JP6180480B2 - シート給送装置及び画像形成装置 - Google Patents

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Description

本発明は、シートを分離して給送するシート給送装置、及びこのシート給送装置を備えた画像形成装置に関する。
画像形成装置に設けられるシート給送装置は、一般的に、カセット等の積載部材に積載されたシートを給送ローラ等によって一枚ずつ分離して繰り出した後、給送ローラの下流に配置される搬送部材にシートを受け渡す。
このようなシート給送装置として、給紙トレイに積載された用紙を繰り出す給紙ローラと、給紙ローラの下流にて用紙を搬送するレジストローラと、操作パネルを介して用紙サイズを入力可能な制御部と、を備えた給紙装置が知られている(特許文献1参照)。この給紙装置は、給紙ローラの回転を開始させた後、給送方向における用紙の長さに基づいて、用紙の後端が給紙ローラに到達するタイミングで給紙ローラの駆動を停止させる。この給紙装置では、用紙がレジストローラに到達した後も給紙ローラが駆動されるので、レジストローラによる用紙の搬送力が補われる。
特開2001−348129号公報
ところで、シート給送装置として、分離ローラを用いてシートを分離する構成が知られている。すなわち、シートを給送方向に搬送する給送ローラと、給送ローラに圧接されると共にトルクリミッタを介して給送方向に逆らう方向に駆動される分離ローラと、給送ローラ及び分離ローラを駆動する駆動手段と、を備える構成である。この構成では、少なくとも給送ローラが駆動されている間は、シートの分離性能を高めるために分離ローラに駆動力が入力される。
このようなシート給送装置において、特許文献1に記載の給紙装置のように、給送ローラよりも下流の搬送手段にシートが到達した後も給送ローラの駆動を継続させて、搬送手段によるシートの搬送を補助させることが考えられる。これにより、シートの重送を防ぐと共に、安定してシートを搬送可能となることが期待できる。
しかしながら、このような構成とした場合に、シートを給送する際に分離ローラが正転と逆転とを小刻みに繰り返して振動することがあった。そして、分離ローラの振動は、剛度が低いシートを搬送する場合に、剛度が高いシートを搬送する場合に比して振幅が大きくなる傾向があった。振幅の大きな振動が継続された場合、耳障りな振動音が発生する虞がある。
そこで、本発明は、安定してシートを搬送可能であって、稼働時の振動音を低減可能なシート給送装置、及びこれを備えた画像形成装置を提供することを目的とする。
本発明に係るシート給送装置は、シートを給送方向に搬送する給送ローラと、前記給送ローラを駆動する駆動手段と、前記給送ローラとの間にシートを挟持する分離ニップ部を形成すると共に、前記駆動手段にトルクリミッタを介して接続されて前記給送方向に逆らう方向に駆動される分離ローラと、前記給送方向における前記分離ニップ部の下流にてシートを挟持する搬送ニップ部を有し、シートを搬送する搬送手段と、前記駆動手段の駆動を開始させた後、シートが前記分離ニップ部及び前記搬送ニップ部に挟持された状態で前記駆動手段の駆動を停止させる制御手段であって、第1シートを搬送する第1の制御モードにおいては、前記第1シートよりも坪量が小さい第2シートを搬送する第2の制御モードに比して遅いタイミングで前記駆動手段の駆動を停止させる制御手段と、を備える、ことを特徴とする。
また、本発明に係るシート給送装置は、シートを給送方向に搬送する給送ローラと、前記給送ローラを駆動する駆動手段と、前記給送ローラとの間にシートを挟持する分離ニップ部を形成すると共に、前記駆動手段にトルクリミッタを介して接続されて前記給送方向に逆らう方向に駆動される分離ローラと、前記給送方向における前記分離ニップ部の下流にてシートを挟持する搬送ニップ部を有し、シートを搬送する搬送手段と、前記駆動手段の駆動を開始させた後、シートが前記分離ニップ部及び前記搬送ニップ部に挟持された状態で前記駆動手段の駆動を停止させる制御手段であって、第1シートを搬送する第1の制御モードにおいては、前記第1シートよりも剛度が低い第2シートを搬送する第2の制御モードに比して遅いタイミングで前記駆動手段の駆動を停止させる制御手段と、を備える、ことを特徴とする。
本発明にかかるシート給送装置によれば、安定してシートを搬送させると共に、稼働時の振動音を低減させることができる。
第1の実施形態に係る画像形成装置を示す概略構成図。 第1の実施形態に係るシート給送装置の主要部を示す斜視図。 剛度が高いシートを搬送する場合のシート給送装置の動作を説明するための模式図。 剛度が低いシートを搬送する場合のシート給送装置の動作を説明するための模式図。 第1の実施形態に係る制御ブロック図。 第1の実施形態に係る第1の制御モードのタイミングチャートを、シートの位置を表す線図と組み合わせた図(シート長さが大きい場合)。 第1の実施形態に係る第2の制御モードのタイミングチャートを、シートの位置を表す線図と組み合わせた図(シート長さが大きい場合)。 第1の実施形態に係る第1の制御モードのタイミングチャートを、シートの位置を表す線図と組み合わせた図(シート長さが小さい場合)。 第1の実施形態に係る第2の制御モードのタイミングチャートを、シートの位置を表す線図と組み合わせた図(シート長さが小さい場合)。 第1の実施形態に係るシート給送動作のフローチャート。 第2の実施形態に係るシート給送動作のフローチャート。 第3の実施形態に係るタイミングチャートを、シートの位置を表す線図と組み合わせた図(シート長さが大きい場合)。 第3の実施形態に係るタイミングチャートを、シートの位置を表す線図と組み合わせた図(シート長さが小さい場合)。 第3の実施形態に係るシート給送動作のフローチャート。 第4の実施形態に係るタイミングチャートを、シートの位置を表す線図と組み合わせた図。 第4の実施形態に係るシート給送動作のフローチャート。
以下、図面に沿って本発明の実施形態について説明する。なお、以下の説明において、画像形成装置を正面から視た状態(図1の視点)を基準にして上下左右の位置関係を表すものとする。
<第1の実施形態>
[画像形成装置]
第1の実施形態に係る画像形成装置201は、図1にその概略構成を示すように、フルカラーレーザビームプリンタを一例とする画像形成装置である。画像形成装置201は、画像形成装置本体である装置本体201A(プリンタ本体)の内部に、シートPに画像を形成する画像形成部201B及びシートPに画像を定着させる定着部220等を備えている。装置本体201Aの上方には、原稿の画像データを読み取る画像読取装置202が、原稿の載置面が略水平となる姿勢で配置されている。画像読取装置202と装置本体201Aとの間にはシートPが排出される排出トレイ230が設けられている。また、装置本体201Aには、画像形成部201BにシートPを給送するシート給送部201Eが設けられている。シート給送部201Eは、装置本体201Aの下部に配置されるシート給送装置100A,100B,100C,100Dと、装置本体201Aの右側部に配置される手差し給送装置100Mとを有している。
画像形成手段としての画像形成部201Bは、レーザスキャナ210と、4個のプロセスカートリッジ211と、中間転写ユニット201Cとを備えた、所謂4ドラムフルカラー方式の画像形成部である。これらプロセスカートリッジは、それぞれイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)及びブラック(K)の各色のトナー画像を形成する。各プロセスカートリッジ211は、感光ドラム212(感光体)、帯電器213、現像器214、及び不図示のクリーナ等を備えている。なお、画像形成部201Bの上方には、各色のトナーを収容したトナーカートリッジ215が、装置本体201Aに対して着脱自在に装着されている。
中間転写ユニット201Cは、中間転写体としての中間転写ベルト216が駆動ローラ216a及びテンションローラ216b等に巻き掛けられて構成され、4つのプロセスカートリッジ211の上方に配置されている。中間転写ベルト216は、各プロセスカートリッジ211の感光ドラム212に接触するように配置されると共に、不図示の駆動部に駆動される駆動ローラ216aによって、反時計回り方向(矢印Qの方向)に回転駆動される。中間転写ユニット201Cは、各感光ドラム212と対向する位置において中間転写ベルト216の内周面に当接する1次転写ローラ219を備えており、中間転写ベルト216と感光ドラム212との間のニップ部として1次転写部t1が形成されている。また、画像形成部201Bは、駆動ローラ216aと対向する位置において中間転写ベルト216の外周面に当接する2次転写ローラ217を備えている。この2次転写ローラ217と中間転写ベルト216との間のニップ部として、中間転写ベルト216に担持されたトナー像がシートPに転写される2次転写部t2が形成されている。
上述のように構成される各プロセスカートリッジ211において、感光ドラム212の表面には、レーザスキャナ210によって静電潜像が描き込まれた後、現像器214からトナーが供給されることで負極性に帯電した各色のトナー像が形成される。これらのトナー像は、1次転写ローラ219に正極性の転写バイアス電圧が印加されることで、各1次転写部t1において順次中間転写ベルト216へと多重転写(1次転写)されて、中間転写ベルト216にフルカラーのトナー像が形成される。
このようなトナー像の形成プロセスに並行して、シート給送部201Eから給送されたシートPはレジストレーションローラ対240へ向けて搬送され、このレジストレーションローラ対240によって斜行補正される。レジストレーションローラ対240は、中間転写ベルト216に形成されたフルカラーのトナー像の転写タイミングに合わせたタイミングで、シートPを2次転写部t2に搬送する。中間転写ベルト216に担持されたトナー像は、2次転写ローラ217に正極性の転写バイアス電圧が印加されることで、2次転写部t2においてシートPへと2次転写される。
トナー像を転写されたシートPは、定着部220において加熱及び加圧され、カラー画像がシートPに定着させられる。定着部220は、定着ローラ220aと、定着ローラ220bに圧接される220bと、不図示の加熱手段(ヒータ)と、を有し、2次転写部t2における画像形成速度に対応する速度でシートPを搬送する。画像が定着したシートPは、排出ローラ対225によって排出トレイ230へと排出されて積載される。なお、シートPの両面に画像を形成する場合には、シートPは定着部220を通過した後、反転搬送部201Dに設けられる正逆転可能な反転ローラ対222によってスイッチバックされる。そして、シートPは再搬送通路Rを介して画像形成部201Bへと再度搬送され、裏面に画像を形成される。
[シート給送装置]
次に、シート給送装置100Aを例にして、シート給送装置の構成を説明する。なお、このシート給送装置100Aの下方に配置されるシート給送装置100B,100C,100Dは、シート給送装置100Aと同様に構成されるため、説明を省略する。また、シートPに接触する回転部材(ローラ部材)の回転方向を表す場合、シートPの給送方向に沿う方向である場合は「送り方向」とし、給送方向に逆らう方向である場合は「戻し方向」とする。
シート給送装置100Aは、図2に示すように、給送カセット7と、給送ユニット1と、引抜ローラ対8(図3参照)とを備えている。シートPが積載される積載手段としての給送カセット7は、装置本体201Aに引出し可能に収納されており、側端規制板71及び不図示の後端規制板等を備えている。給送カセット7に積載されたシートPは、後端規制板によってカセット壁7aに突き当てられることで給送方向(矢印Fdの方向)に位置決めされると共に、側端規制板71によって幅方向に位置決めされる。
給送カセット7に積載されたシートPを1枚ずつ分離して搬送する給送ユニット1は、ピックアップローラ2と、フィードローラ3(給送ローラ)と、リタードローラ4(分離ローラ)と、駆動機構6と、を備えている。ピックアップローラ2、フィードローラ3、及びリタードローラ4は、軸方向をシートPの幅方向(装置本体201Aの奥行方向)に向けた姿勢で、ピックアップローラ軸2b、フィードローラ軸3a、及びリタードローラ軸4aにそれぞれ支持されている。
フィードローラ軸3aは、給送ユニット1の支持枠体をなすフレーム部材(不図示)によって回転自在に支持されると共に、フィードローラ3を回転自在に支持している。リタードローラ軸4aは、フィードローラ軸3aと平行に配置され、リタードローラ4をフィードローラ3と対向する位置に保持すると共に、不図示の付勢部材に付勢されてリタードローラ4をフィードローラ3に圧接させている。ピックアップローラ軸2bは、フィードローラ軸3aを中心にして上下方向に回動可能なピックアップアーム2aに取付けられ、ピックアップローラ2を回転自在に支持している。
駆動機構6は、ギヤ群(6a〜6g)及びトルクリミッタ5等を有し、装置本体201Aに設けられる駆動手段としての給送モータM1の駆動力を給送ユニット1の各ローラに分配する。給送モータM1の出力軸に設けられる出力ギヤ6aは、フィードローラ軸3aの一方の端部に設けられる入力ギヤ6bに噛合い、フィードローラ3を給送方向に沿う方向(送り方向)に回転させる。フィードローラ軸3aの他方側には分配ギヤ6cが設けられており、分配ギヤ6cの回転はピックアップアーム2aに支持されたギヤ6dを介してピックアップローラ軸2bに設けられるギヤ6eに伝達される。従って、ピックアップローラ2は、フィードローラ3と同時に、送り方向に回転駆動される。
なお、ピックアップアーム2aは不図示の付勢手段に接続されており、ピックアップローラ2を給送カセット7に積載されたシート束の最上位のシートPに当接可能な位置と、最上位のシートPから離間する位置とに移動可能に構成されている。また、フィードローラ3とフィードローラ軸3aとの間、及びピックアップローラ2とピックアップローラ軸2bとの間には、それぞれワンウェイクラッチ(不図示)が設けられている。すなわち、フィードローラ3及びピックアップローラ2は、送り方向に空転可能に構成されている。
リタードローラ軸4aに設けられるギヤ6gは、アイドルギヤ6fを介して入力ギヤ6bに連結されており、シートPの給送方向に逆らう方向である戻し方向の回転を入力される。トルクリミッタ5は、リタードローラ軸4aとリタードローラ4との間に配置されている。このトルクリミッタ5はリタードローラ軸4aの駆動力をリタードローラ4に伝達すると共に、所定量以上のトルクが作用した場合には滑りを生じて、リタードローラ4がリタードローラ軸4aに対して送り方向に相対回転することを許容する。
図3に示すように、給送ユニット1からシートPを受取って搬送する搬送手段としての引抜ローラ対8は、引抜ローラ8aと対向ローラ8bとによって構成されている。引抜ローラ8aは、フィードローラ3の軸方向に平行に配置されると共に、装置本体201Aに設けられる引抜モータM2(図5参照)によって送り方向に回転駆動される。対向ローラ8bは引抜ローラ8aとの間にシートPを挟持する引抜ニップ部N2(搬送ニップ部)を形成すると共に、引抜ローラ8aの回転に伴って送り方向に従動回転する。この引抜ニップ部N2は、シートPの給送方向(矢印Fdの方向)において、フィードローラ3とリタードローラ4との間に形成される分離ニップ部N1の下流に位置している。
なお、給送方向にフィードローラ3と引抜ローラ8aとの間には、シートPを検出可能なシート検出手段としての給送センサ12が配設されている。給送センサ12は、例えば発光部から照射された光を検知可能な受光部と、シートPに接触して受光部を遮光可能なフラグ部材とを備えた光学式センサが用いられ、シートPがセンサ近傍の検出位置を通過する場合にON信号を発する。また、引抜ローラ対8の搬送方向下流であって、レジストレーションローラ対240の上流側の近傍位置には、シートPを検出可能なレジストレーションセンサ15が配設されている(図1参照)。
[シート給送動作]
続いて、上述したように構成されるシート給送装置100Aのシート給送動作の概要について、図3及び図4に基づいて説明する。ただし、シート給送動作の詳細な制御フローについては後述する。図3は比較的剛度の高いシートを搬送する場合のシート給送動作を示しており、図4は比較的剛度の低いシートを搬送する場合のシート給送動作を示している。ただし、シートの剛度とはシートの曲げ剛性の程度(コシ)であって、クラーク法又はテーバー法等の試験法によって測定される値(クラークこわさ、テーバこわさ)の大きさを指している。
図3に示すように、シートPは給送カセット7に積載された状態で、給送方向(矢印Fdの方向)の下流端である前端がカセット壁7aに近接する位置に保持されている。シートPを給送する際には、ピックアップローラ2が分離ニップ部N1の上流に位置する当接位置において最上位のシートP1に圧接され、この状態で給送モータM1の駆動が開始される。すると、シートP1はピックアップローラ2によって矢印Fdの方向に繰り出されて、分離ニップ部N1に到達した後、フィードローラ3によって引抜ニップ部N2へ向けて搬送される。
ここで、分離ニップ部N1に最上位のシートP1のみが進入している状態では、シートP1を介してリタードローラ4に送り方向のトルクが作用する。すると、トルクリミッタ5に滑りが生じて、リタードローラ4はリタードローラ軸4aの駆動力に抗して送り方向に回転する。一方、分離ニップ部N1に複数枚のシートP1,P2(図3では2枚)が進入している状態(重送状態)では、リタードローラ4はリタードローラ軸4aの駆動力に従って戻し方向に回転する。言い換えると、トルクリミッタ5のトルク容量は、重なったシートP1,P2の間に生じうる摩擦力よりも大きな値に設定されている。これにより、最上位のシートP1が引抜ニップ部N2へ向けて搬送されると共に、最上位以外のシート(P2)は分離ニップ部N1の上流側に押し戻されて重送状態が解消される。
シートP1の前端が引抜ニップ部N2に到達すると、シートP1は引抜モータM2によって駆動される引抜ローラ対8に挟持されて、装置本体201Aの内部を上方へと搬送される。この後、シートP1は引抜ローラ対8の下流に位置するレジストレーションローラ対240に到達して斜行を補正された後、二次転写部t2へと搬送される。
ここで、図4を用いてシートPの剛度が低い場合に生じる現象について説明する。図4に示すシート給送装置100Aは、図3に示すシートP1,P2に比して剛度の低いシートQ1,Q2を給送するシート給送動作の途中状態を示している。すなわち、このシート給送装置100Aは、給送モータM1の駆動を開始して最上位のシートQ1の搬送を開始した後、シートQ1が引抜ニップ部N2に到達して、分離ニップ部N1及び引抜ニップ部N2のそれぞれに挟持された状態にある。
図4は、シート間の摩擦等によって、最上位以外のシート(重送シートQ2)が、分離ニップ部N1に進入した状態を示している。この状態で給送モータM1が駆動を開始すると、リタードローラ4が戻し方向R2の回転を開始して、重送シートQ2を分離ニップ部N1の上流側に押し戻す。このとき、重送シートQ2は、シートQ1を介してピックアップローラ2に押圧されており、給送方向とは反対方向へ移動することを規制されている。このため、剛度の低い重送シートQ2は、破線q2として示すように、ピックアップローラ2と分離ニップ部N1との間で座屈した状態となる。
重送シートQ2の前端が分離ニップ部N1から押し戻されると、リタードローラ4はシートQ1に連れ回って送り方向R1の回転を再開する。すると、重送シートQ2は、シートQ1から受ける摩擦力と自身の復元力とによって、再び分離ニップ部N1に進入する。そして、重送シートQ2が分離ニップ部N1へ進入する動作と分離ニップ部N1から押し戻される動作とを繰り返すのに伴って、リタードローラ4は、送り方向R1及び戻し方向R2の微小な回転を交互に繰り返す動作(回転振動)を行う状態となる。リタードローラ4の回転振動は、重送シートQ2の前端が分離ニップ部N1に進入し得る位置にあり、かつリタードローラ4に戻し方向の駆動力が入力されている場合には継続して発生し得る。リタードローラ4の回転振動が継続すると、耳障りな振動音として知覚される場合がある。
そして、このような回転振動の振幅は、シート給送装置が搬送するシートの材質や、フィードローラ3によってシートが搬送される際の搬送速度(給送速度)によって変化する傾向があった。すなわち、シートの剛度(剛性)が低い場合には、シートの剛度が高い場合に比して回転振動の振幅が大きくなる傾向があった。このため、シートの坪量が小さいほど、あるいはシートの厚さが小さいほど、回転振動の振幅が大きくなる傾向がある。また、給送速度が大きい場合には給送速度が小さい場合に比して振幅が大きくなる傾向があった。
[制御モードの選択]
そこで、本実施形態に係るシート給送装置100Aは、比較的遅いタイミングで給送モータM1を停止する第1の制御モードと、比較的早いタイミングで給送モータM1を停止する第2の制御モードとを、シートの種類に応じて選択可能に構成されている。以下、制御部9による第1の制御モード及び第2の制御モードの選択条件について説明する。
本実施形態に係る画像形成装置201の制御系は、図5のブロック図に示すように、制御手段としての制御部9に複数の入出力装置が接続されて構成されている。制御部9の入力側には、操作パネル10と、サイズ検知センサ11と、給送センサ12と、レジストレーションセンサ15と、タイマ13等が接続されている。また、制御部9の出力側には、給送モータM1及び引抜モータM2が接続されており、制御部9の制御信号によって駆動の開始及び停止のタイミングと駆動時の出力とを制御されている。制御部9は、計時手段としてのタイマ13を用いて、例えば給送モータM1の駆動開始からの経過時間を計測可能である。
サイズ検出手段としてのサイズ検知センサ11は、例えば給送カセット7の側端規制板71及び後端規制板の位置を検知することで、給送カセット7にセットされたシートPのサイズを検出可能に設けられている。ただし、シートPのサイズとは、給送方向における長さ(シート長さ)及び給送方向に直交する方向の長さ(シート幅)である。シート給送装置が複数設けられる場合には、サイズ検知センサ11及び給送センサ12は各シート給送装置に配置される。
入力手段としての操作パネル10は、装置本体201Aの外方に露出する液晶パネル及び操作ボタン等を有し、ユーザが給送カセット7にセットしたシートPの種類を制御部9に対して入力可能に構成されている。ただし、シートPの種類とは、シートの材質、坪量、寸法、及び表面加工の有無等による分類であり、上質紙/再生紙/OHPフィルム/コート紙等の群を、坪量に応じて細分化したものが具体例として挙げられる。このようなシートPの種類は、ユーザが液晶パネルに表示された選択肢から選択することによって制御部9に入力される。
制御部9は、シートPの種類に応じて、シート給送動作におけるシートPの搬送速度である給送速度と、2次転写部t2におけるシートPの搬送速度である画像形成速度と、を複数の選択肢の中から選択可能に構成されている。本実施形態の実施例におけるシートPの種類と給送速度V1及び画像形成速度V2との対応関係を表1に示す。
Figure 0006180480
表1に示すように、画像形成速度V2はシートPの坪量が大きいほど小さな値に設定されており、給送速度V1は画像形成速度V2に概ね比例する値に設定されている。これにより、シートPが定着部220において受取る熱量の総量が大きくなり、熱容量の大きい坪量の大きなシートPに画像を確実に定着させている。
そして、本実施形態においては、給送速度V1が大きな値をとる場合、すなわちシートPが第1の剛度を有する場合に第1の制御モードが選択される。また、給送速度V1が小さな値をとる場合、すなわちシートPが第1の剛度よりも低い第2の剛度を有する場合に第2の制御モードが選択される。表1の実施例においては、給送速度V1が150mm/secである場合に第1の制御モードが適用され、給送速度V1が250mm/sec又は300mm/secである場合に第2の制御モードが適用される。なお、坪量に応じて制御モードを選択する構成においては、第1の坪量を有する場合に第1の制御モードが選択され、シートPが第1の坪量よりも小さい第2の坪量を有する場合に第2の制御モードが選択される。
[第1の制御モード]
次に、第1の制御モードが選択された場合のシート給送動作について、図6に基づいて説明する。ただし、図6は給送モータM1及び引抜モータM2の駆動制御を表すタイミングチャートに、シートPの位置変化を表す線図を組み合わせた図であり、横軸が時間を表し、縦軸がモータ出力及び搬送経路上の位置(搬送距離)を表している。給送モータM1の出力Dはフィードローラ3の周速として描かれており、引抜モータM2の出力Eは引抜ローラ対8の周速として描かれている。なお、上述した通り、給送モータM1の出力Dはフィードローラ3、リタードローラ4及びピックアップローラ2に分配されている。
図中の理論線A1は設定上のシートPの前端位置を表している。最大遅延線A2は、シートPの前端が理論線A1に対して最も遅れる場合を想定した位置を表しており、部品の公差やローラの摩耗による搬送効率の低下等を考慮して設定される。すなわち、実際のシートPの前端位置は、通常、理論線A1と最大遅延線A2とによって囲まれた領域(斜線部分)を通過する。また、理論線B1は設定上のシートPの後端位置を表しており、前端の理論線A1からシートPの長さL1を用いて算出される。
図6に示すように、時刻Tfに給送モータM1及び引抜モータM2が給送速度V1に対応する出力で駆動を開始されることで給送動作が開始される。すると、ピックアップローラ2によって最上位のシートPが繰り出され、シートPの前端がカセット壁7aを乗り越えて、給送方向下流(図中上方)へ向けて移動を開始する。給送モータM1及び引抜モータM2は、シートPがレジストレーションローラ対240に到達した後の時刻Tsに一時的に駆動を停止され、シートPの前端がレジストレーションローラ対240に突き当てられた状態で一時待機する。
そして、レジストレーションローラ対240が2次転写部t2における転写タイミングに合わせて動作を開始する時刻Trに、給送モータM1及び引抜モータM2は画像形成速度V2で再び駆動開始される。このとき、ピックアップローラ2及びフィードローラ3が送り方向に回転駆動されることで、引抜ローラ対8及びレジストレーションローラ対240によるシートPの搬送が補助される。
その後、給送モータM1は、シートPが第1位置に到達する時刻T1で駆動停止される。ただし、第1位置とは、シートPの後端がピックアップローラ2の当接位置(ピックアップ位置)よりも所定距離(例えば10mm)上流となるシート位置である。詳しく説明すると、制御部9は、時刻Trの給送モータM1のON信号をトリガにして給送モータM1の駆動時間を計測すると共に、画像形成速度V2の下でシートPが第1位置に到達するまでの所要時間(制御時間X1)を算出する。そして、駆動時間が制御時間X1に等しくなったタイミング(時刻T1)で給送モータM1にOFF信号を送る。給送モータM1が駆動停止された後、シートPはレジストレーションローラ対240及び引抜ローラ対8によって継続して搬送され、2次転写部t2へと搬送される。
なお、給送モータM1の駆動を停止する停止タイミングは、シートPの後端がピックアップ位置よりも10mm上流に到達するタイミングに限らない。この停止タイミングは、最上位のシートPの下に重なるシートPの繰り出し(ピックアップ)を行わず、かつ効果的に引抜ローラ対8及びレジストレーションローラ対240の搬送力を補助し得る範囲であれば他のタイミングであっても構わない。停止タイミングにおけるシート位置である第1位置は、部品の公差やシート寸法のばらつき、及びモータ出力の設定値と実際の回転速度のずれ等を考慮して設定されることが好ましい。本実施形態を適用した実施例においては、第1位置はシートPの後端がピックアップ位置よりも10mm以上20mm以下の範囲で離間する位置に設定されると好適であった。
[第2の制御モード]
続いて、第2の制御モードが選択された場合のシート給送動作について、図7に基づいて説明する。ただし、図7は給送モータM1及び引抜モータM2の駆動制御を表すタイミングチャートに、シートPの位置変化を表す線図を組み合わせた図であり、横軸が時間を表し、縦軸がモータ出力及び搬送経路上の位置(搬送距離)を表している。また、図7は図6と等しいシート長さL1を有するシートPを給送する場合のシート給送動作を表している。以下の説明において、第1の制御モードと共通する要素には同符号を付して説明を省略する。
図7に示すように、給送モータM1及び引抜モータM2が時刻Tfに給送速度V1の出力で駆動開始されることでシート給送動作が開始される。すると、ピックアップローラ2によって最上位のシートPが繰り出され、シートPの前端が給送方向下流へ向けて移動を開始する。そして、給送モータM1はシートPが第2位置に到達する時刻T2に駆動停止される。ただし、第2位置とは、シートPの前端が引抜ローラ対8の引抜ニップ部N2よりも所定距離(例えば10mm)下流となるシート位置である。詳しく説明すると、制御部9は、時刻Tfの給送モータM1のON信号をトリガにして給送モータM1の駆動時間を計測すると共に、給送速度V1の下でシートPが第2位置に到達するまでの所要時間(制御時間X2)を算出する。そして、駆動時間が制御時間X2に等しくなったタイミング(時刻T2)で給送モータM1にOFF信号を送る。
ここで、上記第1位置は、シートPの後端がピックアップローラ2の当接位置よりも所定距離上流となるシート位置であるところ、第2位置はシートPの前端が引抜ニップ部の所定距離下流となるシート位置として設定されている。言い換えると、第1位置は給送方向におけるシートPの中央部がピックアップローラ2の当接位置よりも引抜ニップ部N2に近い状態となるシート位置である。また、第2位置はシートPの中央部が引抜ニップ部N2よりも分離ニップ部N1に近い状態となるシート位置である。従って、第2位置は第1位置よりも給送方向における上流の位置であり、シート長さL1が大きいほど第1位置と第2位置とのズレ間隔は広くなる。
給送モータM1が駆動停止された後、シートPは引抜ローラ対8によってレジストレーションローラ対240へ向けて継続して搬送される。このとき、ピックアップローラ2及びフィードローラ3は、ワンウェイクラッチの作用により、シートPに連れ回って送り方向に空転する。一方、リタードローラ4は、トルクリミッタ5を介して給送モータM1に駆動連結されているため、送り方向への回転を制限されている。従って、図4も参照して、分離ニップ部N1に1枚のシート(Q1)が進入した状態では、リタードローラ4はシートP1に連れ回って送り方向へと回転する。その一方で、分離ニップ部N1が重送状態にある場合は、リタードローラ4は回転を停止すると共に、摩擦力によって最上位以外のシート(Q2)を保持して、シートが重送状態で引抜ニップ部N2へ搬送されることを防ぐ。
引抜モータM2は、シートPがレジストレーションローラ対240に到達した後の時刻Tsに駆動停止され、シートPの前端がレジストレーションローラ対240に突き当てられた状態で一時待機する。そして、引抜モータM2は、レジストレーションローラ対240が動作を開始する時刻Trに画像形成速度V2で再び駆動開始され、シートPは2次転写部t2へと搬送される。
なお、給送モータM1の駆動を停止する停止タイミングは、シートPの前端が引抜ニップ部N2よりも10mm下流に到達するタイミングに限らず、シートPがスリップして引抜ニップ部N2から脱落しない範囲であれば他のタイミングであっても構わない。停止タイミングにおけるシート位置である第2位置は、部品の公差やシート寸法のばらつき、及びモータ出力の設定値と実際の回転速度のずれ等を考慮して設定されることが好ましい。本実施形態を適用した実施例においては、第2位置はシートPの後端がピックアップ位置よりも10mm以上20mm以下の範囲で離間する位置に設定されると好適であった。
[シートが小さい場合]
続いて、図6及び図7に示す場合に比してシートPのサイズが小さい場合、すなわちシート長さL2が比較的小さい場合のシート給送動作について、図8及び図9に基づいて説明する。ただし、上述したシート長さL1が比較的大きい場合のシート給送動作からの変更点について説明し、シート長さが比較的大きい場合と同様に制御される点は説明を省略する。図8及び図9は、それぞれ、給送モータM1及び引抜モータM2の駆動制御を表すタイミングチャートにシートPの位置変化を表す線図を組み合わせた図である。また、図8及び図9における最大遅延線B2は、シートPの後端が理論線B1に対して最も遅れる場合を想定した位置を表しており、部品の公差やローラの摩耗による搬送効率の低下等を考慮して設定される。
図8に示すように、第1の制御モードが選択された場合、給送モータM1の駆動が開始された後、シートPが第1位置に到達する時刻T3に給送モータM1の駆動が停止される。ただし、この第1位置とは、シートPの後端がピックアップローラ2の当接位置よりも所定距離(例えば10mm)上流となる位置である。制御部9は、時刻Tfに給送モータM1にON信号を送信してから、シートPが第1位置に到達するまでの所要時間(制御時間X1)が経過したタイミング(時刻T3)で、給送モータM1にOFF信号を発する。給送モータM1が駆動停止された後、シートPは引抜ローラ対8によって継続して搬送され、レジストレーションローラ対240に到達する。
一方、図9に示すように、第2の制御モードが選択された場合、給送モータM1の駆動が開始された後、シートPが第1位置よりも上流の第2位置に到達する時刻T4に給送モータM1の駆動が停止される。ただし、この第2位置とは、シートPの前端が引抜ローラ対8の引抜ニップ部N2よりも所定距離(例えば10mm)下流となる位置である。制御部9は、時刻Tfにおいて給送モータM1にON信号を送信してから、シートPが第2位置に到達するまでの所要時間(制御時間X2)が経過したタイミング(時刻T4)で給送モータM1にOFF信号を発する。給送モータM1が駆動停止された後、シートPは引抜ローラ対8によって継続して搬送され、レジストレーションローラ対240に到達する。
上述したシート長さが大きい場合(L1)と同様に、第1の制御モードにおいて給送モータM1が駆動停止される際のシート位置(第1位置)は、第2の制御モードにおいて給送モータM1が駆動停止される際のシート位置(第2位置)よりも下流である。このため、第1の制御モードが選択された場合には、ピックアップローラ2及びフィードローラ3は最上位のシートPの下に重なるシートPを繰り出さない範囲で長く回転し、引抜ローラ対8によるシートPの搬送を補助する。一方、第2の制御モードが選択された場合には、シートPの前端部が引抜ニップ部N2から脱落しない範囲で、第1の制御モードに比して早いタイミングで給送モータM1の駆動が停止され、リタードローラ4への駆動力の供給が遮断される。
[制御フロー]
次に、上述したシート給送動作の制御プロセスを、図10のフローチャートに沿って説明する。給送カセット7にシートPを積載して装置本体201Aに収納すると、制御部9はサイズ検知センサ11を用いてシートPのサイズを検出し(S1)、シート長さLを確定する(S2)。その後、ユーザが操作パネル10を操作してシートPの種類(材質、坪量)を選択入力すると(S3)、制御部9はシートPの種類に基づいて制御モードを選択する。すなわち、シートPの材質がOHPフィルムである場合(S4:Y)、又はシートPの坪量が129g/m以上である場合(S5:Y)には、第1の制御モードが適用される(S6)。また、シートPがOHPフィルムではなく(S4:N)、かつシートPの坪量が129g/m未満である場合(S5:N)には第2の制御モードが適用される(S7)。
第1の制御モードを選択した場合、制御部9は表1に示すテーブルを参照して給送速度V1(150mm/sec)を確定する(S8)。そして、制御部9は給送モータM1及び引抜モータM2を給送速度V1に対応する出力で駆動開始すると共に、タイマ13を用いて給送モータM1の駆動時間の計測を開始する(S9)。そして、所定時間内にシートPの前端が給送センサ12に検出されない場合(S10:N)は、シートPの給送が遅延した状態(遅延JAM)にあると判断して(S11)、画像形成の中断処理を含むジャム処理プロセスを開始する。給送センサ12が所定時間内にシートPの前端を検出した場合(S10:Y)には、給送モータM1の駆動時間が制御時間X1に等しくなったタイミングで給送モータM1を駆動停止する(S12)。なお、上述した通り、この制御時間X1はシートPが第1位置に到達するまでの所要時間として算出されたものである。
制御部9は引抜モータM2の駆動を継続させると共に、給送センサ12を用いてシートPの位置を監視する。そして、所定時間内に給送センサ12がシートPの後端を検出してOFF信号を送らない場合(S13:N)には、制御部9はシートPが装置本体201Aの内部で滞留した状態(滞留JAM)にあると判断し(S14)、ジャム処理プロセスを開始する。給送センサ12が所定時間内にシートPの後端を検出した場合(S13:Y)は、シートPの後端が引抜ニップ部N2を通過するように設定された時間が経過した後に、引抜モータM2の駆動を停止し(S15)、給送動作を完了させる。
一方、第2の制御モードを選択した場合、制御部9は表1に示すテーブルを参照して給送速度V1(250mm/sec又は300mm/sec)を確定する(S16)。そして、制御部9は給送モータM1及び引抜モータM2を給送速度V1に対応する出力で駆動を開始すると共に、給送モータM1の駆動時間の計測を開始する(S17)。そして、所定時間内に給送センサ12がシートPの前端を検出しない場合(S18:N)には、制御部9は遅延JAM状態にあると判断して(S19)、ジャム処理プロセスを開始する。給送センサ12が所定時間内にシートPの前端を検出した場合(S18:Y)には、給送モータM1の駆動時間が制御時間X2に等しくなったタイミングで給送モータM1を駆動停止する(S20)。なお、上述した通り、この制御時間X2はシートPが第2位置に到達するまでの所要時間として算出されたものである。
制御部9は引抜モータM2の駆動を継続させると共に、給送センサ12を用いてシートPの位置を監視する。そして、所定時間内にシートPの後端が給送センサ12を通過して給送センサ12がOFF信号を送らない場合(S21:N)には、制御部9は滞留JAM状態にあると判断し(S22)、ジャム処理プロセスを開始する。給送センサ12が所定時間内にシートPの後端を検出した場合(S21:Y)は、シートPの後端が引抜ニップ部N2を通過するように設定された時間が経過した後に引抜モータM2の駆動を停止し(S23)、給送動作を完了させる。
なお、この制御プロセスには、シートPの前端がレジストレーションローラ対240に突き当てられることによる一時停止処理が適宜挿入される。この一時停止処理とは、シートPの前端がレジストレーションローラ対240に到達した後の時刻Ts(図6〜図9参照)にて引抜モータM2を駆動停止した後、レジストレーションローラ対240の駆動開始に合わせて駆動を再開する処理である。ただし、シートPが第1位置又は第2位置に到達するタイミングが一時停止処理よりも後となる場合(例えば図6の場合)には、制御部9はタイマ13による計時結果をリセットすると共に、時刻Trからの経過時間に基づいて給送モータM1を駆動停止している。
[本実施形態の効果]
上述したように、本実施形態に係るシート給送装置100Aは、シートPの種類に応じて第1の制御モードと第2の制御モードとを選択して実行している。シートPの剛度が高い(坪量が大きい)場合には第1の制御モードを選択して、シートPの後端がピックアップローラ2の当接位置よりも所定距離上流となる第1位置にある状態で給送モータM1を駆動停止する。すなわち、第1の制御モードにおいて、最上位のシートPの下に重なるシートを繰り出さない範囲で、ピックアップローラ2及びフィードローラ3は送り方向に回転駆動される。これにより、シート搬送路の湾曲やシート自身の重量等によって引抜ローラ対8にかかる搬送負荷を軽減することで、引抜ニップ部N2におけるスリップを防いでシートを安定して搬送させることができる。
その一方で、シートPの剛度が低い(坪量が小さい)場合には、シート給送装置100Aは第2の制御モードを選択して、シートPの前端が引抜ニップ部N2よりも所定距離下流となる第2位置にある状態で給送モータM1を駆動停止する。このため、シート長さが等しい場合、給送モータM1はシートPが第1位置よりも上流の第2位置にある状態で駆動停止される。すなわち、第2の制御モードにおいて、給送モータM1はシートPが引抜ニップ部N2から脱落しない範囲で早いタイミングで駆動停止される。これにより、リタードローラ4に戻し方向の駆動力が入力されないため、リタードローラ4の回転振動の発生が防がれる。そして、座屈を生じやすい剛度の低いシートPを搬送する場合であっても、リタードローラ4の回転振動が生じ得る時間が短縮されるので、振動音を低減することができる。
そして、このような第2の制御モードは、剛度の高いシートPに比して一般的に搬送抵抗の小さい剛度の低いシートPに対して適用される。このため、剛度の低いシートPの場合には、シート搬送の安定性を損なうことなく、振動音を低減可能である。すなわち、本実施形態に係るシート給送装置100Aは、安定してシートPを搬送可能であって、稼働時の振動音を低減させることができる。
また、本実施形態に係るシート給送装置100Aは、第2の制御モードを選択した場合には、第1の制御モードを選択した場合に比して大きな給送速度V1でシートを搬送する。従って、リタードローラ4の回転振動が生じやすい大きな給送速度V1である場合には、小さな給送速度である場合に比して早いタイミングで給送モータM1の駆動を停止することになり、稼働時の振動音を一層効果的に低減させることができる。
<第2の実施形態>
次に、第2の実施形態に係るシート給送装置100Aのシート給送動作について説明する。本実施形態に係るシート給送装置100Aは、上述した第1の実施形態とは給送速度及び画像形成速度が固定されている点で異なっており、その他の点は第1の実施形態と同様に構成される。そのため、同様の構成・作用を有する要素には同符号を付して説明を省略する。
本実施形態に係る制御部9は、第1の実施形態と同様に、ユーザによって入力されたシートPの種類に応じて制御モードを選択する処理を行っている。すなわち、図11に示すように、ユーザが操作パネル10を操作してシートPの種類(材質、坪量)を選択入力すると(S3)、制御部9はこの選択入力された情報に従って制御モードを選択する(S4,S5)。このとき、シートPの材質がOHPフィルムである場合(S4:Y)、又はシートPの坪量が129g/m以上である場合(S5:Y)には、第1の制御モードが選択される(S6)。また、シートPがOHPフィルムではなく(S4:N)、かつシートPの坪量が129g/m未満である場合(S5:N)には第2の制御モードが選択される(S7)。そして、第1及び第2の制御モードに共通して用いられる給送速度の下で、給送モータM1及び引抜モータM2の駆動を開始してシートPの搬送を開始させる(S9,S17)。
なお、制御モードを選択する際に参照する情報は、シートPの材質(OHPフィルムか否か)及び坪量の組合せに限らず、他の情報であってもよい。例えば、坪量のみによって制御モードを選択する構成であってもよく、あるいは上質紙/再生紙/コート紙等の分類と坪量とを組み合わせて制御モードを選択する構成としてもよい。要するに、剛度が高いシートPに対して第1の制御モードを適用し、剛度が低いシートPに対して第2の制御モードを適用する構成であればよい。
[本実施形態の効果]
本実施形態に係るシート給送装置100Aは、シートPの種類に応じて制御モードを選択する構成であるため、給送速度V1及び画像形成速度V2がそれぞれ固定された画像形成装置に適用することができる。そして、このシート給送装置100Aは、シートの剛度に応じて第1の制御モードと第2の制御モードとを切換えてシート給送動作を行うものであるため、上述した第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。すなわち、このシート給送装置100Aは、安定してシートPを搬送可能であって、稼働時の振動音を低減させることができる。
<第3の実施形態>
次に、第3の実施形態に係るシート給送装置100Aのシート給送動作について説明する。本実施形態に係るシート給送装置100Aは、給送センサ12の検出信号に基づいて給送モータM1の駆動停止タイミングを決定する点で、上述した第1の実施形態と異なっている。その他の点は第1の実施形態と同様に構成されるため、同様の構成・作用を有する要素には同符号を付して説明を省略する。
[シートが大きい場合]
まず、シート長さL1を有する比較的大きなシートPを搬送する際のシート給送動作について、図12を用いて説明する。ただし、図12は給送モータM1及び引抜モータM2の駆動制御を表すタイミングチャートにシートPの位置変化を表す線図を組み合わせた図である。図中の破線D2は、第2の制御モードにおける給送モータM1の出力を、第1の制御モードにおける出力Dに対する差分として示している。また、図中の破線Fは、最大遅延線A2よりも遅れて搬送された場合のシートPの前端位置を表している。
図12に示すように、第1の制御モードが適用される場合には、給送モータM1は引抜モータM2と共に時刻Tfに駆動開始された後、時刻Tsに一時停止される。そして、給送モータM1はレジストレーションローラ対240の駆動開始に合わせて時刻Trに駆動を再開された後、制御時間X1が経過したタイミング(時刻T6)で駆動停止される。ただし、制御時間X1は、画像形成速度V2の下でシートPの後端がピックアップローラ2の当接位置よりも所定距離上流の位置(第1位置)に到達するように算出された時間である。
一方、第2の制御モードが適用される場合には、給送モータM1は時刻Tfに駆動開始され、時刻Taに給送センサ12がON信号を発してから制御時間X2が経過したタイミング(時刻T5)で駆動停止される(破線D2)。ただし、制御時間X2は、給送センサ12がシートPの前端を検出してから、給送速度V1の下でシートPの前端が引抜ニップ部N2よりも所定距離下流の位置(第2位置)に到達するように算出された時間である。従って、破線Fとして示すようにシートPの前端が最大遅延線A2よりも遅れて搬送される場合には、第1の実施形態に比して遅いタイミング(時刻T5)で給送モータM1が停止される(図7の時刻T2参照)。
[シートが小さい場合]
次に、L1よりも小さいシート長さL2を有する比較的小さなシートPを搬送する際のシート給送動作について、図13を用いて説明する。ただし、図13は給送モータM1及び引抜モータM2の駆動制御を表すタイミングチャートにシートPの位置変化を表す線図を組み合わせた図である。図中の破線D2は、第2の制御モードにおける給送モータM1の出力を、第1の制御モードにおける出力Dに対する差分として示している。また、図中の破線Fは、理論線A1よりも早まって搬送された場合のシートPの前端位置を表し、破線Gはこの場合のシートPの後端位置を表している。
図13に示すように、第1の制御モードが適用される場合には、給送モータM1は引抜モータM2と共に時刻Tfに駆動開始され、時刻Taに給送センサ12がON信号を発してから制御時間X1が経過したタイミング(時刻T8)で駆動停止される。ただし、制御時間X1は、給送速度V1の下でシートPの後端がピックアップローラ2の当接位置よりも所定距離上流の位置(第1位置)に到達するように算出された時間である。従って、シートPが理論線B1よりも早まって搬送される場合には、第1の実施形態に比して早いタイミング(時刻T8)で給送モータM1が停止される(図8の時刻T3参照)。
一方、第2の制御モードが適用される場合には、給送モータM1は時刻Tfに駆動開始され、時刻Taに給送センサ12がON信号を発してから制御時間X2が経過したタイミング(時刻T7)で駆動停止される(破線D2)。ただし、制御時間X2は、給送速度V1の下でシートPの前端が引抜ニップ部N2よりも所定距離下流の位置(第2位置)に到達するように算出された時間である。従って、シートPが理論線A1よりも早まって搬送される場合には、第1の実施形態に比して早いタイミング(時刻T7)で給送モータM1が停止される(図9の時刻T4参照)。
[制御フロー]
本実施形態に係る制御部9は、図14のフローチャートに示すように、給送センサ12がON信号を発したことを条件として(S10:Y,S18:Y)、タイマ13による計時を開始する(S24,S25)。そして、第1の制御モードを適用した場合には、計時開始から制御時間X1が経過したタイミングで給送モータM1を停止する(S12)。また、第2の制御モードを適用した場合には、計時開始から制御時間X2が経過したタイミングで給送モータM1を停止する(S20)。
[本実施形態の効果]
本実施形態に係るシート給送装置100Aは、シートPの剛度に応じて給送速度V1を決定すると共に、給送速度V1の値に応じて制御モードを選択するものであるため、上述した第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。すなわち、このシート給送装置100Aは、安定してシートPを搬送可能であって、稼働時の振動音を低減させることができる。
ところで、図12に示すように、シートPが給送カセット7の設計上のセット位置からずれた位置にセットされた場合(破線F)など、シートPの前端が最大遅延線A2から遅れて搬送されることがある。このような場合、最大遅延線A2に基づいて給送モータM1の停止タイミングを決定する構成では、シートPが引抜ニップ部N2に受け渡される前に給送モータM1の駆動が停止されてしまい、シートPが装置内部に滞留してしまう可能性がある。一方、本実施形態に係るシート給送装置100Aでは、給送センサ12の検出信号に基づいて、シートPの遅れに応じて給送モータM1の停止タイミングを遅らせている。このため、シートPが通常の範囲よりも遅れる場合であっても、シートPを引抜ニップ部N2に確実に受け渡すことができる。
また、図13に示すように、シートPがセット位置からずれた位置にセットされた場合(破線F,G)など、シートPが理論線A1,B1よりも早まって搬送される(早着する)ことがある。このような場合、理論線B1に基づいて給送モータM1の停止タイミングを決定する構成では、実際のシートPの後端がピックアップローラ2よりも下流に移動しているにも関わらず、給送モータM1の駆動が継続されてしまう可能性がある。このように給送モータM1の駆動が継続された場合、ピックアップローラ2が最上位のシートの下に重なるシート(次のシート)を繰り出してしまう。そして、次のシートPが通常よりも下流側に位置ずれすることで、さらに次のシートPの位置ずれを引き起こし、シートPの位置ずれが積み重なってシート給送動作に支障を来す虞がある。一方、本実施形態に係るシート給送装置では、給送センサ12の検出信号に基づいて、シートPの早着タイミングに応じて給送モータM1の停止タイミングを早めている。このため、シートPが通常の範囲を超えて早着する場合であっても、次のシートPが位置ずれすることを防いで、シート給送装置100Aに安定してシート給送動作を行わせることができる。
<第4の実施形態>
次に、第4の実施形態に係るシート給送装置100Aのシート給送動作について説明する。本実施形態に係るシート給送装置100Aは、上述した第3の実施形態と同様に給送センサ12からの検出信号に基づいて給送モータM1を駆動停止するものであるが、シート給送動作の途中で給送速度を変速する点で第3の実施形態と異なっている。以下、第3の実施形態と同様の構成・作用を有する要素には同符号を付して説明を省略する。
図15は給送モータM1及び引抜モータM2の駆動制御を表すタイミングチャートにシートPの位置変化を表す線図を組み合わせた図である。図中の破線D2は、第2の制御モードにおける給送モータM1の出力を、第1の制御モードにおける出力Dに対する差分として示している。また、図中に破線で示す軌跡Hは、シートPの前端が実際に辿る軌跡を例示したものである。
図15に示すように、給送センサ12がシートPの前端を検出すると、その検出タイミングに応じて制御部9が給送モータM1及び引抜モータM2の駆動速度をV1からV3へと変速する。このとき、軌跡Hのように検出タイミングが理論線A1に対して遅れている場合には、駆動速度はV1から増大させられ、検出タイミングが理論線A1に対して早まっている場合には、駆動速度はV1から減少させられる。すなわち、制御部9は、給送モータM1の駆動を開始させてから給送センサ12がシートPの前端を検出するまでの経過時間のばらつきを吸収するように、給送モータM1及び引抜モータM2の駆動速度を変速する。
ところで、給送モータM1及び引抜モータM2の駆動速度をV1からV3へと変速させる際には、これらのモータの応答特性によって定まる時間幅である変速時間Tの間に速度が変化する。この変速時間Tの間は、リタードローラ4に伝わる送り方向のトルク負荷が不規則に変動する。また、トルク負荷の変動に対するトルクリミッタ5の応答は、通常ある程度の遅れを伴うため、変速時間Tの間は、その前後の時間に比してリタードローラ4からシートPに作用する戻し方向の力が不安定となる。そして、リタードローラ4に戻し方向の駆動力が入力されていない状態でこのような変速が行われた場合、シートの重送が発生する可能性がある。
そこで、本実施形態に係るシート給送装置100Aは、少なくとも第2の制御モードが適用される場合には、給送モータM1の停止タイミングが変速の完了後となるように設定されている。すなわち、図15に示すように、時刻Taに給送センサ12がシートの前端を検出して駆動速度の変速が開始された後、変速時間Tよりも大きな制御時間X2が経過したタイミング(時刻T9)で、給送モータM1の駆動が停止される(破線D2参照)。ただし、制御時間X2は、シートPの前端が引抜ニップ部N2よりも所定距離下流の位置(第2位置)に到達するように算出された時間である。一方、第1の制御モードが適用された場合には、上述した第3の実施形態と同様に、シートPの後端がピックアップローラ2の当接位置よりも所定距離上流の位置(第1位置)に到達するタイミング(時刻T10)で給送モータM1の駆動が停止される。
[制御フロー]
本実施形態に係る制御部9は、図16に示すように、給送センサ12がON信号を発したことを条件として(S10:Y,S18:Y)給送モータM1及び引抜モータM2の変速を開始すると共に、タイマ13による計時を開始する(S26,S27)。そして、V1からV3への変速が完了するまで待機(S28,S29)した後、計時開始から制御時間X1,X2が経過したタイミングで給送モータM1を停止する(S12,S20)。
[本実施形態の効果]
本実施形態に係るシート給送装置100Aの制御部9は、給送センサ12からの検出信号に基づいて、給送モータM1及び引抜モータM2の駆動速度を変速させている。これにより、シート給送動作の開始(時刻Tf)からシートPの前端がレジストレーションローラ対240に到達するまでの経過時間のばらつきを小さな範囲に収めることができる。そして、複数枚のシートPを連続搬送させる際に、シート間の間隔を狭めて画像形成装置201の生産性を向上させることができる。
そして、このような構成において、給送モータM1の停止タイミングは、給送モータM1及び引抜モータM2の変速完了後、かつシートPが第2位置に到達した後に設定されている。従って、重送の発生しやすい変速時間Tの間はリタードローラ4に戻し方向の駆動力を与えて重送を防止すると共に、変速完了後は速やかに給送モータM1の駆動を停止させて振動音の発生を防ぐことができる。
なお、第2の制御モードにおける給送モータM1の停止タイミングが、変速の完了後、かつシートPが第2位置に到達した後となる構成であれば、例えば給送センサ12を引抜ニップ部N2の下流側に配置してもよい。一方、上述した実施例では、給送方向における分離ニップ部N1と引抜ニップ部N2との間に給送センサ12が配置されており(図3参照)、シートPの前端が引抜ニップ部N2に到達する前に給送モータM1及び引抜モータM2の変速が完了する。このため、第3の実施形態と比較すると、変速が完了するまで待機することによって給送モータM1の駆動時間が延長されることがなく好適である。
<他の実施形態>
上述した第1乃至第4の実施形態において、駆動手段は単一のモータとして設けられているが、フィードローラ3を駆動する駆動手段(モータ)とリタードローラ4を駆動する駆動手段(モータ)とを別個に設けてもよい。この場合、給送モータM1の停止タイミングを、これらのモータが全て停止状態となるタイミングと読み替えればよい。
なお、フィードローラ3及びリタードローラ4の下流に引抜ローラ対8が位置する構成に限らず、例えばレジストレーションローラ対が位置する構成であってもよい。要するに、分離ニップ部N1の下流においてシートPを挟持する搬送ニップ部を有してシートを搬送する搬送手段を備える構成であればよい。
2…ピックアップローラ/3…給送ローラ(フィードローラ)/4…分離ローラ(リタードローラ)/5…トルクリミッタ/7…積載手段(給送カセット)/8…搬送手段(引抜ローラ対)/9…制御手段(制御部)/10…入力手段(操作パネル)/11…サイズ検出手段(サイズ検知センサ)/12…シート検出手段(給送センサ)/13…計時手段(タイマ)/100A,100B,100C,100D…シート給送装置/201…画像形成装置/201B…画像形成手段(画像形成部)/M1…駆動手段(給送モータ)/N1…分離ニップ部/N2…搬送ニップ部(引抜ニップ部)/P,P1,P2,Q1,Q2…シート/Fd…給送方向

Claims (17)

  1. シートを給送方向に搬送する給送ローラと、
    前記給送ローラを駆動する駆動手段と、
    前記給送ローラとの間にシートを挟持する分離ニップ部を形成すると共に、前記駆動手段にトルクリミッタを介して接続されて前記給送方向に逆らう方向に駆動される分離ローラと、
    前記給送方向における前記分離ニップ部の下流にてシートを挟持する搬送ニップ部を有し、シートを搬送する搬送手段と、
    前記駆動手段の駆動を開始させた後、シートが前記分離ニップ部及び前記搬送ニップ部に挟持された状態で前記駆動手段の駆動を停止させる制御手段であって、第1シートを搬送する第1の制御モードにおいては、前記第1シートよりも坪量が小さい第2シートを搬送する第2の制御モードに比して遅いタイミングで前記駆動手段の駆動を停止させる制御手段と、を備える、
    ことを特徴とするシート給送装置。
  2. シートを給送方向に搬送する給送ローラと、
    前記給送ローラを駆動する駆動手段と、
    前記給送ローラとの間にシートを挟持する分離ニップ部を形成すると共に、前記駆動手段にトルクリミッタを介して接続されて前記給送方向に逆らう方向に駆動される分離ローラと、
    前記給送方向における前記分離ニップ部の下流にてシートを挟持する搬送ニップ部を有し、シートを搬送する搬送手段と、
    前記駆動手段の駆動を開始させた後、シートが前記分離ニップ部及び前記搬送ニップ部に挟持された状態で前記駆動手段の駆動を停止させる制御手段であって、第1シートを搬送する第1の制御モードにおいては、前記第1シートよりも剛度が低い第2シートを搬送する第2の制御モードに比して遅いタイミングで前記駆動手段の駆動を停止させる制御手段と、を備える、
    ことを特徴とするシート給送装置。
  3. 前記制御手段は、前記給送方向における前記第1シート及び前記第2シートの長さが互いに等しい場合において、前記第1の制御モードを選択したときには、前記第1シートが第1位置にある状態で前記駆動手段の駆動を停止させ、前記第2の制御モードを選択したときには、前記第2シートが前記第1位置より上流の第2位置にある状態で前記駆動手段の駆動を停止させる、
    請求項1又は2に記載のシート給送装置。
  4. 前記制御手段は、前記第2の制御モードを選択する場合には、前記駆動手段に、前記第1の制御モードを選択する場合に比して大きな速度で前記給送ローラを駆動させる、
    請求項1乃至3のいずれか1項に記載のシート給送装置。
  5. 前記制御手段は、前記第2の制御モードにおいて、前記給送方向におけるシートの中央部が前記搬送ニップ部よりも前記分離ニップ部に近い位置にある状態で前記駆動手段の駆動を停止させる
    請求項1乃至のいずれか1項に記載のシート給送装置。
  6. 前記制御手段は、前記第2の制御モードにおいて、シートの前端が前記搬送ニップ部から前記給送方向の下流に10mm以上20mm以下の範囲で離間するタイミングで前記駆動手段の駆動を停止させる
    請求項1乃至のいずれか1項に記載のシート給送装置。
  7. シートが積載される積載手段と、
    前記積載手段に積載されたシートの前記給送方向における長さを検出するサイズ検出手段と、を備え、
    前記制御手段は、前記第1の制御モードを選択した場合には、前記サイズ検出手段からの検出信号に基づいて前記駆動手段の駆動を停止させる、
    請求項1乃至のいずれか1項に記載のシート給送装置。
  8. 前記給送方向において前記分離ニップ部よりも上流の当接位置にてシートに当接可能であり、シートを前記給送方向に搬送するピックアップローラを備え、
    前記制御手段は、前記第1の制御モードにおいて、前記第1シートの後端が前記当接位置に到達するタイミングに基づいて前記駆動手段の駆動を停止させる、
    請求項1乃至7のいずれか1項に記載のシート給送装置。
  9. 前記給送方向において前記分離ニップ部よりも上流の当接位置にてシートに当接可能であり、シートを前記給送方向に搬送するピックアップローラを備え、
    前記制御手段は、前記第1の制御モードにおいて、前記給送方向におけるシートの中央部が前記当接位置よりも前記搬送ニップ部に近い位置にある状態で、前記駆動手段の駆動を停止させる
    請求項1乃至のいずれか1項に記載のシート給送装置。
  10. 前記制御手段は、前記第1の制御モードにおいて、シートの後端が前記当接位置から前記給送方向の上流に10mm以上20mm以下の範囲で離間した位置にある状態で、前記駆動手段の駆動を停止させる
    請求項に記載のシート給送装置。
  11. 前記給送方向において前記搬送ニップ部より下流に配置され、前記搬送手段から受け取ったシートを挟持して搬送するレジストレーション部を備え、
    前記制御手段は、前記第1シートが前記ピックアップローラと前記レジストレーション部の間隔より長い場合において、前記第1の制御モードを選択したときには前記第1シートの前端が前記レジストレーション部に到達した後に前記駆動手段の駆動を停止させ、前記第2の制御モードを選択したときには前記第2シートの前端が前記レジストレーション部に到達する前に前記駆動手段の駆動を停止させる、
    請求項9に記載のシート給送装置。
  12. 前記搬送手段を駆動するモータを備え、
    前記駆動手段が、前記モータとは別個に設けられた単一のモータからなる、
    請求項1乃至11のいずれか1項に記載のシート給送装置。
  13. 前記給送ローラによって搬送されるシートの種類を入力可能な入力手段を備え、
    前記制御手段は、前記入力手段に入力されたシートの種類に基づいて、前記第1の制御モード又は前記第2の制御モードを選択する、
    請求項1乃至12のいずれか1項に記載のシート給送装置。
  14. 前記駆動手段の駆動が開始されてから経過した時間を計測可能な計時手段を備え、
    前記制御手段は、前記計時手段からの信号に基づいて、前記駆動手段の駆動を停止させる、
    請求項1乃至13のいずれか1項に記載のシート給送装置。
  15. 前記給送方向に前記分離ニップ部の下流に配置され、シートを検出可能なシート検出手段と、
    前記検出手段にシートの前端が検出されてから経過した時間を計測可能な計時手段と、を備え、
    前記制御手段は、前記シート検出手段及び前記計時手段からの信号に基づいて、前記駆動手段の駆動を停止させる、
    請求項1乃至1のいずれか1項に記載のシート給送装置。
  16. 前記制御手段は、前記シート検出手段からの検出信号に基づいて、前記駆動手段の駆動を開始させてから前記シート検出手段がシートの前端を検出するまでの経過時間のばらつきを吸収するように前記搬送手段によるシートの搬送速度を変速させると共に、前記搬送手段の変速が完了した後に、前記駆動手段の駆動を停止させる、
    請求項1に記載のシート給送装置。
  17. 請求項1乃至1のいずれか1項に記載のシート給送装置と、
    前記シート給送装置から供給されたシートに画像を形成する画像形成手段と、を備えた画像形成装置。
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