JP3881822B2 - 画像形成装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、給紙部から給紙される用紙をレジストローラによって画像形成部の動作にタイミングをとって給紙する画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
画像形成装置で用いる給紙装置では、用紙に出力する画像の位置を一定にするために、給紙ローラにより給紙した用紙を一旦レジストローラのニップ部により停止させ、画像形成の進行に同期してレジストローラを駆動させて用紙を送り出すことが行われている。このレジストローラが駆動されたときは、用紙の後端は給紙部に位置し、給紙ローラは用紙との摩擦により連れ回りしても駆動力は付与されない状態である。
【0003】
この場合、用紙にかかる抵抗のため用紙の搬送は必ずしも安定しているとは限らない。特に、給紙系の駆動源として、コストダウンのために小型化で容量の小さいモータを用いる場合に用紙の搬送の安定度が悪くなる傾向がある。
【0004】
このようなことから、特開平9−226985号公報に記載されているように、レジストローラを駆動したときに同時に給紙ローラを回転させて搬送力を補うようにした提案がなされている。この場合、給紙ローラを停止させるタイミングは用紙の厚さの違いによって設定されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
特開平9−226985号公報に記載された提案は、小型のモータを駆動源として用いる場合に搬送力を補うことができる。しかし、使用する用紙の長さが変わると、給紙ローラを停止させるタイミングが変わり問題が起きる。具体的には、使用する用紙が長い場合には、用紙の後端が給紙ローラに到達する前に給紙ローラが停止されてしまい、その後の搬送力が低下する。逆に、用紙が短い場合には、用紙の後端が給紙ローラを通過しても給紙ローラが駆動されるため、次層の用紙まで給紙してしまいジャムの原因となる。
【0006】
本発明の目的は、給紙系の駆動源として小型のモータを用いたとしても、給紙時における用紙の搬送性を安定させることである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明は、用紙を格納する給紙部と、前記給紙部内の用紙を画像形成部に給紙するために駆動する給紙手段と、前記画像形成部と給紙ローラとの間に配置されたレジストローラを含み、前記画像形成部の画像形成開始後に駆動するレジスト手段とを備え、前記給紙手段は、前記レジスト手段が駆動したときから給紙対象の用紙の長さに応じて定められる所定の時間を経過するまで駆動し、前記所定の時間が経過したときに駆動を停止して、前記給紙対象の用紙の後端が前記給紙手段に到達したときに停止するように駆動制御を行うことを特徴とする。
【0008】
したがって、給紙指令信号が出力されると給紙手段が駆動され給紙部内の用紙がレジスト手段まで給紙される。画像形成部の動作に同期してレジスト手段が駆動されるときは給紙ローラが再駆動されるため、用紙は搬送力が補われた状態で搬送される。この場合、前記レジスト手段が駆動したときから給紙対象の用紙の長さに応じて定められる所定の時間を経過するまでのあいだ駆動し、前記所定の時間が経過したときに駆動を停止して、前記給紙対象の用紙の後端が前記給紙手段に到達したときに停止する。
請求項2の発明は、請求項1に記載の給紙装置において、前記用紙の長さと前記所定の時間との対応づけを予め設定している一枚給紙終了時期設定手段を備え、前記給紙手段は、給紙を指定された用紙の長さに対応する前記所定の時間を、前記一枚給紙終了時期設定手段による設定に応じて特定し、該所定の時間に基づいて駆動制御を行うことを特徴とする。
したがって、前記用紙の長さと前記所定の時間との対応づけを予め設定している前記一枚給紙終了時期設定手段による設定に応じて前記所定の時間を特定する。
【0009】
請求項3記載の発明は、請求項1記載の画像形成装置において、実際に給紙される用紙の長さを検出する用紙長検出手段と、前記用紙長検出手段により検出された用紙長に基いて前記所定の時間を求める一枚給紙終了時期設定手段とを備え、前記給紙手段は、前記一枚給紙終了時期設定手段により求められた前記所定の時間に基づいて駆動制御を行うことを特徴とする。
【0010】
したがって、一枚給紙終了時期設定手段により、実際に給紙される用紙の長さを基に前記所定の時間が求められる。
【0011】
請求項4記載の発明は、請求項3記載の画像形成装置において、前記用紙長検出手段は、印刷枚数を複数に指定した際に給紙された1枚目の用紙について用紙長を検出し、当該用紙長を2枚目以降の用紙長として認識する。
【0012】
したがって、一枚給紙終了時期の設定のために用紙の長さを検出しそのデータを更新する動作は、最初の用紙を給紙するときにされ、2枚目以降は省略可能となる。
【0013】
請求項5記載の発明は、請求項3又は4記載の画像形成装置において、前記給紙部を再セットしたか否かを判断する給紙部再セット判断手段を備え、前記用紙長検出手段は、前記給紙部再セット判断手段により再セットしたと判断された場合に給紙された1枚目の用紙について用紙長を検出する。
【0014】
したがって、一枚給紙終了時期の設定のために用紙の長さを検出しそのデータを更新する動作は、給紙部を再セットした状態を認識したときに最初に給紙された1枚目の最初の用紙を給紙するときにされ、2枚目以降は省略可能となる。
請求項6の発明は、画像形成装置において、請求項1ないし5の何れか一記載の給紙装置と、前記給紙装置により給紙された用紙に画像を出力する画像形成部とを備えることを特徴とする。
したがって、レジスト手段を駆動するときに給紙手段を再駆動して給紙すべき用紙を確実に給紙し、且つ、次層の用紙を重ねて給紙することに起因するジャムの発生を防止し得る画像形成装置を提供できる。
【0017】
【発明の実施の形態】
本発明の第一の実施の形態を図1ないし図3に基いて説明する。図1は給紙装置を実装した画像形成装置の内部の概略構成を示す縦断正面図、図2は電気的接続構成を概略的に示すブロック図、図3は給紙動作を示すフローチャートである。
【0018】
図1に示すように、画像形成装置の筐体1の中心部に画像形成部2が設けられている。この画像形成部2は、感光体3の周囲に、帯電ローラ4、書き込みユニット5、現像ユニット6、転写ローラ7、クリーニングユニット8を配置することにより形成されている。この画像形成部2では、感光体3を帯電ローラ4により一様に帯電し、その帯電した部分に光書き込みユニット5によって画像データに応じて変調したレーザービームを走査することで静電潜像を形成し、その静電潜像を現像ユニット6により現像し、感光体3上の現像画像を転写ローラ7により用紙に転写し、感光体3上の残存トナーをクリーニングユニット8によりクリーニングする。
【0019】
感光体3と転写ローラ7との間を通る用紙搬送路9には、転写ローラ7を通過した用紙を搬送する過程で熱と圧力とを付与して用紙上のトナーを定着する定着ユニット10が設けられている。
【0020】
また、用紙搬送路9の下流側は、筐体1の上に形成された排紙トレイ11に接続された排紙通路12と、反転通路13とに分岐され、その分岐点には排紙経路を切り替える切替爪14が回動自在に設けられている。さらに、感光体3の下方には反転通路13から反転して戻された用紙を再び画像形成部2に向けて再給紙する両面ユニット15が設けられている。
【0021】
さらに、筐体1の一側には、手差しトレイ16と、この手差しトレイ16に挿入された用紙を画像形成部2に給紙する給紙ローラ17とが設けられている。
【0022】
次に、本発明の給紙装置18の構成について説明する。筐体1の下方には多数の用紙を積層状態で格納する給紙部である給紙トレイ19が着脱自在に装着されている。給紙トレイ19の上部には、給紙トレイ19内の用紙を給紙通路20を介して前述の用紙搬送路9に給紙する給紙ローラ21が回転自在に設けられている。また、用紙搬送路9には給紙ローラ21と感光体3との間に配置された対のレジストローラ22が設けられている。このレジストローラ22の給紙ローラ21側における近傍にはレジストセンサ30aが配置されている。
【0023】
次に、図2を参照して電気的接続構成の概略について説明する。マイクロコンピュータ構成のメイン制御部23が設けられ、これに前述の書き込みユニット5、定着ユニット10、両面ユニット15、高圧駆動部24、モータ25を駆動するドライバ26、給紙クラッチ27を駆動するドライバ28、コントローラ29、各種センサ30、操作パネル31が接続されている。
【0024】
ここで、高圧駆動部24は、感光体3の周囲に配列された帯電ローラ4、現像ユニット6、転写ローラ7などの高圧電源を必要とする部分を駆動する手段である。モータ(メインモータ)25は感光体3、定着ユニット10などの回転系の駆動源で、その回転力は給紙クラッチ27を介して給紙ローラ21にも伝達される。
【0025】
コントローラ29は、ホストコンピュータ(図示せず)に接続されるインターフェースの機能を有し、さらに、画像データの編集、画像データの転送、画像形成の指示をメイン制御部23に与える機能をもつ。
【0026】
各種センサ30は、それぞれ図示しないが、定着ユニット10などの温度に対応する信号を出力する温度センサ、用紙搬送路9や給紙通路20に配置されて用紙の搬送状態により信号を出力する用紙センサ、給紙トレイ19の抜き差し状態に応じて信号を出力するトレイセンサ、給紙トレイ19内の用紙の有無によって信号を出力する用紙エンドセンサ、図1に示したレジストセンサ30aなどを含む。レジストセンサ30aは、用紙の先端がレジストローラ22のニップ部に到達した状態を認識するものであるから、レジストローラ22に可能な限り近づけて配置する方が検出精度を高める上で望ましい。
【0027】
操作パネル31は、図示しないが動作状態を示す表示部、プリント枚数などを入力する置数キー、プリントモードを設定するモード設定キー、プリントを開始するスタートキーなどを備える。また、図1における画像形成装置は給紙トレイ19を一つしか図示していないが、複数の給紙トレイ19を具備する場合を想定し、給紙トレイ19を指定することによって使用する用紙のサイズを指定する用紙サイズ指定キーを備える。
【0028】
メイン制御部23は、画像形成装置における機械的負荷制御、書き込みユニット5による画像の書き込み、各種センサ30の出力に基く用紙の搬送状態及びその他各部の状態の監視、予め設定されたプログラムを用いての各部の動作制御などを行う。
【0029】
このような構成における給紙動作の処理を図3に示すフローチャートを参照して説明する。なお、電源を投入すると、モータ25は常時回転するものとする。オペレータが図示しない操作パネル上のスタートキーを押すことによりプリントを開始する。給紙装置18に対しては、スタートキーのオン信号は給紙指令信号である。スタートキーの押圧によりプリント開始として判断する(S1のY)と、給紙クラッチ27をオンにし(S2)、給紙ローラ21を回転させる。これにより、給紙トレイ19内の最上位の用紙が給紙ローラ21により給紙される。このステップS2は給紙ローラ21を駆動する給紙駆動手段を実現する。
【0030】
この給紙によりレジストセンサ30aがオンになると(S3のY)、用紙の先端がレジストローラ22のニップ部の近傍に到達した状態として認識するが、直ちに給紙クラッチ27をオフにせず、少し余裕を見込んだ一定時間のディレイの経過を入れて(S4)から、給紙クラッチ27をオフにして給紙ローラ21を停止させる(S5)。このディレイを入れることで用紙は少し余分に送られてたわみが作成され、自らの腰の強さで伸張することによって先端を停止中のレジストローラ22のニップ部に突き当てる。これにより、用紙の先端が給紙方向と直角に揃えられる。
【0031】
この間、コントローラ29の制御のもとに感光体3への画像の書き込みが準備され、準備が完了すると、書き込みユニット5による感光体3への静電潜像の書き込み、現像ユニット6による現像を開始する。この状態をメイン制御部23のCPUの監視により作像開始として認識すると(S6のY)、これに同期してレジストスタートをする(S7)。すなわち、レジストローラ22を駆動して用紙を感光体3に向けて送る。このステップS7は、レジストローラ22を駆動するレジスト駆動手段を実現する。
【0032】
このレジストスタート(S7)に合わせて給紙クラッチ27を再びオンにすると(S8)、給紙ローラ21が再駆動される。これにより、用紙はレジストローラ22の搬送力と、給紙ローラ21の搬送力とにより確実に感光体3に向けて送り出される。
【0033】
このようにして給紙されている用紙の後端が給紙ローラ21に到達する一枚給紙終了時期に達したものと認識したとき(S9のY)、給紙クラッチ27をオフにし(S10)、給紙ローラ21を停止させる。
【0034】
本実施の形態では、使用する用紙サイズを操作パネル31上の用紙サイズ指定キーを押すなどの方法により用紙の長さを認識することができ、給紙トレイ19に対応する給紙ローラ21の位置、レジストローラ22及びレジストセンサ30aの位置は装置の構成上既知であり、給紙ローラ21及びレジストローラ22の周速度も既知であるので、給紙ローラ21を再駆動したときを基準にして、用紙の後端が給紙ローラ21に到達する一枚給紙終了時期が予め設定されている。この一枚給紙終了時期の設定値を、用紙長が異なる用紙毎に用紙メイン制御部23の記憶媒体にテーブルとして保存することで、一枚給紙終了時期設定手段が実現される。設定値としては、給紙ローラ21を再駆動してから用紙の後端が給紙ローラ21に到達するまでの時間として設定し、この時間をカウントすることにより、用紙の後端が給紙ローラ21に到達したか否かをステップS9で認識できる。
【0035】
ここで、ステップS8、ステップS10は、レジストローラ22を駆動したときから一枚給紙終了時期に至る期間だけ給紙ローラ21を再駆動させる再駆動手段を実現する。
【0036】
このように、レジストローラ22を駆動するときは給紙ローラ21を再駆動するため、搬送力を補った状態で用紙を搬送できる。この場合、用紙の後端が給紙ローラ21に到達する一枚給紙終了時期を用紙の長さに応じて設定し、その一枚給紙終了時期に給紙ローラ21を停止することができるので、給紙すべき用紙を確実に給紙し、且つ、次層の用紙を重ねて給紙することに起因するジャムの発生を防止できる。
【0037】
なお、再駆動した給紙ローラ21を停止させるタイミングを決める位置となる、用紙の後端が給紙ローラ21に到達する位置は、用紙の後端が給紙ローラ21を通過した直後の位置が最も望ましいが、その近傍の位置であれば実用上問題ない。
【0038】
次に、図4を参照して本発明の第二の実施の形態について説明する。前記実施の形態において説明した部分と同一部分は同一符号を用い説明も省略する。また、図4におけるフローチャートの各ステップの処理についても、前記実施の形態と同一の処理については簡単に説明する。
【0039】
この例は、複数枚の印刷をするために、操作パネル31上の置数キーの操作によって印刷枚数を設定する。また、用紙のサイズについても操作パネル31上の用紙サイズ指定キーの操作により指定する例である。プリントに際し、オペレータがスタートキーを押すことは前記実施の形態と同様である。このスタートキーの操作により、プリント開始と判断したときは(S11のY)、給紙クラッチ27をオンにし(S12)、給紙ローラ21を回転させる。これにより、給紙トレイ19内の最上位の用紙が給紙ローラ21により給紙される。このステップS12は給紙ローラ21を駆動する給紙駆動手段を実現する。
【0040】
この給紙によりレジストセンサ30aがオンになると(S13のY)、用紙の先端がレジストローラ22のニップ部の近傍に到達した状態として認識するが、直ちに給紙クラッチ27をオフにせず、少し余裕を見込んだ一定時間のディレイの経過を入れて(S14)から、給紙クラッチ27をオフにして給紙ローラ21を停止させる(S15)。このディレイを入れることで用紙は少し余分に送られてたわみが作成され、先端を停止中のレジストローラ22のニップ部に突き当てる。
【0041】
作像開始として認識すると(S16のY)、これに同期してレジストスタートをする(S17)。すなわち、レジストローラ22を駆動して用紙を感光体3に向けて送る。このステップS17は、レジストローラ22を駆動するレジスト駆動手段を実現する。
【0042】
次に、印刷する用紙が1枚目であるか否かを判断する(S18)。この判断は、給紙の度に給紙枚数をカウンタに加算し、そのカウンタのデータを参照することで判断できる。1枚目であると判断したときは(S18のY)、今給紙された用紙の長さの測定を開始する(S19)。この測定は、レジストローラ22を駆動した時点(S17)から、用紙の後端がレジストセンサ30aを過ぎ、レジストセンサ30aがオフになった(S20のY)時点までに経過した時間を測定し、その測定時間を基にして演算することができる。すなわち、その測定時間とレジストローラ22の周速度(既知)との積に、レジストローラ22とレジストセンサ30aとの距離を加算することで用紙の長さを演算できる。この演算により用紙長が確定する(S21)。この確定処理は演算した用紙長のデータをメイン制御部23の記憶媒体に保存する処理も含む。このステップS19,21は、給紙される用紙の長さを検出する用紙長検出手段を実現する。
【0043】
本実施の形態では、次に、保存した用紙長のデータが、操作パネル31の用紙サイズ指定キーの操作により指定した用紙のサイズと一致しているか否かを判断する(S22)。このステップS22での判断の結果が不一致の場合は(S22のN)、操作パネル31上の表示部にエラー表示を行う(S23)。一致と判断したとき(S22のY)は、ステップS21において確定した用紙長のデータに基づいて一枚給紙終了時期を設定し、その設定値をメイン制御部23の記憶媒体に保存する(S24)。
【0044】
このステップS24は、用紙長検出手段により検出された用紙長、すなわち実際に検出された用紙長に基づいて一枚給紙終了時期を設定する一枚給紙終了時期設定手段を実現する。具体的には、用紙の後端が給紙ローラ21に到達するタイミングを示す一枚給紙終了時期は、用紙の先端がレジストローラ22のニップ部に当接してたわみが形成された状態を基準とすると、検出した用紙長から、給紙ローラ21とレジストローラ22との距離及び用紙のたわみ量を引いて給紙ローラ21から用紙の後端までの残りの長さを求め、その残りの長さを給紙ローラ21の線速(レジストローラ22の線速と同等で既知)で除した時間を求め、この時間を、給紙ローラ21を再駆動してから停止させるままでの再駆動時間として設定することである。
【0045】
印刷枚数を複数に設定したとき、1枚目の用紙については用紙長の測定をしただけで、レジストローラ22のニップ部に達した用紙はレジストローラ22だけで感光体3に搬送する。
【0046】
2枚目以降の用紙と判断したとき(S18のN)は、1枚目の用紙長を2枚目の用紙長として認識しその用紙長を基にした一枚給紙終了時期を適用するために、2枚目の用紙長の検出は行わず、レジストスタート(S17)に合わせて給紙クラッチ27を再びオンにすると(S25)、給紙ローラ21が再駆動される。これにより、用紙はレジストローラ22の搬送力と、給紙ローラ21の搬送力とにより確実に感光体3に向けて送り出される。
【0047】
このようにして給紙されている用紙の後端が給紙ローラ21に到達したものと認識したときに(S26のY)、換言すれば、給紙ローラ21を再駆動してから前述の再駆動時間が経過したときに、給紙クラッチ27をオフにし(S27)、給紙ローラ21を停止させる。ステップS25ないしステップS27の処理は、図3におけるステップS8ないしステップS10において説明した処理と同じである。ここで、ステップS25,S27は、レジストローラ22を駆動してから一枚給紙終了時期に至る期間だけ給紙ローラ21を再駆動させる再駆動手段を実現する。
【0048】
このように、レジストローラ22を駆動するときは給紙ローラ21を再駆動するため、搬送力を補った状態で用紙を搬送できる。
【0049】
また、本実施の形態では、実際に給紙される用紙の長さを検出し、その検出された用紙長に基いて一枚給紙終了時期を設定するので、実際に給紙された用紙の長さに応じて給紙ローラ21を停止させるタイミングをより一層正確に設定できる。したがって、給紙精度の信頼性をさらに高めることができる。
【0050】
さらに、印刷枚数を複数に指定した際に、一枚給紙終了時期の設定のために用紙の長さを検出しそのデータを更新する動作は、最初の用紙を給紙するときにのみなされるので、2枚目以降の印刷時間が長くなることを防止できる。
【0051】
さらに、操作パネル31の用紙サイズ指定キーを操作して指定した用紙サイズと、実際に給紙された用紙の用紙長とが一致しているときにのみ給紙ローラ21を再駆動するようにし、不一致の場合はエラー表示することができるので、実際に給紙した用紙のサイズが指定した用紙サイズと不一致の場合に、給紙ローラ21を再駆動することに起因する支障を回避できる。
【0052】
次に、図5を参照して本発明の第三の実施の形態について説明する。前記実施の形態において説明した部分と同一部分は同一符号を用い説明も省略する。また、図5におけるフローチャートの各ステップの処理についても、前記実施の形態と同一の処理については簡単に説明する。
【0053】
本実施の形態においても、複数枚の印刷をするために、操作パネル31上の置数キーの操作によって印刷枚数を設定する。また、用紙のサイズについても操作パネル31上の用紙サイズ指定キーの操作により指定する。プリントに際し、オペレータがスタートキーを押すことは前記実施の形態と同様である。スタートキーの出力を監視し、スタートキーが押されないために、プリント開始ではないと判断したときは(S31のN)、給紙トレイ19が再セットされたか否かを判断する(S32)。このステップS32は、給紙部再セット判断手段を実現する。
【0054】
給紙トレイ19を再セットするということはサイズの異なる用紙を入れ替える場合も考えられるので、ステップS12ではその可能性をチェックする。前述のように、各種センサ30は、給紙トレイ19の抜き差し状態に応じて信号を出力するトレイセンサ、給紙トレイ19内の用紙の有無によって信号を出力する用紙エンドセンサを含んでいることについて説明したが、ステップS32では、トレイセンサのオンオフの履歴により給紙トレイ19が脱着されたか否かを判断し、その給紙トレイ19内の用紙の有無を用紙エンドセンサの信号により判断し、給紙トレイ19の脱着があり、用紙の存在も認められたときに、給紙トレイ19が再セットされたものと判断する(S32のY)。この状態では用紙のサイズが不明であるので、フラグをリセットし(S33)、初期状態とする。
【0055】
スタートキーの操作により、プリント開始と判断したときは(S31のY)、給紙クラッチ27をオンにし(S34)、給紙ローラ21を回転させる。これにより、給紙トレイ19内の最上位の用紙が給紙ローラ21により給紙される。このステップS34は給紙ローラ21を駆動する給紙駆動手段を実現する。
【0056】
この給紙によりレジストセンサ30aがオンになると(S35のY)、用紙の先端がレジストローラ22のニップ部の近傍に到達した状態として認識するが、直ちに給紙クラッチ27をオフにせず、少し余裕を見込んだ一定時間のディレイの経過を入れて(S36)から、給紙クラッチ27をオフにして給紙ローラ21を停止させる(S37)。このディレイを入れることで用紙は少し余分に送られてたわみが作成され、先端を停止中のレジストローラ22のニップ部に突き当てる。
【0057】
作像開始として認識すると(S38のY)、これに同期してレジストスタートをする(S39)。すなわち、レジストローラ22を駆動して用紙を感光体3に向けて送る。このステップS39は、レジストローラ22を駆動するレジスト駆動手段を実現する。
【0058】
次に、フラグがリセットされているか否かを判断する(S40)。給紙トレイ19が再セットされた後の最初の給紙では初期状態であり、ステップS33においてフラグはリセットされているので、フラグはリセットされていると判断し(S40のY)、続いてフラグをセットする(S41)。
【0059】
次に、今給紙された用紙の長さの測定を開始する(S42)。この測定は、レジストローラ22を駆動した時点(S39)から、用紙の後端がレジストセンサ30aを過ぎ、レジストセンサ30aがオフになった(S43のY)時点までに経過した時間を測定し、その測定時間を基にして演算して用紙長を確定する(S44)ことができる。この演算については、図4のステップS19,21の処理として説明した処理と同様である。図5におけるステップS42,S44は、給紙される用紙の長さを検出する用紙長検出手段を実現する。
【0060】
本実施の形態では、次に、保存した用紙長のデータが、操作パネル31の用紙サイズ指定キーの操作により指定した用紙のサイズと一致しているか否かを判断する(S45)。このステップS45での判断の結果が不一致の場合は(S45のN)、操作パネル31上の表示部にエラー表示を行う(S46)。一致と判断したとき(S45のY)は、ステップS44において確定した用紙長のデータに基づいて一枚給紙終了時期を設定し、その設定値をメイン制御部23の記憶媒体に保存する(S47)。
【0061】
このステップS47は、用紙長検出手段により検出された用紙長、すなわち実際に検出された用紙長に基づいて一枚給紙終了時期を設定する一枚給紙終了時期設定手段を実現するものであるが、具体的には、図4におけるステップS24で行う処理と同様である。
【0062】
給紙トレイ19を再セットした後の最初の1枚目の用紙については用紙長の測定をしただけで、レジストローラ22のニップ部に達した用紙はレジストローラ22だけで感光体3に搬送する。
【0063】
給紙トレイ19を再セットし、用紙長の測定、一枚給紙終了時期の設定とを終えた後、給紙トレイ19を再セットしない限りはフラグがセットされている筈である。したがって、次のプリントに際して、ステップS40ではフラグがセットされていると判断する(S40のN)。このときは、1枚目の用紙長を2枚目の用紙長として認識しその用紙長を基にした一枚給紙終了時期を適用するために、2枚目の用紙長の検出は行わず、レジストスタート(S39)に合わせて給紙クラッチ27を再びオンにすると(S48)、給紙ローラ21が再駆動される。これにより、用紙はレジストローラ22の搬送力と、給紙ローラ21の搬送力とにより確実に感光体3に向けて送り出される。
【0064】
このようにして給紙されている用紙の後端が給紙ローラ21に到達したものと認識したときに(S49のY)、換言すれば、給紙ローラ21を再駆動してから前述の再駆動時間が経過したときに、給紙クラッチ27をオフにし(S50)、給紙ローラ21を停止させる。ステップS48ないしステップS50の処理は、図3におけるステップS8ないしステップS10において説明した処理と同様である。ここで、ステップS48,S50は、レジストローラ22を駆動したときから一枚給紙終了時期に至る期間だけ給紙ローラ21を再駆動させる再駆動手段を実現する。
【0065】
このように、レジストローラ22を駆動するときは給紙ローラ21を再駆動するため、搬送力を補った状態で用紙を搬送できる。
【0066】
また、本実施の形態では、給紙トレイ19を再セットするたびに実際に給紙される用紙の長さを検出し、その検出された用紙長に基いて一枚給紙終了時期を設定するので、実際に給紙された用紙の長さに応じて給紙ローラ21を停止させるタイミングをより一層正確に設定できる。したがって、給紙精度の信頼性をさらに高めることができる。
【0067】
さらに、給紙トレイ19を再セットしない限りは、一枚給紙終了時期の設定のために用紙の長さを検出しそのデータを更新する動作を行わないので、以降の印刷時間が長くなることを防止できる。
【0068】
【発明の効果】
請求項1乃至5記載の給紙装置によれば、画像形成部の動作に同期してレジスト手段が駆動されるときは給紙手段が再駆動されるため、給紙系の駆動源として小型のモータを用いたとしても、搬送力を補った状態で用紙を搬送することができる。この場合、前記レジスト手段が駆動したときから給紙対象の用紙の長さに応じて定められる所定の時間を経過するまで駆動し、前記所定の時間が経過したときに駆動を停止して、前記給紙対象の用紙の後端が前記給紙手段に到達したときに停止するので、用紙の長さに応じて再駆動した給紙手段の停止時期を正確に設定でき、これにより、給紙すべき用紙を確実に給紙し、且つ、次層の用紙を重ねて給紙することに起因するジャムの発生を防止できる。
【0069】
特に、請求項3記載の発明によれば、請求項1記載の画像形成装置において、実際に給紙される用紙の長さを検出し、その検出した用紙長に基いて前記所定の時間を求めるので、給紙精度の信頼性をさらに高めることができる。
【0070】
請求項4記載の発明によれば、請求項3記載の画像形成装置において、一枚給紙終了時期を設定するための用紙長の検出を、印刷枚数を複数に指定した際に最初に給紙された1枚目の用紙について行うようにしたので、2枚目以降の印刷時間が長くなることを防止できる。
【0071】
請求項5記載の発明によれば、請求項3又は4記載の画像形成装置において、一枚給紙終了時期を設定するための用紙長の検出を、給紙部を再セットした状態と認識したときに最初に給紙した1枚目の用紙について行うようにしたので、給紙部を再セットしない限り、以降の印字時間が長くなることを防止できる。
請求項6記載の画像形成装置によれば、請求項1ないし5の何れか一記載の給紙装置を備えるので、レジストローラを駆動するときに給紙ローラを再駆動して給紙すべき用紙を確実に給紙し、且つ、次層の用紙を重ねて給紙することに起因するジャムの発生を防止し得る画像形成装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一の実施の形態における給紙装置を実装した画像形成装置の内部の概略構成を示す縦断正面図である。
【図2】電気的接続構成を概略的に示すブロック図である。
【図3】給紙動作を示すフローチャートである。
【図4】本発明の第二の実施の形態における給紙動作を示すフローチャートである。
【図5】本発明の第三の実施の形態における給紙動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
2 画像形成部
18 給紙装置
19 給紙部
21 給紙ローラ
22 レジストローラ
31 用紙サイズ指定手段
S2,S12,S34 給紙駆動手段
S7,S17,S39 レジスト駆動手段
S8,S10、S25,S27、S48,S50 再駆動手段
S24、S47 一枚給紙終了時期設定手段
S32 給紙部再セット判断手段
Claims (6)
- 用紙を格納する給紙部と、
前記給紙部内の用紙を画像形成部に給紙するために駆動する給紙手段と、
前記画像形成部と給紙ローラとの間に配置されたレジストローラを含み、前記画像形成部の画像形成開始後に駆動するレジスト手段とを備え、
前記給紙手段は、前記レジスト手段が駆動したときから給紙対象の用紙の長さに応じて定められる所定の時間を経過するまで駆動し、前記所定の時間が経過したときに駆動を停止して、前記給紙対象の用紙の後端が前記給紙手段に到達したときに停止するように駆動制御を行うことを特徴とする画像形成装置。 - 前記用紙の長さと前記所定の時間との対応づけを予め設定している一枚給紙終了時期設定手段を備え、
前記給紙手段は、給紙を指定された用紙の長さに対応する前記所定の時間を、前記一枚給紙終了時期設定手段による設定に応じて特定し、該所定の時間に基づいて駆動制御を行うことを特徴とする請求項1に記載の給紙装置。 - 実際に給紙される用紙の長さを検出する用紙長検出手段と、
前記用紙長検出手段により検出された用紙長に基いて前記所定の時間を求める一枚給紙終了時期設定手段とを備え、
前記給紙手段は、前記一枚給紙終了時期設定手段により求められた前記所定の時間に基づいて駆動制御を行うことを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。 - 前記用紙長検出手段は、印刷枚数を複数に指定した際に給紙された1枚目の用紙について用紙長を検出し、当該用紙長を2枚目以降の用紙長として認識することを特徴とする請求項3記載の画像形成装置。
- 前記給紙部を再セットしたか否かを判断する給紙部再セット判断手段を備え、
前記用紙長検出手段は、前記給紙部再セット判断手段により再セットしたと判断された場合に給紙された1枚目の用紙について用紙長を検出することを特徴とする請求項3又は4記載の画像形成装置。 - 請求項1ないし5の何れか一記載の給紙装置と、前記給紙装置により給紙された用紙に画像を出力する画像形成部とを備えることを特徴とする画像形成装置。
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