JP6145723B2 - 光沢抗ピル性アクリル繊維及びその製造方法と前記アクリル繊維を含む紡績糸及び編地 - Google Patents

光沢抗ピル性アクリル繊維及びその製造方法と前記アクリル繊維を含む紡績糸及び編地 Download PDF

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Description

本発明は、優れた光沢、柔軟な風合い及び抗ピル性を有するアクリル繊維及びその製造方法と前記アクリル繊維を含む紡績糸及び編地に関する。
アクリル繊維は、柔軟な風合い、保温性、形態安定性、耐候性、染色性等の優れた特徴を有しており、ナイロン繊維、ポリエステル繊維等の合成繊維と同様に、衣料品、インテリア分野に多用されている。しかし、このアクリル繊維からなる繊維製品は、着用中にピリングが発生し易く、編織物の外観や風合いを著しく損ない商品価値を低下させるという問題点を有している。かねてよりアクリル繊維においては、ピリングの発生し難い、いわゆる抗ピル性の改良が求められていた。
一方、近年では衣料用製品の風合いをよりソフトにするための手段として繊維の細繊度化が進んでおり、細繊度繊維を用いた商品開発が行われているが、一般的に細繊度繊維ほどピリングが発生し易い傾向にあり、抗ピル性改良の要望は益々高まってきているのが現状である。
また衣料品製品の風合いを改良することにほかに、シルクのような高級感を出すために、光沢性を向上させるという提案がなされている。例えば、特許文献1(特開平11−222716号公報)には、単繊維繊度が6〜34dtexの太繊度アクリル繊維において、繊維断面が扁平形状で、繊維表面に一定面積以上の平滑面をもつことで光沢性を向上させたり、特許文献2(特開2012−36512号公報)に開示されているように、繊維断面は円形状もしくは円形に近い楕円形の外縁部に内側に凹んだ湾曲部のある形状の光沢繊維が提案されている。これらの繊維は、いずれも単繊維繊度が6dtex以上の太繊度繊維であったり、扁平やそら豆型の断面であった。
さらに、特許文献3(特開2006−176937号公報)および特許文献4(特開2008−38309号公報)には、抗ピル性の細繊度アクリル繊維を含む紡績糸、およびその製造方法について提案されている。しかしながら、細繊度アクリル繊維で抗ピル性と光沢性の両方を有するものではなかった。
特許文献5(特開2011−12363号公報)には、炭素繊維前駆体アクリル繊維に関して、繊維表面の凹凸が少なく、単繊維繊度が1.1dtexのアクリル繊維が提案されている。しかしながら、炭素繊維前駆体アクリル繊維の強度を高めているため、結節強度、結節伸度が小さいものである。そのため、炭素繊維前駆体アクリル繊維は紡績工程において、繊維の折損が多いため、紡績糸にはできるものではなかった。
特開平11−222716号公報 特開2012−36512号公報 特開2006−176937号公報 特開2008−38309号公報 特開2011−12363号公報
そこで本発明は、光沢性、抗ピル性及び柔軟な風合いに優れた、0.5dtex以上3.5dtex以下のアクリル繊維及びその製造方法と前記アクリル繊維を含む紡績糸及び編地を提供する。
本発明のアクリル繊維は、単繊維の表面の中心線平均粗さ(Ra)が3nm以上12nm以下であり、単繊維繊度が0.5dtex以上3.5dtex以下である。
本発明のアクリル繊維は、結節強度(cN/dtex)の値と結節伸度(%)の値との積Kが10以上30以下であることが好ましい。
本発明のアクリル繊維は、単繊維の表面の中心線平均粗さ(Ra)が3nm以上12nm以下であり、結節強度(cN/dtex)の値と結節伸度(%)の値との積Kが10以上30以下である。
本発明のアクリル繊維は、単繊維繊度が0.5dtex以上3.5dtex以下であることが好ましい。
本発明のアクリル繊維は、単繊維の表面の最大高低差(Ry)が40nm以上150nm以下、30点平均粗さ(Rz)が20nm以上80nm以下および単繊維の表面の凸部の頂点間距離(S)が800nm以上1100nm以下であることが好ましい。
本発明のアクリル繊維は、繊維軸に垂直な方向の断面において単繊維表面に有する深さ0.1μm以上の凹部が10個以下であることが好ましい。
本発明のアクリル繊維は、アクリロニトリル単位92質量%以上96.8質量%以下、ビニル系モノマー単位2質量%以上6質量%以下、およびスルホン酸基含有ビニルモノマー単位0.2質量%以上2.0質量%以下を含むアクリル繊維であって、単繊維引張強度が1.8cN/dtex以上3.0cN/dtex以下、単繊維結節強度が1.0cN/dtex以上1.8cN/dtex以下、単繊維結節伸度が8%以上20%以下であることが好ましい。
本発明のアクリル繊維の製造方法は、アクリロニトリル単位を92質量%以上96.8質量%以下、スルホン酸基含有ビニルモノマー単位を0.2質量%以上2.0質量%以下を含むアクリロニトリル系共重合体を有機溶媒に溶解して紡糸原液とし、前記紡糸原液を温度が35℃以上50℃以下の凝固浴に紡糸ノズルの複数の吐出孔からジェットストレッチが0.4以上2.2以下で吐出して凝固繊維束とし、前記凝固繊維束を80℃以上98℃以下の熱水中で延伸倍率2倍以上3.8倍以下で延伸し、油剤付与し、乾燥した後、乾熱延伸工程で繊維温度を150℃以上170℃以下として乾熱で延伸倍率が1.2倍以上3倍以下で延伸し、前記熱水延伸倍率と前記乾熱延伸倍率の積Sが4倍以上6倍以下とするアクリル繊維の製造方法である。
本発明のアクリル繊維の製造方法は、前記アクリロニトリル系共重合体がビニル系モノマー単位を2質量%以上6質量%以下をさらに含み、前記凝固浴の溶媒濃度が40質量%以上60質量%以下であり、乾熱延伸後に熱緩和処理を行うことが好ましい。
本発明のアクリル繊維の製造方法は、前記熱緩和処理のアニール処理温度が120℃以上135℃以下であり、繊維緩和率が5%以上20%以下であることが好ましい。
本発明の紡績糸は、前記アクリル繊維を40質量%以上含み、糸番手が綿番手で40番手以上70番手以下である。
本発明の紡績糸は、セルロース系繊維を10質量%以上40質量%以下を含むことが好ましい。
本発明の編地は、前記紡績糸を40質量%以上含み、目付が150g/m2 以上230g/m2 以下あり、抗ピル性能が4級以上である。
本発明の編地は、保温率が、15%以上50%以下であることが好ましい。
本発明によれば、特に肌着等のインナー向けの衣料用途において、ソフトな風合い、高級感のある光沢性及び良好な抗ピル性を兼備した繊維製品を得ることが可能なアクリル繊維が提供できる。
中心線平均粗さ(Ra)を説明する、単繊維表面の断面図である。 最大高さ(Ry)を説明する、単繊維表面の断面図である。 30点平均粗さ(Rz)を説明する、単繊維表面の断面図である。 局部山頂の間隔(S)を説明する、単繊維表面の断面図である。
<アクリル繊維のポリマー組成>
本発明のアクリル繊維を構成する共重合体は、92質量%以上96.8質量%以下のアクリロニトリル単位を共重合していることが好ましい。アクリロニトリル単位の共重合率が92質量%以上であれば、衣料用繊維として必要な繊維強度が得られ易い。
かかる観点から、アクリロニトリル単位の共重合率は95質量%以上を含有することがより好ましい。
また、アクリルニトリル単位の共重合率が96.8質量%以下であれば、染色性や繊維強度、伸度が得られやすい。
また、アクリロニトリルと共重合性を有するビニル系モノマー単位の共重合率は3.0質量%以上6.0質量%以下にすることが好ましい。ビニル系モノマー単位の共重合率がこの範囲内であれば、編地製品として十分な物性や染色性を得ることができる。
さらに、前記共重合体はスルホン酸基含有ビニルモノマーの共重合率を0.2質量%以上2.0質量%以下にすることが好ましい。前記スルホン酸基含有ビニルモノマーの共重合率が0.2質量%以上であれば、染色性が良好になり易すく、2.0質量%以下であればコストの上昇が少なくできる。
アクリロニトリルと共重合可能なビニル系モノマーとしては、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、あるいはこれらの(メタ)アクリル酸エステル類、酢酸ビニル、スチレン、アクリル酸アミド、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、グリシジルメタクリレート、などが挙げられる。また、スルホン酸基含有ビニルモノマーとしては、アリルスルホン酸、メタリルスルホン酸、スチレンスルホン酸、ビニルスルホン酸、イソプレンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸またはこれらの金属塩類およびアミン塩類等が好ましく用いられるが、本発明はここに挙げたモノマーに限定されるものではない。このようなアクリロニトリル系共重合体を得るための重合方法は、水媒体中で実施する懸濁重合法が望ましい。
<アクリル繊維の単繊維繊度>
本発明のアクリル繊維の単繊維繊度は、0.5dtex以上3.5dtex以下が好ましい。一般的に、繊維が細くなると染色鮮明性が低下する傾向にあるが、本発明のアクリル繊維は、1.2dtex以下であっても染色鮮明性を有している。前記単繊維繊度が0.5dtex以上であれば、染色鮮明性の効果が表れやすく、3.5dtex以下であれば編地にした時にソフトな風合いが得られ易い。これらの観点から、前記単繊維繊度は、0.7dtex以上2.0dtex以下がより好ましく、0.8dtex以上1.2dtex以下がさらに好ましい。
<積K>
本発明のアクリル繊維は、結節強度(cN/dtex)の値と結節伸度(%)の値との積Kが10以上30以下が好ましい。この積Kの値は、抗ピル性の指標として当業者が用いる値である。
前記積Kが10以上であれば、紡績工程で単繊維が細かく切断するフライの発生が少なくなり、30以下であれば抗ピル性が良好となる。
かかる観点から、前記積Kは12以上25以下がより好ましく、14以上20以下がさらに好ましい。
<単繊維表面の中心線平均粗さ(Ra)>
本発明のアクリル繊維は、繊維表面に溝が少ないため、光沢性に優れている。本発明のアクリル繊維は、単繊維の表面の中心線平均粗さ(Ra)が3nm以上12nm以下である。前記Raが3nm以上であれば、紡糸時にロールと繊維の間の摩擦が生じ、ロールでのスリップが発生しにくくなるため好ましく、12nm以下であれば光沢が発現し易いため好ましい。かかる観点から、前記Raは、4nm以上10nm以下がより好ましく、5nm以上9nm以下がさらに好ましい。
<最大高低差(Ry)、30点平均粗さ(Rz)、凸部の頂点間距離(S)>
本発明のアクリル繊維は、単繊維の表面の最大高低差(Ry)が40nm以上150nm以下、30点平均粗さ(Rz)が20nm以上80nm以下および単繊維の表面の凸部の頂点間距離(S)が800nm以上1100nm以下であることが好ましい。
前記Ryが40nm以上であれば、繊維同士に摩擦が生じ、紡績工程における工程通過性が良い点で好ましく、150nm以下であれば、正反射が生じやすいという点で好ましい。かかる観点から、前記Ryは、50nm以上100nm以下がより好ましく、55nm以上90nm以下がさらに好ましい。
また、前記Rzが20nm以上であれば、紡績時の通過性がよいの点で好ましく、80nm以下であれば、光沢性が向上する点で好ましい。かかる観点から、前記Rzは、30nm以上65nm以下がより好ましく、35nm以上50nm以下がより好ましい。
また、前記Sが800nm以上であれば、紡糸性の点で好ましく、1100nm以下であれば、繊維表面の凹凸の数が少なく、乱反射が生じにくい点で好ましい。前記観点から、前記Sは、900nm以上1000nm以下がより好ましい。
<繊維表面に有する凹部の数>
さらに、本発明のアクリル繊維は、繊維軸に垂直な方向の断面において単繊維表面に有する深さ0.1μm以上の凹部が10個以下であることが好ましい。この凹部の深さは、後述する方法により、繊維軸方向に垂直な断面を観察した時に、繊維表面における0.1μm以上の深さの凹部の数が10個以下であると、光沢が良好になり好ましい。繊維表面に深さが0.1μm以上の凹部があると、光りの乱反射が生じる。本発明のアクリル繊維は、繊維断面において、0.1μm以上の凹部が10個以下であれば、光の乱反射を少なくでき、光沢が低下し難くなるため、光沢性が得られ易い。前記観点から、0.1μm以上の凹部の数は5個以下がより好ましい。
繊維表面の凹凸を少なくするには、凝固繊維を湿熱で延伸する際に延伸倍率を低くすることが有効である。
本発明のアクリル繊維の単繊維引張強度は、紡績工程等の加工工程通過性の点で、1.8cN/dtex以上であることが好ましく、2.0cN/dtex以上がより好ましい。前記引張強度の上限値は、特に制限はないが、3.0cN/dtexであれば十分である。
本発明のアクリル繊維の単繊維結節強度は、1.0cN/dtex以上、1.8cN/dtex以下が好ましい。
前記結節強度が1.0cN/dtex以上であれば、紡績工程でのフライの発生が少なくなり、加工工程通過性が良好となり、前記結節強度が1.8cN/dtex以下であれば、抗ピル性能が良好となり易い。かかる観点より、前記結節強度は1.2cN/dtex以上1.6cN/dtex以下がより好ましく、1.4cN/dtex以上1.5cN/dtex以下がさらに好ましい。
本発明のアクリル繊維の単繊維結節伸度は、抗ピル性を高める観点から、8%以上20%以下が好ましく、15%以下がより好ましい。
<アクリル繊維の製造方法>
本発明のアクリル繊維は、湿式紡糸法や乾湿式紡糸法により得ることができるが、生産性やコストの点で、湿式紡糸法が望ましい。
<共重合体組成>
本発明のアクリル繊維の製造方法は、アクリロニトリル単位を92質量%以上96.8質量%以下、ビニル系モノマー単位を2質量%以上6質量%以下、およびスルホン酸基含有ビニルモノマー単位を0.2質量%以上2.0質量%以下を含むアクリロニトリル系共重合体を使用することが好ましい。
前記アクリロニトリル系共重合体を有機溶媒に溶解して紡糸原液とする。
紡糸原液は、15質量%以上30質量%以下のアクリロニトリル系共重合体と、70質量%以上85質量%以下の有機溶媒からなることが好ましい。紡糸原液中のアクリロニトリル系共重合体濃度が15質量%以上30質量%以下であれば、糸切れや生産性の面から、紡糸性が良好であり好ましい。前記共重合体濃度は、紡糸性の観点から18%以上25%以下がより好ましい。
前記有機溶剤としては、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド等の有機溶剤であることが必要である。中でも、繊維製造における生産性、得られた抗ピル性アクリル繊維の染色鮮明性と、抗ピル性能のバランスの面からジメチルアセトアミドが好ましい。
アクリロニトリル系共重合体を有機溶媒に40℃以上の溶解温度で溶解することが好ましい。溶解温度は、40℃以上であれば、未溶解分が少なく、それに従いフィルタープレス等の濾過設備における濾材の使用期間が長くでき、また曳糸性を損ねることがないので好ましい。一方、前記溶解温度が95℃以下であれば、共重合体が変色し難ので好ましい。
また、アクリロニトリル系共重合体を有機溶媒に溶解した後の紡糸原液の温度は40℃以上95℃以下であることが好ましい。40℃以上95℃以下であれば紡糸原液の曳糸性や、低粘度によるノズル圧上昇、紡糸原液のゲル化などがなく、紡糸性が良好である。
<凝固浴温度>
次に、該紡糸原液を溶剤濃度が40質量%以上60質量%以下、温度が35℃以上50℃以下の凝固浴に紡糸ノズルの複数の吐出孔から吐出して凝固繊維束とする。
溶剤濃度及び温度の範囲が前記の範囲であれば、凝固が早くなり過ぎず、繊維表面の凹部皺が少なくなり易い。
<ジェットストレッチ、熱水延伸倍率、乾熱延伸倍率、延伸倍率積>
紡糸ノズルの吐出孔から吐出する際のジェットストレッチは0.4以上2.2以下が好ましい。ジェットストレッチとは、凝固糸の引取り速度を吐出線速度で割った値である。
該ジェットストレッチが0.4以上2.2以下であれば、紡浴中での糸切れが少なく、紡糸性が良好な点で好ましい。前記観点から、前記ジェットストレッチは0.6以上2.0以下がより好ましい。
さらに、前記凝固繊維束を熱水中で延伸倍率2倍以上4倍以下で延伸し、油剤付与し、乾燥した後、乾熱で延伸倍率1.2倍以上3倍以下で延伸し、前記熱水中での延伸倍率と前記乾熱での延伸倍率の積Sが、4倍以上6倍以下とする。
乾熱での延伸倍率が1.2倍以上であれば、繊維表面の凹部が伸ばされ平滑面が増え、光沢性が向上するので好ましい。3倍以下であれば、抗ピル性が良好となり、紡糸による糸切れが低減する点で好ましい。
繊維表面の凹部を少なくし、光沢性を高める点で、乾熱での延伸倍率は1.5以上がより好ましく、1.7以上がさらに好ましい。また、工程通過性の点から2倍以下が好ましい。
また、前記積Sが4倍以上6倍以下であれば、紡績等の通過性が良好であり、適切な繊維強度を持つ点で好ましい。また、抗ピル性能が良好になり易い。前記積Sは、4.5以上5.5倍以下がより好ましい。
<熱水温度、乾熱延伸の繊維温度>
前記熱水中で延伸する際の熱水の温度は、80℃以上98℃以下であることが好ましい。この範囲であれば、熱水中での延伸時に繊維の切断が少なくできる。
また、乾熱で延伸する際の繊維温度は、150℃以上170℃以下であることが好ましい。150℃以上であれば、繊維表面の皺を伸ばしやすくなり、170℃以下であれば、熱による変色を少なくでき、乾熱での延伸時に繊維の切断が少なくできる。
乾熱で延伸する際に繊維束を加熱する手段としては、加熱ロール、熱板による接触加熱、熱風で加熱する非接触加熱が挙げられる。中でも、効率的に加熱できる点で、繊維束を加熱する手段は加熱ロールが好ましい。
また、加熱ロールで加熱する場合は、加熱ロールの温度と繊維束が加熱ロールに接触する時間で適宜設定すればよい。複数の加熱ロールに通して、繊維束の両面を加熱するのが好ましい。
加熱ロールの温度は、150℃以上190℃以下であることが好ましい。前記温度が190℃以下であれば、繊維の熱による変色を少なくできる。
乾熱延伸された繊維束は、捲縮を付与され、コンテナーに収納される。
熱水で延伸された繊維の膨潤度は80%以上130%以下の範囲にあることが好ましい。膨潤度が80%以上130%以下であれば、乾燥性や生産性が良好な点で好ましく、繊維表面の皺が少なくなり易い。
<熱緩和処理>
最後に繊維の熱収縮率が5%以上20%以下となるように熱緩和処理を行いアクリル繊維とする。熱緩和条件は繊維の熱収縮率によって規定され、繊維の熱収縮が5%以上20%以下であれば、抗ピル性が保たれる結節強度及び結節伸度となる点で好ましい。
前記熱収縮率とは、熱緩和処理前後で繊維束が収縮した比率である。
熱緩和する温度は、120℃以上135℃以下とする。前記圧力が120℃以上であれば、紡績時のカード通過性が良好な単繊維強度及び単繊維伸度を得られる点で好ましく、135℃以下であれば、抗ピル性が良好な単繊維を得られる点で好ましい。
以上のような製造方法により得た本発明のアクリル繊維束はカッターで切断して短繊維とされた後、紡績される。紡績糸の構成は、本発明のアクリル繊維を100%としても良いし、他の繊維、例えば通常のアクリル繊維、ポリエステル繊維、ナイロン繊維、レーヨン繊維等の合成繊維または化学繊維、綿、ウール、絹等の天然繊維と混紡して、紡績糸とすることも可能である。
<紡績糸の繊維構成>
本発明の紡績糸は、紡績糸中に含まれる本発明のアクリル繊維の含有率を40質量%以上とすることが好ましい。前記含有率が40質量%以上であれが、本発明のアクリル繊維の光沢性、抗ピル性能が表れやすい。その観点から、前記含有率は60質量%以上がより好ましく、80質量%以上がさらに好ましい。
<紡績糸の番手>
本発明の紡績糸は、紡績糸の糸番手は綿番手で40番手以上70番手以下が好ましい。前記糸番手が40番手以上であれば、本発明のアクリル繊維の細い繊度の効果により布帛をソフトにし易い。また、70番手以下であれば、紡績糸を使用する際に必要な強度を得易い。
紡績糸の糸むらのCV%は11.5以下が好ましい。前記CV%が11.5以下であれば、編地の外観がきれいであり、光沢性が向上する。前記CV%は11以下がより好ましく、10以下がさらに好ましい。
<セルロース系繊維の混率>
本発明の紡績糸は、セルロース系繊維の含有率が10質量%以上40質量%以下であることが好ましい。セルロース系繊維の含有率が10質量%以上であれば、吸湿発熱性が向上する点で好ましく、40質量%以下であれば、抗ピル性及び保温性が良好となるという点で好ましい。
<編地の糸構成>
本発明の編地は、前記紡績糸の含有率が40質量%以上であることが好ましい。前記含有率が40質量%以上であれば、編地の光沢性、抗ピル性の効果を得られ易い。前記観点から、50質量%以上がより好ましく、60質量%以上がさらに好ましい。
<編地の目付>
本発明の編地は、目付が150g/m2 以上230g/m2 以下が好ましい。前記目付が150g/m2 以上であれば、編地の強度があり破れにくくなり、230g/m2 以下であれば、肌着として軽くてソフトは編地を得ることができる。
<抗ピル性>
本発明の編地は、抗ピル性能が4級以上であることが好ましい。抗ピル性が4級以上であれば、毛玉が少なく編地の見た目がきれいにできる。前記抗ピル性能は4.5級以上がより好ましい。
<保温性>
本発明の編地は、保温性が15%以上50%以下であることが好ましい。前記保温性が15%以上であれば、肌着として暖かさを得ることができ、50%以下であれば、暑すぎることがない。
本発明のアクリル繊維について、以下の実施例を用いて説明する。
(繊維表面の凹凸測定方法)
本発明のアクリル繊維の凹凸の深さは、以下の中心線平均粗さ(Ra)、最大高さ(Ry)、30点平均粗さ(Rz)および局部山頂の間隔(S)によって表される。これらは、レーザー顕微鏡を用いることによって測定される。
図1〜4は、本発明のアクリル繊維を構成している単繊維の、繊維長さ方向に対して垂直な断面における、単繊維表面の断面形状を模式的に示した図である。
(単繊維の表面の中心線平均粗さ<Ra>)
単繊維の表面の中心線平均粗さ(Ra)とは、図1に示すように、粗さ曲線からその中心線mの方向に基準長さLだけ抜き取り、抜き取り部分の中心線mから測定曲線までの偏差の絶対値を合計し、平均した値を求め、この値をナノメートル(nm)で表したものである。
(単繊維の表面の最大高さ<Ry>)
単繊維の表面の最大高さ(Ry)とは、図2に示すように、粗さ曲線からその中心線mの方向に基準長さLだけ抜き取り、抜き取り部分における、最も高い山頂線と中心線mとの間隔Rpおよび最も低い谷底線と中心線mとの間隔Rvの合計値(Rp+Rv)を求め、この値をナノメートル(nm)で表したものである。
(単繊維の表面の30点平均粗さ<Rz>)
単繊維の表面の30点平均粗さ(Rz)とは、図3に示すように、粗さ曲線からその平均線の方向に基準長さだけを抜き取り、この抜取り部分の平均線から縦倍率の方向に測定した、最も高い山頂から15番目までの山頂の標高(Yp)の絶対値の平均値と、最も低い谷底から15番目までの谷底の標高(Yv)の絶対値の平均値との和を求め、この値をナノメートル(nm)で表したものをいう。
(単繊維の表面の凸部の頂点間距離<S>)
単繊維の表面の凸部の頂点間距離(S)とは、図4に示すように、粗さ曲線からその中心線mの方向に基準長さLだけ抜き取り、隣り合う局部山頂間に対応する平均線の長さを求め、この多数の局部山頂間の平均値をナノメートル(nm)で表したものである。
(強伸度、結節強伸度)
JIS L1015に従って測定した。
(繊維断面の深さ0.1μm以上の凹部の数の測定)
200本以上300本以下の本発明のアクリル繊維にドライヤーの熱風を当て、繊維の収縮を伸ばしチューブの中に入れる。ここで、前記ポリエチレンチューブは周方向にのみ縮むものを使用した。
次に、本発明のアクリル繊維が詰まった前記ポリエチレンチューブを未使用のカミソリの刃で軸方向に略垂直方向に切断し、約2mmの長さにした。
前記切断した面の一方を両面テープで台に固定し、低温イオンスパッタリング装置(日本電子株式会社製、JFC1100)を使用し、1200V、5mA、8分間の条件で、切断面の他方の面にある観察面とする本発明のアクリル繊維の切断面に金を蒸着させサンプルを作製した。
走査型電子顕微鏡(フィリップス社、品番XL-20 )を使用し、前記サンプルの繊維の断面を倍率5000倍で撮影したあと、撮影画像より、繊維表面に有する凹部を1つ決め、その凹部の両側にある凸部を結ぶ接線から凹部に垂直におろした線の最長の長さを凹部の深さとし、繊維断面における深さ0.1μm以上の凹部の深さとその数を数えた。3個の繊維断面を測定し、その平均値を繊維断面の深さ0.1μm以上の凹部の数とした。
(光沢性評価)
光沢性は以下のようにして評価した。
実施例1、2及び比較例1のアクリル繊維をそれぞれ100%使用し、同じ条件の紡績糸とし、同じ条件で布帛を作製し、目視にて光沢性を比較評価した。
○:光沢性良好、
×:光沢性悪い。
(実施例1)
アクリロニトリル95%、酢酸ビニル4.4%、メタリルスルホン酸ソーダ0.6%からなる還元粘度1.8のアクリロニトリル系共重合体をジメチルアセトアミドに溶解し、共重合体濃度24%、50℃における粘度が200ポイズの紡糸原液を得た。
この紡糸原液を孔径0.045mmの複数の吐出孔から、ジメチルアセトアミド濃度56%、温度41℃の凝固液中に吐出して繊維状とし、98℃の熱水中で溶媒を洗浄しながら2.5倍の延伸を施した。続いて油剤を付着させ、表面温度が150℃に設定した複数の熱ローラーで乾燥し、さらに180℃の熱ローラーで加熱して繊維温度を160℃とし、空気中で2倍に延伸し、捲縮を付与後、コンテナーに振り落した。
さらに、繊維束の熱収縮率が7%以上9%以下になるように熱緩和処理を行い、単繊維繊度が1.0dtexの繊維を得た。その条件を表1に、その結果を表2に示す。
この繊維の結節強度(cN/dtex)の値と結節伸度(%)の値との積Kは15.9であり、抗ピル性が良好になる値であった。また、深さ0.1μm以上の凹部の個数が2個であり、比較例に比べ、光沢性に優れるものであった。
(実施例2)
湿熱延伸倍率、乾熱延伸倍率を変更した以外は、実施例1と同様に紡糸を行った。その条件を表1に、その結果を表2に示す。
その結果、結節強度(cN/dtex)の値と結節伸度(%)の値との積Kは16.6であり、抗ピル性が良好になる値であった。また、深さ0.1μm以上の凹部の個数が4個であり、比較例に比べ、光沢性に優れるものであった。
(実施例3〜11)
表1に示すとおりに、アクリル繊維の製造条件を変更した以外は、実施例1と同様にアクリル繊維の製造をおこなった。そのアクリル繊維の物性を表1に示す。
(比較例1)
乾熱延伸をせず、熱水延伸の倍率を高め、総延伸倍率を同じにした以外は実施例1と同様にアクリル繊維の製造を行った。その条件を表1に、その結果を表2に示す。
その結果、結節強度(cN/dtex)の値と結節伸度(%)の値との積Kは25.7であり、抗ピル性はあるものの、本発明のアクリル繊維に比べ良好な値ではなかった。また、深さ0.1μm以上の凹部の個数が15個であり、光沢性は劣るものであった。
(比較例2)
乾熱延伸をせず、熱水延伸の倍率を高め、総延伸倍率を同じにした以外は実施例3と同様にアクリル繊維の製造を行った。その条件を表1に、その結果を表2に示す。
その結果、結節強度(cN/dtex)の値と結節伸度(%)の値との積Kは20であり、抗ピル性はあるものの、本発明のアクリル繊維に比べ良好な値ではなかった。また、光沢性は劣るものであった。
(比較例3)
特開2013−209771に記載の炭素繊維前駆体用アクリル繊維を製造する条件でアクリル繊維を製造した。その条件を表1に、その結果を表2に示す。
炭素繊維前駆体用アクリル繊維は、結節強伸度の積Kが低く、紡績時に折損し紡績できない物性であった。
(比較例4)
特開平11−222716に記載の光沢性繊維を製造する条件に従い単繊維繊度22dtex、扁平率22のアクリル繊維を製造した。その条件を表1に、その結果を表2に示す。
積Kは抗ピル性を示す範囲であるが、繊度が太く風合いが悪いため、衣料用途には不向きであった。
Figure 0006145723
(実施例12)
実施例1のアクリル繊維を70質量%とマイクロモダール(レンチング社製、1.0dtex)と30質量部とを混綿し、糸番手が綿番手で50番手、撚り数が873t/mの紡績糸を製造した。その物性を表2に示す。
(実施例13)
実施例1のアクリル繊維を100質量%で、糸番手が、綿番手で60番手、撚り数が1139t/mの紡績糸を製造した。その物性を表2に示す。
(実施例14、15)
糸番手を表2に示す通りに変更した以外は、実施例13と同様にして紡績糸を得た。その物性を表2に示す。
(実施例16)
実施例11のアクリル繊維を100質量%とし、糸番手が、綿番手で40番手、撚り数が820t/mの紡績糸を製造した。その物性を表2に示す。
(比較例5)
比較例1のアクリル繊維を70質量%とマイクロモダール(レンチング社製、1.0dtex)を30質量部とを混綿し、糸番手が綿番手で50番手、撚り数が900t/mの紡績糸を製造した。その物性を表2に示す。
実施例12と比較して、糸むらが大きいものであった。
また、実施例12の紡績糸と比較例5の紡績糸を、コーンに巻かれた状態で目視で比較したところ、実施例12の紡績糸の方が、光沢があることが確認できた。
(比較例6)
比較例1のアクリル繊維を100質量%で、糸番手が、綿番手で60番手、撚り数が1139t/mの紡績糸を製造した。その物性を表2に示す。
実施例13と比較して、糸むらが大きいものであった。
(比較例7、8)
糸番手を表2に示す通りに変更した以外は、比較例6と同様にして紡績糸を得た。その物性を表2に示す。
(比較例9)
比較例2のアクリル繊維を100質量%とし、糸番手が、綿番手で40番手、撚り数が820t/mの紡績糸を製造した。その物性を表2に示す。
実施例13〜16の紡績糸とそれぞれ対応する比較例6〜9の紡績糸とを、コーンに巻かれた状態を目視で比較したところ、各実施例の紡績糸の方が、光沢があることが確認できた。
(実施例17)
実施例15の紡績糸を使用し、14Gで天竺組織の横編地を作成した。目付は210g/m2 であり、抗ピル性能は4.5級、保温性は45.1%であった。
(比較例10)
比較例8の紡績糸を使用し、14Gで天竺組織の横編地を作成した。目付は210g/m2 であり、抗ピル性能は4.5級、44.9%であった。
しかしながら、光沢性は実施例17と比較して劣るものであった。
Figure 0006145723
Figure 0006145723

Claims (12)

  1. 単繊維の表面の中心線平均粗さ(Ra)が3nm以上12nm以下であり、結節強度(cN/dtex)の値と結節伸度(%)の値との積Kが10以上30以下であるアクリル繊維。
  2. 単繊維繊度が0.5dtex以上3.5dtex以下である請求項1に記載のアクリル繊維。
  3. 単繊維の表面の最大高低差(Ry)が40nm以上150nm以下、30点平均粗さ(Rz)が20nm以上80nm以下および単繊維の表面の凸部の頂点間距離(S)が800nm以上1100nm以下である請求項1または2に記載のアクリル繊維。
  4. 繊維軸に垂直な方向の断面において単繊維表面に有する深さ0.1μm以上の凹部が10個以下である請求項1〜3のいずれか一項に記載のアクリル繊維。
  5. アクリロニトリル単位92質量%以上96.8質量%以下、ビニル系モノマー単位2質量%以上6質量%以下、およびスルホン酸基含有ビニルモノマー単位0.2質量%以上2.0質量%以下を含むアクリル繊維であって、単繊維引張強度が1.8cN/dtex以上3.0cN/dtex以下、単繊維結節強度が1.0cN/dtex以上1.8cN/dtex以下、単繊維結節伸度が8%以上20%以下である請求項1〜4のいずれか一項に記載のアクリル繊維。
  6. アクリロニトリル単位を92質量%以上96.8質量%以下、およびスルホン酸基含有ビニルモノマー単位0.2質量%以上2.0質量%以下を含むアクリロニトリル系共重合体を有機溶媒に溶解して紡糸原液とし、前記紡糸原液を温度が35℃以上50℃以下の凝固浴に紡糸ノズルの吐出孔からジェットストレッチが0.4以上2.2以下で吐出して凝固繊維束とし、前記凝固繊維束を80℃以上98℃以下の熱水中で延伸倍率が2倍以上3.8倍以下で延伸し、油剤付与し、乾燥した後、繊維温度が150℃以上170℃以下として乾熱で延伸倍率が1.2倍以上3倍以下で延伸し、前記熱水中での延伸倍率と前記乾熱での延伸倍率の積Sが4倍以上6倍以下であるアクリル繊維の製造方法。
  7. 前記アクリロニトリル系共重合体はビニル系モノマー単位を2質量%以上6質量%以下をさらに含み、前記凝固浴の溶媒濃度が40質量%以上60質量%以下であり、乾熱延伸後に熱緩和処理を行う請求項6に記載のアクリル繊維の製造方法。
  8. 前記熱緩和処理温度が、120℃以上135℃以下であり、繊維緩和率が5%以上20%以下である請求項6または7に記載のアクリル繊維の製造方法。
  9. 請求項1〜5のいずれか一項に記載のアクリル繊維を40質量%以上含み、糸番手が綿番手で40番手以上70番手以下である紡績糸。
  10. セルロース系繊維を10質量%以上40質量%以下含んでなる請求項9に記載の紡績糸。
  11. 請求項9または10に記載の紡績糸を40質量%以上含み、目付が150g/m2 以上230g/m2 以下あり、抗ピル性能が4級以上である編地。
  12. 保温率が、15%以上50%以下である、請求項11に記載の編地。
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