JP6150694B2 - ブラシレスモータの駆動装置 - Google Patents

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Description

本発明は、PWM制御により多相ブラシレスモータを駆動する駆動装置であって、非通電相に誘起されるパルス誘起電圧に応じてパルス電圧を印加する相を順次切り替える、ブラシレスモータの駆動装置に関する。
特許文献1には、デューティ比の指令値、モータ回転数の指令値、実デューティ比、実モータ回転数のうちの1つの増減に応じてパルス幅変調周波数を段階的に増減させるブラシレスモータの駆動装置が開示されている。
特許文献2には、6通りの通電モードのそれぞれにおける通電相の線間電圧波形として、同期電動機に対して正回転のトルクを発生させる極性の正パルス電圧と、同期電動機に対して逆回転のトルクを発生させる逆パルス電圧と、零電圧の3種類の電圧の繰り返し波形を同期電動機に供給する駆動システムが開示されている。
特開2012−165603号公報 国際公開第2012/029451号
ブラシレスモータの低回転領域でPWM周波数を減少させて1周期を長くすれば、非通電相に誘起されるパルス誘起電圧を検出できるパルス幅に設定して、モータの位置情報(通電パターンの切り替えタイミング)を取得することが可能となる。
しかし、PWM周波数を低くすると駆動騒音が大きくなり、また、駆動装置を構成するマイクロコンピュータとして安価(低機能)なマイクロコンピュータを用いる場合、PWM周波数を途中で変更することが難しくなる場合があった。
また、正パルス電圧と逆パルス電圧とを交互に印加する場合、PWMタイマ(三角波)の山タイミングと谷タイミングとの双方でデューティ比の設定を変更する必要が生じるが、安価(低機能)なマイクロコンピュータでは、このようなデューティ比の設定変更を実現することが難しい場合があった。
本発明は上記問題点に鑑みなされたものであり、低回転域で非通電相に誘起されるパルス誘起電圧を検出してモータの位置情報を取得できる駆動装置を、駆動騒音の増大を抑制しつつ安価に実現できるようにすることを目的とする。
そのため、本願発明では、多相ブラシレスモータを駆動する駆動装置であって、前記駆動装置は、PWM周期の1周期当たりのオン時間割合である指令デューティ比に応じた値とPWMキャリアの値とを比較してスイッチング制御するPWM制御と、パルス電圧を印加する相の選択パターンを非通電相に誘起されるパルス誘起電圧に応じて順次切り替える制御とを行うとともに、前記PWMキャリアの周期を前記PWM周期の半分に設定し、前記指令デューティ比が設定デューティ比(<50%)を下回るとき、前記PWM周期の1周期を構成する前記PWMキャリアの2周期のうちの一方周期において、前記設定デューティ比に相当する時間だけ前記選択パターンに対応する方向に電流を流し、他方周期において前記指令デューティ比と前記設定デューティ比との差に相当する時間だけ前記選択パターンに対応する方向とは逆方向に電流を流す。
上記発明によると、低回転域で非通電相に誘起されるパルス誘起電圧を検出してモータの位置情報を取得できる駆動装置を、駆動騒音の増大を抑制しつつ安価に実現できる。
本発明の実施形態における油圧ポンプシステムの構成を示すブロック図である。 本発明の実施形態におけるモータ制御装置及びブラシレスモータの構成を示す回路図である。 本発明の実施形態における制御ユニットの機能ブロック図である。 本発明の実施形態におけるPWM制御の概略を説明するためのタイムチャートである。 本発明の実施形態におけるPWM制御の概略を説明するためのタイムチャートである。 本発明の実施形態におけるPWM制御の流れを示すフローチャートである。 本発明の実施形態における通電パターンAにおけるPWM制御を示すタイムチャートである。 本発明の実施形態における通電パターンBにおけるPWM制御を示すタイムチャートである。 本発明の実施形態における通電パターンCにおけるPWM制御を示すタイムチャートである。 本発明の実施形態におけるデッドタイムの設定例を示すタイムチャートである。
以下に本発明の実施の形態を説明する。
図1は、本発明に係るブラシレスモータの駆動装置の一例として、自動車用の自動変速機の油圧ポンプシステムを構成するブラシレスモータの駆動に適用した例を示す。
図1に示す油圧ポンプシステムは、変速機構(TM)7やアクチュエータ8にオイルを供給するオイルポンプとして、図外のエンジン(内燃機関)の出力により駆動される機械式オイルポンプ6と、モータで駆動される電動オイルポンプ1とを備えている。
そして、電動オイルポンプ1は、例えば、エンジンがアイドルストップによって停止したときに作動され、変速機構7やアクチュエータ8に対するオイルの供給を行い、アイドルストップ中における油圧の低下を抑制する。
電動オイルポンプ1は、ブラシレスモータ(3相同期電動機)2により駆動され、ブラシレスモータ2は、駆動装置としてのモータ制御装置(MCU)3によって制御される。
モータ制御装置3は、AT制御装置(ATCU)4からの指令に基づいてブラシレスモータ2を駆動制御する。
ブラシレスモータ2で駆動される電動オイルポンプ1は、オイルパン10のオイルを、オイル配管5を介して変速機構7やアクチュエータ8に供給する。
エンジン運転中は、エンジンで駆動される機械式オイルポンプ6が作動し、機械式オイルポンプ6から変速機構7やアクチェータ8に対してオイルが供給され、このとき、ブラシレスモータ2はオフ状態(停止状態)であって、逆止弁11によって電動オイルポンプ1に向かうオイルの流れは遮断される。
一方、エンジンがアイドルストップによって一時的に停止すると、機械式オイルポンプ6が停止しオイル配管9内の油圧が低下するので、エンジンがアイドルストップによって停止するときに、AT制御装置4がモータ起動の指令をモータ制御装置3に送信する。
モータ起動指令を受けたモータ制御装置3は、ブラシレスモータ2を起動させて電動オイルポンプ1を回転させ、電動オイルポンプ1によるオイルの圧送を開始させる。
そして、機械式オイルポンプ6の吐出圧が低下する一方で電動オイルポンプ1の吐出圧が設定圧を越えると、逆止弁11が開弁し、オイルは、オイル配管5、電動オイルポンプ1、逆止弁11、変速機構7、アクチェータ8、オイルパン10の経路を通って循環するようになる。
なお、上記の自動車用自動変速機の油圧ポンプシステムは、ブラシレスモータを適用するシステムの一例であり、ブラシレスモータをアクチュエータとして用いる種々のシステムに本願発明に係る駆動装置を適用することができる。
例えば、ブラシレスモータは、ハイブリッド車両などにおいてエンジンの冷却水の循環に用いる電動ウォータポンプを駆動するブラシレスモータとすることができ、ブラシレスモータが駆動する機器をオイルポンプに限定するものではなく、また、ブラシレスモータを自動車に搭載されるモータに限定するものではない。
図2は、ブラシレスモータ2及びモータ制御装置3の一例を示す回路図である。
ブラシレスモータ2を駆動する駆動装置であるモータ制御装置3は、モータ駆動回路212と、A/D変換器213aやマイクロプロセッサ(CPU,MPUなど)を備えたマイクロコンピュータ(マイコン)213bなどを含む制御ユニット213とを備え、制御ユニット213はAT制御装置4との間で通信を行う。
ブラシレスモータ2は、3相DCブラシレスモータであり、スター結線されるU相、V相及びW相の3相巻線215u、215v、215wを、図示省略した円筒状の固定子に備え、該固定子の中央部に形成した空間に永久磁石回転子(ロータ)216を回転可能に備える。
モータ駆動回路212は、逆並列のダイオード218a〜218fを含んでなるスイッチング素子217a〜217fを3相ブリッジ接続した回路と、電源回路219とを有する。スイッチング素子217a〜217fは例えばFETで構成される。
スイッチング素子217a〜217fの制御端子(ゲート端子)は、制御ユニット213に接続され、制御ユニット213は、スイッチング素子217a〜217fのオン、オフをパルス幅変調(Pulse Width Modulation:PWM)によって制御することで、ブラシレスモータ2に印加する電圧を制御する。
PWM制御においては、三角波に設定されるPWMタイマの値と、指令デューティ比(指令パルス幅)に応じて設定されるPWMタイマ設定値とを比較することで、各スイッチング素子217a〜217fをオン、オフさせるタイミングを検出する。
なお、PWMタイマ設定値は、デューティ比が大きいほど大きな値に設定され、デューティ100%ではPWMタイマの最大値、デューティ0%ではPWMタイマの最小値(零)に相当する値に設定される。
制御ユニット213によるブラシレスモータ2の駆動制御は、回転子の位置情報を検出するセンサを用いないセンサレスで行われ、更に、モータ回転速度に応じて正弦波駆動と矩形波駆動とを切り替える。
正弦波駆動は、各相に正弦波電圧を加えてブラシレスモータ2を駆動する方式である。この正弦波駆動では、回転子が回転することによって発生する誘起電圧(速度起電圧)から回転子の位置情報を得る一方、速度起電圧による回転子位置の検出周期の間で、モータ回転速度に基づき回転子位置を推定し、推定した回転子位置とPWMデューティとから、3相出力設定値を算出し、相間電圧の差で電流の向きと強さとを制御して3相交流電流を各相に流す。
また、矩形波駆動は、3相のうちでパルス電圧を印加する2相の選択パターン(通電モード)を所定の回転子位置毎に順次切り替えることでブラシレスモータ2を駆動する方式である。
この矩形波駆動では、通電相に対するパルス状の電圧印加によって非通電相に誘起される電圧(変圧器起電圧、パルス誘起電圧)から回転子の位置情報を得て、通電モードの切り替えタイミングを検出する。
ここで、正弦波駆動において位置検出のために検出する速度起電圧は、モータ回転速度の低下に伴って出力レベルが低下するため、低回転域では位置検出の精度が低下する。一方、矩形波駆動において位置検出のために検出するパルス誘起電圧は、モータ停止状態を含む低回転域においても検出可能であり、低回転域でも位置検出の精度を維持できる。
そこで、制御ユニット213は、正弦波駆動で位置情報を十分な精度で検出できる高回転領域、つまり、設定値よりもモータ回転速度が高い領域では、正弦波駆動でブラシレスモータ2を制御する。
また、制御ユニット213は、正弦波駆動では十分な精度で位置情報を検出できない低回転領域では、矩形波駆動でブラシレスモータ2を制御する。なお、正弦波駆動では十分な精度で位置情報を検出できない低回転領域には、設定値よりもモータ回転速度が低い領域、及び、モータ起動時が含まれる。
更に、制御ユニット213は、ブラシレスモータ2のPWM制御において、例えば、モータ回転速度の検出値と目標モータ回転速度との偏差に応じてPWM制御のデューティ比を決定して、実際のモータ回転速度を目標モータ回転速度に近づける。
以下では、制御ユニット213が実施する、ブラシレスモータ2の矩形波駆動制御について詳述する。
図3は、矩形波駆動制御における制御ユニット213の機能ブロック図である。
制御ユニット213は、PWM発生部251、ゲート信号切替部252、通電モード決定部253、比較部254、電圧閾値切替部255、電圧閾値学習部256、非通電相電圧選択部257を備えている。
PWM発生部251は、印加電圧指令(指令電圧)に基づき、パルス幅変調されたPWM波を生成する。
通電モード決定部253は、モータ駆動回路212の通電モードを決定するモード指令信号を出力するデバイスであり、比較部254が出力するモード切替トリガ信号をトリガとして通電モードを6通りに切り替える。
通電モードとは、ブラシレスモータ2のU相、V相、W相の3相のうちでパルス電圧を印加する2相の選択パターンを示し、U相からV相に向けて電流を流す第1通電モードM1、U相からW相に向けて電流を流す第2通電モードM2、V相からW相に向けて電流を流す第3通電モードM3、V相からU相に向けて電流を流す第4通電モードM4、W相からU相に向けて電流を流す第5通電モードM5、W相からV相に向けて電流を流す第6通電モードM6の6種類の通電モードが設定される。
そして、通電モード決定部253は、比較部254が出力するモード切替トリガ信号に応じて、第1通電モードM1〜第6通電モードM6のいずれか1つを指令するモード指令信号を出力する。
ゲート信号切替部252は、モータ駆動回路212の各スイッチング素子217a〜217fがどのような動作でスイッチングするかを、通電モード決定部253の出力であるモード指令信号に基づいて決定し、該決定に従い6つのゲートパルス信号をモータ駆動回路212に出力する。
電圧閾値切替部255は、非通電相のパルス誘起電圧と閾値との比較に基づく通電モードの切り替え制御における前記閾値として、各通電モードに対応する値を順次切り替えて出力し、閾値の切り替えタイミングは、通電モード決定部253の出力であるモード指令信号に基づき決定される。
非通電相電圧選択部257は、モード指令信号に従い、ブラシレスモータ2の3相端子電圧Vu,Vv,Vwの中から非通電相の電圧の検出値を選択し、比較部254及び電圧閾値学習部256に出力する回路である。
尚、非通電相の端子電圧は、厳密にはグランドGND−端子間の電圧であるが、本実施形態では、中性点の電圧を検出し、この中性点の電圧とグランドGND−端子間電圧との差を求めて、端子電圧Vu,Vv,Vwとする。
比較部254は、電圧閾値切替部257が出力する閾値と、非通電相電圧選択部257が出力する非通電相の電圧検出値(パルス誘起電圧の検出値)とを比較することで、通電モードの切り替えタイミング、換言すれば、通電モードを切り替える回転子位置(磁極位置)になったか否かを検出し、切り替えタイミングを検出したときに通電モード決定部253に向けてモード切替トリガを出力する。
また、電圧閾値学習部256は、通電モードの切り替えタイミングの判定に用いる閾値を更新して記憶するデバイスである。
非通電相のパルス誘起電圧は、ブラシレスモータ2の製造ばらつき、電圧検出回路の検出ばらつきなどによって変動するため、閾値として固定値を用いると通電モードの切り替えタイミングを誤って判定する可能性がある。
そこで、電圧閾値学習部256は、通電モードの切り替えを行う所定磁極位置でのパルス誘起電圧を検出し、当該検出結果に基づいて電圧閾値切替部257が記憶する閾値を修正する閾値の学習処理を実施する。
通電モードは、前述のように6通りの通電モードM1〜M6からなり、これらの通電モードM1〜M6を、電気角60deg間隔で設定される切り替え角度位置で順次切り替え、3相のうちパルス電圧(パルス状の電圧)を印加する2相を順次切り替えることで、ブラシレスモータ2が駆動される。
制御ユニット213は、U相のコイルの角度位置を回転子(磁極)の基準位置(角度=0deg)としたときに、回転子の角度位置(磁極位置)が30degであるときに第3通電モードM3から第4通電モードM4への切り替えを行い、回転子角度位置が90degであるときに第4通電モードM4から第5通電モードM5への切り替えを行い、回転子角度位置が150degであるときに第5通電モードM5から第6通電モードM6への切り替えを行い、回転子角度位置が210degであるときに第6通電モードM6から第1通電モードM1への切り替えを行い、回転子角度位置が270degであるときに第1通電モードM1から第2通電モードM2への切り替えを行い、回転子角度位置が330degであるときに第2通電モードM2から第3通電モードM3への切り替えを行う。
ここで、制御ユニット213の電圧閾値切替部255は、通電モードの切り替えを行う回転子の角度位置での非通電相の電圧(パルス誘起電圧)を閾値として更新可能に記憶していて、そのときの通電モードに応じた閾値を出力する。
比較部254は、非通電相の電圧が閾値に達したときに次の通電モードへの切り替えを実施する角度を検出したことを示す信号を出力し、係る信号に基づき通電モード決定部253は通電モードの切り替えを実行する。
そして、制御ユニット213(ゲート信号切替部252)は、例えばU相からV相に向けて電流を流す第1通電モードM1では、図4又は図5に示すように、U相上段のスイッチング素子217aをオンに制御する一方で、V相下段のスイッチング素子217dのオン/オフ比率をPWM制御することで、電流を流すU相及びV相の平均印加電圧を可変に制御する。
ここで、第1通電モードM1では、U相上段のスイッチング素子217a及びV相下段のスイッチング素子217d以外のスイッチング素子217についてはオフに制御することができるが、本実施形態では、図4及び図5に示したように、V相上段のスイッチング素子217cを、V相下段のスイッチング素子217dを駆動するPWM波と逆位相のPWM波で駆動する相補制御方式を採用している。
なお、第1通電モードM1以外でも相補制御方式により、下流側相の上段(上アーム)のスイッチング素子及び下段(下アーム)のスイッチング素子のオン、オフをPWM制御する。
また、図4及び図5に示した例では、PWM周波数は12kHzに設定され、PWM周期の1周期(83.3μs)当たりのオン時間割合として、PWM制御における指令デューティ比が設定される。
また、スイッチング素子217d(PWMパルス信号)をオン、オフさせるタイミングを検出するためのPWMタイマ(PWMキャリア)の周波数を、PWM周波数(PWM周期)の2倍の周波数である24kHzに設定してある。これにより、PWM周期の1周期はPWMタイマの2周期で構成されることになり、本願では、PWM周期の1周期に含まれるPWMタイマの2周期を前半周期と後半周期と称するものとする。
なお、PWM周波数の12kHzは一例であり、例えば、10kHzなど他の周波数を任意に設定することができる。また、PWMタイマの周波数は、PWM周波数の3倍、4倍などに設定することができる。
PWMタイマは三角波として設定され、PWMタイマの周波数がPWM周期の2倍の周波数に設定される場合、PWMの1周期当たり2つの谷タイミング又は2つの山タイミングが発生することになり、PWMタイマの谷タイミング又は山タイミングを中心としたオン、オフタイミングの検出は、前半周期と後半周期とでそれぞれ独立して行える。
図4のタイムチャートは、PWMタイマの周波数がPWM周期の2倍の周波数に設定される場合であって、第1通電モードM1における指令デューティ比(指令オンデューティ比)が、50%未満の40%から50%を超える80%に切り替えられる場合のPWM制御を例示する。
図4に示す例では、PWM周期は12kHzで、PWMタイマの周波数は2倍の24kHzに設定され、前半周期でのPWM制御におけるデューティ比と、後半周期でのPWM制御におけるデューティ比とが個別に設定される。
尚、前半周期又は後半周期におけるデューティ比100%は、PWM周期の1周期の半分の時間に相当するパルス幅、換言すれば、指令デューティ比の50%に相当することになる。
また、本実施形態では、制御ユニット213を構成するマイクロコンピュータ213bの機能上、デューティ比のレジスタ値の更新タイミングなどに下記のような制約があるものとする。
即ち、前半周期及び後半周期におけるデューティ比のx%(0%<x%<100%)から100%への切り替えと、前半周期及び後半周期におけるデューティ比の100%からx%への切り替えとはPWMタイマの谷タイミングに限定され、前半周期及び後半周期におけるデューティ比の0%からx%への切り替えと、前半周期及び後半周期におけるデューティ比のx%から0%への切り替えとはPWMタイマの山タイミングに限定される。
また、前半周期及び後半周期におけるデューティ比の0%から100%への切り替えと、前半周期及び後半周期における100%から0%への切り替えとは、共に不可とする。
更に、0%<x%<100%の範囲内でのx%の変更は、PWMタイマの谷タイミング又は山タイミングの一方に限定され、本実施形態では、PWMタイマの山タイミングで行わせる。このように、マイクロコンピュータ213bは、機能上の制約があることで安価なマイコンである。
指令デューティ比が50%未満である場合、制御ユニット213は、PWMタイマの谷タイミングを中心としてパルスのオン、オフタイミングが検出されるようにPWMタイマ設定値を与え、例えば、前半周期では谷タイミングを中心として指令デューティ比相当のパルス幅となるタイマ設定値を与え、後半周期では、デューティ比0%相当のタイマ設定値を与える。
なお、制御ユニット213は、後半周期で指令デューティ比相当のパルス幅となるタイマ設定値を与え、前半周期でデューティ比0%相当のタイマ設定値を与えることができる。
ここで、図4に例示したように、指令デューティ比が40%であれば、前半周期におけるデューティ比を80%に設定し、後半周期におけるデューティ比を0%に設定することで、前半周期と後半周期とでPWM周期の1周期当たり40%のデューティ比に制御することになる。
指令デューティ比が40%から増えて50%に達した場合、前半周期におけるデューティ比は100%となり、前半周期だけのPWM制御では、50%よりも高い指令デューティ比に応じたパルス幅に制御できない。
そこで、制御ユニット213は、指令デューティ比が50%よりも高い場合には、後半周期でもオン、オフタイミングを検出することで、指令デューティ比50%に相当する前半周期でのパルス幅に、後半周期でオン、オフタイミングを検出したパルス幅(デューティ比=(指令デューティ比−50)×2)を付加することで、50%よりも高い指令デューティ比に相当するパルス幅に制御する。
なお、指令デューティ比が50%よりも低いときに、後半周期のデューティ比を指令デューティ比×2に設定し、前半周期のデューティ比を0%に設定する一方、指令デューティ比が50%を超えたときに、後半周期のデューティ比を100%に設定し、前半周期のデューティ比を(指令デューティ比−50%)×2に設定することができる。
図4に示した例では、指令デューティ比が40%から80%に切り替わると、前半周期におけるオンデューティ比を100%とした上で、後半周期におけるオンデューティ比を60%(60%=(80%−50%)×2)として、PWM周期の1周期当たり80%のオンデューティ比に制御する。
ここで、指令デューティ比が50%未満から50%よりも高い値に切り替わると、PWMタイマの谷タイミングを中心としてパルスのオン、オフタイミングを検出する処理から、PWMタイマの山タイミングを中心としてパルスのオン、オフタイミングを検出する処理に切り替える。
これにより、後半周期でPWMタイマの山タイミングを中心にオフパルス幅(オフデューティ比)が制御されることになり、前半周期のオンパルスの前後に連続して後半周期のオンパルスが出力される。
なお、指令デューティ比が50%未満である場合、PWMタイマの谷タイミングを中心としてパルス幅が増減し、PWMタイマの谷タイミングを中心とする期間で通電モードに対応する通電が行われるので、ブラシレスモータ2の位置情報を取得するための非通電相の誘起電圧の検出は、PWMタイマの谷タイミングで行わせる。
一方、指令デューティ比が50%よりも高い場合、PWMタイマの山タイミングを中心としてパルス幅が増減し、PWMタイマの山タイミングを中心とする期間で通電モードに対応する通電が行われるので、ブラシレスモータ2の位置情報を取得するための非通電相の誘起電圧の検出は、デューティ比を100%とする前半周期又は後半周期の山タイミングで行わせる。
図4には、非通電相であるW相の電圧検出タイミングを、二重丸で示してある。
ところで、非通電相の誘起電圧の検出においては、通電開始当初の電圧の変動期間を避けて誘起電圧の検出を行わせる必要があり、また、パルス誘起電圧のA/D変換には時間を要し、これらの要求からパルス誘起電圧の検出が可能な最低オンデューティ比(最低オンパルス幅)が決まる。
つまり、最低オンデューティ比を下回るデューティ比でブラシレスモータ2を駆動すると、通電モードの切り替えのための位置情報の検出精度が低下し、通電モードの切り替えが行えなくなったり、通電モードの切り替えが過剰に早く行われたり逆に過剰に遅れてしまったりして、ブラシレスモータ2が脱調してしまう可能性がある。
ここで、パルス誘起電圧の検出のために要求される最低オンデューティ比が、例えば20%であると仮定すると、オンデューティ比を最低オンデューティ比である20%以上に制限すればパルス誘起電圧の検出を行える。
しかし、オンデューティ比を最低オンデューティ比以上に制限すると、最低オンデューティ比で駆動するときのブラシレスモータ2の回転速度が、制御可能なモータ回転速度の最低値となり、ブラシレスモータ2の回転速度を十分に低下させることができなくなる場合がある。
ここで、上記のPWMタイマの周波数をPWM周期の2倍の周波数に設定する構成において、図5に示すように、前半周期(又は後半周期)における最低オンデューティ比でのパルス幅制御と、係る前半周期(又は後半周期)でのオンデューティ比による通電方向とは逆方向に電流を流す後半周期(又は前半周期)でのパルス幅制御とを組み合わせることで、最低オンデューティ比を下回る平均オンデューティ比でブラシレスモータ2を駆動できる。
この場合、前半周期で最低オンデューティ比(最低オンパルス幅)に設定するときのPWMタイマの谷タイミングでパルス誘起電圧の検出を行え、PWM周期毎に位置情報を十分な精度で取得できる。
図5は、指令デューティ比が、50%未満でかつ最低オンデューティ比よりも高い値から、最低オンデューティ比を下回る値に変更される場合のPWM制御の様子を示す。
詳細には、図5では、最低オンデューティ比を20%とし、第1通電モードM1において、指令デューティ比が40%から10%に切り替えられる場合を例示する。
指令デューティ比が40%であるときには、前述したように、前半周期においてPWMタイマの谷タイミングを中心としてオン、オフタイミングを検出するPWM制御が実施され、前半周期のデューティ比80%に相当する時間のパルス幅に制御することで、PWMの1周期当たりデューティ比40%に相当する時間だけU相からV相に向けて電流を流し、前半周期の中心である谷タイミングで非通電相の誘起電圧を検出させる。
一方、指令デューティ比が40%から最低オンデューティ比である20%を下回る10%に切り替わった場合、前半周期の谷タイミングを中心として最低オンデューティ比20%(前半周期の40%)に相当する時間のパルス幅に制御して、最低オンデューティ比20%でU相からV相に向けて電流が流れるようにする。
また、後半周期の谷タイミングを中心として、第1通電モードM1における通電方向とは逆のV相からU相に向けて電流を流すための指令デューティ比10%相当のパルス幅(後半周期におけるデューティ比20%相当のパルス幅)を設定し、このパルス幅の間だけ、U相の上段スイッチング素子217aをオフし、U相の下段スイッチング素子217bをオンすることで、デューティ比10%でV相からU相に向けて電流を流す。
つまり、第1通電モードM1の場合に指令デューティ比が最低オンデューティ比を下回ると、前半周期の谷タイミングを中心として、最低オンデューティ比20%に相当の時間だけU相からV相に向けて(正方向に)電流を流す一方、後半周期の谷タイミングを中心として、デューティ比10%相当の時間だけV相からU相に向けて(負方向に)電流を流す。
これにより、PWMの1周期内で、オンデューティ比20%相当の時間だけU相からV相に向けて電流を流す処理と、オンデューティ比10%相当の時間だけV相からU相に向けて電流を流す処理との双方が行われ、PWMの1周期の平均としては、オンデューティ比10%相当の時間だけU相からV相に向けて電流を流す処理を行った場合と略同等の磁力(回転トルク)を発生させることになり、更に、前半周期の谷タイミングを中心とする最低オンデューティ比相当のパルス幅のときに、非通電相のパルス誘起電圧を検出して通電モードの切り替えのための位置情報の取得が行える。
このように、最低オンデューティ比相当のパルス幅で通電を行わせることで、非通電相のパルス誘起電圧の検出を安定して行え、かつ、平均オンデューティ比としては最低オンデューティ比を下回るデューティ比を設定でき、指令オンデューティ比の下限を最低オンデューティ比に制限する場合に比べてブラシレスモータ2の回転速度をより低くすることが可能となり、ブラシレスモータ2の省電力化などを図ることができる。
また、上記構成では、PWM周期の1周期がPWMタイマの2周期で構成されるから、PWMタイマの谷タイミング又は山タイミングのいずれか一方でデューティ比の設定を変更することで、PWM周期の1周期当たり2回のデューティ比変更を行ってPWM周期の1周期で正方向及び負方向の電圧印加を行え、デューティ比の変更が谷タイミング又は山タイミングのいずれか一方に限定されるマイコンを用いることができる。
更に、正負両方向の電圧印加をそれぞれ行えばPWM周波数を低回転域で低い側に変更しなくても、非通電相に誘起されるパルス誘起電圧を検出できるオンパルス幅に設定できる。
このため、デューティ比の変更が谷タイミング又は山タイミングのいずれか一方に限定され、PWM周波数の変更が困難である安価なマイクロコンピュータを用いて、低回転域で非通電相に誘起されるパルス誘起電圧を検出してモータの位置情報を取得し、ブラシレスモータ2の回転速度の低速化を図ることができる。
以下では、PWMタイマの周波数をPWM周期の2倍の周波数とする場合での制御ユニット213によるPWM制御の流れを詳細に説明する。
図6のフローチャートは、制御ユニット213によるPWM制御の流れを示し、このフローチャートに示すルーチンは、PWMタイマの谷タイミング毎に制御ユニット213により割り込み処理される。
まず、ステップS101で、制御ユニット213は、周期カウンタの値を判断する。
周期カウンタは初期値が0で、後述するように、本ルーチンの実施毎(PWMタイマの谷タイミング毎)に0→1→0→1・・・に順次切り替えられる。
そして、制御ユニット213は、周期カウンタの値が0であれば次回のデューティ比の更新タイミングが前半周期のデューティ比に切り替えるタイミングであり、周期カウンタの値が1であれば次回のデューティ比の更新タイミングが後半周期のデューティ比に切り替えるタイミングであると判断する。
ステップS101で、制御ユニット213は、周期カウンタ=0を検出すると、ステップS102へ進み、本ルーチンの次回の実行に備えて周期カウンタの値を0から1に切り替える。
次いで、制御ユニット213は、ステップS103へ進み、オンデューティ比の指令値(目標オンデューティ比)が、所定値Y(%)以上であるか否かを判断する。
所定値Yは、デューティ比50%であって、PWMタイマの1周期(前半周期又は後半周期)でのデューティ比100%に相当する。
制御ユニット213は、ステップS103で、指令オンデューティ比が所定値Y(Y=50%)以上であると判断すると、ステップS104へ進み、通電パターンAに従ってPWM制御を実施する。
通電パターンAでは、そのときの通電モードにおいて電流を流す2相のうちの下流側の相の下段のスイッチング素子217を指令オンデューティ比に応じてPWM制御し、上段のスイッチング素子217を、下段のスイッチング素子217のPWM波と逆位相のPWM波で駆動し、かつ、指令オンデューティ比に応じたPWM制御において後半周期のオンデューティ比を100%とし、前半周期のデューティ比を(指令デューティ比−Y)×2のオンデューティ比に制御する。
つまり、前半周期のオンデューティ比と後半周期のオンデューティ比との合計が、PWM周期の1周期当たりの指令オンデューティ比に相当するようにする。
なお、通電パターンAでは、PWMタイマの山タイミングを中心にパルスのオン、オフタイミングを検出する設定とし、前半周期においてPWMタイマの山タイミングを中心にオフパルス幅(オフデューティ比)を制御させる構成とし、これにより、後半周期のオンパルスの前後に連続して前半周期のオンパルスが出力されるようにする。
通電パターンAにおいて、前半周期では、山タイミングを中心とするオフパルス幅を挟んで両側に、「指令デューティ比−50%」のデューティ比に相当するオンパルス幅がそれぞれ設定され、両オンパルスの合計は、前半周期における(指令デューティ比−50%)×2のデューティ比となるから、前半周期のデューティ比100%のオンパルス(指令デューティ比50%相当のオンパルス)と合せて、PWM周期の1周期毎に指令オンデューティ比に相当するパルス幅のパルス信号を出力することができる。
なお、前半周期のオンデューティ比を100%とし、後半周期のオンデューティ比を(指令デューティ比−50)×2に設定することができる。
ステップS104でデューティ比の設定を行うと、制御ユニット213は、ステップS108へ進み、次のデューティ比(PWMタイマ設定値)の更新タイミングでの更新値(レジスタ値)を、上流側の相のデューティ比については、ステップS104で設定した上流側の前半周期のデューティ比(0%)に設定し、また、下流側の相のデューティ比については、ステップS104で設定した下流側の前半周期のデューティ比=(指令デューティ比−50%)×2に設定する。
ここで、ステップS104でデューティ比の設定を行う場合、つまり、通電パターンAが選択される場合には、デューティ比は100%からx%(0%<x<100)に又はx%から100%に切り替えられることになり、係る切り替えは、PWMタイマの谷タイミングで行われる。従って、ステップS108では、次の谷タイミングでデューティ比を前半周期に割り当てられた値に切り替える設定を行うことになる。
更に、ステップS109では、今回ステップS104に従ってデューティ比の設定を行ったか否か、換言すれば、通電方法としてパターンAが選択されたか否かを判断する。
そして、通電パターンAを選択している場合、制御ユニット213は、ステップS110へ進み、非通電相の電圧のA/D変換起動タイミングとして、次回の山タイミング、つまり、後半周期であってオンデューティ比100%に制御される山タイミング)を設定する。
一方、後述する通電パターンA以外の通電方法を選択している場合、制御ユニット213は、ステップS111へ進み、今回の谷タイミングにおいて非通電相の電圧のA/D変換値を取得し、更に、次回の谷タイミングにおいて非通電相の電圧のA/D変換を起動させる設定を行う。
つまり、通電パターンAでは、PWMタイマの山タイミングを中心にオン、オフタイミングが検出され、かつ、後半周期のデューティ比が100%に設定れるので、後半周期の山タイミング毎に非通電相の電圧をサンプリングする。
また、通電パターンA以外(後述する通電パターンB,C)では、PWMタイマの谷タイミングを中心にパルスのオン、オフタイミングが検出されるので、谷タイミングにおいて非通電相の電圧をサンプリングする。
制御ユニット213は、ステップS101で周期カウンタの値が1であると判断すると、ステップS112へ進む。
ステップS112で、制御ユニット213は、次のデューティ比(PWMタイマ設定値)の更新タイミングでの更新値(レジスタ値)を、上流側の相のデューティ比については、上流側の後半周期の設定デューティ比に設定し、また、下流側の相のデューティ比については、下流側の後半周期の設定デューティ比に設定する。
ここで、通電パターンAに従ってデューティ比の設定がなされていた場合には、次のデューティ比の更新タイミング(次の谷タイミング)において、デューティ比の設定が、前半周期のデューティ比から後半周期のデューティ比100%に切り替えられることになる。
ステップS113で、制御ユニット213は、周期カウンタの値を1から0にデクリメントし、次のステップS114では、通電パターンAに従ってデューティ比の設定がなされているか否かを判断する。
そして、制御ユニット213は、通電パターンAに従ってデューティ比を設定している場合に、ステップS114からステップS115へ進んで、前回の山タイミングにおいてA/D変換された非通電相の電圧を取得する。
図7は、通電パターンAでのPWM制御の様子を示すタイムチャートであり、PWMタイマの周波数を20kHz、PWM周期を10kHzとし、かつ、第1通電モードM1において指令デューティ比が80%である場合を例示する。
ここで、制御ユニット213は、PWMタイマの谷タイミング毎に、前半周期のデューティ比設定と後半周期についてのデューティ比の設定とを交互に行う。例えば、時刻t1の谷タイミングで、制御ユニット213は、次の谷タイミング(時刻t2)においてデューティ比を後半周期用として100%に上げるべく、レジスタに100%を設定する。また、時刻t2で、制御ユニット213は、次の谷タイミング(時刻t3)でデューティ比を後半周期の100%から前半周期の60%に下げるべく、レジスタに60%を設定する。
そして、PWMタイマとPWMタイマ設定値との比較に基づき出力されるパルス信号に応じて、V相の下段スイッチング素子217dを後半周期の全期間だけオンさせ、更に、前半周期の中心である山タイミングを中心としてデューティ40%(PWM1周期における20%)に相当する時間だけV相の下段スイッチング素子217dをオフさせることで、結果的に、PWMの1周期当たりオンデューティ比80%に相当する時間だけ下段スイッチング素子217dをオンさせる。
一方、V相の上段スイッチング素子217cは、V相下段のスイッチング素子217dを駆動するPWM波と逆位相のPWM波で駆動される。
尚、第1通電モードM1では、上流側であるU相のスイッチング素子217a、217bについては通電をPWM制御しないので、これらのスイッチング素子217a、217bのPWM制御における前半周期及び後半周期のデューティ比は0%に設定され、上記の前半周期及び後半周期のデューティ比設定は、下流側のV相のスイッチング素子217c、217dについて通電をPWM制御するための設定である。
ステップS103で、制御ユニット213は、指令デューティ比(目標デューティ比)が所定値Y(Y=50%)よりも小さいと判断すると、ステップS105へ進む。
ステップS105で、制御ユニット213は、指令デューティ比(目標デューティ比)が所定値X以上であるか否かを判断する。ここで、所定値Xは、非通電相の電圧を検出するための最低オンデューティ比(最小オンパルス幅)である。
そして、制御ユニット213は、ステップS105で、指令デューティ比(目標デューティ比)が所定値X以上であると判断すると、換言すれば、所定値X≦指令デューティ比<所定値Y(50%)であると判断すると、ステップS106へ進み、通電方法としてパターンBを選択する。
通電パターンBでは、PWMタイマの谷タイミングを中心としてパルスのオン、オフタイミングを検出し、前半周期において指令デューティ比に従い谷タイミングを中心とするパルス幅のPWM制御を行わせ、後半周期のデューティ比を0%に設定する。
尚、前半周期のデューティ比を0%に設定し、後半周期において指令デューティ比に従い谷タイミングを中心とするパルス幅制御を行わせることができる。
具体的には、そのときの通電モードにおける上流側の相のスイッチング素子217についてはPWM制御を行わないので、上流側の相のスイッチング素子217のPWM制御の前半周期及び後半周期のデューティ比についてはそれぞれ0%に設定する。一方、下流側の相のスイッチング素子217のPWM制御における前半周期については、指令デューティ比×2をデューティ比に設定し、後半周期については、デューティ比0%に設定する。
次いで、制御ユニット213は、ステップS108へ進み、次のデューティ比(PWMタイマ設定値)の更新タイミングでの更新値(レジスタ値)を、上流側の相のデューティ比については、ステップS106で設定した上流側の前半周期のデューティ比(0%)に設定し、また、下流側の相のデューティ比については、ステップS106で設定した下流側の前半周期のデューティ比(=指令デューティ比×2)に設定する。
ここで、ステップS106でデューティ比の設定を行う場合、つまり、通電パターンBが選択される場合には、デューティ比の切り替えは、0%からx%への切り替え又はx%から0%への切り替えであり、本実施形態のマイコンでは、係るデューティ比の切り替えは、PWMタイマの山タイミングに限定され、次の山タイミングにおいて、デューティ比(PWMタイマ設定値)が0%から前半周期用の「指令デューティ比×2」に切り替えられることになる。
制御ユニット213は、ステップS106を経由してステップS109に進んだ場合、通電方法が通電パターンAではないと判断して、ステップS111へ進み、非通電相の電圧のA/D変換値を取得し、更に、次回の谷タイミングにおいて非通電相の電圧のA/D変換を起動させる設定を行う。
また、制御ユニット213は、ステップS101で周期カウンタの値が1であると判断すると、ステップS112へ進むが、通電パターンBに従ってデューティ比の設定がなされていた場合には、次のデューティ比の更新タイミング(次の山タイミング)において、下流側相のデューティ比の設定が、前半周期のデューティ比である「指令デューティ比×2」から後半周期のデューティ比0%に切り替えられることになる。
ステップS113で、制御ユニット213は、周期カウンタの値を1から0にデクリメントし、次のステップS114では、通電パターンAに従ってデューティ比の設定がなされているか否かを判断する。
そして、制御ユニット213は、通電パターンBに従ってデューティ比を設定している場合に、ステップS115を迂回して本ルーチンを終了させることで、非通電相の電圧の取得は行わない。通電パターンBで、制御ユニット213は、ステップS111にて非通電相の電圧を取得するためである。
図8は、通電パターンBに従ったPWM制御の様子を示し、PWMタイマの周波数を20kHz、PWM周期を10kHzとし、かつ、第1通電モードM1において指令デューティ比が40%である場合を例示する。
時刻t1の谷タイミングで図6のフローチャートに示したルーチンの割り込み処理が実施されると、次の山タイミング(時刻t2)においてデューティ比を0%から前半周期のデューティ比(=指令デューティ比×2)にまで立ち上げる設定を行い、更に、次の谷タイミング(時刻t3)にて非通電相の電圧のA/D変換を起動させる設定を行う。
また、時刻t3の谷タイミングでは、次の山タイミング(時刻t4)でデューティ比を後半周期用に0%にまで立ち下げる設定を行う。更に、時刻t5の谷タイミングでは、時刻t3で起動させたA/D変換の結果を取得する処理、次回の山タイミング(t6)にてデューティ比を0%から前半周期のデューティ比(=指令デューティ比×2)にまで立ち上げる処理、次回の谷タイミング(時刻t7)にてA/D変換を起動させる設定を行う。
制御ユニット213は、ステップS105で、指令デューティ比(目標デューティ比)が所定値X(最低オンデューティ比)を下回っていると判断すると、ステップS107へ進み、通電方法としてパターンCに従ったデューティ比の設定を行う。
ステップS107で、制御ユニット213は、そのときの通電モードにおける下流側の相の前半周期において所定値Xのデューティ比に基づいてパルス制御を行わせ、所定値X(最低オンデューティ比)にて通電モードに対応する相通電を行わせる設定を行う。
更に、ステップS107で、制御ユニット213は、そのときの通電モードにおける上流側の相の後半周期において、そのときの通電モードでの通電方向とは逆方向に、PWM周期の1周期当たり「所定値X−指令デューティ比」に相当する時間だけ通電させるためのデューティ比設定を行う。
詳細には、PWMタイマの谷タイミングを中心にオン、オフタイミングを検出させる設定において、上流側相の前半周期のデューティ比を0%に、上流側相の後半周期のデューティ比を「所定値X−指令デューティ比」×2に、下流側相の前半周期のデューティ比を所定値X×2に、下流側相の後半周期のデューティ比を0%に設定する。
尚、前後半の設定を入れ替え、上流側相の後半周期のデューティ比を0%に、上流側相の前半周期のデューティ比を「所定値X−指令デューティ比」×2に、下流側相の後半周期のデューティ比を所定値X×2に、下流側相の前半周期のデューティ比を0%に設定することができる。
そして、下流側相の下段スイッチング素子217が所定値X×2のデューティ比でオンされるときに、係るオン期間の中心であるPWMタイマの谷タイミングにて、非通電相の電圧を検出させる。
つまり、非通電相の電圧を検出させるには、少なくとも所定値X(最低デューティ比)で相通電させる必要があるが、この場合、オンデューティ比が指令デューティ比よりも高くなって、指令デューティ比に見合う回転速度にブラシレスモータ2を制御できなくなる。
そこで、前半周期にて通電モードに応じた相通電を、オンデューティ比を所定値X(最低デューティ比)として行わせる一方で、後半周期では通電モードに応じた通電方向とは逆方向への通電を、PWM周期の1周期当たり「所定値X−指令デューティ比」のデューティ比だけ行わせ、前半周期のPWM制御と後半周期のPWM制御との平均として指令デューティ比に制御する。
第1通電モードM1では、U相からV相に向けて電流を流すから、前半周期では、所定値X(最低デューティ比)に相当する時間だけU相からV相に向けて電流を流すように、V相の下段スチッチング素子217dをオンさせる。一方、後半周期では、「所定値X−指令デューティ比」に相当する時間だけV相からU相に向けて電流を流すように、U相の下段スイッチング素子217bを、後半周期における「所定値X−指令デューティ比」×2に相当する時間だけオンさせ、U相の上段スイッチング素子217aについては、下段スイッチング素子217bのPWM波の逆位相のPWM波で駆動する。
一方、後半周期では、デューティ比の設定を0%とすることで、V相の上段スイッチング素子217cはオンに保持され、V相の下段スイッチング素子217dはオフに保持されるから、結果、U相の下段スイッチング素子217bがオンされる期間だけ、V相からU相に向けて電流が流れることになる。
上記通電パターンCでは、デューティ比の切り替えが0%とx%との間で行われ、係る切り替えは、本実施形態のマイコンでは、PWMタイマの山タイミングに固定される。従って、制御ユニット213は、テップS107からステップS108に進むと、次のデューティ比(PWMタイマ設定値)の更新タイミングである次回の山タイミングでの更新値(レジスタ値)を、上流側の相のデューティ比については、ステップS107で設定した上流側の前半周期の設定デューティ比(0%)に設定し、また、下流側の相のデューティ比については、ステップS107で設定した下流側の前半周期の設定デューティ比(最低デューティ比)に設定する。
更に、制御ユニット213は、ステップS107を経由してステップS109に進んだ場合、通電方法が通電パターンAではないと判断して、ステップS111へ進み、非通電相の電圧のA/D変換値を取得し、更に、次回の谷タイミングにおいて非通電相の電圧のA/D変換を起動させる設定を行う。
また、制御ユニット213は、通電パターンCの選択状態で、テップS101で周期カウンタの値が1であると判断してステップS112へ進むと、次のデューティ比(PWMタイマ設定値)の更新タイミングである山タイミングでの更新値(レジスタ値)を、上流側の相のデューティ比については、デューティ比0%から「所定値X−指令デューティ比」×2に立ち上げ、下流側の相のデューティについては、所定値X×2から0%に立ち下げる設定を行う。
また、制御ユニット213は、通電パターンCに従ってデューティ比の設定を行っているときに、ステップS114へ進むと、ステップS115を迂回して本ルーチンを終了させることで、非通電相の電圧の取得は行わない。通電パターンCで、制御ユニット213は、ステップS111にて非通電相の電圧を取得するためである。
図9は、通電パターンCに従ったPWM制御の一例を示す。
ここでは、PWMタイマの周波数を20kHz、PWM周期を10kHzとし、かつ、第1通電モードM1において指令デューティ比が15%で、所定値X(最低デューティ比)が20%である場合を例示する。
時刻t1の谷タイミングにて、制御ユニット213は、次の山タイミング(時刻t2)で、下流側相のデューティ比を0%から40%に引き上げ、また、上流側相のデューティ比を10%から0%に引き下げる設定を行い、更に、次回の谷タイミング(時刻t3)にて、非通電相の電圧のA/D変換を起動させる設定を行う。
一方、時刻t3の谷タイミングで、制御ユニット213は、下流側相のデューティを40%から0%に引き下げ、また、上流側相のデューティ比を0%から10%に引き下げる設定を行う。
これにより、下流側相のデューティ比が40%に設定される前半周期では、第1通電モードM1に対応してU相からV相に電流を流し、上流側相のデューティが10%に設定される後半周期では、第1通電モードM1での通電方向とは逆にV相からU相に電流を流し、前半周期と後半周期との平均として、PWMの1周期当たりデューティ比15%に相当する時間だけU相からV相に電流を流したことになる。
ここで、下流側相のデューティ比が40%に設定される前半周期で、非通電相の電圧を検出して位置情報を取得できるから、指令デューティ比が低くなったときに位置情報を取得するためにPWM周波数を低くなどの変更を行う必要がなく、また、PWMデューティの変更タイミングに制約がある安価なマイコンを用いてPWM制御を実現できる。
なお、最低デューティ比(下限オンデューティ比)である所定値X(%)は、電圧のA/D変換をPWMタイマの谷タイミング起動させる場合に、係る起動からA/D変換完了までの時間、及び、相通電開始直後の電圧がリンギング波形を示す時間に基づき、通電期間中にA/D変換を完了でき、かつ、リンギング時間が経過してからA/D変換が開始されるように設定する。
また、通電パターンBではモータトルクが正方向にのみ発生するのに対し、通電パターンCでは前半周期での正方向トルクと後半周期での負方向トルクとが交互に発生するため、通電パターンBと通電パターンCとの間で通電パターンの切り替えを行った場合にトルク変動が発生し、これによるモータ回転変動によって指令デューティ比が振れて、通電パターンBと通電パターンCとの間での切り替えを繰り返すハンチングが発生する可能性がある。
そこで、例えば、通電パターンBから通電パターンCへの切り替えは指令デューティ比が所定値X(最低デューティ比)を下回ったときに実施し、通電パターンCから通電モードBへの切り替えは、指令デューティ比が「所定値X+オフセット分α」よりも大きくなったときに行わせる設定として、通電パターンBと通電パターンCとの間でのハンチングを抑制することができる。
また、本実施形態のように、上段のスイッチング素子217を、下段のスイッチング素子217を駆動するPWM波と逆位相のPWM波で駆動する相補制御方式を採用する場合、正相PWM出力と逆相PWM出力との同時オンを抑制するために、デッドタイムを設ける場合がある。
例えば、図10に示すように、上段スイッチング素子のオン、オフタイミングを検出するための第1PWMタイマと、下段スイッチング素子のオン、オフタイミングを検出するための第2PWMタイマとを設けることで、デッドタイムを設けることができる。
しかし、デッドタイムを確保するためには、オンデューティ比100%付近での出力を行えなくなり、例えば、前半周期でのデューティ比が100%を超えるようになるまで通電パターンBを継続させると、指令デューティ比が50%又は50%近傍であるときに、実際のPWM出力はデッドタイム分だけ少なくなってしまう。
そこで、通電パターンAと通電パターンBとの間の切り替えを、指令デューティ比と所定値Y(%)との比較に基づいて行わせるときに、所定値Yを、50%よりもデッドタイム分だけ小さい値とすることができる。
上記実施形態で説明した各技術的思想は、矛盾が生じない限りにおいて、適宜組み合わせて使用することができる。
また、好ましい実施形態を参照して本発明の内容を具体的に説明したが、本発明の基本的技術思想及び教示に基づいて、当業者であれば、種々の変形態様を採り得ることは自明である。
例えば、PWMタイマの周波数は、PWM周波数のN倍(Nは2以上の整数)とすることができ、上記実施形態で示した2倍の他、3倍、4倍に設定することが可能である。PWMタイマの周波数をPWM周波数の3倍とした場合、PWMの1周期は、前半周期、中間周期、後半周期の3周期に分かれることになり、指令デューティ比の増大に応じて100%デューティ比に設定する周期を増やし、また、3周期のうちの1つを最低デューティ比で制御し、残る2周期のうちの少なくとも1つで逆方向の通電を行わせて、最低デューティ比を下回る指令デューティ比に対応するトルクを発生させることができる。
ここで、上記実施形態から把握し得る請求項以外の技術的思想について、以下に効果と共に記載する。
(イ)
PWM制御により多相ブラシレスモータを駆動する駆動装置であって、非通電相に誘起されるパルス誘起電圧に応じてパルス電圧を印加する相を順次切り替える駆動装置において、
PWMキャリアの周波数を、前記ブラシレスモータを駆動するPWM周波数のN倍(Nは2以上の整数)とするとともに、前記PWMキャリアのN周期分のPWM出力の組み合わせによって前記ブラシレスモータの印加電圧を制御する構成であって、
前記PWMキャリアのN周期分のPWM出力の組み合わせパターンをデューティ比に応じて切り替える、ブラシレスモータの駆動装置。
上記発明によると、デューティ比の増減に応じて、PWMキャリアの1周期分のPWM出力で指令デューティ比に見合う出力を発生させたり、PWMキャリアの2周期分の合計PWM出力で指令デューティ比に見合う出力を発生させたり、正方向に電流を流す周期と逆方向に電流を流す周期とを設定したりすることで、指令デューティ比に見合う出力を発生させる。
(ロ)
PWM制御により多相ブラシレスモータを駆動する駆動装置であって、非通電相に誘起されるパルス誘起電圧に応じてパルス電圧を印加する相を順次切り替える駆動装置において、
PWMキャリアの周波数を、前記ブラシレスモータを駆動するPWM周波数の2倍とし、PWMキャリアの2周期それぞれでのPWM出力の組み合わせで前記ブラシレスモータの印加電圧を制御する構成とし、
前記組み合わせのパターンを、指令デューティ比が50%よりも高いか否か、及び、指令デューティ比が所定の最低デューティ比(<50%)よりも高いか否かに応じて3パターンのいずれかに設定する、ブラシレスモータの駆動装置。
上記発明によると、PWM周期が前半周期と後半周期とに分けられ、この前半周期でのデューティ比と後半周期でのデューティ比との組み合わせで、指令デューティ比に相当する出力を発生させ、かつ、指令デューティ比が、50%及び最低デューティ比(<50%)によって区分される3領域のいずれに該当するかによって組み合わせパターンを選択する。
(ハ)
前記指令デューティ比が50%よりも高いときに、前半周期と後半周期とのいずれか一方のデューティ比を100%とし、他方のデューティ比を(指令デューティ比−50%)×2とし、前記指令デューティ比が50%よりも低く最低デューティ比よりも高いときに、前半周期と後半周期とのいずれか一方のデューティ比を指令デューティ比×2のデューティ比とし、前記指令デューティ比が最低デューティ比よりも低いときに、前半周期と後半周期とのいずれか一方のデューティ比を最低デューティ比×2として正方向に電流を流し、他方のデューティ比を(最低デューティ比−指令デューティ比)×2として逆方向に電流を流す、請求項(ロ)記載のブラシレスモータの駆動装置。
上記発明によると、指令デューティ比が50%よりも高いか否かに応じて、前半周期と後半周期とのいずれか一方でPWM出力を発生させるか、双方でのデューティ比の合計として指令デューティ比を実現するかを選択する。更に、指令デューティ比が最低デューティ比を下回る場合には、非通電相の電圧検出などが行えなくなる場合があるので、最低デューティ比で正方向に電流を流すと共に、この最低デューティ比での制御で指令デューティ比を超える分だけ逆方向に電流を流して、最低デューティ比を下回る指令デューティ比での駆動を実現させる。
(ニ)
PWM制御により多相ブラシレスモータを駆動する駆動装置であって、非通電相に誘起されるパルス誘起電圧に応じてパルス電圧を印加する相を順次切り替える駆動装置において、
PWMキャリアの周波数を、前記ブラシレスモータを駆動するPWM周波数の2倍とし、
PWM周期の1周期を構成するPWMキャリアの2周期のうちの前半周期で正方向に電流を流すパルス電圧を印加し、後半周期で負方向に電流を流すパルス電圧を印加する、ブラシレスモータの駆動装置。
上記発明によると、PWM周期の1周期はPWMキャリアの2周期で構成されるから、正方向に電流を流すパルス電圧のためのデューティ比設定と、正方向に電流を流すパルス電圧のためのデューティ比設定とを、PWMキャリアの谷タイミング又は山タイミングのいずれか一方で行わせることができ、デューティ比の変更タイミングが谷タイミング又は山タイミングのいずれか一方に限定されるマイクロコンピュータを用い、低回転域でブラシレスモータを駆動できる。
1…電動オイルポンプ、2…ブラシレスモータ、3…モータ制御装置、212…モータ駆動回路、213…制御ユニット、213a…A/D変換器、213b…マイコン、215u,215v,215w…巻線、216…永久磁石回転子、217a〜217f…スイッチング素子

Claims (3)

  1. 多相ブラシレスモータを駆動する駆動装置であって、
    前記駆動装置は、
    PWM周期の1周期当たりのオン時間割合である指令デューティ比に応じた値とPWMキャリアの値とを比較してスイッチング制御するPWM制御と、パルス電圧を印加する相の選択パターンを非通電相に誘起されるパルス誘起電圧に応じて順次切り替える制御とを行うとともに、
    前記PWMキャリアの周期を前記PWM周期の半分に設定し、
    前記指令デューティ比が設定デューティ比(<50%)を下回るとき、前記PWM周期の1周期を構成する前記PWMキャリアの2周期のうちの一方周期において、前記設定デューティ比に相当する時間だけ前記選択パターンに対応する方向に電流を流し、他方周期において前記指令デューティ比と前記設定デューティ比との差に相当する時間だけ前記選択パターンに対応する方向とは逆方向に電流を流す、ブラシレスモータの駆動装置。
  2. 前記駆動装置は、
    前記PWMキャリアの谷タイミングと山タイミングとのいずれか一方で、通電時間を制御する、請求項1記載のブラシレスモータの駆動装置。
  3. 前記駆動装置は、
    前記指令デューティ比が50%以上であるときに、前記PWM周期の1周期を構成する前記PWMキャリアの2周期のうちの一方周期でのデューティ比を100%に制御するとともに、他方周期でのデューティ比を前記指令デューティ比と50%との差の2倍に制御し、
    前記指令デューティ比が50%を下回り前記設定デューティ比以上であるときに、前記PWM周期の1周期を構成する前記PWMキャリアの2周期のうちの一方周期でのデューティ比を前記指令デューティ比の2倍に制御するとともに、他方周期でのデューティ比を0%に制御し、
    前記指令デューティ比が前記設定デューティ比を下回るときに、前記PWM周期の1周期を構成する前記PWMキャリアの2周期のうちの一方周期でのデューティ比を前記設定デューティ比の2倍に制御するとともに、他方周期でのデューティ比を前記設定デューティ比と前記指令デューティ比との差の2倍に制御する、
    請求項1又は請求項2記載のブラシレスモータの駆動装置。
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