JP4626666B2 - 画像形成装置 - Google Patents

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Description

本発明は、画像形成装置に関する。
電子写真方式の画像形成装置において、定着装置で加熱定着された媒体表面の現像剤が十分に冷却される前に積載されて現像剤が他の媒体に溶着することを防止するための技術として、下記の特許文献1、2記載の技術が従来公知である。
特許文献1としての特開2005−257893号公報には、両面印刷時に画像形成装置内部の温度が上昇することに伴って、片面印刷済みのシート(P)を再給紙する際に十分に冷却されないことを解消するために、両面印刷時に使用される再給紙搬送路(15)のガイド(A15a,B15b)を断熱材で構成して搬送路の温度が上昇しにくいように構成したり、断熱材に加えてファン(A23,B24)を使用して媒体幅方向に風を送って再給紙搬送路(15)の温度が上昇することを防止する技術が記載されている。
特許文献2としての特開2007−219399号公報には、画像形成装置の排紙トレイ(132)の排出方向後部(132B)に、媒体幅方向の両端部から内側に向けて冷却風を当てる冷却部(300)を設ける技術が記載されている。
特開2005−257893号公報(「0037」〜「0039」、「0046」、「0050」、「0058」、図1、図5) 特開2007−219399号公報(「0050」〜「0057」、図2〜図6)
本発明は、単なる空気の流れによる冷却に比べて、効率よく記録媒体を冷却することを技術的課題とする。
前記技術的課題を解決するために請求項1に記載の発明の画像形成装置は、
媒体表面に保持された未定着可視像を加熱定着する定着装置と、
前記定着装置の媒体搬送方向下流側に配置され且つ、可視像が定着された媒体が排出されて積載される積載容器と、
前記積載容器の上部且つ前記積載容器に媒体が排出される位置の下方に配置された渦流発生装置であって、前記積載容器に媒体が排出される方向の上流側および下流側の両側に二対で合計4つの前記渦流発生装置が配置され、各渦流発生装置から送風される風の軸線が互いにずれ且つ4つの風が合成されて前記積載容器内に搬送された媒体の下面に吹きつけられて媒体表面に沿って渦を巻くように下方から上方に向かって流れて前記媒体を冷却する渦流を発生させるように配置された前記渦流発生装置と、
前記媒体表面に定着された画像の画像密度が予め設定された所定の画像密度よりも高いか否かを判別する画像密度判別手段と、
前記媒体表面の画像密度が高い場合に、前記渦流発生装置から送り出される気体の量を多くするように前記渦流発生装置を制御する渦流制御手段と、
使用される前記媒体の種類を判別する媒体種類判別手段と、
前記媒体種類が、予め設定された易貼付媒体である場合に、前記渦流発生装置から送り出される気体の量を多くするように前記渦流発生装置を制御する前記渦流制御手段と、 を備えたことを特徴とする。
前記技術的課題を解決するために請求項2に記載の発明の画像形成装置は、
媒体表面に保持された未定着可視像を加熱定着する定着装置と、
前記定着装置の媒体搬送方向下流側に配置され且つ、可視像が定着された媒体が排出されて積載される積載容器と、
前記積載容器の上部且つ前記積載容器に媒体が排出される位置の下方に配置された渦流発生装置であって、前記積載容器に媒体が排出される方向の上流側および下流側の両側に二対で合計4つの前記渦流発生装置が配置され、各渦流発生装置から送風される風の軸線が互いにずれ且つ4つの風が合成されて前記積載容器内に排出される媒体の下面に沿って下方から上方に向かって渦を巻くように気体を流して渦流を発生させるように配置されて、前記積載容器上部で前記媒体を浮遊させて冷却する前記渦流発生装置と、
前記媒体表面に定着された画像の画像密度が予め設定された所定の画像密度よりも高いか否かを判別する画像密度判別手段と、
前記媒体表面の画像密度が高い場合に、前記渦流発生装置から送り出される気体の量を多くするように前記渦流発生装置を制御する渦流制御手段と、
使用される前記媒体の種類を判別する媒体種類判別手段と、
前記媒体種類が、予め設定された易貼付媒体である場合に、前記渦流発生装置から送り出される気体の量を多くするように前記渦流発生装置を制御する前記渦流制御手段と、
を備えたことを特徴とする。
請求項1または2に記載の発明によれば、単なる空気の流れによる冷却に比べて、効率よく記録媒体を冷却することができる。
また、請求項1または2に記載の発明によれば、本発明の構成を有しない場合に比べて、媒体どうしの貼り付きが発生しやすい場合に多い気体の量で効率的に冷却することができる。
次に図面を参照しながら、本発明の実施の形態の具体例(実施例)を説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
なお、以後の説明の理解を容易にするために、図面において、前後方向をX軸方向、左右方向をY軸方向、上下方向をZ軸方向とし、矢印X,−X,Y,−Y,Z,−Zで示す方向または示す側をそれぞれ、前方、後方、右方、左方、上方、下方、または、前側、後側、右側、左側、上側、下側とする。
また、図中、「○」の中に「・」が記載されたものは紙面の裏から表に向かう矢印を意味し、「○」の中に「×」が記載されたものは紙面の表から裏に向かう矢印を意味するものとする。
なお、以下の図面を使用した説明において、理解の容易のために説明に必要な構成や部材以外の図示は適宜省略されている。
図1は本発明の実施例1の画像形成システムの全体説明図である。
図1において、本発明の実施例1の画像形成システムS0は、情報通信回線網Nを有する。前記情報通信回線網Nには、利用者が印刷するための画像情報を送信する画像情報送信端末1や、情報通信回線網Nで送受信される情報の管理を行う管理装置2や、その他の端末4,5,6、前記各端末1,4,5,6から送信された画像情報に基づいて印刷を行う本発明の実施例1の画像形成装置Uや、その他の画像形成装置Vが接続されており、相互に情報の送受信が可能である。
前記各端末1,4〜6や管理装置2は、情報処理装置の一例としてのコンピュータ装置により構成されており、装置本体H1と、表示器H2と、入力装置の一例としてのキーボードH3およびマウスH4、図示しない情報記憶装置の一例としてのハードディスクドライブ等により構成されている。前記端末等1,4〜6には、コンピュータ装置の基本動作を制御するプログラム、いわゆるソフトウェアが組み込まれている。前記ソフトウェアとしては、例えば、基本ソフトウェア、いわゆるオペレーティングシステムや、文書作成用のワープロソフトウェアや作図ソフトウェア、電子メール送受信用のソフトウェア等のアプリケーションプログラム、各画像形成装置U,Vを制御するためのソフトウェアの一例であるプリンタドライバ等が組み込まれている。
(実施例1の画像形成装置の説明)
図2は本発明の実施例1の画像形成装置の全体説明図である。
図2において、前記画像形成装置Uは、いわゆる、大型のプリンタUにより構成されており、画像形成装置本体U1と、プリンタUを操作するための操作部UIを有する操作装置の一例としてのインターフェースモジュールU2と、媒体排出装置の一例としての第1スタッカ装置U3aおよび第2スタッカ装置U3bを有する。
(画像形成装置本体の説明)
図2において、前記画像形成装置本体U1は、画像形成装置本体U1の制御を行う本体側制御部Cや、情報通信回線網Nで接続された各端末1,4〜6から送信された画像情報を受信する図示しない情報送受信装置、および前記制御部Cにより制御される潜像形成装置駆動回路D電源回路E等を有している。本体側制御部Cにより作動を制御される潜像形成装置駆動回路Dは、前記各端末1,4〜6から送信された画像情報に基づいて、黄色、マゼンタ、シアン、黒の各色の画像情報を作成し、それに応じた駆動信号を所定の時期に各色の可視像形成装置UY,UM,UC,UKの潜像形成装置ROSy,ROSm,ROSc,ROSkに出力する。なお、前記各色の可視像形成装置UY,UM,UC,UKは、画像形成装置本体U3の前方に引き出された引出位置と画像形成装置本体U3内部に装着された装着位置との間で移動可能に支持されている。
各可視像形成装置UY,UM,UC,UKにおいて、像保持体Py,Pm,Pc,Pkの周囲には、帯電器CR、現像器Gy,Gm,Gc,Gk、像保持体清掃器CLp等が配置されている。
図2において、像保持体Py,Pm,Pc,Pkは、それぞれ帯電器CRにより一様に帯電された後、前記潜像形成装置ROSy,ROSm,ROSc,ROSkの出力する潜像書込光Lによりその表面に静電潜像が形成される。前記像保持体Py,Pm,Pc,Pk表面の静電潜像は、現像器Gy,Gm,Gc,Gkにより黄色、マゼンタ、シアン、黒色の色の可視像、いわゆるトナー像に現像される。なお、現像により現像器Gy〜Gkの現像器が消費されると、画像形成装置本体U1の上部に配置された現像剤補給装置U1aから現像剤が補給される。前記現像剤補給装置U1aには、現像剤補給容器、いわゆるトナーカートリッジTy,Tm,Tc,Tkが着脱、交換可能に支持されている。
像保持体Py,Pm,Pc,Pk表面上の可視像は、一次転写器の一例としての1次転写ロールT1により、中間転写体の一例としての中間転写ベルトB上に順次重ねて転写され、中間転写ベルトB上に多色画像が形成される。中間転写ベルトB上に形成された多色画像は、2次転写領域Q4に搬送される。
なお、単色画像のみの場合は黒Kの像保持体Pkおよび現像器Gkのみが使用され、黒の可視像のみが形成される。
1次転写後、像保持体Py,Pm,Pc,Pk表面の残留物は、像保持体清掃器CLpにより除去、清掃される。
前記可視像形成装置UY〜UKの下方には、中間転写装置の一例としてのベルトモジュールBMが配置されている。前記ベルトモジュールBMは、前記中間転写ベルトBを有する。前記中間転写ベルトBは、中間転写体駆動部材の一例としての駆動ロールRd、張力発生部材の一例としてのテンションロールRt、蛇行防止部材の一例としてのウォーキングロールRw、従動部材の一例としての複数のアイドラロールRfおよび二次転写対向部材の一例としてのバックアップロールT2aと、前記1次転写ロールT1とにより矢印Ya方向に回転可能に支持されている。実施例1では、各部材Rd,Rt,Rw,Rf,T2a、T1は、いわゆるロール状の部材により構成されている。
前記バックアップロールT2aの下方には2次転写ユニットUtが配置されている。2次転写ユニットUtには、2次転写部材の一例としての2次転写ロールT2bが設けられており、前記2次転写ロールT2bは、前記中間転写ベルトBを挟んでバックアップロールT2aに接触、離隔可能に配置されており、前記2次転写ロールT2bが中間転写ベルトBと圧接する領域により2次転写領域Q4が形成されている。また、実施例1では、前記バックアップロールT2aには接触導通部材T2cが当接しており、前記接触給電部材T2cには本体側制御部Cにより制御される電源回路Eから所定の時期に現像剤の帯電極性と同極性の2次転写電圧が印加される。
前記二次転写対向部材T2a、二次転写部材T2b、接触給電部材T2cにより、実施例1の2次転写器T2が構成されており、前記一次転写ロールT1、中間転写ベルトB、二次転写器T2により実施例1の転写装置が構成されている。
前記中間転写ベルトBの下方には、記録媒体の一例としての記録紙Sが収容される媒体収容容器の一例として給紙トレイTR1〜TR3が設けられている。前記給紙トレイTR1〜TR3に収容された記録紙Sは、媒体取出部材の一例としてのピックアップロールRpで取り出され、捌き部材の一例としての捌きロールRsで一枚ずつ分離されて、給紙路SH1に搬送される。前記給紙路SH1に搬送された記録紙Sは、搬送部材の一例としての搬送ローラRaにより、給紙時期調整部材の一例としてのレジロールRrに搬送される。
レジロールRrに搬送された記録紙Sは、多色画像または単色画像が2次転写領域Q4に搬送されるのに時期を合わせて2次転写領域Q4に搬送される。
前記中間転写ベルトB上の多色画像は、前記2次転写領域Q4を通過する際に前記2次転写器T2により前記記録紙Sに転写される。なお、多色画像の場合は中間転写ベルトB表面に重ねて1次転写されたトナー像が一括して記録紙Sに2次転写される。
2次転写後の前記中間転写ベルトBは、中間転写体清掃器の一例としてのベルトクリーナCLbにより清掃される。
未定着可視像が2次転写された前記記録紙Sは、転写後媒体案内部材SG、媒体搬送部材HBを通って定着装置Fに搬送される。定着装置Fは、加熱定着部材の一例としての加熱ロールFhと、加圧定着部材の一例としての加圧ロールFpとを有し、一対の定着部材Fh,Fpが圧力が作用した状態で接触する定着領域Q5に前記記録紙Sは搬送される。前記記録紙S上の未定着可視像は定着領域Q5を通過する際に定着装置Fにより加熱定着される。
前記定着装置Fの下流側には切替部材G1が設けられている。前記切替部材G1は搬送路SH1を搬送されて定着領域Q5で加熱定着された記録紙Sを、インターフェースモジュールU2の中継路SH2または反転路SH3側のいずれかに選択的に切り替える。前記反転路SH3に搬送された記録紙Sは、逆方向に搬送、いわゆるスイッチバックして、循環路SH4に搬送され、レジロールRrに再送され、転写領域Q4に搬送される。
前記符号SH1、SH3、SH4で示された要素により本体側媒体搬送路SHが構成されている。
(インターフェースモジュールU2の説明)
図2において、実施例1のインターフェースモジュールU2は、上端部に情報を表示する表示部U2aや画像形成装置Uの各種設定を行うための入力釦U2bを有する操作部UIが設けられている。また、インターフェースモジュールU2は、各端末1,4〜6や管理装置2から送信された画像情報を受信して、各種処理および画像形成装置Uの制御を行う主制御部C2が設けられている。
前記インターフェースモジュールU2の内部には、前記画像形成装置本体U1で定着された記録紙Sが搬送される搬送路の一例としての中継路SH2が形成されている。前記中継路SH2には、記録紙Sを下流側に搬送する搬送部材の一例としての搬送ロールRaが配置されている。
なお、実施例1のインターフェースモジュールU2には、プリンタUが設置されている環境の環境温度および環境湿度を検出する環境測定装置の一例としての図示しない温度計および湿度計が配置されている。
(第1スタッカ装置U3aおよび第2スタッカ装置U3bの説明)
次に、第1スタッカ装置U3aおよび第2スタッカ装置U3bの説明をするが、2つのスタッカ装置U3a,U3bは同様に構成されているので、説明の簡単のため、第1スタッカ装置U3aについて「第1」をつけて説明し、第2スタッカ装置U3bについての詳細な説明は省略する。
図2において、実施例1の第1スタッカ装置U3aは、前記中継路SH2に接続される第1排出路SH11が形成されている。前記第1排出路SH11の下流側には、媒体排出部材の一例としての第1排出ローラRhが配置されており、下方に配置された積載容器の一例としての第1スタッカ容器TRh1に記録紙Sが排出、積載される。前記第1スタッカ容器TRh1内には、上面に記録紙Sが積載される積載部材の一例としての第1底板TRh1aが配置されており、第1底板TRh1aは、記録紙Sの積載量に応じて自動的に昇降するように構成されている。
前記第1排出路SH11の上流端部から第2スタッカ装置U3b側には、第1スタッカ装置U3aに追加して接続されている第2スタッカ装置U3bに記録紙Sを搬送するための第1再中継路SH12が延びており、第1再中継路SH12には複数の搬送ローラRaが配置されている。前記第1排出路SH11と第1再中継路SH12との分岐部には、搬送路SH11,SH12を切り替えるための第1排出切替部材の一例としての第1排出ゲートGTh1が配置されている。
(渦流発生装置の説明)
図3は本発明の実施例の気体移送装置の説明図であり、図3Aは正面図、図3Bは平面図である。
図3において、実施例1の第1スタッカ装置U3aには、前記第1スタッカ容器TRh1の上部且つ第1排出ローラRhの下方に、渦流発生装置の一例として、左右両側に二対の第1送風ファン1,2,3,4が配置されている。前記第1送風ファン1〜4は、送風される風の軸線が違いにずれるように配置されており、4つの第1送風ファン1〜4の風が合成されて、媒体Sの表面に沿った渦状の空気の流れである渦流11が生成されるように配置されている。なお、実施例1の第1送風ファン1〜4は、風量が調整可能に構成されている。
(実施例1の制御部の説明)
次に、実施例1の画像形成システムS0における各機能手段の説明を行うが、実施例1では各端末1,4〜6からは、印刷実行の入力に応じて、ドライバを介して画像情報が送信されるだけであり、従来公知であるため、詳細な説明は省略する。
(プリンタUの制御部の説明)
図4は実施例1の画像形成システムにおける画像形成装置の制御部の要部説明図である。
図4において、実施例1のプリンタUの本体側制御部Cは、いわゆる、マイクロコンピュータにより構成されており、外部との信号の入出力および入出力信号レベルの調節等を行うI/Oである入出力機器、必要な処理を行うためのプログラムおよび情報等が記憶された記憶装置ROM,HDDや、必要なデータを一時的に記憶するための一次記憶装置RAM、前記記憶装置ROM,HDD,RAM等に記憶されたプログラムに応じた処理を行う中央演算処理装置CPU、ならびに回路の同期を取るための周期的信号、いわゆるクロックを発振する図示しない発振器等を有する。
図4において、前記構成のプリンタUは、前記記憶装置の一例であるリードオンリーメモリーROMやハードディスクHDDや一次記憶装置の一例であるランダムアクセスメモリーRAM等に記憶された画像形成プログラムを実行することにより種々の機能を実現することができる。
(前記本体側制御部Cに接続された信号入力要素)
前記本体側制御部Cには、主制御部C2等からの出力信号が入力されている。
(本体側制御部Cに接続された被制御要素)
本体側制御部Cは、次の被制御要素の制御信号を出力している。
D1:主駆動源制御回路
主駆動源制御回路D1は、主駆動源の一例としてのメインモータM1を駆動することにより、像保持体Py〜Pk、2次転写部材T2b、定着装置Fおよび中間転写ベルトB等を回転駆動する。
E:電源回路
電源回路Eは、現像器Gy〜Gkに現像電圧を印加する現像用電源回路E1と、帯電器CRに帯電電圧を印加する帯電用電源回路E2と、一次転写部材T1および二次転写部材T2bに転写電圧を印加する転写用電源回路E3および定着装置Fに加熱用の電源を供給する定着用電源回路E4を有している。
D:潜像形成装置駆動回路
潜像形成装置駆動回路Dは、潜像形成装置ROSy〜ROSkを制御して、潜像を形成する。
(前記本体側制御部Cの機能)
前記本体側制御部Cは、前記各信号出力要素からの出力信号に応じた処理を実行して、前記各制御要素に制御信号を出力する機能を実現する機能実現手段、いわゆる、画像形成プログラムを構成するプログラムモジュールを有している。前記本体側制御部Cの各種機能を実現する機能実現手段を次に説明する。
C1a:主駆動源回転制御手段
主駆動源回転制御手段C1aは、前記主駆動源制御回路D1を介してメインモータM1の動作を制御して、像保持体Py〜Pk等の回転を制御する。
C1b:電源回路制御手段
電源回路制御手段C1bは、前記電源回路Eを制御して、前記現像電圧、帯電電圧、転写電圧、定着温度を制御する。
(前記主制御部C2に接続された信号入力要素)
前記主制御部C2には、操作部UIや温度計SN1、湿度計SN2等からの出力信号が入力されている。
前記操作部UIは、画像が表示される表示部U2aや、各種入力を行うための入力釦U2b等を備えている。なお、前記表示部U2aとしては、例えば、液晶ディスプレイを使用可能であり、入力釦U2bとしては、いわゆるテンキーやコピースタートキー等を挙げることができる。
前記温度計SN1は、プリンタUの環境温度を測定する。
前記湿度計SN2は、プリンタUの環境湿度を測定する。
(主制御部C2に接続された被制御要素)
主制御部C2は、中継路SH2の搬送ローラRaを駆動する制御信号や本体側制御部Cや各スタッカ装置U3a,U3bの各収容制御部C3a,C3b等の制御信号等を出力している。
(前記主制御部C2の機能)
前記主制御部C2は、前記各信号出力要素からの出力信号に応じた処理を実行して、前記各制御要素に制御信号を出力する機能を実現する機能実現手段、いわゆる、プログラムモジュールを有している。前記主制御部C2の各種機能を実現する機能実現手段を次に説明する。
C2a:画像情報受信手段
画像情報受信手段C3は、各端末1、4〜6から送信された印刷対象の画像情報を受信し、記憶する。
C2b:画像情報展開手段
画像情報展開手段C2bは、受信した画像情報に基づいて、印刷用の情報である印刷画像情報に変換、展開する。
C2c:画像密度判別手段
画像密度判別手段C2cは、記録紙S表面に定着された画像の画像密度が予め設定された所定の画像密度よりも高いか否かを判別する。実施例1の画像密度判別手段C2cは、画像情報展開手段C2bで展開された印刷画像情報に基づいて、画像密度の判別を行う。また、実施例1では、予め設定された所定の画像密度の一例として画像密度10%を記憶しているが、10%に限定されず設計や仕様に応じて任意に変更可能である。なお、実施例1では、画像情報が複数頁ある場合、いずれか1つの頁の画像密度が10%を越えている場合に、高密度画像であると判別するが、この構成に限定されず、例えば、全頁の平均画像密度が所定値を越えている場合に高密度画像と判別したり、全頁で所定値を越えている場合に高密度画像と判別することも可能である。
C2d:媒体種類記憶手段
媒体種類記憶手段C2dは、各給紙トレイTR1〜TR3に収容された記録紙Sの種類である媒体種類を記憶する。実施例1の媒体種類記憶手段C2dは、前記媒体種類として、普通紙、厚紙、薄紙、コート紙等を記憶する。
C2e:媒体種類判別手段
媒体種類判別手段C2eは、使用される記録紙Sの種類を判別する。実施例1の媒体種類判別手段C2eは、前記記録紙Sの媒体種類が記録紙Sどうしの貼り付きが発生しやすい易貼付媒体の一例としてのコート紙であるか否かを判別する。
C2f:環境判別手段
環境判別手段C2fは、環境温度および環境湿度に基づいて、記録紙Sどうしが貼り付きやすい環境であるか否かを判別する。実施例1の環境判別手段C2fは、媒体が冷却されにくく貼り付きが発生しやすい環境温度の一例として30℃以上であるか否かを判別すると共に、静電気により貼り付きが発生しやすい環境湿度の一例として湿度30%RH以下であるか否かを判別する。なお、高温または低湿であることを判別する具体的な数値は、例示した数値に限定されず、設計や仕様等に応じて任意に変更可能である。
C2g:気体量設定手段
気体量設定手段C2gは、排出されるスタッカ装置U3a,U3bの送風ファン1〜4から送風される気体の量を設定する。実施例1の気体量設定手段C2gは、各スタッカ装置U3a,U3bの気体量制御手段で制御される送風ファン1〜4の風量を設定する。また、前記気体量設定手段C2gは、記録紙S表面の画像密度が高い場合に送風ファン1〜4から送り出される気体の量を多く設定すると共に、媒体種類がコート紙である場合に送風ファン1〜4から送り出される気体の量を多く設定する。
(前記収容制御部C3a,C3bに接続された信号入力要素)
前記第1スタッカ装置U3aおよび第2スタッカ装置U3bの第1収容制御部C3aおよび第2収容制御部C3bには、主制御部C2等からの出力信号が入力されている。
(収容制御部C3a,C3bに接続された被制御要素)
各収容制御部C3a,C3bは、排出ローラRhや搬送ローラRaを駆動する制御信号等を出力している。
(前記収容制御部C3a,C3bの機能)
前記収容制御部C3a,C3bは、前記各信号出力要素からの出力信号に応じた処理を実行して、前記各制御要素に制御信号を出力する機能を実現する機能実現手段、いわゆる、プログラムモジュールを有している。前記収容制御部C3a,C3bの各種機能を実現する機能実現手段を次に説明する。なお、第2スタッカ装置U3bの気体量制御手段C3b1は、第1スタッカ装置U3aの気体量制御手段C3a1と同様であるため、説明は省略する。
C3a1:気体量制御手段
渦流制御手段の一例としての気体量制御手段C3a1,C3b1は、気体量設定手段C2gで設定された気体量、すなわち、風量に基づいて、送風ファン1〜4を制御して、送風ファン1〜4から送風される気体量を制御して、発生する渦流を制御する。
(プリンタUのフローチャートの説明)
(冷却制御処理のフローチャートの説明)
図5は実施例1の画像形成装置での冷却制御処理のフローチャートである。
図5のフローチャートの各ST(ステップ)の処理は、プリンタUのハードディスク等に記憶された冷却制御プログラムに従って行われる。また、この処理はプリンタUの他の各種処理と並行して並列処理で実行される。
図5に示すフローチャートはプリンタUの電源が投入された時に開始される。
図5のST1において、端末1、4〜6や管理装置2から送信された印刷用の画像情報を受信したか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST2に進み、ノー(N)の場合はST1を繰り返す。
ST2において、受信した画像情報を展開する。そして、ST3に進む。
ST3において、展開された画像が高密度画像であるか否かを判別する。実施例1では、展開された印刷画像情報に基づいて、画像密度が10%以上であるか否かを判別する。ノー(N)の場合はST4に進み、イエス(Y)の場合はST8に進む。
ST4において、使用する媒体種類はコート紙であるか否かを判別する。ノー(N)の場合はST5に進み、イエス(Y)の場合はST8に進む。
ST5において、環境温度は高温であるか否かを判別する。実施例1では、環境温度が30度以上であるか否かを判別することで、高温環境であるか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST6に進み、ノー(N)の場合はST8に進む。
ST6において、環境湿度は低湿であるか否かを判別する。実施例1では、環境湿度が30%RH以下であるか否かを判別することで、低湿環境であるか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST7に進み、ノー(N)の場合はST8に進む。
ST7において、記録紙Sが排出されるスタッカ装置U3a,U3bの送風ファン1〜4の風量を小風量に設定する。そして、ST9に進む。
ST8において、記録紙Sが排出されるスタッカ装置U3a,U3bの送風ファン1〜4の風量を大風量に設定する。そして、ST9に進む。
ST9において、画像形成動作を実行する。そして、ST10に進む。
ST10において、画像形成動作が終了したか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST1に戻り、ノー(N)の場合はST10を繰り返す。
(実施例1の作用)
前記構成を備えた実施例1の画像形成システムS0では、使用される媒体種類や画像密度、環境温度、環境湿度に基づいて、風量が設定される。設定された風量でファン1〜4により送風された気体は、図3に示すように、スタッカ容器TRh1,TRh2内で渦状の気体の流れである渦流11を形成する。図3Aにおいて、前記スタッカ容器TRh1,TRh2に形成された渦流11の上方に排出された記録紙Sは、渦流11により空中に浮遊した状態となり、渦流11により記録紙Sが効率的に冷却される。前記渦流11上に続けて記録紙Sが排出されると、渦流11の上方で浮遊記録紙束S1が形成し、浮遊記録紙束S1の記録紙は渦流11で冷却される。
そして、浮遊記録紙束S1を構成する記録紙Sの枚数が多くなると、重量で、一番下の記録紙Sが渦流11の下方に到達し、スタッカ容器TRh1,TRh2の底板TRh1a,TRh2a上に落下し、積載されていく。このとき落下する記録紙Sは、渦流11の中にしばらく滞留しており、滞留中に十分冷却された状態で積載される。この結果、実施例1のプリンタUでは、底板TRh1a,TRh2a上に積載された記録紙束S2では、記録紙Sの画像を構成する現像剤が十分に冷却されずに積載される場合に比べて、記録紙Sどうしが貼り付いてしまうことが低減されている。
特に、貼り付きが発生しやすい媒体種類や、環境、画像密度では、風量が大きくなり、記録紙Sが浮遊しやすく、浮遊時間ができるだけ長くなり、冷却効率が高まっていると共に、貼り付きが発生しにくい状態では、風量が小さく、速やかに積載するように設定されている。すなわち、冷却が必要な場合には、長時間冷却できるようにすると共に、冷却が不要な場合には速やかに積載され、無駄なエネルギー消費の削減や低騒音化が図られている。
また、従来技術のように、両側から向かい合うように風を送る場合、媒体上で風どうしが衝突して空気の流れが乱れて、積載される媒体Sの束が乱れやすかったが、実施例1では、風どうしが衝突することによる風の乱れは発生せず、安定した渦流11が構成され、媒体Sの束の乱れが低減されている。
さらに、通常の流れでは均一な上昇流を作成するには複雑な構成が必要であるが、実施例1では、ファン1〜4で形成可能な渦流11が採用されており、従来に比べて、均一な上昇流を簡易な構成で実現されている。
また、実施例1では、渦流11が採用されており、限られた大きさの装置内でより速い速度の気流を作成するのに好適な構成となっている。また、流速が速ければ、冷却効率が高いのはいうまでもない。
(変更例)
以上、本発明の実施例を詳述したが、本発明は、前記実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内で、種々の変更を行うことが可能である。本発明の変更例を下記に例示する。
(H01)前記実施例において、情報通信回線網Nの構成は、構内回線、いわゆるローカルエリアネットワークを例示したが、これに限定されず、公衆通信回線、いわゆる、インターネットを使用して接続したり、専用線を使用して接続したり等の任意の構成の回線網とすることが可能である。
(H02)前記実施例において、風量を制御する条件として、媒体種類や環境、画像密度を例示したが、これらに限定されず、例えば、画像情報に写真画像があるか否かを判別することで風量を制御することも可能である。
(H03)前記実施例において、風量のみを制御したが、例えば、ファン1〜4の枠体を回転可能に支持して送風方向を調整可能とし、渦流れ1の中心位置を調整するように構成することも可能である。例えば、画像密度が高い領域がある場合に、その位置に渦流れ1の中心位置が一致するように調整することで、さらに効率よく冷却可能とすることも可能である。
(H04)前記実施例において、各機能手段は、プリンタUの制御部C,C2,C3a,C3bで分散して処理を行ったが、1つの制御部で集中して処理することも可能であり、分散して処理することも可能である。
(H05)前記実施例において、2つのスタッカ装置U3a,U3bを使用する構成を例示したが、スタッカ装置の数は1つの場合や3つ以上の場合にも適用可能である。なお、2つのスタッカ装置U3a,U3bの両方にファン1〜4を設けたが、いずれか一方のみに設ける構成とすることも可能である。また、スタッカ装置の構成も実施例に例示したものに限定されず、画像形成装置の上面に配置された排出部や、後処理装置のスタッカトレイに適用可能である。すなわち、水平に配置された底板を有する場合に限定されず、水平に対して傾斜したスタッカトレイに対して適用することも可能である。
(H06)前記実施例において、渦流発生装置の一例として、ファン1〜4を例示したがこの構成に限定されず、例えば、ブロワ等を使用することも可能である。また、ファンの数は、4つに限定されず、渦流を発生することか可能な任意の数を使用可能であり、3個以下または5個以上で構成することも可能である。
図1は本発明の実施例1の画像形成システムの全体説明図である。 図2は本発明の実施例1の画像形成装置の全体説明図である。 図3は本発明の実施例の渦流発生装置の説明図であり、図3Aは正面図、図3Bは平面図である。 図4は実施例1の画像形成システムにおける画像形成装置の制御部の要部説明図である。 図5は実施例1の画像形成装置での冷却制御処理のフローチャートである。
符号の説明
1,2,3,4…渦流発生装置、
11…渦状の気体の流れ、
C2c…画像密度判別手段、
C2d…媒体種類判別手段、
C3a1,C3a2…気体量制御手段、
F…定着装置、
S…媒体、
TRh1,TRh2…積載容器、
U…画像形成装置。

Claims (2)

  1. 媒体表面に保持された未定着可視像を加熱定着する定着装置と、
    前記定着装置の媒体搬送方向下流側に配置され且つ、可視像が定着された媒体が排出されて積載される積載容器と、
    前記積載容器の上部且つ前記積載容器に媒体が排出される位置の下方に配置された渦流発生装置であって、前記積載容器に媒体が排出される方向の上流側および下流側の両側に二対で合計4つの前記渦流発生装置が配置され、各渦流発生装置から送風される風の軸線が互いにずれ且つ4つの風が合成されて前記積載容器内に搬送された媒体の下面に吹きつけられて媒体表面に沿って渦を巻くように下方から上方に向かって流れて前記媒体を冷却する渦流を発生させるように配置された前記渦流発生装置と、
    前記媒体表面に定着された画像の画像密度が予め設定された所定の画像密度よりも高いか否かを判別する画像密度判別手段と、
    前記媒体表面の画像密度が高い場合に、前記渦流発生装置から送り出される気体の量を多くするように前記渦流発生装置を制御する渦流制御手段と、
    使用される前記媒体の種類を判別する媒体種類判別手段と、
    前記媒体種類が、予め設定された易貼付媒体である場合に、前記渦流発生装置から送り出される気体の量を多くするように前記渦流発生装置を制御する前記渦流制御手段と、
    を備えたことを特徴とする画像形成装置。
  2. 媒体表面に保持された未定着可視像を加熱定着する定着装置と、
    前記定着装置の媒体搬送方向下流側に配置され且つ、可視像が定着された媒体が排出されて積載される積載容器と、
    前記積載容器の上部且つ前記積載容器に媒体が排出される位置の下方に配置された渦流発生装置であって、前記積載容器に媒体が排出される方向の上流側および下流側の両側に二対で合計4つの前記渦流発生装置が配置され、各渦流発生装置から送風される風の軸線が互いにずれ且つ4つの風が合成されて前記積載容器内に排出される媒体の下面に沿って下方から上方に向かって渦を巻くように気体を流して渦流を発生させるように配置されて、前記積載容器上部で前記媒体を浮遊させて冷却する前記渦流発生装置と、
    前記媒体表面に定着された画像の画像密度が予め設定された所定の画像密度よりも高いか否かを判別する画像密度判別手段と、
    前記媒体表面の画像密度が高い場合に、前記渦流発生装置から送り出される気体の量を多くするように前記渦流発生装置を制御する渦流制御手段と、
    使用される前記媒体の種類を判別する媒体種類判別手段と、
    前記媒体種類が、予め設定された易貼付媒体である場合に、前記渦流発生装置から送り出される気体の量を多くするように前記渦流発生装置を制御する前記渦流制御手段と、
    を備えたことを特徴とする画像形成装置。
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