JP6170428B2 - 異形可撓性背もたれ付き着座構造体 - Google Patents

Description

本発明は、概略的には、着座構造体、特に異形の可撓性背もたれを備えた着座構造体、例えば椅子並びにその使用及び組み立て方法に関する。

〔関連技術の説明〕
本願は、２０１０年１０月７日に出願された米国特許仮出願第６１／３９０，９０３号及び２０１０年４月１３日に出願された米国特許仮出願第６１／３２３，６３５号の権益主張出願であり、これら米国特許仮出願を参照により引用し、これらの開示内容全体を本明細書の一部とする。

着座構造体は、可撓性背もたれ部材、例えばポリプロピレンシート及び織成エラストマーメンブレンを備えるよう構成されている場合がある。典型的には、可撓性部材は、可撓性部材に３次元輪郭を与えるよう種々の仕方で引張り状態に置かれる。例えば、周辺フレームは、可撓性部材を包囲してこれを保持することができる。他の装置では、可撓性部材の種々の部分は、互いに間隔をおいた場所で保持され、中間部材が可撓性部材を押して可撓性部材を形成すると共にその種々の部分を引張り状態にする。

このようなシステムは、フレームと接触しているにせよ中間部材と接触しているにせよ、望ましくない硬い接触箇所をもたらす場合がある。

本発明は、添付の特許請求の範囲の記載によって定められ、この発明の概要の項においてこのような特許請求の範囲に記載された発明に対する限定であると考えられる内容は存在しない。

一態様では、着座構造体の一実施形態は、各支持部材に対して垂直方向に間隔をおいて位置している上方取り付け部分を備えた上部支持部材を有する。下部支持構造部材は、上方取り付け部分の前方に位置決めされた１対の互いに間隔をおいて位置する側方取り付け部分及び側方取り付け部分の後方に位置決めされた中間取り付け部分を有する。可撓性部材が上方取り付け部分に連結された上方部分及び側方取り付け部分に連結されると共に中間取り付け部分に連結された下方部分を備えている。可撓性部材は、可撓性部材の腰部領域のところで水平面で前方へ向いた凹形状及び可撓性部材の中心線のところで垂直面で前方へ向いた凸形状を有する。可撓性部材は、上方取り付け部分と側方取り付け部分との間に延びると共にこれらの間で張力をかけられている側縁部を有する。上方部分から遠ざかる方向に向けられると共に側縁部のいずれか一方の任意の箇所に沿って取られた張力ベクトルが前方へ向いた成分を有する。

別の態様では、着座構造体の一実施形態は、着座構造体が上縁部、互いに反対側の側縁部及び下縁部を備えた背もたれ部材を有する。背もたれ部材は、上縁部と下縁部との間に背もたれ部材の垂直中心線に沿って形成されている前方へ向いた凸形状を有する。下縁部は、前方へ向いた凹形状を有する。下縁部は、上縁部よりも長く、下縁部は、上縁部全体の前方に位置決めされた外側部分を有する。

さらに別の態様では、着座構造体がエラストマー材料で作られ、上縁部、互いに反対側の側縁部及び下縁部を備えた可撓性部材を有する背もたれを有する。可撓性部材は、上縁部と下縁部との間で可撓性部材の垂直中心線に沿って形成されている前方へ向いた凸形状及び可撓性部材の腰部領域のところで水平面で前方へ向いた凹形状を有する。可撓性部材は、側部から側部まで上縁部に沿って張力をかけられており、可撓性部材は、側部から側部まで上縁部に沿って且つ側部から側部まで腰部領域に沿って、しかも上縁部の端部分から下縁部の反対側の端部分まで斜めに張力をかけられている。

別の態様では、着座構造体の一実施形態は、背もたれ部材を有し、背もたれ部材は、背もたれ部材の下方領域に形成されると共に互いにパッド部分を構成する切り欠きを備え、パッド部分は、パッド部分の互いに反対側の側部に側方に間隔をおいて設けられた１対のコネクタによって切り欠きの反対側の側方部分に結合されている。パッド部分は、互いに反対側の側方部分に対して１対のコネクタ回りに回動可能である。人体支持基材が背もたれ部材の前部に沿って設けられると共にパッド部分を覆っている。

別の態様では、背もたれキットが背もたれ部材と、背もたれ部材の前部に沿って設けられた人体支持基材とを含む。補助支持部材が背もたれ部材と人体支持基材との間に設けられている。ハンドルが補助支持部材に結合されると共に補助支持部材を背もたれ部材と人体支持基材との間で且つ背もたれ部材及び人体支持基材に対して動かすために把持されるよう構成されている。ロックコンポーネントが補助支持部材に結合されると共に背もたれ部材と人体支持基材との間で且つ背もたれ部材及び人体支持基材に対する補助支持部材の運動を阻止するよう構成されている。

別の態様では、着座構造体の一実施形態は、人体に向いた前面を有すると共に中央背骨領域及び背骨領域の互いに反対側の側部に位置決めされた側方領域を有する背もたれ部材を有する。背もたれ部材は、背骨領域の互いに反対側で側方領域の上方部分、中間部分及び下方部分の少なくとも１つに形成された複数個の開口部を有する。背骨領域は、側方領域よりも高い剛性を有する。補助支持部材が背もたれ部材に可動的に結合され、補助支持部材は、背もたれ部材の人体に向いた前面の前で動くことができる。人体支持基材が背もたれ部材の人体に向いた前面に沿って設けられると共に補助支持部材を覆っている。

別の態様では、着座構造体の一実施形態は、人体に向いた前面を備える背もたれ部材と、背もたれ部材に可動的に結合された補助支持部材とを有する。補助支持部材は、背もたれ部材の人体に向いた前面の前で第１の垂直位置と第２の垂直位置との間で垂直方向に動くことができる。補助支持部材は、補助支持部材を第１の垂直位置から第２の垂直位置に動かすと、背もたれ部材に対して第１の位置から第２の位置に前方に動かされる。人体支持基材が背もたれ部材の人体に向いた前面に沿って設けられると共に補助支持部材を覆っている人体支持基材を有する。

別の態様では、着座構造体がフレームと、可撓性背もたれ部材を有し、可撓性背もたれ部材は、可撓性背もたれ部材の上方の場所と下方の場所でフレームに結合されている。ブレースが上方の場所と下方の場所との間で垂直方向に位置した垂直方向に間隔をおいた場所で可撓性背もたれ部材に直接連結されている。支持部材がブレースに結合されると共に可撓性背もたれ部材の後部に係合している。

着座構造体の種々の実施形態は、他の着座構造体と比較して顕著な利点をもたらす。例えば、本発明を限定するものではなく、背もたれ部材は、ユーザの人体を保持すると共に支えるよう形作られた３次元輪郭を有する可撓性部材を備えているが、これには限定されない。この輪郭は、幾つかの実施形態では、周辺フレームが設けられておらず、しかも中間部材が可撓性部材に係合してその形状変化を生じさせることなく、導入される。それと同時に、支持構造体の幾何学的形状によって作られる特徴的な組をなすパドル（鞍）形状により、ユーザにとって軟らかい初期支持具合が提供され、しかも、ユーザが背もたれを後方にそらしたときに堅固な又はしっかりとした支持具合が得られる。特徴的な構造体は、美観をも向上させる。

上記段落は、概要説明のために提供されており、特許請求の範囲に記載された本発明の範囲を制限するものではない。種々の好ましい実施形態では、別の利点と一緒になって、添付の図面を参照して行われる以下の詳細な説明を参照すると最も良く理解できる。

着座構造体の第１の実施形態の前から見た斜視図である。 着座構造体の第１の実施形態の後ろから見た斜視図である。 着座構造体の第１の実施形態の側面図である。 着座構造体の第１の実施形態の正面図である。 着座構造体の第１の実施形態の背面図である。 着座構造体の第１の実施形態の平面図である。 着座構造体の第１の実施形態の底面図である。 着座構造体の第２の実施形態の前から見た斜視図である。 着座構造体の第２の実施形態の後ろから見た斜視図である。 着座構造体の第２の実施形態の側面図である。 着座構造体の第２の実施形態の正面図である。 着座構造体の第２の実施形態の背面図である。 着座構造体の第２の実施形態の平面図である。 着座構造体の第２の実施形態の底面図である。 着座構造体の種々の実施形態の分解組立て斜視図である。 着座構造体用の背もたれの一実施形態の分解組立て斜視図である。 背もたれ部材の側縁部に沿う張力ベクトルの略図である。 垂直面（鉛直面）に沿って取られた第１のサドルの概略断面図である。 水平面での第２のサドルの概略断面図である。 着座構造体用座の一実施形態の下から見た分解組立て斜視図である。 背もたれ構造体の一実施形態の部分側面図である。 背もたれ構造体の一実施形態の部分斜視図である。 腰部支持体が非支持位置にある状態の背もたれ構造体の別の実施形態の前から見た部分斜視図である。 腰部支持体が非支持位置にある背もたれ構造体の別の実施形態の前から見た部分斜視図である。 腰部支持体パッドの斜視図である。 動作不能位置にある腰部支持体の部分背面図である。 腰部支持体を備えた背もたれの後ろから見た部分斜視図である。 別の形態の背もたれの斜視図である。 布張り形態の背もたれの斜視図である。 図２６に示された背もたれの上方部分の断面図である。 周辺フレームを備えた可撓性形態の背もたれの斜視図である。 フレームと可撓性部材との間の連結部の断面図である。 フレームと可撓性部材との間の連結部の部分図である。 図３０に示された連結部の概略側面図である。 背もたれ部材の一実施形態の正面図であり、種々のバンドを示す図である。 図３２に示されている側方へ延びるバンドのための種々のバンド特性を示す表を記載した図である。 図３２に示されている斜め／垂直バンドに関する種々のバンド特性を示す表を記載した図である。 腰部支持体を備えた背もたれの一実施形態の後ろから見た斜視図である。 腰部支持体の前から見た斜視図である。 図３５に示された腰部支持体のための上方取り付け場所の拡大図である。 図３５に示された腰部支持体のための下方取り付け場所の拡大図である。 背もたれの変形実施形態の前から見た斜視図である。 図３９に示された背もたれの後ろから見た斜視図である。 図３９及び図４０に示された腰部支持体を調節するために用いられるハンドルの背面図である。 腰部支持体の正面図である。 ロックコンポーネントの背面図である。 腰部支持体及び背もたれシェルに係合した図４３のロックコンポーネントの部分拡大図である。 ロックコンポーネント、ガイド及び腰部支持体の背面図である。

本明細書で用いられる「複数」という用語は、２つ又は３つ以上を意味していることが解る。本明細書で用いられる「長手方向」という用語は、長さ又は長さ方向を意味し、又はこれらに関し、一般に、前後若しくは上下に延び、例えば、座部の前から座部の後ろに延び又は背もたれの下から背もたれの上まで延び、又はこれらの逆の関係が成り立つ方向に対応している。本明細書で用いられる「側方」という用語は、側部に位置し、側部に向かって差し向けられ又は側部から側部に延びることを意味している。本明細書で用いられる「結合され」という用語は、直接的又は間接的に、例えば、介在部材に連結され又は係合することを意味し、固定され又は永続的な係合を必要とせず、但し、固定され又は永続的であっても良いことを意味している。本明細書で用いられる「第１」、「第２」等の用語は、このように指示された特定のコンポーネントに割り当てられることを意味するものではなく、これとは異なり、このようなコンポーネントを記載した数値の順番で言及しているに過ぎず、コンポーネントに言及する順序に応じて、「第１」のと示されているコンポーネントが後で「第２」のこのようなコンポーネントである場合があることを意味している。また、「第１」及び「第２」という表示は、必ずしも、このように指示された２つのコンポーネント又は値が互いに異なることを意味するものではなく、例えば、第１の方向が、第２の方向と同一である場合があり、各方向は、単に、互いに異なるコンポーネントに適応可能である。

傾き制御ハウジング及び座部
図１〜図１５を参照すると、着座構造体が示されている。着座構造体は、椅子として構成されており、この着座構造体は、座部２、背もたれ４及びベース６を有している。ベースは、傾き制御ハウジング８、傾き制御ハウジングに結合されると共にこれを支持した支柱（支持コラム）１０及び支柱に結合されると共にこれを支持したベース構造体１２を有している。傾き制御ハウジングは、後方側チルトブラケット１６に係合してこれを直立位置に付勢する付勢機構体、例えば板ばね１４、ねじりばね、引張り／圧縮ばね等又はこれらの組み合わせを有する。後方側チルトブラケット１６は、主ピボット１８のところで傾き制御ハウジング８に回動可能に連結されている。座部２は、傾き制御ハウジングによって支持され、この座部は、例えば複数個の締結具によって（これには限定されない）座部支持体２２に固定されると共にこれを支持したスカート２０を有している。座部支持体２２は、パン２６を有し、フォーム及びファブリックの層２４がユーザとのインターフェースをとっている。他の実施形態では、座部は、サスペンション材料を備えるのが良い。

図１５及び図１７を参照すると、１対のレール２８に沿って摺動し、これらレールは、後方側チルトブラケット１６に回動可能に取り付けられると共に１対のガイド３０によってハウジングの前部のところに摺動可能に支持されている。アクチュエータ３２がばね３６によって側方に付勢されており、このアクチュエータは、スカートに設けられた開口部３８を貫通して延び、このアクチュエータは、座部を所望の座深さ位置にロックするようレールの１本に形成された開口部４０に係合した端部３４を有している。座部が遠すぎるほど後方に移動してレールから外れるのを阻止するために停止部材４２が設けられるのが良い。停止部材４３は、座部の最も前方の移動を制限する。停止部材４２は、座部をレールに組み付けた後に取り付けられるのが良い。変形例としての非調節式実施形態では、スカートの開口部は、カバー４４で閉鎖される。ロック部材４６が座部をレールに組み付けた後、定位置にスナップ嵌めされ、１対のタブ特徴部４７がレールに設けられた穴４９に嵌合しており、それにより、座部は、前方／後方運動を生じないようになっている。

後方側チルトブラケット１６は、背もたれ支持体５０に形成されたキャビティ４８内に挿入され背もたれ支持体に結合されている。この背もたれ支持体は、前方に延びて後方側チルトブラケットの側部を覆う１対のフランジ５８を有している。動作原理を説明すると、ユーザは、後方に傾き、背もたれ支持体５０及び後方側チルトブラケット１６は、ばね１４の付勢力に対抗して主ピボット１８回りに回動する。レール２８に結合されている座部２は、座部とレールが回転して傾き制御ハウジング８に対して摺動すると、レールと一緒に回動する。ばねの付勢力を調節するための制御装置５２が設けられている。同様に、支柱の高さは、制御装置５４を操作することによって変更可能である。後方及び前方チルトリミッタアクチュエータ５１，５３がばね制御装置５２と同軸に位置合わせされており、後方リミッタは、前方リミッタの後方に位置決めされている。

図２５に示されている別の実施形態では、ベースは、背もたれに結合された１対のポスト５８を備えたフレーム５６を有する。図２５に示されている着座構造体のそれ以上の態様は、“Chair Construction and Method Therefore”という発明の名称で本願と同日に出願された米国特許仮出願（代理人事件番号：３５９１‐１８１９）に開示されており、この米国特許仮出願を参照により引用し、その開示内容全体を本明細書の一部とする。

背もたれ
背もたれ支持体５０は、１対の互いに反対側の側方に間隔をおいて設けられた側方直立部６２で終端している横部材６０、側方直立部に連結された湾曲支持体６４及び中央支持体６６を有する成形プラスチックコンポーネントとして構成されている。そのため支持体は、種々の適当な材料で構成でき、このような材料としては、ガラス繊維入りナイロン、ガラス繊維入りポリプロピレン、ＰＢＴ、ペトラ（Petra）及び他の類似の材料又はこれらの組み合わせが挙げられるが、これらには限定されない。湾曲支持体６４は、前方へ向いた凹状輪郭を有し、その端部６８は、中間部分７０又は中央部分よりも高いところに位置決めされている。背もたれ支持体は、突出部７４に嵌められると共に中央支持体６６に結合された中央部材及び湾曲部材６４を備えた直立部７２を更に有する。ブラケット７６及びカバー７８は、直立部を湾曲支持体６４に固定している。直立部は、上方外方に広がった１対のアーム８０を有し、端部８２は、背もたれ部材８４を支持する上方取り付け部分として構成されている。

図１〜図１５を参照すると、１対の肘掛け（アームレスト）８６が側方直立部６２により形成されたキャビティ８８内に配置された状態でこれに結合されている。肘掛けは、内側スリーブ部材８８及びこのスリーブ部材内に設けられたステム９０を有している。アーム支持体９３がステムに結合されている。種々の実施形態では、肘掛けは、ステムが内側スリーブ及び側方直立部に対して動くことにより垂直方向に調節可能であると共に／或いは水平に調節可能であり、アーム支持体は、側方、長手方向及び回転方向に調節可能である。調節可能な肘掛けは、更に、“adjustable armrest”という発明の名称で２０１０年４月１３日に出願された米国特許仮出願第６１／３２３，６６０号明細書（代理人事件番号：３５９１‐１８２３）に開示されており、この米国特許仮出願を参照により引用し、その開示内容全体を本明細書の一部とする。

背もたれ部材８４は、多種多様な構成及び材料で構成できる。図１〜図７及び図１５に示されている第１の実施形態では、背もたれ部材は、軟質エラストマー材料で作られている。例えば、本発明を限定するものではないが、背もたれ部材は、TPU Huntsman Irogran A92P4637R、靱性、弾性率、耐ＵＶ性、経済性及び滑らかな非粘着性の触った感触があるので選択される場合のある芳香族ウレタンで作られるのが良い。他の適当な材料としては、脂肪族ウレタン、ＴＰＥ、例えばハイトレル（Hytrel）若しくはＰＥＢＡ材料又はこれらの組み合わせが挙げられるが、これらには限定されない。背もたれ部材は、半透明に作られるのが良い。背もたれ部材は、約３ｍｍ〜約９ｍｍの厚さを有し、一実施形態では、公称厚さは、約４ｍｍである。図３２〜図３４を参照すると、材料のストランド又はバンドの高さと厚さは、ストランドが背もたれの側方態様のところでは薄く見えるが、ほぼ同一の断面積を有するように例えば反比例して変化するのが良い。種々の実施形態では、側方又は垂直方向／斜め方向に延びるバンドの任意のものは、高い剛性の領域を作るよう断面積が様々であって良い。図３２及び図３３を参照すると、側方バンドＨ０〜Ｈ３９が図示の種々の断面形状及び断面積を備えた状態で、背もたれの上方外側コーナー部から底部まで順番通り記載されている。同様に、斜め／垂直バンドＶ１〜Ｖ２６が最も外側の側方位置（Ｖ１）から内側に進んで順番通り記載され、１対のＶ１１ストランドが背もたれ部材の底部のところの中心線位置に沿って単一のバンドを形成するよう収斂している。バンドＶ１２〜Ｖ２６も又、図示のように交差側方バンドのところに向かって収斂している。バンド又はストランドは、支持具合（剛性）の増大が望ましい領域では厚くされるのが良い。例えば、ユーザをコア（背もたれの中心線の近く）で支持することが望ましい場合があり、かくして、厚手のストランド又はバンドの「島」が背もたれの中心線に沿う仙骨領域、腰部領域及び胸部領域に支持具合の増大をもたらすよう利用されるのが良い。厚さの増大領域は、幅が人体の背骨の尺度であり、幅が６０ｍｍ以上であるストライプであっても良い。これにより、この領域の曲げ剛性が高くなると共に背もたれがユーザをカテナリー力で支持しているときにストランドのばね定数が増大する。種々の実施形態では、背もたれ部材は、張力又は拘束が何らない場合であっても３次元形状を備えた状態で成形でき又は扁平な部材として成形又は形成でき、３次元形状は、張力及び支持構造体への連結部によって導入される。

背もたれ部材に種々の方向に種々の耐力特性を与えるようエラストマー材料を例えば圧縮又は延伸によって配向させるのが良い。種々の配向エラストマー材料及びこのような材料からコンポーネントを製作する方法は、２００６年１１月３０日に公開された米国特許出願公開第２００６／０２６７２５８（Ａ１）号明細書及び２００６年１２月２１日に発行された米国特許出願公開第２００６／０２８６３５９（Ａ１）号明細書に開示されており、これらの米国特許出願公開を参照により引用し、これらの開示内容全体を本明細書の一部とする。背もたれ部材は、変形例として、ファブリック又はエラストマー材料で、例えば米国特許第６，０５９，３６８号明細書に開示されているような織成メンブレンとして形成されても良く、この米国特許を参照により引用し、その開示内容全体を本明細書の一部とする。一実施形態では、適正な張力を維持すると共に最終使用者に合うよう所要の応従性を与えるためにプラスチック（エラストマー）キャリヤをファブリックの縁に成形により取り付け又は違ったやり方で固定されるのが良い。

一実施形態では、背もたれ部材８４は、上縁部８６を備えた上方部分、互いに反対側の側縁部９０及び下縁部８８を備えた下方部分を有する。上縁部８６は、下縁部８８よりも短い。下縁部８８は、上縁部８６の前方に位置決めされた端部９２を有し、側縁部９０は、上縁部８６から下縁部８８まで下方且つ前方に延びている。下縁部８８は、湾曲した支持体６４と結合する前方へ向いた凹形状を有する。下縁部の中間又は中央部分９４は、上縁部８６の後方であって座部２の上側支持面の下に且つ座部２の後方側部分の後ろに位置決めされている。このように、下縁部８６の曲率、長さ及び位置決め状態に起因して、下縁部は、背もたれが通常の直立位置にあるとき、上縁部８６の前に位置決めされた端部９２及び上縁部８６の後方に位置決めされた中間又は中央部分９４を有している。中間部分は、直立部７２の互いに反対側の側部に設けられた背もたれ部材の部分を有することが解る。端部９２は、種々の標的年齢層が、この人たちの臀部が端部９２相互間に位置した状態で着座することができるよう側方に間隔をおいて設けられている。同様に、背もたれ部材は、標的年齢層の肩胛骨の上方に延びるのに十分な高さを有する。一実施形態では、直立休止位置における上方背もたれ部分の角度は、水平に対して約１０３°である。

湾曲支持体６４は、その中間部分及び外側部分と一緒になって、背もたれ部材のための下方支持部材を構成している。図２、図５、図３０及び図３１に示されているように、一実施形態において上方取り付け部分を構成する端部８２は、背もたれ部材８４の上方外側のコーナー部１００のところに形成されたポケット９８内に受け入れられるフランジ部材として構成されている。例えば図１６に示されている他の実施形態では、端部８２は、ピボット部材により背もたれ部材に結合されている。下縁部８８は、湾曲支持体に直立部７２を挿通させることができる開口部が形成されているその中心線のところを除きその長さに沿って固定されている。当然のことながら、一実施形態では、下縁部８８は、中心線に沿って直立部に固定されても良い。下縁部は、種々の仕方で支持体に連結できる。一実施形態では、垂直に延びるストランド又はバンドには成形によりアイレットが形成されており、アイレットは、支持体６４の下面の底部から下方に突き出たポストに被さった状態でこれに係合する。他の実施形態では、下縁部は、締結具、溶接、結合、キャリヤ部材等及び／又はこれらの組み合わせにより湾曲部材に連結される。一実施形態では、側方直立部６２は又、湾曲支持体６４の端部６８と組み合わせ状態で側方取り付け部分の一部を形成している。側方直立部６２は一実施形態では省かれても良く、湾曲部材６４は、単独で下方支持部材として働くことが解る。図示のように、背もたれ部材８４は、側部９０と下縁部８８の接合部のところに形成された取り付け部分１０２を有し、取り付け部分１０２は、側方直立部６２に固定されている。一実施形態では、取り付け部分１０２は、側方直立部６２上でこれに沿って摺動する連続ループを形成する。１対のねじが直立部の後方側及びループを通って設けられてねじ山付きプレートにねじ込まれるのが良く、それにより取り付け部分１０２をサンドイッチしてこれを直立部６２に対して固定する。

背もたれ部材８４は、上方及び下方取り付け構造体８２，６４，６２相互間に引張り状態に置かれる。張力は、背もたれ部材に加わる場所及び向きに応じて互いに異なる場合がある。一般に、水平ストランド又はバンドは、腰部領域の垂直ストランドよりも大きな張力に耐える。水平ストランド張力及び垂直ストランド張力は、取り付け部分１０２の上方では大きさが同一の範囲内にある。取り付け後、張力は、下縁部８８のところの５ポンド（２．２７ｋｇ）未満から上端部１００の近くのところの最高８０ポンド（３６．２９ｋｇ）までの範囲にある。特に、背もたれ部材８４は、端部１００相互間で上縁部８６に沿って引張り状態に置かれる。背もたれ部材は、更に、側縁部９０に沿って張力をかけられ、張力ベクトル９１は、上縁部８６から遠ざかって下縁部８８に向かう方向に差し向けられ、側縁部９０の任意の箇所で前方且つ下方へ向いた方向成分を含む。当然のことながら、逆のことも当てはまり、下縁部８８から遠ざかって上縁部８６に向かう方向に差し向けられた張力ベクトル９３は、図１６Ａに示されているように、後方且つ上方に向いた方向成分を含み、ベクトル９１とベクトル９３は、大きさが等しく且つ逆向きである。背もたれ部材８４は、更に、腰部領域１０４内で側部から側部に側方に且つ上縁部８６の端部１００から下縁部８８の反対側の端部９２まで斜めに張力をかけられる。可撓性部材は、上縁部８６と下縁部８８との間でその垂直中心線１０６に沿って形成された前方へ向いた凸形状及びその腰部領域１０４内で水平面１０８に沿って取られた前方へ向いた凹形状を有する。このように、背もたれ部材は、特徴的なサドル（鞍）形状を有し、１つのサドル１１０は、腰部領域に沿って底に延びるその前部により構成され、１つのサドル１１２は、腰部領域に沿って長手方向に延びるその後部により構成されている。サドルの断面が図１６Ｂ及び図１６Ｃに示されている。このように、背もたれは、ユーザにとって軟らかい初期支持具合を提供し、しかも、ユーザが背もたれを後方にそらしたときに堅固な又はしっかりとした支持部材を提供する。特徴的な構造体は又、腰部領域に追加の支持を必要としないで、美観を向上させる。

一実施形態では、背もたれ部材は、少なくとも１つの上方の場所及び少なくとも３つの下方の場所で支持構造体により支持され、このような場所は、上方の場所の前方に位置決めされた１対の側方に間隔をおいて位置する側方場所及び側方場所の後方に位置決めされた少なくとも１つの中間場所を含む。一実施形態では、中間場所は、側方場所相互間に延びる曲線に沿って位置決めされた複数個の場所により構成される。

追加の支持が望ましい場合、図１〜図１６、図１８、図１９及び図３５〜図３８に示されているように、補助腰部支持体１１４を設けるのが良い。この実施形態では、ブレース１１６が例えば締結部、タブ、接着剤等又はこれらの組み合わせによって背もたれ部材８４に固定されている。例えば、一実施形態では、ブレース１１６は、隣接の背もたれ部材の輪郭にマッチする湾曲した又は弓形の形状を有する。ブレースは、その各端部のところに設けられた１対の前方へ延びるラグ（出張り）３００，３０２を有するのが良い。一実施形態では、各ラグは、１対の開口部３０４を備え又は変形例として開口部の互いに反対側にリップ又はキャッチ部分３０６を構成する単一の開口部を備える。ラグ３００，３０２は、例えばラグの中間部分が開口部３０４相互間に位置決めされた状態で背もたれ部材の中間ストランド（収斂Ｖ１１）又はバンドに係合する。一実施形態ではＵ字形のクリップ３０８，３１０が１対の弾性アーム３１２を有し、各アームは、キャッチ部材３１４を備えている。クリップ３０８，３１０は、中央バンドを覆って配置され、中央バンドは、クリップがバンドの前面と面一をなして位置するようアンダーカット３１６を有するのが良く、アーム３１２は、開口部３０４を通って受け入れられ、ついには、キャッチ部材３１４がラグのキャッチ部分３０６に係合し、それによりブレース１１６が背もたれ部材８４に固定される。

パッド部材１１８がブレース上に配置された状態でこれに沿って垂直に所望の垂直位置まで摺動し、ここで、パッド部材は、背もたれ部材８４の後面に係合する。ブレース１１６は、直立部ではなく背もたれ部材に固定されているので、ブレース１１６とパッド１１８は、撓んで背もたれ部材８４と一緒に動くようになり、それにより背もたれ部材の運動を制限することなく追加の支持を提供する。変形実施形態では、パッド部材１１８は、直立部７２に直接結合されてこれに沿って動くことができるようになっていても良い。

図３５及び図３６に示されているように、パッドの一実施形態は、ブレース上にその底部から摺動させることができる１対をなす上方及び下方のクリップ３２２を備えており、下方ラグは、クリップ中へのブレースの挿入を可能にするようアンダーカット部分３２４を備えている。パッドは、片持ち形態でブレースから側方外方に延びる１対のウイング３２６を更に有している。ウイングは、中央開口部３３８を画定する頂部３２８、底部３３０及び反対側の側部３３２を備えている。１対の前側フラップ３３４がウイングの互いに反対側の側縁部から側方内方に延びており、これら側縁部は、一体ヒンジ３３２を形成し、これら側縁部は、各々、自由縁部３３６のところで終端しており、従って、前側フラップは各々、内方に片持ちされている。変形実施形態では、前側フラップは、中央線のところで接合されるのが良く、その結果、一体型の前側支持体が得られている。動作の際、前側フラップ３３４の前面は、背もたれ部材８４の後面に係合する。ウイング及び前側フラップは、前側フラップ３３４が背もたれ部材によって負荷位置まで後方に付勢され又は撓められるよう構成されている。このように、パッド又は補助支持体は、例えば腰部領域のところに追加の支持を提供する。パッドを所望の支持位置までブレースに沿って垂直に動かすことができる。

背もたれ部材８４は、互いに反対側の側縁部相互間で側方に延びる材料の少なくとも１本のバンド１２２を形成すると共に上縁部８６、特にそのコーナー部１００から斜めに延びる少なくとも１本のバンド１２４を形成するよう配置された複数個の開口部１２０を備えている。斜めのバンド１２４は、内方に延びて側方に延びているバンド１２２と交差し、そして垂直に差し向けられたバンド１２６と一緒になって収斂し、それにより荷重としての張力のための荷重通路を構成している。他の副次的バンドが荷重を支持したバンドを互いに連結すると共にこれらの位置を維持するよう設けられるのが良い。

図８〜図１４及び図２０〜図２４の実施形態を参照すると、背もたれ部材８５は、剛性の高いシェル１３０として構成され、このシェルは、フォーム層１３２及び外側ファブリック層１３４で覆われている。適当な材料としては、例えば１．５ｍｍのポリプロピレン及びポリウレタンフォームが挙げられる。ファブリックは、着座布張りに適した任意の材料であって良い。難燃性を提供するよう他の層を設けるのが良い。シェルの下縁部１３６が湾曲部材に結合され、シェルの上方部分１３８は、アーム８０の端部８２に連結されている。一実施形態では、締結具が下方支持体６４を通ってシェルの底部中に上方に押し込められており、シェルの底部は、下方支持体の一部分を受け入れるように形作られた凹部を有している。締結具は、端部８２をシェルに結合している。シェルは、その前方側部に１対の凹部１４０を有すると共に長手方向に延びるスロット１４２を備えている。図２０、図２１、図２３、図２４、図３９及び図４０を参照すると、切り欠き３５０が１対のコネクタ３５２により互いに反対側の側方部分に連結されたパッド部分３５４を構成するようシェルの下方領域に形成されている。一実施形態では、パッド及びシェルの残部と一体に形成されたコネクタ３５２は、パッドのための唯一の連結部である。一実施形態では、パッドは、実質的に長方形の形をしている。動作にあたり、パッドは、コネクタにより定められた軸線回りに回転し又は回動することができる。パッドには更に、垂直スリット１５１が形成されている。

図２０〜図２２及び図３９〜図４２を参照すると、補助腰部支持体１４４が中央部分１５４及びコネクタにより中央部分に連結された互いに反対側の側方部分１４６を有し、側方部分は、凹部内に配置され、上方案内部分１４８がスロットに嵌まり込んだ状態でこれに沿って摺動し、下方案内部分１４９がシェルに形成されたスリット１５１に嵌まり込んだ状態でこれに沿って摺動する。案内部分１４８は、補助支持体が最も上方の支持位置にあるとき、シェルに設けられた停止部材に係合する。把持可能な部分１５２を備えたハンドル１５０が上方案内部分１４８に連結されており、このハンドルは、シェルの後部を覆っているフォーム及び／又はファブリックに設けられたスリット１５４を貫通して延び、ハンドル１５０及び把持可能な部分１５２は、ユーザに露出されている。ハンドルは、１対の弾性アーム３６０を有するのが良く、各アームは、キャッチ部分３６２を有し、キャッチ部分３６２は、補助支持体の案内部分に設けられた対応のキャッチ部分３６４を通って挿入されてこれらに嵌合している。ハンドルの停止部分３６６が補助支持体に設けられた対応の停止部分３６８に係合してハンドルが定位置に固定されるようになっている。

動作にあたり、腰部支持体１１４は、図２０及び図２１にそれぞれ示されているように支持位置と非支持位置との間で動くことができ、腰部支持体は、非支持位置と最も上方の支持位置との間で無段階調節可能である。非支持位置では、腰部支持体のパッド１４６は、凹部１４０内に配置され、その結果、腰部支持体は、シェルの前面と組み合わさった状態で実質的に面一をなすようになっている。変形例として、図３９に示されているように、パッドは、比較的薄手であり、非支持位置にあるとき前方支持を提供しない。支持が所望される場合、ユーザは、ハンドル１５０，１５２を掴んで腰部支持体１１４を上方に動かし、パッド１４６は、傾斜部に乗り上がってシェルと人体支持基材、例えばフォームとの間でシェルの前面に沿って動き、それによりフォーム１３２及びファブリック１３４を図２１に示すように前方へ押す。図３９に示されているように、リブ３７０が背もたれ部材の前面上に形成されており、このようなリブは、傾斜部を構成している。更に、パッドの後方側の側部は、補助支持体が最も下の位置にあるとき、背もたれ部材に形成されているスロット３７４内に配置されるリブ３７２を備えるのが良く、リブは、背もたれ部材の前部に係合し、補助支持部材を上方に動かしているときに傾斜部として働き、それにより支持部材及びその上に位置する人体支持基材を前方へ付勢する。人体支持基材は、例えばフォームで作られた（これには限定されない）クッションであっても良く、或いは、他の何らかの材料であっても良い。フォームは、補助支持体及び背もたれ部材上に定位置で成形されても良く又は別個の部品として成形され、次に、補助支持体上で背もたれ部材に取り付けられても良い。１つ又は２つ以上の追加の層、例えば装飾ファブリックが人体支持基材の上を覆うのが良い。当然のことながら、他の層も又人体支持基材とその下に位置する補助支持部材及び／又は背もたれ部材との間に配置されても良いことが解る。

図３９及び図４０の実施形態を参照すると、背もたれ部材は、中央背骨領域３９０及び中央背骨領域の互いに反対側に位置決めされた側方領域３９２を有している。複数個の開口部３９４，３９６，３９８が種々の曲げ剛性度又はねじり剛性度を背もたれ部材に与えるよう背もたれ部材に形成されている。曲げ剛性及びねじり剛性は、材料の厚さ又は幾何学的形状を変えることにより、例えば、リグ又は他の曲げ抵抗性構造的特徴部を設けることによっても変更可能である。補助支持部材を含む背骨領域３９０は、ユーザの背骨に支持作用を提供するよう比較的曲げ剛性が高く、又、背骨領域の互いに反対側に設けられた側方領域３９２よりも高いねじり剛性をもたらす。背もたれ部材の縁部を除く側方領域３９２の中間部分４００は、例えば押し込み力撓み試験によって測定して中央背骨領域３９０よりもねじり剛性が１／２〜１／３であるのが良い。側方領域３９２の上方部分４０２及び下方部分４０４は、側方領域３９２の中間部分４００よりもねじり剛性度が低いのが良く、例えば、１／３（これには限定されない）であるのが良い。一実施形態では、下方部分４００及び中間部分４０４の複数個の開口部３９６，３９８は、薄手の長手方向部分４１０に連結された垂直方向に間隔をおいて位置する側方に延びる部分４０８を備えている。一実施形態では、下方部分の開口部３９８は、Ｉビーム形状の少なくとも一部分を有し、中間部分の開口部３９６は、砂時計形又はドッグボーン形状のものである。一実施形態では、上方部分の開口部は、長さが様々であるのが良い垂直スリットとして形成されている。３つ全ての部分の開口部は、垂直方向に整列しているのが良く、その列は、垂直方向に間隔をおいて配置されている。

組み立てを単純化すると共に在庫を減らすために、ロックコンポーネント１５６が図２３及び図４３〜図４５に示されているようにハンドルに代えて取り付けられるのが良い。ロックコンポーネント１５６は、シェルに設けられたキャッチ部材４３２に係合し、更に、補助腰部支持体のガイド１４８に係合する肩又はキャッチ部分４３０を有し、それにより、腰部支持体は、非支持位置から動くのを阻止される。次に、フォーム及びファブリックを被着させ、背もたれはそれにより、調節可能な腰部支持体なしで構成される。ロックコンポーネントは、１対のアーム３６０を有するのが良く、各アームは、キャッチ部分３６２を有し、キャッチ部分３６２は、一実施形態では肩として補助支持体に形成されたキャッチ部分に係合し、ロックコンポーネントは、停止部材３６６を更に有するのが良い。図４２、図４４及び図４５に示されているように、補助支持体は、各々がロックコンポーネント又はハンドルのアームと整列した端部４２２を備えた１対の弾性解除アーム４２０又は枝部を更に有するのが良い。動作の際、ユーザは、アーム４２０を押すと、これらアーム４２０は、ロック部材又はハンドルのアーム３６０を内方に付勢し、ついには、キャッチ部分３６２，３６４が外れるようになる。例えば、ハンドルを取り付けることによって腰部支持体を調節可能にし又は壊れた又は摩耗したハンドルを交換することが望ましい場合、ロック部材及び／又はハンドルを取り外して交換するのが良い。組み立て中、オペレータにはキットが提供されるのが良く、キットは、背もたれ部材、ロックコンポーネント及びハンドルを含み、ロックコンポーネント及びハンドルの一方は、着座構造体の所望の最終形態に応じて選択されると共に取り付けられる。

図２５を参照すると、背もたれ部材の他の実施形態が示されている。一実施形態では、背もたれ部材１６０は、硬質プラスチック材料、例えばポリプロピレン（これには限定されない）で作られるに過ぎないが、他の実施形態に示されている形状とほぼ同じ形状を備え、即ち、上縁部１９６よりも長い湾曲下縁部１９４を有し、湾曲下縁部の中間部分がその端部の下に位置決めされ、更に、前方且つ下方へ延びる側縁部１９８、垂直中心線で前方へ向いた凹形状及び腰部領域内で側方に延びる前方へ向いた凸形状を有する。背もたれ部材１６０を貫通して、空気循環をもたらすと共に美観を向上させる開口部１６２が形成されている。側縁部と下縁部の接合部のところに設けられた取り付け部分１６４が唯一の取り付け部分であり、その結果、湾曲支持体及び上方支持体を省くことができる。当然のことながら、このような構造は、他の実施形態においても利用できる。取り付け部分は、フレームポスト５８に係合する。肘掛け６１又はプラグ６４をポスト５８中に挿入するのが良く、それにより組み立てが完了する。座部５９は、フレーム５６によって支持されるのが良い。

図２５〜図２７に示されている別の実施形態では、背もたれ部材は、前側インサート１７２及び後方側インサート１７４に結合されたシェル１７０を有している。フォーム層１７６が前部を覆っており、この場合、ファブリック１７８，１８０は、フォーム及び後方側インサートを覆っている。シェルの周縁部１８２は、露出状態のままである。インサートは各々、シェル１７０に形成された開口部１８８を貫通して延びる複数個の弾性タブ部材１８４，１８６を有している。弾性タブ部材１８４，１８６は、組み立てを完了するためにスナップ嵌め部と係合し、シェル１７０は、インサート相互間にサンドイッチされる。前側ファブリック層１７８は、フォーム層１７６を覆い、この前側ファブリック層は、シェル１７０と前側インサート１７２との間に形成された空間中に延びる縁部１９０を有している。同様に、後方側ファブリック層１８０は、後方側インサート１７４とシェル１７０との間に形成された空間中に延びる縁部１９２を有している。ファブリック層は、インサートにステープル止めにより、接着により又はこれら両方により取り付けられるのが良い。この場合も又、背もたれ組立体は、他の実施形態で示した形状とほぼ同じ形状を有するが、側縁部と底縁部の接合部のところに設けられた取り付け部分２００が唯一の取り付け部分であり、その結果、湾曲支持体及び上方支持体を省くことができる。取り付け部分１６３は、ポスト５８又は他の同様な支持構造部材に係合する。

図２５及び図２９に示されている更に別の実施形態では、中央開口部２０４を形成すると共に前方へ向いた周囲周りに形成されたチャネル２０６を有する周辺フレーム２０２が提供されている。可撓性部材２０８、例えば上記において開示したエラストマー材料、メンブレン又はファブリックが周辺縁部２１０を備えている。リテーナ２１２が縁部２１３を有し、縁部２１３は、可撓性部材の縁部２１０に係合して可撓性部材をフレームチャネル２０６内に且つこれに当てて保持する。締結具２１４、例えばねじ、タブ、スナップ嵌め手段等がリテーナ２１２をフレーム２０２に結合し、可撓性部材２０８は、これらの間に設けられると共に捕捉される。この場合も又、背もたれ組立体は、他の実施形態に示されている形状とほぼ同じ形状を有するが、側縁部と底縁部の接合部のところに設けられた取り付け部分が唯一の取り付け部分であり、その結果、湾曲支持体及び上方支持体を省くことができる。取り付け部分は、ポスト又は他の同様な支持構造部材に係合する。

本発明を好ましい実施形態に関して説明したが、当業者であれば認識されるように、本発明の思想及び範囲から逸脱することなく形態及び細部の変更を行うことができる。したがって、上述の詳細な説明は、本発明を限定するものではなく例示として考えられるべきであり、本発明の範囲を定めるのは特許請求の範囲の記載であり、このような記載は、その全ての均等範囲を含むものである。

Claims (18)

1. 着座構造体であって、
   エラストマー材料からなる可撓性部材を備えた背もたれ部を有し、前記可撓性部材は上縁部、互いに反対側の側縁部及び下縁部を備え、前記可撓性部材は、前記上縁部と前記下縁部との間に前記可撓性部材の垂直中心線に沿って形成されている前記上縁部及び下縁部に比べて前方へ向いた凸形状を有し、前記可撓性部材は、前記可撓性部材の腰部領域で水平面に沿って前方へ向いた凹形状を有し、前記下縁部は、前記上縁部よりも長く、前記下縁部は、前記上縁部全体の前方に位置決めされた外側部分を有し、前記可撓性部材は、側部から側部まで前記上縁部に沿って張力がかけられており、前記可撓性部材は、側部から側部まで前記腰部領域に沿って張力がかけられており、前記可撓性部材は、前記上縁部の端部分から下縁部の反対側の端部分まで斜めに張力がかけられており、
   前記可撓性部材の下縁部の外側部分に隣接して配置され横方向に間隔をおいた１対の側方直立部を備え、
   前記外側部分が前記側方直立部に連結されており、
   前記側方直立部に受け入れられた１対の肘掛けを更に有し、
   前記可撓性部材が、貫通する複数の開口を備えている、
   ことを特徴とする着座構造体。
2. 前記可撓性部材は、変化する断面領域を有する複数本の側方に延びるバンドを有する、
   請求項１に記載の着座構造体。
3. 前記可撓性部材は、成形３次元形状の成形コンポーネントを有する、
   請求項１に記載の着座構造体。
4. 前記上縁部に隣接して前記可撓性部材に連結された支持体を更に有する、
   請求項１に記載の着座構造体。
5. 前記支持体が、中央直立部と該中央直立部から外方に延びる一対のアームと備え、
   該アームが、前記上縁部に隣接して前記可撓性部材に連結されている、
   請求項４に記載の着座構造体。
6. 前記１対の肘掛けが、上下方向に調整可能である、
   請求項５に記載の着座構造体。
7. 前記１対の側方直立部および前記中央直立部が、しっかりと連結されている、
   請求項５に記載の着座構造体。
8. 前記支持体が、前記側方直立部を連結する横部材を備え、
   前記中央直立部が、前記横部材に連結されている、
   請求項７に記載の着座構造体。
9. 前記側方直立部および中央直立部が、ベース構造体に枢動可能に連結されている、
   請求項７に記載の着座構造体。
10. 前記外側部分の各々が、締結具で、対応する一方の前記側方直立部に連結されている、 請求項１に記載の着座構造体。
11. 前記開口の少なくとも幾つかが細長い形状である、
    請求項１に記載の着座構造体。
12. 前記開口の少なくとも幾つかが上下方向に細長い形状である、
    請求項１１に記載の着座構造体。
13. 前記下縁部が、前記上縁部の後側に位置決めされている、
    請求項１に記載の着座構造体。
14. 前記背もたれ部の前面に係合した補助支持部材を更に有する、
    請求項１に記載の着座構造体。
15. 前記補助支持部材及び前記背もたれ部の前記前面を覆うフォーム基材と、前記フォーム基材を覆って設けられたファブリックとを更に有する、
    請求項１４記載の着座構造体。
16. 前記上縁部及び前記下縁部に隣接し前記可撓性部材に連結された支持体を更に有する、
    請求項１４記載の着座構造体。
17. 前記可撓性部材は、何ら拘束がない場合に扁平な部材を備え、
    前記可撓性部材は、前記支持体への連結により３次元形状を取る、
    請求項４に記載の着座構造体。
18. 前記支持体は、上方支持構造体と下方支持構造体とを備え、
    前記下方支持構造体が、前記可撓性部材の下縁部に連結されこれを支持する湾曲支持部材を備えている、
    請求項４に記載の着座構造体。

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