(第1の実施形態)
図1〜図7を参照して、本発明に係るスイッチの取付枠を電気機器のスイッチ装置を構成する取付枠として、具体的には、造営物に設置される照明のオンとオフとを切り換えるピアノハンドル式のスイッチ装置を構成する取付枠として具体化した第1の実施形態について説明する。
図1に示すように、スイッチ装置Aには、押釦ハンドル11を備えるスイッチ本体1が設けられている。このスイッチ本体1には、押釦ハンドル11を覆うピアノハンドル3が取り付けられている。また、スイッチ本体1は、矩形状に形成された取付枠2に取り付けられている。即ち、取付枠2を構成する4つの辺に囲まれた矩形状の空間S1にスイッチ本体1の一部が配置された状態において、スイッチ本体1の一部が取付枠2に取り付けられている。ここで、スイッチ本体1の筐体12に設けられた爪部が取付枠2に設けられた貫通孔21cに係合することにより、スイッチ本体1は、取付枠2に取り付けられるとともに、取付枠2に保持される。なお、本実施形態では、スイッチ本体1の筐体12の爪部は、筐体12からスイッチ本体1の短手方向の外側に突出する。そして、爪部は、取付枠2の貫通孔21cの短手方向の内側から外側に挿入されることにより、係合される。また、取付枠2には、ピアノハンドル3を外囲する矩形状のプレート4が取り付けられている。
スイッチ本体1は、内蔵した接点を押釦ハンドル11の操作に伴い反転させることにより、照明のオンとオフとを切り換えている。特に、スイッチ装置Aでは、ピアノハンドル3を介して、押釦ハンドル11の操作が行われている。
プレート4は、ねじ7により取付枠2に固定されることにより、ピアノハンドル3を外囲するプレート枠5と、プレート枠5に取り付けられることにより、ピアノハンドル3を外囲する化粧プレート6とにより構成されている。プレート枠5において、プレート枠5を構成する4つの辺に囲まれた矩形状の空間S2にピアノハンドル3の一部が配置されている。また、化粧プレート6において、化粧プレート6を構成する4つの辺に囲まれた矩形状の空間S3にピアノハンドル3の一部が配置されている。化粧プレート6の空間S3の面積は、プレート枠5の空間S2の面積よりも小さく設定されている。これにより、ピアノハンドル3の外周縁と、この外周縁と対応する化粧プレート6の内周縁との間隙が十分に小さく設定されている。
スイッチ装置Aにおいて、化粧プレート6により、プレート枠5の表側が覆われている。また、ピアノハンドル3により、スイッチ本体1が覆われている。これにより、造営材に設けられたスイッチボックスSBに取付枠2が取り付けられた際、スイッチ装置Aの表側からは、化粧プレート6及びピアノハンドル3のみが視認されている。
図2及び図3に示すように、取付枠2は、複数の分割された取付体を組み合わせることにより構成されている。即ち、スイッチ本体1が取り付けられる一対の第1取付体21と、一対の第1取付体21を互いに接合するとともに、造営材に埋設されているスイッチボックスSBに取り付けられる一対の第2取付体22とが組み合わされることにより構成されている。
以降では、第1取付体21に沿う方向を取付枠2の「長手方向」とし、また、第2取付体22に沿う方向を取付枠2の「短手方向」とし、長手方向及び短手方向に直行する方向を「奥行き方向」とする。
一対の第1取付体21は、短手方向において、所定の距離を介して互いに平行に配置されている。即ち、第1取付体21には、長手方向に延設された保持部21aと、保持部21aから短手方向の内側に向かい延設された補強部21bとが設けられている。これら保持部21a及び補強部21bにより、第1取付体21において、長手方向に沿う断面の形状は、略L字状に形成されている。また、保持部21aには、スイッチ本体1を取り付ける貫通孔21cが長手方向に沿って所定の距離を介して複数設けられている。
また、長手方向において、保持部21aの両端には、第2取付体22と接合する接合部21dがそれぞれ設けられている。これら接合部21dは、短手方向において、保持部21aよりも内側に延設されている。
一対の第2取付体22は、長手方向において、所定の距離を介して互いに平行に配置されている。そして、第2取付体22のそれぞれには、長手方向において、第2取付体22の外側に設けられるとともに、プレート枠5(図1参照)が取付枠2に取り付けられる際、ねじ7(図1参照)が螺合するねじ穴22aと、ねじ8(図6参照)によって、取付枠2がスイッチボックスSB(図1参照)に取り付けられる際、ねじ8が挿入される貫通孔22bとが設けられている。ここで、貫通孔22bは、ねじ穴22aより長手方向の内側に設けられるとともに、短手方向が長軸となる長穴形状である。また、短手方向において、ねじ穴22aの両側には、スイッチボックスSBに対して取付枠2の位置を決定する位置決め部22cが設けられている。なお、本実施形態の位置決め部22cは、円形の貫通孔である。
また、短手方向において、第2取付体22の両端には、第1取付体21と接合する接合部22dがそれぞれ設けられている。また、短手方向において、接合部22dより内側には、屈曲部22eが設けられている。屈曲部22eは、短手方向の外側に向かい奥行き方向の表側に延設される。即ち、接合部22dの表面22f(図3参照)は、ねじ穴22aが設けられる部位22g以外の第2取付体22の表面22hよりも表側に設けられている。
各第2取付体22において、接合部22d及び貫通孔22bは、長手方向に沿って、一列に配置されている。また、長手方向において、貫通孔22bより内側の部位22nは、奥行き方向に対して凹凸のない平面にて構成されている。
この取付枠2は、ねじ8が、各第2取付体22にそれぞれ設けられた貫通孔22bに挿入されるとともに、スイッチボックスSBの一対の突出部SB1に設けられた貫通孔SB2(図1参照)に螺合されることにより、スイッチボックスSBに取り付けられる。
図5に示すように、奥行き方向において、第1取付体21の接合部21dは、第2取付体22の接合部22dよりも表側に配置されているとともに、各接合部21d,22dは、互いに重ねられている。即ち、接合部21dの裏面21eは、接合部22dの表面22fに接触している。
第2取付体22の接合部22dのそれぞれには、奥行き方向において、接合部22dの表面22fから表側に向かい突出する突起部22jが設けられている。突起部22jは、長手方向において、所定の距離を介して2つ設けられている。以降では、長手方向において、内側の突起部を「内側突起部22j1」といい、外側の突起部を「外側突起部22j2」という。そして、単に、「突起部22j」と記載したときは、全ての突起部22jを示す。
第1取付体21の接合部21dにおいて、第2取付体22の突起部22jと対向する位置には、開口部21fがそれぞれ設けられている。この開口部21fは、接合部21dを奥行き方向に貫通する貫通孔である。
第1取付体21の接合部21dと第2取付体22の接合部22dとが互いに重なる際、接合部22dの突起部22jが接合部21dの開口部21fに挿入される。そして、突起部22jを開口部21fに挿入された状態において、突起部22jを押圧することにより、突起部22jが変形して各接合部21d,22dが互いに接合される、即ち、各接合部21d,22dにかしめが行われる。ここで、本実施形態の取付枠2では、第1取付体21の接合部21dと第2取付体22の接合部22dとの接合構造が4つ設けられるが、これら接合構造は、同一の構造である。また、かしめを行う際、位置決め部22cは、かしめピンに対する位置基準として用いられる。即ち、位置決め部22cは、取付枠2がスイッチボックスSBに取り付けられる際の位置基準と、かしめを行う際のかしめピンに対する位置基準との両方に用いられる。
図4に示すように、第2取付体22の接合部22dの突起部22jは、内側突起部22j1の短手方向の位置が、外側突起部22j2の短手方向の位置より、短手方向の外側となるように設けられる。特に、本実施形態では、図7に示すように、短手方向に所定の距離を介して設けられた2つの接合部22dにおいて、2つの内側突起部22j1の短手方向の距離W1は、2つの外側突起部22j2の短手方向の距離W2より大きくなるように形成されている。また、第1取付体21の開口部21fも同様に、長手方向において、外側の開口部(以下、単に「外側開口部21f2」という。)よりも内側の開口部(以下、単に「内側開口部21f1」という。)の方が、短手方向の外側に設けられている。ここで、以下、単に、「開口部21f」と記載したときは、すべての開口部21fを示す。また、以下、内側突起部22j1及び内側開口部21f1をかしめを行った状態にて構成される接合構造を、長手方向において、内側の固定部である第1固定部FX1といい、外側突起部22j2及び外側開口部21f2をかしめを行った状態にて構成される接合構造を、長手方向において、外側の固定部である第2固定部FX2という。ここで、第1固定部FX1は、第2固定部FX2より短手方向の外側に設けられている。
図5に示すように、第1取付体21の接合部21dの開口部21fには、突起部22jの変形部位22k(図5(b)参照)が収容される第1開口部21gと、奥行き方向において、第1開口部21gより裏側に形成されるとともに、第1開口部21gの内径D1より小さい内径D2を有する第2開口部21hとが設けられている。そして、第1開口部21gと第2開口部21hとの間には、第1開口部21gに向かい拡径する、即ち、奥行き方向において、表側に向かい拡径する拡径開口部21jが設けられている。また、図5(a)に示すように、第2開口部21hの内径D2は、第2取付体22の接合部22dの突起部22jの外径D3と略同一となるように形成される。
図5(b)に示すように、突起部22jが変形した状態において、突起部22j(変形部位22k)と拡径開口部21jとは互いに接触する。また、変形部位22kと、第1開口部21gを構成する内周面と第2開口部21hを構成する内周面とを連結する連結面とは互いに接触する。
また、奥行き方向において、突起部22jの変形部位22kの表面22mは、第1取付体21の接合部21dの表面21pよりも裏側となるように配置される。なお、スイッチ本体1(図1参照)に取り付けられたピアノハンドル3(図1参照)の裏面、即ち、ピアノハンドル3の奥行き方向の裏側の面は、第1取付体21の接合部21dの表面21pと近接して配置されている。
図6に示すように、取付枠2は、造営材Qに設けられた開口部Q1に設けられたスイッチボックスSBの突出部SB1の貫通孔SB2にねじ8が螺合することよって固定されている。ここで、図7に示すように、スイッチ装置Aの第2取付体22は、造営材Qの造営面Q2と貫通孔22bより長手方向の外側の部位(図7中の第2取付体22の斜線部分。以下、単に「外側部位221」という。)のみと接触している。したがって、取付枠2をスイッチボックスSB(図6参照)に取り付けられた際、即ち、第2取付体22の貫通孔22bとスイッチボックスSBの突出部SB1の貫通孔SB2にねじ8が固定された際、第2取付体22の外側部位221は、奥行き方向の表側、即ち、造営面Q2から離れる方向に変形する。そして、外側部位221より長手方向の内側の部位(以下、単に「内側部位222」という。)は、奥行き方向の裏側、即ち、造営面Q2より裏側になるように変形する。
また、第2取付体22の外側部位221が奥行き方向の表側、及び内側部位222が奥行き方向の裏側に変形するのに加え、第2取付体22は、以下の変形を生じる。即ち、第2取付体22の短手方向の中央に設けられた貫通孔22bにねじ8が取り付けられるため、ねじ8の締め付けトルクは、第2取付体22の貫通孔22bに加わる。したがって、ねじ8の締め付けトルクによって、第2取付体22は、貫通孔22bを中心に奥行き方向の裏側に変形する。即ち、第2取付体22は、貫通孔22bを下部及び接合部22dを上部として、奥行き方向の裏側に撓む。この第2取付体22の奥行き方向の裏側への撓みに起因して、第1取付体21は、保持部21aが、短手方向の外側に変形しようとする。即ち、保持部21aの奥行き方向の下部が最も短手方向の外側となるように変形しようとする。その結果、取付枠2に対して、スイッチ本体1の保持状態が安定しない。
しかしながら、接合部21d,22dにおいて、第1固定部FX1が第2固定部FX2より短手方向の外側に配置されるため、保持部21aは、取付枠2をスイッチボックスSBに取り付けた状態において、保持部21aの短手方向の外側への変形が抑制される。
ここで、取付枠2をスイッチボックスSBに取り付けた状態において、保持部21aが短手方向の外側への変形が抑制される理由としては、次のように考えられる。即ち、ねじ8によって、スイッチボックスSBに取付枠2を取り付ける際、ねじ8の締め付けトルクによって、第2固定部FX2より大きな力が加わる第1固定部FX1が、第2固定部FX2を支点として、奥行き方向の下側、且つ、短手方向の内側に変形しようとする力が働く。即ち、短手方向において、第2固定部FX2より外側に配置された第1固定部FX1は、取付枠の短手方向において、第1取付体21の保持部21aを内側に変形させる力が働く。
したがって、スイッチボックスSBに取付枠2を取り付ける際、第2取付体22が奥行き方向の裏側に変形することに起因して、保持部21aが短手方向の外側に変形することに対し、第1固定部FX1により、保持部21aを短手方向の内側に変形しているため、図19に示す従来構造と比較して、スイッチボックスSBに取付枠2を取り付けた状態において、保持部21aの短手方向の外側への変形量は低減する。
本実施形態のスイッチ装置の取付枠2によれば、以下の効果を奏することができる。
(1)本実施形態の取付枠2では、接合部21d,22dにおいて、長手方向の内側に設けられる第1固定部FX1が長手方向の外側に設けられる第2固定部FX2よりも短手方向の外側に形成される構成とする。この構成によれば、ねじ8の締め付けトルクによって、保持部21aが短手方向の外側に変形することに対し、第1固定部FX1により、保持部21aは短手方向の内側に変形するため、取付枠2をスイッチボックスSBに取り付けた段階での保持部21aの外側への変形量は、図19に示す従来構造の取付枠100のねじの締め付けトルクによる変形量と比較して低減することができる。その結果、短手方向において、保持部21aがスイッチ本体1に対して離れる方向へ変形する量が低減されるため、保持部21aがスイッチ本体1を良好に保持することができる。
(2)本実施形態の取付枠2では、取付枠2が、第1取付体21及び第2取付体22を組み合わせることにより構成される。この構成によれば、図19に示す取付枠100を単一部材にて構成した場合と比較して、取付枠の歩留まりを大幅に改善することができる。即ち、取付枠100を単一部材にて構成した場合、取付枠100の空間SRを形成するため、空間SRに相当する部分の材料は廃材となってしまう。一方、取付枠2では、第1取付体21及び第2取付体22を接合することにより、取付枠2の空間S1を形成するため、第1取付体21及び第2取付体22を形成する際に、空間S1を形成しないため、空間S1に相当する部分には、材料(鋼板)が使用されず、廃材とならない。したがって、図19に示す取付枠100を単一構造にて構成した場合と比較して、取付枠2では、取付枠2を形成するための廃材の量を低減することができるため、取付枠の歩留まりを大幅に改善することができる。
(3)また、第1取付体21の接合部21d及び第2取付体22の接合部22dをかしめによって接合するため、接合部21d,22dをねじによる接合及び圧入並びに接着による接合と比較して、第1取付体21及び第2取付体22の接合強度を向上させることができる。また、接合部21d,22dを溶接により接合した場合と比較して、接合部21d,22dのような接合する部分が小さい場合の接合では、かしめの方が接合強度を高くすることができる。
(4)本実施形態の取付枠2では、第1取付体21の接合部21d及び第2取付体22の接合部22dの接合構造がそれぞれ同一である構成とする。この構成によれば、取付枠2では、接合部21d,22dが接合する接合構造が4つ設けられるが、これら4つの接合構造が同一であることにより、第1取付体21及び第2取付体22の接合作業を同一にすることができる。したがって、第1取付体21及び第2取付体22の接合作業を容易に行うことができる。
(5)特に、本実施形態の取付枠2では、4つの接合構造がかしめにより行われるため、例えば、かしめによる接合とねじによる接合とを併用した場合等の接合方法を異ならせた場合と比較して、第1取付体21及び第2取付体22の接合作業を容易に行うことができる。
(6)本実施形態の取付枠2では、第2取付体22に突起部22jが設けられるとともに、第1取付体21に開口部21fが設けられる構成とする。この構成によれば、突起部22jを開口部21fに挿入した状態において、突起部22jを押圧することにより変形部位22kを形成してかしめを行うため、かしめの際、かしめのための部材、即ち、接合部同士を接合するのに用いる部材が不要となる。したがって、接合部同士を接合するのに用いる部材であるハトメやリベットを用いたかしめと比較して、部品点数を削減することができる。
(7)本実施形態の取付枠2では、奥行き方向において、第1取付体21の接合部21dが第2取付体22の接合部22dより表側に配置されるとともに、接合部21d,22dは、奥行き方向において、互いに重ねられる構成とする。この構成によれば、奥行き方向において、接合部21d,22dが互いに重ねられる構成であるため、接合方向を一方向にて行うことができる。したがって、第1取付体21及び第2取付体22の接合作業を容易に行うことができる。
(8)本実施形態の取付枠2では、接合部21d,22dが奥行き方向において、互いに重ねられるとともに、第1取付体21及び第2取付体22の接合を全てかしめにより行うため、例えば、プレス機によって、2つの接合構造、もしくは4つの接合構造を同時に行うことができる。即ち、2つの接合構造に設けられた4つの突起部22j、もしくは4つの接合構造に設けられた8つの突起部22jを同時に変形させることができる。したがって、第1取付体21及び第2取付体22の接合構造を個別に接合しなければならない接合方法である、ねじ、接着及び溶接による接合と比較して、第1取付体21及び第2取付体22の接合作業の容易化を図るとともに、接合作業の時間の短縮を達成することができる。また、例えば、プレス機によって、1つの接合構造の2つの突起部22jを同時に行うことができるため、例えば、1つの接合構造を2つのねじによって固定する場合と比較して、接合作業の時間の短縮を達成することができる。
(9)本実施形態の取付枠2では、奥行き方向において、第2取付体22の接合部22dの突起部22jの変形部位22kの表面22mは、第1取付体21の表面21pよりも裏側に配置される構成とする。この構成によれば、第1取付体21の表面21pに対して近接して配置されるピアノハンドル3と突起部22jとの接触を抑制することができる。ここで、ピアノハンドルと突起部とが接触した場合、ピアノハンドルがスイッチ本体の押釦ハンドルに対して離れてしまう。その結果、ピアノハンドルの押圧が、押釦ハンドルに伝達されにくい場合があった。しかしながら、本実施形態の取付枠2では、突起部22jとピアノハンドル3との接触を防ぐため、奥行き方向において、スイッチ本体1に対してピアノハンドル3の位置を高精度に決めることができるため、ピアノハンドル3が押釦ハンドル11を確実に押圧することができる。
(10)本実施形態の取付枠2では、第1取付体21の開口部21fの第2開口部21hには、第1開口部21gに向かい拡径する拡径開口部21jが設けられる構成とする。この構成によれば、第2開口部に拡径部が設けられない場合、即ち、開口部が第1開口部を構成する内周面、連結面、及び第2開口部を構成する内周面から構成される場合と比較して、突起部22jと開口部21fを構成する内周面との奥行き方向において対向する面積が大きくなることにより、接合部21d,22dが互いに離れる方向に対する強度を向上させることができる。
(11)本実施形態の取付枠2では、かしめを行う際、第2取付体22のスイッチボックスSBを取り付ける際の位置決め部22cを、突起部22jを開口部21fに挿入する基準及びかしめピンに対する基準とする構成とする。この構成によれば、スイッチボックスSBを取り付ける際の位置決め部22cを用いることにより、別個、突起部22jを開口部21fに挿入する基準及びかしめピンに対する基準を設けることが不要となる。したがって、第2取付体22の形状を単純化することができる。また、かしめを行う際、第2取付体22を位置決め部22cによって位置決めするため、突起部22jとかしめピンとの位置精度を向上させることができる。したがって、第1取付体21と第2取付体22とのかしめの精度を向上させるとともに、取付枠2のコストダウンを図ることができる。
(第2の実施形態)
図8及び図9を参照して、本発明に係るスイッチの取付枠を電気機器のスイッチ装置を構成する取付枠として、具体的には、造営物に設置される照明のオンとオフとを切り換えるピアノハンドル式のスイッチ装置を構成する取付枠として具体化した第2の実施形態について説明する。なお、本実施形態のスイッチ装置と第1の実施形態のスイッチ装置とでは、取付枠の第1取付体と第2取付体との接合構造が異なるのみであるため、第1取付体と第2取付体との接合構造のみを説明する。また、同一構成要素には、同一符号を付し、その説明を省略する。
図8に示すように、第1取付体21の接合部21d1及び第2取付体22の接合部22d1において、接合部21d1,22d1は、奥行き方向において、互いに重ねられている。そして、接合部22d1には、内側突起部22j1及び外側突起部22j2がそれぞれ設けられている。また、接合部21d1には、内側開口部21f1及び外側開口部21f2がそれぞれ設けられている。
そして、接合部21d1,22d1が互いに重ねられた状態において、かしめが行われる。より詳細には、接合部21d1に設けられた開口部21fに接合部22d1に設けられた突起部22jを挿入した状態において、例えば、プレス機により突起部22jを押圧して変形部位22kを形成する。
また、接合部22d1の内側突起部22j1の短手方向の位置は、外側突起部22j2の短手方向の位置よりも短手方向の内側に形成されている。即ち、短手方向に所定の距離を介して形成されている2つの接合部22d1において、2つの内側突起部22j1の短手方向の距離W3は、2つの外側突起部22j2の短手方向の距離W4よりも小さくなるように形成されている。また、接合部21d1の開口部21fも同様に、内側開口部21f1の短手方向の位置が、外側開口部21f2の短手方向の位置より短手方向の内側に形成されている。ここで、以下、内側突起部22j1及び内側開口部21f1をかしめを行った状態にて構成される接合構造を、長手方向において、内側の固定部である第1固定部FX1aといい、外側突起部22j2及び外側開口部21f2をかしめを行った状態にて構成される接合構造を、長手方向において、外側の固定部である第2固定部FX2aという。ここで、第1固定部FX1aは、第2固定部FX2aより短手方向の内側に設けられている。
ここで、図9に示すように、スイッチ本体1は、取付枠2に対して、第1取付体21の保持部21aの短手方向の外側より取り付けられる。即ち、スイッチ本体1の筐体12は、保持部21aを短手方向の外側より覆う腕部12aが設けられている。そして、腕部12aには、保持部21aに向かい、即ち、腕部12aより短手方向の内側に向かい突出する爪部13aが設けられている。この爪部13aが、保持部21aの貫通孔21cと係合することにより、スイッチ本体1は、取付枠2に取り付けられるとともに、取付枠2に保持される。
また、第1固定部FX1aの短手方向の位置が、第2固定部FX2aの短手方向の位置よりも内側に形成されているため(図8参照)、ねじ8によって、取付枠2をスイッチボックスSBに取り付けた際、第2取付体22の奥行き方向の裏側の撓みに起因して、第1取付体21の保持部21aが短手方向の外側への変形量は、図19に示す従来の取付枠100の短手方向の外側への変形量よりも大きい。
ここで、取付枠2をスイッチボックスSBに取り付けた状態において、保持部21aが短手方向の外側への変形量が大きくなる理由としては、次のように考えられる。即ち、ねじ8によって、スイッチボックスSBに取付枠2を取り付ける際、ねじ8の締め付けトルクによって、第2固定部FX2aより大きな力が加わる第1固定部FX1aが、第2固定部FX2aを支点として、奥行き方向の下側、且つ、短手方向の外側に変形しようとする力が働く。即ち、短手方向において、第2固定部FX2aより外側に配置された第1固定部FX1aは、短手方向において、第1取付体21の保持部21aを外側に変形させる力が働く。
したがって、スイッチボックスSBに取付枠2を取り付ける際、第2取付体22が奥行き方向の裏側に変形することに起因して、保持部21aが短手方向の外側に変形することに加え、第1固定部FX1aにより、保持部21aを短手方向の外側に変形しているため、図19に示す従来構造と比較して、スイッチボックスSBに取付枠2を取り付けた状態において、保持部21aの短手方向の外側への変形量は増大する。この保持部21aの短手方向の外側の変形に伴い、保持部21aは、スイッチ本体1の腕部12aを短手方向の外側に押圧する。
本実施形態のスイッチ装置の取付枠によれば、第1の実施形態の効果(2)〜(11)に加え、以下の効果を奏することができる。
(12)本実施形態の取付枠2では、接合部21d1,22d1において、第1固定部FX1aの短手方向の位置が、第2固定部FX2aの短手方向の位置より短手方向の内側に形成される構成とする。この構成によれば、スイッチボックスSBに取付枠2を取り付ける際、第2取付体22が奥行き方向の裏側に撓むことに起因して、保持部21aが短手方向の外側に変形することに加え、第1固定部FX1aにより、保持部21aは短手方向の外側に変形するため、保持部21aは、スイッチ本体1の腕部12aを押圧する。その結果、保持部21aと腕部12aに設けられた爪部13aとが良好に接触するため、即ち、保持部21aの貫通孔21cに爪部13aが確実に係合するため、保持部21aは、スイッチ本体1を良好に保持することができる。
(第3の実施形態)
図10を参照して、本発明に係るスイッチの取付枠を電気機器のスイッチ装置を構成する取付枠として、具体的には、造営物に設置される照明のオンとオフとを切り換えるピアノハンドル式のスイッチ装置を構成する取付枠として具体化した第3の実施形態について説明する。なお、本実施形態のスイッチ装置と第2の実施形態のスイッチ装置とでは、取付枠の第1取付体と第2取付体との接合構造が異なるのみであるため、第1取付体と第2取付体との接合構造のみを説明する。また、同一構成要素には、同一符号を付し、その説明を省略する。
図10に示すように、第1取付体21の接合部21d2には、開口部21fが設けられている。この開口部21fの配置及び形状は、第2の実施形態のスイッチ装置Aの取付枠2と同様であるため、その説明を省略する。また、第2取付体22の接合部22d2には、突起部22jが設けられている。ここで、突起部22jにおいて、第2の実施形態の取付枠2と同様に、内側突起部22j1の短手方向の位置は、外側突起部22j2の短手方向の位置より、短手方向の内側に配置されている。即ち、短手方向に所定の距離を介して設けられた2つの接合部22dにおいて、2つの内側突起部22j1の短手方向の距離W3は、2つの外側突起部22j2の短手方向の距離W4より小さくなるように形成されている。
また、突起部22jには、突起部22jと接合部22d2の表面22fとの接続部において、突起部22jの他の部位の外径より大きい外径を有する拡径部22j3が設けられている。そして、拡径部22j3の表面22pと接合部21d2の裏面21eとが接触する。即ち、拡径部22j3の表面22pと接合部21d2の裏面21eとが接触することにより、拡径部22j3の周囲には、奥行き方向において、接合部22d2の表面22fと接合部21d2の裏面21eとの間には、間隙GPが形成されている。
奥行き方向において、接合部21d2及び接合部22d2の間に間隙GPが形成された状態において、第1の実施形態の取付枠2と同様にかしめを行う。この際、奥行き方向において、接合部21d2及び接合部22d2の間に間隙GPが設けられるとともに、第1固定部FX1aが第2固定部FX2aより短手方向の外側に設けられるため、保持部21aは、短手方向の外側への変形量を第2の実施形態の保持部21aの短手方向の外側への変形量よりも大きくなる。
その理由としては、次のように考えられる。ねじ8によって、スイッチボックスSBに取付枠2を取り付ける際、ねじ8の締め付けトルクによって、第2固定部FX2aより大きな力が加わる第1固定部FX1aが、第2固定部FX2aを支点として、奥行き方向の下側、且つ、短手方向の外側に変形しようとする力が働く。即ち、短手方向において、第2固定部FX2aより外側に配置された第1固定部FX1aは、短手方向において、第1取付体21の保持部21aを外側に変形させる力が働く。その上、接合部21d2及び接合部22d2の間に間隙GPが設けられることにより、即ち、接合部21d2と接合部22d2との接触する面積を小さくすることにより、接合部21d2の開口部21fの周縁を中心に奥行き方向の裏側へ変形すると考えられる。これにより、接合部21d2の開口部21fより短手方向の外側は、開口部21fの周縁よりも奥行き方向の表側に変形する。
したがって、接合部21d2の開口部21fより短手方向の外側が奥行き方向の表側に変形することに伴い、保持部21aは、短手方向の外側に変形する。即ち、本実施形態の取付枠2では、第1固定部FX1a及び第2固定部FX2aに起因する保持部21aの変形に加え、接合部21d2及び接合部22d2の間の間隙GPが設けられることに起因する保持部21aの変形により、保持部21aの短手方向の外側への変形量が第2の実施形態の取付枠2の保持部21aの短手方向の外側への変形量より大きくなる。
本実施形態のスイッチ装置の取付枠によれば、第1の実施形態の効果(2)〜(12)に加え、以下の効果を奏することができる。
(13)本実施形態の取付枠2では、第2取付体22の接合部22d2の突起部22jに拡径部22j3が設けられることにより、拡径部22j3の周囲には、奥行き方向において、第1取付体21の接合部21d2の裏面21eと接合部22d2の表面22fとの間に間隙GPが設けられる構成とする。この構成によれば、接合部21d2において、開口部21fの周縁より短手方向の外側は、奥行き方向において表側に変形する。その結果、接合部21d2の開口部21fの周縁より短手方向の外側の奥行き方向の表側への変形に起因して、保持部21aは、短手方向の外側へ変形する。この保持部21aの変形により、保持部21aは、スイッチ本体1の腕部12aに対して短手方向の外側へ押圧することができる。その結果、保持部21aと腕部12aに設けられた爪部13aとが良好に接触するため、即ち、保持部21aの貫通孔21cに爪部13aが確実に係合するため、保持部21aは、スイッチ本体1を良好に保持することができる。
(第4の実施形態)
図11及び図12を参照して、本発明に係るスイッチの取付枠を電気機器のスイッチ装置を構成する取付枠として、具体的には、造営物に設置される照明のオンとオフとを切り換えるピアノハンドル式のスイッチ装置を構成する取付枠として具体化した第4の実施形態について説明する。なお、本実施形態のスイッチ装置と第1の実施形態のスイッチ装置とでは、取付枠の第1取付体と第2取付体との接合構造が異なるのみであるため、第1取付体と第2取付体との接合構造のみを説明する。また、同一構成要素には、同一符号を付し、その説明を省略する。
図11に示すように、第1取付体21の接合部21d3には、開口部21fが設けられている。この開口部21fは、第1の実施形態の取付枠2の開口部21fと配置位置は同様である。また、図12に示すように、開口部21fのうち、内側開口部21f1の第1開口部21gの内径D1a及び第2開口部21hの内径D2aは、外側開口部21f2の第1開口部21gの内径D1及び第2開口部21hの内径D2よりもそれぞれ大きく形成されている。
また、第2取付体22の接合部22d3には、突起部22jが設けられている。この突起部22jは、第1の実施形態の取付枠2の突起部22jと配置位置は同様である。また、突起部22jのうち、内側突起部22j1の外径D3aは、外側突起部22j2の外径D3よりも大きく形成されている。また、外側突起部22j2は、第1の実施形態の突起部22jと同様の形状である。ここで、以下、内側突起部22j1及び内側開口部21f1をかしめを行った状態にて構成される接合構造を、長手方向において、内側の固定部である第1固定部FX1bといい、外側突起部22j2及び外側開口部21f2をかしめを行った状態にて構成される接合構造を、長手方向において、外側の固定部である第2固定部FX2bという。
内側突起部22j1の外径D3aと内側開口部21f1の第2開口部21hの内径D1aが、外側突起部22j2の外径D3と外側開口部21f2の第2開口部21hの内径D1よりもそれぞれ大きいため、内側突起部22j1と内側開口部21f1との接触面積が、外側突起部22j2と外側開口部21f2との接触面積よりも大きくなる。即ち、第1固定部FX1bと第2固定部FX2bとを同じ力にてかしめを行った場合、第1固定部FX1bの接合強度の方が、第2固定部FX2bの接合強度よりも高くなる。ここで、「接合強度」とは、接合部21d3,22d3を互いに引き離すために必要な力の大きさをいう。
本実施形態のスイッチ装置の取付枠によれば、第1の実施形態の効果(1)〜(11)に加え、以下の効果を奏することができる。
(14)本実施形態の取付枠2では、接合部21d3,22d3において、内側突起部21j1の外径D3a及び内側開口部21f1の第2開口部21hの内径D1aが、外側突起部21j2の外径D3及び外側開口部21f2の第2開口部21hの内径D1よりそれぞれ大きい構成とする。この構成により、内側突起部21j1と内側開口部21f1との接触面積が、外側突起部22j2と外側開口部21f2との接触面積よりも大きくなるため、同じ力にてかしめを行った場合、第1固定部FX1bの接合強度は、第2固定部FX2bの接合強度よりも大きくなる。
ここで、本願発明者によれば、ねじ8によって、取付枠2がスイッチボックスSBに取り付けられるとき、内側突起部22j1に加わる力は、外側突起部22j2に加わる力よりも大幅に大きいことが確認されている。即ち、ねじ8の締め付けトルクに起因する突起部22jに加わる力は、外側突起部22j2よりも内側突起部22j1の方が大幅に大きいことが確認されている。
したがって、上記事実に基づいて、第1固定部FX1bの接合強度を第2固定部FX2bの接合強度よりも高くする設定することにより、ねじ8の締め付けトルクによって、接合部21d3,22d3に加わる力により、接合部21d3と接合部22d3が互いに外れてしまうことを抑制することができる。したがって、接合部21d3と接合部22d3が互いに外れてしまうことにより、保持部21aがスイッチ本体1の保持の不安定化を抑制することができる。その結果、スイッチ本体1とピアノハンドル3との接触状態を良好に保持することができる。
(第5の実施形態)
図13及び図14を参照して、本発明に係るスイッチの取付枠を電気機器のスイッチ装置を構成する取付枠として、具体的には、造営物に設置される照明のオンとオフとを切り換えるピアノハンドル式のスイッチ装置を構成する取付枠として具体化した第5の実施形態について説明する。なお、スイッチ装置の全体構造は、第1の実施形態のスイッチ装置と同様である。以下、第1の実施形態と構造が異なる取付枠のみを説明する。
図13に示すように、取付枠2aは、鋼板をプレス加工することにより、中心に空間S1aを有する枠状に構成されている。また、取付枠2aは、単一部材から構成されている。そして、取付枠2aは、スイッチ本体1を保持する1対の第1取付部90と、スイッチボックスに取り付けられる1対の第2取付部91とから構成されている。また、1対の第1取付部90と1対の第2取付部91との接続部分には、4つの接続部92が設けられている。
各接続部92の表面92a側には、長手方向の内側から外側に向かい、短手方向の外側から内側に傾斜する溝93が設けられている。即ち、図14に示すように、短手方向に隣り合う溝93の長手方向の内側の部位同士を結んだ距離W5は、溝93の長手方向の外側の部位同士を結んだ距離W6よりも大きくなるように形成されている。
本実施形態のスイッチの取付枠によれば、以下の効果を奏することができる。
(1)本願発明者によれば、1対の第1取付部90と1対の第2取付部91との接続部分である各接続部92の表面92a側には、長手方向の内側から外側に向かい、短手方向の外側から内側に傾斜する溝93を設けた場合、スイッチボックスSBと取付枠2aとをねじ8によって取り付ける際、第1取付部90の保持部90aが短手方向の内側に変形することを確認している。したがって、本実施形態の取付枠2aでは、スイッチ本体1が第1取付体の短手方向の内側より保持される場合、取付枠2aが、スイッチ本体1を良好に保持することができる。
(第6の実施形態)
図15及び図16を参照して、本発明に係るスイッチの取付枠を電気機器のスイッチ装置を構成する取付枠として、具体的には、造営物に設置される照明のオンとオフとを切り換えるピアノハンドル式のスイッチ装置を構成する取付枠として具体化した第6の実施形態について説明する。なお、本実施形態は、溝形状をのぞいて、第5の実施形態と同様であるため、同一構成要素には、同一符号を付し、その説明を省略する。
図16に示すように、取付枠2bの各接続部92の表面92a側には、長手方向の内側から外側に向かい、短手方向の内側から外側に傾斜する溝93aが設けられている。即ち、短手方向に隣り合う溝93aの長手方向の内側を結んだ距離W5aは、溝93aの長手方向の外側を結んだ距離W6aよりも小さくなるように形成されている。
なお、本実施形態のスイッチ装置は、第2の実施形態のスイッチ装置と同様に、スイッチ本体1に腕部12aが設けられ、腕部12aから短手方向の内側に向かい爪部13aが設けられている。即ち、スイッチ本体1は、爪部13aによって、取付枠2bの保持部90aの短手方向の外側より取り付けられるとともに、保持される。
本実施形態のスイッチ装置の取付枠によれば、以下の効果を奏することができる。
(1)本願発明者によれば、1対の第1取付部90と1対の第2取付部91との接続部分である各接続部92の表面92a側には、長手方向の内側から外側に向かい、短手方向の内側から外側に傾斜する溝93aが設けられることにより、溝93aにより、スイッチボックスSBと取付枠2bとをねじ8によって取り付ける際、第1取付部90の保持部90aが短手方向の外側に変形することが確認されている。したがって、本実施形態の取付枠2bでは、保持部90aは、保持部90aより短手方向の外側にある腕部12aを有するスイッチ本体1を短手方向の外側に押圧するため、取付枠2bは、スイッチ本体1を良好に保持することができる。
(その他の実施形態)
なお、本発明の実施態様は、上記各実施形態にて例示した態様に限られるものではなく、これを例えば以下のように変更することもできる。
・第1の実施形態〜第3の実施形態において、各接合部21d〜21d3には、2つの開口部21fが設けられ、各接合部22d〜22d3には、2つの突起部22jが設けられたが、本発明は、これに限定されることなく、例えば、次のように変更することもできる。即ち、開口部21f及び突起部22jの個数は、1つであってもよい。
具体的には、第1の実施形態において、接合部22dに設けられた突起部22jは、長手方向において、内側から外側に向かうにしたがい、短手方向において、外側から内側に傾斜する形状に形成されている。また、開口部21fの形状も突起部22jの上記形状と同様である。これにより、ねじ8によって、スイッチボックスSBに取付枠2を取り付ける際、ねじ8の締め付けトルクによって、固定部の一構成要素である突起部22jの長手方向の内側が、突起部22jの長手方向の外側を支点として、奥行き方向の下側、且つ、短手方向の内側に変形しようとする力が働く。即ち、突起部22jの長手方向の内側は、短手方向において、保持部21aを内側に変形させる力が働く。
したがって、スイッチボックスSBに取付枠2を取り付ける際、第2取付体22が奥行き方向の裏側に変形することに起因して、保持部21aが短手方向の外側に変形したとしても、突起部22jの長手方向の内側により、保持部21aを短手方向の内側に変形しているため、図19に示す従来構造と比較して、スイッチボックスSBに取付枠2を取り付けた状態において、保持部21aの短手方向の外側への変形量を低減させることができる。その結果、スイッチ本体1が第1取付体21の短手方向の内側より保持される場合、取付枠2が、スイッチ本体1を良好に保持することができる。
また、第2の実施形態及び第3の実施形態において、接合部22dに設けられた突起部22jは、長手方向において、内側から外側に向かうにしたがい、短手方向において、内側から外側に形成されている。また、開口部21fの形状も突起部22jの上記形状と同様である。これにより、ねじ8によって、スイッチボックスSBに取付枠2を取り付ける際、ねじ8の締め付けトルクによって、固定部の一構成要素である突起部22jの長手方向の内側が、突起部22jの長手方向の外側を支点として、奥行き方向の下側、且つ、短手方向の外側に変形しようとする力が働く。即ち、突起部22jの長手方向の内側は、短手方向において、保持部21aを外側に変形させる力が働く。
したがって、スイッチボックスSBに取付枠2を取り付ける際、第2取付体22が奥行き方向の裏側に変形することに起因して、保持部21aが短手方向の外側に変形することに加え、突起部22jの長手方向の内側により、保持部21aを短手方向の外側に変形しているため、スイッチボックスSBに取付枠2を取り付けた状態において、保持部21aの短手方向の外側への変形量を増大させることができる。その結果、スイッチ本体1が第1取付体21の短手方向の外側より保持される場合、取付枠2が、スイッチ本体1を良好に保持することができる。
・第1の実施形態〜第4の実施形態において、接合部21d〜21d3,22d〜22d3にそれぞれ設けられた開口部21f及び突起部22jの個数は、2個であったが、本発明は、開口部21f及び突起部22jの個数に限定されることなく、3個以上であってもよい。
・第1の実施形態〜第6の実施形態において、スイッチ装置Aは、スイッチ本体1及びピアノハンドル3がそれぞれ1個であったが、本発明は、これに限定されることはない。例えば、スイッチ本体1及びピアノハンドル3が、2個及び3個であってもよい。
・第1の実施形態〜第6の実施形態において、取付枠2は、一つの空間S1が形成されたが、本発明は、これに限定されることはない。例えば、取付枠に複数の空間が形成されてもよい。即ち、取付枠の第1取付体及び第2取付体の他に、複数の空間を形成するための部材が配置される構造であっても本発明の技術的思想を適用することができる。
・本発明のスイッチ装置Aの第1の実施形態〜第4の実施形態において、取付枠2の第1取付体21及び第2取付体22は、かしめにより接合されたが、本発明は、これに限定されることなく、例えば、第1取付体及び第2取付体は、溶接により接合されてもよい。第1取付体及び第2取付体を溶接により接合することにより、第1取付体の接合部及び第2取付体の接合部に、突起部及び開口部を設けることが不要となるため、第1取付体及び第2取付体の形状を簡素化することができる。したがって、第1取付体及び第2取付体の形成を容易とするとともに、第1取付体及び第2取付体の製造コストを低減することができる。
・第1の実施形態〜第4の実施形態において、取付枠2の第1取付体21及び第2取付体22には、突起部22jに表面が形成されたが、本発明は、これに限定されることない。突起部22jの形状は、開口部21fに対してかしめが行うことができる形状であればよいため、例えば、突起部は、中空の円筒形状、即ち、貫通孔が設けられた円筒形状であってもよい。
・第1の実施形態〜第4の実施形態において、取付枠2の第1取付体21及び第2取付体22には、開口部21fに、第1開口部21g及び第2開口部21hが設けられたが、本発明は、これに限定されることはない。突起部22j及び開口部21fがかしめを行うことができる形状であればよいため、例えば、開口部21fは、第2開口部21hのみから構成されてもよい。この場合、突起部22jが押圧されることにより、突起部22jは、第2開口部21hを押圧するように変形するとともに、第2開口部21hに接合される。
・第1の実施形態〜第4の実施形態において、取付枠2は、一対の第1取付体21及び一対の第2取付体22との4個の取付体によって構成されたが、本発明は、これに限定されることはない。例えば、取付枠を1つの第1取付体と1つの第2取付体とが単一部材となる構成、即ち、2つの取付体にて構成されてもよい。
・第1の実施形態〜第4の実施形態において、奥行き方向において、かしめが行われた後の突起部22jは、接合部21dの表面21pより裏側に配置されていたが、本発明はこれに限定されることはない。例えば、突起部22jと接合部21dの表面21pとは略同一であってもよい。
・第1の実施形態〜第4の実施形態において、第1取付体21に開口部21fが設けられ、第2取付体22に突起部22jが設けられたが、本発明は、これに限定されることはない。例えば、図17及び図18に示すように、第1取付体21に突起部22jが設けられ、第2取付体22に開口部21fが設けられる構成であってもよい。
・第3の実施形態において、内側突起部22j1は、外側突起部22j2より短手方向の内側に設けられたが、本発明は、これに限定されることはない。例えば、内側突起部22j1の短手方向の位置と外側突起部22j2の短手方向の位置とは、略同位置であってもよい。
・第4の実施形態において、内側突起部22j1は、外側突起部22j2より短手方向の外側に設けられたが、本発明は、これに限定されることはない。例えば、次のように変更してもよい。即ち、内側突起部22j1は、外側突起部22j2より短手方向の内側に設けられてもよい。また、内側突起部22j1の短手方向の位置と外側突起部22j2の短手方向の位置とは、略同位置であってもよい。
・第5の実施形態及び第6の実施形態において、溝93,93aは、接続部92の表面92a側に設けられたが、本発明は、これに限定されることはない。例えば、溝93,93aは、接続部92の裏面側に設けられてもよい。この場合、溝93,93aによる保持部90aの変形は、接続部92の表面92a側に溝93,93aが設けられた場合と逆方向となる。即ち、溝93が接続部92の裏面側に設けられると、保持部90aは、短手方向の外側に変形し、溝93aが接続部92の裏面側に設けられると、保持部90aは、短手方向の内側に変形する。したがって、溝93が接続部92の裏面側に設けられる場合、スイッチ本体1は、保持部90aの短手方向の外側から取り付けることが望ましい。また、溝93aが接続部92の裏面側に設けられる場合、スイッチ本体1は、保持部90aの短手方向の内側から取り付けられることが望ましい。
・本実施形態のスイッチ装置Aでは、スイッチ本体1として、ピアノハンドル3を介して、機械式にオンとオフとを切り換えるスイッチであったが、本発明は、このスイッチの種類に限定されることはない。例えば、機械式のスイッチに替えて、光学式のセンサであってもよい。
A…スイッチ装置、FX1,FX1a,FX1b…第1固定部(固定部)、FX2,FX2a,FX2b…第2固定部(固定部)、SB…スイッチボックス、SB1…突出部、SB2…貫通孔、1…スイッチ本体、2、2a,2b…取付枠、3…ピアノハンドル、4…プレート、5…プレート枠、6…化粧プレート、7…ねじ、8…ねじ、11…押釦ハンドル、12…筐体、12a…腕部、13,13a…爪部、21…第1取付体、21a…保持部、21b…補強部、21c…貫通孔、21d,21d1,21d2,21d3…接合部、21e…裏面、21f…開口部、21f1…内側開口部、21f2…外側開口部、21g…第1開口部、21h…第2開口部、21j…拡径開口部、21p…表面、22…第2取付体、22a…ねじ穴、22b…貫通孔、22c…位置決め部、22d,22d1,22d2,22d3…接合部、22e…屈曲部、22f…表面、22g…部位、22h…表面、22j…突起部、22j1…内側突起部、22j2…外側突起部、22j3…拡径部、22k…変形部位、22m…表面、22n…部位、90…第1取付部、90a…保持部、91…第2取付部、91a…貫通孔、92…接続部、92a…表面、93,93a…溝。