以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
<1.現金入出金装置の概要>
まず、図1を参照して、本発明の実施形態に係る現金入出金装置1の概要について説明する。図1は、本発明の実施形態に係る現金入出金装置1の概要を説明する説明図である。
図1に示すように、本発明の実施形態に係る現金入出金装置1は、管理サーバ5と専用網3を介して接続されている。また、管理サーバ5は、複数の現金入出金装置1と専用網3を介して接続されていてもよい。
現金入出金装置1は、流通施設および商業施設等に設置され、売上金の入金、およびレジ等の釣銭準備金の出金などを行う。また、現金入出金装置1は、専用網3を介して管理サーバ5と接続されており、取引が成立するたびに取引の結果を取引情報として管理サーバ5に送信する。
具体的には、現金入出金装置1は、レジからの紙幣と硬貨を入金する売上金入金取引、レジ等の釣銭準備金として紙幣および硬貨を出金する釣銭出金取引、投入された紙幣および硬貨の枚数計測を行う計数取引、現金を現金入出金装置1内に補充する補充取引、現金精査等のために現金入出金装置1から現金を出金する抜き取り取引、それまでの出金および入金取引を集計し売上額を算出する精算集計取引、および現金入出金装置1から売上が収められたカセットを回収する回収取引などを行う。
また、現金入出金装置1は、取引が成立した場合、管理サーバ5との接続確認の後、取引の結果を電文にて管理サーバ5に送信する。ここで、管理サーバ5との接続を確認した際に接続エラーが発生した場合、または管理サーバ5が受信した取引情報を処理する際に処理エラーが発生した場合、現金入出金装置1は管理サーバ5に対してオンライン状態からオフライン状態への切り替えを行う。
なお、オンライン状態とは、現金入出金装置1が取引成立ごとに取引情報を管理サーバ5へ送信する状態のことを表し、オフライン状態とは、現金入出金装置1が取引情報を管理サーバ5へ送信せず、現金入出金装置1内に記憶する状態のことを表す。
従来例に係る現金入出金装置においては、現金入出金装置と管理サーバ5との間で接続エラー等が発生した場合、該現金入出金装置はエラー画面を表示し、管理サーバ5に送信できなかった取引情報を装置内に記憶していた。また、該接続エラーが解消される前に再度、取引が行われた場合、該現金入出金装置は、改めて管理サーバ5との接続確認を行い、接続エラーが発生した旨をエラー画面にて表示していた。したがって、発生した接続エラーが一時的なエラーではなく、原因が解消されるまで継続するエラーである場合、従来例に係る現金入出金装置は、取引のたびに管理サーバ5との接続確認を毎回行うため、接続確認の時間(例えば、数十秒〜数分)が無駄になっていた。
本発明の実施形態に係る現金入出金装置1では、管理サーバ5との接続エラーが発生した場合、または管理サーバ5にて処理エラーが発生した場合に、現金入出金装置1と管理サーバ5とをオンライン状態からオフライン状態へ切り替える。かかる構成により、現金入出金装置1は、接続エラーまたは処理エラーが発生した場合、その後の取引では、管理サーバ5との接続確認を省略し、取引情報を現金入出金装置1内に記憶することができる。したがって、本発明の実施形態に係る現金入出金装置1によれば、接続エラーまたは処理エラー発生後の取引において、管理サーバ5との接続確認を省略し、取引時間を短縮することにより、取引を円滑に行うことができる。
ここで、上記において説明した管理サーバ5との接続を確認した際に接続エラーが発生した場合とは、例えば、専用網3において物理的な断線が発生している場合、端子の接続不良が発生している場合、管理サーバ5が稼働していない場合などが挙げられる。また、管理サーバ5が受信した取引情報を処理する際に処理エラーが発生した場合とは、例えば、管理サーバ5のハードウェアでエラーが発生している場合、管理サーバ5が受信した取引情報がノイズ等で破損していた場合などが挙げられる。
このような接続エラーおよび処理エラーは、一時的なエラーではなく、原因が解消されるまで続く継続的なエラーである。したがって、かかるエラーについては、原因が解消されるまで現金入出金装置1をオフライン状態に切り替え、取引のたびに発生する管理サーバ5との接続確認を省略することが望ましい。かかる構成により、本発明の実施形態に係る現金入出金装置1は、より円滑に取引を行うことができる。
専用網3は、現金入出金装置1が設置された流通施設および商業施設が有する専用ネットワークであり、例えば、IP−VPN(Internet Protocol−Virtual Private Network)により構成される。管理サーバ5は、該専用網3を介して複数の現金入出金装置1と通信を行い、取引情報を取得することができる。
管理サーバ5は、現金入出金装置1から取引情報を取得し、現金入出金装置1における取引内容を管理する。例えば、管理サーバ5は、現金入出金装置1内部の現金の量、および取引の状況などを管理する。また、管理サーバ5は、所定のタイミング(例えば、1〜3日ごと)に現金入出金装置1のそれぞれの取引を精算集計し、総売上額を算出してもよい。
<2.現金入出金装置の構成>
[2.1.現金入出金装置の具体的構成]
次に、図2を参照して、本発明の実施形態に係る現金入出金装置1の具体的構成について説明を行う。図2は、本発明の実施形態に係る現金入出金装置1の具体的構成を示した概略図である。
図2に示すように、現金入出金装置1は、紙幣投入口101と、紙幣一時保留部103と、紙幣鑑別部105と、万券カセット107と、五千券カセット109と、千券カセット111と、回収カセット113と、リジェクト部115と、硬貨投入口117と、硬貨鑑別部119と、硬貨一時保留部121と、硬貨返却箱123と、出金ホッパ125と、硬貨回収庫127と、硬貨出金箱129と、カードリーダ部131と、操作表示部133と、装置制御部150と、を備える。
紙幣投入口101は、現金入出金装置1に入金される紙幣が投入される投入口である。また、紙幣投入口101は、紙幣の出金口でもあり、紙幣投入口101から売上入金の取り消しにより返却される紙幣、出金される紙幣、および紙幣鑑別部105により正常ではないとしてリジェクトされた紙幣が出金される。
紙幣一時保留部103には、入金計数時および売上金作成時に、一時的に紙幣が集積される。また、紙幣鑑別部105は、投入された紙幣が正常な紙幣であるか否かを各種センサによって鑑別する。
万券カセット107、五千券カセット109、および千券カセット111は、それぞれ万券、五千券、および千券の紙幣を収納するリサイクルカセットである。具体的には、万券カセット107、五千券カセット109、および千券カセット111(各金種カセット107、109、111)には、各種紙幣が釣銭準備金として収納される。また、各金種カセット107、109、111には、売上として入金され、紙幣鑑別部105で正常と鑑別された各種紙幣が収納される。さらに、釣銭出金時には、各金種カセット107、109、111から各種紙幣が出金される。
回収カセット113は、売上回収のためのカセットである。具体的には、回収カセット113には、入金時または精算集計時に、各金種カセット107、109、111から紙幣が移動されて、売上金として収納される。
リジェクト部115には、紙幣鑑別部105によって正常な紙幣ではないとしてリジェクトされた紙幣等が集積される。具体的には、リジェクト部115には、入金時に紙幣一時保留部103から各金種カセット107、109、111に収納する際、各金種カセット107、109、111から釣銭出金する際、売上金作成により各金種カセット107、109、111から回収カセット113へ紙幣が移動する際に、紙幣鑑別部105によって正常な紙幣ではないとしてリジェクトされた紙幣等が集積される。
硬貨投入口117は、現金入出金装置1に入金される硬貨が投入される投入口である。また、硬貨鑑別部119は、投入された硬貨が正常な硬貨であるか否かを各種センサによって鑑別する。さらに、硬貨一時保留部121には、入金計数時および売上金作成時に、一時的に硬貨が集積される。
硬貨返却箱123は、硬貨の返却口であり、計数が行われた硬貨、売上入金の取り消しがなされた硬貨が返却される。また、出金ホッパ125には、売上入金によって投入された各種硬貨が収納されており、釣銭出金時には出金ホッパ125から各種硬貨が出金される。
硬貨回収庫127は、売上回収のためのカセットである。具体的には、硬貨回収庫127には、精算集計時に出金ホッパ125から硬貨が移動されて、売上金として収納される。また、硬貨出金箱129には、釣銭出金時に出金ホッパ125に収納された硬貨が出金される。
カードリーダ部131は、レジカードやIDカード等からカード情報を読み取る。具体的には、カードリーダ部131は、取引開始時にレジカードやIDカード等からカード情報を読み取り、事前に登録済みのカード情報と一致するか判断する。カード情報が一致する場合には、カードリーダ部131は、現金入出金装置1の操作を許可し、カード情報が一致しない場合には、カードリーダ部131は、現金入出金装置1の操作を許可しない。
操作表示部133は、操作の状態表示、および取引における操作者の操作が表示される。操作表示部133は、例えば、液晶ディスプレイ(LCD)、OLED(Organic Light Emitting Diode)ディスプレイおよびCRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイなどを備えていてもよく、好ましくはタッチパネル装置等であってもよい。
装置制御部150は、現金入出金装置1全体の動作を制御する。具体的には、装置制御部150は、上述した装置各部の動作を制御することにより、現金入出金装置1全体の動作を制御する。また、装置制御部150は、現金入出金装置1をオンライン状態からオフライン状態へ切り替える。具体的には、装置制御部150は、管理サーバ5との接続エラーが発生した場合、または管理サーバ5にて処理エラーが発生した場合に、現金入出金装置1をオンライン状態からオフライン状態へ切り替える。装置制御部150が行うオンライン状態からオフライン状態への切り替え制御の詳細については、後述する。
なお、装置制御部150は、演算処理装置であるCPU(Central Processing Unit)、CPUが使用するプログラムや演算パラメータ等を記憶するROM(Read Only Memory)、CPUの実行において使用するプログラムや、その実行において適宜変化するパラメータ等を一時記憶するRAM(Random Access Memory)、データ等を記憶するHDD(Hard Disk Drive)装置などのデータ格納用記憶装置等で構成される。
[2.2.現金入出金装置の取引に係る動作]
上記にて具体的構成を説明した現金入出金装置1では、例えば、釣銭出金取引、売上入金取引、計数取引、補充取引、抜き取り取引、精算集計取引、および回収取引などが行われる。具体的には、現金入出金装置1では、事前に登録済みのレジカードまたはIDカードをカードリーダ部131で認証することにより操作表示部133にメニュー画面を表示する。操作者は、メニュー画面から各種取引を選択することにより、現金入出金装置1において、それぞれの取引を実行することができる。
例えば、釣銭出金取引において、現金入出金装置1は、メニュー画面から金種と枚数を指定されることにより、万券カセット107、五千券カセット109、千券カセット111、および出金ホッパ125から紙幣および硬貨を、紙幣投入口101および硬貨出金箱129に出金する。
売上入金取引において、現金入出金装置1は、紙幣および硬貨が紙幣投入口101および硬貨投入口117から投入されることにより計数を開始する。また、現金入出金装置1は、紙幣鑑別部105および硬貨鑑別部119にて正常と判断された紙幣および硬貨を紙幣一時保留部103および硬貨一時保留部121に集積する。さらに、現金入出金装置1は、紙幣鑑別部105および硬貨鑑別部119により、計数および鑑別にてリジェクトされた紙幣および硬貨を、紙幣投入口101および硬貨返却箱123より操作者に返却する。一方、現金入出金装置1は、計数された合計金額を表示したのち、正常と判断された紙幣および硬貨を万券カセット107、五千券カセット109、千券カセット111、および出金ホッパ125に収納する。ここで、紙幣および硬貨を収納した時点で売上(入金合計から出金合計を引いた差分)が発生している場合、現金入出金装置1は、紙幣のみを売上の範囲内で回収カセット113に高額紙幣を優先して収納する。
計数取引において、現金入出金装置1は、紙幣および硬貨が紙幣投入口101および硬貨投入口117から投入されることにより計数を開始する。また、現金入出金装置1は、紙幣鑑別部105および硬貨鑑別部119にて正常と判断された紙幣および硬貨を紙幣一時保留部103および硬貨一時保留部121に集積する。次に、現金入出金装置1は、紙幣鑑別部105および硬貨鑑別部119により、計数および鑑別にてリジェクトされた紙幣および硬貨を、紙幣投入口101および硬貨返却箱123より操作者に返却する。さらに、現金入出金装置1は、計数された合計金額を表示したのち、正常と判断された紙幣および硬貨を紙幣投入口101および硬貨返却箱123より操作者に返却する。
補充取引において、現金入出金装置1は、紙幣投入口101および硬貨投入口117に投入された紙幣および硬貨を万券カセット107、五千券カセット109、千券カセット111、および出金ホッパ125に収納する。
抜き取り取引において、現金入出金装置1は、現金精査のため現金入出金装置1内のすべての紙幣および硬貨を紙幣投入口101および硬貨出金箱129から出金する。また、現金入出金装置1は、入金過多で溢れそうになった万券カセット107、五千券カセット109、千券カセット111、および出金ホッパ125から個別に紙幣および硬貨を出金する。
精算集計取引において、現金入出金装置1は、前回の精算集計取引後から出金および入金が行われた取引を集計し、売上額(入金合計から出金合計を引いた差分)を算出する。また、現金入出金装置1は、算出した売上額とすでに回収カセット113に収納した金額との差分を売上移動金額として、紙幣および硬貨を万券カセット107、五千券カセット109、千券カセット111、および出金ホッパ125から回収カセット113に収納し、売上金を作成する。
回収取引において、現金入出金装置1は、装置の扉を開錠し、回収カセット113を脱着可能とする。ここで、現金入出金装置1から売上金が収納された回収カセット113が回収され、空の回収カセット113が現金入出金装置1に装着される。
<3.現金入出金装置が有する装置制御部の内部構成>
以下では、図3を参照して、本発明の実施形態に係る現金入出金装置1に特徴的な装置制御部150の内部構成について説明を行う。図3は、現金入出金装置1が有する装置制御部150の内部構成を説明するブロック図である。
図3に示すように、本発明の実施形態に係る現金入出金装置1が有する装置制御部150は、通信部151と、エラー発生判断部153と、切替部155と、取引実行部157と、接続確認部159と、取引情報記憶部161と、設定記憶部163と、を備える。
通信部151は、専用網3に接続し、管理サーバ5との通信を行う。具体的には、通信部151は、取引のたびに取引情報を専用網3にて管理サーバ5へ送信する。また、通信部151は、取引情報を管理サーバ5へ送信する前に、管理サーバ5へ応答が返される信号を送信する。ここで、応答が返される信号とは、例えば、pingコマンドによって送信される信号であってもよい。なお、通信部151は、例えば、有線LANまたは無線LAN対応通信装置、有線による通信を行うワイヤー通信装置などで実現される。
エラー発生判断部153は、管理サーバ5に対するオンライン状態からオフライン状態へ切り替えるエラーが発生したか否かを判断する。具体的には、エラー発生判断部153は、通信部151が管理サーバ5との接続を確認した際に接続エラーが発生したか否か、または管理サーバ5が受信した取引情報を処理する際に処理エラーが発生したか否かを判断する。
例えば、エラー発生判断部153は、通信部151が管理サーバ5に対して接続を確認するために、pingコマンドによる信号を送信した際に、管理サーバ5からの応答が返ってこない場合に、接続エラーが発生したと判断する。また、エラー発生判断部153は、通信部151を構成する基板のポートの電気的信号を読み取ることで通信部151と専用網3とが接続されていないと判断した場合に、接続エラーが発生したと判断する。さらに、エラー発生判断部153は、管理サーバ5から受信した取引情報を処理する際に処理エラーが発生したことを通知する電文を受信した場合に、処理エラーが発生したと判断する。かかる構成により、現金入出金装置1は、一時的なエラーではなく、原因が解消されるまで続く継続的なエラーに対して、エラーが発生したか否かを判断することができる。
切替部155は、現金入出金装置1を管理サーバ5に対してオンライン状態またはオフライン状態に切り替える。具体的には、切替部155は、エラー発生判断部153によって管理サーバ5に対する接続エラー、または管理サーバ5における処理エラーが発生したと判断された場合に、現金入出金装置1を管理サーバ5に対してオンライン状態からオフライン状態に切り替える。また、現金入出金装置1がオフライン状態であり、かつ接続確認部159によって管理サーバ5との接続が確認された場合に、切替部155は、現金入出金装置1を管理サーバ5に対してオフライン状態からオンライン状態に切り替える。
係る構成によれば、現金入出金装置1は、管理サーバ5との接続エラーが発生した場合、または管理サーバ5にて処理エラーが発生した場合に、オンライン状態からオフライン状態へ切り替わることが可能である。したがって、現金入出金装置1は、エラー発生後の取引において管理サーバ5との接続確認を省略し、より円滑に取引を行うことが可能である。
なお、切替部155は、現金入出金装置1をオンライン状態またはオフライン状態に切り替える際に、切り替え後の現金入出金装置1がオンライン状態またはオフライン状態のどちらの状態であるのか示す状態情報を操作表示部133に表示してもよい。さらに、切替部155は、オンライン状態またはオフライン状態の状態情報を操作表示部133以外の他の表示部に表示してもよい。かかる構成によれば、現金入出金装置1は、操作者に対して現在の管理サーバ5に対する接続の状態情報を明示することができるため、操作者の利便性を高めることができる。
また、切替部155は、現金入出金装置1をオンライン状態またはオフライン状態に切り替える際に、自動的に切り替えを行ってもよいし、切り替えるか否かを操作者に選択させてもよい。切替部155がいずれの制御を行うかは、例えば、設定記憶部163に設定情報として記憶される。ここで、切り替えるか否かを操作者に選択させる場合、切替部155は、操作表示部133に切り替えを行うか否かを選択させる選択画面を表示させる。該選択画面において、操作者がオンライン状態またはオフライン状態への切り替えを選択した場合に、切替部155は、現金入出金装置1をオンライン状態またはオフライン状態に切り替える。かかる構成によれば、現金入出金装置1は、操作者の判断を仰ぐことにより、オンライン状態またはオフライン状態の切り替えを柔軟に制御することが可能である。
取引実行部157は、現金入出金装置1各部の動作を制御することにより、各種取引を実行する。ここで、取引実行部157は、切替部155により現金入出金装置1がオフライン状態に切り替えられた場合、取引情報を管理サーバ5へ送信せず、取引情報記憶部161に記憶させるように各部の制御を行う。また、取引実行部157は、切替部155により現金入出金装置1がオンライン状態に切り替えられた場合、取引ごとに取引情報を管理サーバ5へ送信するように各部の制御を行う。
接続確認部159は、現金入出金装置1と管理サーバ5との接続を確認する。具体的には、接続確認部159は、現金入出金装置1がオフライン状態である場合、通信部151を介して現金入出金装置1と管理サーバ5との接続が回復したか否かを確認する。例えば、接続確認部159は、通信部151より管理サーバ5へpingコマンドによる信号を送信し、管理サーバ5からの応答が返ってきた場合に、管理サーバ5との接続が確認されたと判断してもよい。かかる構成によれば、現金入出金装置1は、接続確認部159によって、管理サーバ5との接続が確認された場合、オフライン状態からオンライン状態へと切り替わる。したがって、現金入出金装置1は、操作者が手動でオンライン状態に復帰させずとも、自動的にオンライン状態に復帰することが可能である。
なお、接続確認部159が管理サーバ5との接続を確認するタイミングは、現金入出金装置1の電源投入時が好ましい。通常、現金入出金装置1は、必ず1日に一回は電源のオンオフが実行される。したがって電源投入時に管理サーバ5との接続を確認することが、現金入出金装置1への負荷が少なく、また接続確認を定期的に実行できるという点で好ましい。しかしながら、接続確認部159は、電源投入時に限らず、所定のタイミングで管理サーバ5との接続を確認してもよいことは言うまでもない。例えば、接続確認部159は、1〜3時間ごとに管理サーバ5との接続を確認してもよい。
取引情報記憶部161は、管理サーバ5との接続エラー発生後に送信されなかった取引情報、または管理サーバ5に送信された取引情報のうち管理サーバ5にて処理エラーとなった取引情報を記憶する。具体的には、取引情報記憶部161は、現金入出金装置1がオフライン状態である間に行われた取引の取引情報を記憶する。また、取引情報記憶部161は、管理サーバ5との接続エラー発生後の送信されなかった取引情報、または管理サーバ5で処理エラーとなった取引情報を記憶する。かかる構成によれば、現金入出金装置1は、オフライン状態の際に実行された取引についても、取引情報を収集することが可能である。
なお、取引情報記憶部161に記憶された取引情報は、接続確認部159によって管理サーバ5との接続が確認された際に、通信部151によって一斉に管理サーバ5へ送信される。また、上記例示以外にも、取引情報記憶部161に記憶された取引情報は、オフライン状態への切り替え後に、手動、自動を問わず初めて管理サーバ5との接続が確認された際に、通信部151によって一斉に管理サーバ5へ送信されてもよい。かかる構成によれば、現金入出金装置1は、オンライン状態またはオフライン状態への切り替えに関わらず、実行された取引の結果を取引情報として、管理サーバ5に集積することが可能である。
設定記憶部163は、現金入出金装置1の各種設定が記憶される。例えば、設定記憶部163には、切替部155が現金入出金装置1をオンライン状態またはオフライン状態に切り替える際に、自動的に切り替えを行うか否かを設定した設定情報が記憶される。また、設定記憶部163に記憶された設定情報は、例えば、操作表示部133などを用いて、操作者が変更可能であってもよい。かかる構成によれば、現金入出金装置1は、操作者の判断に応じて、随時、オンライン状態またはオフライン状態への切り替えを自動で行うか否かを変更可能である。
以上説明した構成により、本発明の実施形態に係る現金入出金装置1は、管理サーバ5との接続エラーが発生した場合、または管理サーバ5にて処理エラーが発生した場合に、オンライン状態からオフライン状態へ切り替えることが可能である。したがって、本発明の実施形態に係る現金入出金装置1は、エラー発生後の取引における管理サーバ5との接続確認を省略することができるため、より円滑に取引を行うことができる。
<4.現金入出金装置の制御動作>
引き続き、図4〜図13を参照して、本発明の実施形態に係る現金入出金装置1の制御動作についてそれぞれ説明を行う。
[4.1.第1の制御例]
まず、図4〜図10を参照して、本発明の実施形態に係る現金入出金装置1の第1の制御例について説明を行う。図4は、本発明の実施形態に係る現金入出金装置1の第1の制御例を説明するフローチャート図である。また、図5A〜図10は、本発明の実施形態に係る現金入出金装置1が表示する表示画面の一例である。
図4に示すように、まず、現金入出金装置1において取引が行われる(S101)。
具体的には、現金入出金装置1は、レジカードやIDカードによる認証が終了すると、図5Aに示すメニュー画面210Aを表示する。図5Aに示すように、メニュー画面210Aには、各種取引が表示され、操作者は行いたい取引を選択することにより該取引を実行することができる。例えば、メニュー画面210Aには、取引として、「01:釣銭出金」、「02:売上入金」、「03:両替」、「04:計数」、「05:照会」、「06:数え直し」、「07:精算集計」、「08:売上回収」、「09:釣銭補充」、「10:釣銭抜取」、「11:暗証変更」、「12:再印字」が表示されている。なお、「次候補」ボタン213Aを押下した場合、さらに他の取引がメニュー画面210Aに表示される。
また、メニュー画面210Aには、現金入出金装置1がオンライン状態またはオフライン状態のどちらであるのかを示す状態情報表示211Aが表示される。例えば、図5Aにおいて、状態情報表示211Aには「オンライン状態」と表示されている。さらに、以下で説明するように、現金入出金装置1においてオンライン状態からオフライン状態への切り替えが行われた後では、図5Bに示すメニュー画面210Bのように、状態情報表示211Bには、「オフライン状態」と表示されるようになる。
ここで、「01:釣銭出金」を選択した場合、現金入出金装置1は図8に示す金種枚数入力画面220を表示する。図6に示すように、金種枚数入力画面220では、「装置内有高の範囲内で枚数を入力し[確認]を押してください」という指示が表示され、装置内に収納された各金種の枚数が装置内有高として表示される。操作者は、装置内有高を超えない範囲で数量選択ボタン221、223を用いて、出金する金種および枚数を選択し、「確認」ボタン225を押下することにより、釣銭出金を行うことができる。
操作者によって「確認」ボタン225が押下された場合、現金入出金装置1は、図7に示す出金画面230を表示する。さらに、現金入出金装置1は、現金を出金口である紙幣投入口101および硬貨出金箱129に出金し、図8に示す受取誘導画面240を表示する。現金入出金装置1は、操作者が出金された現金を受け取った場合、取引が成立したと判断する。
図4に戻って説明をすると、取引成立後、現金入出金装置1は、管理サーバ5に対してオンライン状態か否かを確認する(S103)。現金入出金装置1がオンライン状態ではない(オフライン状態である)場合(S103/No)、現金入出金装置1は、管理サーバ5に対して取引情報を送信せず、該取引情報を取引情報記憶部に記憶させ(S117)、レシートを印字し、待機状態に遷移する(S119)。
一方、現金入出金装置1がオンライン状態である場合(S103/Yes)、現金入出金装置1は、管理サーバとの接続を確認するために、管理サーバ5に対して応答が返される信号を送信する(S105)。ここで、現金入出金装置1は、図9に示す取引電文送信中画面250を表示する。なお、応答が返される信号とは、例えば、pingコマンドによって送信される信号である。
続いて、現金入出金装置1は、送信した応答が返される信号に対して管理サーバ5から応答が返ってきたか否かを判断する(S107)。管理サーバ5から応答が返ってこなかった場合(S107/No)、現金入出金装置1は、管理サーバ5との接続エラーが発生したと判断する(S109)。また、図示していないが、現金入出金装置1は、通信部151を構成する基板のポートの電気的信号を読み取った際に通信部151と専用網3とが接続されていないと判断した場合についても、同様に接続エラーが発生したと判断する。
ここで、S109において、現金入出金装置1は、例えば、図10に示す送信エラー画面260を表示し、操作者に接続エラーが発生したことを伝達する。また、現金入出金装置1は、送信エラー画面260に、操作者に「確認」ボタン261を押下するよう表示する。なお、S107において、応答が返される信号に対して管理サーバ5から信号の応答が返ってきたか否かを判断するには、例えば、数十秒〜数分の時間が必要である。
一方、管理サーバ5より信号の応答が返ってきた場合(S107/Yes)、現金入出金装置1は、成立した取引の取引情報を管理サーバ5に送信する(S111)。さらに、現金入出金装置1は、管理サーバ5が受信した取引情報を処理する際に処理エラーが発生したか否かを判断する(S113)。管理サーバ5において処理エラーが発生しなかった場合(S113/No)、現金入出金装置1は、正常に取引情報を管理サーバ5に送信したとして、レシートを印字し待機状態に遷移する(S119)。
ここで、取引情報を送信した管理サーバ5において処理エラーが発生した場合(S113/Yes)、または接続確認の際に管理サーバ5との接続エラーが発生した場合(S109)、現金入出金装置1は、管理サーバ5に対してオンライン状態からオフライン状態へと切り替わる(S115)。また、現金入出金装置1は、接続エラーが発生した後、管理サーバ5に送信されなかった取引情報、または管理サーバで正常に処理されなかった取引情報を、現金入出金装置1内の取引情報記憶部に記憶させる(S117)。その後、現金入出金装置1は、レシートを印字し待機状態に遷移する(S119)。
以上説明したように、第1の制御例によれば、現金入出金装置1は、管理サーバ5との接続エラーが発生した場合、または管理サーバ5にて処理エラーが発生した場合に、管理サーバ5に対してオンライン状態からオフライン状態へ切り替わることが可能である。したがって、現金入出金装置1は、エラー発生後の取引において、管理サーバ5との接続確認および取引情報の送信を省略することができるため、取引の時間を短縮し、より円滑に取引を行うことができる。
[4.2.第2の制御例]
次に、図11および図12を参照して、本発明の実施形態に係る現金入出金装置1の第2の制御例について説明を行う。本発明の実施形態に係る現金入出金装置1の第2の制御例は、オンライン状態またはオフライン状態への切り替えを自動的に行うか否かが設定情報として記憶されており、切り替えを自動的に行わない場合、操作者の選択によって切り替えが行われる制御例である。
図11は、本発明の実施形態に係る現金入出金装置1の第2の制御例を説明するフローチャート図である。また、図12は、本発明の実施形態に係る現金入出金装置1が表示する切り替え選択画面の一例である。
図11に示すように、まず、現金入出金装置1は、管理サーバ5に対する接続を確認した際の接続エラーの発生、または管理サーバ5が取引情報を処理する際の処理エラーの発生を判断する(S131)。かかるS131の動作は、図4におけるS101〜SS113の動作(S113/Noの場合を除く)と同様であるので、ここでの詳細な説明は省略する。
次に、現金入出金装置1は、設定記憶部163において、自動的に切り替えを行う設定がされているか否かを判断する(S133)。自動的に切り替えを行う設定がされている場合(S133/Yes)、現金入出金装置1は、第1の制御例と同様に自動的に、管理サーバ5に対してオンライン状態からオフライン状態へと切り替わる(S139)。
一方、自動的に切り替えを行う設定がされていない場合(S133/No)、現金入出金装置1は、図12に示すオンライン状態からオフライン状態へ切り替えるか否かを操作者に選択させる選択画面270を表示する(S135)。
図12に示すように、選択画面270では、エラーが発生した旨に加えてオフライン状態に切り替えるかどうかを選択する項目が表示される。例えば、選択画面270には、管理サーバ5に対してオンライン状態からオフライン状態への切り替えが行う「確認」ボタン271と、オフライン状態への切り替えを行わない「取消」ボタン273が表示される。
次に、現金入出金装置1は、選択画面270にて、オフライン状態への切り替えが選択されたか否かを判断する(S137)。選択画面270にて「確認」ボタン271が押下され、オフライン状態への切り替えが選択された場合(S137/Yes)、現金入出金装置1は、管理サーバ5に対してオンライン状態からオフライン状態へと切り替わる(S139)。また、選択画面270にて「取消」ボタン273が押下され、オフライン状態への切り替えが選択されなかった場合(S137/No)、現金入出金装置1は、オフライン状態への切り替えを行わず、オンライン状態のままとなる。
上記のオンライン状態からオフライン状態への切り替えを行うか否かの選択(S137/No)、またはオンライン状態からオフライン状態へ切り替え(S139)が行われた後、現金入出金装置1は、取引情報の記憶を行う(S141)。具体的には、現金入出金装置1は、接続エラーが発生した後管理サーバ5へ送信されなかった取引情報、または管理サーバで正常に処理されなかった取引情報を、現金入出金装置1内の取引情報記憶部に記憶させる。その後、現金入出金装置1は、レシートを印字し待機状態に遷移する(S143)。
以上説明したように、第2の制御例によれば、現金入出金装置1は、オンライン状態またはオフライン状態への切り替えを自動的に行うか、操作者の選択により行うかを設定により変更することが可能である。したがって、第2の制御例では、より柔軟に現金入出金装置1のオンライン状態からオフライン状態への切り替えを制御することが可能である。
[4.3.第3の制御例]
続いて、図13を参照して、本発明の実施形態に係る現金入出金装置1の第3の制御例について説明を行う。本発明の実施形態に係る現金入出金装置1の第3の制御例は、電源投入時に管理サーバ5との接続確認を行うことにより、自動的にオフライン状態からオンライン状態への切り替えを行うことできる制御例である。図13は、本発明の実施形態に係る現金入出金装置1の第3の制御例を説明するフローチャート図である。
図13に示すように、まず、オフライン状態の現金入出金装置1に対して電源が投入される(S201)。次に、電源投入直後に現金入出金装置1は、管理サーバ5に対して応答が返される信号を送信する(S203)。なお、応答が返される信号とは、例えば、pingコマンドによって送信される信号である。
続いて、現金入出金装置1は、管理サーバ5から信号に対する応答が返ってきたか否かを判断する(S205)。ここで、管理サーバ5からの応答が返ってこない場合(S205/No)、現金入出金装置1は、待機状態に遷移し(S213)、オフライン状態を維持する。また、管理サーバ5からの応答が返ってきた場合(S205/Yes)、現金入出金装置1は、管理サーバ5に対してオフライン状態からオンライン状態に切り替わる(S207)。
さらに、現金入出金装置1は、取引情報記憶部161に管理サーバ5に未送信、または管理サーバ5で未処理の取引情報が記憶されているか否かを判断する(S209)。取引情報記憶部161に未送信または未処理の取引情報が記憶されている場合(S209/Yes)、現金入出金装置1は、取引情報記憶部161に記憶されている取引情報を一斉に管理サーバ5に送信し(S211)、待機状態に遷移する(S213)。また、取引情報記憶部161に未送信または未処理の取引情報が記憶されていない場合(S209/No)、現金入出金装置1は、待機状態に遷移する(S213)。
ここで、第3の制御例でも第2の制御例と同様に、現金入出金装置1は、自動的に切り替えを行うか否かを設定情報として設定記憶部163に記憶させてもよい。かかる場合、第2の制御例と同様に、現金入出金装置1は、自動的に切り替えを行う設定がされていない場合、操作者にオフライン状態からオンライン状態へ切り替えるか否かを選択させる選択画面を表示してもよい。
なお、上記制御例では、現金入出金装置1は、管理サーバ5との接続確認を電源投入直後に行うとしたが、本発明は係る例示に限定されない。例えば、現金入出金装置1は、管理サーバ5との接続確認を1〜3時間ごとなどの所定のタイミングで行ってもよい。
以上説明したように、第3の制御例によれば、現金入出金装置1は、自動的にオフライン状態からオンライン状態に切り替わることが可能である。したがって、操作者は、現金入出金装置1がオフライン状態になった際に、オンライン状態へ戻すことを考慮する必要がなく、より簡便に現金入出金装置1を使用することができる。特に、現金入出金装置1の電源投入直後に管理サーバ5との接続確認を行う場合が、現金入出金装置1および専用網3への負荷が少なく好ましい。
<5.まとめ>
以上において、本発明の実施形態に係る現金入出金装置1について、詳細に説明を行った。
ここで、従来例に係る現金入出金装置では、現金入出金装置と管理サーバ5との間で接続エラー等が発生した場合、接続エラー発生から該接続エラーが解消されるまでの間、取引が行われるたびに、毎回接続確認を行い、接続エラーが発生した旨を表示していた。したがって、従来例に係る現金入出金装置は、取引のたびに管理サーバ5との接続確認を行うための時間(例えば、数十秒〜数分)が無駄になっていた。
一方、本発明の実施形態に係る現金入出金装置1は、接続エラーまたは処理エラーが発生した場合、管理サーバ5に対してオンライン状態からオフライン状態へ切り替えることが可能である。本発明の実施形態に係る現金入出金装置1においては、オンライン状態では取引成立ごとに取引情報が管理サーバ5へ送信されるが、オフライン状態では取引情報は管理サーバ5へ送信されず、現金入出金装置1内に記憶される。したがって、本発明の実施形態に係る現金入出金装置1によれば、接続エラーまたは処理エラーが発生した後の取引において、管理サーバ5との接続確認を省略することができるため、取引の時間を短縮し、より円滑に取引を行うことが可能である。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。