JP6149649B2 - セラミック電子部品 - Google Patents

セラミック電子部品 Download PDF

Info

Publication number
JP6149649B2
JP6149649B2 JP2013198760A JP2013198760A JP6149649B2 JP 6149649 B2 JP6149649 B2 JP 6149649B2 JP 2013198760 A JP2013198760 A JP 2013198760A JP 2013198760 A JP2013198760 A JP 2013198760A JP 6149649 B2 JP6149649 B2 JP 6149649B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
terminal electrode
electrode
ceramic electronic
electronic component
ceramic
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2013198760A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2015065332A (ja
Inventor
雅敬 北上
雅敬 北上
みゆき 柳田
みゆき 柳田
阿部 寿之
寿之 阿部
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
TDK Corp
Original Assignee
TDK Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by TDK Corp filed Critical TDK Corp
Priority to JP2013198760A priority Critical patent/JP6149649B2/ja
Publication of JP2015065332A publication Critical patent/JP2015065332A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6149649B2 publication Critical patent/JP6149649B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Description

本発明は、端子電極を備えるセラミック電子部品に関する。
近年、電子デバイスの高性能化に伴って、搭載される電子部品の電極材料として使用される貴金属の使用量は年々増大している。特に、貴金属は埋蔵量が少ない上に生産が特定少数国に偏在している一方、使用済み製品からの回収が難しいという課題があることから、電極材料に卑金属を用いた電極の開発が行われている。
バリスタおよびコンデンサ等の一般的なセラミック電子部品は、セラミック素体とその表面に設けられる端子電極とを備える。この端子電極は、例えば銅(Cu)等の金属粉末およびガラスフリット等を混合した外部電極ペーストを焼き付けて形成する。さらに、セラミック電子部品を回路基板等に実装する際の、はんだ濡れ性ならびにはんだ耐熱性を向上させる目的で、端子電極の外表面にNiめっき層と、さらにその外表面にSnめっき層の二層からなるめっき層を形成することが、特許文献1および2などに提案されている。
特開平8−298018号公報 特開2001−345231号公報
セラミック電子部品の端子電極には、端子としての機能である良好な導電性と基板との接合強度を有することが要求される。しかしながら、セラミック電子部品は、その端子電極の電極材料として卑金属のCuを用いる場合、電子機器の基板上のパッドとはんだで接合する際に、特に鉛フリーのはんだを用いた場合には、はんだによるCuの食われが生じることにより端子電極と内部電極の電気的接合ができない部分が生じ、セラミック電子部品の特性が低くなるという課題があった。
また、端子電極の電極材料として卑金属のCuを用いる場合、時間が経つと表面が空気中の酸素により酸化が進行してしまい、セラミック電子部品の特性が十分に得られなくなるという不具合もあった。そのため、端子電極表面にめっきによる金属層を形成することにより、Cuのはんだ食われおよび酸化の進行を抑制することが一般的に知られているが、めっき工程において素体が溶出し特性が劣化するセラミック電子部品も存在する。
また、セラミック電子部品の端子電極の電極材料として酸化が進行しない卑金属のAlを用いる場合、一般的に使用されるはんだによる基板のパッドへの接合ができないという課題もあった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、鉛フリーはんだ形成の際にもはんだ食われが生じず、良好な耐酸化性を有する端子電極を備えるセラミック電子部品を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため本発明のセラミック電子部品は、セラミック素体の表面に設けられる、端子電極を備えたセラミック電子部品であって、前記端子電極がCuとNiとAlとを含み、CuとNiとAlの三成分の元素比をa:b:c(a+b+c=100)とすると、三成分の組成図上で、(a、b、c)の組成範囲がA(79、1、20)、B(39、1、60)、C(20、20、60)、D(40、40、20)で囲まれる領域内(各点を結ぶ線上を含む。)であることを特徴とする。
本発明の組成の範囲内であれば、鉛フリーはんだにより基板と接合した場合でも、はんだ食われが生じず、良好な耐酸化性を有する端子電極を備えるセラミック電子部品を提供することができる。
さらに、セラミック電子部品は、前記端子電極が15体積%以下のガラス成分を含むことが好ましい。これによって、さらにセラミック素体と良好な接着性を有する卑金属を用いた端子電極を備えるセラミック電子部品を提供することができる。
本発明は、鉛フリーはんだにより基板と接合した場合でも、はんだ食われが生じず、良好な耐酸化性を有する端子電極を備えるセラミック電子部品を提供することができる。
本実施形態のセラミック電子部品の好適な一実施形態を模式的に示す断面図である。 本実施形態のCu−Ni−Alの比率を示す図である。
以下、場合により図面を参照して、本発明の好適な実施形態について説明する。なお、各図面において、同一または同等の要素には同一の符号を付与し、重複する説明を省略する。また、特に断らない限り、上下左右等の位置関係は、図面の位置関係に基づくものとする。
本発明に係る実施形態のセラミック電子部品は、特に限定されないが、コンデンサ、圧電素子、インダクタ、バリスタ、サーミスタ、抵抗、トランジスタ、ダイオード、水晶発振素子およびこれらの複合素子、その他のセラミック電子部品が例示される。
本実施形態では、図1に端子電極10を備えるセラミック電子部品100を例示して説明する。図1に示すように、本実施形態のセラミック電子部品100は、セラミック素体20(以下、素体20)と、素体20の主面20aの上に設けられた端子電極10とを有する。素体20は、セラミック層21,22,23がこの順で積層された積層構造を有している。各セラミック層21,22,23に設けられたスルーホールには、スルーホール電極31が形成されている。素体20の実装面となる主面20a側に配置されたセラミック層21に設けられたスルーホール電極31は、端子電極10と電気的に接触している。そして、端子電極10は、セラミック層21,22,23の間に埋設された内部電極32を介して、セラミック層21,22,23のスルーホール電極31と電気的に接続されている。
セラミック電子部品100の端子電極10は、基板のパッド等とはんだにより接合することができる。なお、接合に用いるはんだは特に限定されないが、例えば鉛系のSn−Pb(鉛)系はんだやSn−Ag(銀)系やSn−Cu(銅)系の鉛フリーはんだ等を用いることができる。鉛フリーはんだで接合する際には、その接合のための溶融温度が、鉛系のはんだに比べ高く、はんだ食われを抑制する観点で、本発明の端子電極10の効果がより得られる。
本実施形態の端子電極10はCuとNiとAlとを含み、CuとNiとAlの三成分の元素比を、a:b:c(a+b+c=100)とすると、図2に示されるCu−Ni−Alの比率を示す三成分の組成図上で、次のA、B、C、Dで囲まれる領域内(各点を結ぶ線上を含む。)である。
(Cu、Ni、Al)=(79、1、20)・・・・(A)
(Cu、Ni、Al)=(39、1、60)・・・・(B)
(Cu、Ni、Al)=(20、20、60)・・・(C)
(Cu、Ni、Al)=(40、40、20)・・・(D)
上記端子電極10の組成において、CuとNiとAlの三成分におけるCuの比率は、鉛フリーはんだにより基板と接合した場合でも、一層高い接合性を有する端子電極10を形成する観点から、好ましくは20〜79原子%である。Cuの比率が高くなり過ぎるとはんだ食われが生じやすくなる。一方、Cuの比率が低くなり過ぎると導電性が低下する。さらに、50〜60原子%の範囲が、導電性の観点からより好ましい範囲である。
上記端子電極10の組成において、CuとNiとAlの三成分におけるNiの比率は、一層高い耐酸化性を有する端子電極10を形成する観点および端子電極10のはんだ食われを抑制する観点から、好ましくは1〜40原子%である。Niの比率が高くなり過ぎると、導電性が低下する。さらに、5〜20原子%の範囲が、導電性の観点からより好ましい範囲である。
上記端子電極10の組成において、CuとNiとAlの三成分におけるAlの比率は、一層高い耐酸化性を有する端子電極10を形成する観点および導電性の観点から、好ましくは20〜60原子%である。Alの比率が高くなり過ぎると、端子電極10内の空隙が増加し端子電極10のはんだ食われが生じやすく導電性も低下する。一方、Alの比率が低くなりすぎると、端子電極10とセラミック素体との接着性が低下する。さらに、30〜40原子%の範囲が、導電性の観点からより好ましい範囲である。
良好な端子電極10の特性を示すCuとNiとAlの三成分の元素比では、Cuが一番多く、次いでAl、Niが一番少ない比率であるとより好ましい。
本実施形態に係るセラミック電子部品100の素体20の外形や寸法には特に制限はなく、用途に応じて適宜設定することができ、通常外形はほぼ直方体形状とし、寸法は縦(0.2〜5.6mm)×横(0.1〜5.0mm)×高さ(0.1〜1.9mm)程度とすることができる。
本実施形態に係る端子電極10の厚さは用途等に応じて適宜決定すればよいが、通常、1〜50μm程度であることが好ましい。
なお、図示したセラミック電子部品100は、2つの端子電極10を同一面上に備える多端子型のものであるが、この発明は二端子型のセラミック電子部品にも適用することができる。
次に、図1に示したセラミック電子部品100の製造方法は、手順により、素体20を作製し、素体20の主面20aの上に端子電極10が形成し、実施形態のセラミック電子部品100となる。
セラミック電子部品100は、
複数のセラミックグリーンシート(セラミック層21,22,23)と、隣接するセラミックグリーンシートの間に埋設された電極層(内部電極層32)と、を有するグリーン積層体を形成、スルーホールを形成しそこに電極を注入しスルーホール電極31を形成し、焼成し、素体20を形成する第1工程と、
得られた素体20の実装面となる主面20aに端子電極10を形成する第2工程とを有する。以下、各工程の詳細を説明する。
第1工程は、素体20の準備工程である。ここでの素体20には、特に限定されないが、バリスタ特性を得るために、例えば、酸化亜鉛を主成分として用いることができる。
次に、所望の内部電極層32となる各種電極パターンが形成されたセラミックグリーンシートを所定の順序で重ねる。また、電極パターンが形成されていないセラミックグリーンシートを適宜挿入して重ねてもよい。そして、その過程で、スルーホールを形成しそこに電極を注入しスルーホール電極31を形成する。このようにして、複数のセラミックグリーンシートと、隣接するセラミックグリーンシートの間に埋設された電極層と、スルーホール電極31を有するグリーン積層体を得ることができる。このときの電極には、特に限定されず、内部電極層32とスルーホール電極31で同じものを用いてもよく、違うものでもよい。
次に得られたグリーン積層体を、180〜400℃で0.5〜24時間加熱して、脱バインダを行う。その後、850〜1400℃で0.5〜8時間焼成することによって、素体20が得られる。
第2工程は、素体20の主面20aに端子電極10を形成する工程である。端子電極10の形成方法は特に限定されず、塗布電極形成法、スパッタリング法、蒸着法およびこれらを組み合わせても形成することができる。
このとき、例えば、塗布電極焼付により端子電極10の形成を行う場合は、組成範囲に入るよう各元素の金属粉末を秤量した後、混合して外部電極用ペーストを作製する。
各元素の金属粉末を用いる代わりに合金粉末を用いても良い。作製した外部電極用ペーストを印刷または浸漬により、素体20の主面20aに塗布し焼成し、端子電極10を形成する。外部電極の焼成条件は、例えば、600〜800℃にて10分間〜1時間程度とすることが好ましい。
他に、例えばスパッタリング法や蒸着法で端子電極10を形成する場合は、Cu、NiおよびAlの各ターゲットおよび、それぞれの元素からなる合金ターゲットを用いることができる。
さらに、端子電極10を塗布電極形成する際に用いる外部電極用ペーストにSiOやBを含有するガラス成分を含んでもよい。端子電極10に対するガラス成分の割合は、素体と端子電極10との接着性の観点から、好ましくは15体積%以下である。さらに、端子電極10のはんだで接合する表面でのガラス浮きがなくさらに良好な接合が得られるという観点から、5〜10体積%の範囲がより好ましい範囲である。
さらに、端子電極10がガラス成分を有する構造である場合は、ガラス成分にCu、NiおよびAlが含まれていても良い。この場合、ガラス成分に含まれるCu、NiおよびAlは、導電性を有しておらず端子電極10のCuとNiとAlとは区別され、端子電極10におけるCuとNiとAlの三成分の元素比には含まれない。換言すると、端子電極10のCuとNiとAlはいずれも金属あり、ガラス成分とは区別される。ガラス成分のCu、Zn及びNiと、端子電極10のCuとNiとAlを区別する方法としては、EPMA(Electron Probe Micro Analyzer)で端子電極10の断面を観察し、元素の分布を判断する方法が例示される。この場合、SiOあるいはBが共析していればガラス成分、CuとNiとAlの各成分およびそれらの混合物であれば端子電極10として判断し区別することができる。
ちなみに、ここでいう成分とは単体および酸化物であり、例えばCu成分とは、Cu元素を含む、Cu、CuO、およびCuOなどのことを示す。Ni成分とは、Ni元素を含む、NiおよびNiOなどのことを示す。Al成分とは、Al元素を含むAlおよびAlなどのことを示す。ガラス成分とは、SiOあるいはBを主成分とする酸化物のことを示す。
このようにして製造された本発明の実施形態のセラミック電子部品は、はんだ等によりプリント基板上などに実装され、各種電子機器等に使用することができる。
以下、本発明の実施形態を実施例に基づき、図面を参照しつつ詳細に説明する。
(実施例1)
バリスタ素体形成用のスラリーを次の手順で調整した。酸化亜鉛の粉末と、有機バインダ、有機溶剤、および添加剤を配合し、ボールミルを用いて24時間混合して、バリスタ素体用のスラリーを得た。
外部電極を形成するための導電性ペーストを以下の手順で調整した。導電粉末として、Cu粉、Ni粉およびAl粉を準備した。これらの粉末を表1に示す元素割合になるように混ぜその合計の粉末80質量部に対し、アクリル樹脂、ターピネオールを合計で20質量部配合し、3本ロールミルを用いて混合して、端子電極10用の導電性ペーストを調整した。
上述の導電性ペーストには、さらに端子電極10と素体との接着性を向上させるため、導電粉末に対して10体積%のガラスフリットを添加した。
バリスタ素体用のスラリーおよび導電性ペーストを用いて、図1に示すセラミック電子部品と同じ構造のバリスタ(セラミック電子部品)を作製した。具体的には、まずバリスタ素体用のスラリーを、ドクターブレード法により、ポリエチレンフタレートからなるフィルム上に塗布した後、乾燥して厚さ30μmの膜のグリーンシートを形成した。
次に、グリーンシートに、内部電極32およびスルーホール電極31に対応する電極パターンを形成した。電極パターンはパラジウム粉末を含む導電性ペーストをスクリーン印刷法によって塗布またはスルーホールに充填し、乾燥させることにより形成した。次に、電極パターンが形成されたグリーンシートを積み重ねてシート積層体を形成した。こうして得られたシート積層体に、加熱処理を施して脱バインダを行なった後、焼成して素体20を得た。
スルーホール電極31の端面が露出した素体20の主面上20a上に、スルーホール電極31の端面を覆うようにして導電性ペーストをスクリーン印刷法によって塗布した。塗布した導電性ペーストを、熱風乾燥した後、焼付けを行い、端子電極10を作製し実施例1のバリスタを得た。
(実施例2〜17、比較例1〜6)
導電性ペーストをCu、NiおよびAlの導電粉末を表1に示す割合に混ぜたこと以外は、実施例1と同様にしてバリスタを作製し実施例2〜17、および比較例1〜6とした。
[端子電極の評価]
<端子電極の成分評価>
得られたバリスタを図1に示すような端子電極10と素体20両方の断面が観察できるように研磨し、EPMAにより端子電極10の断面全体の金属元素の分布の確認と元素の定量を行ない、その定量の結果を平均した評価結果を表1に示す。また、端子電極10の表面領域、中央領域、素体との界面付近に分けて元素の定量を行った結果、端子電極10の位置に依らずいずれも元素量は同等であり、端子電極10の断面全体で組成が均一に分布していることを確認した。ガラスの主成分であるSiOあるいはBが共析している部分をガラス相と区別し、金属元素とは独立してガラス相が存在していることを確認した。
<はんだ食われ性評価>
作製したバリスタの端子電極10を、基板のパッド(電極)に鉛フリーはんだ(96.5Sn/3.0Ag/0.5Cu)で260℃のリフローにより接合しはんだ食われ性評価用サンプルを作製した。バリスタを図1に示すような端子電極10と素体20両方の断面が観察できるように研磨し、EPMAにより端子電極10と鉛フリーはんだの接合部界面近傍部分を除く断面全体においてSnとCuの化合物が形成されているかを確認した。Sn化合物が形成されていないものをはんだ食われが起きておらず良好として「A」、Sn化合物が形成されているものをはんだ食われが起きており不良として「B」と評価した。評価結果を表1に示す。
<耐酸化性評価>
耐酸化性については、作製したバリスタをAir雰囲気150℃の恒温槽に24h熱処理し、熱処理前後の端子電極10の導電性評価を行い、比抵抗の変化率から耐酸化性評価を行った。バリスタの端子電極10の両端部の間の抵抗値を、デジタルマルチメーターを用いて測定し、得られた抵抗値と測定間距離から比抵抗を算出した。比抵抗の変化率が10%未満のものを耐酸化性が良好で「良」とし、比抵抗の変化率が10%以上のものを耐酸化性が「不良」として、評価結果を表1、2に示した。
<端子電極の導電性評価>
端子電極10の導電性が低い場合、基板に実装した際のセラミック電子部品の特性が低下してしまう可能性がある。そのため、端子電極10の導電性評価を行った。端子電極10の導電性評価には、バリスタの端子電極10の両端部の間の抵抗値を、デジタルマルチメーターを用いて測定し、得られた抵抗値と測定間距離から比抵抗を算出した。比抵抗が10−2Ω・cm未満のものを導電性評価では実用上良好で「良」とし、比抵抗が10−2Ω・cm以上のものを導電性が不十分で「不良」とし、評価結果を表1、2に示した。
<判定>
表1、2に示す端子電極の最終的な「判定」は、端子電極10のはんだ食われ性評価と耐酸化性評価で、いずれの評価も「良」、かつ導電性評価で「良」となったサンプルを「良」とした。また、端子電極10のはんだ食われ性評価、耐酸化性評価、導電性評価のいずれかの評価が「不良」であったサンプルを「不良」とした。
Figure 0006149649
CuとNiとAlを含む場合、Cu含有量が20〜79原子%の範囲にある組成範囲、Ni含有量が1〜40原子%の範囲にある組成範囲、Al含有量が20〜60原子%の範囲にある組成範囲、上記3つの組成範囲を満たすと、はんだ食われが発生せず、十分な耐酸化性が得られる。さらに、Cu含有量が50〜79原子%の範囲にある組成範囲、Ni含有量が5〜20原子%の範囲にある組成範囲、Al含有量が20〜60原子%の範囲にある組成範囲、上記3つの組成範囲を満たすと、高い導電性が得られ、良好な端子電極としての特性を示すことが確認された。
(実施例18〜24、比較例7〜10)
スパッタリング法で端子電極10を作製した以外は実施例1と同様にバリスタのサンプルを作製し実施例18〜24および比較例7〜10とした。スパッタリングには、表2に示すCu、NiおよびAlの成分の元素比の割合となる合金のターゲットを使用した。チャンバ内を高真空にした後Arガスを導入し、バリスタ表面に端子電極10を形成した。使用したターゲットの元素比を表2に示す。
実施例1と同様に端子電極10の表面領域、中央領域、素体との界面付近に分けて元素の定量を行ない、端子電極10の成分評価を行なった。その定量の結果を平均した評価結果を表2に示す。いずれのサンプルも端子電極10の組成が使用したターゲットと同じ組成であることを確認した。また、端子電極10のはんだ食われ性評価、端子電極10の耐酸化性評価および導電性評価を行なった結果を表2に示す。
Figure 0006149649
スパッタリング法で作製した端子電極10は、塗布電極形成法で作製した端子電極10と同様に、CuとNiとAlを含む場合、Cu含有量が20〜79原子%の範囲にある組成範囲、Ni含有量が1〜40原子%の範囲にある組成範囲、Al含有量が20〜60原子%の範囲にある組成範囲、上記3つの組成範囲を満たすと、はんだ食われが発生せず、十分な耐酸化性が得られる。さらに、Cu含有量が50〜79原子%の範囲にある組成範囲、Ni含有量が5〜20原子%の範囲にある組成範囲、Al含有量が20〜60原子%の範囲にある組成範囲、上記3つの組成範囲を満たすと、高い導電性が得られ、良好な端子電極としての特性を示すことが確認された。
図2に実施例1〜24を●、比較例1〜10を○として、それぞれをプロットした。CuとNiとAlの三成分の元素比を、a:b:c(a+b+c=100)とすると、三成分の組成図上で、(a、b、c)の組成範囲が次のA、B、C、Dで囲まれる領域内(各点を結ぶ線上を含む。)である。
(Cu、Ni、Al)=(79、1、20)・・・・(A)
(Cu、Ni、Al)=(39、1、60)・・・・(B)
(Cu、Ni、Al)=(20、20、60)・・・(C)
(Cu、Ni、Al)=(40、40、20)・・・(D)
であれば、良好な端子電極としての特性を示すことが確認された。
以上、本発明の実施形態について説明してきたが、本発明は、上述した実施形態に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々に改変することができる。
例えば、上述した実施形態では、本発明に係るセラミック電子部品として積層バリスタを例示したが、本発明に係るセラミック電子部品としては、積層セラミックコンデンサ、コンデンサ、圧電素子、インダクタ、サーミスタ、抵抗、トランジスタ、ダイオード、水晶発振素子およびこれらの複合素子、その他の表面実装型電子部品が例示される。
本発明は、外表面に端子電極が形成される任意のセラミック電子部品に適用が可能である。
10 端子電極
20 素体(セラミック素体)
20a 主面
21,22,23 セラミック層
31 スルーホール電極
32 内部電極
100 セラミック電子部品

Claims (2)

  1. セラミック素体の表面に設けられる、端子電極を備えたセラミック電子部品であって、 前記端子電極がCuとNiとAlとを含み、CuとNiとAlの三成分の元素比をa:b:c(a+b+c=100)とすると、三成分の組成図上で、(a、b、c)の組成範囲がA(79、1、20)、B(39、1、60)、C(20、20、60)、D(40、40、20)で囲まれる領域内(各点を結ぶ線上を含む。)であることを特徴とする端子電極を有するセラミック電子部品。
  2. 前記端子電極が15体積%以下のガラス成分を含むことを特徴とする請求項1に記載のセラミック電子部品。
JP2013198760A 2013-09-25 2013-09-25 セラミック電子部品 Active JP6149649B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013198760A JP6149649B2 (ja) 2013-09-25 2013-09-25 セラミック電子部品

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013198760A JP6149649B2 (ja) 2013-09-25 2013-09-25 セラミック電子部品

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2015065332A JP2015065332A (ja) 2015-04-09
JP6149649B2 true JP6149649B2 (ja) 2017-06-21

Family

ID=52832966

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013198760A Active JP6149649B2 (ja) 2013-09-25 2013-09-25 セラミック電子部品

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6149649B2 (ja)

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS61121206A (ja) * 1984-11-16 1986-06-09 太陽誘電株式会社 導電ペ−スト
JPH06236706A (ja) * 1993-02-09 1994-08-23 Murata Mfg Co Ltd 導電ペースト
JP3082154B2 (ja) * 1994-07-26 2000-08-28 太陽誘電株式会社 セラミック電子部品用焼付型導電性ペースト及びセラミック電子部品
JP2002075774A (ja) * 2000-09-04 2002-03-15 Furuya Kinzoku:Kk 電子部品
JP2012004189A (ja) * 2010-06-14 2012-01-05 Namics Corp 積層セラミックコンデンサ
EP2824682A4 (en) * 2012-03-05 2015-09-23 Murata Manufacturing Co ELECTRONIC COMPONENT

Also Published As

Publication number Publication date
JP2015065332A (ja) 2015-04-09

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6679964B2 (ja) 積層セラミックコンデンサ
JP6011574B2 (ja) 積層セラミックコンデンサ
JP2017191929A (ja) 積層型キャパシター及びその製造方法
JP2010103566A (ja) 積層セラミック電子部品
JP2006339536A (ja) 電子部品および電子部品の製造方法
JP2017011145A (ja) 積層セラミックコンデンサ
JP6904383B2 (ja) 積層電子部品およびその実装構造
JP2015026815A (ja) セラミック電子部品およびその製造方法
JP5668837B2 (ja) 電子部品の実装構造
JP2006245049A (ja) 電子部品及び電子機器
JP4244466B2 (ja) 導電性ペーストおよびそれを用いた半導体セラミック電子部品
WO2013108533A1 (ja) セラミック電子部品
JP4720425B2 (ja) 電子部品
JP2014053599A (ja) 電子回路モジュール部品
JP2012033291A (ja) 電極形成用のペースト、端子電極及びセラミック電子部品
JP5668429B2 (ja) 積層セラミック電子部品
JP2020061468A (ja) 積層セラミック電子部品およびその実装構造
JP2019117901A (ja) 電子部品および積層セラミックコンデンサ
JP2015026816A (ja) セラミック電子部品およびその製造方法
JP2004200373A (ja) 電子部品および製造方法
JP6149649B2 (ja) セラミック電子部品
JP6260169B2 (ja) セラミック電子部品
JP4715000B2 (ja) チップ型電子部品の製造方法
WO2016129300A1 (ja) 負特性サーミスタおよびその製造方法
JP2002298649A (ja) 導電性ペースト及びそれを用いたチップ型電子部品

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20160609

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20170414

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20170425

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20170508

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6149649

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150