JP6145726B2 - 配線器具用取付枠、ハンドル、及びスイッチ装置 - Google Patents

配線器具用取付枠、ハンドル、及びスイッチ装置 Download PDF

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Description

本発明は、配線器具用取付枠、ハンドル、及びスイッチ装置に関する。
従来、ピアノハンドル式スイッチのような配線器具を保持し、壁面などに形成された埋込用の孔に配線器具の後部を収納した状態で壁に取り付けられる配線器具用取付枠が提案されている(例えば特許文献1参照)。配線器具用取付枠の前側にはプレートが取り付けられている。プレートには、ピアノハンドル式スイッチのハンドルを露出させるための開口窓が設けられている。
特開2004−296231号公報
上記特許文献1に開示された配線器具用取付枠は、壁面に形成された埋込用の孔の周辺部に背面側を当てた状態で、壁(造営材)に取り付けられているため、配線器具の前面は壁面から突出した状態となる。配線器具の前面が壁面から突出している量が大きくなると、器具全体の意匠性が悪化するため、配線器具の前面が壁面(造営材の表面)から突出している量を、より小さくしたいという要求があった。
本発明は上記課題に鑑みて為され、配線器具の前面が造営材の表面から突出する量をより小さくできる配線器具用取付枠、ハンドル、及びスイッチ装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、配線器具用取付枠は、一対の第1梁部と、一対の第2梁部とで枠状に形成される。一対の前記第1梁部は、配線器具が取り付けられる窓孔を挟んで対向し、造営材に設けられた孔の周縁部に裏面を当てた状態で前記造営材に固定される。一対の前記第2梁部は、一対の前記第1梁部が対向する方向と交差する方向において、前記窓孔を挟んで対向する。一対の前記第2梁部の各々には、前記配線器具を保持するための保持部が設けられる。前記第1梁部において前記造営材の表面側に配置される部位の前面よりも、前記第2梁部において前記保持部が設けられた部位の前面の方が、前記造営材に取り付けられた状態で後側に位置するように前記第1梁部及び前記第2梁部が構成されたことを特徴とする。
上記課題を解決するために、ハンドルは、使用者が押圧可能な前面を有する前壁部と、該前壁部から後方に延出する側壁部を有し、該側壁部の後端から前記前壁部の前面までの高さが、前記第2梁部の前面から前記ハンドルの周囲を囲むプレートの前面までの長さと同一となるように構成されることを特徴とすることを特徴とする。
上記課題を解決するために、スイッチ装置は、上記いずれかに記載の配線器具用取付枠と、該配線器具用取付枠の保持部に保持される配線器具と、該配線器具の前面に取り付けられるハンドルとを有することを特徴とする。
本発明の配線器具用取付枠、ハンドル、及びスイッチ装置によれば、配線器具の前面が造営材の表面から突出する量をより小さくできる。
実施形態の配線器具用取付枠を用いた配線装置の分解斜視図である。 同実施形態の配線器具用取付枠に配線器具が取り付けられた状態の正面図で ある。 同実施形態の配線器具用取付枠に配線器具が取り付けられた状態の側面図で ある。 同実施形態の配線器具用取付枠に配線器具が取り付けられた状態を斜め後方 から見た斜視図である。 同実施形態の配線器具用取付枠を用いた配線装置の正面図である。 同実施形態の配線器具用取付枠の施工状態を説明するための説明図である。 同実施形態の配線器具用取付枠を用いた配線装置の側面図である。 同実施形態の配線器具用取付枠に配線器具のスイッチ本体が取り付けられた 状態の下面図である。 別例の配線器具用取付枠を用いた配線装置の側面図である。 別例のスイッチ本体を説明するための斜視図である。 別例の配線器具用取付枠の斜視図である。 同上の配線器具用取付枠の正面図である。 同上の配線器具用取付枠の側面図である。 図12におけるA14−A14断面図である。 参考例の配線器具用取付枠を用いた配線装置の分解斜視図である。 参考例の配線器具用取付枠に配線器具が取り付けられた状態の正面図であ る。 参考例の配線器具用取付枠に配線器具が取り付けられた状態の側面図であ る。 参考例の配線器具用取付枠に配線器具が取り付けられた状態を斜め後方か ら見た斜視図である。 参考例の配線器具用取付枠の施工状態を説明する図である。 参考例の配線器具用取付枠を用いた配線装置の側面図である。 参考例の配線器具用取付枠を用いた配線装置の下面図である。
以下、配線器具用取付枠を備えた配線装置の一実施形態を図面に従って説明する。
図1に示すように、配線装置は、配線器具用取付枠(以下、取付枠という)1と、スイッチ装置であるピアノハンドル式のスイッチ10と、プレート4とを有する。なお、以下の説明では、特に断りが無いかぎり、図1において上下左右前後の各方向を規定する。
先ず、取付枠1に取り付けられる埋込型の配線器具について説明する。本実施形態ではワイドハンドル形のスイッチ(いわゆるピアノハンドル式スイッチ)を例示するが、埋込型の配線器具であれば、ワイドハンドル形以外のスイッチや、コンセントなどのスイッチ以外の配線器具であっても構わない。
図1に示すように、スイッチ10は、スイッチ本体100とハンドル110とを有する。
図1〜図4に示すように、スイッチ本体100は、矩形箱状をなすように形成されている。図1及び図2に示すように、スイッチ本体100の前面には押釦101が前後方向において移動可能な状態で取り付けられている。この押釦101が押し込まれる度に、スイッチ本体100の内部に収納された接点(図示略)の状態(例えば接点が閉じた状態と開
いた状態)が切り替えられるように接点の切替機構(図示略)が構成されている。
スイッチ本体100の前面の左側には、上下方向における略中央部に、透光性を有するランプカバー102が取り付けられている。スイッチ本体100の内部には、例えば接点が開いている状態で点灯するランプ(図示略)が収納されており、ランプの発光はランプカバー102を透過して前方に出射される。
スイッチ本体100の左側面及び右側面には、スイッチ本体100を取付枠1に取り付けるための取付爪103が2個ずつ設けられている。スイッチ本体100の右側壁において、2個の取付爪103が設けられた部位の周りにはスリットが形成されており、2個の取付爪103が設けられた部位(この部位を可動片104という)は、その前端側でスイッチ本体100に片持ち支持されている。したがって、可動片104の後部に設けられた突起105を押し込むことによって、可動片104に設けられた2個の取付爪103を、スイッチ本体100の内側(中心側)に引っ込めることができるようになっている。
スイッチ本体100の前面の左側には、操作ハンドル110を支持するための円柱状の2個の軸106が、ランプカバー102を挟んで上下両側に並設されている。
図4に示すように、スイッチ本体100の後部には、電線(図示せず)を挿入するための電線挿入孔107が左右に2個ずつ(図4では右側の2つのみ図示)設けられている。スイッチ本体100の内部には、接点の両側端子にそれぞれ電気的に接続された速結構造の接続端子が収納されており、この接続端子に電線挿入孔107から挿入された電線の芯線が接続される。
なお、このようなスイッチ本体100は従来周知であるから、詳細な構造の図示及び説明は省略する。
図1に示すように、操作ハンドル110は、前面112aを有する前壁部112と、前壁部112の縁部から後方に延出する筒状側壁部113とが例えば合成樹脂成形体として一体に構成されている。前壁部112は、押釦101の前面よりも十分に大きい寸法を有する略矩形板状に形成されている。操作ハンドル110の前面112aの右側には、上下方向における中央部に、操作ハンドル110を前後方向に貫通する長円形状の孔が設けられ、この孔に透光板111が埋め込まれている。操作ハンドル110の裏面には、スイッチ本体100のランプカバー102から照射された光を透光板111に導くプリズム(図示せず)が取り付けられている。そして、接点が開いた状態では、スイッチ本体100に収納されたランプの光で透光板111が光るから、この光でスイッチ10の位置表示を行うことができる。筒状側壁部113は、4つの側壁によって矩形筒状をなすように構成され、左右方向において対向する側壁の高さが異なるように設定されている。これにより、筒状側壁部113の内で最も後に位置する後端部113aから前壁部112の前面112aまでの高さH1が最も高くなるように構成される。
また、操作ハンドル110の裏面(後面)には、スイッチ本体100の軸106と対向する部位に、軸106が回転自在な状態で取り付けられる軸受部(図示略)が設けられている。操作ハンドル110は、前記軸受部に軸106を保持させることによって、スイッチ本体100の前面において、左右方向の一端側(左側)で回転自在に支持されている。そして、操作ハンドル110の右側を後方に押し込むと、操作ハンドル110は軸106によって支持される部位を支点にして回転し、操作ハンドル110の背面に設けられた突起(図示せず)で押釦101が押し込まれるように構成されている。
次に、取付枠1について図1〜図4及び図6を参照して説明する。取付枠1は、金属板状部材からプレス成形により、配線器具であるスイッチ本体100が取り付けられる窓孔18を有した矩形枠状に形成される。取付枠1は、長手方向(図1の上下方向)において
窓孔18を挟んで対向する一対の第1梁部11と、一対の第1梁部11が対向する方向と交差する方向(左右方向)において、窓孔18を挟んで対向する一対の第2梁部12を備える。つまり、一対の第1梁部11と、一対の第2梁部12とで囲まれた空間が窓孔18となっている。
一対の第1梁部11の各々には、第1梁部11の裏面側を造営材(例えば壁材)200の表面に当てた状態で(図6参照)、第1梁部11を造営材200に固定するためのネジ(図示せず)を挿入する挿入孔13が設けられている。また、一対の第1梁部11の各々には、挿入孔13よりも上下方向外側(窓孔18とは反対側)であって、左右方向の略中央にネジ孔14が設けられている。
また、図2に示すように、一対の第1梁部11の互いに対向する対向端部11dが前方に折り曲げられて第1梁部側突条部11eが形成される。
一対の第2梁部12は、互いに対向する対向端部12bとは反対側に位置する外側端部12cが後方に略90度折り曲げられて第2梁部側突条部12dが形成される。このとき、第2梁部12の各第2梁部側突条部12dはその面方向が略平行となるように構成される。また、第2梁部側突条部12dの各々には、配線器具を保持するための保持部として、スイッチ本体100の取付爪103がそれぞれ挿入される複数個(例えば8個)の貫通孔15a,15bが設けられている。
ここで、貫通孔15a,15bは、第1貫通孔15aと、第1貫通孔15aよりも上下方向において長い(幅広)の第2貫通孔15bとを有する。第1貫通孔15aは、スイッチ本体100の取付爪103に対応する開口面積を有する。このため、第1貫通孔15aにスイッチ本体100の両側に2個ずつ設けられた取付爪103が挿入されることでスイッチ本体100の前端部が窓孔18から前側に突出した状態でスイッチ本体100が取付枠1に取り付けられる(図2〜図4参照)。
ここで、図1及び図3に示すように、第1梁部11と第2梁部12との境界部位には、第1梁部11の前面よりも第2梁部12の前面の方が後方に位置するように、第1梁部11の前面と第2梁部12の前面との間には段差D1を有する屈曲部Kが設けられている。すなわち、第1梁部11において造営材200の表面側に配置される部位の前面よりも、第2梁部12において貫通孔15a,15bが設けられた部位の前面の方が、造営材200に取り付けられた状態で後側に位置するように、第1梁部11及び第2梁部12が構成される。屈曲部Kは、第1梁部11との境界部において90度屈曲され、第2梁部12との境界部において90度屈曲される。このため屈曲部Kの一対の第2梁部12が対向する方向、即ち左右方向における屈曲幅K1が金属板状部材の板厚(例えば図4に示すように第2梁部側突条部12dの幅D2)と同一となるように構成される。これによって、屈曲部Kを形成しても一対の第2梁部12が離間することが抑えられている。
また、屈曲部Kの周囲であって第2梁部12の窓孔18側には切り欠き部12eが形成される。切り欠き部12eは、第2梁部12において第2梁部側突条部12dまで達しない範囲で形成される。
この取付枠1は、造営材200に設けられた埋込用の孔201の周縁部に第1梁部11の背面(裏面)を当てた状態で(図6参照)、造営材200に埋め込まれたスイッチボックス(図示せず)に取り付けられることによって、造営材200に対して固定される。つまり、上側及び下側の第1梁部11の挿入孔13にそれぞれ通された2本のボルトBが、スイッチボックスSBのねじ孔SB1にねじ止めされる。ただし、スイッチボックスSBが埋め込まれていない場合、取付枠1は、従来周知の挟み金具(図示せず)を用いて造営材200に固定される。

また、取付枠1の第1梁部11の角部には係止部11bが形成される。係止部11bは
、第1梁部11の前面の面方向(左右方向や上下方向)に延出する延出片であって、他の取付枠1の係止部11bと係止するように構成される。このため、複数の取付枠1を左右方向に並設することが可能となっている。また、係止部11bの近傍には前後方向に延出する突部11cが形成される。この突部11cは、その突出量が係止部11bと足し合わせた時に貫通孔15a,15bの前後方向幅よりも長くなるように調整されている。これによって、突部11cが規制部として作用して他の取付枠1の貫通孔15a,15bに深く各係止部11bが挿通されることが抑制されている。
次に、取付枠1の前面側に取り付けられる化粧用のプレート4について説明する。図1に示すように、プレート4は、取付枠1に取り付けられるプレートボディ2と、プレートボディ2を覆うようにプレートボディ2に着脱可能に取り付けられるプレートカバー3とを備える。
図1に示すように、プレートボディ2は、合成樹脂材料により一対の横片21と一対の縦片22とを有する矩形枠状に形成されている。ここで、一対の横片21と一対の縦片22とで囲まれた窓孔20は、プレートボディ2が取付枠1に取り付けられた状態で、取付枠1の窓孔18と前後方向において重なる位置に設けられている。
一対の横片21の各々には、左右方向における中央部に、ネジを挿入するための挿入孔23が設けられている。また、一対の縦片22の各々には、長手方向(上下方向)における中央部と両側部とに、それぞれ矩形の貫通孔24が形成されている。また、一方(図1における下側)の横片21には、下端部の左右両側に、前方及び下方に開放された凹部25がそれぞれ設けられている。
図1に示すように、プレートカバー3は、前面30aを有する前壁30と、前壁30の周囲を覆う側壁31とが合成樹脂成形体として一体に構成されている。前壁30は、図5に示すように前後方向から見て四隅が湾曲した長方形状であり、図7及び図8に示すように周縁から中央に向かって前方へ膨らむ曲面形状に形成されている。また、前壁30の中央には、矩形の窓32が貫通している。さらに、前壁30の背面には、プレートボディ2に設けられた複数の貫通孔24の各々に対応する部位に、貫通孔24内に挿入されて前壁30の周縁部に引っ掛かる引掛部(図示せず)が設けられている。
側壁31は、前端が前壁30の周縁に連結された環状に形成されている。この側壁31は、前方に向かって外側に傾斜するように構成される(図7及び図8参照)。また、側壁31には、プレートボディ2の凹部25と対向する位置に凹部(図示略)が設けられている。
次に、本実施形態の取付枠1を用いてスイッチ10を造営材200に取り付ける手順を説明する。
先ず、スイッチ本体100を取付枠1に取り付ける手順について説明する。
作業者は、取付枠1とスイッチ本体100をそれぞれ手に持ち、可動片104が設けられた右側部に比べて左側部が前側(取付枠1に近い側)になるようにスイッチ本体100を傾けた状態で、取付枠1の後方から窓孔18内にスイッチ本体100の前部を挿入する。そして、作業者は、窓孔18内に斜めに傾けて挿入されたスイッチ本体100の左側面にある2個の取付爪103を、左側の第2梁部12に設けられた貫通孔15a,15bにそれぞれ挿入する。作業者は、この状態からスイッチ本体100の右側部を前方に押し込むと、スイッチ本体100の右側面に設けられた2個の取付爪103が右側の第2梁部12に当たって、可動片104が内側に撓められる。作業者が、スイッチ本体100の右側部をさらに前方に押し込むと、スイッチ本体100の右側面にある取付爪103が、右側
の第2梁部12に設けられた貫通孔15a,15bに挿入される。スイッチ本体100の右側面にある取付爪103が、右側の第2梁部12にある貫通孔15a,15bに挿入されると、可動片104は撓められる前の状態に戻る。そして、左右両側の取付爪103が対応する貫通孔15a,15bに引っ掛かることによって、スイッチ本体100が取付枠1に保持された状態となる。スイッチ本体100が取付枠1に取り付けられた状態では、図2及び図3に示すように、スイッチ本体100の前側部が窓孔18から前方に突出した状態となる。
なお、スイッチ本体100を取付枠1から取り外す場合、作業者は、スイッチ本体100の右側面にある突起105を押して、右側面の取付爪103を内側に引っ込めた状態とする。この状態で、作業者が、スイッチ本体100の右側部を後方に引っ張ると、スイッチ本体100が取付枠1から取り外される。
次に、作業者は、造営材200に形成された孔201から、造営材200の裏側に配線された電線(図示せず)を表側に引き出し、この電線をスイッチ本体100の電線挿入孔107に挿入して、スイッチ本体100の内部に収納された接続端子に電線を接続する。
作業者は、造営材200の孔201にスイッチ本体100の後部を収納し、孔201の周縁部に第1梁部11の背面を当てた状態で保持する。そして、作業者は、挿入孔13に通したネジを、スイッチボックス(図示せず)のネジ孔にねじ込むことによって、取付枠1を造営材200に対して固定する。
次に、作業者は、操作ハンドル110を前方からスイッチ本体100に近づけ、操作ハンドル110の裏面に設けられた軸受け部にスイッチ本体100の軸を嵌め込むことによって、操作ハンドル110をスイッチ本体100に回転自在に支持させる。
作業者は、取付枠1の前側にプレートボディ2を被せ、プレートボディ2の挿入孔23に通したネジ(図示せず)を取付枠1のネジ孔14にねじ込むことによって、プレートボディ2を取付枠1に取り付ける。
その後、作業者は、プレートボディ2の前側にプレートカバー3を被せ、プレートカバー3の引掛部を対応する貫通孔24に挿入し、引掛部を貫通孔24の周縁部に引っ掛けることで、プレートカバー3をプレートボディ2に取り付ける。
このように、プレートカバー3がプレートボディ2に取り付けられ状態では、プレートカバー3が、窓32から露出する操作ハンドル110を除いて、取付枠1、プレートボディ2、スイッチ本体100及び造営材200の孔201を前方から覆い隠している。また、プレートカバー3がプレートボディ2に取り付けられた状態では、操作ハンドル110は、プレートカバー3の窓32を通して前方から操作可能となっている。
このとき、前壁部112の前面112aから側壁部113の後端部113aまでの高さH1は、操作ハンドル110の周囲を囲むプレートカバー3の前壁30(前面30a)から第2梁部12の前面12aまでの長さL1と同一となるように構成される。ここで、プレートカバー3の前面30aから第2梁部12の前面12aまでの長さL1と同一とは、プレートボディ2をネジ締め固定した時に、プレートカバー3表面(前面30a)上からハンドル110が沈み込まない状態の高さをいい、通常は1mm±0.5mm、好ましくは1mm±0.2mm程度前方に露出する高さを言う。
なお、プレートカバー3をプレートボディ2から取り外す場合、作業者は、先端が平らな工具(例えばマイナスドライバ)をプレートカバー3の凹部とプレートボディ2の凹部25の間の隙間に挿入して捻る。これにより、プレートカバー3の下部が浮き上がって、
プレートカバー3の下側にある引掛部が貫通孔24から取り外される。この状態で、作業者が、プレートカバー3を前側(プレートボディ2から離れる方向)に引っ張ると、全ての引掛部が貫通孔24から取り外され、プレートカバー3をプレートボディ2から取り外すことができる。
ところで、本実施形態の取付枠1には、スイッチ本体100を3個まで取り付けることができる。
取付枠1に対してスイッチ本体100が1個だけ取り付けられる場合、図2に示すように、取付枠1に対して上下方向の中央付近にスイッチ本体100が取り付けられる。取付枠1に対して3個のスイッチ本体100が取り付けられる場合は、窓孔18内に3個のスイッチ本体100が上下方向に隙間なく並ぶように取り付けられる。図2において、取付枠1の中央に取り付けられたスイッチ本体100の上側及び下側にそれぞれスイッチ本体100が取り付けられる。したがって、取付枠1にスイッチ本体100を1個又は3個取り付ける場合は、スイッチ本体100の取付位置が判りやすくなっている。
なお、取付枠1にスイッチ本体100が1個だけ取り付けられる場合、各々の第2梁部12において、上下方向の中央付近に設けられた2個の貫通孔15aにスイッチ本体100の取付爪103が取り付けられる。
また、取付枠1にスイッチ本体100が3個取り付けられる場合、第2梁部12において、上下方向の中央付近に設けられた2個の貫通孔15aに、中央位置に取り付けられるスイッチ本体100の取付爪103が取り付けられる。第2梁部12において、一番上の貫通孔15aと、上から2番目の幅広の貫通孔15bとに、上側位置に取り付けられるスイッチ本体100の取付爪103が取り付けられる。第2梁部12において、一番下の貫通孔15aと、下から2番目の幅広の貫通孔15bとに、下側位置に取り付けられるスイッチ本体100の取付爪103が取り付けられる。
一方、取付枠1にスイッチ本体100を2個取り付ける場合は、窓孔18内で上下方向の両側に隙間を空けた状態で2個のスイッチ本体100が取り付けられるため、スイッチ本体100の取付位置が判りにくくなる。すなわち、第2梁部12において、上から2番目の幅広の貫通孔15bと、上から3番目の貫通孔15aとに、一方のスイッチ本体100の取付爪103が取り付けられる。また、第2梁部12において、下から2番目の幅広の貫通孔15bと、下から3番目の貫通孔15aとに、他方のスイッチ本体100の取付爪103が取り付けられる。この取付状態において、各々のスイッチ本体100の上下には隙間が空いているため、スイッチ本体100の取付位置が直感的に判りにくかった。そこで、スイッチ本体100を取付枠1に取り付ける際に、スイッチ本体100の取付爪103が最初に取り付けられる側(本実施形態では左側)の第2梁部12の前面に、取付位置を示す目印として凹部17が設けられている。この凹部17は、取付枠1にスイッチ本体100を2個取り付ける場合に、所定位置に取り付けられた各々のスイッチ本体100の左端に設けられたランプカバー102と隣り合う位置に設けられている。したがって、凹部17とランプカバー102が隣り合うようにスイッチ本体100を取付枠1に取り付けることで、取付枠1に対して2個のスイッチ本体100を取り付ける場合でも、スイッチ本体100の取付位置を間違えにくくなる。
次に、本実施形態の効果を記載する。
(1)第1梁部11において造営材の表面側に配置される部位の前面11aよりも、第2梁部12において保持部としての貫通孔15a,15bが設けられた部位の前面12aの方が後側に位置している。したがって、第1梁部11の前面11aと第2梁部12の前面12aとが前後方向において同じ位置にある場合に比べて、貫通孔15a,15bに保持されたスイッチ本体100及びハンドル110の前面を後方に位置させることができる
。よって、スイッチ本体100の前面が造営材の表面から突出する量を小さくでき、配線器具全体で造営材の表面から露出する部位を薄型化することができる。
(2)一対の第2梁部12は互いに対向する対向端部12bとは反対側の端部12cが後方に折り曲げられて第2梁部側突条部12dが形成される。このように、第2梁部側突条部12dを形成することで折り曲げた方向における曲げ剛性を向上させることができる。
(3)屈曲部Kは、一対の第2梁部12が対向する方向における屈曲幅K1が金属板状部材の板厚(例えば第2梁部側突条部12dの左右方向における幅D2)と同一となるように構成される。これによって第2梁部12が互いに離間することが抑えられている。
(4)屈曲部Kの周囲であって第2梁部12の窓孔18側に切り欠き部12eが形成される。切り欠き部12eが形成されることで窓孔18がピン角となることが抑えられるため、応力集中が発生し辛い、即ち応力が切り欠き部12e全体に分散されるため、第2梁部12が離間することが抑えられる。
(5)一対の第1梁部11の互いに対向する対向端部11dが前方に折り曲げられて第1梁部側突条部11eが形成される。このように、第1梁部側突条部11eを形成することで折り曲げた方向における曲げ剛性を向上させることができる。
(6)操作ハンドル110は、使用者が押圧可能な前面を有する前壁部112と、前壁部112から後方に延出する側壁部113を有する。そして、前壁部112の前面112aから側壁部113の後端部113aまでの高さH1は、操作ハンドル110の周囲を囲むプレートカバー3の前壁30(前面30a)から第2梁部12の前面12aまでの長さL1と同一となるように構成される。このような構成とすることで、薄型のプレートカバー3を用いた場合であっても、プレートカバー3の前壁30(前面)から操作ハンドル110が極端に前方に露出することを避けることができる。
なお、上記実施形態は、以下のように変更してもよい。
・上記実施形態では、操作ハンドル110がプレートカバー3の前面30aから前方に1mm±0.5mm、好ましくは1mm±0.2mm程度露出する高さとしたが、これに限らない。例えば、図9に示すように、操作ハンドル110がプレートカバー3の前面30aと同一平面上(0+0.5mm以内、好ましくは0+0.2mm以内)となる構成であってもよい。
・上記実施形態では、取付枠1に取り付けられる配線器具として、ピアノハンドル式のスイッチを例示したが、図10に示すようにシーソー式の操作ハンドル120を備えたスイッチを採用してもよい。
図10に示すように操作ハンドル120は、左右方向の中間部を支点として揺動自在にスイッチ本体100に取り付けられている。図10に示すように、操作ハンドル120の右端が後方に押し込まれた状態では、操作ハンドル120の左端が前方に突出した状態となる。この状態から操作ハンドル120の左端を後側に押しこむと、操作ハンドル120が左右方向の中間部を支点として揺動し、操作ハンドル120の右端が前方に突出した状態となり、接点がオンからオフ(又は、オフからオン)に切り替わる。また、操作ハンドル120の右端が前方に突出した状態から、操作ハンドル120の右端を後側に押し込むと、操作ハンドル120が左右方向の中間部を支点として揺動し、操作ハンドル120の左端が前方に突出した状態となる。そして、操作ハンドル120の揺動動作に応じて、接点がオフからオン(又は、オンからオフ)に切り替わる。
シーソー式の操作ハンドル120を備えたスイッチ本体100が本実施形態の取付枠1に取り付けられた場合でも、操作ハンドル120の前端部分が造営材200の表面から突出する量を、従来の取付枠を用いる場合に比べて小さくできる。
・上記実施形態では、第1梁部側突条部11eを折り曲げ形成したが、第1梁部側突条部11eを形成しない構成を採用してもよい。
・上記実施形態では、切り欠き部12eを第2梁部側突条部12dまで達しない範囲で形成したが、これに限らない。例えば、図11〜図14に示すように第2梁部側突条部12dまで達するように形成してもよい。このように第2梁部側突条部12dまで達するように切り欠き部12eを形成することで、切り欠き部12e全体に分散される。これにより、第2梁部12が離間することがより抑えられる。
・上記実施形態では特に言及していないが、図11、図13及び図14に示すように、第2梁部側突条部12dの後端に開口するように切り込み部12fを形成してもよい。切り込み部12fは、後端から前方に向かって切り込まれるようにプレス成形時に形成される。本構成では、各第2梁部側突条部12dのそれぞれに2つの切り込み部12fを形成している。これによって、第2梁部12同士が離間する方向への広がりをより確実に抑えることができる。なお、切り込み部12fの数は適宜変更してもよい。
また、切り込み部12fは、後端側(開口側)ほど上下方向における切り込みの幅が狭く(前方側の切り込みの幅W1>後端側の切り込みの幅W2と)なるように略台形形状に形成される。このとき、幅W2は第2梁部側突条部12dの左右方向の幅D2(板厚)よりも狭く形成される(D2>W2)。
・上記実施形態では特に言及していないが、図11及び図14に示すように、第2梁部側突条部12dの後端側であって第2梁部側突条部12d同士が対向する対向角部12gが面取り(C面取り)する構成を採用してもよい。このような構成とすることで、スイッチ本体100などの配線器具を第2梁部側突条部12d間に挿入する際に対向角部12gが前記配線器具の挿入を阻害することを抑えられる。すなわち、第2梁部側突条部12d間への前記配線器具の挿入が容易となる。
・屈曲部Kは、一対の第2梁部12が対向する方向における屈曲幅K1が金属板状部材の板厚(例えば第2梁部側突条部12dの左右方向における幅D2)と同一となるように構成したが、これに限らない。
・上記実施形態並びに各変形例は適宜組み合わせてもよい。
[参考例]
以下に、配線器具用取付枠の参考例について図面を参照して説明する。
図11は配線器具用取付枠を用いた配線装置の分解斜視図である。この配線装置は、配線器具用取付枠(以下、取付枠という)1と、配線器具であるピアノハンドル式のスイッチ10(スイッチ本体100及び操作ハンドル110からなる)と、プレート4(プレートボディ2及びプレートカバー3からなる)とを備える。なお、以下の説明では、特に断りが無いかぎり、図11において上下左右前後の各方向を規定する。
先ず、取付枠1に取り付けられる埋込型の配線器具について説明する。本実施形態では配線器具としてワイドハンドル形のスイッチ(いわゆるピアノハンドル式スイッチ)を例示するが、埋込型の配線器具であれば、ワイドハンドル形以外のスイッチや、コンセントなどのスイッチ以外の配線器具であっても構わない。
スイッチ10は、スイッチ本体100と操作ハンドル110とを有する。
スイッチ本体100は、図11−図14に示すように、矩形箱状に形成されている。図
11及び図12に示すように、スイッチ本体100の前面には押釦101が前後方向において移動自在な状態で取り付けられている。この押釦101が押し込まれる度に、スイッチ本体100の内部に収納された接点(図示せず)の状態(例えば、接点が閉じた状態と開いた状態)が切り替えられるように接点の切替機構(図示せず)が構成されている。
スイッチ本体100の前面の左側には、上下方向における中央部に、透光性を有するランプカバー102が取り付けられている。スイッチ本体100の内部には、例えば接点が開いている状態で点灯するランプ(図示せず)が収納されており、ランプの発光はランプカバー102を透過して前方に出射される。
スイッチ本体100の左側面及び右側面には、スイッチ本体100を取付枠1に取り付けるための取付爪103が2個ずつ設けられている。スイッチ本体100の右側壁において、2個の取付爪103が設けられた部位の周りにはスリットが形成されており、2個の取付爪103が設けられた部位(この部位を可動片104という)は、その前端側でスイッチ本体100に片持ち支持されている。したがって、可動片104の後部に設けられた突起105を押し込むことによって、可動片104に設けられた2個の取付爪103を、スイッチ本体100の内側に引っ込めることができるようになっている。
スイッチ本体100の前面の左側には、操作ハンドル110を支持するための円柱状の2個の軸106が、ランプカバー102を挟んで上下両側に並べて設けられている。
スイッチ本体100の後部には、図14に示すように、電線(図示せず)を挿入するための電線挿入孔107が左右に2個ずつ設けられている。スイッチ本体100の内部には、接点の両側端子にそれぞれ電気的に接続された速結構造の接続端子が収納されており、この接続端子に電線挿入孔107から挿入された電線の芯線が接続される。
なお、このようなスイッチ本体100は従来周知であるから、詳細な構造の図示及び説明は省略する。
操作ハンドル110は、図11及び図5に示すように、押釦101の前面よりも十分に大きい寸法を有する矩形板状に形成されている。操作ハンドル110の前面の右側には、上下方向における中央部に、操作ハンドル110を前後方向に貫通する長円形状の孔が設けられ、この孔に透光板111が埋め込まれている。操作ハンドル110の裏面には、スイッチ本体100のランプカバー102から照射された光を透光板111に導くプリズム(図示せず)が取り付けられている。そして、接点が開いた状態では、スイッチ本体100に収納されたランプの光で透光板111が光るから、この光でスイッチ10の位置表示を行うことができる。
また、操作ハンドル110の裏面(後面)には、スイッチ本体100の軸106と対向する部位に、軸106が回転自在な状態で取り付けられる軸受け部(図示せず)が設けられている。操作ハンドル110は、軸受け部に軸106を保持させることによって、スイッチ本体100の前面において、左右方向の一端側(左側)で回転自在に支持されている。そして、操作ハンドル110の右側を後方に押し込むと、操作ハンドル110は軸106によって支持される部位を支点にして回転し、操作ハンドル110の背面に設けられた突起(図示せず)で押釦101が押し込まれるように構成されている。
次に、取付枠1について図11−図15を参照して説明する。取付枠1は、合成樹脂又は金属板により、配線器具が取り付けられる窓孔18を有した矩形枠状に形成される。この取付枠1は、長手方向(図11の上下方向)において窓孔18を挟んで対向する一対の第1梁部11と、一対の第1梁部11が対向する方向と交差する方向(左右方向)において、窓孔18を挟んで対向する一対の第2梁部12を備える。つまり、一対の第1梁部11と、一対の第2梁部12とで囲まれた空間が窓孔18となっている。
一対の第1梁部11の各々には、第1梁部11の裏面側を造営材(例えば壁材)200の表面に当てた状態で(図15参照)、第1梁部11を造営材200に固定するためのネジ(図示せず)を挿入する挿入孔13が設けられている。また、一対の第1梁部11の各々には、挿入孔13よりも外側であって、左右方向の中央にネジ孔14が設けられている。
一対の第2梁部12の各々には、配線器具を保持するための保持部として、スイッチ本体100の取付爪103がそれぞれ挿入される複数個(例えば8個)の貫通孔15が設けられている。つまり、スイッチ本体100の両側に2個ずつ設けられた取付爪103がそれぞれ対応する貫通孔15に挿入されることで、スイッチ本体100の前端部が窓孔18から前側に突出した状態でスイッチ本体100が取付枠1に取り付けられる(図12−図14参照)。
ここで、第1梁部11の前面よりも第2梁部12の前面の方が後方に位置するように、第1梁部11の前面と第2梁部の前面との間には段差D1が設けられている(図13参照)。すなわち、第1梁部11において造営材200の表面側に配置される部位の前面よりも、第2梁部12において貫通孔15が設けられた部位の前面の方が、造営材200に取り付けられた状態で後側に位置するように、第1梁部11及び第2梁部12が構成される。なお、第1梁部11の背面(後面)には、窓孔18の周縁部から後方に突出するリブ16が設けられており、このリブ16の左端は左側の第2梁部12に繋がり、リブ16の右端は右側の第2梁部12に繋がっている。第1梁部11と第2梁部12との間には段差が設けられているので、段差が無い場合に比べて取付枠1の強度が低下する可能性があるが、リブ16が第1梁部11と第2梁部12とを繋げることで、取付枠1の強度を高めている。
この取付枠1は、造営材200に設けられた埋込用の孔201の周縁部に第1梁部11の背面(裏面)を当てた状態で(図15参照)、造営材200に埋め込まれたスイッチボックス(図示せず)に取り付けられることによって、造営材200に対して固定される。つまり、上側及び下側の第1梁部11の挿入孔13にそれぞれ通された2本のボルト(図示せず)が、スイッチボックスのねじ孔にねじ止めされる。ただし、スイッチボックスが埋め込まれていない場合、取付枠1は、従来周知の挟み金具(図示せず)を用いて造営材200に固定される。
次に、取付枠1の前面側に取り付けられる化粧用のプレート4について説明する。プレート4は、図11に示すように、取付枠1に取り付けられるプレートボディ2と、プレートボディ2を覆うようにプレートボディ2に着脱可能に取り付けられるプレートカバー3とを備える。
プレートボディ2は、図11に示すように、合成樹脂材料により一対の横片21と一対の縦片22とを有する矩形枠状に形成されている。ここで、一対の横片21と一対の縦片22とで囲まれた窓孔20は、プレートボディ2が取付枠1に取り付けられた状態で、取付枠1の窓孔18と前後方向において重なる位置に設けられている。
一対の横片21の各々には、左右方向における中央部に、ネジを挿入するための挿入孔23が設けられている。また、一対の縦片22の各々には、長手方向(上下方向)における中央部と両側部とに、それぞれ矩形の貫通孔24が形成されている。また、一方(図11における下側)の横片21には、下端部の左右両側に、前方及び下方に開放された凹部25がそれぞれ設けられている。
プレートカバー3は、図11に示すように前壁30と側壁31とが合成樹脂成形体として一体に構成されている。前壁30は、図5に示すように前後方向から見て四隅が湾曲した長方形状であり、図16及び図17に示すように周縁から中央に向かって前方へ膨らむ曲面形状に形成されている。また、前壁30の中央には、矩形の窓32が貫通している。さらに、前壁30の背面には、プレートボディ2に設けられた複数の貫通孔24の各々に対応する部位に、貫通孔24内に挿入されて前壁30の周縁部に引っ掛かる引掛部(図示せず)が設けられている。
側壁31は、前端が前壁30の周縁に連結された環状に形成されている。この側壁31は、前方に向かって外側に傾斜するように構成される(図16及び図17参照)。また、側壁31には、プレートボディ2の凹部25と対向する位置に凹部33が設けられている(図17参照)。
次に、本実施形態の取付枠1を用いてスイッチ10を造営材200に取り付ける手順を説明する。
先ず、スイッチ本体100を取付枠1に取り付ける手順について説明する。
作業者は、取付枠1とスイッチ本体100をそれぞれ手に持ち、可動片104が設けられた右側部に比べて左側部が前側(取付枠1に近い側)になるようにスイッチ本体100を傾けた状態で、取付枠1の後方から窓孔18内にスイッチ本体100の前部を挿入する。そして、作業者は、窓孔18内に斜めに傾けて挿入されたスイッチ本体100の左側面にある2個の取付爪103を、左側の第2梁部12に設けられた貫通孔15にそれぞれ挿入する。作業者は、この状態からスイッチ本体100の右側部を前方に押し込むと、スイッチ本体100の右側面に設けられた2個の取付爪103が右側の第2梁部12に当たって、可動片104が内側に撓められる。作業者が、スイッチ本体100の右側部をさらに前方に押し込むと、スイッチ本体100の右側面にある取付爪103が、右側の第2梁部12に設けられた貫通孔15に挿入される。スイッチ本体100の右側面にある取付爪103が、右側の第2梁部12にある貫通孔15に挿入されると、可動片104は撓められる前の状態に戻る。そして、左右両側の取付爪103が対応する貫通孔15に引っ掛かることによって、スイッチ本体100が取付枠1に保持された状態となる。スイッチ本体100が取付枠1に取り付けられた状態では、図12及び図13に示すように、スイッチ本体100の前側部が窓孔18から前方に突出した状態となる。
なお、スイッチ本体100を取付枠1から取り外す場合、作業者は、スイッチ本体100の右側面にある突起105を押して、右側面の取付爪103を内側に引っ込めた状態とする。この状態で、作業者が、スイッチ本体100の右側部を後方に引っ張ると、スイッチ本体100が取付枠1から取り外される。
次に、作業者は、造営材200に形成された孔201から、造営材200の裏側に配線された電線(図示せず)を表側に引き出し、この電線をスイッチ本体100の電線挿入孔107に挿入して、スイッチ本体100の内部に収納された接続端子に電線を接続する。
作業者は、造営材200の孔201にスイッチ本体100の後部を収納し、孔201の周縁部に第1梁部11の背面を当てた状態で保持する。そして、作業者は、挿入孔13に通したネジを、スイッチボックス(図示せず)のネジ孔にねじ込むことによって、取付枠1を造営材200に対して固定する。
次に、作業者は、操作ハンドル110を前方からスイッチ本体100に近づけ、操作ハンドル110の裏面に設けられた軸受け部にスイッチ本体100の軸を嵌め込むことによって、操作ハンドル110をスイッチ本体100に回転自在に支持させる。
作業者は、取付枠1の前側にプレートボディ2を被せ、プレートボディ2の挿入孔23に通したネジ(図示せず)を取付枠1のネジ孔14にねじ込むことによって、プレートボディ2を取付枠1に取り付ける。
その後、作業者は、プレートボディ2の前側にプレートカバー3を被せ、プレートカバー3の引掛部を対応する貫通孔24に挿入し、引掛部を貫通孔24の周縁部に引っ掛けることで、プレートカバー3をプレートボディ2に取り付ける。
このように、プレートカバー3がプレートボディ2に取り付けられ状態では、プレートカバー3が、窓32から露出する操作ハンドル110を除いて、取付枠1、プレートボディ2、スイッチ本体100及び造営材200の孔201を前方から覆い隠している。また、プレートカバー3がプレートボディ2に取り付けられた状態では、操作ハンドル110は、プレートカバー3の窓32を通して前方から操作可能となっている。
なお、プレートカバー3をプレートボディ2から取り外す場合、作業者は、先端が平らな工具(例えばマイナスドライバ)を凹部33と凹部25の間の隙間に挿入して捻る。これにより、プレートカバー3の下部が浮き上がって、プレートカバー3の下側にある引掛部が貫通孔24から取り外される。この状態で、作業者が、プレートカバー3を前側(プレートボディ2から離れる方向)に引っ張ると、全ての引掛部が貫通孔24から取り外され、プレートカバー3をプレートボディ2から取り外すことができる。
ところで、本実施形態の取付枠1には、スイッチ本体100を3個まで取り付けることができる。
取付枠1に対してスイッチ本体100が1個だけ取り付けられる場合、図12に示すように、取付枠1に対して上下方向の中央付近にスイッチ本体100が取り付けられる。取付枠1に対して3個のスイッチ本体100が取り付けられる場合は、窓孔18内に3個のスイッチ本体100が上下方向に隙間なく並ぶように取り付けられる。図12において、取付枠1の中央に取り付けられたスイッチ本体100の上側及び下側にそれぞれスイッチ本体100が取り付けられる。したがって、取付枠1にスイッチ本体100を1個又は3個取り付ける場合は、スイッチ本体100の取付位置が判りやすくなっている。
なお、取付枠1にスイッチ本体100が1個だけ取り付けられる場合、各々の第2梁部12において、上下方向の中央付近に設けられた2個の貫通孔15にスイッチ本体100の取付爪103が取り付けられる。
また、取付枠1にスイッチ本体100が3個取り付けられる場合、第2梁部12において、上下方向の中央付近に設けられた2個の貫通孔15に、中央位置に取り付けられるスイッチ本体100の取付爪103が取り付けられる。第2梁部12において、一番上の貫通孔15と、上から2番目の幅広の貫通孔15とに、上側位置に取り付けられるスイッチ本体100の取付爪103が取り付けられる。第2梁部12において、一番下の貫通孔15と、下から2番目の幅広の貫通孔15とに、下側位置に取り付けられるスイッチ本体100の取付爪103が取り付けられる。
一方、取付枠1にスイッチ本体100を2個取り付ける場合は、窓孔18内で上下方向の両側に隙間を空けた状態で2個のスイッチ本体100が取り付けられるため、スイッチ本体100の取付位置が判りにくくなる。すなわち、第2梁部12において、上から2番目の幅広の貫通孔15と、上から3番目の貫通孔15とに、一方のスイッチ本体100の取付爪103が取り付けられる。また、第2梁部12において、下から2番目の幅広の貫通孔15と、下から3番目の貫通孔15とに、他方のスイッチ本体100の取付爪103
が取り付けられる。この取付状態において、各々のスイッチ本体100の上下には隙間が空いているため、スイッチ本体100の取付位置が直感的に判りにくかった。そこで、スイッチ本体100を取付枠1に取り付ける際に、スイッチ本体100の取付爪103が最初に取り付けられる側(本実施形態では左側)の第2梁部12の前面に、取付位置を示す目印として凹部17が設けられている。この凹部17は、取付枠1にスイッチ本体100を2個取り付ける場合に、所定位置に取り付けられた各々のスイッチ本体100の左端に設けられたランプカバー102と隣り合う位置に設けられている。したがって、凹部17とランプカバー102が隣り合うようにスイッチ本体100を取付枠1に取り付けることで、取付枠1に対して2個のスイッチ本体100を取り付ける場合でも、スイッチ本体100の取付位置を間違えにくくなる。
以上説明したように、取付枠1は、一対の第1梁部11と、一対の第2梁部12とで枠状に形成されている。一対の第1梁部11は、配線器具であるスイッチ本体100が取り付けられる窓孔18を挟んで対向し、造営材200に設けられた孔201の周縁部に裏面を当てた状態で造営材200に固定される。一対の第2梁部12は、一対の第1梁部11が対向する方向と交差する方向において、窓孔18を挟んで対向する。一対の第2梁部12の各々には、スイッチ本体100を保持するための保持部(本実施形態ではスイッチ本体100の取付爪103が挿入される貫通孔15)が設けられる。第1梁部11において造営材200の表面側に配置される部位の前面よりも、第2梁部12において保持部が設けられた部位の前面の方が、造営材200に取り付けられた状態で後側に位置するように第1梁部11及び第2梁部12が構成されている。
このように、第2梁部12において保持部が設けられた部位の前面は、第1梁部11において造営材200の表面側に配置される部位の前面よりも後側に位置している。したがって、第2梁部12において保持部が設けられた部位の前面と、第1梁部11において造営材200の表面側に配置される部位の前面とが、前後方向において同じ位置にある場合に比べて、スイッチ本体100の前面を後側に位置させることができる。よって、配線器具の前面が造営材200の表面から突出する量を小さくでき、配線装置全体として造営材200の表面から露出する部位を薄型化することができる。
また、本実施形態の取付枠1では、第1梁部11と第2梁部12との境界部分にリブ16が設けられている。すなわち、第1梁部11の背面には、窓孔18の周縁部から後方に突出するリブ16が設けられ、リブ16の左側端は左側の第2梁部12に繋がり、リブ16の右側端は右側の第2梁部12に繋がっている。本実施形態では、第1梁部11と第2梁部12との間に段差が設けられているが、リブ16によって第1梁部11と第2梁部12とが繋げられているから、取付枠1の強度を高めることができる。
1…取付枠(配線器具用取付枠)、2…プレートボディ、3…プレートカバー、4…プレート、10…スイッチ(配線器具)、11…第1梁部、11e…第1梁部側突条部、12…第2梁部、12d…第2梁部側突条部、12e…切り欠き部、13…挿入孔、15a,15b…貫通孔(保持部)、18…窓孔、30…前壁部、100…スイッチ本体(器具本体)、103…取付爪、110…操作ハンドル(ハンドル)、112…前壁部、113…側壁部、120…操作ハンドル(ハンドル)、200…造営材、201…孔、K…屈曲部、D1…段差、H1…高さ、L1…長さ。

Claims (3)

  1. 配線器具が取り付けられる窓孔を挟んで対向し、造営材に設けられた孔の周縁部に裏面を当てた状態で前記造営材に固定される一対の第1梁部と、
    一対の前記第1梁部が対向する方向と交差する方向において、前記窓孔を挟んで対向するとともに前記配線器具を保持する保持部を備えた一対の第2梁部と、
    を有して枠状に形成される配線器具用取付枠であって、
    前記第1梁部及び前記第2梁部は金属板状部材の折り曲げ部材であり、
    前記第1梁部と前記第2梁部との境界部位には、前後方向に段差を有するように屈曲された屈曲部を有し、
    前記屈曲部によって、前記第1梁部において前記造営材の表面側に配置される部位の前面よりも、前記第2梁部において前記保持部が設けられた部位の前面の方が、前記造営材に取り付けられた状態で後側に位置するように前記第1梁部及び前記第2梁部が構成され、
    一対の前記第2梁部は、互いに対向する対向端部とは反対側の端部に、前記第2梁部の前記前面から後方に延びる第2梁部側突条部を有し、
    前記屈曲部の周囲であって前記第2梁部の前記窓孔側に切り欠き部を有し、
    前記切り欠き部は、
    前記第2梁部側突条部まで達しないように形成する配線器具用取付枠。
  2. 前記切り欠き部は、前記第2梁部側突条部まで達していることを特徴とする請求項1に記載の配線器具用取付枠。
  3. 一対の前記第1梁部は、互いに対向する対向端部に、前記第1梁部の前記前面から前方に延びる第1梁部側突条部を有することを特徴とする請求項1または2に記載の配線器具用取付枠。
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