JP6408403B2 - 車両用モータの駆動装置 - Google Patents

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Description

本発明は、例えばオイルポンプを駆動するモータなどの車両用モータをPWM制御によって駆動する車両用モータの駆動装置に関する。
特許文献1には、入力電圧やインバータへの供給電圧、負荷状態に応じてキャリア周波数を切り替えることで騒音や振動を抑制する、ブラシレスDCモータの駆動方法が開示されている。
特開2004−328912号公報
ところで、騒音対策のためにキャリア(三角波)の周波数をより高く変更した場合、キャリアに同期して実施される制御処理の周期が短くなることで、制御装置(マイクロコンピュータ)の処理負荷が増加する。また、キャリア周波数を高くすれば、インバータにおけるスイッチング周波数が上昇し、スイッチング素子の発熱量が増加する。
更に、低機能なマイクロコンピュータでは、動作中にキャリア周波数を切り替えることができないものがあり、騒音対策としてキャリア周波数の切替え処理を適用することができない場合があった。
本発明は上記問題点に鑑みなされたものであり、低機能なマイクロコンピュータにも適用でき、かつ、マイクロコンピュータの処理負荷の増大やスイッチング素子の発熱量の増加を抑制しつつモータ騒音を低減した運転が可能な車両用モータの駆動装置を提供することを目的とする。
そのため、本願発明に係る車両用モータの駆動装置は、その一態様において、モータ通電周波数をキャリア周波数の1倍と2倍とに切り替える制御部を備え、前記制御部は、キャリアの1周期当たりのオン時間割合である指令デューティがX(%)であるときに、通電上流側相のデューティを0(%)に設定し通電下流相のデューティをX(%)に設定して倍率を1倍とし、通電上流側相のデューティを(100−X)/2(%)に設定し通電下流相のデューティを100−((100−X)/2)(%)に設定して前記倍率を2倍とする。
また、本願発明に係る車両用モータの駆動装置は、その一態様において、モータ通電周波数をキャリア周波数の1倍と2倍とに切り替える制御部を備え、前記制御部は、キャリアの1周期で通電を1回行って倍率を1倍とし、前記キャリアの1周期の前半での1回の通電と後半での1回の通電との2回通電を行って前記倍率を2倍とし、前記キャリアの1周期の前半での通電時間と後半での通電時間とのいずれか一方で前記車両用ブラシレスモータの開放相の電圧を検出して通電モードの切り替えを行う。
また、本願発明に係る車両用モータの駆動装置は、その一態様において、モータ通電周波数をキャリア周波数の1倍と2倍とに切り替える制御部を備え、前記制御部は、前記車両用ブラシレスモータの開放相の電圧に基づいて通電モードの切り替えタイミングを検出して通電モードの切り替えを行い、前記通電モードを切り替るときに倍率を切り替える。
上記発明によると、キャリア周波数を変更することなくモータ通電周波数を切り替えてモータ騒音の低減を図ることが可能となるから、低機能なマイクロコンピュータで構成される制御装置にも適用でき、また、モータ騒音の低減に伴う処理負荷の増大やスイッチング素子の発熱量の増加を抑制できる。
本発明の実施形態における油圧ポンプシステムの構成を示すブロック図である。 本発明の実施形態におけるモータ制御装置及びブラシレスモータの構成を示す回路図である。 本発明の実施形態における制御ユニットの機能ブロック図である。 本発明の実施形態におけるPWM制御の概略を説明するためのタイムチャートである。 本発明の実施形態におけるモータ通電周波数の切替え処理の流れを示すフローチャートである。 本発明の実施形態におけるモータ通電周波数の切替えに伴う電圧検出タイミングの切替えを示すタイムチャートである。 本発明の実施形態におけるモータ通電周波数の切替えに伴う電圧検出タイミングの周期変化を示すタイムチャートである。 本発明の実施形態におけるパターンAでの通電制御を例示するタイムチャートである。 本発明の実施形態におけるパターンBでの通電制御を例示するタイムチャートである。 本発明の実施形態におけるパターンCでの通電制御を例示するタイムチャートである。 本発明の実施形態におけるパターンDでの通電制御を例示するタイムチャートである。 本発明の実施形態におけるパターンEでの通電制御を例示するタイムチャートである。 本発明の実施形態におけるパターンFでの通電制御を例示するタイムチャートである。 本発明の実施形態における主周期及び補正周期での通電制御の流れを示すフローチャートである。 本発明の実施形態における主周期及び補正周期での通電制御の流れを示すフローチャートである。 本発明の実施形態におけるパターンA〜Fの切替え制御の流れを示すフローチャートである。 本発明の実施形態におけるパターンF’での通電制御を例示するタイムチャートである。
以下に本発明の実施の形態を説明する。
以下では、本発明に係る車両用モータの駆動装置の一例として、車両用自動変速機の油圧ポンプシステムを構成するブラシレスモータの駆動に適用した例を説明する。
図1に示す油圧ポンプシステムは、変速機構7やアクチュエータ8にオイルを供給するオイルポンプとして、車両の動力源である内燃機関12の出力により駆動される機械式オイルポンプ6と、ブラシレスモータで駆動される電動オイルポンプ1とを備えている。
そして、電動オイルポンプ1は、例えば、内燃機関12がアイドルストップ制御などにより一時停止して機械式オイルポンプ6が停止したときに駆動されて機械式オイルポンプ6に代わってオイルの供給を行ったり、機械式オイルポンプ6の駆動中に駆動されて補助的にオイル供給を行ったりする。
電動オイルポンプ1は、ブラシレスモータ(3相同期電動機)2により駆動され、ブラシレスモータ2は、駆動装置としてのモータ制御装置(MCU)3によって制御される。
モータ制御装置3は、AT制御装置(ATCU)4からの指令に基づいてブラシレスモータ2を駆動制御する。
ブラシレスモータ2で駆動される電動オイルポンプ1は、オイルパン10のオイルを吸引して、オイル配管5を介して変速機構7やアクチュエータ8に供給する。変速機構7やアクチュエータ8に供給されたオイルはオイルパン10に戻されて再度電動オイルポンプ1によって吸引され、オイルの閉回路を循環する。
電動オイルポンプ1の下流側のオイル配管5には、逆止弁11が配設されている。
なお、上記の自動車用自動変速機の油圧ポンプシステムは、ブラシレスモータを用いる車両システムの一例であり、ブラシレスモータをアクチュエータとして用いる種々の車両用システムに本願発明に係る駆動装置を適用することができる。
例えば、ハイブリッド車両などにおいてエンジンの冷却水の循環に用いる電動ウォータポンプを駆動するブラシレスモータを、本願発明に係る駆動装置によって駆動することができる。
図2は、ブラシレスモータ2及びモータ制御装置3の一例を示す回路図である。
ブラシレスモータ2を駆動する駆動装置であるモータ制御装置3は、モータ駆動回路212と制御ユニット213とを備え、制御ユニット213はAT制御装置4との間で通信を行う。制御ユニット213は、A/D変換器213aやマイクロプロセッサ(CPU,MPUなど)などを含んで構成されるマイクロコンピュータ(マイコン)213bを備える。
ブラシレスモータ2は、3相DCブラシレスモータであり、スター結線されるU相、V相及びW相の3相巻線215u、215v、215wを、図示省略した円筒状の固定子に備え、該固定子の中央部に形成した空間に永久磁石回転子(ロータ)216を回転可能に備える。
モータ駆動回路212は、逆並列のダイオード218a〜218fを含んでなるスイッチング素子217a〜217fを3相ブリッジ接続したインバータ回路212aと、電源回路219とを有する。スイッチング素子217a〜217fは例えばFETで構成される。
スイッチング素子217a〜217fの制御端子(ゲート端子)は、制御ユニット213に接続され、制御ユニット213は、スイッチング素子217a〜217fのオン、オフを三角波比較方式のパルス幅変調(Pulse Width Modulation:PWM)によって制御してブラシレスモータ2に印加する電圧を制御する。
三角波比較方式のPWM制御においては、三角波(キャリア)と、指令デューティ比(指令パルス幅)に応じて設定されるPWMタイマ(PWMデューティ)とを比較することで、各スイッチング素子217a〜217fをオン、オフさせるタイミングを検出する。
なお、PWMタイマの値は、デューティ比が大きいほど大きな値に設定され、デューティ100%では最大値、デューティ0%では最小値(零)に設定される。
ブラシレスモータ2は回転子の位置情報を検出するセンサを備えず、制御ユニット213は、ブラシレスモータ2の駆動制御を回転子の位置情報を検出するセンサを用いないセンサレス駆動方式によって行い、更に、制御ユニット213は、センサレスでの駆動方式をモータ回転速度に応じて正弦波駆動方式と矩形波駆動方式とに切り替える。
正弦波駆動方式は、各相に正弦波電圧を加えてブラシレスモータ2を駆動する方式である。この正弦波駆動方式では、制御ユニット213は、回転子が回転することによって発生する誘起電圧(速度起電圧)から回転子の位置情報を得る一方、速度起電圧による回転子位置の検出周期の間で、モータ回転速度に基づき回転子位置を推定し、推定した回転子位置とPWMデューティとから3相出力設定値を算出し、相間電圧の差で電流の向きと強さとを制御して3相交流電流を各相に流す。
また、矩形波駆動方式は、3相のうちでパルス電圧を印加する2相の選択パターン(通電モード)を所定の回転子位置毎に順次切り替えることでブラシレスモータ2を駆動する方式である。
この矩形波駆動方式では、制御ユニット213は、通電相に対するパルス状の電圧印加によって非通電相(開放相)に誘起される電圧(変圧器起電圧、パルス誘起電圧)から回転子の位置情報を得て、通電相の選択パターンである通電モードの切り替えタイミングを検出する。
ここで、正弦波駆動方式において位置検出のために検出する速度起電圧は、モータ回転速度の低下に伴って出力レベルが低下し、低回転域では位置検出の精度が低下する。一方、矩形波駆動方式において位置検出のために検出するパルス誘起電圧は、モータ停止状態を含む低回転域においても検出可能であり、低回転域でも位置検出の精度を維持できる。
そこで、制御ユニット213は、正弦波駆動方式で位置情報を十分な精度で検出できる高回転領域、つまり、設定値よりもモータ回転速度が高い領域では、正弦波駆動方式でブラシレスモータ2を制御する。
また、制御ユニット213は、正弦波駆動方式では十分な精度で位置情報を検出できない低回転領域では、矩形波駆動方式でブラシレスモータ2を制御する。なお、正弦波駆動方式では十分な精度で位置情報を検出できない低回転領域には、設定値よりもモータ回転速度が低い領域、及び、モータの起動時が含まれる。
更に、制御ユニット213は、ブラシレスモータ2のPWM制御において、例えば、モータ回転速度の検出値と目標モータ回転速度との偏差に応じてPWM制御のデューティ比を決定して、実際のモータ回転速度を目標モータ回転速度に近づける。
以下では、矩形波駆動方式によるブラシレスモータ2の駆動制御を詳述する。
図3は、矩形波駆動方式での駆動制御を実施する制御ユニット213の機能ブロック図である。
制御ユニット213は、PWM発生部251、ゲート信号切替部252、通電モード決定部253、比較部254、電圧閾値切替部255、電圧閾値学習部256、非通電相電圧選択部257を備えている。
PWM発生部251は、印加電圧指令(指令電圧)に基づき、三角波比較方式によってパルス幅変調されたPWM波を生成する。
通電モード決定部253は、モータ駆動回路212における通電モードを決定するモード指令信号を出力するデバイスであり、比較部254が出力するモード切替トリガ信号をトリガとして通電モードを6通りに切り替える。
通電モードとは、ブラシレスモータ2のU相、V相、W相の3相のうちでパルス電圧を印加する2相の選択パターンを示す。
通電モードとして、U相からV相に向けて電流を流す第1通電モードM1、U相からW相に向けて電流を流す第2通電モードM2、V相からW相に向けて電流を流す第3通電モードM3、V相からU相に向けて電流を流す第4通電モードM4、W相からU相に向けて電流を流す第5通電モードM5、W相からV相に向けて電流を流す第6通電モードM6の6種類の通電モードが設定される。
そして、通電モード決定部253は、比較部254が出力するモード切替トリガ信号に応じて、第1通電モードM1〜第6通電モードM6のいずれか1つを指令するモード指令信号を出力する。
ゲート信号切替部252は、モータ駆動回路212の各スイッチング素子217a〜217fがどのような動作でスイッチングするかを、通電モード決定部253の出力であるモード指令信号に基づいて決定し、該決定に従い6つのゲートパルス信号をモータ駆動回路212に出力する。
電圧閾値切替部255は、非通電相のパルス誘起電圧と閾値との比較に基づく通電モードの切り替え制御における前記閾値として、各通電モードに対応する値を順次切り替えて出力し、閾値の切り替えタイミングは、通電モード決定部253の出力であるモード指令信号に基づき決定される。
非通電相電圧選択部257は、モード指令信号に従い、ブラシレスモータ2の3相端子電圧Vu,Vv,Vwの中から非通電相の電圧の検出値を選択し、比較部254及び電圧閾値学習部256に出力する回路である。
尚、非通電相の端子電圧は、厳密にはグランドGND−端子間の電圧であるが、本実施形態では、中性点の電圧を検出し、この中性点の電圧とグランドGND−端子間電圧との差を求めて、端子電圧Vu,Vv,Vwとする。
比較部254は、電圧閾値切替部255が出力する閾値と、非通電相電圧選択部257が出力する非通電相の電圧検出値(パルス誘起電圧の検出値)とを比較することで、通電モードの切り替えタイミング、換言すれば、通電モードを切り替える所定の回転子位置(磁極位置)になったか否かを検出し、切り替えタイミングを検出したときに通電モード決定部253に向けてモード切替トリガを出力する。
また、電圧閾値学習部256は、通電モードの切り替えタイミングの判定に用いる閾値を更新して記憶するデバイスである。
非通電相のパルス誘起電圧は、ブラシレスモータ2の製造ばらつき、電圧検出回路の検出ばらつきなどによって変動するため、閾値として固定値を用いると通電モードの切り替えタイミングを誤って判定する可能性がある。
そこで、電圧閾値学習部256は、通電モードの切り替えを行う所定磁極位置でのパルス誘起電圧を検出し、当該検出結果に基づいて電圧閾値切替部255が記憶する閾値を修正する閾値の学習処理を実施する。
通電モードは、前述のように6通りの通電モードM1〜M6からなり、制御ユニット213は、これらの通電モードM1〜M6を電気角60deg間隔で設定される切り替え角度位置で順次切り替え、3相のうちパルス電圧(パルス状の電圧)を印加する2相を順次切り替えることでブラシレスモータ2を回転駆動する。
制御ユニット213は、U相のコイルの角度位置を回転子(磁極)の基準位置(角度=0deg)としたときに、回転子の角度位置(磁極位置)が30degであるときに第3通電モードM3から第4通電モードM4への切り替えを行い、回転子角度位置が90degであるときに第4通電モードM4から第5通電モードM5への切り替えを行い、回転子角度位置が150degであるときに第5通電モードM5から第6通電モードM6への切り替えを行い、回転子角度位置が210degであるときに第6通電モードM6から第1通電モードM1への切り替えを行い、回転子角度位置が270degであるときに第1通電モードM1から第2通電モードM2への切り替えを行い、回転子角度位置が330degであるときに第2通電モードM2から第3通電モードM3への切り替えを行う。
ここで、制御ユニット213の電圧閾値切替部255は、通電モードの切り替えを行う回転子の角度位置での非通電相の電圧(パルス誘起電圧)を閾値として更新可能に記憶していて、そのときの通電モードに応じた閾値を出力する。
比較部254は、非通電相の電圧が閾値に達したときに次の通電モードへの切り替えを実施する角度を検出したことを示す信号を出力し、係る信号に基づき通電モード決定部253は通電モードの切り替えを実行する。
そして、制御ユニット213(ゲート信号切替部252)は、例えばU相からV相に向けて電流を流す第1通電モードM1では、図4に示すように、U相上段のスイッチング素子217a(U相の上アーム)をオンに制御する一方で、V相下段のスイッチング素子217d(V相の下アーム)のオン/オフ比率をPWM制御することで、電流を流すU相及びV相の平均印加電圧をPWMデューティによって可変に制御する。
ここで、第1通電モードM1では、U相上段のスイッチング素子217a及びV相下段のスイッチング素子217d以外のスイッチング素子217についてはオフに制御することができるが、本実施形態では、図4に示したように、V相上段のスイッチング素子217c(V相の上アーム)を、V相下段のスイッチング素子217dを駆動するPWM波と逆位相のPWM波で駆動する。
つまり、本実施形態では、通電相の上アームを、通電相の下アームを駆動するPWM波と逆位相のPWM波で駆動する相補制御方式を採用する。
また、本実施形態では、キャリア周波数は12kHzに設定され、キャリアの1周期(83.3μs)当たりのオン時間割合としてPWM制御における指令デューティ比(%)が設定される。
また、制御ユニット213(PWM発生部251)は、図4の時刻t1から時刻t2までの間及び時刻t3以降に示すようにブラシレスモータ2の通電周波数(モータ通電波形の周波数)をキャリア周波数と同じ12kHzとする通電制御と、図4の時刻t2から時刻t3までの間のようにブラシレスモータ2の通電周波数をキャリア周波数の2倍の24kHzとする通電制御とを切り替える通電周波数制御部としての機能をソフトウエア的に備えている。
つまり、通電周波数制御部は、モータ通電周波数をキャリア周波数の1倍と2倍とに切り替える機能を有する。
人間の可聴域は20Hz程度から15kHzないし20kHz程度であり、キャリア周波数の12kHzはこの可聴域の周波数に含まれるため、モータ通電周波数がキャリア周波数と同じ12kHzであると、モータ駆動中にブラシレスモータ2が人間に聞こえる不快な騒音を発生することになる。
特に、内燃機関12がアイドルストップ制御によって一時的に停止したときには、内燃機関12の運転音が無く、また、車両の停止状態であって車体の風切音やタイヤの転がり音などが無いため、内燃機関12の運転中や走行中などに比べてブラシレスモータ2の騒音が際立ち、モータ騒音が乗員に不快感を与える可能性がある。
一方、モータ通電周波数をキャリア周波数の2倍である24kHzとすれば、モータ通電周波数は人間の可聴域を超える高周波となり、車両の乗員などに聞こえるモータ騒音が低下し、アイドルストップ中にブラシレスモータ2を駆動しても、モータ騒音が乗員に与える不快感を低減できる。
そこで、制御ユニット213(PWM発生部251)は、内燃機関12がアイドルストップ制御によって一時停止しているときのような車両においてモータ騒音の低減が要求される所定条件であるときに、モータ通電周波数をキャリア周波数の1倍から2倍に切り替える。
図5は、制御ユニット213によるモータ通電周波数の切替え処理の基本的な流れを示すフローチャートである。
まず、制御ユニット213は、ステップS101で、モータ騒音を低減することが要求される所定条件であるか否かを検出する。
モータ騒音を低減することが要求される所定条件は、例えば、内燃機関12がアイドルストップで停止している状態、内燃機関12のアイドル運転状態、車両の停止状態などである。
なお、例えば、内燃機関12がアイドルストップで停止している状態でも、車両のオーディオ機器が所定以上の音量で動作している場合や、雨が降っていて車体に雨が衝突する音が大きいと推定される場合などを、モータ騒音の低減要求条件から除外することができる。
また、車室内の音をマイクロフォンで検出し、車室内の音の強さ(dB)が所定以下であるときを、モータ騒音を低減することが要求される所定条件とすることができる。
モータ騒音を低減することが要求される所定条件が成立していない場合、換言すれば、モータが可聴域の騒音を発しても係る騒音が他の可聴域の音に比べて十分に弱くモータ騒音を低減させる処理の実行が不要である場合、制御ユニット213は、ステップS102に進み、ブラシレスモータ2のPWM制御におけるモータ通電周波数をキャリア周波数の1倍、つまり、モータ通電周波数をキャリア周波数と同じ12kHzに設定する。
一方、モータ騒音を低減することが要求される所定条件が成立している場合、換言すれば、モータ以外の音が小さくなり相対的にモータ騒音が目立って乗員に不快感を与える可能性がある場合、制御ユニット213は、ステップS103に進み、ブラシレスモータ2のPWM制御におけるモータ通電周波数をキャリア周波数の2倍、つまり、モータ通電周波数を24kHzに設定する。
上記のようにしてモータ通電周波数を、12kHz又は24kHzに設定すると、制御ユニット213は、ステップS104に進み、ブラシレスモータ2(電動オイルポンプ1)の駆動要求があるか否かを判別する。
そして、ブラシレスモータ2(電動オイルポンプ1)の駆動要求がない場合、制御ユニット213は、ステップS105に進み、ブラシレスモータ2の駆動(ブラシレスモータ2への電力供給)を停止する。
一方、ブラシレスモータ2(電動オイルポンプ1)の駆動要求がある場合、制御ユニット213は、ステップS106に進み、ステップS102又はステップS103で設定したモータ通電周波数でモータが通電されるようにPWM制御を行ってブラシレスモータ2を駆動する。
例えば、モータ騒音を低減することが要求される所定条件がアイドルストップ状態である場合、内燃機関12の運転中はモータ通電周波数を12kHzとしてブラシレスモータ2がPWM制御され、係る状態からアイドルストップ条件が成立して内燃機関12が一時的に停止すると、モータ通電周波数が24kHzに切り替えられてブラシレスモータ2がPWM制御される。
前述のように、12kHzは人間の可聴域内の周波数であるが、24kHzは人間の可聴域よりも高い周波数であるから、モータ通電周波数を12kHzから24kHzに切り替えることで、車両の乗員に聞こえるモータ騒音を低減できる。このため、アイドルストップ状態などの車室内が比較的静かな状態のときにモータ通電周波数を12kHzから24kHzに切り替えることで、モータ騒音が乗員に不快感を与えることを抑制できる。
換言すれば、アイドルストップ状態であって機械式オイルポンプ6が停止するときに、機械式オイルポンプ6に代わって電動オイルポンプ1によりオイル供給を行わせ、かつ、電動オイルポンプ1の騒音によって乗員に不快感を与えることを抑制できる。
以下では、モータ通電周波数を24kHzとするPWM制御を詳細に説明する。
PWM制御における指令デューティ比X(%)は、キャリアの1周期(83.3μs)当たりのオン時間割合として設定される。
そして、制御ユニット213は、モータ通電周波数を12kHzとする場合、通電上流相のPWMデューティを0%とし、通電下流相のPWMデューティをX(%)に設定し、キャリア1周期でX(%)のデューティ幅の通電を1回行う。
なお、本願では、通電相の上アームを、通電相の下アームを駆動するPWM波と逆位相のPWM波で駆動する相補制御方式を採用し、通電相のPWMデューティは、通電相の下アームの駆動デューティとして設定され、上アームは下アームの駆動デューティの逆位相の駆動デューティで駆動される。また、例えばU相からV相に向けて電流を流す第1通電モードM1では、U相が通電上流相、V相が通電下流相である。
例えば、U相からV相に向けて電流を流す第1通電モードM1では、図4の時刻t1から時刻t2の間に示すように、通電上流相であるU相の下アームはオフ保持(0%デューティ)に制御され、U相の上アームはオン保持(100%デューティ)に制御され、通電下流相であるV相の下アームはキャリアの谷を中心とするデューティX(%)の時間だけオンに制御され、V相の上アームは、下アームと逆位相でキャリアの谷を中心とするデューティX(%)の時間だけオフに制御される。
係るPWM制御により、V相の下アームのオン期間においてU相からV相に向けて電流が流れ、キャリア1周期でX(%)のデューティ幅の通電が1回だけ行われることになり、モータ通電周波数はキャリア周波数と同じ12kHzになる。
デューティX(%)が50%である場合、通電下流相であるV相の下アームはキャリアの谷を中心としてキャリア周期の50(%)の時間だけオンに制御され、V相の上アームはキャリアの谷を中心としてキャリア周期の50(%)の時間だけオフに制御される。
一方、制御ユニット213は、モータ通電周波数を24kHzとする場合、通電上流相のPWMデューティを(100−X)/2(%)に設定し、通電下流相のPWMデューティを100−((100−X)/2)(%)に設定し、キャリア1周期でX/2(%)のデューティ幅の通電を2回、つまり、キャリア半周期でX/2(%)のデューティ幅の通電を1回行う。
なお、100−((100−X)/2)は、(100+X)/2と書き換えることができるが、通電上流相のPWMデューティ=(100−X)/2(%)を、100%から減算した値を、通電下流相のPWMデューティとすることから、上記では、100−((100−X)/2)と記してある。
例えば、U相からV相に向けて電流を流す第1通電モードM1では、図4の時刻t2から時刻t3の間に示すように、通電上流相であるU相の下アームはキャリアの谷を中心とするデューティ(100−X)/2(%)の時間だけオンに制御され、U相の上アームは上アームと逆位相でキャリアの谷を中心とするデューティ(100−X)/2(%)の時間だけオフに制御され、通電下流相であるV相の下アームはキャリアの谷を中心とするデューティ100−((100−X)/2)(%)の時間だけオンに制御され、V相の上アームは下アームと逆位相でキャリアの谷を中心とするデューティ100−((100−X)/2)(%)の時間だけオフに制御される。
デューティX(%)が50%である場合、通電上流相であるU相の下アームはキャリアの谷を中心としてキャリア周期の25(%)の時間だけオンに制御され、U相の上アームはキャリアの谷を中心としてキャリア周期の25(%)の時間だけオフに制御され、通電下流相であるV相の下アームはキャリアの谷を中心としてキャリア周期の75(%)の時間だけオンに制御され、V相の上アームはキャリアの谷を中心としてキャリア周期の75(%)の時間だけオフに制御される。
係るPWM制御により、通電下流相であるV相の下アームがオンとなる期間と、U相の上アームがオンとなる期間とが重なる期間でU相からV相に向けて電流が流れることになる。
ここで、U相の上アームはキャリアの谷を中心としてオフになる期間が設定されることで、重複期間がキャリア1周期の前半周期と後半周期とに分かれ、前半周期でX/2(%)のデューティ幅の通電が1回行われ、後半周期でもX/2(%)のデューティ幅の通電が1回行われることになる。つまり、キャリアの1周期において、X/2(%)のデューティ幅の通電が2回に行われることになり、モータ通電周波数はキャリア周波数の2倍の24kHzになる。
なお、本願において、キャリアの1周期はキャリアの山タイミングから次の山タイミングまでの期間であり、前半周期とは三角波の下り期間、後半期間とは三角波の上り期間である。
上記のように、制御ユニット213は、キャリア周波数を一定(12kHz)に保ったまま、指令デューティXに基づく上アーム及び下アームのPWMデューティの設定を切替えることで、モータ通電周波数をキャリア周波数の1倍と2倍とに切り替えることができる。
従って、制御ユニット213に内蔵されるマイクロコンピュータが、動作中にキャリア周波数を変更できない低機能なマイクロコンピュータであっても、モータ通電周波数を12kHzと24kHzとに切り替えることができる。
また、制御ユニット213は、キャリア周波数を変更することなくモータ通電周波数を12kHzと24kHzとに切り替えることができるから、キャリア周期に同期したモータ制御周期が短くなることがなく、モータ通電周波数を24kHzに切り替えても制御ユニット213の処理負荷が増えることを抑制できる。
なお、制御ユニット213は、キャリアの谷タイミング毎、つまり、キャリア周期毎に指令デューティXの演算処理や通電モードの決定処理などを含むモータ制御処理を実施するよう構成されている。
更に、モータ通電周波数を24kHzに切り替えても、インバータ回路212aを構成するスイッチング素子217a〜217fのスイッチング周波数が上昇せず、スイッチング周波数の上昇によるスイッチング素子217a〜217fの発熱量の増加を抑制できる。
ところで、制御ユニット213は、ブラシレスモータ2のセンサレス制御において、開放相の電圧を検出するが、上記のようにモータ通電周波数をキャリア周波数の1倍と2倍とに切り替える場合、図6に示すタイミングで開放相の電圧検出を行うことができる。
図6に示す例では、制御ユニット213は、モータ通電周波数がキャリア周波数の1倍(12kHz)であるときに、キャリアの谷タイミング(図6の時刻t1)にてモータ制御処理(指令デューティの演算など)とともに開放相の電圧検出を行う。
また、図6に示す例では、制御ユニット213は、モータ通電周波数がキャリア周波数の2倍(24kHz)であるときに、キャリア1周期の前半周期、詳細には、前半周期での通電期間の中央付近のタイミング(図6の時刻t2、時刻t4)にて開放相の電圧検出を行い、その直後のキャリアの谷タイミング(図6の時刻t3)にてモータ制御処理(指令デューティの演算など)を実施する。
なお、制御ユニット213は、キャリアの山タイミングをモータ制御処理のタイミングとする場合、キャリア1周期の後半周期、詳細には、後半周期での通電期間の中央付近のタイミングにて開放相の電圧検出を行い、その直後のキャリアの山タイミングにてモータ制御処理(指令デューティの演算など)を実施する。
つまり、制御ユニット213は、モータ通電周波数をキャリア周波数の2倍(24kHz)に切り替えた後も、キャリア1周期毎に開放相の電圧検出を行う。
また、図7は、モータ通電周波数の切替えによる開放相電圧のサンプリング周期の変化を例示する。この図7に示すように、モータ通電周波数の切替えを実施すると、開放相電圧のサンプリング周期が変化し、1つの通電モードで通電制御している途中でモータ通電周波数の切替えを行うと、開放相電圧の検出値に基づく通電モードの切り替えタイミングの検出精度が低下する場合がある。
そこで、制御ユニット213は、1つの通電モードの途中ではモータ通電周波数の切替えを実施せずに、次の通電モードへの切り替えまで待ってモータ通電周波数の切替えを実施し、1つの通電モードの途中で開放相電圧のサンプリング周期が変化することを抑制する。
また、開放相電圧の検出値に基づき通電モードの切り替えタイミングを検出するセンサレス制御においては、制御ユニット213のマイクロコンピュータは開放相電圧の検出値をA/D変換して読み込むが、A/D変換処理には時間を要し、また、通電の立ち上がり時には開放相電圧の変動が発生して電圧検出精度が低下する。
そのため、制御ユニット213は、電圧の変動期間が経過してからA/D変換を開始し、かつA/D変換処理時間が経過するまで通電を継続させる必要が生じ、「電圧の変動期間+A/D変換処理時間」から開放相電圧の検出を行うための最低通電時間(最低デューティ)が決まる。
以下では、指令デューティに応じた通電を行わせつつ、最低デューティ以上のデューティとして開放相の電圧を検出させる処理を説明する。
図8−図10は、モータ通電周波数がキャリア周波数の1倍(12kHz)であるときに、最低デューティZ(%)の通電を行わせて開放相の電圧を検出させる制御パターンの一例を示す。なお、図8−図10は、最低デューティZ(%)を20%と仮定した例であり、U相からV相に電流を流す第1通電モードM1でのデューティ制御の例である。
図8はパターンAにおけるデューティの設定例を示す。図8の場合、指令デューティX(%)=50%であり、指令デューティXは最低デューティZ(%)=20%よりも大きいから、制御ユニット213は、指令デューティX(%)=50%による通電をキャリアの1周期毎に1回行わせ、かつ、キャリアの1周期毎に開放相の電圧検出を行う。
また、例えば、指令デューティX(%)が最低デューティZ(%)=20%よりも小さい15%である場合、キャリアの1周期毎に指令デューティX(%)=15%での通電を行うと、各通電におけるデューティが最低デューティZ(%)=20%を下回り、開放相の電圧検出を行えなくなってしまう。
そこで、制御ユニット213は、指令デューティX(%)が最低デューティZを下回る場合は、図9のパターンBに示すように、最低デューティZでの通電を行うキャリア1周期(主周期)と、主周期でのデューティの過剰分を補正するデューティで通電を行うキャリア1周期(補正周期)とを交互に設定する。
例えば、図9に示す例では、主周期において20%デューティで通電させ、補正周期において10%デューティで通電させることで、平均的なデューティは、平均デューティ=(20%+10%)/2=15%となり、指令デューティX(%)=15%に対応する通電が行われる。
そして、デューティ20(%)での通電を行う主周期のときには、最低デューティZ(%)=20%以上の条件を満たすので、制御ユニット213は、主周期のときに開放相の電圧検出を行い、デューティ10(%)で通電を行わせる補正周期のときには開放相の電圧検出を行わず、キャリアの2周期に1回の割合で開放相の電圧検出を行う。
つまり、主周期では、最低デューティZ(%)=20%以上のデューティで通電を行わせて開放相の電圧検出を可能とし、補正周期では、20%を下回るデューティで通電を行わせることで、平均的には最低デューティZ(%)を下回るデューティでの通電を可能にできる。
但し、主周期での通電をデューティ20(%)で行わせ、補正周期での通電をデューティ0(%)で行わせた場合の平均デューティである10%が、図9に例示した通電制御(パターンB)における最小平均デューティとなり、10%を下回る指令デューティでの通電を実現できない。
そこで、指令デューティXがZ/2を下回る場合には、制御ユニット213は、図10に例示するパターンCで通電制御を行う。
図10のパターンCにおいて、指令デューティX(%)=5%であり、主周期では、最低デューティZ(%)=20%以上のデューティで通電を行わせて開放相の電圧検出を可能とする。
一方、補正周期では、U相からV相に電流を流す第1通電モードであるが逆にV相からU相に電流を流すように、V相のデューティを0%としU相のデューティを10%に設定し、第1通電モードにおける電流の向きと逆方向の電流の流れをマイナスとすれば、補正周期で−10%に相当する通電を行わせる。
つまり、主周期でデューティ20(%)(最低デューティZ)の通電を行わせ、補正周期で−10%の通電を行わせることで、キャリア2周期(主周期と補正周期)の平均デューティが、(20%−10%)/2=5%になって、指令デューティX(%)=5%での通電を行え、主周期におけるデューティ20(%)の通電において開放相の電圧検出を行わせる。
このように、主周期でデューティ20(%)(最低デューティZ)の通電を行わせ、補正周期でそのときの通電モードにおける電流の流れと逆方向に電流を流すデューティを設定することで、開放相の電圧検出を可能としつつ10%を下回る指令デューティでの通電を実現できる。
一方、図11−図13は、モータ通電周波数がキャリア周波数の2倍(24kHz)であるときに、最低デューティZ(%)の通電を行わせて開放相の電圧を検出させる処理の一例を示す。なお、図11−図13は、最低デューティZ(%)を20%と仮定した例であり、U相からV相に電流を流す第1通電モードM1でのデューティ制御の例である。
図11に例示したパターンDは、指令デューティXが最低デューティZ(%)=20%よりも大きい50%のときのデューティ特性を示す。この場合は、通電上流相のPWMデューティを(100−X)/2=(100−50)/2=25%に設定し、通電下流相のPWMデューティを(100+X)/2=(100+50)/2=75(%)に設定する。
これにより、キャリア1周期でX/2=50/2=25%のデューティ幅の通電が2回行われ、キャリア1周期での合計デューティが指令デューティXになるとともに、各通電のデューティが最低デューティZよりも大きくなって、主周期及び補正周期の前半周期で開放相の電圧を検出させることができる。
つまり、「指令デューティX/2≧最低デューティZ」を満たす指令デューティXのときには、通電上流相のPWMデューティを(100−X)/2(%)に設定し、通電下流相のPWMデューティを(100+X)/2(%)に設定する基本特性のままで、開放相の電圧検出が可能である。
これに対し、指令デューティXが「指令デューティX/2≧最低デューティZ」を満たさない場合、例えば、最低デューティZが20%であるときに指令デューティXが40%未満である場合に、各キャリア周期の前半周期及び後半周期でX/2(%)のデューティ幅の通電を行わせると、各通電が最低デューティZを下回るデューティで実施されることになり、いずれの通電においても開放相の電圧を検出させることができなくなる。
そこで、指令デューティXが「指令デューティX/2≧最低デューティZ」を満たさない場合は、制御ユニット213は、図12又は図13に例示するようにして通電制御を行う。
図12のパターンEは、指令デューティXが30%であるときの通電制御を示す。
図12のパターンEにおいて、主周期では、前半周期及び後半周期で最低デューティZ=20(%)のデューティ幅の通電が行われるように、通電上流相のPWMデューティを(100−2Z)/2=(100−2*20)/2=30%に設定し、通電下流相のPWMデューティを(100+2Z)/2=(100+2*20)/2=70%に設定する。
一方、主周期と補正周期との合計デューティが指令デューティXの2倍のデューティになるように、補正周期における通電上流相のPWMデューティを(100−2*(X−Z))/2=(100−2*10)/2=40%に設定し、通電下流相のPWMデューティを(100+2*(X−Z))/2=(100+2*10)/2=60%に設定する。
これにより、主周期では最低デューティZ=20(%)のデューティ幅の通電が2回行われて合計の通電時間は40%デューティとなり、補正周期では10%のデューティ幅の通電が2回行われて合計の通電時間は20%デューティとなるから、主周期及び補正周期での平均デューティは、(40+20)/2=30%となり、指令デューティX=30%を実現できる。
また、主周期では、最低デューティZでの通電が行われるから、主周期の前半周期の通電において開放相の電圧を検出させることができる。
図12に示したパターンEの場合、主周期は、最低デューティZ=20%での通電を2回行わせて合計40%デューティだけ通電させるから、補正周期の通電を零にしても、実現可能な平均デューティの下限は最低デューティZ=20%となり、最低デューティZを下回る指令デューティXを実現できない。
そこで、最低デューティZを下回る指令デューティXの場合、制御ユニット213は、図13のパターンFに示すように通電制御する。
図13のパターンFは、指令デューティXが5%であるときの例であり、主周期では、パターンEと同様に、前半周期及び後半周期で最低デューティZ=20(%)のデューティ幅の通電が行われるように、通電上流相のPWMデューティを(100−2Z)/2=(100−2*20)/2=30%に設定し、通電下流相のPWMデューティを(100+2Z)/2=(100+2*20)/2=70%に設定する。
一方、補正周期では、前半周期及び後半周期において15%デューティで第1通電モードとは逆のV相からU相に電流を流すように、通電上流相であるV相のPWMデューティを(100+2*(Z−X))/2=(100+2*(20−5))/2=65%とし、通電下流相であるU相のPWMデューティを(100−2*(Z−X))/2=(100−2*(20−5))/2=35%に設定する。
これにより、主周期では20%+20%=40%デューティに相当する時間だけ通電が行われ、補正周期では、第1通電モードの通電方向とは逆方向に電流が流れるので、電流の逆向きをデューティのマイナスとして表せば、−15%−15%=−30%デューティに相当する時間だけ通電が行われ、主周期と補正周期との平均デューティは(40%−30%)/2=5%となり、指令デューティXに相当するデューティで通電されることになる。
そして、主周期の前半周期における20%デューティでの通電時に開放相の電圧を検出させることができる。
以下では、制御ユニット213によって実施される、最低デューティZ以上のデューティによる通電を確保して開放相の電圧を検出させる通電制御の流れを、図14、図15のフローチャートを参照しつつ説明する。
なお、図14、図15のフローチャートに示すルーチンは、キャリアの谷タイミング毎に制御ユニット213によって割り込み実行されるよう構成されている。
制御ユニット213は、ステップS301で、今回のキャリア周期が主周期のタイミングであるか否かを判別する。具体的には、制御ユニット213は、キャリア1周期毎にカウントアップされる周期カウンタの値に基づき主周期と補正周期とを交互に割り付ける。
そして、主周期のタイミングであれば、制御ユニット213は、ステップS302に進み、通電期間において開放相電圧をA/D変換して読み込む。
次いで、制御ユニット213は、ステップS303に進み、開放相電圧からモータ位置の推定を行い、次のステップS304では、モータ位置の推定結果に基づき通電モードを決定する。
そして、制御ユニット213は、ステップS305に進み、通電モードの切り替わりタイミングであるか否かを判別し、通電モードを切り替えないとき(前回と同じ通電モードが決定されたとき)には、ステップS306を迂回してステップS307に進む。
一方、通電モードを切り替えるときには、制御ユニット213はステップS306に進み、モータ通電周波数を、キャリア周波数の1倍(12kHz)からキャリア周波数の2倍(24kHz)に、若しくは、キャリア周波数の2倍(24kHz)からキャリア周波数の1倍(12kHz)に切り替える要求があれば、モータ通電周波数の設定を更新する。
例えば、1つの通電モードの途中でアイドルストップが実施された場合、制御ユニット213は、通電モードの切り替わりを待って、モータ通電周波数をキャリア周波数の1倍(12kHz)からキャリア周波数の2倍(24kHz)に切り替える。
ステップS307で制御ユニット213は、通電上流相のPWMデューティ、通電下流相のPWMデューティの算出を行う。なお、このステップS307におけるデューティ算出処理については、後で詳細に説明する。
次いで、制御ユニット213は、ステップS308に進み、図8に例示したパターンAでの通電制御を実施する条件であるか否かを判定する。つまり、モータ通電周波数がキャリア周波数の1倍(12kHz)であり、かつ、指令デューティXが最低デューティZ以上であれば、パターンAでの通電制御を実施でき、制御ユニット213は、パターンAでの通電制御を実施する条件が成立していると判定する。
パターンAでの通電制御を実施する条件が成立している場合、制御ユニット213は、ステップS309に進み、開放相の電圧検出のタイミングを次のキャリア周期(補正周期)の谷タイミングに設定する。
一方、パターンAでの通電制御を実施する条件が成立していない場合、制御ユニット213は、ステップS310に進み、図11に例示したパターンDでの通電制御を実施する条件であるか否かを判定する。
つまり、モータ通電周波数がキャリア周波数の2倍(24kHz)であり、かつ、指令デューティXが最低デューティZの2倍以上であれば、パターンDでの通電制御を実施でき、制御ユニット213は、パターンDでの通電制御を実施する条件が成立していると判定する。
パターンDでの通電制御を実施する条件が成立している場合、制御ユニット213は、ステップS311に進み、開放相の電圧検出のタイミングを次のキャリア周期(補正周期)の前半周期の中央付近に設定する。
開放相の電圧検出のタイミング設定を行うと、制御ユニット213は、ステップS312に進み、通電上流相、通電下流相の制御デューティとして補正周期のデューティを設定し、次周期である補正周期での通電に備える。
次いで、制御ユニット213は、ステップS313に進み、周期カウンタを1に増加させることで、次回のステップS301の判定で補正周期のタイミングであると判別されるようにする。
制御ユニット213は、ステップS301で補正周期のタイミングであることを判別すると、ステップS314に進み、図8に例示したパターンA又は図11に例示したDでの通電制御を実施する条件であるか否かを判定する。
パターンA,D以外のパターンでは、補正周期において開放相電圧のサンプリングを行わないので、制御ユニット213は、ステップS315−ステップS319を迂回してステップS320に進む。
一方、パターンA,Dでは、補正周期において開放相電圧のサンプリングを実施するので、制御ユニット213は、ステップS315に進んで、通電期間において開放相電圧をA/D変換して読み込む。
次いで、制御ユニット213は、ステップS316に進み、開放相電圧からモータ位置の推定を行い、次のステップS317では、モータ位置の推定結果に基づき通電モードを決定する。
そして、制御ユニット213は、ステップS318に進み、通電モードの切り替わりタイミングであるか否かを判別し、通電モードを切り替えないときには、ステップS319を迂回してステップS320に進む。
一方、通電モードを切り替えるときには、制御ユニット213はステップS319に進み、モータ通電周波数を、キャリア周波数の1倍(12kHz)からキャリア周波数の2倍(24kHz)に、若しくは、キャリア周波数の2倍(24kHz)からキャリア周波数の1倍(12kHz)に切り替える要求があれば、モータ通電周波数の設定を更新する。
ステップS320で、制御ユニット213は、通電上流相のPWMデューティ、通電下流相のPWMデューティの算出を行う。なお、このステップS320におけるデューティ算出処理については、後で詳細に説明する。
次いで、ステップS321で、制御ユニット213は、モータ通電周波数がキャリア周波数の1倍であるか2倍であるかを判別する。
そして、モータ通電周波数がキャリア周波数の1倍である場合、制御ユニット213は、ステップS322に進み、開放相の電圧サンプリングタイミングを、次のキャリア周期(主周期)の谷タイミングに設定する。
一方、モータ通電周波数がキャリア周波数の2倍である場合、制御ユニット213は、ステップS323に進み、開放相の電圧サンプリングタイミングを、次のキャリア周期(主周期)の前半周期の中央付近に設定する。
開放相の電圧検出のタイミング設定を行うと、制御ユニット213は、ステップS324に進み、通電上流相、通電下流相の制御デューティとして主周期のデューティを設定し、次周期である主周期での通電に備える。
次いで、制御ユニット213は、ステップS325に進み、周期カウンタを0にリセットすることで、次回のステップS301の判定で主周期のタイミングであると判別されるようにする。
図16のフローチャートは、上記のステップS307、ステップS320におけるデューティ算出処理の流れを示す。
ステップS501で、制御ユニット213は、開放相の電圧検出のために要求される最低デューティをデューティZに設定し、次いで、ステップS502では、指令デューティをデューティXに設定する。
制御ユニット213は、ステップS503に進み、モータ通電周波数がキャリア周波数の1倍(12kHz)であるか否かを判別する。
そして、モータ通電周波数がキャリア周波数の1倍(12kHz)である場合、制御ユニット213は、ステップS504に進み、指令デューティXが最低デューティZ以上であるか否かを判別する。
指令デューティXが最低デューティZ以上であって、かつ、モータ通電周波数がキャリア周波数の1倍(12kHz)である場合は、図8に示したパターンAでの通電制御を採用できるので、制御ユニット213は、ステップS505に進み、パターンAで通電制御する場合での通電上流相のPWMデューティ、通電下流相のPWMデューティを算出する。
つまり、制御ユニット213は、ステップS505にて、主周期及び補正周期の双方で、通電上流相のPWMデューティを0%とし、通電下流相のPWMデューティを指令デューティXとする。
一方、モータ通電周波数がキャリア周波数の1倍(12kHz)であるときに、指令デューティXが最低デューティZ未満であると、制御ユニット213は、ステップS506に進み、指令デューティXが最低デューティZの半分の値以上(X≧Z/2)であるか否かを判別する。
例えば、指令デューティXが10%で最低デューティZが20%である場合、主周期において20%デューティで1回の通電を行わせ補正周期で通電を行わなければ、平均デューティは10%になり指令デューティXでの通電を実質的に実現でき、係る通電パターンはパターンBに該当する。
そこで、制御ユニット213は、ステップS507に進み、図9に例示したパターンBで通電制御する場合での通電上流相のPWMデューティ、通電下流相のPWMデューティを算出する。
つまり、制御ユニット213は、ステップS507にて、主周期での通電上流相のPWMデューティを0%とし、主周期での通電下流相のPWMデューティを最低デューティZとし、更に、補正周期での通電上流相のPWMデューティを0%とし、補正周期での通電下流相のPWMデューティを2X−Zに設定する。
例えば、指令デューティXが15%で最低デューティZが20%であれば、主周期での通電下流相のPWMデューティは20%に設定され、補正周期での通電下流相のPWMデューティは10%に設定される。
一方、X≧Z/2が成立せず、パターンBでの通電制御を採用できない場合、制御ユニット213は、ステップS508に進み、図10に例示したパターンCで通電制御する場合での通電上流相のPWMデューティ、通電下流相のPWMデューティを算出する。
つまり、制御ユニット213は、ステップS508にて、主周期での通電上流相のPWMデューティを0%とし、主周期での通電下流相のPWMデューティを最低デューティZとし、更に、補正周期での通電上流相のPWMデューティをZ−2Xとし、補正周期での通電下流相のPWMデューティを0%に設定する。
例えば、指令デューティXが5%で、最低デューティZが20%であれば、補正周期において、通電上流相のPWMデューティは10%に設定され、通電下流相のPWMデューティは0%に設定される。これにより、例えば、第1通電モードのときに補正周期においてV相からU相に向けてデューティ10(%)の間だけ電流が流れ、係る電流の向きは第1通電モードにおける電流の向きと逆方向であるから、第1通電モードとしては−10%の通電が行われることになり、主周期と補正周期との平均デューティは、(最低デューティZ−10)/2=5%となり、指令デューティXの通電が実質的に行われることになる。
また、モータ通電周波数がキャリア周波数の2倍(24kHz)である場合、制御ユニット213は、ステップS509に進み、指令デューティXと最低デューティZとの相関が、X≧2Zを満たすか否かを判別する。例えば、指令デューティXが50%で最低デューティZが20%であれば、X≧2Zを満たすことになり、制御ユニット213は、ステップS510に進む。
ステップS510で、制御ユニット213は、図11に示すパターンDで通電制御する場合での通電上流相のPWMデューティ、通電下流相のPWMデューティを算出する。
つまり、制御ユニット213は、ステップS510にて、主周期及び補正周期での通電上流相のPWMデューティを(100−X)/2とし、主周期及び補正周期での通電下流相のPWMデューティを(100+X)/2とする。
例えば、指令デューティXが50%で、最低デューティZが20%であれば、主周期及び補正周期の双方で、前半周期で25%デューティでの通電が1回、後半周期で25%デューティでの通電が1回行われ、キャリア1周期で合計50%デューティの間だけ通電されることになる。
また、モータ通電周波数がキャリア周波数の2倍(24kHz)であってX≧2Zを満たさない場合、制御ユニット213は、ステップS511に進み、指令デューティXと最低デューティZとの相関がX≧Zを満たすか否かを判別する。
例えば、指令デューティXが30%で、最低デューティZが20%である場合、パターンDと同じデューティ設定を行うと、キャリア1周期でX/2=30/2=15%のデューティによる通電が2回行われることになり、各回の通電は最低デューティZを下回る通電になってしまう。
そこで、指令デューティXと最低デューティZとの相関がX≧Zを満たす場合、制御ユニット213は、ステップS512に進み、図12に示すパターンEで通電制御する場合での通電上流相のPWMデューティ、通電下流相のPWMデューティを算出する。
つまり、制御ユニット213は、ステップS512にて、主周期での通電上流相のPWMデューティを(100−2Z)/2とし、主周期での通電下流相のPWMデューティを(100+2Z)/2として、最低デューティZでの通電を主周期の前半周期と後半周期とでそれぞれに行わせるようにする。
また、制御ユニット213は、ステップS512にて、補正周期での通電上流相のPWMデューティを(100−2*(X−Z))/2とし、補正周期での通電下流相のPWMデューティを(100+2*(X−Z))/2とする。
例えば、指令デューティXが30%で最低デューティZが20%であれば、補正周期においては、前半周期で10%デューティでの通電が1回、後半周期で10%デューティでの通電が1回行われ、補正周期において合計20%デューティの間だけ通電されることになる。
一方、主周期においては、前半周期で20%デューティでの通電が1回、後半周期で20%デューティでの通電が1回行われ、主周期において合計40%デューティの間だけ通電されることになる。これにより、主周期と補正周期とでデューティの平均は、(40+20)/2=30%となり、指令デューティX=30%に見合う通電制御が実現される。
また、モータ通電周波数がキャリア周波数の2倍(24kHz)であってX≧Zを満たさない場合、制御ユニット213は、ステップS513に進み、図13に示すパターンFで通電制御する場合での通電上流相のPWMデューティ、通電下流相のPWMデューティを算出する。
つまり、制御ユニット213は、ステップS513にて、主周期での通電上流相のPWMデューティを(100−2Z)/2とし、主周期での通電下流相のPWMデューティを(100+2Z)/2として、最低デューティZでの通電を主周期の前半周期と後半周期とでそれぞれに行わせるようにする。
また、制御ユニット213は、ステップS513にて、補正周期での通電上流相のPWMデューティを(100+2*(Z−X))/2とし、補正周期での通電下流相のPWMデューティを(100−2*(Z−X))/2とする。
例えば、指令デューティXが5%で最低デューティZが20%であるときに、そのときの通電モードにおける電流の流れとは逆方向の通電が、補正周期の前半周期において15%デューティで1回、後半周期において15%デューティで1回行われ、補正周期において合計30%デューティだけ逆向きに通電される。
一方、主周期においては、前半周期で20%デューティでの通電が1回、後半周期で20%デューティでの通電が1回行われ、主周期において合計40%デューティの間だけ通電されることになる。これにより、主周期と補正周期との平均デューティは、逆向きの通電をマイナスデューティとすれば、(40−30)/2=5%となり、指令デューティX=5%に見合う通電制御が実現される。
ところで、モータ通電周波数がキャリア周波数の2倍(24kHz)であるときに、図13に例示したパターンFで通電制御する場合、主周期での2回の通電では最低デューティZの間だけそのときの通電モードでの通電方向に電流を流すのに対し、補正周期での2回の通電ではそのときの通電モードでの通電方向とは逆向きに電流を流すので、主周期と補正周期とでモータトルクの差が大きくなり、トルク変動により音振が悪化したり脱調が発生したりする可能性がある。
そこで、制御ユニット213は、モータ通電周波数がキャリア周波数の2倍(24kHz)であってX<Zである場合に、図13に例示したパターンFに代えて図17に例示したパターンF’に従って通電制御を行うことで、主周期と補正周期との間でのモータトルクの差を小さくし、音振の悪化や脱調の発生を抑制できる。
図17に例示したパターンF’は、主周期においてはキャリアの谷タイミングを中心とする通電を1回行わせ、補正周期においては、キャリア1周期の前半周期で1回、後半周期で1回の通電を行わせ、かつ、補正周期における2回の通電は、そのときの通電モードでの通電方向とは逆方向に電流を流す。
主周期における1回の通電は最低デューティZで行わせるので、主周期で最低デューティZでの通電を2回行わせる場合に比べて、主周期における合計通電時間が半分に減り、更に、主周期での指令デューティXに対する実デューティの過剰分が減ることで、補正周期において逆方向に電流を流すデューティを小さくできる。
これにより、主周期と補正周期との間でのモータトルクの差が小さくなる。
制御ユニット213は、パターンF’で通電制御する場合、主周期では通電上流相のPWMデューティを0%とし通電下流相のPWMデューティを最低デューティZとし、補正周期では通電上流相のPWMデューティを(100+(Z−2X))/2通電下流相のPWMデューティを(100−(Z−2X))/2とする。
以上に説明したパターンD−F’におけるPWMデューティの計算式をまとめると、以下のようになる。尚、Xは指令デューティで、Zは最低デューティである。
パターンDの主周期−通電上流相:(100−X)/2
パターンDの主周期−通電下流相:(100+X)/2
パターンDの補正周期−通電上流相:(100−X)/2
パターンDの補正周期−通電下流相:(100+X)/2
パターンEの主周期−通電上流相:(100−2Z)/2
パターンEの主周期−通電下流相:(100+2Z)/2
パターンEの補正周期−通電上流相:(100−2*(X−Z))/2
パターンEの補正周期−通電下流相:(100+2*(X−Z))/2
パターンFの主周期−通電上流相:(100−2Z)/2
パターンFの主周期−通電下流相:(100+2Z)/2
パターンFの補正周期−通電上流相:(100+2*(Z−X))/2
パターンFの補正周期−通電下流相:(100−2*(Z−X))/2
パターンF’の主周期−通電上流相:0
パターンF’の主周期−通電下流相:Z
パターンF’の補正周期−通電上流相:(100+(Z−2X))/2
パターンF’の補正周期−通電下流相:(100−(Z−2X))/2
以上、好ましい実施形態を参照して本発明の内容を具体的に説明したが、本発明の基本的技術思想及び教示に基づいて、当業者であれば種々の変形態様を採り得ることは自明である。
上記実施形態では、キャリア周波数を固定としたが、キャリア周波数を可変としつつモータ通電周波数をキャリア周波数の1倍と2倍とに切り替える構成とすることができる。
また、モータ通電周波数のキャリア周波数に対する倍率の変更を、モータ騒音の低減要求以外の条件で実施することができる。
また、指令デューティXが小さくなるに従って、パターンD→パターンE→パターンFと切り替える代わりに、例えば、パターンEで実現可能なデューティを下回らないように指令デューティXの下限を制限することができる。
また、パターンFでブラシレスモータ2を駆動したときの回転変動が設定値を上回ったときに、パターンF’に切り替えるように構成することができる。
また、ブラシレスモータ2の目標回転速度が設定速度を上回るときに、モータ通電周波数をキャリア周波数の1倍から2倍に切り替える処理を禁止することができる。
また、本願では、キャリア1周期を100%としたときに、周期の始まりから25%の位置を中心として前半周期の通電が行われ、周期の始まりから75%の位置を中心として後半周期の通電が行われるように、PWMデューティの計算式を設定してあるが、前半周期、後半周期における通電パルス幅の中心を上記の25%位置、75%位置に限定するものではない。
また、モータ通電周波数をキャリア周波数の1倍から2倍に切り替える処理は、車両の運転者が選択する運転モードの切替えに基づき、切り替え処理の許可/禁止を設定することができ、例えばスポーツモードではモータ通電周波数をキャリア周波数の1倍に保持させ、コンフォートモードのときにモータ通電周波数をキャリア周波数の1倍から2倍に切替えることを許可する構成とすることができる。
また、キャリア周波数は12kHzに限定されず、可聴域内の周波数でかつ2倍としたときに可聴域よりも高周波となる周波数であれば、本願発明を適用することで上記と同様な作用効果を得ることができる。
1…電動オイルポンプ、2…ブラシレスモータ、3…モータ制御装置、212…モータ駆動回路、213…制御ユニット、213a…A/D変換器、213b…マイコン、215u,215v,215w…巻線、216…永久磁石回転子、217a〜217f…スイッチング素子

Claims (7)

  1. PWM制御により車両用ブラシレスモータを駆動する車両用モータ駆動装置において、
    モータ通電周波数をキャリア周波数の1倍と2倍とに切り替える制御部を備え
    前記制御部は、キャリアの1周期当たりのオン時間割合である指令デューティがX(%)であるときに、通電上流側相のデューティを0(%)に設定し通電下流相のデューティをX(%)に設定して倍率を1倍とし、通電上流側相のデューティを(100−X)/2(%)に設定し通電下流相のデューティを100−((100−X)/2)(%)に設定して前記倍率を2倍とする、車両用モータの駆動装置。
  2. PWM制御により車両用ブラシレスモータを駆動する車両用モータ駆動装置において、
    モータ通電周波数をキャリア周波数の1倍と2倍とに切り替える制御部を備え
    前記制御部は、
    キャリアの1周期で通電を1回行って倍率を1倍とし、前記キャリアの1周期の前半での1回の通電と後半での1回の通電との2回通電を行って前記倍率を2倍とし、
    前記キャリアの1周期の前半での通電時間と後半での通電時間とのいずれか一方で前記車両用ブラシレスモータの開放相の電圧を検出して通電モードの切り替えを行う、車両用モータの駆動装置。
  3. 前記制御部は、前記キャリアの1周期毎に、前記車両用ブラシレスモータの開放相の電圧を検出するための最小通電時間を下回らないデューティを設定する主周期と、当該主周期による通電時間の過剰分を補正するためのデューティを設定する補正周期とに交互に切り替える、請求項記載の車両用モータの駆動装置。
  4. PWM制御により車両用ブラシレスモータを駆動する車両用モータ駆動装置において、
    モータ通電周波数をキャリア周波数の1倍と2倍とに切り替える制御部を備え
    前記制御部は、前記車両用ブラシレスモータの開放相の電圧に基づいて通電モードの切り替えタイミングを検出して通電モードの切り替えを行い、前記通電モードを切り替るときに倍率を切り替える、車両用モータの駆動装置。
  5. 前記制御部は、車両においてモータ騒音の低減が要求される所定条件において前記倍率を1倍から2倍に切り替える、請求項1から請求項4のいずれか1つに記載の車両用モータの駆動装置。
  6. 前記車両用ブラシレスモータは内燃機関とともに車両に搭載され、前記所定条件は前記内燃機関が一時的に停止されたときである、請求項記載の車両用モータの駆動装置。
  7. 前記キャリア周波数は可聴域内の周波数であり、前記キャリア周波数の2倍の周波数は可聴域よりも高い周波数である、請求項1から請求項6のいずれか1つに記載の車両用モータの駆動装置。
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