JP6171277B2 - レーダ装置 - Google Patents
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Description
[第一実施形態]
<構成>
図1に示す第一実施形態のレーダ装置1は、車両に搭載され、予め定められた周波数f0の電波(以下、レーダ波と称する)を送信し、物標からのレーダ波の反射波を受信することで、車両の周囲に存在する物標を認識する。
正面部35にて回路基板60と対向する面(以下、「対向面」という)37には、レドーム20により形成される空間(以下、「レドーム空間」という)18に向かって突出するように形成された第一壁体51、52からなる壁部41が設けられている。
さらに、第一壁体52は、レドーム20の側壁33との間隔tt2が間隔tt1と同じ値になるように配置されている。
<作用>
次に、レーダ波がアンテナ部62からレドーム20を経てレーダ装置1の外部へ送信される場合を例にとって、壁部41の作用を説明する。以下では、図4に示すように、第一壁体51、52の間を第一空気層82という。また、第一壁体52とレドーム20の側壁33との間を第二空気層84という。
以上説明したように、本実施形態のレーダ装置1では、第一壁体51、52を透過するレーダ波同士が経路差によって互いに打ち消し合う状態が生じるように、第一壁体51、52からなる壁部41を設けたため、アンテナ部62のビーム方向aから外れた方向へのレーダ波を減衰させることができる。具体的には、例えば図5(a)に示すように、アンテナ部62がメインローブM1及びサイドローブS1、S2からなる合成指向性を有する場合、壁部41を備えることによって、同図5(b)に示すように、アンテナ部62のビーム方向aから外れた方向に形成されるサイドローブS1、S2を抑制することができる。
次に、第二実施形態のレーダ装置2について説明する。
なお、図6に示すレーダ装置2は、壁部43の構成が、第一実施形態のレーダ装置1のように第一壁体からなるものではなく、第一壁体52と、第一壁体52とは厚さの異なる第二壁体53とからなるものであるため、この相違する部分を中心に説明する。
壁部43は、第一壁体52と、第一壁体52より開口投影部39に近い側に配置された第二壁体53とからなる。第二壁体53は、下記の式(4)に示すように、第二壁体53中を伝播するレーダ波の波長の二分の一の値を2n−1倍(但し、nは自然数)した厚さt4を有する(但し、本実施形態では、第二壁体53の厚さtw3を式(4)にてn=1としたときの値に設定している)。
アンテナ部62から壁部43を経て外部へ送信されるレーダ波の経路として、例えば図7に示すように、第二壁体53の表面で反射され、レドーム空間18に戻る経路を第5経路75とする。また、第二壁体53に入射し、第二壁体53と第一空気層82との境界で反射され、レドーム空間18に戻る経路を第6経路76とする。
以上説明したように、レーダ装置2では、異なる厚さの第一壁体及び第二壁体からなる壁部43を設けたことにより、レドーム空間18へ戻される反射波同士を経路差によって互いに打ち消し合わせるとともに、外部へ送信されるレーダ波を減衰させることができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において様々な態様にて実施することが可能である。
また同様に、第二壁体の厚さtw3の値は、式(4)にて、nを任意に定めた値(自然数)に設定してよい。
(ヘ)上記実施形態では、レドーム20の対向面37に、第一壁体51、52からなる壁部41が設けられていた。これに加えて図13に示すように、レーダ装置5のレドーム20の側壁33に、レドーム空間18に向かって突出するように形成された第三壁体59を設けてもよい。第三壁体59は、例えば、レドーム20と同じ透過材で形成され、側壁33からの高さが、透過材中を伝播するレーダ波の波長の四分の一の値を2n−1倍(ただし、nは自然数)した値に設定される。第三壁体59は、法線方向aを上下方向として、この上下方向において回路基板60にできるだけ近い部位に設けられることが望ましい。これにより、回路基板60に沿う方向についても、外部に送信されるレーダ波を抑制することができる。
Claims (8)
- 予め定められた周波数の電波からなるレーダ波の送信及び受信のうち少なくとも一方を行うアンテナ(62)と、
前記レーダ波を透過させるレドーム(20)と、
前記アンテナと対向する前記レドームの面を対向面(37)とし、該対向面に前記アンテナの開口面を該開口面の法線方向に投影した部位を開口投影部(39)として、前記レドームにより形成される空間に向かって前記対向面から突出し、前記開口投影部の外周の少なくとも一部に沿う壁部(41、43、45、47、91、92)と、
を備え、
前記壁部(41、43、45、47)は、前記開口投影部の外周を囲むように形成され、
前記壁部(41、43、45、47)は、前記開口投影部から該開口投影部の外部を向く方向に、間隔を隔てて配置された複数の壁体(51、52、53、55、58、57)からなり、
前記壁体(55)は、該壁体によって反射される前記レーダ波を抑制するように、前記対向面からの突出量が設定されており、
少なくとも前記開口投影部の最も近くに配置されている前記壁体(55)は、隣接する前記壁体(52)と比べて、前記対向面からの突出量が小さく設定されている
ことを特徴とするレーダ装置。 - 予め定められた周波数の電波からなるレーダ波の送信及び受信のうち少なくとも一方を行うアンテナ(62)と、
前記レーダ波を透過させるレドーム(20)と、
前記アンテナと対向する前記レドームの面を対向面(37)とし、該対向面に前記アンテナの開口面を該開口面の法線方向に投影した部位を開口投影部(39)として、前記レドームにより形成される空間に向かって前記対向面から突出し、前記開口投影部の外周の少なくとも一部に沿う壁部(41、43、45、47、91、92)と、
を備え、
前記壁部(41、43、45、47)は、前記開口投影部から該開口投影部の外部を向く方向に、間隔を隔てて配置された複数の壁体(51、52、53、55、58、57)からなり、
前記壁体(55)は、該壁体によって反射される前記レーダ波を抑制するように、前記対向面からの突出量が設定されており、
少なくとも前記開口投影部の最も近くに配置されている前記壁体(55)は、隣接する前記壁体(52)と比べて、前記対向面からの突出量が小さく設定されている
ことを特徴とするレーダ装置。 - 前記壁体のうち少なくとも一つは、該壁体内での前記レーダ波の波長の四分の一を2n−1倍(但し、nは自然数)した厚さを有する第一壁体(51、52、55、58、57)からなることを特徴とする請求項1または2に記載のレーダ装置。
- 前記壁体のうち少なくとも一つは、該壁体内での前記レーダ波の波長の二分の一を2n−1倍(但し、nは自然数)した厚さを有する第二壁体(53)からなることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載のレーダ装置。
- 前記壁体は、該壁体内での前記レーダ波の波長の四分の一を2n−1倍(但し、nは自然数)した厚さを有する少なくとも一つの第一壁体(52)と、該壁体内での前記レーダ波の波長の四分の一を2n−1倍(但し、nは自然数)した厚さを有する少なくとも一つの第二壁体(53)とを備え、
前記第二壁体は、前記第一壁体より、前記開口投影部に近い側に配置されることを特徴とする請求項1または2に記載のレーダ装置。 - 前記壁体(51、52、53、55、57、58)は、隣接する前記壁体との間隔が前記レドームにより形成される空間内での前記レーダ波の波長の四分の一を2n−1倍(但
し、nは自然数)した値となるように配置されていることを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載のレーダ装置。 - 前記壁体(51、52、53、55)は、前記レドームを形成する材料と同じ材料で形成されていることを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載のレーダ装置。
- 前記壁体(57、58)は、前記レドームを形成する材料と比べて電波をより減衰させる材料で形成されていることを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載のレーダ装置。
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