JP2008181022A - 画像形成装置、および記録材の冷却方法 - Google Patents

画像形成装置、および記録材の冷却方法 Download PDF

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Abstract

【課題】記録材におけるカールの度合いを小さくすることが可能な画像形成装置等を提供する。
【解決手段】定着装置60は、加熱ロール62と、加圧ロール64とを備えている。また、冷却部70は、第1のファン71と、第2のファン72と、冷却ロール73とを備えている。第1のファン71は、用紙における加熱ロール62により加熱された面とは反対側の面に対して送風を行い、用紙を冷却する。また、第1のファン71は、第2のファン72および冷却ロール73よりも用紙搬送方向上流側、且つ、定着装置60よりも用紙搬送方向下流側に配設されている。第2のファン72は、第1のロール状部材73a側から送風を行い、冷却ロール73を冷却する。また、第2のファン72は、第1のファン71よりも用紙搬送方向下流側に配設されている。
【選択図】図2

Description

本発明は、複写機、プリンタなどの画像形成装置等に関する。
排紙ローラによる記録材上の現像剤(トナー画像)のはぎ取りを防止するため、未定着現像剤を担持した記録材を1対のローラ対に通過せしめることにより未定着現像剤を記録材上に熱定着する定着装置と、定着装置を通過した記録材を装置外に排出する少なくとも1対の排紙ローラと、排紙ローラを冷却する排紙ローラ冷却手段とを有する画像形成装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開平7−181767号公報
ところで、定着装置の記録材搬送方向下流側に一対の排紙ローラを設けるとともに、この排紙ローラを冷却する冷却手段を設けた場合、定着装置による加熱作用を受け記録材にカールが発生するとともに、排紙ローラによる冷却作用を受けカールの度合いが大きくなる場合がある。この結果、記録材が搬送される過程においてジャムが発生しやすくなったり、記録材の収容性が悪化したりするなどの不具合が生じるおそれがある。
そこで本発明は、以上のような技術的課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、記録材におけるカールの度合いを小さくすることが可能な画像形成装置等を提供することにある。
かかる目的のもと、本発明が適用される画像形成装置は、記録材上に形成された画像を加熱により記録材に定着させる定着手段と、定着手段により画像が定着された記録材を冷却する第1の冷却手段と、第1の冷却手段による冷却がなされる前に定着手段にて定着が行われた記録材を反画像面側から冷却する第2の冷却手段と、を含む。
ここで、第1の冷却手段は、記録材を画像面側から冷却することを特徴とすることができる。また、第2の冷却手段は、記録材と接触することで記録材から熱を奪う接触部材により構成されたことを特徴とすることができる。さらに、記録材上に形成される画像の画像濃度を把握する把握手段と、把握手段にて把握された画像濃度に基づき第1の冷却手段または/および第2の冷却手段を制御する制御手段と、を更に含むことを特徴とすることができる。また、制御手段は、把握手段にて把握された画像濃度が所定の閾値以上である場合、画像濃度が所定の閾値よりも小さい場合に比べ第2の冷却手段による記録材の冷却を弱めることを特徴とすることができる。
他の観点から捉えると、本発明が適用される画像形成装置は、画像を保持した記録材を加熱する加熱手段と、加熱手段により加熱された記録材の被加熱面の冷却効果に比べ、被加熱面とは反対側の面の冷却効果を高めて冷却する上流側冷却手段と、上流側冷却手段による冷却箇所よりも記録材搬送方向下流側にて記録材を冷却する下流側冷却手段と、を含む。
ここで、下流側冷却手段は、反対側の面に比べて被加熱面を多く冷却することを特徴とすることができる。
さらに、本発明を記録材の冷却方法と捉えた場合、本発明が適用される記録材の冷却方法は、加熱により画像の定着が行われた記録材の冷却方法であって、画像の定着が行われた定着面とは反対側の面から記録材を冷却した後、定着面側から記録材の冷却を行う。
請求項1に係る発明によれば、本構成を有していない場合に比較して、記録材におけるカールの度合いを小さくすることが可能な画像形成装置を提供することができる。
請求項2に係る発明によれば、画像のキズや、画像の一部が他の部材へ転移するオフセットなどの発生を抑制することができる。
請求項3に係る発明によれば、記録材からの奪熱を効率よく行うことができる。
請求項4に係る発明によれば、画像濃度に関わらずカールの度合いを小さくすることができる。
請求項5に係る発明によれば、カールの度合いを小さくすることができる。
請求項6に係る発明によれば、本構成を有していない場合に比較して、記録材におけるカールの度合いを小さくすることが可能な画像形成装置を提供することができる。
請求項7に係る発明によれば、被加熱面側に画像が形成されている場合に、画像のキズや、画像の一部が他の部材へ転移するオフセットなどの発生を抑制することができる。
請求項8に係る発明によれば、本構成を有していない場合に比較して、記録材におけるカールの度合いを小さくすることが可能な記録材の冷却方法を提供することができる。
―第1の実施形態―
以下、添付図面を参照して、本発明の第1の実施の形態について詳細に説明する。
図1は、本発明が適用される画像形成装置を示した概略構成図である。図1に示す画像形成装置は、一般にタンデム型と呼ばれる中間転写方式の画像形成装置である。この画像形成装置には、電子写真方式により各色成分のトナー画像が形成される複数の画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kが備えられている。また、各画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kにより形成された各色成分トナー画像を中間転写ベルト15に順次転写(一次転写)させる一次転写部10が備えられている。
さらに、中間転写ベルト15上に転写された重畳トナー画像を記録材(記録紙)である用紙Pに一括転写(二次転写)させる二次転写部20が備えられている。また、中間転写ベルト15の内側には、中間転写ベルト15を内側から張架するとともに定速性に優れたモータ(図示せず)などにより回転駆動される駆動ロール31などの各種ロールが設けられている。さらに、二次転写された画像を用紙P上に定着させる定着手段の一例としての定着装置60と、各装置(各部)の動作を制御する制御部40とが設けられている。また、定着装置60の用紙搬送方向下流側には、定着がなされた用紙を機外に排出する搬送ロール(不図示)や、用紙の搬送方向を規定するガイド部材(不図示)などの搬送用部材が配設されている。
ところで、定着装置60にて定着処理がなされた際、用紙上のトナー画像が完全に硬化せず未だ軟化状態となっている場合がある。そして、このような状態のまま搬送されていくと、上記搬送用部材と接触し、トナー画像にキズが発生したり、トナー画像の一部が搬送用部材に転移する所謂オフセットが発生したり、トナー画像にグロス変化が起きたりするなどの不具合が発生する場合がある。
また、近年のトナーは、定着装置に設けられたロール状部材(例えば、後述する加熱ロール62(図2参照))からの用紙の剥離を容易にするため、結晶化樹脂により形成されたワックスを含んでいる場合がある。そして、このようなワックスを含む場合において、用紙上のトナー画像が上記と同様に搬送用部材に接触すると、接触した部分において結晶化が促進される。この結果、トナー画像上に結晶化度が異なる部分が生じ、トナー画像に筋状のムラが生じるおそれがある。
そこで、本実施形態における画像形成装置においては、用紙が上記搬送用部材に搬送される前に用紙を冷却する、即ち、上記搬送用部材の用紙搬送方向上流側において用紙を冷却する冷却部70が配設されている。
本実施の形態において、各画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kには、次のような電子写真用デバイスが順次配設されている。まず、矢印A方向に回転する感光体ドラム11の周囲に、これらの感光体ドラム11を帯電する帯電器12が配設されている。また、感光体ドラム11上に静電潜像を書込むレーザ露光器13(図中露光ビームを符号Bmで示す)が配設されている。さらに、各色成分トナーが収容されて感光体ドラム11上の静電潜像をトナーにより可視像化する現像器14が設けられている。また、感光体ドラム11上に形成された各色成分トナー画像を一次転写部10にて中間転写ベルト15に転写する一次転写ロール16が設けられている。また、感光体ドラム11上の残留トナーを除去するドラムクリーナ17が設けられている。
一次転写部10は、中間転写ベルト15を挟んで感光体ドラム11に対向して配置される一次転写ロール16を含んで構成されている。
二次転写部20は、中間転写ベルト15のトナー画像保持面側に配置される二次転写ロール22と、バックアップロール25とを含んで構成される。二次転写ロール22は、中間転写ベルト15を挟んでバックアップロール25に圧接配置されている。
制御部40は、各装置(各部)の動作を制御するCPU(Central Processing Unit)、プログラムが記録されるROM(Read Only Memory)、各種データを一時的に記憶しておくRAM(Random Access Memory)等を備えている。
次に、本実施の形態に係る画像形成装置の基本的な作像プロセスについて説明する。本実施形態においては、図示しないパーソナルコンピュータや図示しない画像読取装置等から画像データが出力される。そして、この画像データは図示しない画像処理装置により所定の画像処理が施され、Y(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)、K(黒)の4色の色材階調データに変換され、レーザ露光器13に出力される。
レーザ露光器13は、入力された色材階調データに応じて、例えば半導体レーザから出射された露光ビームBmを画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kの各々の感光体ドラム11に照射する。各感光体ドラム11では、帯電器12によって表面が帯電された後、このレーザ露光器13によって表面が走査露光され、静電潜像が形成される。
形成された静電潜像は、各々の画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kの現像器14によって、Y、M、C、Kの各色のトナー画像として現像される。
一方、中間転写ベルト15は、駆動ロール31などの各種ロールによって図1に示す矢印B方向に所定の速度で循環駆動されている。感光体ドラム11上に形成されたトナー画像は、各感光体ドラム11と中間転写ベルト15とが当接する一次転写部10において、中間転写ベルト15上に順次、静電吸引され、中間転写ベルト15上に重畳されたトナー画像が形成される。重畳されたトナー画像が中間転写ベルト15の表面に形成された後、中間転写ベルト15は移動し、トナー画像は二次転写部20に搬送される。二次転写部20では、二次転写ロール22が中間転写ベルト15を介してバックアップロール25に押圧される。このとき、タイミングを合わせて搬送ロール52等により搬送された用紙Pは、二次転写部20において、中間転写ベルト15と二次転写ロール22との間に挟み込まれる。
二次転写部20においては、二次転写ロール22とバックアップロール25との間に二次転写バイアスが印加され、両部材間には二次転写電界が形成されている。そして、中間転写ベルト15上に保持された定着トナー画像は、この二次転写部20において、用紙P上に一括して静電転写される。その後、トナー画像が静電転写された用紙Pは、二次転写ロール22によりこの二次転写ロール22の用紙搬送方向下流側に設けられた搬送ベルト55へと搬送される。搬送ベルト55では、用紙Pを最適な搬送速度で定着装置60まで搬送する。定着装置60においては、トナー画像が転写された用紙Pに対し、加熱および加圧が行われ、用紙P上にトナー画像の定着がなされる。そして、定着が終了した用紙Pは、冷却部70により冷却がなされた後、画像形成装置の外部に排出される。
次に、定着装置60および冷却部70について説明する。
図2は、定着装置60および冷却部70を説明するための図である。
同図に示すように、本実施形態における定着装置60は、支持筐体61と、加熱ロール62と、ヒータ63と、加圧ロール64と、加熱ロール62を回転駆動させる駆動源(不図示)とを備えている。また、冷却部70は、第1のファン71と、第2のファン72と、冷却ロール73とを備えている。なお、本実施形態においては、第2のファン72および冷却ロール73により第1の冷却手段、下流側冷却手段が構成される。
支持筐体61は、画像形成装置の所定位置に配設され、加熱ロール62、加圧ロール64などの各種部材を支持する役割を果たす。
加熱手段の一例としての加熱ロール62は、支持筐体61に回転可能な状態で配設されている。また、加熱ロール62は、円筒状部材として構成され、弾性層が被覆されておらず、アルミニウムなどの芯金(コアロール)の表面に耐熱性樹脂(フッ素樹脂)を被覆して構成されたハードロールである。なお、この耐熱性樹脂としては、例えばテトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)が挙げられる。
ヒータ63は、加熱ロール62の内部に配設され、加熱ロール62を内部から加熱する。このヒータ63は、例えば、ハロゲンヒータにより構成することができる。
加圧ロール64は、支持筐体61に回転可能な状態で配設されるとともに、加熱ロール62に押圧された状態で配設されている。この結果、加圧ロール64は、加熱ロール62の回転に従動して回転する状態となっている。さらに、加圧ロール64は、円柱状ロール(不図示)を基体としている。そして、基体側から、弾性層(不図示)と、離型層(不図示)とが順に積層されてソフトロールを構成している。
第2の冷却手段、上流側冷却手段の一例としての第1のファン71は、用紙における加熱ロール62により加熱された面とは反対側の面に対して送風を行い、用紙を冷却する。この第1のファン71は、第2のファン72および冷却ロール73よりも用紙搬送方向上流側、且つ、定着装置60よりも用紙搬送方向下流側に配設されている。また、第1のファン71は、用紙が搬送されていく用紙搬送経路よりも加圧ロール64側、換言すると、用紙の裏面側に配設されている。
第2のファン72は、後述する第1のロール状部材73a側から送風を行い、冷却ロール73を冷却する。また、第2のファン72は、第1のファン71よりも用紙搬送方向下流側に配設されている。さらに、第2のファン72は、用紙搬送経路よりも加熱ロール62側、換言すると、用紙の表面側に配設されている。
冷却ロール73は、互いに押圧した状態で配設された一対のロール状部材(第1のロール状部材73a,第2のロール状部材73b)により構成され、トナー画像面側を含む用紙の両面を冷却し、用紙が上記搬送用部材に搬送される前にトナー画像を硬化させる。
第1のロール状部材73aは、用紙搬送経路よりも加熱ロール62側に回転可能な状態で配設され、加熱ロール62側から用紙を冷却する。なお、定着装置60から用紙が搬送されてくる際、第1のロール状部材73aは、不図示の駆動源からの駆動力を受けることで図中矢印Cに示す方向に回転駆動を行う。
第2のロール状部材73bは、用紙搬送経路よりも加圧ロール64側に回転可能な状態で配設されている。なお、定着装置60から用紙が搬送されてくる際、この第2のロール状部材73bは、第1のロール状部材73aの回転に従動して回転を行う。
なお、本実施形態において、上記第2のファン72は、上記第1のロール状部材73a側に配置されており、第2のファン72からの風は、第1のロール状部材73a側に多く当たる。このため、第1のロール状部材73aの方が、第2のロール状部材73bよりも温度が低い状態となっている。
本図に示した構成において、搬送ベルト55(図1参照)により搬送されてきた用紙は、定着装置60において加熱、加圧作用を受ける。この結果、トナー画像が、用紙上に定着される。なお、本実施形態においては、トナー画像は、用紙上において加熱ロール62側に形成されている。定着処理が施された用紙は、下流方向に搬送される過程において、まず、第1のファン71により冷却される。次いで、冷却ロール73により冷却される。用紙上のトナー画像は、冷却ロール73により冷却される結果、硬化が促進され、上述したトナー画像のキズや、オフセットの発生が抑制される。その後、用紙は、更に下流方向に搬送され、最終的に機外に排出される。
ところで、本発明者によれば、用紙は、加熱された際、脱湿するとともに、最後(後から)に脱湿する側の反対側に突出するようにカールするという知見が得られている。
この結果、定着装置60にて、主として文字等により形成され画像濃度の低いトナー画像が形成された用紙に対し定着処理が行われた際、用紙には、上側、即ち加熱ロール62に向かって凸となるカールが発生する(用紙P1参照)。
詳細に説明すると、定着装置60にて定着処理が行われた際、加熱ロール62の方が加圧ロール64よりも温度が高いために、用紙は加熱ロール62側が先に脱湿する。このため、用紙中に水分勾配が発生し、加圧ロール64側の水分が加熱ロール側62に移動する。この結果、加圧ロール64側が最後に脱湿する状態となる。このため、用紙には、最後に脱湿する加圧ロール64側の反対側、即ち加熱ロール62側に向かって凸となるカールが発生する(用紙P1参照)。
また、本発明者によれば、用紙の冷却が行われた場合、用紙は、冷却の度合いが大きい側に凸となるように変形するとの知見が得られている。
この結果、用紙が第1のファン71により冷却されると、用紙は、冷却の度合いが大きい第1のファン71側、即ち、加圧ロール64側に向かって凸となるように変形し、用紙におけるカールの度合いが、第1のファン71により冷却される前に比べ小さい状態となる(用紙P2参照)。
詳細に説明すると、定着処理によりカールが発生した用紙は、用紙搬送経路上を搬送されていくが、その過程において、第1のファン71により冷却される。第1のファン71は、上述のとおり、用紙搬送経路よりも加圧ロール64側に配設されている。このため、用紙における加圧ロール64側の面、即ち加熱ロール62により加熱された面とは反対側の面の方が、加熱ロール62により加熱された面側よりも多く冷却される。即ち、上記反対側の面の方が、加熱ロール62により加熱された面側よりも冷却効果を高めた状態で冷却される。この結果、上述のとおり、用紙は、冷却の度合いが大きい第1のファン71側、即ち、加圧ロール64側に向かって凸となるように変形し、用紙におけるカールの度合いが、第1のファン71により冷却される前に比べ小さい状態となる。
その後、用紙は冷却ロール73により冷却される。本実施形態においては、上述のとおり、第1のロール状部材73aの方が第2のロール状部材73bよりも温度が低い状態となっている。このため、用紙は、冷却ロール73を通過した際、冷却の度合いが大きい第1のロール状部材73a側(加熱ロール62側)に凸となるように変形する。この結果、用紙におけるカールの度合いが冷却ロール73通過前に比べ若干大きい状態となる(用紙P3参照)。
ところで、従来の画像形成装置においては、本実施形態における第1のファン71に相当する部材を設けず、本実施形態の第2のファン72および冷却ロール73に相当する部材により用紙を冷却する構成が提案されている。しかしながら、このような構成の場合、定着処理によりカールが発生するとともに、冷却により更にカールが増してしまうという問題がある。この結果、冷却が施された後の用紙には大きなカールが発生した状態となり、用紙が機外に排出される過程において、ジャムが発生しやすくなったり、排出された用紙を収容する収容部(不図示)における収容性が悪化したりするなどの不具合が生じやすい状況にあった。
そこで、本実施形態においては、上述のとおり、定着装置60よりも用紙搬送方向下流側、且つ、冷却ロール73よりも用紙搬送方向上流側において、加圧ロール64側から用紙を冷却する第1のファン71を設ける構成としている。このような構成とした場合、上述のとおり、定着装置60を通過することによって発生したカールの度合いを小さいものとすることができる。この結果、冷却ロール73を通過後の用紙におけるカールの度合いも従来に比べ小さいものとすることが可能となる。この結果、ジャムの発生を抑制可能となり、また、収容部における収容性を良好なものとすることができる。
なお、本実施形態においては、第1のファン71による用紙の冷却後、第2のファン72および冷却ロール73により用紙の冷却を行っているが、例えば、冷却ロール73を省略し、第2のファン72のみにより冷却を行うことができる。
また、本実施形態においては、第1のファン71および第2のファン72の2つのファンを設ける構成となっているが、ファンを1つとするとともに適宜送風路を形成することで、2つのファンを設けたのと同様の機能を付与することができる。
上記においては、主として文字等により形成され画像濃度の低いトナー画像が形成された用紙におけるカールの発生状況について説明した。ところで、用紙に画像濃度が高いトナー画像が形成された場合、カールの発生する向き、大きさなどが異なってくる。
図3は、画像濃度が高いトナー画像が形成された場合のカールの発生状況について示した説明図である。
まず、図3(a)から説明する。
定着装置60にて定着処理が行われると、図2における用紙P1と同様に、用紙には加熱ロール62側に向かって凸となるカールが発生する(用紙P4参照)。次いで、この用紙P4は、第1のファン71による冷却作用を受け、図2における用紙P2と同様に、カールの度合いが小さくなる(用紙P5参照)。
なお、冷却が行われる場合、通常、トナー画像の収縮率の方が、用紙の収縮率よりも大きくなる。このため、冷却が行われた際、画像濃度が小さいトナー画像が形成された用紙に比べ、画像濃度が大きいトナー画像が形成された用紙の方が、トナー画像が形成された面側の収縮率が大きくなる。この結果、第1のファン71による冷却作用を受けた用紙P5は、図2における用紙P2よりもカール度合いが小さい状態となる。
次いで、用紙P5は、冷却ロール73により冷却される。この際、用紙P5は、上記図2における用紙P3と同様に、加熱ロール62側に向かってさらにカールしようとする。ところが、画像濃度が大きい状態にあると、上述のとおりトナー画像の収縮率の方が大きいために、トナー画像が形成された面側の方が大きく収縮する。この結果、用紙には、下側、即ち加圧ロール64側に向かって凸となるカールが発生する(用紙P6参照)。この結果、上記と同様に、ジャムが発生しやすくなったり、収容部(不図示)における収容性が悪化したりするなどの不具合が生じてしまう。
そこで、このような不具合の発生を抑制するため、用紙に形成されるトナー画像の画像濃度を把握し、把握した画像濃度に応じて第1のファン71を制御する構成とすることが好ましい。詳細には、用紙に形成されるトナー画像の画像濃度が小さい場合には第1のファン71からの風量を多くし、画像濃度が大きい場合には第1のファン71からの風量を少なくする又は第1のファン71を停止する構成とすることが好ましい。更に詳細には、用紙に形成されるトナー画像の画像濃度を把握するとともに、把握した画像濃度が所定の閾値以上である場合、画像濃度が所定の閾値よりも小さい場合に比べ、第1のファン71からの風量を少なくする構成としたり、把握した画像濃度が所定の閾値以上である場合、第1のファン71を停止する構成としたりすることが好ましい。
なお、上記画像濃度の把握は、例えば、把握手段としての制御部40により行われる。制御部40は、図示しないパーソナルコンピュータや図示しない画像読取装置等から出力された画像データに基づき、用紙に形成されるトナー画像の画像濃度を把握する。そして、制御部40は、この把握した画像濃度に基づき第1のファン71を制御する。
図3(b)は、第1のファン71からの風量を小さくした場合におけるカールの発生状況を示したものである。
第1のファン71からの風量が小さくなると、この第1のファン71による冷却作用が小さくなるため、用紙のカールはそれほど小さくならず、ある程度の大きさのカールを保持した状態となる(用紙P8参照)。その後、用紙P8が冷却ロール73を通過すると、トナー画像側が大きく収縮する。ところが、冷却ロール73を通過前における用紙P8には、上記のとおり、上側に凸となるカールが形成されているため、用紙は、図3(a)における用紙P6よりもカールが小さい状態となる(用紙P9参照)。
なお、本実施形態においては、第1のファン71からの風量を小さく又は第1のファン71を停止する例を説明したが、第2のファン72からの風量を小さくしトナー画像側の面の冷却度合いを減らす構成、即ち第2のファン72を制御する構成とすることもできる。
ここで、従来の画像形成装置において発生する用紙のカールと、上記第1の実施形態における画像形成装置において発生する用紙のカールとを、カールの大きさを具体的に示しながら再度説明する。
図4は、従来の画像形成装置、および第1の実施形態における画像形成装置において用紙に発生するカールの大きさを示したものである。なお、本図においては、定着装置60の図示を省略している。また、以下の説明においては、一方側への用紙の突出量をカールの大きさとしている。
図4(a)は、従来の画像形成装置において用紙に発生するカールの大きさを示したものである。同図に示すように、従来の画像形成装置において、画像濃度の低いトナー画像が形成された用紙に対し定着処理が行われた場合、定着処理が行われた用紙Pxには、大きさaのカールが発生した状態となる。次いで、この用紙は、冷却ロール73により冷却されることでカールの度合いが増し、冷却ロール73を通過後の用紙Pyのカールの大きさは、上記大きさaよりも大きいc1となる。
図4(b)は、図2で示した構成において用紙に発生するカールの大きさを示したものである。図2で示した構成において、画像濃度の低いトナー画像が形成された用紙に対し定着処理が行われた場合、定着処理が行われた用紙P1には、上記従来の画像形成装置と同様に、大きさaのカールが発生した状態となる。次いで、用紙は第1のファン71により冷却されることでカールの度合いが小さくなり、第1のファン71により冷却された後の用紙には、上記大きさaよりも小さい大きさbのカールが発生した状態となる。
その後、用紙は、冷却ロール73により冷却されることでカールの度合いが増し、冷却ロール73を通過後の用紙P3のカールの大きさは、上記大きさbよりも大きいc2となる。ところで、本構成においては、上述のとおり第1のファン71により用紙を冷却し、カールの度合いを減ずる構成となっている。このため、冷却ロール73を通過後の用紙におけるカールの大きさc2は、従来の画像形成装置における用紙Pyのカールの大きさc1よりも小さい状態となる。この結果、ジャムの発生を抑制したり、収容部における収容性を良好なものとしたりすることができる。
図4(c)は、図3(a)で示した構成において用紙に発生するカールの大きさを示したものである。画像濃度が高いトナー画像が形成された用紙に対して定着処理を行うと、用紙には、加熱ロール62(図3参照)側に向かって凸となる大きさdのカールが発生する(用紙P4参照)。次いで、用紙は、第1のファン71による冷却作用を受け、カールの度合いが減少し、カールの大きさは、上記大きさdよりも小さいe1となる(用紙P5参照)。その後、用紙は、冷却ロール73による冷却作用を受けることでカールの形成方向が逆転し、加圧ロール64(図3参照)側に向かって凸となる大きさg1のカールが発生する。
図4(d)は、図3(b)で示した構成において用紙に発生するカールの大きさを示したものである。図3(b)で示した構成においては、上述のとおり第1のファン71における風量を減らす制御を行っている。このため、第1のファン71通過後の用紙P8には、上記大きさe1よりも大きい、大きさe2のカールが発生する状態となる。その後、用紙は、冷却ロール73により冷却されトナー画像面側が大きく収縮するため、冷却ロール73通過後の用紙P9には、大きさg2のカールが発生した状態となる。ところで、本構成においては、上述のとおり、第1のファン71による風量を減ずる構成としているため、最終的に発生するカールの大きさg2は、上記大きさg1よりも小さい状態となる。この結果、この場合も、ジャムの発生を抑制したり、収容部における収容性を良好なものとしたりすることができる。
―第2の実施形態―
次に第2の実施形態について説明する。
図5は、第2の実施形態における定着装置60および冷却部70を示した概略構成図である。第1の実施形態においては、用紙の加圧ロール64側における面を冷却するための部材として第1のファン71を設ける構成としていたが、本実施形態においてはこの第1のファン71に換えて用紙搬送経路に沿って設けられ搬送されてきた用紙と接触する接触部材75を設ける構成としている。なお、第1の実施形態と同様の機能については、同様の符号を用いここではその説明を省略する。
本実施形態において、接触部材75は、用紙搬送経路よりも加圧ロール64側に設けられ搬送されてくる用紙と接触するアルミニウム等の金属製のプレート75aと、このプレート75aを挟んで用紙搬送経路の反対側に設けられプレート75aから放熱を行うヒートシンク75bとから構成されている。なお、本実施形態においては、ヒートシンク75bは自然放熱を行う構成となっているが、ヒートシンク75bを冷却するファンを更に設ける構成とすることも可能である。このような構成により冷却効率を高めることが可能となる。
定着装置60にて定着処理がなされた用紙は、この接触部材75により加圧ロール64側から冷却される。このため、第1の実施形態における用紙P2(図2参照)のように、カールの度合いを小さくすることができる。この結果、第1の実施形態における用紙P3(図2参照)のように、冷却ロール73から排出される用紙のカールの度合いも小さいものとすることができる。
上記第1の実施形態においては、第1のファン71と用紙搬送経路とを離間して配設するとともに第1のファン71から送風される空気を利用して用紙を冷却する構成となっていた。ところで、冷却ロール73の用紙搬送方向上流側にて、用紙の裏面(加圧ロール64側の面)に対する冷却効率を上げることができれば、冷却ロール73通過後における用紙のカールもより小さくすることができる。
そこで、本実施形態においては、空気よりも熱伝達率が大きい金属製のプレート75aを用紙と接触可能な状態で設ける構成とし、上記第1の実施形態よりも冷却ロール73通過前の用紙に対する冷却効率を高めている。
また、第1の実施形態においては、第1のファン71からの風に煽られ、用紙が、用紙搬送経路の上部に設けられたガイド部材(不図示)などと接触するおそれがある。そして、このような接触が起きると、上記と同様に、トナー画像にキズが発生したり、オフセットが発生したり、グロス変化などが生じるおそれがある。そこで、本実施形態においては、送風により冷却を行う形態ではなく、用紙と接触することで用紙から熱を奪う形態としている。
本発明が適用される画像形成装置を示した概略構成図である。 定着装置および冷却部を説明するための図である。 画像濃度が高いトナー画像が形成された場合のカールの発生状況について示した説明図である。 従来の画像形成装置、および本実施形態における画像形成装置において用紙に発生するカールの大きさを示したものである。 第2の実施形態における定着装置および冷却部を示した概略構成図である。
符号の説明
40…制御部、60…定着装置、62…加熱ロール、71…第1のファン、72…第2のファン、73…冷却ロール、75…接触部材

Claims (8)

  1. 記録材上に形成された画像を加熱により当該記録材に定着させる定着手段と、
    前記定着手段により画像が定着された記録材を冷却する第1の冷却手段と、
    前記第1の冷却手段による冷却がなされる前に前記定着手段にて定着が行われた記録材を反画像面側から冷却する第2の冷却手段と、
    を含む画像形成装置。
  2. 前記第1の冷却手段は、記録材を画像面側から冷却することを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
  3. 前記第2の冷却手段は、記録材と接触することで当該記録材から熱を奪う接触部材により構成されたことを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
  4. 記録材上に形成される画像の画像濃度を把握する把握手段と、当該把握手段にて把握された画像濃度に基づき前記第1の冷却手段または/および前記第2の冷却手段を制御する制御手段と、を更に含むことを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
  5. 前記制御手段は、前記把握手段にて把握された画像濃度が所定の閾値以上である場合、画像濃度が当該所定の閾値よりも小さい場合に比べ前記第2の冷却手段による記録材の冷却を弱めることを特徴とする請求項4記載の画像形成装置。
  6. 画像を保持した記録材を加熱する加熱手段と、
    前記加熱手段により加熱された記録材の被加熱面の冷却効果に比べ、当該被加熱面とは反対側の面の冷却効果を高めて冷却する上流側冷却手段と、
    前記上流側冷却手段による冷却箇所よりも記録材搬送方向下流側にて記録材を冷却する下流側冷却手段と、
    を含む画像形成装置。
  7. 前記下流側冷却手段は、前記反対側の面に比べて前記被加熱面を多く冷却することを特徴とする請求項6記載の画像形成装置。
  8. 加熱により画像の定着が行われた記録材の冷却方法であって、
    画像の定着が行われた定着面とは反対側の面から記録材を冷却した後、当該定着面側から記録材の冷却を行う記録材の冷却方法。
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