように、支持板17及び支持板19とカソード電極13とが重なっている本発明の燃料電池セルは、かかる重なりのない比較例の燃料電池セルに比べ、固体高分子電解質膜が破損し難いことを示した。
本発明の第1実施形態における燃料電池セルを有する燃料電池スタックを模式的に示す斜視図である。 (a)は、図1の矢印IIa方向から見た燃料電池セルの平面図であり、(b)は、(a)におけるIIb−IIb線における燃料電池セルの断面図である。 図2(b)におけるE部の拡大図である。 第2実施形態の燃料電池セルの断面図である。 (a)比較例の燃料電池セルの平面図であり、(b)は、(a)におけるVb−Vb線における比較例の燃料電池セルの断面図である。
符号の説明
10,60 燃料電池セル
11 カソード側セパレータ
11b 凹部(酸化剤ガス流路を形成可能な凹部)
11f 凹部(酸化剤ガス流路を形成可能な凹部)
12 アノード側セパレータ
12b 凹部(燃料ガス流路を形成可能な凹部)
12f 凹部(燃料ガス流路を形成可能な凹部)
13,130 カソード電極
13c,130a 触媒層
14,140 アノード電極
14c,140a 触媒層
15 固体高分子電解質膜
16 支持板(第2支持部材)
17 支持板(第1支持部材)
18 支持板(第2支持部材)
19 支持板(第1支持部材)
50 燃料電池スタック

Claims (4)

  1. 固体高分子電解質膜と、
    その固体高分子電解質膜の面積より小さい面積を有し、前記固体高分子電解質膜の一方の面に、電極縁端が前記固体高分子電解質膜の縁端部の面方向の内側となるように配置されたアノード電極と、
    そのアノード電極と対をなす電極であって、前記固体高分子電解質膜の面積より小さい面積を有し、前記固体高分子電解質膜の他方の面に、電極縁端が前記固体高分子電解質膜の縁端部の面方向の内側となるように配置されたカソード電極と、
    前記アノード電極における前記固体高分子電解質膜とは反対側の面に配置され、前記アノード電極へ燃料ガスを供給する燃料ガス流路を形成可能な凹部を前記アノード電極側の面に有する導電性のアノード側セパレータと、
    前記カソード電極における前記固体高分子電解質膜とは反対側の面に配置されて、前記アノード側セパレータと一対で前記固体高分子電解質膜の周縁を介装するセパレータであって、前記カソード電極へ酸化剤ガスを供給する酸化剤ガス流路を形成可能な凹部を前記カソード電極側の面に有する導電性のカソード側セパレータと、
    前記アノード側セパレータに一体化又は装着された部材であって、前記固体高分子電解質膜における前記アノード電極の電極縁端より面方向の外側にて前記固体高分子電解質膜に当接する第1支持部材と、
    前記カソード側セパレータに一体化又は装着された部材であって、前記固体高分子電解質膜における前記カソード電極の電極縁端より面方向の外側にて前記固体高分子電解質膜に当接し、前記第1支持部材と一対で前記固体高分子電解質膜を挟んで支持する第2支持部材とを備え、
    前記第1支持部材及び前記第2支持部材における一方の支持部材は、他方の支持部材に比べて前記固体高分子電解質膜の面方向の内側方向に長く延びており、
    前記他方の支持部材に比べて前記固体高分子電解質膜の面方向の内側方向に長く延びている前記一方の支持部材と、前記固体高分子電解質膜に対して前記一方の支持部材の反対側に位置する前記アノード電極又は前記カソード電極の電極縁端とが、前記固体高分子電解質膜を介して重なっていることを特徴とする燃料電池セル。
  2. 前記アノード電極及び前記カソード電極は、前記固体高分子電解質膜に当接する触媒層を有し、
    前記アノード電極及び前記カソード電極の触媒層は、前記固体高分子電解質膜における、前記固体高分子電解質膜の面方向の内側方向により長く延びた方の支持部材を避けた領域内に配置可能な略同一の大きさに構成されて重ねられていることを特徴とする請求項1記載の燃料電池セル。
  3. 前記アノード電極及び前記カソード電極は、いずれも、前記固体高分子電解質膜に当接する触媒層を有する板状の多孔体であり、それぞれ、前記アノード側セパレータ及び前記カソード側セパレータの凹部に収容されて各凹部の底面と前記固体高分子電解質膜との間に挟持されて、前記触媒層が前記固体高分子電解質膜に当接されるものであり、
    前記燃料ガス流路及び前記酸化剤ガス流路の少なくとも一部は、前記多孔体の空孔によって構成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の燃料電池セル。
  4. 請求項1から3のいずれかに記載の燃料電池セルを複数備え、
    前記複数のセルを電気的に直列接続することによって構成される燃料電池スタック。


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