JP4109886B2 - 画像形成装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複写機、プリンタ、ファックス等の画像形成装置に関し、特に、熱により画像が定着された転写紙の表裏を反転して画像形成部に再給紙可能な電写真方式の画像形成装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図7は、従来からある画像形成装置としてのデジタル複写機を示す断面図である。
【0003】
デジタル複写機本体1は、原稿の画像を読み取るリーダ2と、転写紙に画像を形成するプリンタ3から構成され、リーダ2には、積載された原稿をリーダ2の所定位置に順次給送する自動原稿送り装置4が接続されている。
【0004】
複数枚の原稿束は、自動原稿送り装置4の原稿積載台401上に、先頭ページの画像面を上にして積載され、原稿給紙ローラ402の回転駆動によって、最上紙から順にリーダ2へ給送される。
【0005】
給紙された原稿は、画像面を下にして原稿ガラス201上に積置され、リーダ2による画像読み取りが行われる。リーダ2による画像読み取りは、照明ランプ202で原稿を照射し、原稿からの反射光を反射ミラー203、204、205とレンズ206を介してイメージセンサ207内のCCDセンサに結像するという周知の手法により行われる。このときの読み取り動作としては、原稿ガラス201上に固定積置された原稿に対して照明ランプ202や反射ミラー203等からなるスキャナユニット208を移動させて読み取る動作(原稿固定読み)と、原稿ガラス201上を移動する原稿に対して固定のスキャナユニット208で読み取る動作(原稿流し読み)の2通りがあり、モードに応じて選択的に切換えることにより、原稿読み取り時間を短縮して生産性の向上をはかっている。リーダ2による画像読み取りが終了した原稿は、画像面を下にしたまま原稿排紙トレイ403上に順次排出される。
【0006】
以上の動作により読み取った複数の画像データは、全て不図示の大容量メモリ(ハードディスク)に格納され、メモリに格納された画像データは、デジタル複写機1の不図示の操作部で指定された編集モードに応じた順序でプリンタ2に出力される。
【0007】
読み取った画像の記録媒体である転写紙は、プリンタ3内部の右デッキ301、左デッキ302、上段カセット303、下段カセット304、手差しトレイ305に収納されている。給紙ローラ306〜310のいずれかが選択的に回転駆動することにより1枚ずつ順次給紙された転写紙は、レジストローラ311でタイミングを合わせて画像形成部に供給される。画像形成部では、感光体ドラム312が不図示のモータにより図7に示す矢印の方向に回転しており、一次帯電器313により所望の電位に帯電された後、露光制御部314により画像データに基づく所定のレーザ光の照射を受けて静電潜像が形成され、現像器315により静電潜像がトナー像として現像される。このときの現像方式としては、現像器315内に蓄えられた磁性トナーをアジテータ316により攪拌・搬送し、周方向に磁極パターン(磁力の強弱)が形成された回転現像スリーブ317に吸着し、現像スリーブの長手方向に一様な微小ギャップを持って配設される磁性材料の現像ブレード318によってコート量を薄く均一に規制するとともに、攪拌部および微小ギャップ部においてトナーを摺擦させることにより所定の電荷を付与する摩擦帯電方式が従来からよく知られている。現像されたトナー像は、転写帯電器319によって、供給された転写紙に転写され、転写終了後の感光ドラム312は、クリーナ320により残留トナーが清掃され、前露光ランプ321により残留電荷が消去される。クリーナ320により回収されたトナーは、スクリュー322等の搬送手段により不図示の廃トナーボトルに搬送される。転写終了後の転写紙は、分離帯電器323により感光体ドラム312から分離され、搬送ベルト324によって定着ローラ325に送られ、定着ローラ325による加圧、加熱を受けてトナー像が永久画像として定着される。
【0008】
不図示の操作部で片面コピーモードが選択された場合、トナー像が定着された転写紙は、ストレート排紙パス333を経由して、排出ローラ330により排紙トレイ331上に排出される。
【0009】
一方、不図示の操作部で両面コピーモードが選択された場合、1面目のトナー像が定着された転写紙は、反転搬送パス326を経由して反転部327に一旦引き込まれた後、反転ローラ328の逆転により両面搬送パス332を経由することで、上下が反転した状態で再び画像形成部に供給され、2面目の画像が形成される。両面のトナー画像が定着された転写紙は、ストレート排紙パス333を経由して、排出ローラ330により排紙トレイ331上に排出される。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の画像形成装置では、両面コピーモードにおいて、定着ローラにより加熱された転写紙が十分に冷却しきらない状態で再び画像形成部に供給される場合があると、転写紙からの放熱により現像器内のトナーが昇温して帯電性が劣化し、画像濃度が薄くなる等の画像異常が発生する恐れがあった。
【0011】
また、両面コピー時の転写紙からの放熱により、現像器内のトナーが溶融点以上に昇温する場合があると、溶融トナーが現像スリーブや現像ブレードに融着して現像スリーブ上のトナーコート量が不均一となり、濃度ムラや画像スジ等の画像異常が発生する恐れがあった。
【0012】
更に、溶融トナーが現像器のアジテータやクリーナのスクリューといったトナー搬送部材に融着する場合があると、トナー搬送を阻害したり、駆動負荷の上昇による動作不良を引き起こしたりする恐れもあった。
【0013】
特に、近年の画像形成装置の高速化に伴い、定着ローラを通過した転写紙が再び画像形成部に到達するまでの時間が短くなり、両面転写紙の熱が機内に拡散されて冷やされる時間が減り、単位時間当たりに現像器やクリーナ内のトナーに付与される熱量はますます増大する傾向にある。
【0014】
これらの両面転写紙の熱に起因する現像器やクリーナ内のトナーの昇温問題を解決するために、従来より、定着ローラの下流の搬送経路に転写紙冷却手段を配設する種々の技術が提案されてきた。
【0015】
その一例として、定着ローラの下流にファン等の送風手段を配設し、両面転写紙に対して直接冷却風を吹き付けて冷却する手法があるが、ファンの送風量が強すぎると、転写紙のばたつきによる紙折れ、紙シワ、ジャム等の搬送不良が発生する恐れがあり、ファンの送風量は上記の諸問題が生じないレベルに制限されてしまうため、その冷却能力には限界が生じていた。
【0016】
また、定着ローラの下流にヒートパイプ等の吸熱手段を配設し、両面転写紙に対して直接、もしくは、搬送ベルト、搬送ガイドを介して接触することにより吸熱を行い、紙搬送領域とは独立した空間に配設した放熱部をファン等の送風手段で冷却する手法もあるが、熱伝達部の接触面積はヒートパイプの径により制限されてしまうため、その冷却能力には限界が生じてしまうか、装置の大型化を招いてしまっていた。
【0017】
本発明は、上記問題点に鑑みなされたものであって、転写紙のばたつきによる搬送不良や装置の大型化を招くことなく、より高い冷却能力を必要とする高速化もしくは定着温度が高温化した画像形成装置に対しても冷却能力に限界を生じることなく両面転写紙の熱を十分に冷却することができ、両面コピーモードにおける現像器およびクリーナ内のトナー昇温による画像不良、動作不良を防止することが可能な画像形成装置を提供することを目的としたものである。
【0018】
【課題を解決するための手段】
上述した目的を達成するために、本発明に係る画像形成装置は、給送された転写紙上に画像を形成する画像形成手段と、前記画像形成手段によって転写紙上に形成された画像を加熱により定着する定着手段と、前記定着手段で画像が定着された転写紙を搬送する搬送手段と、前記搬送手段により搬送される転写紙に接触する吸熱端と、前記吸熱端に対向する放熱端とを有するシート状の部材であって、転写紙と接触して転写紙の熱を吸収する吸熱手段と、前記吸熱手段の前記放熱端を冷却する冷却手段と、シート状の部材である前記吸熱手段に対して、前記吸熱端の撓み方向を切換えるための切換え手段と、を有することを特徴とするものである。
【0019】
【発明の実施の形態】
【実施例1】
図1は、本発明の画像形成装置1の反転部327を示す断面図である。
【0020】
本発明の画像形成装置1の基本構成および画像形成プロセスは従来例で説明した通りなので省略する。
【0021】
図1に示すように、本発明では、従来例の反転ローラ328の正転搬送方向における下流側上方に、中空のダクト部材501と、ダクト501の中空部に所定の一定風量の冷却風を流すための送風ファン502と、中空部に上端503aを突出するようにしてダクト501に固定されたカットシート状の薄肉部材503が追加配設されている。カットシート状の薄肉部材503は、例えば、アルミニウムや銅、銀等の金属材料を電鋳や溶射等の製法により薄膜状に製造したものや、シリコンゴムのシートや、特公平1−49642等で既に製造方法が開示されている高分子フィルムをグラファイト化して形成されたグラファイトシートのように、良好な熱伝導性および柔軟性を備えたものであれば良い(以下、良熱伝導性シート503と呼ぶ)。
【0022】
良熱伝導性シート503は、図1(a)に示すように、下端503bが、下ガイド504の搬送面504aより下方に突出する構成になっており、下端503bに対向する部分の下ガイド504は、良熱伝導性シート503との干渉を避けるための窪み形状504bが形成されている。また、図2の断面図に示すように、良熱伝導性シート503の幅方向の寸法は、転写紙の最大幅Sbmaxよりも広い構成になっている。
【0023】
良熱伝導性シート503は、転写紙Sの搬送性を妨げることが無い程度の柔軟性を備えており、図1(b)に示すように、一面目の画像が熱定着された転写紙Sが、反転搬送パス326を経由して反転部327に搬送されると、良熱伝導性シートの下端503bは、転写紙の正転搬送方向先端S1によって図の右方向に容易に撓むことができる。その後、撓んだ良熱伝導性シートの下端503bと接触、摺擦しながら転写紙Sの正転搬送が行われ、図1(c)に示すように、転写紙の正転搬送方向後端S2が反転ローラ328のニップを抜ける手前で正転搬送が終了する。次に、図1(d)に示すように、反転ローラ328が逆転すると、良熱伝導性シートの下端503bは、転写紙Sの反転搬送方向にならって図の左方向に容易に撓み、正転搬送時と同様、撓んだ良熱伝導性シートの下端503bと接触、摺擦しながら転写紙Sが反転搬送される。転写紙Sが両面パス332に導かれ、転写紙の反転搬送方向後端S1が高熱伝導性シート503を通過すると、良熱伝導性シート503は、図1(a)に示した初期状態に復帰する。
【0024】
さて、上記に説明した転写紙Sの反転動作において、本発明の良熱伝導性シート503は、転写紙Sに接触、摺擦している間、その下端503bにおいて転写紙Sから熱を吸収し、その上端503aにおいて送風ファン502の冷却風を受けて装置1外部に熱を放出する。
【0025】
よって、定着器325によって加熱された転写紙Sは、反転部327において、良熱伝導性シート503を介して効率良く冷却される。
【0026】
このとき、送風ファン502の風は、転写紙Sに直接作用することがなく、ダクト501の内部だけを通過するため、転写紙Sの搬送性を阻害する恐れが全く無い。
【0027】
よって、送風ファン502の送風量は制限されることがなく、転写紙Sの熱量に応じた適正な送風量が確保できるため、定着ローラ325により付与された熱を十分に冷却した後に転写紙Sを再び画像形成部に搬送することが可能となり、より高速化された画像形成装置1や、より定着温度の高い画像形成装置1に対しても、両面コピーモードにおける現像器315およびクリーナ320内のトナー昇温による画像不良、動作不良を防止することが可能となる。
【0028】
なお、本発明のダクト501、送風ファン502、良熱伝導性シート503からなる転写紙冷却手段の画像形成装置における位置は、本実施例で説明した構成に限定されず、定着ローラ325から再び画像形成部に至るまでの経路の範囲内であれば他の位置に配設しても構わないが、本実施例のように、反転部327の反転ローラ328近傍に配設すると、定着ローラ325から離れた位置で冷却が行われ、冷却風により定着ローラ325の温度を下げてしまうような弊害は無く、また、定着ローラ325からの熱の影響を受けることなく効率的に転写紙Sを冷却することが可能となる上に、転写紙Sのほぼ全域に近い広範囲の領域を反転の前後で二度に渡って冷却できるため、更に効率的に転写紙Sを冷却することが可能となる。
【0029】
また、転写紙冷却手段の反転ローラ328に対する位置は、本実施例で説明した構成に限定されず、反転ローラ328の正転搬送方向上流に配設しても構わないが、本実施例のように、反転ローラ328の下流側近傍に配設すると、転写紙先端S1が、その直後を反転ローラ328で挟持された自由長の短い状態で高熱伝導性シート503に突入するため、突入時の転写紙Sの座屈が生じにくくなり、より剛性の低い薄紙に対しても適正な搬送性を確保することが可能となる。
【0030】
また、転写紙冷却手段の搬送経路に対する上下位置は、本実施例で説明した構成に限定されず、搬送経路の下方に配設した構成であっても構わないが、本実施例のように、搬送経路の上方に配設し、熱を上方に逃がす構成であると、自然対流の効果が加わってより効率的に転写紙Sを冷却することが可能である。また、冷却手段を搬送経路の上下両方に配設しても良く、この場合、転写紙Sの両面を冷却することができて、更に効率的に転写紙Sを冷却することが可能となる。
【0031】
また、転写紙冷却手段の配設個数は、本実施例で説明した構成に限定されず、複数個並べて配設したり、1つのダクト501に対して複数枚の良熱伝導性シート503を固定した構成であっても良く、この場合、転写紙Sに対する良熱伝導性シート503の接触面積が増加して、転写紙Sからより短時間で多くの熱量を吸収することが可能となり、更に効率的に転写紙Sを冷却することが可能となるし、この方式によれば、装置1を大型化することなく接触面積を容易に増加することができる。
【0032】
【実施例2】
図3は、実施例1で説明した反転ローラ(以下第一反転ローラと呼ぶ)328に対して、その正転搬送時下流側に、第一反転ローラ328と同期して正逆回転駆動する第二反転ローラ505を追加配設し、第一反転ローラ328と第二反転ローラ505との間にダクト501、送風ファン502、良熱伝導性シート503からなる転写紙冷却手段を配設した例である。
【0033】
この構成によれば、反転時の転写紙後端S2の停止位置を良熱伝導性シート503の位置よりも正転方向下流側にずらしても、第二反転ローラ505によって適正な反転搬送動作を行うことが可能となる。
【0034】
図3は、反転時の転写紙Sの停止状態を示しているが、このように反転時の転写紙の停止位置をずらすことにより、良熱伝導性シート503が転写紙Sに接触する領域を転写紙Sの全域まで広げることができる。よって、実施例1で説明したよりも広範囲で、転写紙の全域を二度に渡って冷却することができ、更に効率的に転写紙Sを冷却することが可能となる。
【0035】
【実施例3】
実施例1、2では、良熱伝導性シート503を1枚のカットシート形状としたが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0036】
例えば、図4に示すように、良熱伝導性シート503に複数のスリット503cをいれて、幅方向に分割した構成にすれば、小サイズの転写紙Sにおいて、良熱伝導性シート503に対する突入時のショックや、摺擦による搬送負荷を軽減することができ、更に安定した転写紙Sの搬送を行うことが可能となる。
【0037】
【実施例4】
実施例1〜3では、良熱伝導性シート503は、搬送される転写紙Sに追従して撓み方向が変化する構成としたが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0038】
例えば、図5(a)、(b)に示すように、反転ローラ328の正逆回転と連動して図の左右方向に移動し、良熱伝導性シート503の撓み方向を変化させる切換え板506を配設しても構わない。この構成にすれば、転写紙Sが突入する前に、良熱伝導性シート503をある程度撓ませておけるので、突入の際に生じる転写紙Sのショックや搬送負荷が軽減でき、更に安定した転写紙Sの搬送を行うことが可能となる。
【0039】
【実施例5】
実施例1〜4では、良熱伝導性の薄肉部材をカットシート形状としたが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0040】
例えば、図6に示すように、良熱伝導性の薄肉部材を環状のベルト形状にしても構わない。環状の良熱伝導性の薄肉部材(以下、良熱伝導性ベルトと呼ぶ)507は、第一反転ローラ328と第二反転ローラ505との間で張架され、外周面507bにおいて転写紙Sと接触して熱を吸収し、内周面507aにおいて送風ファン502の送風を受けて装置1外部に熱を放出する。
【0041】
この構成によれば、良熱伝導性ベルトの内周面507aが風路となるため、ダクト501が不要となるばかりか、転写紙Sとの接触面積も拡大できて更に効率的に転写紙Sを冷却することが可能となる。
【0042】
また、良熱伝導性ベルト507は、反転ローラ328、505によって、その外周面507aの速度が転写紙Sの搬送速度と同一になるように駆動されているため、転写紙Sが良熱伝導性ベルト507に突入する際のショックや、転写紙Sと良熱伝導性ベルト507との間の接触時の摺擦が無くなり、搬送負荷が軽減されて、更に安定した転写紙Sの搬送を行うことが可能となる。
【0043】
なお、本実施例の良熱伝導性ベルト507の場合であっても、実施例1で述べた良熱伝導性シート503の場合と同様に、転写紙冷却手段の画像形成装置における位置は、定着ローラ325から再び画像形成部に至るまでの経路の範囲内であれば他の位置に配設しても構わないが、本実施例で説明したように、反転部327の反転ローラ328近傍に配設すると、定着ローラ325の温度を下げることなく、反転前後の二度に渡って効率的に転写紙を冷却することが可能となる。また、転写紙冷却手段の搬送経路に対する上下位置は、搬送経路の下方に配設した構成であっても構わないが、本実施例で説明したように、搬送経路の上方に配設すると、自然対流の効果が加わって効率的に転写紙Sを冷却することが可能となる。また、搬送経路の上下両方に配設すれば、転写紙の両面を冷却できて、更に効率的に転写紙Sを冷却することが可能となるばかりか、高熱伝導性ベルト507と対向する下ガイド504との摺擦による搬送負荷も無くなり、更に安定した転写紙Sの搬送を行うことが可能となる。
【0044】
【実施例6】
実施例1〜6では、コピー動作の間中、送風ファン502が所定の一定風量で駆動されるものとして説明したが、本発明はこれに限定されるものでは無い。
【0045】
例えば、反転部327に転写紙Sの有無を検出する検知手段を設け、反転部327に転写紙Sが有る場合は、転写紙Sと良熱伝導性シート503もしくは良熱伝導性ベルト507が接触しているので、転写紙冷却に必要な所定の一定風量で駆動を行い、反転部327に転写紙Sが無い場合は、転写紙冷却を行う必要がないため、転写紙Sが有る場合よりも風量を下げて駆動するか、もしくは、駆動をオフするといった制御切換えを行っても構わない。
【0046】
この制御切換えを行えば、通紙シーケンスに合わせた必要最低限な時間で送風ファン502を駆動することができ、送風ファンの消費電力が抑えられ、省エネルギーに対して効果のある画像形成装置1を提供することが可能となる。
【0047】
【実施例7】
実施例1〜7では、転写紙冷却時に、送風ファン502を所定の一定風量で駆動するものとして説明したが、本発明はこれに限定されるものでは無い。
【0048】
例えば、画像形成装置1内に転写紙Sの厚みを検出する検知手段を設け、その検知情報に基づき、より熱容量の高い厚紙に対しては風量を上げ、より熱容量の低い薄紙に対しては風量を下げる等の制御切換えを行っても構わない。
【0049】
この制御切換えを行えば、紙の熱容量に合わせた必要最低限な風量で送風ファン502を駆動することができ、送風ファンの消費電力が抑えられ、省エネルギーに対して効果のある画像形成装置1を提供することが可能となる。
【0050】
【発明の効果】
以上説明したように、給送された転写紙上に画像を形成する画像形成手段と、転写紙上に形成された画像を加熱により定着する定着手段と、画像が定着された転写紙を搬送する搬送手段と、搬送手段により搬送される転写紙に接触する吸熱端と、吸熱端に対向する放熱端とを有するシート状の部材であって、転写紙と接触して転写紙の熱を吸収する吸熱手段と、吸熱手段の放熱端を冷却する冷却手段と、シート状の部材である吸熱手段に対して、吸熱端の撓み方向を切換えるための切換え手段とを有することにより、転写紙のばたつきによる搬送不良を防止するとともに、転写紙の熱を十分冷却することができる。また、吸熱手段と冷却手段を両面転写紙が通過する反転搬送路上に設けることで、両面転写紙の熱を十分に冷却することができ、両面コピーモードにおける現像器およびクリーナ内のトナー昇温による画像不良、動作不良を防止することが可能となる。
【0051】
更に、必要時、もしくは、必要量に応じて送風ファンの風量を切換える制御を行うことにより、転写紙の熱量に応じた必要最低限な時間、もしくは、風量でファンを駆動することが可能となり、ファンの消費電力が抑えられ、省エネルギーに対して効果を奏する
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1の画像形成装置の反転部を示す断面図である。
【図2】実施例1の転写紙冷却手段を示す断面図である。
【図3】実施例2の画像形成装置の反転部を示す断面図である。
【図4】実施例3の転写紙冷却手段を示す断面図である。
【図5】実施例4の画像形成装置の反転部を示す断面図である。
【図6】実施例5の画像形成装置の反転部を示す断面図である。
【図7】従来例の画像形成装置の反転部を示す断面図である。
【符号の説明】
1 画像形成装置
325 定着ローラ
327 反転部
328 第一反転ローラ
501 ダクト
502 送風ファン
503 良熱伝導性シート
504 下ガイド
505 第二反転ローラ
506 切換え板
507 良熱伝導性ベルト

Claims (10)

  1. 給送された転写紙上に画像を形成する画像形成手段と、
    前記画像形成手段によって転写紙上に形成された画像を加熱により定着する定着手段と、
    前記定着手段で画像が定着された転写紙を搬送する搬送手段と、
    前記搬送手段により搬送される転写紙に接触する吸熱端と、前記吸熱端に対向する放熱端とを有するシート状の部材であって、転写紙と接触して転写紙の熱を吸収する吸熱手段と、
    前記吸熱手段の前記放熱端を冷却する冷却手段と、
    シート状の部材である前記吸熱手段に対して、前記吸熱端の撓み方向を切換えるための切換え手段と、
    を有することを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記搬送手段は、前記定着手段により画像が定着された転写紙を表裏反転するための反転搬送路を有し、前記吸熱手段は、前記反転搬送路上の転写紙の熱を吸収することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 正逆回転する第一の反転ローラ対と、前記第一の反転ローラ対と同期して正逆回転する第二の反転ローラ対とを前記反転搬送路上に有し、前記吸熱手段は、前記第一の反転ローラ対と前記第二の反転ローラ対との間に配設されることを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
  4. シート状の部材である前記吸熱手段には、複数のスリットが入っていることを特徴とする請求項に記載の画像形成装置。
  5. 前記冷却手段は、送風ファンであることを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
  6. 前記反転搬送路上に転写紙の有無を検知する転写紙検知手段を有し、前記転写紙検知手段の検知結果に応じて前記送風ファンの風量を制御することを特徴とする請求項に記載の画像形成装置。
  7. 前記反転搬送路上に転写紙が無いことを前記転写紙検知手段が示す場合は、前記反転搬送路上に転写紙が有る場合に比べて前記送風ファンの風量を下げることを特徴とする請求項に記載の画像形成装置。
  8. 前記反転搬送路上に転写紙が無いことを前記転写紙検知手段が示す場合は、前記送風ファンの駆動をオフにすることを特徴とする請求項に記載の画像形成装置。
  9. 搬送される転写紙の厚みを検知する紙厚検知手段を有し、前記紙厚検知手段で検知された厚みに応じて前記送風ファンの風量を制御することを特徴とする請求項に記載の画像形成装置。
  10. 前記紙厚検知手段によって厚紙であることが検知された場合は、薄紙が検知された場合に比べて前記送風ファンの風量を上げることを特徴とする請求項に記載の画像形成装置。
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